inti-solのブログ

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2016.01.04
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カテゴリ: 政治
年頭会見 改憲、参院選で訴える 「国民的議論を」


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「憲法改正で大規模災害を想定した緊急事態条項の追加を目指す」とのことですが、その具体的な内容がどのようなものかは、明らかになっていません。ただ、自民党の改憲草案では、そのあたりの規定はこうなっています。

第99条(略)
2(略)
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4(略)

憲法とは、基本的に国家(政府)を縛る法律であって、国民を縛るのは一般の法律の役目です。だから、憲法には「国民の義務」は納税の義務、勤労の義務、保護する子女に教育を受けさせる義務の3つしか規定されていません。それを、「権利ばっかりなのはおかしい」などと言う保守系の人士も少なくありませんが、それは、憲法というものの意味を履き違えた意見としか言いようがありません。
で、自民党の改憲案も、人権に制約を課すことばっかり考えている内容です。それは、この緊急事態条項も同じです。「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も~国その他公の機関の指示に従わなければならない。」なんてことを、なぜ憲法に書くのか。
「緊急事態条項」ということに関しては言及されることが多いドイツ基本法でも、緊急事態に際しての政府の権限については規定されていますが、国民に対して「国の指示に従う義務」なんてものを規定はしていません。



で、これもすでにマスコミから数多くの指摘がありますが、衣の下の鎧よろしく、最終目標は憲法9条の改正なのは明らかなのに、いきなりそこに手を付けるのは抵抗が大きくて目処が立たないから、変えやすいところを先に手をつけて、国民を改憲になれさせようという魂胆がミエミエなのです。要するに、最終目標はあの自民党の改憲草案の内容が目標なのでしょうが、現時点では、改憲の内容など二の次で、とのかく憲法を変える(その実績をつくる)ことが目的と化しているようです。こんなご都合主義的、不誠実な憲法改正論があるか、と私は思います。
ともかく、憲法を変えることには、(特に、安倍政権の下で変えることには)断固として反対です。





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最終更新日  2016.01.04 23:19:15
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