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ガルバニック電流というのは、歯学部でも習いますので、歯医者なら誰でも知っています。カレーライスのスプーンなどを口に入れたときにちょっと感じることのある、あの酸っぱさいや~ん(微弱な電流)のことです。でも歯医者は、ガルバニック電流というのは、その理論はイオン化傾向の違いにより局部電池が形成されるからだということも知ってはいるのですが、違う種類の金属間で流れるものだと思い込んでいます。まさか、ガルバニック電流は歯と金属間にも流れるのだ、とは気が付いていません。それどころか、歯と別の歯との間はもちろん、1つの歯の局部間でも流れるなんて、夢にも思っていません。歯にも電流は流れるんですよ!歯は金属ということです。・・というわけで、簡単な実験をしてみました。歯と金属間の電位差はどのくらいあるのか、身の回りにある金属と歯との間の電位差(イオン化傾向の差)を片端から測ってみました。 歯は象牙質とエナメル質に分けました。ワニグチ・クリップと歯には心電図の電極用の電導性ジェルを塗って、電気的に密着させます。 表題画像はエナメル質と象牙質の電位差を測っています、象牙質はマイナス(白のクリップ)、エナメル質はプラス(赤のクリップ)です。それぞれ電解液(pH3の塩酸)に漬けると(クリップが濡れないように)、(ここに虫歯を防ぐポイントがある)電位差は0.002Vですがエナメル質の方が高い、つまり象牙質からエナメル質に電子が流れる(ガルバニック電流は電子とは逆にエナメル質から象牙質に流れる)。白のクリップの方が溶けます、以下同様。電気化学説によれば、電子を奪われた方が、腐食つまり溶けますので、エナメル質と象牙質が接している構造の歯は象牙質はエナメル質に電子を奪われ、象牙質だけが溶けます。臨床的にも歯医者ならだれでも経験しますね。つまり虫歯は電気化学的な腐食なのです。ガルバニック電流は虫歯と関係があるのです。一番プラスの電位差があったのは、歯科用金合金とCu(銅)でした、0.7Vもありました。口腔内で安定な金属は虫歯を助長するのではないでしょうか? 高銅型アマルガムは歯科用の合金の中では0.25Vと一番低いのですが、残念ながら歯よりもプラス電位です。歯よりも先に溶けて歯を守ってくれるわけではありません。昔のZn(亜鉛)入りのアマルガムの方が良かったのかもしれません。先に溶けて歯を守ってくれるかもしれないと期待していたFe(鉄)とAl(アルミニウム)は非常にわずかですが、歯よりもプラス電位でした。歯より先に溶けて歯を守ってはくれません。残念!というか、この2つ最初はマイナス電位だったような気もしますので、酸に浸けると不動態膜を形成して電流が流れなくなるのかもしれません、いずれにしてもカソード防食には使えないことになります。残念!ほんとうに不動態が形成されるのかはそのうち調べておきます。アルミニウムはありそうですね、アルマイト仕上げ(不動態膜形成)は硝酸処理で作ると聞いたことがあります。やはりZn(亜鉛)は-0.35Vとダントツ歯よりもマイナス電位です。歯に亜鉛を貼り付ければ、虫歯を防ぐことが可能です。 亜鉛は人間にとっては必須微量元素ですので、フッ素よりも安全です。フッ素は人間には全く必要としない毒物でしかありません。しかもフッ素は電気化学的にいうと歯を溶かすハロゲン族です、虫歯は治りません。以下、象牙質を基準としたイオン化傾向の一覧表を載せておきます。亜鉛:-0.35V象牙質:0Vエナメル質:+0.002Vアルミニウム:+0.015V鉄:+0.05V鉛:+0.18V高銅型アマルガム:+0.25V歯科用71%銀合金:+0.5V歯科12%金銀パラジウム合金:+0.68V歯科用70%金合金、銅:+0.7V上に行くほどイオン化傾向が高い、腐食しやすい、溶けやすい、虫歯になりやすい。下に行くほどイオン化傾向が低い、腐食し難い、安定。pH3の塩酸に漬けると、、ここに虫歯を防ぐポイントがあると書きましたが、つまりpHが低いつまり酸性溶液中で電流が流れ腐食(虫歯)が起こるのですから、酸をアルカリで中和すれば良い!ということが分かりますね。それが「重曹うがい」です。中性、弱アルカリ性溶液中では局部電池は形成されず、ガルバニック電流は流れません。。では、その酸はどこから来るのかって?それが虫歯菌が出すのですよ、、でも酸だけでは歯は溶けない、虫歯が出来るには、電気化学的なメカニズムが必要なんです。
2009/10/29
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「もったいない学会」に入会したので、歯科医療はもったいないのか?と考えてみました。充填しても歯冠修復しても、トラブルは起こりますね。。除去・根治、除去・根治、、ほっくりかえして、やり直し、、の繰り返し。歯科業界では、こんなのを医療と勘違いしているようですが、うちじゃもうないです。でも、全然ないわけじゃない、除去は1ヶ月間に4~5人、根治までする人は、1~2人、CKの紛失もあるので、CK(金属修復物)は1週間に1~2個セット程度です。充填も1日1~2人、1日来院患者(うちじゃ患者じゃないので、クライアントさんという)数は30人くらいで、少なくはないんですが、予防歯科なので治療は少ない、PMTCと重曹うがい指導だけ、PMTCは歯周病の管理で保険算定できるけど、虫歯予防の重曹うがい指導は保険適応外です。。・・・やはり、通常の歯科医療は浪費ですね。予防歯科をすれば、なくなりますもん。。石油産出減耗と共にこの業界は消滅するでしょう。
