inti-solのブログ

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2015.01.14
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先日、谷川連峰の白毛門に登った際、ワカンを使用したことは、先の記事に書きました。

通常、雪山に登るときは、登山靴にアイゼンを装着します。(厳密に言うと、登るときより下るときのほうがより必要性が高い)

アイゼン

登山靴にアイゼンを装着
このアイゼンは、12本歯です。
一方、↓のアイゼンは8本歯です。

Takao19.JPG

これより歯の数が少ない、4本歯、6本歯のアイゼンは、軽アイゼンと呼ばれ、傾斜のゆるい雪面や夏の雪渓歩きなどに使うものです。冬山で通常使うアイゼンは12本歯。8本歯というのは、最近は珍しいかも知れません。普通のアイゼンと軽アイゼンの中間的なもの、といえるでしょう。
基本的に、雪山に登るときはアイゼンは必ず持って行きます。比較的雪の少ない山なら、登山靴にアイゼンがあれば充分なのです。
ただし、雪の量が多くて、踏み跡が固まっていない山だと、アイゼンだけでは歯が立たない場合があります。足が雪の中にもぐってしまうからです。積雪が多い山だと、本当に膝より上までもぐってしまうことは多々あります。

昨年2月の大雪の際の高尾山
Takao12.JPG

体重を1足の靴底の面積だけで支えようとすると、面積あたりの荷重が大きくなるので、足が雪の中にもぐってしまうわけです。それなら、面積あたりの荷重を下げればよいわけです。体重を減らすことはすぐには出来ないので、靴底の面積を増やせばいいわけです。


スキーについては説明無用でしょう。実は、3つあげた中ではスキーが一番面積は大きく、従って雪面での浮力も一番大きい、はずです。しかし、その一方でスキー板とビンディングは重い。加えて、靴が特殊です。登山靴で装着できるスキーのビンディングは一般的ではないし、登山靴は足首の自由度が高いために、あまり滑りやすいものではないようです。一方、スキーブーツは歩きにくい。山スキーには、歩行にも考慮した兼用靴を使うそうですが、それでも登山靴ほど歩きやすくはない。結局、ある程度以上厳しい山だと、登山靴を履いてスキーブーツも持っていく、ということになり、荷物が重くなります。
それでも、山スキーを楽しむ人はかなり増えています。が、これについてはとりあえず私はあまり語る資格がありません。何しろ、私はゲレンデスキーしかやったことがなくて、それも20年以上前に滑ったのが最後ですから。

残る二つの道具、ワカンとスノーシューについての話です。
Siragamon06.jpg

ワカンと呼びますが、語源は輪かんじきです。名前から分かるように、日本が起源の雪上歩行具です。

そしてスノーシュー

Siragamon06.jpg

こちらは、「西洋かんじき」などという呼び方もあり、欧米起源のようです。
私自身は、スノーシューは持っていません。ただ、ワカンとスノーシューを比較すると
「床面積」はスノーシューのほうが広い。つまり、雪面での浮力はスノーシューのほうが大きいと思います。もっとも、フカフカの新雪では、スノーシューだってワカンだって、どうしたってもぐりますけど。
一方、サイズはワカンのほうが小さいし重さも軽い。(サイズが小さいほうがザックにくくりつけて持ち歩きやすい)もっとも、登山用品店でスノーシューを手にした限りは、そんなに重いというほどのものでもありませんでしたけど。かさばるのは間違いありません。

一方、斜面を歩くときの滑りにくさは、それぞれ一長一短があります。いずれもアイゼンのような歯がついているのですが、ワカンの歯は2本しかなく、しかも縦に付いているので、ブレーキ力はあまりない。一方スノーシューは、歯が横向きに付いているので、ワカンよりはブレーキ力がある。ただ、どちらにしてもアイゼンに比べればたかが知れています。そして、ワカンはアイゼンと重ねて装着することが出来ますが、スノーシューはアイゼンと併用は出来ません。だから単独で使うならスノーシューのほうがブレーキ力があるけど、現実にはアイゼンと併用すればワカンのほうがブレーキ力がはるかに大きい、ということになります。
ただ、私自身はワカンとアイゼンの併用をしたことがないんですけどね。



結論として、先日の白毛門でも、山頂目指して登っている人は、私も含めて全員ワカンでした。ふもとの雪原でスノーウォーキングを楽しんでいる人たちはスノーシューでした。つまり、急斜面のある本格的な冬山登山に使うのは、ワカンのほうが有利、ということになるのだろうと思います。





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最終更新日  2016.11.18 00:20:33
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