inti-solのブログ

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2018.06.17
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テーマ: ニュース(95880)
カテゴリ: 音楽
「ダンス禁止」の張り紙再び 警察から指導「時代が戻ってしまったよう」

発端は今年2月15日。午前3時過ぎ、スーツ姿の警察官4人が店を訪れた。電話連絡を受けた担当者が駆けつけると、こう告げられた。
「無許可でダンスをさせてはいけない」
担当者が見る限り、数名が音楽に合わせて体を軽く揺らしているだけだったが、「あなたが来る前にはもっと踊っていたんですよ」と言われ、警察署への呼出状を手渡された。
経営者は呼び出しに従い、麻布署に出頭。改めて経緯を問われ、「お客さんが勝手に体を動かしていただけ。積極的にダンスをさせたわけではない」と主張した。
すると、警察官からこう言われた。
「『ウチのお店はそういうこと(ダンス)をする店じゃないんですよ』ということで何か貼るとか、対策をとった方がいい」
2016年に改正風営法が施行され、深夜に酒を提供し、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせる店は「特定遊興飲食店」として営業許可を取ることが義務付けられた。しかし、同店にはDJブースもダンスフロアやミラーボールもない。法律家も「『設備を設けて』という条文の要件に当てはまらない」と指摘している。
今年に入ってから、「小箱」と呼ばれる小規模なクラブやミュージックバーへの取り締まりは強まっている。
1月末、渋谷のクラブが全国で初めて風営法違反(特定遊興飲食の無許可営業)容疑で摘発され、経営者ら3人が逮捕。その後、原宿の有名DJバーに警察が立ち入り。観客が体を動かす様子を見とがめて、経営者を「踊っているね?」と問い詰めた。更に、渋谷や六本木など少なくとも10店舗に一斉立ち入りが行われた。(以下略)

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改正前の風速営業法がダンスを規制していることは、以前に記事で取り上げたことがあります。

時代錯誤のきわみ

その後、この時代錯誤の風営法は改正されて、ダンスに関しての規制は撤廃されました。めでたしめでたし、と言いたいところですが、そうではなかったのです。飲食を伴わないダンス教室、ダンスホールなどは完全に規制が撤廃されたものの(そんなものを2015年まで規制の対象としていたこと自体が充分に異常ですが)深夜まで営業される飲食店に関しては、「ダンス」という単語がなくなった変わりに「遊興」という言葉が登場しているのです。遊興とは具体的に何か。
大阪府警のホームページに、実に分かりやすい説明が出ています。
(この解釈運用基準は警察庁がだしているものだそうで、したがって大阪府警だろうが警視庁だろうが、基準は同じです)


営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせることをいいます。
1不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為
2不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為
3客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
4のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為
5カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為
6バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為
7上記のほか、営業者側の積極的な働き掛けにより不特定の客に遊び興じさせる行為


つまり、一見、ダンスが風営法の規制対象から外れたように見えて、実際には「遊興をさせる」の定義の中にダンスを見せる、客にダンスをさせる(生演奏を聞かせる、もですが)行為を含めることで、相変わらず規制対象となっているのです。しかも、法は特定遊興飲食店の定義に「設備を設けて」という条件を設けているのに、実際には、この規定は無視されて、設備がなくても規制の対象にされているようです。

深夜営業は騒音問題が生じがちなので、すべてを野放しというわけにいかないのは分かります。しかし、それならば、店外に漏れる音量が何デシベル以上であってはならない、というような規制であるべきです。
音楽(生演奏ではない)を流すのはお咎めなしだが、その音楽に合わせて客が踊るのはまかりならぬ、なんて話に合理的根拠を見出すことは不可能です。また、場所柄的に、六本木や渋谷は不夜城のようなところで、夜間人口も少ないので、騒音に関する苦情が取り締まりのきっかけだったとはまず考えられません。何か、「深夜にダンスを躍らせるなんて怪しからん」的な価値観を相変わらず警察が持っていて、そのために法を恣意的に運用しているように、わたしには見えます。

価値観は人それぞれとしても、それに基づいて警察が、「ダンスは禁止」とか、まして経営者を逮捕とは、どれだけ時代錯誤の専制主義国家なのか、と思います。この点に関しては、北朝鮮をまったく笑えません。ラテンアメリカ人が見たら、およそ信じられないような話でしょう。
それにしても、カジノで国民から金は巻き上げるけど、国民が飲食店でダンスを楽しむことは許さない、とは、まったく狂った話としか思えません。





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最終更新日  2018.06.17 22:41:58
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