2009/10/20
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今日は引き続き歯根面ウ蝕のアマルガム充填の症例をご紹介いたします。良くある症例で、歯周病は治ったけど、こまめに重曹うがいしてね、、という言いつけを守れなかった人に発症します(-"-;)歯根面と言っても、象牙質とエナメル質の境界から起こるので、不思議です。歯医者は慣れっこなので、不思議と思わないのかもしれませんが、もっとプラークの付着している歯肉側からなぜ虫歯は発生しないの?とか。思いません?歯医者は問い詰められたら、説明できません。でも、金属の腐食防止を仕事にしている人なら、これは「異種金属接触腐食」だな、、見ただけでピンとくるはずです。表題画像は鏡像なので、左右反対なのですが、これは実像です。 デント・エナメル境界から発生した虫歯はその範囲を広げます。エナメル質は直下の象牙質が失われ、支えを失って脱落しますが虫歯にはなりません。不思議でしょ?酸で溶けるのなら、ほとんど無機質のエナメル質も少しは溶けるのでは? 可及的に虫歯(軟化象牙質)を除去します。「虫歯の電気化学説」によれば、細菌感染は2次的な要因で主因ではありませんので、消毒も必要ありませんし、多少の虫歯の取り残し、クラックも気にしません。最小限の歯質削除量で済みます。アマルガムは歯質に比べて自然電位が低いので、アマルガムから電子を供給された象牙質はこれ以上溶解しません。虫歯は止まるということです。臨床的には「アマルガム」は非常に予後が良いというのは、歯医者の常識です。
2009/10/19
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海外製のアマルガムが入手できたので、使ってみました。左下8番の近心歯肉縁下カリエスです。これはCR充填は無理でしょう。。?(^^ゞ このアマルガム、高銅型と言って主成分の銀の他に銅と錫が入っています。亜鉛は入っていませんが、歯牙よりも自然電位は低い(歯より先に融けて歯を守る)可能性は高いのではないか?と思います。木曜日に実験してみます。まだエナメル質と象牙質のサンプルを作っていないので、それからですが。
2009/10/17
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と思ったのはこういう経験をしたからです。僕は歯科技工士(歯を作る職人)だったのですが、まあ、歯医者の下請けです。歯の型にぴったり合った精度の良い技工物を作ろうとがんばっていたのですが、歯医者の段階でレベルダウンしてしまう。しょうがないので、歯医者の免許を取りました。8年も掛かりましたけどね。これで、最初から最後まで精度良く患者さんの歯を作ることができるな。。と思ったのもつかの間、とは言え10年くらいは体がもちましたが。精魂込めて患者さんの歯を最初から最後まで自分で作るなんて無理です、第一寝る時間が無くなる。結局、からだ壊しました。腱鞘炎で手が動かなくなりました。字も絵も描けなくなりました。指だけは動くので仕事はできますが。このままでは死ぬな。。医者の入院勧告を契機に予防歯科を始めました。これで歯科医院がつぶれるなら、それもしかたがない、、削りまくる歯医者から180度の方向転換です。それが10年程前。予防歯科を始めた頃、ちょうど熊谷崇先生が講演会をしていたので行って来ました。立ち上げ時はヘルスケア歯科協会に入って熊谷システムを導入しました。今では当時の面影も無いくらい診療システムは変化しましたが。折りよくダイアグノデントという虫歯を数値化できる機械が発売されすぐに導入しました。これがなかったら予防歯科は成り立たないでしょうね。とりあえず、うちに来てくれる子供達の虫歯を定期的にモニターしてみようということでやっていました。この当時はフッ素は虫歯に効くと単純に信じて使っていましたが、あるときとても熱心なお母さんがいて、いろいろと臨床的な協力をしてくれるのです。中一のうちの子の虫歯が心配、なんとか削らないですまないか、、といわれて、やってみました。その子はカリエス・リスクはふつう、ただ塾に行く前と帰って来てからの夕食の2度食べがある、朝晩のハミガキ後の低濃度フッ素ジェルの塗布と毎月のPMTCをしてもらいました。でも、ダイアグノデント値10~40がジワジワと上がっていくのです。要するに虫歯は進行している。どうしたらいいの??やっぱり削る治療が必要になるのか、、真剣に悩んでいました。その頃、僕の高校の時の英語の先生が患者さんとして来院され、僕の虫歯の説明で、酸性だと歯が溶けるんですよ。。というと、それなら重曹で酸を中和したらいいんじゃない?とおっしゃるんです。え、重曹ですか。。??、そ、そうですよね!!というわけで、さっきの女の子に重曹水で飲食後にうがいしてみて、という指示をだしました。その子のお母さん、とても真面目でせっせと重曹水で娘にうがいさせました。1ヵ月後、DD値が軒並み下がっています!!フッ素塗布では何ヶ月やっても虫歯を止めることができなかったのですが、重曹では1ヶ月で治りました。。ま、こういう経験が今につながっているのです。歯科治療は今でも最初から最後まで自分でやっていますが(外注なし)、これで完璧ということはありません。どこかに接着が不十分なところがあるかもしれない、接着はがれが起こり、隙間ウ蝕が起こるかもしれない、結局、歯医者というものは自分で自分の仕事を作っているのです。お分かりですかな?今では歯医者が増え過ぎてその仕事すらない、それが現実、もうそろそろ商売換えを考えないとね。。
