inti-solのブログ

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2010.12.21
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カテゴリ: 環境問題
http://www.asahi.com/science/update/1221/TKY201012210243.html


関係者によると、2羽は出水市の平野で見つかり、19日にナベヅル1羽、さらに20日に別の1羽が死んだ。同市の監視員の通報を受けた鹿児島大が簡易検査を実施し、20日に死んだ1羽が陽性、もう1羽は陰性だった。鳥取大の遺伝子検査で高病原性と確認されれば、今季に入り国内で5例目になる。
出水市はツルの越冬地として知られ、今季で14季連続1万羽以上が飛来しているという。ナベヅルは国の絶滅危惧種に指定されている。

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ナベヅルはシベリア東部の広大な地域で繁殖していますが、越冬地は限られます。記事には書かれていませんが、全個体数の9割が出水で越冬していると言われています。当然、過密状態です。もしここで鳥インフルエンザが流行したら・・・・・。ナベヅルの生存にとって致命的な事態となるでしょう。

それにしても、繁殖地はシベリアの広大な地域なのに、越冬地が出光のごく狭い地域に集中しているのは何故でしょうか。理由は二つ考えられます。一つは、土地開発により、ツルが生活できるような場所が減ってきているために、特定の生息地に集中せざるを得ないこと、そしてもう一つは、人間が餌付けしているからです。これほどの個体数のツルを養えるほどのえさが、そんな狭い地域に自然状態で存在するはずがありません。
同じように、冬鳥の水鳥が数多く集まる地域して、新潟県の瓢湖、宮城県の伊豆沼などがあります。程度の差はありますが、いずれも餌付けが行われているようです。幸いなことに、それによって全個体数の大半が一カ所に集中するという事態にはなっていないですけれど。

出水のツルについては、さすがに近年では、保護関係者によって、越冬地を分散させるための様々な試みが行われていますが、まだまだ圧倒的多数が出水近辺で越冬している状況は変わっていません。
わたしもかつて日本野鳥の会の会員だったことがあり、鳥は大好きなのですが、餌付けによって人工的に多くの鳥を誘導することは、なかなか考え物かもしれません。


話は変わりますが、東京近辺ではツルやハクチョウは滅多に姿を現しませんが、カモは大量に越冬しています。有名なのは上野の不忍池、市川市行徳の野鳥公園などでしょうか。それらの周辺の、池のある公園(明治神宮とか六義園とか)でも、やはり多くのカモが越冬しています。東京近辺で見かけるカモは、マガモ・カルガモ・オナガガモ・ハシビロガモ・ヒドリガモ・コガモ・オシドリ・スズガモ・キンクロハジロ・ホシハジロくらいでしょうか。オシドリまでは陸ガモとか淡水ガモと呼ばれる仲間、スズガモ・キンクロハジロ・ホシハジロは海ガモと呼ばれる仲間です。ちなみに、淡水ガモは藻などの植物を主食にしており、食べるとおいしいことで知られています。一方海ガモは貝類など動物質のえさを主食にしており、あまりおいしくないようです。ま、実際に野生のかもを食べたことはないので、話に聞いているだけですけれど。

行徳の野鳥公園は、東京湾に隣接しているだけに、海ガモ、特にスズガモの天下です。一方、不忍池(及び、都心の意見ある公園全般)では、十数年ごとにカモたちの勢力が変動しています。かつて、40年以上前には、オシドリが最大勢力だった時代があったようです。今の不忍池では、オシドリはほとんどいませんが。
その後、約30年前、わたしが野鳥の会に入って探鳥会などに行っていた頃、不忍池の最大勢力はオナガガモでした。とにかく不忍池に浮かんでいるカモの9割はオナガガモじゃないか、という頃にわたしは鳥に興味を持ち始めたので、「東京のカモ=オナガガモ」というのが、わたしの頭の中の公式です。
ところが、オナガガモの天下も終わりました。現在不忍池の最大勢力は、どう見てもキンクロハジロだと思われます。不忍池はもちろん淡水で、キンクロハジロは海ガモなのですがねえ。ただ、オナガガモもまったくいなくなったわけではなくて、第二勢力くらいの数はキープしていますけれど。
きっと、十数年後にはまた、カモ界の最大勢力は変わっているでしょう。そのときにはいったいどの鳥が多数派になっているんでしょうね。





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最終更新日  2010.12.21 22:09:57
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