inti-solのブログ

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2015.08.08
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カテゴリ: 政治
「核運搬可能な法案」と非現実論かざす民主 首相も「机上の空論」とお手上げ 衆院予算委


民主党の山井氏は予算委で、非核三原則の堅持に言及しなかった首相をこう強く批判した。首相は「国是だから政府として不動の考えだ。(非核三原則を)前提として核兵器のない世界を作るために何をするか述べている」と答え、他意はなかったと説明。その上で9日に長崎市で行われる式典のあいさつでは言及する考えを示した。
すると山井氏は、中谷防衛相が、米軍の核弾頭付きミサイルを自衛隊が運ぶ事態は政策的に「あり得ない」としつつも、「法文上は可能だ」と答弁したことも問題視。首相は「政策的にあり得ないから机上の空論だ。あり得るかのごとく印象を与えようとするのは真摯な議論とはいえない」と反論した。
そもそも核兵器の運搬を他国に委ねる事態は、およそ考えにくい。首相は「米国が日本に『核弾頭を運んでくれ』ということは120%あり得ない。運ぶ能力も持っていない」と重ねて否定したが、山井氏は聞く耳を持たなかった。
民主党は山井氏含め、この日質問に立った4人全員が「核」に言及。岡田克也代表も記者会見で「核弾頭の自衛隊輸送は論理的にはあり得る。机上の空論と片付けるのは間違いだ」と首相を批判した。広島と長崎の悲劇がクローズアップされる時期に党を挙げて安倍政権の危うさを印象づける思惑があったとみられる。
ただ、現行の周辺事態法なども法文上は核運搬を禁じていない。岡田氏らの理屈に従えば、民主党政権下でも核運搬は可能だったことになるが、それを禁止する措置をとらなかった。

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現実問題としては、米軍が核兵器を同盟国といえども外国の軍に輸送させることはありえません。その限りでは、安倍の言っていることは事実でしょう。ただし、安倍が本音の部分で非核三原則を遵守しようと考えているとは、私にはまったく思えません。
核を保有するどこの国も、少なくともタテマエ上は「戦争をやるため核兵器を持つ」などとは言いません。「平和のため」とか何とかと、口ではたいそうなことを言うわけです。安倍も、口では「積極的平和主義」なる言葉を吐いている。おそらく、本音の部分では「平和のためには核兵器を持ちたい」と思っているのだろうと思います。そして、それは安倍の取り巻き連中や、御用メディアである産経も、おそらく同じです。というか、現に自民党内からは度々核武装論を口にする政治家が現れています。現在閣内にいる人物の中では、麻生財務相が2006年に

「隣の国が持つとなった時に、一つの考え方としていろいろな議論をしておくことは大事だ」「非核三原則を政府として堅持する立場に変わりはないが、日本は言論統制された国ではない。言論の自由を封殺するということに与しないという以上に明確な答えはない。」

と発言しています。核武装に関する議論(を自民党の政治家が行うこと)は自由だというわけです。
昨日の記事で紹介したように、同じ麻生自身が、今では自民党議員に対して、安保法制が通るまでは余計なことを口にするな、などと言っている。実際、自民党議員に対しては、安保法制について、マスコミに余計なことを喋るなと、厳しい箝口令が引かれています。ということは、自民党内で、安保法制を通すことの妨げになる言論は統制し封殺するけれど、核武装に関する議論は統制しない、封殺しないという、実に分かりやすい二重基準なのです。

そういう背景のある中で、わざわざ「法文上は核の輸送は可能」などと言ったり、広島の平和記念式典で挨拶からあえて非核三原則を省いたりという行動は、後になっていくら口先だけ弁明してごまかしてみても、核についての安倍政権の本音がどこにあるかを、明確に物語っている、と私には思えます。

何しろ、法律は変えるのには国会の審議と議決が必要ですが、政策を変えるのは内閣の胸先三寸でできますから、敷居は大幅に低い。非核三原則も、国会の議決ではありますが、法律ではない。歴代の自民党政権は、非核三原則を法制化することにはひたすら消極的でした。安倍も同様でしょう。
「今は」核の輸送など120%ありえない、それは事実でしょう。今は、ね。でも、将来は分かりません。「そのとき」がきたらできるだけ簡単に核兵器が保有できるように、できるだけ地ならしをしておきたい、ということとしか、私には思えません。

※ところで、この議論では、核兵器までしか俎上に上がらなかったようですが、大量破壊兵器と呼ばれるものは核兵器だけではありません。生物化学兵器もまた、大量破壊兵器です。その輸送の可否も、聞いてみりゃよかったのに。核保有国が自国の核兵器の輸送を、たとえ同盟国でも他国に委ねることはあり得ませんが、化学兵器は必ずしもそうとは限らないと思われるのでね。





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最終更新日  2015.08.08 18:35:57
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