2009/10/07
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極々常識的に考えて、というか元素の周期表を眺めていると、フッ素というのは右端から2列目のハロゲン族の1番目、2番目が塩素、3番目が臭素、4番目がヨウ素・・どれも漂白剤や消毒剤に使われる化学的には反応性が高く有用だけど、どちらかというと毒性が強い、使用には気をつけましょう。。というものばかりです。もちろんフッ素もそうなんですが、ppmオーダーの水道水中の残留塩素を気にしている人が1000ppmものフッ素を気にしていない、、というのもヘンですね。フッ素が虫歯予防に効くというのは、大がかりな詐欺なんですが、みなさん70年も騙され続けているんです。。うそは大きい方がばれない、っていいますよね。そういうことでしょうか。。
2009/10/04
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【お試し用】エナメル質補給型ペーストアパガードリナメルSLお試し用20g一頃、アルツハイマーの原因は脳にアルミニウムが溜まるせい、、とか言われていましたが、じつは、、フッ素がアルミニウムを脳に運ぶのです。フッ素がなければ、アルツハイマーにならないということです。ここ参照、http://members.jcom.home.ne.jp/emura/50reasons.htmこわいですね、、フッ素は捨てるに捨てられない有害産業廃棄物ですので、歯磨き剤に混ぜて売ったり、水道水に混ぜて処分できるのなら、濡れ手に粟に儲かるのです。で、フッ素非配合の歯磨剤を探してみましたが、少ないです。表題のアパガードのほかは、ダイソー(100円ショップ)製のものが3種類、グリーンコープ製のものが手に入りました。
2009/10/04
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なんていうことは昔から分かっていることで、発がん性や歯や骨に悪影響があるだけではなく、中枢神経から生殖まで負の影響を与えます。はっきりいうと、子供のIQが下がったり、キレる子供が増えるということです。これ以上おバカになっても困るので、うちの子供たちは「フッ素洗口」はお断りしています。臨床経験上はフッ素塗布による虫歯予防に効果があるという実感は得られない、重曹ならあるけどね。。というと「フッ素洗口事業」に非協力的ということで、学校歯科医の辞表を書かされましたが、まあ、世の中そんなもんです。フッ素が危ないなんてことは、「ゆとり世代」以前の高卒の僕たちにはよくわかりますけどね。フッ素は塩素と同族のハロゲン族でCa、Na、Kと親和性が高いなんてことは化学の常識です。ああ、神経伝達系に直接影響するね。。なんていうことは、大学で生化学、生理学を学んだ(はずの)歯科医ならピンとくるはずです。有名な予防歯科医の先生までが簡単に洗脳されて、踊らされている、なんてね。。ネット時代に入って、ホントウのことが広く知れ渡るようになってきたんで、早めに「フッ素は毒」だよ、、と宣言しておいた方が恥をかかなくてよいです。
2009/10/04
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歯牙をpH4の塩酸に数週間浸漬させても歯牙表面の脱灰はあるとしても、虫歯ができるどころか、溶解さえしないという実験結果を得たので、虫歯は単なる酸蝕症ではなく、別のメカニズムがあると考えた。そうでないと、虫歯については理解できないことが多すぎるからだ。そこで、虫歯は金属腐食と同じ電気化学的腐食ではないかと考え、その前提として歯牙に電極を取り付け電流が流れるか調べてみた。pH3の塩酸中に歯牙を浸漬し、12.7Vの印加電圧で100μAの電流が流れた。この実験では、歯牙の電気的抵抗は127kΩとなり、充分な電導性がある、つまり歯牙は金属として取り扱うことができるという結論を得た。また歯牙はリン酸とCa(カルシウム:アルカリ金属)から構成されているので、電導性があることは充分考えられる。金属腐食の分野では金属腐食の原因、その対処法に関する研究は進んでいる。なぜなら、金属の腐食による経済的損失はGDPの5%にも達すると言われていて、危急の問題だからだ。金属腐食の分野ではすでにバイオフィルが関係する金属腐食の研究も進んでいて、「微生物腐食」という名称が確立している。