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Gママさん
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隠居人はせじぃさん
noahnoahnoahさんCalendar
ここ尼崎は鎌倉時代には海人崎(あまがさき)と書かれ、漁民、海民の崎を意味していたとのこと。
お寺の尼さんのアマではないのだ。それほど海運や漁業に恵まれた海辺の城下町であったのだ。
寺町の西の方に進むと、長遠寺の白壁が。長遠寺は寺町にある日蓮宗の寺院。
道路右側は昔ながらの寺院があり、狭い石畳みの道路の左側には現在の住宅地があるという
なんとも不思議な光景。

長遠寺は本堂が国の重要文化財。客殿、庫裏、鐘楼は県の重要文化財。
本殿は1623年の改築と。
多宝塔は円筒形の塔身に四角形の屋根をかけた宝塔に裳階(もこし)をつけて重層にした
仏塔の一形式とのこと。長遠寺のものは比較的小規模なもので、高さ15m程度の2層、本瓦葺。
軒のそりの形が見事であった。江戸時代初期の建築で、軒下の組物などがよく原形を
残しているとのこと。

本堂横の白壁には朝日を浴びた木々の陰が映ってまたまた水墨画の世界を表現していた
のである(最近これらの写真に凝っている自分に気づく)。

そしてこれも同様。

そして何処のお寺の入り口にあったかは失念してしまったが下の写真の如きカレンダーが
貼り付けてあった。

絵と文は、仏画伝道の活動をしている荒了寛(あらりょうかん)氏の作品とのこと。
「一言多かったか 一言足りなかったか 一言で 人生が変わることもある」
Did I say too much or too little,
A single word can change one's life.
自分の言った一言で誰かが変わったという実感は少しは確かにありますが、他人に言われた
一言によって自分の考え方が変わって、そのお陰で自分の生き方、考え方が変わったのでは
ないか思う事は多々ある。
この珠玉の言葉は心に響き残る言葉。
ふとSUMISEI BEST BOOK?に載っていたある外国人?の言葉
【 心の奥底に達してあらゆる病を癒せる音楽、それは暖かい言葉だ。 】 を
思い出していた。
庄下川沿いを阪神尼崎駅向かって歩いていくと赤煉瓦のクラシックな建物が現れた。
英国から煉瓦を輸入して建設された歴史ある建物。
これは阪神電鉄の旧尼崎発電所。1904年竣工とのことなので、100年以上経過。
なお、今は発電所としては機能していない。

【尼崎城址公園】へ足を運ぶ。
尼崎城は、1610年代に5万石の大名として赴任してきた戸田氏により、約300メートル四方、
三重の堀をもち、甲子園球場の約3.4倍に相当する敷地に築かれたとのこと。
5万石の大名の城としては大きすぎる城を幕府が作らせたのは、尼崎城に大坂城の西を守る
役割を期待したため。現在の庄下川も西側の外堀として利用され、沖からみると城全体が
海に浮かんでいるように見え、美しく水に写る姿は「琴浦城」の名称で親しまれていたとのこと。
城は本丸・二の丸・松の丸・南浜・西三の丸・東三の丸と渦巻き状に外へと広がり、
中心の本丸には本丸御殿や4層の天守閣が建てられていたと。明治初めにに廃城が
決まった後、城の建物は売却されたり取り壊され、堀も次第に埋められていったために、
今では全くその姿を見ることはできなくなってしまったのだ。しかし、これまでの発掘調査では、
地下部分に遺構が残存することが判明。震災の被害を受けた尼崎市立城内小学校の建て替え
工事に先立つ発掘調査では本丸御殿の一部が発見されたと。

尼崎市立城内小学校はビックリするほど近代的な外観。

城内小学校校庭にある、コンクリート製尼崎城天守模型。
この模型も昭和15年製作で、相当な年代もの。

そして最後にユニチカ記念館へ。
ユニチカ記念館はニチボー(大日本紡績)の前身尼崎紡績が、操業当時、工場の総務事務所
として使用していた建物を使っていたもの。そしてユニチカのあらゆる資料が保管されていると。
市内に現存する最も古い洋風建築。煉瓦造り2階建て、設計は日本人のようだが、外壁を覆う
赤煉瓦はイギリスからの輸入品。
1964年の東京オリンピックで、日本中を感動させた金メダルチームというのは、ほぼ、
このときの「東洋の魔女」日紡貝塚のメンバー。この時の記念の品々も2階に展示されている
とのことだが、もちろん早朝の為入り口は閉鎖中。

尼崎市は、東に大阪市、西に西宮市と隣接した阪神工業地帯の中心地。
しかしながら歴史的には江戸時代に尼崎藩として城下町だったこと、そして寺町の如く多くの
国指定の重要文化財がある街とは想像もしなかったのである。この日も新しい知識と感動の
早朝散歩であったのだ。
そして何故か永六輔の【 遠くへ行きたい 】という曲の歌詞が昔から好きなのだ。
知らない街を歩いてみたい
どこか遠くへ行きたい
知らない海を眺めていたい
どこか遠くへ行きたい
この歌詞そしてメロディと同じように、知らない街の風景とその感動、そして新たな知識を求めて
早朝に歩き回っている好奇心だけは誰にも負けない?『アラカンオジサン』なのです。
牛久大仏へ(その3) 2025.11.19
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