inti-solのブログ

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2015.01.08
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テーマ: ニュース(95873)
カテゴリ: その他
風刺週刊紙で銃撃、12人死亡=大統領、テロと断定―イスラム過激派の犯行か・パリ

7日発売の同紙には、イスラム過激組織を挑発するようなイラストが掲載されていた。犯人が国際テロ組織アルカイダを名乗り、逃走する際に「ムハンマドへの侮辱に報復した」と叫んでいたとの目撃情報もあることから、イスラム過激組織による犯行の疑いが強まっている。オランド大統領は「どこまでも犯人を追い掛け、裁きを受けさせる」と強調した。
同紙は過去にムハンマドを題材にした風刺画を掲載。2013年には「ムハンマドの生涯」と題した漫画を出版した。たびたびイスラム団体から批判を受け、11年には火炎瓶を投げ付けられて事務所が全焼している。同紙への脅迫はその後も続き、当局も警戒していただけに、警備態勢の不備を追及される可能性もある。
現場はパリ中心部のバスティーユ駅から北に約400メートルの地域。事件当時は週1回の編集会議を開催中で、犯人が何らかの方法で内部情報を入手した可能性が高いとの見方もある。犯人は車で現場に到着。事件後に乗り捨て、別の車を奪って東方面に逃走したもようだ。

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きわめて衝撃的な事件です。
続報では、犯人の身元はすでに判明しているようです。アルジェリア系フランス人の34歳と32歳の兄弟だと報じられています。
言論の自由に対するきわめて暴力的な攻撃であることは言うまでもありません。しかし、それに加えて、このような暴挙は、結果として他ならぬイスラム教徒、あるいはアルジェリア系の人々への差別や敵対心の拡大、という形で跳ね返ってくることになるのは確実です。また、イスラム教への風刺に対する批判だって、かなりやりにくくなるだろうと思われます。そういう意味では、確実に、イスラム社会(フランス国内の)の首を絞める結果となることは間違いありません。

価値観の異なる他者に対する寛容な態度というのは、なかなか難しいものですが、それなしには、多様な価値観の存在するこの世界は、きわめて生きにくいものとなってしまいます。イスラム教を揶揄されたから自動小銃を乱射、というのはまさに非寛容の極地というものです。ただ、その一方で、イスラム過激派への批判はともかく、曲がりなりにも世界三大宗教のひとつであるイスラム教そのものに対する揶揄もまた、イスラム社会、イスラム教徒全体に対するある種の比寛容的な態度に通じるのではないか、という疑念も、なくはありません。いずれにしても、言論に対する不満は言論で対応するのが、寛容な社会のための最大のルールでしょう。言論に対して自動小銃で応じるのでは、どんな同情も吹き飛んでしまうというものです。





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最終更新日  2015.01.09 00:08:20
コメント(16) | コメントを書く


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Re:乱射事件(01/08)  
Bill McCreary さん
けっきょく射殺という結末でしたね。犯人の兄弟もいまさら自首するつもりはなかったでしょうし、報道されるところによると殉教者になると言っていたとのことで、覚悟の上での死、イスラムが自殺を禁じているから自殺はしなかったのかもですが、実際には自殺のようなものでしょう。

私もイエスやムハンマドや、ユダヤ、キリスト、イスラムの「神」を揶揄るのは個人的にどうかと思いますが、このような事件はオウム真理教のサリン同様、それ以前の暴挙ですからね。オウム事件以降、日本で明らかに死刑に対する態度が行政も裁判所も国民感情も変わったように思います。今回の事件も、フランス社会のみならず、世界中になんらかの悪い影響を刻印するでしょう。

個人的な話を書きますと、私もinti-solさんご存知の通りフランス語を勉強していますしフランス映画やフランス文学ほかフランス社会は好きです。また左翼が強いところも好感を持っています。そういう意味でも今回の事件は、フランスは確かにこのような事件が起こる可能性のある国だということは私もわかっていましたが、とても残念です。 (2015.01.10 05:48:54)

Re:乱射事件(01/08)  
おっちゃん さん


空爆で大勢の市民を殺害し街を破壊するのが正義で、それに反撃するのが悪なんて一方的なものではないと思います。とりわけわれわれ地球の反対側の市民としてはもう少し冷静になるべきでしょう。
どっちもどっち、テロと戦争は同じようなものです。この連鎖をどう断ち切るかについての考えなしに一方の側につくわけにはいかない。 (2015.01.10 19:18:43)

Re[1]:乱射事件(01/08)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん
>けっきょく射殺という結末でしたね。犯人の兄弟もいまさら自首するつもりはなかったでしょうし

フランスも今は死刑廃止国でしたっけ。しかしこの犯人は、捕まったとして終身刑でしょうから、一生刑務所で過ごすくらいなら、死ぬつもりだったのでしょう。最初からそういう計画だったのでしょう。しかし、いかにしても正当化のしようがない最悪の犯罪行為です。
驚いたのは、もう一つのテロ事件も、今回の犯人と連動して動いていたらしいことです。ああいう最悪なテロを行おうというグループが、フランス国内にいくつあるんだろうか、と考えてしまいます。 (2015.01.10 19:23:51)