詳しくは、当サイトの「虫歯予防一口メモ」の過去ログを参照していただくとして、今日は、金属腐食の電気化学式による解説を試みたい。表題の図での解説に入る前にいわゆる酸蝕の電気化学式を書いておく、酸蝕には電極は存在しない、金属Mから電子e-が奪われ、水素イオンH+と結びつき水素ガスH2↑となる、一方電子e-を奪われた金属MはM+(金属イオン)となって溶出する。M→M++e-、2H++2e-→H2↑表題図では2つの金属電極が存在し、その電極同士は電気的に接続されている。電子e-を奪われた側の電極が溶出するが、2種の金属を比べた場合、相対的にイオン化傾向の高い方が低いほうに電子e-を奪われ溶出する。これが左図だ。歯牙の場合は陽極がエナメル質、陰極が象牙質となり象牙質だけが溶出する。これは蓄電池の構造そのものであり、電気的に接続している2種の金属電極の途中に電球をつなげば光る。これら電気化学的腐食(腐食電池)が単なる酸蝕と決定的に異なる点は、持続的に電子e-の供給が起こり、その腐食効率は単なる酸蝕に比べて非常に高いということである。特に問題が大きいのは右図の「酸素消費型の腐食」だ、2種の金属電極のイオン化傾向の違いだけではなく、酸素濃度勾配によりこの腐食メカニズムが促進されることが示されている。隙間の外の陰極となる金属表面では、酸素濃度が高いため、O2+4H++4e-→2H2O ~1式O2+2H2O+4e-→4OH- ~2式という反応が持続的に起こり、電子e-を奪われた陽極は溶出(腐食)する。一般に酸素濃度はすき間の奥ほど低い傾向があり、また微生物はすき間の奥に生息している、また微生物は我々人間と同じ酸素呼吸をしているのでその活動を支えるため酸素を消費する。したがって、すき間の奥は酸素濃度が低く、一方外は相対的に酸素濃度は高いので奥外に大きな酸素濃度勾配を形成する。酸素濃度が高い方が陰極となり電子e-を奪い、酸素濃度が低い方が陽極となり電子e-を奪われ溶出(腐食)する。これは「濃淡電池」と呼ばれ古くから知られており、同じ現象を腐食の観点から見れば「通気差腐食」となる。具体的には、すき間の奥の方が電子e-を奪われ腐食する。これがいわゆる「咬合面の小窩裂溝ウ蝕」だ。「咬合面の小窩裂溝ウ蝕」とは穴の内外に「濃淡電池」という局部電池を形成しているので、持続的に電子e-が穴の奥から奪われ腐食することにより、その穴は次第に深くなる。また微生物は糖質を供給されると解糖酵素により酸素を消費しつつATPと乳酸等の有機酸(H+)を生成する。1式を見ていただくと分かるが、H+(水素イオン:酸)があると1式の反応は進む、つまり酸性環境下で腐食反応は進む。腐食の原因は酸素濃度勾配と前出のイオン化傾向の違いだけではないのだ。虫歯とは単なる酸蝕症ではなく、金属腐食(電気化学的腐食)だということがお解かりいただけたと思う。2式での生成物はOH-(水酸イオン:アルカリ)なので、H+と拮抗している。つまりH++OH-→H2Oとなって、この中和反応の終了と共に、この一連の反応は拮抗し停止する。ここに虫歯抑制のヒントがある。OH-を外部から供給するか、またはH+を除去することにより、1式も2式も止まる、酸アルカリの中和反応だ。止まるだけではない、逆反応も起りうる。つまり、虫歯が抑制されるだけではなく、虫歯が治るかもしれないのだ。また、虫歯菌の解糖酵素の至適pHは低いので、アルカリ性環境下ではその酵素活性は低下する。つまり酸素も消費しないし、酸も産生されない。これは「微生物腐食」は抑制されるということだ。しかも、再石灰化という歯牙の再結晶化はpH依存性が有り、pHが低い(酸性)よりpHが高い(アルカリ性)方が起こりやすい。歯牙の自己修復機能もアルカリ性環境下の方が亢進される。ではOH-を外部から供給する、H+を除去するとは具体的にはどういうことをすればよいのか?それは、飲食後速やかに「重曹うがい」をすることだ、重曹はH+を消費する、水に溶かすとアルカリ性だ。NaHCO3→Na++HCO3-、H++HCO3-→H2O+CO2↑いずれの電気化学的腐食のタイプにおいても、1、電子e-を奪われない2、水素イオンH+がない(アルカリ性)環境では腐食は起こらない。実際Feの例だが、不感域(腐食しない領域)は、1、対電極に対して電位が低い(電子e-を奪われない)2、アルカリ性領域にある場合だ。 #リンク先の皆様、多謝!参考文献:1、金属の腐食と摩擦磨耗2、丹治研究室 Tanji Laboratory ホームページ東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 生物機能工学講座 生物化学工学分野
2009/09/30
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省エネタイプの外部電源を作ったので、実験再開!外部電源は定電圧電源だと分極によるインピーダンス上昇による電流低下が起こるので、定電流電源としました。表題画像がそれ、オーディオやる人が見ればすぐに解る回路。とりあえず、100.0μAに設定(テケトー)。 げげ、、、ネットで3時間遊んでいる間に溶けちゃいました。。一回り小さくなって、クラック(ヒビ)がたくさん入っています。 これは実験前、 やはり、電流が大きすぎでしょう。エナメル質と象牙質のSUS(ステンレス)に対する電位を別々に計り、その中間値での電位で実験すべきですね。つまり、象牙質は溶けるがエナメル質は溶けない電位。またpH3は低すぎますね、今度はpH6か、pH7でも良いかも、単なる電解質ということで塩水でも良いかも。。また、試料作りから始めます。しかし導電性ジェルがもうない。。
