inti-solのブログ

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2018.01.12
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テーマ: ニュース(95873)
カテゴリ: 対中・対韓関係
日中関係改善に冷や水=潜水艦入域、政府が抗議


首相は、(1)不測の事態に備え、関係省庁や米国など関係国と緊密な連携を図る(2)警戒監視に全力を尽くす―ことなどを指示。外務省の杉山晋輔事務次官は中国の程永華駐日大使を外務省に呼び、重大な懸念を表明すると同時に、関係改善の流れを阻害しないよう強く求めた。程氏は中国の立場を説明した。
尖閣周辺の接続水域で、中国海軍フリゲート艦の航行は一昨年6月以来、潜水艦は初めてだ。11日午前に入域した両艦は、ほぼ同じタイミングで同方向へ出域しており、防衛省は両艦が連動していたとみている。幹部は「自衛隊の出方を見ているのではないか」との見方を示した。

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中国の艦艇が尖閣諸島の接続海域に入った、というのですが、接続海域にとは領海ではありません。一応国連海洋法条約に定められているので、国際法上の定義は存在しますが、外国の船舶は、軍艦も含めて航行を行うことは認められています。もっとも、領海だって、無害航行である限りは外国の船舶の航行は認められています。ましてや接続海域は当然です。
認められないのは、潜水艦が潜水した状態で領海に入ること(潜水艦の潜行は無害航行と認められない)、それに経済水域内(接続海域も、当然200海里の経済水域に含まれる)で漁業などを行うこと。
しかし、今回の件は領海には入っていないようなので、それに対して抗議できる、どのような国際法上の根拠があるのか、極めて疑問です。日本の国内世論(中国けしからん、というネトウヨ層)を対象にしたポーズではないのか、と思えます。

確かに、領海のちょっと先で軍艦がうごめくのは、友好的な態度とは言えません。が、友好的ではない、というだけで(国際法上違法ではないのに)抗議するようなことでしょうか。そもそも安倍政権の現状自体が近隣諸国とまったく友好的な状況ではないのに、友好的な対応を期待するほうがどうかしていると思うのですが。

もっとも、中国側としては「接続海域の国際法上の取り扱い」などという視点からの反論は、しないでしょう。だって、それは尖閣における日本の主権を認めるのと同義になってしまいますから。中国は尖閣諸島を自国領と主張しているのだから、そこは中国の領海だ、という反論しかしないはずです。それはまたそれで、無理のありすぎる言い分ではあります。
日中両国とも、硬直的な強硬論から脱却できないようでは、何も先に進まないのですが、硬直的な強硬論から脱却したくない、隣国と友好関係より敵対関係を望む人たちが大勢いて、そういう人たちに支えられているのが安倍政権なのですから(中国の状況も、大同小異であろうと思われます)、今後もどうにもならないのでしょう。





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最終更新日  2018.01.12 18:52:39
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