inti-solのブログ

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2012.07.28
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木曜日から夏休みをとり、今日まで家族で八ヶ岳山麓の富士見高原に行ってきました。で、例によって途中で私1人で別行動を取り、八ヶ岳に登ってきました。登ったのは、この山です。

01Amigasa.JPG
八ヶ岳の最南端に位置する編笠山(2523m)です。例年、夏休みに家族旅行に行くと、途中で姿をくらまして1人で山に登るのですが、その種の「家族旅行の合間に登る山」の中で、高さだけで言えば最高峰です。
泊まった宿(富士見高原のペンション)が、標高1200mあまりなので、そこから山頂まで標高差1300mほど。日帰りで登る高さとしては、まあまあというところでしょうか。予定では、富士見高原-編笠山-青年小屋-西岳-富士見高原というつもりでしたが、諸事情により、結果的には富士見高原から編笠山まで単純往復になってしまいました。

03Pinus koraiensis.JPG
チョウセンゴヨウの葉。名前のとおり、朝鮮半島から中国東北の寒冷地に多く分布する五葉松の一種です。日本では、最終氷期に多くの化石が発見されており、その頃には日本中に広く分布していたようですが、現在は中部地方と四国のほんの一部にごくわずかに分布するだけです。八ヶ岳南部はチョウセンゴヨウがかなり多く自生している場所です。

04Pinus koraiensis.JPG
同じくチョウセンゴヨウの幹。幹だけ見たら、アカマツと区別が付きません。標高1755mという標識のすぐ近くです。

05Tsuga diversifolia.JPG
コメツガの葉。亜高山帯針葉樹林の主要樹種です。

06Abies veitchii.JPG
シラビソの葉。コメツガと並び、亜高山帯針葉樹林の主要樹種。これが、だいたい標高2000m付近です。
日帰りなので、荷物はかなり軽く、しかも樹林帯を登っている間は登山道も斜度は緩く、足場もしっかりしているので、我ながら結構なスピードで登っていきました。宿を出たのが8時40分くらい、11時前に標高2200mを越えたので、標高差1000メートルを2時間10分か20分で登った計算です。ところが、森林限界に近づいて、地図に「シャクナゲ庭園」と書かれているあたりに来たら、結構なガレ場が続くようになって、少々ペースダウン。ちなみに、シャクナゲの花に少々期待して登ってきたのですが、残念ながら全然咲いていませんでした。ハクサンシャクナゲもキバナシャクナゲも、だいたい花のシーズンのはずなんだけど、おかしいなあ・・・・・・。

しかも、まだお昼前だというのに、雷がゴロゴロ鳴りだしてしまったのです。うーーーん、こりゃまずいかな、引き返した方がいいかな、だけど、森林限界までもう少しだし、このまま引き返すのはしゃくだから、せめて森林限界まで行って考えることにしました。

07Amigasa.JPG

なお、お断りしておきますと、この写真以降、森林限界を超えてから山頂に着くまでの写真は、実はすべて下山時に撮影したものです。登りはちょっと雲が多くて(雷が鳴ったくらいですから)写真を撮りませんでした。

08Amigasa.JPG
森林限界を抜けたところです。森林限界直下の「シャクナゲ公園」から、ずっとガレ場、この先山頂までずーっとガレ場です。
先ほどの雷が気になったのですが、森林限界を超えてしばらくして気がついたのは、風下の方向で雷が鳴っている、ということ。つまり、雷雲がこっちに近づいてくる可能性はなさそう。なので、そのまま予定どおり山頂に向かうことにしました。
樹林帯の下部はそれなりに暑くて、風も通らないのでバケツで水をかぶったくらいの猛烈な汗をかきましたが、森林限界を超えると、さすがに風は涼しい。登っているので汗はかきますが、樹林帯のように滝のような汗ではなくなりました。

09Amigasa.JPG
遠方に諏訪湖が見えたので撮影してみましたが、やっぱり写真では湖はよく分かりませんねえ。

10Amigasa.JPG
山頂まであと少し。登山コースとしては特に難しいわけではありませんが、ひたすらガレ場。で、山頂に着いたのは丁度お昼の12時。

11Gongen-Yatsu.JPG
山頂に着きました。目の前に権現岳(2715m)がそびえています。もし早朝(朝4時半とか5時とか)に宿を出られれば、多分権現岳まで登れたかも。まあ、家族旅行だからそこまではやりませんでしたけど。
南斜面は、だいたい標高2300~2400m付近が森林限界になりますが、山頂の北側は、ほぼ山頂まで、というかそれより高い高度まで樹林帯が続いていることが分かります。つまり編笠山は南側と北側で森林限界の高さが違うわけです。多分、あのガレ場のせいでも南斜面は高木が進出できないのでしょう。

12Yatsugatake.JPG
八ヶ岳連峰の全容です。左端が阿弥陀岳(2805m)、その隣奥側が横岳(2829m)、その隣が八ヶ岳の主峰赤岳(2899m)、右端が権現岳です。権現岳以外は、10年くらい前に全部登ったことがあります。

13Akadake-Yatsu.JPG
赤岳のアップです。 今年の2月に硫黄岳から赤岳の写真を撮った ことがあります。このときは、北側から赤岳(横岳・阿弥陀岳も)を撮りましたが、今回は南側からの撮影です。(季節も違うけど)

15Amigasa.JPG


16Rosa suavis.JPG
一つ誤算だったのは、編笠山の山頂には花がほとんどなかったことです。八ヶ岳は高山植物の豊富な山ですが、花が多いのは硫黄岳から赤岳にかけてで、編笠山は例外みたいです。その中で、唯一目に付いた花がこれ。タカネバラです。

14Nishidake-Yatsu.JPG
西岳(2398m)。当初予定では、この山を越えて下山するつもりでした。しかし、実は登っている間、ちょっと腰が痛かったのです。もちろん、それほど深刻な痛みだったわけではありませんが(深刻な痛みだったらこんなハイペースでは登れない)。しかし、ここからさらにいったん下って、また西岳まで登り返して、さらに下って・・・・・・さすがにキツイかなあ。コースタイムでも、編笠山から直接下るより1時間以上余計にかかるし、何よりあっちの山は森林限界を越えていないのが一目瞭然だから、編笠山ほど視界は広くないだろうし。
そんなこんなを考えて、西岳を回ることは諦めることにしました。たので、編笠山の山頂にはずるずると1時間近くもいました。その間に次第に天気がよくなり下山時の方が登りより天気がよくなったのは前述のとおりです。

そうそう、例によってケーナを持っていったのですが、山頂では結局吹きませんでした。その代わり、下山時に吹いた。森林限界より上のガレ場の途中で1回と、樹林帯で2回。ガレ場は、風に息を流されるので、風下の方に向かって吹きましたが、それでも低音域はなかなか厳しいものがありました。しかし、樹林帯で吹いたら、びっくりするくらい音が伸びた。持っていったケーナは、去年10月に福島県川俣町の「コスキン・エン・ハポン」で購入した木製のケーナです。肉厚が厚くて若干音が出しにくい上に、ちょっとピッチが高めなので、グループでの演奏には使いにくいのですが、とてつもなく音量が出るのです。屋外で吹くと、本当に音がとおる。これは、魔笛かも知れない。
それにしても、登りは一心不乱のハイペースで登り続けたのに、下りはあっちでケーナを吹き、こっちで写真を撮り、おやつを食べ、わき水に寄り道して、とやっていたら、宿に戻ったのが午後4時過ぎ。つまり登りと下りで所要時間があまり変わりませんでした。






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最終更新日  2012.08.04 10:15:37
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