Re[2]:乱射事件(01/08)  
inti-sol  さん
おっちゃん

>テロリスト=極悪人のように報道されていますが、はたしてこれは正義と悪の闘いでしょうか?
>空爆で大勢の市民を殺害し街を破壊するのが正義で、それに反撃するのが悪なんて一方的なものではないと思います。とりわけわれわれ地球の反対側の市民としてはもう少し冷静になるべきでしょう。

それは、まったくそのとおりです。ただ、今回テロの標的となった週刊紙は、空爆に賛成するような立場の主張ではなかったはずです。まして、空爆になんらかの責任を負っているわけでもありません。過去には、ユダヤ教を揶揄するようなマンガを掲載したこともあるようで、その限りでは「公平」な立場ともいえ、その辺りがまた、難しいところです。

>どっちもどっち、テロと戦争は同じようなものです。この連鎖をどう断ち切るかについての考えなしに一方の側につくわけにはいかない。

この週刊紙がイスラム教を揶揄したのが正しいことだったのか、そこは確かに議論の余地はあります。ただ、言論による揶揄に対して自動小銃で応じてしまっては、弁護の余地がなくなってしまいます。 (2015.01.11 19:31:09)

Re[3]:乱射事件(01/08)  
おっちゃん さん
inti-solさん

たしかにイスラム風刺に対するテロ行為の部分だけを切り取ればそういうこと(言論対暴力の問題)になりますが、私はそれで済ませるような根の浅いものではないと思います。欧米諸国の政府は「イスラム教徒とテロ行為者は違う」とさかんに言い立てていますが、それもちょっと違うような気がする。ネトウヨと「在特会」とをはっきり分けられないのと同じ、と言えばご理解いただけるだろうか・・・
(2015.01.12 15:32:57)

Re[4]:乱射事件(01/08)  
inti-sol  さん
おっちゃん

おっしゃることは分かります。
ただ、「イスラム教徒とテロ行為者は違わなない」なんてことになったら、それこそ大変です。欧米諸国在住のイスラム教徒がテロリスト予備軍みたいな扱いを受けることになる(住民感情レベルでは、そうなっているかも)。そんなことになったら、不利益をこうむるのは(欧米諸国内では)少数派のイスラム教徒だし、そのことがまた新たなテロの温床にもなりかねません。要するに文明の衝突になりかねないし、そんな事態は何としても避けなくてはなりません。 (2015.01.12 22:08:22)

Re[5]:乱射事件(01/08)  
おっちゃん さん
inti-solさん

そうですね、逆に考えればよほどイスラム教徒への反発が強いからこそ政府が「イスラム教徒とテロ行為者とはとは別」とわざわざ強調しなければならない状況なのでしょう。
・・・といいつつ表現の自由を言う側(くだんの週刊紙)は間髪をいれずムハンマドを揶揄する風刺漫画を出しているようです。私などはいったいどういうことだ、と思ってしまうわけ。テロ批判ならばともかく、これはテロリストのみならずイスラム教徒全体に対する「宣戦布告」ではないですか・・・ (2015.01.13 16:00:23)

Re[6]:乱射事件(01/08)  
inti-sol  さん
おっちゃん

>逆に考えればよほどイスラム教徒への反発が強いからこそ政府が「イスラム教徒とテロ行為者とはとは別」とわざわざ強調しなければならない


そんな気が、私もします。確か、フランスではアルジェリア系移民などへの差別がかなり強いような話も聴いた記憶があります。フランスの在特会みたいな国民戦線が、国会でかなりの議席を占めている現実もありますし。

>・・・といいつつ表現の自由を言う側(くだんの週刊紙)は間髪をいれずムハンマドを揶揄する風刺漫画を出しているようです。

まあ、ここで引くわけにも行かないのだろうと思います。ただ、私も、本文記事に書いたように、イスラム過激派を揶揄する風刺画はともかく、イスラム教全体を揶揄する風刺画はどうなのかな、という気はしています。 (2015.01.13 23:40:56)

Re[8]:乱射事件(01/08)  
反維新 さん
inti-solさん

>そんな気が、私もします。確か、フランスではアルジェリア系移民などへの差別がかなり強いような話も聴いた記憶があります。フランスの在特会みたいな国民戦線が、国会でかなりの議席を占めている現実もありますし

国民戦線がフランスの国会で有している議席は数議席(2議席)だったと思います。欧州議会では英国UKIPの同様ユーロスケプティックとしてかなり議席を保有していますが。 (2015.01.14 21:34:33)

Re[9]:乱射事件(01/08)  
inti-sol  さん
反維新さん

>国民戦線がフランスの国会で有している議席は数議席(2議席)だったと思います。

あれ、そうでしたっけ。大統領選の決選投票に出たこともあったくらいなので、もっと多いかと思っていました。ありがとうございます。 (2015.01.14 22:18:02)