2009/09/22
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亜鉛は歯を守るか?(ダブルクリックでアニメが始まります)つまり、口腔内で歯よりも先に溶けて歯を守ってくれるのか?ということが気になったので、先日作った実験装置を使って実験してみました。で、歯と歯科用合金(12パラ)をpH3の塩酸に漬けると、歯がマイナス、歯科用合金がプラスとなり、 +0.57Vの起電力が発生しました。 歯と亜鉛(アルカリ電池のマイナス極を利用)では、歯がプラス、亜鉛がマイナスとなり、 -0.33Vの起電力となりました。 マイナス電極(黒)をつないだ電極から電子が出てきます。プラス極(赤)は逆です。マイナス極になる方がイオン化傾向が高い=先に溶ける。前者では、歯から電子が歯科用合金に奪われる、つまり歯は歯科用合金に電子を奪われ溶ける。後者では、亜鉛は歯に電子を供給する、つまり亜鉛が電子を歯よりも先に電子を奪われ、歯を守る、ことが解りました。やはりね。。亜鉛を含むアマルガムやリン酸亜鉛セメント、カルボキシレートセメントを使うと虫歯になりにくい理由が確認できました。#詳細はここを参照してください。http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200907090000/
2009/09/21
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続きです。虫歯は電気化学的な仕組みで起こるということを証明するために簡単な実験装置を組みました。表題画像がそれ。基本コンセプトは歯牙から電子e-を奪い、溶出したCa2+(カルシウム・イオン)を-電極に吸い寄せる、それだけです。まずは歯牙に+電極を取り付ける作業、 歯冠だけを出して密閉容器に入れる、 電気的結合を密にするために、心電図の電極とかに使う導電性ジェルを密閉容器に充填する。虫歯を作る場所を決めるために象牙質に達する深さ2mm、直径1mmの穴を開ける。 ステンレス容器に歯牙の入った容器をセットしてpH3.0の希塩酸を注ぐ、-電極が分極することを防ぐ為に熱帯魚のポンプで水流を作る。 これが肝の部分、 拡大画像、ステンレス容器からこれもステンレスの針金を咬合面に開けた穴に入れる、歯に触れないように、 ステンレス容器と歯牙との間に電圧を掛ける、約12Vで0.23mA流れる。これで様子見。。待ちきれないのでもっと電流を増やそうかな・・。
2009/09/10
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咬合面ウ蝕という咬合面の溝やくぼみにできる典型的な虫歯のメカニズムです。E:エナメル質にちょっとでも穴が開くと、D:デンティン(象牙質)だけが溶ける。しかもDEジャンクション(デント・エナメル境界)に沿って象牙質だけが溶ける。という特徴がありますが、単なる酸蝕というメカニズムでは説明できません、酸で溶けるのなら、象牙質だけが溶けるというのはおかしくないでしょうか?いくら象牙質の方が臨界pHが多少高いとは言え。表題図の電気化学説によれば、虫歯が進行する要因としては、4つのポイントがあります。1、EとDではイオン化傾向がD>E(Dの方が先に溶ける:Eは電子e-をDから奪う)。2、虫歯の内部と外部では酸素O2濃度が外部の方が高い。外部のO2はe-とH2Oから水酸イオンOH-を生成する反応を促進する、つまりO2濃度の低い虫歯の内部からe-を奪う、e-を奪われたカルシウムCaはCa2+となり溶出する。3、内部に生息するバクテリアは有酸素呼吸によりO2を消費するので、内部のO2濃度は外部に比べて低下する。これは2、の反応を促進させる。4、バクテリアは解糖系で酸素を消費しつつ水素イオンH+:酸を出す、H+は2、で生成されたOH-とは拮抗するので、H+雰囲気の方が2、の反応を促進させる。1~4の反応は全て象牙質からCaを溶出させることを促進する。
2009/09/10
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久しぶりに、歯の話題です。表題画像は歯周病で抜けた歯ですが、ひどい虫歯になっています。口腔内に露出した歯根面(象牙質)が虫歯になることはよくあることで、高齢化と共に歯科業界では、これに如何対処するか、というのが大問題なのです。はっきり言って、しょちなし(処置無し)、というのが歯医者の本音です。充填治療をしようにも、歯根周囲がぐるっと虫歯では、虫歯を削り取ると、リンゴのコシカス状態になってしまいます。。こんなのを充填しても、辺縁封鎖がうまくいくとは思えず、差し歯にしても、予後は不良だろうな。。と思います。なぜこういうことになるの?