inti-solのブログ

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2025.07.19
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カテゴリ: 政治
「この県(くに)を愛して何が悪い」ぐんまちゃん、Xで参政党応援の匂わせ投稿して炎上→削除して謝罪


パーカーはぐんまちゃんキャラバン隊の公式衣装ですが、写真を拡大しないと分からず、パッと見は参政党のイメージカラーであるオレンジの服を着て応援しているかのようでした。
衣装は「ぐんまちゃんキャラバン隊」のもの。問題の投稿より衣装部分を筆者が拡大。
また、文章そのものも「この県(くに)を愛して何が悪い!!」と愛国主義のような内容だったため、投稿に対して「排外主義だ」、「マスコットの政治利用は良いのか」、「ぐんまちゃんの利用規約に反している」といった批判が殺到し、炎上状態となりました。
そして投稿から約5時間後、ぐんまちゃん公式アカウントは投稿を削除。その後は沈黙した状態となっています。(以下略)

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このくにを愛してなにが悪い、ですか。(県と書いて「くに」と読ませたようですが、おそらくその含意は県ではなく国家を指しているのだろうと思われるので、以下はすべて「国」という前提で書きます)
そりゃ、国を愛することは自由です。国を愛してはいけない、とは思っていないし、誰もそんなことは言っていないでしょう。
しかしながら、歴史を紐解けば、「愛国心」を売り物にした連中が国家を牛耳った時、国は発展したり栄えたかというと、むしろ逆です。国家を破滅に至らしめたのは、たいていの場合、自称「愛国者」たちです。
現在進行形の至近の例で言えば、米国ではトランプとその取り巻きが、「アメリカ・ファースト」を呼号して、関税の大幅引き上げなどを行っています。まだ、その経済的な成否は明らかになってはいませんが、常識的な経済観念から考えれば、あの高関税によって米国が経済的に得をするはずがありません。米国といえども、輸入なしで経済が回るはずがないからです。もちろん、米国の消費者が手にする輸入品の価格が大幅に上昇することになるのは言うまでもありませんが、それだけではなく、あらゆる工業製品も、その原材料のすべてを国内だけで調達しているわけがありません。
主観的な「愛国心の発露」は、彼らの自尊心を満たす代償として、経済への深刻な悪影響を及ぼしています。
ロシアもそうです。プーチンが、(本人の主観では)愛国者であることに疑いはありませんが、彼の行っていることがロシアの利益になっているでしょうか?私はウクライナは最終的にロシアには勝てないだろうと危惧していますが、ただウクライナの侵略の成否は別にして、それが成功したとしても、ロシアの国力と国際的地位に大きな傷を残していることは明らかです。

これらは米国やロシアだけの現象ではありません。わが国では愛国心に満ち溢れた軍人たちが国の進路を誤らせ、無謀な戦争によって国中を焼け野原にしてしまったのは、八十数年前のことです。ドイツでは「アーリア人至上主義」を掲げた政党が独裁的権力を手にして、やはり国を破滅に導きました。もちろん、どちらの例でも自国が焼け野原になった以上に、近隣諸国や異民族に深刻な被害を与えたのですが。

愛国心に限らず、愛は一般的に、人生においてとても重要なものですが、コントロールできなくなると極めて危険なものでもあります。そして、様々な愛の中でも、愛国心ほどコントロールを失ったときに危険が大きいものはないことは。まさしくこれらの例が証明しているところです。

更に、「国を愛して何が悪い」になると、前述のとおり愛国心がコントロールを失っている状態と考えざるを得ません。そこには、愛国心を錦の御旗に掲げれば、何を言っても、あるいはやっても許されるべきだ、という「愛国無罪」の考え方が入り込んでいるからです。「お前は(あるいは誰それは)国を愛していないのか」「お前は(誰それは)売国奴だ」ここまで来たら、本当に猛毒です。自分こそが愛国心の程度を判定する全知全能の神、というわけです。国全体がそんな方向に流れてしまったら、80年前の破滅をまた繰り返すことしになりかねません。

だから、私はあえて言いましょう。「国を愛することは悪くはありません。でも、『国を愛して何が悪いか』という言い方は、愛が暴走して国を破滅させるから悪いのです」と。





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最終更新日  2025.07.25 06:37:04
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Re:愛国心は悪党どもの最後の隠れ蓑(07/19)  
アンドリュー・バルトフェルド さん
「日本人ファーストの何が悪い」と言っているのが一般人だけでなく、芸能人も言っていることに頭痛がします。


字面だけなぞって擁護するか、言葉の奥にある意味まで捉えて批判するか。
どちらがまっとうかは言うまでもありません。
(2025.07.19 21:52:43)

Re:愛国心は悪党どもの最後の隠れ蓑(07/19)  
maki5417  さん
わが国では愛国心に満ち溢れた軍人たちが国の進路を誤らせ、無謀な戦争によって国中を焼け野原にしてしまったのは、八十数年前のことです。


すっかり軍人ばかりが悪者になっていますが、本当の悪人はやはり昭和天皇でしょう。
その息子も孫も、いまだ被害にあわれた国々の人たちに謝罪する気持ちがないように見えます。
ちゃんとその戦争責任を問わない国民もどうしたことかと思っています。

余談ながら、山本五十六はいまだに郷土の英雄です。 (2025.07.20 00:39:55)

Re[1]:愛国心は悪党どもの最後の隠れ蓑(07/19)  
inti-sol  さん
アンドリュー・バルトフェルドさん

別に、芸能人が主義主張において一般人より高尚なわけではまったくありませんから、仕方がありません。ほんこんとかフィフィとか、そんな連中だっているのですから。
私は、参政党に票を投じた人たちは(いや、他の党でも同じかもしれませんが)参政党の政策のすべてを、字面すら読んでいない人が多いのではないかと想像しています。

maki5417 さん

昭和天皇には相当の責任がありますが、少なくとも昭和天皇が国を誤る方向を主導した主犯、とまでは言えません。 (2025.07.22 19:44:01)

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