inti-solのブログ

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2015.09.30
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生還女性が初めて語る「あの時」 「焼け死ぬのか、溶けるのかな…」


もう手を振る力はほとんど残っていなかった。噴火から一夜明けた平成26年9月28日午前11時半。火口付近の八丁ダルミにある石像の石造りの台座に寄りかかった女性は、頭上を飛び交う自衛隊などのヘリに向けて救助を求めようとしたが、わずかに右手を振るのがやっとだった。
降りしきる噴石で左腕を失い、腰や背中にも傷を負った。動くたびに激痛が襲い、貧血で何度も意識が遠のいた。「私に気付いていないのかもしれない」。なかなか近づいてこないヘリを見ながらそう思っていると、手元の携帯電話に着信があった。

生死を分けたのは何だったのだろうか。「御嶽山は初心者でも気軽に登ることができるだけに、十分な準備をしている方は少なかった。生き残れたのは運もあるが最低限の準備をしていったからだ」と言う。
女性は登山の際、日帰りでも簡易テントは必ず携行し、3000m級の山にはダウンジャケットも持っていった。夜になるまで生存していながら周囲で亡くなった登山客は、ダウンジャケットや簡易テントは持っていなかったようだった。生死を分けたのは「その差」と思っている。(以下略)

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ろくでもない産経新聞でも、たまには良い記事が載ることもあるようです。簡易テントとダウンジャケットが生死を分けた、と。もちろんそれが本当に事実かどうかは検証不可能ですけれど、しかし私も、その差が生死を分けた可能性は高いのではないかと、記事を見て感じました。
残念ながら、私自身はダウンジャケットを山にもっていったことはありません(厳冬期の北アルプスでも、持っていったことはない)。しかし、秋山の場合は、ほぼ冬山に準じた衣類は持っていくようにしています。長袖の下着はさすがに暑いので、半そでにしますが、それ以外は冬山と同じです。で、簡易テントは私も必ず持っていきます。日帰りでも。
簡易テント、登山用語ではツェルトと呼びますが、これは登山の必携用具だと私も思っていて、通常は日帰り登山でも持って行きます。逆に言うと、テント泊の登山ではあまり持っていきません。(テントを持って更にツェルトを持つのは無駄なので)

Zeltsack2.JPG
これがツェルト(を袋に収納した状態)です。大きさの比較がないので、長さ約40cmのケーナを隣に並べてみました。

Zeltsack1.JPG
右側は通常の1人用テントとそのポール、左側がツェルトです。

広げると・・・・・・
Zeltsack3.JPG
室内では、写真に納まりませんでしたが、こんな感じです。恥ずかしながら、袋から出したのは15年ぶりくらいです。
別売りのポール(ストックで代用可)とフライシートを組み合わせれば、簡易ではないテントとしても使えなくはありません。

ツェルト

「簡易テント」と言いながら、ポールを立てて張り綱を張って三角テント型にするのは、現在主流のドーム型テントよりずっと難しいのです。ドーム型テントは自立式といって、張り綱がなくても形を維持できますが、ツェルトは張り綱を張らなければ形を維持できません。風に対しても、ドーム型テントより弱いと思われます。

というわけで、ツェルトはテントの代用品としては、少々使い難いところがあるのですが、山での雑用品または緊急用品としては重要なのです。たとえば、職場の同僚と冬山にテントを張った際は、かさばる装備はツェルトに入れてテントの隣の置いておく、ということがありました。
深夜に駅に到着して、翌朝のバスの出発までツェルトに包まって仮眠、ということもありました。
当然、もし山で道に迷って夜になってしまったとしたら、山の中でツェルトに包まることになるはずです。まさしく、引用記事の女性がしたように。一応そういう事態への備えとして、2000mを越えるような山には、ツェルトをもって行くようにしているわけです。そういう目的のためにはポールもフライも必要ないので、本体だけしか持っていきません。重さは200~300g程度(最近は100gという軽量製品もある)しかありませんから、邪魔にはなりません。
実際には、山で不意のビバークに追い込まれたことはないので、もう15年も袋から取り出したことがなかったわけですけど。今後も山に行くときは必ずもって行くだろうと思います。





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最終更新日  2015.09.30 23:22:16
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