inti-solのブログ

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2018.08.05
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テーマ: ニュース(95880)
カテゴリ: その他
東京医大、女子受験生を一律減点…合格者数抑制


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すでに各方面で問題になっていますが、まったく酷い話もあったものです。
東京の都立高校は男女別の定員制です。わたしの行っていた高校は、旧東京府立第X中学校で、つまり元男子校だったので、1980年代前半当時、女子の定員は男子の半分以下でした。3年生は文系志望理系志望の進路別希望別のクラス編成だったのですが、比較的希望者の少ない理系志望では、通称男クラ、つまり男子だけのクラスが何クラスかできました。共学高の中の男子校状態です。わたしは文系志望だったので、男クラではありませんでしたが。
その後、1990年代に入って、このことが問題になり、現在は都立高はどこも男女の定員は半々になっています。一昨年だったかの同窓会で、現校長が「高校の歴史上初めて、女子生徒の数が男子生徒を上回りました」と話していたことを思い出しました。上回ったと言っても、原則は男女同数なので、3学年の合計で女子が男子を1人か2人上回った、というだけの話ですが、それでも史上初めてのことだったようです。
定員の男女格差は問題ではあったでしょうが(だから改められた)、ただしこれは最初から男女別の定員が明示された上で、志願者数も男女別で発表されてのことですから、明朗ではありました。
それに対して、今回の問題は、表向きは男女別の定員ではないのに、陰でこっそりと「裏定数」に合わせるように点数を加減していた、というのですから、陰湿な印象を免れません。

しかも、より問題なのは、ことが東京医大だけのことではなく、少なからぬ医大(医学部)でも似たようなことが行われているらしい、という点です。もちろん、ここまで露骨かつ陰湿なやり方ではないのかもしれませんが。
要するに、医学界全体の裏の意思として、女医をあまり増やしたくない、ということなのでしょう。ならばせめて、かつての都立高のように「男女別定員」を明示すれば、まだしも明朗なのに-と言っても、今の時代それを表向きにはできないから、こういう陰湿な手段をとるのでしょう。

何故こんなことをするのかというと、女性は結婚、出産、育児で離職する割合が高いから敬遠される、というのです。それはどんな職種でも同じと思うのですが、医学部は付属病院があり、卒業生(医師免許を取得した)は多くの場合それらの病院で医師としてのキャリアをスタートさせるので、医学部は「入学試験」であるだけでなく、実質的に「付属病院の医師採用試験としての色彩を帯びている」という特殊性故です。


それにしても、女医の離職率が高いというのは、医師の勤務条件が過酷だから(ブラックだから)ということに尽きます。正直なところ、わたしも昨年骨折で入院して、整形外科の医師って激務だなあと痛感したところではありますし、その過酷な勤務の一環として手術してもらったわけです。病気や怪我は、ある日突然なることが多いので、医師の勤務条件が厳しいものになりがちなのは、やむを得ない側面はあるでしょうし、その分給料はよいのでしょう。でも、それを割り引いても、もれ伝わる勤務の過酷さは、「仕方ないよね」では済まないものがあるように思います。つまり、女性はブラック労働に耐えられないからと排除して、男はそのブラック労働に耐えさせておけば解決なのか、ということです。それって、何かより本質的な部分で道を間違えている気がしてなりません。

そして、本来女医の需要はかなり高いはずじゃないでしょうか。
かつて、局部にかなり近い部位の炎症で、大きな病院の皮膚科にかかったことがあります。行ってみたら女医さんで、炎症の部位が部位だけに、心理的にちょっとたじろいだ(けど、背は腹は変えられないし、まさか診察室に入ったところで「やっぱり帰ります」とは言えないので診察してもらった)記憶があります。異性とはいえ、わたしは男で、医師が女性だった(そんなに若い医師だったわけでもない)から、「ちょっとたじろいだ」程度の話ですが、逆だったら、つまり患者が女性で男性の医師に同じ部位を診察してもらうとしたら、心理的抵抗は「ちょっとたじろぐ」程度では済まないでしょう。そして、世の中の半分は女性です。もちろん、緊急事態ではそんなことは言っていられないにしても、本当は女医はもっと多いほうがよいのではないかと思うくらいです。
実際のところ、女医の離職率が高いと言っても、離職してそのまま一生専業主婦で終わる人もまた稀でしょう。子育てが一段落すれば、たいていの人は医師に復帰しているのではないでしょうか。(ただし、さほど過酷ではない非常勤として、ということが多いでしょうが)

それなのに、現実は女医の数を増やさないように(おそらく)男の医学界の有力者があれこれと画策している、ということなのでしょう。前述のとおり、私自身が医者、ひいては医学に大変お世話になったので、医学界には感謝するばかりではありますが、この問題に関しては、医療を受診する人の半分は女性という事実を無視した暴挙としか思えないのです。





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最終更新日  2018.08.06 06:21:26
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