歯医者もこれも酸で溶けるのだよ、、と思っていると思いますが、pH3程度の希塩酸に歯を漬けこんで、1か月放置しても、こんなに溶けたりしません。エナメル質の臨界pHが5.5だよ、象牙質のそれは6.7だよ、象牙質の方がエナメル質より10倍以上酸に溶けやすいのだ、と言ってみても、それは脱灰レベルのお話で、目で見ても表面がちょっと白くなったねという程度、象牙質は目で見える変化はない、電子顕微鏡で覗いて見て初めて違いが判る、そういう次元のお話なのです。でも現実はそんなもんじゃない、象牙質がえぐれるように無くなっていて、エナメル質は溶けているようには見えない、エナメル質の裏側の象牙質が溶けた分だけ欠けたというふうに見えます。実は表題画像のようなひどい虫歯は実験室では全く再現できていません。「虫歯は細菌が出す酸で歯が溶けることなんだよ・・」という説が独り歩きしていますが、冷静になって考えてみれば、それは違うだろうな。。と思うはずです。 この図は「異種金属接触腐食」といわれる錆びやすい鉄と錆びにくいステンレスが接触していると錆びやすい鉄だけが腐食するという世の中の常識です。表題画像に似ていませんか?これを虫歯の「電気化学説」と呼びます。今度の休診日(木曜日)に世界初、虫歯の再現実験をしますので、乞うご期待!引用先:亜鉛による防食
2009/09/07
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虫歯の発生メカニズムは何の事はない、金属のさび、腐食と同じことなんだよ、とさんざんここでアップしてきたのに、どうも反応がない。虫歯がこんな簡単なことだったと知れたら困る向きもあるんではないか?と疑ってしまうくらいです。まだ見ていないという方はここの「虫歯予防一口メモ」をさかのぼって見ていただきたいのですが、昨日工務店をされている患者さんが来られて、虫歯っていうのは「どぶ漬け=亜鉛メッキ」の逆なんだよ、という説明をすると判り易いといわれたので、ネットで画像を探してみました。亜鉛メッキというのは、メッキされた側というか、本体の金属がさび難く、看板や外階段、フェンス、電柱、いろんなところに使われていますので、ご存知の方も多いと思います。原理は亜鉛が大概の金属よりも卑(ひ:イオン化傾向が大きい:さび易い)なので、本体より先に溶けて本体を守るというものです。ところが、本体の金属より貴(き:イオン化傾向が小さい:さび難い)な金属でメッキ(被覆)すると、ちょっとでも穴が開くとその部分からさびが内部(卑の部分)から進行してしまうのです。代表的なものとしては「赤さび」があります。歯の構造も卑な象牙質の周りに貴なエナメル質が取り巻いていますし、虫歯の治療の時は象牙質より貴と思われる歯科用合金で被せたりして修復しますので、ちょっとでも、穴が開いたり、すき間ができるとその部分から腐食が内部(より卑な部分)から進行してしまうのです。虫歯そのものズバリのアニメ画像がありました。画像をクリックすると始まります。携帯の方に対応していません、ごめんなさい。吉崎メッキ化工所というメッキ屋さんのサイトです。リンク張りましたので、ごらんください。亜鉛メッキは「犠牲アノード型被膜」と呼ばれています。これが亜鉛入りのアマルガム充填が長持ちする理由でしょう。2次ウ蝕にならない虫歯の修復材料とは歯質より卑な材料ということです。世界初、特許ネタですが、もう特許にはなりませんね。ここで発表しましたから。こういう人類の福祉に広く役に立つ特許ネタというものは、独占してはいけない種類のものです。「バリアー型被膜」の腐食(赤さび)と呼ばれるものが虫歯と同じものです。http://www.yoshizaki-mekki.co.jp/eigyou/aen/doufushokuanime.html いかがでしたか?虫歯と赤さびは同じものでしょ?虫歯対策はこれもズバリ、金属の防食と同じです。 中性~弱アルカリ性にすること=飲食後の重曹うがいです。参考文献:1、(社)日本溶融亜鉛鍍金協会ホームページ2、(株)吉崎メッキ化工所ホームページ3、口腔病理カラーアトラス 石川梧朗編 医歯薬出版
2009/07/09
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歯科というのは虫歯で失われた部分を補綴する技術とそれに伴う不都合をフォローする技術体系です。でもこれは根底から崩れてしまいました。それは虫歯の本当の原因が判り、その予防方法も判明したからです。つまり、虫歯を削って人工物で置き換えることは歯と人工物との接着が完全には出来ないが故に、遅かれ早かれすき間が出来、2次ウ蝕になる。そんなことより、虫歯は予防するほうがはるかに簡単だということです。飲食後に「重曹うがい」をするだけです。歯科業界は近い将来消滅します。で、歯科技工の技術は一点もののアクセサリー製作にでも応用しましょうかね。。
2009/06/25