Re:乱射事件(01/08)  
gaulliste さん
>空爆になんらかの責任を負っているわけでもありません。
フランス空軍が爆撃しているわけですから、何の責任もないフランス人は存在しないでしょう。
今回の事件は、風刺画に対する反撃なら度が過ぎていると思いますが、空爆に対する反撃なら、文句は言えないだろうと思います。
空爆の責任の大きさは、全てのフランス人に同一ではなく、人によってかなり違いがあり、もっと大きな責任を負っているものを標的にすべきだったと言われれば、その通りだとは思いますが。 (2015.01.17 01:47:27)

Re[1]:乱射事件(01/08)  
inti-sol  さん
gaullisteさん

>フランス空軍が爆撃しているわけですから、何の責任もないフランス人は存在しないでしょう。

そういう言い方をするならば、今回のテロに関しても、「何の責任もないイスラム教徒は存在しない」といえてしまいます。
もちろん、国家の行った行為に関して、その国のすべての国民に責任がある、ということは理論上はいえます。でも、だから銃撃で報復、ということを繰り返していたのでは、対立はただただ拡大するばかりで終息は望めません。

>空爆の責任の大きさは、全てのフランス人に同一ではなく

そういうことです。シャルリ・エブドは、小なりとはいえマスコミですから、「世の中一般」よりは責任は重いかもしれませんが(ただし、この週刊紙が事件前にフランスの空爆参加に賛成していたのかどうかは分かりませんが)だからといって「銃撃されても仕方がない」ほどの責任とはいえないのではないでしょうか。 (2015.01.17 08:55:32)

Re[2]:乱射事件(01/08)  
gaulliste さん
>そういう言い方をするならば、今回のテロに関しても、「何の責任もないイスラム教徒は存在しない」といえてしまいます。
今回のテロは、イスラム教徒全体の意思決定に基づいて行われたわけではないのですから、それは無理があると思います。

>銃撃で報復、ということを繰り返していたのでは、対立はただただ拡大するばかりで終息は望めません。
もちろん、そのとおりです。
でも、大量殺人を続けながら、自分達が殺されたら、相手を強く非難する姿勢にはうんざりします。
そういうことを言いたいのなら、少なくとも殺人をやめてから言えよ、と思うのです。
まあ、今回のテロがフランスの軍事行動に対する反撃ならばという可能性のあまり高く無さそうな前提の話ですが。

>「銃撃されても仕方がない」ほどの責任とはいえないのではないでしょうか。
それも仕方が無いのが戦争ではないかと。
それが嫌なら、戦争なんぞするなと。 (2015.01.19 20:56:58)

Re:乱射事件(01/08)  
Bill McCreary さん
ちょうどオウム真理教の地下鉄サリン事件に関して、最近逮捕された実行犯の裁判がまた始まりましたが、規模は違いますが9.11の同時多発テロといい、これらのめちゃくちゃな事件は、「言論の自由」「刑事手続きの正当性」「人権」そういった「正論」を軽く吹っ飛ばしちゃうのが本当に心が痛みますね。私も上のコメントにも書いたように、イエスやムハンマドらを揶揄るのは良くないと思いますが、それにしても今回の事件は「そこまでしなくてもいいだろう」という気にはなります。

なお、黒人に射殺された警官は、アルジェリア系とのこと。つまりはムスリムである可能性があるわけで、だから殺したのか偶然なのかはともかくこれもいろいろな意味で複雑な気持ちになりました。 (2015.01.19 21:41:33)

Re[3]:乱射事件(01/08)  
inti-sol  さん
gaullisteさん

>今回のテロは、イスラム教徒全体の意思決定に基づいて行われたわけではないのですから、それは無理があると思います。

フランスの空爆だって、すべてのフランス人の賛同の下に行われたわけではありません。とりわけ、シャルリ・エブドは反体制を売り物にする新聞だったわけで、政府の方針に従順な新聞ではまったくないのですから。

>それが嫌なら、戦争なんぞするなと。

ま、最終的にはそういうことになると私も思います。でも、戦争だから何をやってもよい、ということでもないとも思うわけです。 (2015.01.19 23:49:02)

Re[1]:乱射事件(01/08)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん
>9.11の同時多発テロといい、これらのめちゃくちゃな事件は、「言論の自由」「刑事手続きの正当性」「人権」そういった「正論」を軽く吹っ飛ばしちゃうのが本当に心が痛みますね。

そうなのです。私自身も、イスラム教そのものに対する揶揄はどうなのか、という疑問に余地は多々あると思っているのですが、こんな事件が起きてしまうと、そんな疑問を口にすること自体がはばかられるような風潮になりかねません。それは、結局回りまわってフランス(あるいは欧米諸国)在住のイスラム教徒の首を絞めることにもつながるように思います。

>なお、黒人に射殺された警官は、アルジェリア系とのこと。つまりはムスリムである可能性があるわけで

そうだったんですが、それは確かにちょっと悲しくなる話です。 (2015.01.19 23:54:11)

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