inti-solのブログ

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2017.05.02
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テーマ: ニュース(95873)
カテゴリ: 対中・対韓関係
川崎サポーターの旭日旗掲出、AFC「倫理違反の疑い」
ソウル郊外の水原であったサッカーのACLの試合中に川崎のサポーターが旭日旗を掲げた騒ぎで、アジアサッカー連盟(AFC)は27日、差別の禁止などを定めた倫理規定に違反する疑いがあると発表した。今後はAFCの規律委員会で処分の有無を含めて検討する。
川崎によると、サポーター対応を行う川崎のスタッフがスタジアムにおり、相手チームから連絡を受けてサポーターに事情を聴いた。該当するサポーター2人は挑発の意図はなく、純粋に応援する気持ちだったと話したという。韓国では旭日旗は日本の軍国主義の象徴と見られており、反発も大きい。川崎の広報担当者は「日本協会やJリーグと協議をしながら、今後の対応を検討したい。大きな事故にはならなかったが危険なことになる可能性はあった。今後、クラブとして対策を立てないといけない」と話した。
AFCの倫理規定では、人種、性別、宗教、肌の色などによる差別を禁じており、クラブには2試合以上の無観客試合や罰金の処分、サポーターには2年以上のスタジアムの入場禁止処分が科される可能性がある。

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個人的には、旭日旗が差別的、とは思いませんが、戦争や軍国主義の過去を連想させる余地は大いにあるし、そのことで、韓国で不快感を持つ人がいることも、判らないではありません。
しかし、とりあえず、日本人が、日本の側の視点で旭日旗をどう見るか、という話をしても仕方がありません。ことは、日本ではなく韓国のサッカー場で起こったことだからです。
イスラム教徒が礼拝をしている中でダビデの星の旗を掲げたらどうなるか。「行動する保守」とかいう極右連中が日の丸を林立させている集会の中で旗を振り回したらどうなるか、甲子園球場で巨人阪神戦のさなかに、一塁側・ライト側スタンドで巨人の応援旗を振り回したら(後楽園で逆のパターンも同様)どうなるか。
相手側の本拠地で、相手側が嫌う行為をあえて行う、それを「挑発する」「喧嘩を売る」と言います。問題のサポーターは挑発の意図はないと主張しているそうですが、本人の主観的な意図はどうあれ、結果として相手サポーターに対して喧嘩を売ったのです。そう受け取られても仕方のないことでしょう。それが本当に「純粋に応援する気持ちだった」としても、結果としてフロンターレに対して大きな迷惑をかけているわけです。まさか本当に無観客試合なんてことになったら(そこまでの処分には至らないのではないか、と思いますけど)迷惑どころでは済まない、大変な被害でしょう。

ただし、川崎フロンターレのサポーターに対する周知にも問題はあります。ホームページを見ると、 2010年4月の北京戦についての案内 には

持ち込み禁止物
・横断幕(基本的には禁止ですが、もしお持ちになった場合は現場で公安により検査されることになります。没収される可能性もありますので、お持ちにならないことをお勧めします。政治的に敏感な内容、ホームサポーター及び中国人を刺激すると判断される内容を記したものは禁止です。中国語でなくても、何が書いてあるのか公安が調査します。 旭日旗、日の丸も禁止 という指示が公安より出ています)


という告知があります。
ところが、 今回の試合に関する告知

他人への迷惑や危害を引き起こす可能性があると主管者・管理者が判断する物
他人への迷惑や危害を引き起こす可能性があると主管者・管理者が判断する行為


という漠然とした内容が持ち込み禁止物、禁止行為として触れられているだけなのです。
2010年当時の中国で旭日旗が問題だったなら、現在の韓国でも同じく(あるいはそれ以上に)問題が生じるだろう、程度のことは、運営側として当然念頭においておくべきことでしょう。

そもそも、国内のJリーグの試合では旭日旗は容認されているようですが、実際にはこれは JFAの試合運営管理規定 に抵触します。

第4条(禁止行為)
8.政治・思想・宗教・ 軍事的な主義、主張 、観念を表示、若しくは連想させるような掲示板、立て看板、横断幕、懸垂幕、のぼり、旗、プラカード、ゼッケン、文書、図面、印刷物等を持ち込み、又は設置、掲揚、着用、散布、貼付すること。


もちろん、これはJFAだけが設けている規定ではありません。ヨーロッパにおいては、これはかなり厳格で、たとえばサッカー場にハーケンクロイツを持ち込むことが絶対禁止であることは誰にでも分かるでしょうが、それだけでなく、現在のドイツ連邦軍が使用している鉄十字
鉄十字
も持込は容認されていないといいます。そこから考えれば、かつての日本陸海軍旗であり、現在も自衛隊旗である旭日旗がサッカー場で容認される余地は、本来はないでしょう。国内では、誰もクレームをつけないから問題として表面化しないけれど、国外での試合では、そうはいきません。

いずれにしても、本人たちは川崎に対する応援のつもりでやったのかもしれませんが、結果はひいきの引き倒しとしかいいようがありません。無知から出た主観的善意ほど迷惑で危険なものはありません。





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最終更新日  2017.05.02 19:00:03
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