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飲食後の重曹うがいは虫歯の予防だけではなく再石灰化による治癒促進にも有効なのは、ここの「虫歯予防一口メモ」に詳しく書いていますが、ダイアグノデント(レーザーで虫歯を計測する機械)で80から30まで改善、なんていうのは当たり前にできます。フッ素や歯磨き指導などの通常の方法では50を越えると下げるのは無理、、です。ダイアグノデントをお持ちの歯医者さんなら、挫折感を味わっておられると思います。僕も重曹うがいを導入するまでは、そうでした。虫歯だけではなく、重曹うがいをすると、口臭が改善する、とか朝起きた時の口の中のネバネバ感がなくなる、とか歯周病にも効くのではないか?と患者さんからよく言われます。ほんとかな、、?と思ってしばらくアパガードに重曹をふりかけて歯磨きしてみました。確かにその効果が実感できます。お試しあれ!医薬部外品。歯垢の除去、歯の表面のミクロの傷の充填、初期虫歯の再石灰化の効果により歯を修復し、健康で美しい歯に。研磨剤無配合。アパガード Mプラス 40g
2009/06/25
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この図は虫歯発生装置として発表したものですが、ここを見て下さっているエンジニア(理系)の皆さんに言わせると、この図は「電解研磨」の装置そのものに見えるようです。僕もそのつもりで描いていたのですが、文系(歯科関係者含む)の方にどう説明するか?が問題でした。酸とアルカリとか酸化と還元とかも解らんじゃ、説明不能です。ましてや電子やイオンが解らんじゃ、どうにもなりません。高卒レベルですので、勉強して下さい。。一応、e-(電子)を奪われた方を酸化された=還元した、奪った方を還元された=酸化した、というのが受験当時の僕的には解り易かったです。で、e-(電子)を奪われる=酸化される=腐食する=溶出する=虫歯になる、です。「ゆとり教育」とやらで、日本人は強制的におバカにされてしまい、国際競争力(生存能力)を殺がれてしまいました。これも湯田屋の陰謀なのですが、まんまとひっかってしまいました。今年から「ゆとり教育」も見直され、中3で「イオン」を教えても良いことになりましたが、10年間も教えていなかったのですね、、2次関数の解の公式もですよ!「イオン」が出てこないと、酸化と還元どころではなくて、酸とアルカリすら説明不能です。してやられました。。こんなことを教えないので、活性酸素やらフリーラジカル、抗酸化物質などの言葉が一人歩きし、詐欺まがい商法(湯田屋商法)がはびこるのです、お気を付け下さい。・・閑話休題Ca(カルシウム)などの金属が溶けるということは、e-(電子)を奪われ、Ca2+(金属イオン)となり、電解液中に溶出することです。Ca→Ca2++2e-・・1式図で伝導性ジェルとなっているところが、+極で電子を奪うところですが、実際の虫歯では、虫歯菌と呼ばれる微生物の集合体(バイオフィルム)です。このバイオフィルムの外側に比べるとバイオフィルムの内部、歯に張り付いている底面付近がもっとも酸素濃度が低いのですが、それは微生物とはいえ呼吸のため酸素を消費しているからです。これを生化学的に言うと、糖質を酸化してe-(電子)を奪い、ATP(アデノシン3リン酸:エネルギー源)を合成する過程で酸を産生する、となるのですが、この酸で歯が溶けるわけではありません。もちろん酸性の方が溶出は促進されます、というか酸性でないと溶出しません、電池が形成されないからです。この図では歯を電解質(水溶液)に浸けこんでありますが、この電解液は通常酸性です。ここが虫歯抑制のポイントです。1式の2e-を奪うのが、酸素濃度が高いところ、つまりバイオフィルムの外側で、O2+4H++4e-→4H2OO2+2H2O+4e-→4OH-という反応が起こり、歯からe-(電子)が奪われます。この電子はどこから奪われるかというと、酸素濃度の低いバイオフィルムの基底面付近の歯からです、で電子を奪われたところが溶けるわけです。このようにバイオフィルムの内外はそれぞれ+-電極を持った電池を形成します。・・と考えるとすでにありましたね、某S社が開発した糖質を微生物に分解させてその過程で発生した電子を利用する電池が、バイオ電池です。バイオ電池(バイオフィルム:虫歯菌)を使わない場合は外部に電池を用意すればよいのです、これが表題の図です。前回、虫歯を作るには必ずしも虫歯菌は必要ない、と言った意味です。というわけで、文系の方にもお分りいただけたか?と思いますが、電解液を酸性ではなく中性~弱アルカリ性にすると電池は形成されません=歯は溶けません。ではその弱アルカリ性にするとは?重曹うがいをすることです。で、何時するのか?バイオ電池が形成されている間、つまり微生物に糖質を与えて分解が終わるまでの間(30~60分間)に歯が溶けますので、重曹うがいは飲食後なるべく早くがよろしい。
2009/06/21
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歯科医学では虫歯菌にこだわっているので深い虫歯の人工的発生に成功していませんが、虫歯の電気化学説(仮称)によれば、必ずしも虫歯菌は必要ない、電気化学的な虫歯発生装置の原理図です。超簡単、虫歯を作りたいところに+電極をセットするだけです。虫歯を防ぎたいなら、電池を逆につなぐだけ。めんどうなので、実際には試していませんが、実験を依頼されるのなら、外部電源方式での防食の研究をされている、東工大の丹治研究室さんなんかが最適です(?)
