inti-solのブログ

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2015.01.07
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テーマ: 戦争反対(1197)
カテゴリ: 政治
海自、新春の荒れる太平洋上で急患救出劇 「日本の守り神」豪華客船乗客から拍手


飛鳥IIからの救助要請は2日昼ごろ、硫黄島の西約350キロ付近を航行中のことだった。防衛省によると、海上保安庁側から、ぜんそくの症状が出た乗客と、右足大腿骨を骨折した乗客の計2人について救助要請があり、海自73航空隊硫黄島航空分遣隊のヘリ「UH-60J」が出動した。
飛鳥IIも硫黄島に向け針路を変更、午後4時15分ごろに硫黄島の西240キロ付近の海上で救助作業が始まった。しかし、付近の海上は風速9メートルに加え3~4メートルのうねりが続く天候不良。作業は容易ではなかった。
(中略)
船上から救助活動を見守り、救助の写真を産経新聞に送ってきた乗客の男性のメールには、こう書かれていた。
「改めて自衛隊は、日本の守り神だと思った」

---

なんというか、歯が浮きそうなお世辞を並べ立てた記事、としか思えないんですけどね。
これほどの規模の客船なら、船医が乗り組んでいるだろうし、ぜんそくの持病がある人なら、薬は持っているんじゃないかとか、大腿骨骨折は確かに重傷だけど、横浜に帰港するまで1日か2日も待てないほど緊急だったのか、とか(足の骨折で命の危険というのは、普通はあまり考えられません。ショック状態に陥って、ということならあり得るかもしれませんが)いろいろとよく分からないところがあるのですが、そのあたりは、まあいいとしましょう。

私の知っている人に、元海上自衛隊のヘリパイロットがいます(どういう知り合いかは秘密です)。あるとき、突然視力が悪化する出来事があって、ヘリに乗れなくなったら、給料が激減して大変だったそうです(特殊技能ですから、自衛隊でもパイロットの飛行手当ては高額らしい)
この方があるとき言っていたのは、同僚だったパイロットが何人も辞めて民間のヘリパイロットに移ったけど、その中から何人も死者が出た、という話です。海上自衛隊にいたときは、同僚が何人亡くなったのかは聞きませんでしたけど、ニュアンスとしては、海上自衛隊にいたときより、その後のほうが亡くなった(元)同僚はよほど多かったようです。
電力会社の送電線の敷設工事で、ヘリに送電線を吊り下げて運ぶそうですが、その作業中に墜落して亡くなった仲間が何人かいるそうです。

そういえば、私は送電線の敷設現場は目撃したことはありませんが、山では、かなり厳しい状況でヘリが飛んでくるのを目撃したことは何回もあります。
だいたい、山というところは、何もなくても気流が乱れる場所です。そこに、山小屋への荷揚げや遭難救助のため、民間警察問わず、多くのヘリが飛びます。山小屋への荷揚げは、悪天候のときは飛ばないかもしれないけど、遭難救助のときは、そうとう悪天候でも飛びます。
私が目撃した中では、20年くらい前でしたが、白馬大池で、ガスが湧いて視界が非常に悪い中を、けが人らしき人を収容するためにヘリが飛んできたときは、「こんな条件で、こんな山に囲まれた場所でもヘリは飛べるんだ」とびっくりした記憶があります。

Shirouma-Heri94.jpg



これとは別の機会、確か1998年に、やはり白馬岳近くの蓮華温泉で、登山道の橋の工事現場に通りかかったことがあります。雪崩で橋が流されたため、新しい橋の架けていたようです。屈指の豪雪地帯だから、また雪崩に流されるだろうし、登山道なんだから仮設橋でいいじゃん、と思ったのですが、それはともかくとして、です。工事現場にセメントを吊り下げたヘリが飛んできたのです。
私は、川岸から十数メートル離れて岩陰で飯を食べていたのですが、ヘリの風圧に巻き上げられた水をかぶって、びしょ濡れになりました。そのくらい、ローターの巻き上げる風は強い。
で、その川は、非常に深くて狭い峡谷、しかも両岸からは木々の枝がたくさん伸びています。ヘリは、その間を縫うようにして飛来して、工事の足場の上にセメントを落とすと、飛び去っていきました。ローターを木の枝に引っ掛けるんじゃないかと心配になるくらいのところです。それを、1日に何往復もするのでしょう。一瞬でも操作を間違えれば、ローターを機に引っ掛けて墜落は確実でしょう。
橋の工事現場ですから、警察や消防、まして自衛隊のヘリであるはずがなく、民間のヘリのはずです。多分東邦航空じゃないかと思います。

私が目撃したこれらの例は、飛行の難易度として、産経自衛隊御用新聞の持ち上げる例に、勝るとも劣らないものだろうと思います。実際、事故も起きている。
自衛隊のヘリが危険な業務についていることは否定しませんが、それは別に自衛隊だけの専売特許ではないはずです。でも、産経としては、「改めて自衛隊は、日本の守り神だと思った」という結論のために、自衛隊のヘリだけを、せっせと持ち上げたいんでしょうねえ。

1999/4/30 若鮎II 岐阜県防災ヘリ3

岐阜県の防災ヘリコプター、若鮎IIです。このときは奥穂高山荘で、救助訓練をしていました。天気は晴天でしたけど、3000mの稜線上の鞍部ですから、一歩間違えれば墜落です。そして、実際に後年、同じ奥穂高のジャンダルム付近で、救助活動中に墜落してしまいました。





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最終更新日  2015.01.08 00:35:28
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