inti-solのブログ

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2018.07.27
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カテゴリ: 政治
同性カップル「生産性ない」 自民・杉田氏の寄稿に批判


SNSで批判が広がると杉田氏は22日、自身のツイッターで、先輩議員から「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」などと声をかけられたとし、「自民党の懐の深さを感じます」と投稿した。
しかし、党内からも批判が相次ぐ。~当事者団体も抗議声明を発表した。LGBT法連合会は「LGBTに限らず広く人権の観点から、『生産性』を引き合いに出す主張は疑問」と指摘。LGBT理解増進会は「重大な懸念」を表明し、自民党本部に善処を申し入れた。
杉田氏は23日、月刊誌の発売後に「ゲイだと名乗る人間」から殺害予告のメールが届いたとして赤坂署に被害届を提出し、関連するツイートを削除。その後、朝日新聞の取材には「コメントできない」と語った。(以下略)

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杉田といえば、かなりイッちゃった系のネトウヨ議員です。正直なところ、いかにもこういうことを言いそうな政治家が、予想どおりのことを口走った、ということでしかありません。極右議員が極右思想を発露するのは、珍しいことではありませんから。
もちろん、意外な発言ではない、というのは、このような発言が許されるべき、という意味ではありません。異常な発言が異常に見えないくらい、日本の政治空間が異常化している、ということです。

そもそも、子どもを産む、産まないという話を「生産性」という用語で表現すること自体がまず異常です。

生産性とは、経済学で生産活動に対する生産要素(労働・資本など)の寄与度、あるいは、資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のことを指す。

というのが Wikipediaによる説明 です。そのような経済学的用語で子どもを作る作らないを表現するのは、妥当性を欠きます。例えば杉田やこの発言を支持する連中は、このような発言を聞いたら、それをどう評価するでしょうか。

自衛隊は何も生産しない、予算を使うだけの生産性の低い組織だから、自衛隊を解散しよう。

ほぼ確実に、「国防を経済性で考えるなんて怪しからぬ」などと吹き上がるでしょうね。

それに、そういう言い方をするなら、子どもには、(本来の経済学的な意味での)生産性はありません。だって、子供は働いていないし、子育てにも教育にもお金ばっかりかかるんだから。
それでも子どもが重要なのは、将来の生産を担うからです。でも経済という側面で語れば、そんな20年も先の損得なんて、不確定要素が大きすぎて、通常は予想の範囲外です。それに、子どもを持つことの経済的利益が、親自身に直接還元されるかどうかも極めて疑わしい。


そしてもうひとつ問題なのは、「生産性がない」ことを理由に「税金を投入しない」という考え方です。経済学的な意味ではなく、杉田理論に基づく「子どもを作らない=生産性がない」というトンデモ理論に基づけば、子育てが終わった中高年は、みんな生産性がない。高齢者なんて得に生産性がない。要介護の施設入所者など、最低最悪に生産性がない、ということになってしまいます。障害者や重病人もそうです。これぞまさしく、ナチス張りの優性思想に他なりません。
この理論を推し進めていけば、子育てが終わった高齢者は生産性がないから、年金は廃止して姥捨て山に送り出せ、なんてことになりかねません。

以前にも書いたことがありますが、異性が好き、同性が好き、というのは、人間の本能に根ざす感情です。理論や社会的圧力でどうにかなるものではありません。同性愛は害悪だと叫べば、同性愛者が異性愛者になるわけではありませんし、逆も同じです。社会の圧倒的多数派は異性愛者であり、仮にどれほど同性愛が社会的にもてはやされたとしても、それは変わりません。社会の3割も4割もが同性愛者になったら、確かに色々と問題が生じますが、そういうことは決して起こらないのです。LGBTが子どもを作らないことによる出生率への影響なんて、ほぼ誤差程度のものにすぎません。

それに、子どもを作らない=生産性がない、と言うなら、杉田の所属政党のトップ夫婦は、まさしく「生産性がない首相とその夫人」ということになります。そんな生産性のない人は、サッサと首相という座から降りてもらわないといけませんね。
加えて、人口の維持という視点で生産性を云々するなら、女性はすべからく子どもを二人以上産まなければならない、ということになります。杉田は、諸情報を総合すると、既婚者ですが子どもは一人のようです(あらかじめ断っておきますと、ご存知のとおり我が家も子どもは一人です)。そうすると、杉田自身も生産性は普通の人の半分だ、ということになります。そんな生産性の低い人が政治家をやっていてよいのか、とっとと辞任しろ、と、杉田理論に基づけば、そういう結論にしかなりえません。

要するに、理論として破綻している、ということなのです。感情論を文字にしただけ。LGBTを目の敵にすれば、出生率が上がるのか。そんなことが起こりえないことは歴然としています。杉田の価値観には、LGBTは相入れないのだ、ということはわかりますが(正直に言えば、私もその点に限っては同じですけど)、それだけのことです。なんの害悪もない、法にも触れないLGBTを叩けば、何か社会がよい方向に向かう、なんてことはあり得ません。逆に息苦しくなるだけです。 この人にとっては、自らの価値観に相入れない人が息苦しい社会こそが望ましい社会と思っているのかもしれませんけどね。それは、たいていの人にとっては絶望的な社会じゃないでしょうかね。





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最終更新日  2018.07.27 19:00:13
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