inti-solのブログ

inti-solのブログ

2014.04.13
XML
リニア技術を米に無償提供 首相、首脳会談で表明へ


技術提供の場合、「ライセンス料」を受け取るのが一般的だが、短期的な資金回収よりも、リニア新幹線を米に確実に売り込むことを優先する。無償提供であっても、車両や部品の量産効果に伴うコスト削減、世界的な知名度の高まりによる販路開拓で、十分に利益を得られると見込んでいる。
首相は首脳会談で、ワシントン-ボルティモア間だけでなく、新たにワシントン-ニューヨーク間(約360キロ)にもリニア新幹線を採用するよう打診する。
首相は「インフラ輸出」を、成長戦略の目玉に位置付けている。日本の独自技術によるリニア新幹線の米国への売り込みが成功すれば、米国や他の海外市場開拓への大きな弾みとなる。
昨年2月の日米首脳会談で首相は、JR東海が独自開発したリニア新幹線に関し、「技術の米側への導入で、日米協力の象徴としたい」と伝えた。オバマ米大統領から明確な回答はなかったが、日米間で調整が進んできた。
首相とケネディ駐日米大使は12日、山梨県都留市のJR東海の山梨リニア実験センターを視察し、試乗を行った。2人は42・8キロの実験線を最高時速約500キロで1往復半、試乗した。
首相は試乗後、記者団に「ケネディ氏は『(リニアが)快適だったとオバマ大統領に伝える』と言っていた」ことを明らかにした。
さらに「トップセールスで日本の技術を米国はじめ世界に提供していきたい。それを日本の成長につなげていきたい。特に同盟国の米国には活用してもらいたい」と語った。

---

この話は、以前にも報じられたことがあって、その時にも記事を書いたことがあります。

取らぬ狸の皮算用

純工学技術的には実用化の目処は立っているにしても、総合的に見て事業として成り立つか否かも判然としない段階で、しかも鉄道事業の基盤が脆弱な米国に「ライセンス料はタダにします。建設費の一部融資します※」と言われても、当の米国自身がどこまで喜ぶかは、大いに疑問の余地ありです。

※以前の報道では、米国にリニア建設費として5000億円を融資、とも報じられました。

で、そのあたりのところは繰り返しは書きません。私が非常に気になるのは、この気前の良さの裏にあるものです。前述のとおり、米国の鉄道事業の基盤は脆弱で、リニアモーターカーの経営が米国で成り立つかどうかの不確定要素はかなり大きい。ライセンス料をタダにしても、長い目で見てそれが回収できるほどの商売になるかどうかは、いささか怪しいと思われます。
にもかかわらず、「ライセンス料無料」などと日本政府が言って、一民間企業のJR東海がそれに嬉々として応じる。何かおかしい。

リニア中央新幹線は、国費を使わず、JR東海の自己資金で建設することが決まっています。
ひょっとして、お国のためにライセンスは無償で提供します、その代わり中央新幹線の建設費は一部国が出してください-というような裏取引の結果としてのライセンス料無償なんじゃないか、という気がしてならないのです。
もちろん、現時点でそれをうかがわせるようなほかの証拠があるわけではないのですが、どうも怪しいなという気がしてしまいます。


私はリニアモーターカーの経営が成り立つのかどうか、交通網として既存の鉄道を置き換えられることが可能か、といったあたりには非常に疑問を感じており、過去にも何回かリニアモーターカーについて批判的な記事を書いたことがあります。
民間企業であるJR東海が自己資金のみで建設するものであれば、自社の経営判断だけの問題ですから、(環境に対する影響の側面をのぞけば)「建設反対」なんてことは言いませんけど、国費投入ということになれば話は別です。これだけの財政赤字がある中で、経営的に成り立つかどうかも分からないリニアモーターカーに国費を投入するのは、いかがなものかと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.06.09 08:34:40
コメント(4) | コメントを書く
[鉄道・飛行機他乗り物] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: