inti-solのブログ

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2018.07.16
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カテゴリ: 政治
本当は、今日は北海道の写真をアップしようと思っていましたが、あまりにひどい話なので

「参院定数6増」衆院で審議入り 野党側は反発

法案は、「1票の格差」是正のため、埼玉選挙区の定数を2増やしたうえで、選挙区が「合区」された地域の議員を救済するため、比例代表も4増やし、一部に「特定枠」を導入するもの。
野党側は、「自民党の党利党略だ」などと、反発を強めている。
立憲民主・辻元国対委員長は、「選挙制度を短時間、勝手に決めるんだったら、衆議院で廃案にすればいいじゃないかと」述べた。
自民・森山国対委員長は、「間に合うならできるだけ早く、本会議で院としての結論を出す」と述べた。
与党側は、17日に採決する方針を崩しておらず、同じ日の衆議院本会議で可決・成立させる構え。

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議員の定数を減らすことが善、みたいな競争原理主義者たちの言い分はおかしい、とわたしは考えています。 その限りでは、定数増=けしからん、ということはありません。
だから、埼玉選挙区の定数を2増やす(参院は3年ごとに半数改選なので、定数の増減は必ず偶数である必要があります)こと自体は、まったく問題ありません。
ただ、これまで散々「議員定数を減らせ」と言ってきた当人である自民党が突然「定数を増やす」といいはじめた(それも、衆議院ではなく、何故参議院だけで?)ことには、笑止千万、としか思えませんが。

人口の多い(1票の価値が軽い)都道府県の定数を増やす場合は、必ず人口の少ない(1票の価値が思い)県の定数を減らすこととセットにされてきました。参院選で、そのような県の定数は2(一度の選挙での改選数は1議席)なので、必然的に隣接する県が合区されてきました。現状では、もっとも1票の価値が重い選挙区は福井、次いで石川で、その両県は隣接しているので、これを合区することとセットにするのがもっとも合理的です。今回だけそれをせずに定数増だけにとどめようとするのは、合理的な説明が付き難い話と私には思えます。

それでも、定数増だけの話なら、まだしも全面否定はしませんが、まったく理解不能なのは比例区に「特定枠」なる拘束名簿部分を導入しようという話です。
かつて、参議院の比例代表区はすべて拘束名簿式でしたが、党への投票がすべて自動的に名簿順位上位からの順番の候補者への支持ではありませんから、この制度には批判が多くありました。そのため、非拘束名簿式に改められたわけですが、それを実質的に骨抜きにしようという制度です。候補者名簿のうち「特定枠」をどれだけにするかは、各党の裁量に任されるわけですが、名簿のうち1人を残して後は全員特定枠、とすることも可能だということです。

これはもう滅茶苦茶なやり方で、候補者個人の名でも投票できるという非拘束名簿式の意味を完全に喪失させるものです。つまり、30人の名簿のうち29人を特定枠にして、残る一人には、知名度がある人寄せパンダ的な人物を擁立すれば、その候補者が最多得票を得ても落選、ということが起こるからです。現状では、「人寄せパンダ」は当選可能性がもっとも高い(人寄せパンダであっても、立候補に当たっては当選して政治家となる自覚が求められる)のですが、この制度が導入されると、名前と知名度だけを利用して、実質的に本人を当選させないことが可能(言い換えれば、知名度だけあって、政治家の資質も自覚もない人物を気軽に擁立できる)ということになります。


拘束名簿式か非拘束名簿式か、というのは、いずれか一方を選択すべきものであって、このような折衷案は、明らかに両方の欠点を抱え込むやり方です。こんなことなら、完全拘束名簿式(かつての参院選の方式)の方が、まだしもマシというものです。
こんなバカバカしい法案(カジノ法案もそうですが)を、よりによって西日本の大雨災害のさなかに通そうとする安倍政権、狂っているとしか思えません。いや、もちろんそう思えるのは今に始まったことではないですけど。
どうせどんな法案を通しても政権は安泰だ、という思い上がりがあるとしか思えません。





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最終更新日  2018.07.17 00:42:18
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