inti-solのブログ

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2017.01.08
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カテゴリ: 戦争と平和
6日空中給油再開=政府容認、沖縄は反発-オスプレイ

防衛省沖縄防衛局は5日、沖縄県に対し、米軍が講じた安全対策の内容を説明、「安全に空中給油を再開する準備は整った」との見解を示した。同県の翁長雄志知事は県庁で記者団に「県民に寄り添うと言いながら、米軍の要求を最優先する政府の姿勢は信頼関係を大きく損ねるもので、強い憤りを感じる」と述べ、その対応を批判した。
米軍によると、空中給油訓練は先月13日夜、不時着した沿岸部から約74キロ離れた公海上の訓練空域内で実施。給油後、給油機の給油ホースとオスプレイの右のプロペラが接触し、プロペラの羽が損傷した。空中給油の際、こうした接触が発生したのは初めてで、不時着するまで羽以外の損傷はなかったとしている。
接触の要因としては、搭乗員間の意思疎通などの人的要因、乱気流などの環境要因に加え、夜間の空中給油の複雑さが重なった可能性があるとして、調査はなお継続中だ。

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「安全に空中給油を再開する準備は整った」そうですかが、具体的にどのような安全対策が取られるのかは、何も明らかになっていません。
「接触の要因としては、搭乗員間の意思疎通などの人的要因、乱気流などの環境要因に加え、夜間の空中給油の複雑さが重なった可能性がある」ともありますが、そもそも根本的に、空中給油という行動自体が危険性を伴うものです。給油機と給油を受ける機体は数十メートルから数メートルの距離まで接近するのですから、民間機ならそれ自体がニアミス事故です。その中でもオスプレイのようなティルトロータ機やヘリコプターへの空中給油は、特に事故の危険を伴うものです。
空中給油には、二つの方式があります。主に米空軍が採用するフライングブーム方式と、米海軍と大多数の国の空軍が採用しているプローブアンドドローグ方式です。ティルトロータ機やヘリコプターへの給油は、後者のプローブアンドドローグ方式だけで可能となっています。
このプローブアンドドローグ方式は、空中給油機から給油ホースを後ろに伸ばしていって、給油を受ける機体の給油口に接続する、というやり方です。しかし、ホースは風に流されますし、機体の動揺に従って揺れ動きます。それを、近いとは言え数メートルから数十メートルの距離でピタリと接続するのがどれだけ困難かは、ちょっと考えれば明白でしょう。そして、接続に失敗して給油ホースがあらぬところに流れて行った場合、ティルトロータ機やヘリコプターは、プロペラ(あるいはローター)がバカでかいので、ホースがそこに引っかかる可能性が高いのです。



オスプレイの空中給油の映像ですが、前半部で接続に失敗しています。この動画では単に接続に失敗しているだけですが、この間オスプレイは大揺れしています。これだけバカでかいプロペラが至近距離で回っているのだから、そこにこんなに揺れるホースを伸ばしていけば、プロペラに引っ掛ける危険性がかなり高いのは、誰が見たって分かることです。
もちろん、同じ問題は、ヘリコプターの場合もあります。



こちらは、ヘリの空中給油失敗シーンです。実際に、給油管(空中給油機から伸びてきたホースではなく、自機から伸ばした受給管)がローターに接触して、給油管が吹っ飛んでしまっています。
ただ、この場合、ヘリのローターは壊れていません。おそらく破損はあったでしょうが、飛行が継続できなくなるようなことにはなっていません。この差はただの偶然でしょうか、それとも両者のローター(プロペラ)の強度の差に起因するのでしょうか。おそらく、としか言えませんが、強度の差である可能性は高いと思われます。


そういった面も含めての総合安全性、また価格が極度に高価であること、キャビンが狭くてかさばる荷物の輸送力があまりないこと、垂直離着陸時に真下に高熱のガスを噴射するため、何らかの耐熱対策を講じた場所でなければ垂直離着陸ができないこと(草地では、離着陸場所にあらかじめ水をまいておかないと、草が燃えてしまう)、などを考え合わせると、オスプレイ(ティルトロータ機全般に、ではあるのですが、現状では、実用化されているティルトロータ機はオスプレイしかない)は欠陥機、といわざるを得ません。そのような、ティルトロータ機の本質的な欠陥には、対策のとりようがありません。唯一確実に対策は、危険性の高い飛び方はしない、ということですが、その対策も放棄しよう、というのが現在の状態です。





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最終更新日  2017.01.08 00:00:04
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Re:ロクに対策も講ぜずに空中給油再開(01/08)  
なおなお さん
相変わらず政府や米軍は「オスプレイ自体には欠陥はない」という言い分のようです。
そんなに安全と言うのであれば、「霞ヶ関の上をどうぞ飛んでください」と言いたくなります。
(東京の方には悪いのですが・・・)
(2017.01.11 23:26:02)

Re[1]:ロクに対策も講ぜずに空中給油再開(01/08)  
なおなおさん
あけましておめでとうございます。
(返信がとても遅くなってしまいました)
>相変わらず政府や米軍は「オスプレイ自体には欠陥はない」という言い分のようです。

まあ、開発に大金を投じた米国が、今更「欠陥機でした」なんていうことはできないでしょうけどね。多分、オスプレイという機体が欠陥機ということではなく、ティルトローター(ヘリと飛行機のあいのこ)という発想そのものに欠陥を内包しているのだと私は思います。

>そんなに安全と言うのであれば、「霞ヶ関の上をどうぞ飛んでください」と言いたくなります。
>(東京の方には悪いのですが・・・)

いえ、全然悪くないですよ。 (2017.01.13 20:54:28)

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