inti-solのブログ

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2015.10.02
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カテゴリ: 戦争と平和
記憶遺産「中国はユネスコの場を政治利用」 菅官房長官が批判 「いたずらに負を強調」
菅義偉官房長官は2日の記者会見で、中国政府がユネスコの世界記憶遺産に南京事件と慰安婦の歴史資料の登録を申請していることに関し、「日中間の過去の一時期の負の遺産をいたずらに強調しようとしていることは極めて遺憾だ」と強い不快感を示した。
菅氏は「日中両国が関係改善のために努力する必要がある時期に、中国がユネスコの場を政治的に利用している」と牽制。外交ルートを通じて昨年6月に中国政府に抗議し、申請の取り下げを求めてきたことを説明した。

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記憶遺産、4~6日に審査 シベリア抑留と東寺文書
歴史的な文書や絵画の記憶遺産への登録を決めるユネスコ国際諮問委員会が、10月4~6日にアラブ首長国連邦で開かれる。日本からは第2次大戦後のシベリア抑留の資料と国宝「東寺百合文書」の2件を申請している。結果は7日までに公表される見通しだ。
中国が申請した南京大虐殺や従軍慰安婦の資料も審査される。日本政府は真正性を疑問視し取り下げを求めていた。「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録に続き、歴史問題をめぐる対立を招く恐れがある。

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方やわが国はシベリア抑留を世界記憶遺産に申請しながら、南京事件と慰安婦の歴史資料の登録を申請している中国に対して不快感を示すとは、お笑い種としか言いようがありません。こういうのをダブルスタンダードというのです。「日中間の過去の一時期の負の遺産をいたずらに強調しようとしていることは極めて遺憾だ」だそうですが、「日中間」を「日露間」に言い換えれば、そのままシベリア抑留を記憶遺産に申請したことに対する批判になりそうです。もっとも、実際にはロシアは日本に対してそのように批判したわけではないですけど。
負の遺産と言えば、かのアウシュビッツは負の遺産として世界遺産に登録されています。ナチスのユダヤ人虐殺がらみでは、「アンネの日記」も記憶遺産に登録されています。そのことから考えても、「負の遺産を強調するのはけしからぬ」などという言い草に、説得力はまったくない。

したがって、もちろんシベリア抑留を記憶遺産に申請することは望ましいことです。が、そうである以上、南京事件や従軍慰安婦についても記憶遺産に申請することもまた、望ましいことです。それを政治利用だというなら、シベリア抑留もおなじことです。
どちらも登録するか、どちらも登録しない(申請を取り下げる)か、いずれかしかないでしょう。

日本政府は真正性を疑問視ともありますが、軍が直接強制連行したかどうかはともかくとして、慰安婦と呼称される女性たちが存在したこと、人数について議論はあるけれど、日本軍が南京できわめて大規模な虐殺を行ったことは、疑いのない事実であるし、従来の日本政府自身の公式見解でもそのことは認めています。要するに、ネトウヨ政権にとっては認めたくない事実だから認めないぞ、というレベルの話に過ぎません。





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最終更新日  2015.10.03 00:07:33
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