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次に「漁樵の間(ぎょしょうのま)」を訪ねる。

芥川や漱石などの文豪たちの名文を切り取っては幾重にも重ね合わせる立体切り文字アーティスト
の写経のような作風。

芥川竜之介の小説「地獄変」よりの作品「重ねる」。

句読点を除いた冒頭の121文字を題材に、パソコンソフトで文字が絶妙に重なるように
レイアウト。それをプリントしたものを型紙に用い、余白部分をカッターナイフで無心
に切り取っていく。ふと気がつけば、1日12時間カッターを握っていたことも少なくないと。
そうしておおよそ2日かけてすべての余白を切り取ると、型紙を少しだけ拡大させた次の1枚に
取り掛かる。2017年9月26日の時点で、積み重ねた枚数は128枚であると、そして日々
更に重ねる枚数が増えている、 と説明文より。

「春眠不覚暁 処処聞啼鳥 夜来風雨声 花落知多少」
「心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ」

四角錐。
「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる 」
「ずらす」
芥川龍之介「羅生門」より。
「ある日の暮方の事である 一人の下人が羅生門の下で雨やみを待っていた
広い門の下にはこの男のほかに誰もいない・・・・・」

芥川龍之介「河童」
「これは或精神病院の患者、――第二十三号が誰にでもしやべる話である・・・・・・」
平面であるはずの文字が、紙の中から浮き上がったり、
飛び出たり、零れ落ちたりする奇妙さが不思議。

数々の日本の有名小説家の作品を。

夏目漱石「坊っちゃん」。
「親譲りの 無鉄砲で小供の時から損ばかりしている・・・・・」
![DL5kgfgUIAAlSaC[1]_R.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/be62ff748331d6a172f775321ec6973bbd96c41c.15.2.9.2.jpeg)
「漁樵の間」の迫力と豪華な美しさに圧倒される。
室内はすべて純金箔、純金泥、純金砂子で仕上げられ、彩色木彫と日本画に囲まれた美しさは
息を呑むほどの絢爛豪華さ。
床柱は左右ともに巨大な檜で、精巧な彫刻 (中国の漁樵問答の一場面)が施されている。
格天井には菊池華秋原図の四季草花図、欄間には尾竹竹坡原図の五節句が極彩色に
浮彫されている。

格天井。

欄間。

欄間の浮き彫りが続く。



花見を楽しむ。

牡丹を楽しむ。

紅葉を船遊びで楽しむ姿。


柱の彫刻。

左手に斧、右の子供が乗っているのは、枝を入れたわら俵。
中国の「漁樵問答」を題材に、山で生きる樵(きこり)と海で生きる魚師との立場の違う会話と
口論の中で、ふと気づく、自然に中に生きる姿を表現していると。

樹齢280~300年、直径60cmの巨木に深く彫り込まれた極彩色の彫刻に
圧倒されたのであった。

そしてこちらの欄間の浮き彫りも見事。


展示品の全くない時に、この部屋の美しさをゆっくりと観賞したいと感じたのであったが。
・・・ つづく ・・・
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