inti-solのブログ

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2012.07.25
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カテゴリ: 災害
日本財団会長・笹川陽平 漂着物処理に自衛隊を派遣せよ


目に見える行動こそ必要
それには自衛隊の派遣に勝る策はない。東北の被災地と同様、漂着地で自衛隊と米軍がともに汗を流す姿が再現されれば、日本の誠意は米国民に伝わり、大災害における両国の末永い協力関係も確立する。その際は、われわれ日本財団もNPO(民間非営利団体)やボランティアを現地に派遣して全面的に協力する用意がある。
東日本大震災では岩手、宮城、福島3県だけで2000万トンに上るがれきが発生し、うち約500万トンが津波で太平洋に流出した。内閣官房総合海洋政策本部のシミュレーションによると、このうち7割は近海に堆積、残る150万トンも偏西風に乗って漂流する間に大半が海中に沈むが、最終的に4万1300トンがアラスカ州からカリフォルニア州にかけた北米大陸の西海岸に漂着する。
(中略)
漁船は米沿岸警備隊が撃沈し、浮桟橋の処理にはオレゴン州が9万ドル(約720万円)を支出、米海洋大気局(NOAA)は今月、アラスカ、ワシントン、オレゴン、カリフォルニア、ハワイの5州に清掃費名目で計25万ドル(約2000万円)を拠出すると発表した。しかし、各州に対策費の備えはなく、米議会からは「日本に費用分担を求めるべきだ」といった声も出始めた。

まず首相が意思表示を
日本政府にも回収費用の一部負担を検討する動きがあるようだが、賛成しかねる。1991年の湾岸戦争で日本は130億ドルもの巨費を拠出しながら、国民の納得も外国の評価も得られなかった。理解と協力を得るには、目に見える具体的な行動こそ重要である。
海外の災害では99年のトルコ北西部地震、2001年のインド西部地震、10年のパキスタン洪水などでも自衛隊が派遣されている。根拠となる「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」は、対象を「海外の地域、特に開発途上にある海外の地域」「大規模な災害」とするとともに「(当該国の)政府又は国際機関の要請」を派遣の前提としている。
「米国が対象地域に含まれるか」「がれきの漂着が大規模災害に当たるか」「米国政府が果たして派遣を要請するか」といった疑問もあるようだが、法律が合わないのなら新たにルールを作れば済む。広範かつ長期にわたる膨大ながれきの漂着は、大災害以外の何ものでもなく、手を取り合って処理に当たれば、間違いなく日米両国民の信頼は強化される。まずは野田佳彦首相が自衛隊派遣の必要性と派遣に向けた明確な意思を表明すべきである。
(以下略)

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またまた産経新聞の記事(寄稿)です。書いた笹川陽兵にもね載せた産経にも驚くほかありません。自衛隊を災害派遣のために米国に送り出せ、というのですから。
自衛隊(外国の軍隊)が米国本土で活動することを、米国が好ましく思うはずがないと私は思うのです。かつて、ハリケーン「カトリーナ」によって甚大な被害が生じたときだって、お金の援助はありましたが、いかに災害派遣とはいえ軍隊を米国に送り込んだ国は一国たりともなかったはずです。(消防など非軍事分野の災害救助隊については分かりませんが)
米国は、世界中の国々に軍隊を駐屯させています。日本しかり韓国しかり、イギリス、ドイツ、等々。しかし、米国に軍隊を駐屯させている国は世界に一カ国たりともありません。「貴国の安全を守るためにね我が軍を駐留させましょう」などという申し出があったとしても、「いりません」と言われるに決まっているのです。

ま、ここまではあくまでも私の推測です。しかし、漂着物の回収のために自衛隊を派遣してほしい、などと米国が求めていない、というのは明白な事実です。
笹川も認めているとおり、国際緊急援助隊の派遣に関する法律は派遣対象を「海外の地域、特に開発途上にある海外の地域」「大規模な災害」とし、「(当該国の)政府又は国際機関の要請」を前提にしています。大前提である派遣要請がないにもかかわらず、「法律が合わないのなら新たにルールを作れば済む」という言いぐさには、開いた口がふさがりません自分が必要だと思えば、相手から求められなくても軍隊(自衛隊)を送り込むべきだ、なんてのは唯我独尊の善意の押し売りでしかありません。
国際協力の基本は、他国に求められたら、その求めに応じることでしょう。勿論、無政府状態などで、政府として統一的に援助を求めることができないような場合はその限りではない(代わりに国際機関が援助を求める)としても、米国がそのような無政府状態の国でないことはいうまでもありません。
そんな行為によって本当に「日米両国民の信頼は強化される」と本当に信じているのでしょうか。そうだとしたら、さすがに「世界は一家、人類は皆兄弟」などというお題目を唱えていた笹川良一の息子だけのことはある、と思いますね。

もっとも、さらにもう一歩深く考えてみると、この手の「善意の押し売り」で他国に軍隊を送り込み続けてきた国の代表が、他ならぬ米国であるわけです。





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最終更新日  2012.07.26 00:24:27
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