inti-solのブログ

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2017.08.20
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カテゴリ: 音楽
昨日の演奏、無事(かどうかは分かりませんが)終了しました。
2曲YouTubeにアップしています。

君をのせて


出会い


ところで、2曲アップしたうちの「君をのせて」は、言うまでもなくジブリアニメ「天空の城ラピュタ」のテーマ曲ですが、アップして30分も経たないうちに「動画には著作権で保護されたコンテンツが使用されています。」という通知が来ました。
自分で演奏した動画である限り、この通知が来ても動画が削除されることはなく、広告が表示されて、その収益が著作権者に払われるだけです(この記事を書いている時点では、まだ広告は表示されていませんが)。正直なところ、自分の動画に広告が表示されるのは、好みの問題では「邪魔」と思うのですが、自分自身が権利を持っていない以上、これは言っても仕方のないことです。

もっとも、広告が表示されるようになった後、その広告収入がどうなるのかは、私には分かりません。YouTubeは、JASRACなど各国の著作権管理団体と契約を結んでいるので、JASRAC管理楽曲の広告収入はJASRACを通じて権利者に支払われていると思いますが、どのような形でいくらくらい、権利者に支払われるのか、その算定が公正なのかどうかは知るよしもありません。
ネット上の動画は再生回数などを自動的に把握するのが簡単なので、そんなにデタラメな分配はしていないのだろうと思うのですが、あくまでも「だろう」に過ぎません。

「JASRACからの分配、1円もない」 爆風スランプ・ファンキー末吉さん、文化庁に調査求める

JASRACの仕組みでは、「コンサートホール」の場合、演奏者がJASRACの管理楽曲ごとに使用料を支払い、使われた音楽の作曲家など著作者本人が、曲ごとに使用料を受け取る。
一方、末吉さんによると、「ライブハウス」は管理楽曲ごとではなく、月額が決まった「包括使用料」として著作権料をJASRACに支払っている。その際、JASRACは実際に演奏された曲を把握することなく、一部の「モニター店」での演奏実績を基にしたサンプリング調査によって作曲家などへの分配を決めているため、実際に演奏された曲を作った作詞・作曲者には「正しく分配されていない」と訴えた。
実際、自身も爆風スランプと別のバンドで2000年からの10年間に全国のライブハウスで計204回のライブを開き、自ら作曲した曲を演奏したものの、それに対する分配が「1円も入っていなかった」と強調。「じゃあ、(分配する金額を算出するための)サンプリング店はどこにあるのかと(JASRACに)聞いたら、それは言えないと」と話し、全国で名だたるライブハウスの何百本かのライブを集計したが、その中にモニター店は一つもなかったと説明した。(以下略)

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JASRACの言い分によれば、JASRACと契約した「モニター店」における実績に基づいて分配するのだそうですが、その調査が公正なのかどうかは分かりません。確かに、「そのモニター店はどこだ」と聞かれても、答えるわけには行かないのは分かります。モニター店が分かってしまえば、関係者がお店に様々な働きかけを行って、演奏実績を操作できてしまうからです。かつて、テレビの視聴率調査において、テレビ局関係者が視聴率調査会社のモニター対象世帯を割り出して、買収によって視聴率を操作しようとした事件がありました。

日本テレビ視聴率買収事件

モニター店が分かってしまえばそれと同じことが起こる-という理屈は分かるのですが、そもそもの前提として、JASRACの調査にはビデオリサーチのような信用性がありません。
ビデオリサーチは、視聴率調査の結果を公表しています。どの番組のいつの視聴率は何パーセント、ということはよく報道も刺されます。その調査手法、サンプリング数や地域配分なども細かく公開しています。

視聴率ハンドブック - ビデオリサーチ

ところが、JASRACの「モニター店」調査は、調査結果すら公表されていないし、ましてその調査手法、サンプル数もその内訳もまったく公にはされていません。「調査に基づいて配分しています」と言っているだけで、肝心の調査の結果も手法もまったく明らかになっていないのです。

「JASRACが本当にモニター店のサンプリング調査をやっているなら」という前提(あるいは仮定)の上での話ですが、容易に想像できるのは、「モニター店」はおそらくライブハウスなどではなくカラオケボックスであろう、ということです。カラオケボックスは演奏曲目をコンピュータ管理しているから、それを集計するのはそれほど困難ではない(というか、人気ランキングはどこのカラオケボックスでもやっている)からです。
一方、ライブハウスで演奏曲目を把握するのは、手作業になり、手間がかかるので(お店にも頼みにくいので)おそらくやっていないのではないかと思います。ファンキー末吉の「全国で名だたるライブハウスの何百本かのライブを集計したが、その中にモニター店は一つもなかった」という説明も、この推測を裏付けます。

そうだとすると、カラオケボックスにおけるモニター調査の結果からライブハウスの著作権使用料も分配している可能性が高いと思われます。カラオケボックスは、お客が歌って楽しむ場所で、ライブハウスは演奏者がお客に音楽を聞かせる場なので、両者の性格は基本的に違います。当然歌われる(演奏される)楽曲の傾向も、かなり異なります。
一般論で言えば、カラオケボックスで歌われる曲は、世間一般に認知度の高い曲が中心です。世間的にまったく知られていない曲はそもそもカラオケに入っていないのですから、歌いようがありません。それ以前に、器楽曲はカラオケでは絶対に歌われません。当たり前ですが。
一方、ライブハウスは曲の知名度、歌か器楽曲かの制約は何もありません。実際、マイナーなジャンルの知られていない曲、無名の音楽家のオリジナル曲が演奏される確率は、カラオケボックスよりはるかに高い。
それなのにカラオケボックスのモニター調査の結果でライブハウスの著作権使用料を分配しているとするなら、メジャーなヒット曲ほど実際の演奏実績より多くの著作権使用料の配分を受けている可能性が高いでしょう。言い換えるなら、マイナーな音楽の著作権使用料は正しく支払われず、メジャーな音楽の権利者で山分けされる(下手をすると、JASRAC自身の内部留保にされている可能性も)傾向がある、のではないかと思われます。

あくまでも推測に過ぎませんが、JASRACが調査手法について何も明らかにしていない以上は、この推測を否定できる材料はありません。





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最終更新日  2017.08.21 07:02:59
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