2009/06/16
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舛添厚生労働大臣の某秘書官の方がここを見て下さっているというので、ちょっと一言。EBM(Evidence Based Medicine=科学的根拠にもとづく医療)と言われて久しいのですが、残念ながら歯科医療に関しては、全くこれは行われていません。というのは、信じ難いことでしょうが、歯科医学では虫歯の原因は未だ解明されておらず、歯科医療として保険給付が認められている虫歯の充填処置、歯冠修復処置は単なる対症療法に過ぎず、その科学的根拠はないからです。それどころか、病状を悪化させてしまう可能性が高いのです。一般には、虫歯の原因は虫歯菌が出す酸で歯が溶けるものとされていますが、これは実験してみるとウソだということが簡単にわかります。細菌が出すpH4程度の弱い酸では歯は溶けません。本当の虫歯の原因はここでは紙面の関係で詳しくは述べることはできませんので、当ブログの「虫歯予防一口メモ」をご参照くださるようお願いしたいのですが、簡単に言うと、「電蝕(異種金属接触腐食)」と言われる現象で、イオン化傾向の違う2種類の金属間で電子を奪われた方が腐食する(溶ける)というものです。さらに隙間や細菌の存在がこれを助長します。これらは酸素消費型の腐食(すき間腐食や微生物腐食)と言い、酸素の濃度勾配があると腐食が起こります、これも電蝕と同じ電気化学的な腐食の一種です。では、なぜ虫歯が金属の腐食と同じメカニズムかというと、歯は金属として取り扱えるからです。歯はCa(金属)を主成分としていますので、これは容易に予想できると思います。これも簡単な実験で確認できます。虫歯が金属の腐食と同じメカニズムなら、工業分野ではすでに確立している金属の防食の技術がそのまま使えるのです。しかし歯科医学にはこの考え方が欠如しているので、的外れな、それどころか虫歯を悪化させる処置を繰り返しているのが現状です。修復材料に金属を使うと歯の方が溶けます。金属ではなくても、接着ハガレは必ず起こりますので、隙間腐食は起こります。虫歯菌が虫歯の原因だと思われていますが、細菌の存在はその呼吸を通じて酸素を消費することで、腐食を助長するにすぎないということです。ではどうしたら虫歯を予防しその進行を防ぐことができるのか?答えは非常に簡単でした。金属には腐食しない非腐食域があり、それは弱アルカリ性領域なのです。これがEvidenceです。つまり飲食後に重曹水(弱アルカリ性)で洗口すれば良いのです。重曹はフッ素と違って毒性もなく、単価も安い、しかもしっかりしたEvidenceがある。当院では子供たち(成人も)の虫歯予防に重曹洗口を取り入れていますが、絶大な予防効果を上げています。本年3月までは、予防の費用を保険請求させていただいていましたが、予防は健康保険の疾病給付の原則に反するとかで、支払い側からクレームが付いたそうで、取り下げせざるを得ませんでした。実にもったいない、、EBMとしての予防はその費用対効果は非常に高い。例えば、年間の歯科医療費は2兆5000億円ですが、これを2000億円、つまり1/10以下にする可能性があります。どういうことかと言うと、5歳~19歳の人口は約2000万人、一人当たりの予防費用を2500円として3か月毎(年間4回)に歯科医院に通院し、EBMとしての予防指導・処置をすると、2500円×4回×2000万人=2000億円です。これで虫歯は一生涯できません、通常20歳を越えると新たな虫歯はできないので、虫歯予防は19歳までで良いのです。一度削る治療をすると、必ずやりかえが必要になりそのコストは高くつく。もし、全人口に年4回の歯周病予防を兼ねた指導・処置を子供と同じく行ったとしても、2500円×4回×12000万人=1兆2000億円です。歯科医療費は半減ですよ、しかもこれで生涯歯を失わない。もう1つの歯を失う原因=歯周病を予防するには定期的なクリーニングによる継続管理があればよいからです。いかがです?僕が厚生官僚なら見逃しませんよ、こんな美味しい話。。多大な医療費を投入することではなくて、正しい情報を広報するだけで、歯科疾患など激減する可能性があります。これは厚労省の仕事ではないかと思います。以上、
2009/06/15
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もうそろそろ、「ほんとうの虫歯の原因」シリーズもきりがないですので、まとめに入ります。詳しくは「虫歯一口メモ」の過去ログを参照してください。しばらくこのシリーズはお休みします。虫歯のほんとうの原因は金属腐食と同じ電気化学的な腐食で、細菌が出す酸に溶けるのではない。歯は電気化学的には金属として扱うことができるので、異種金属と接していれば歯の方が先に溶ける(異種金属接触腐食)、だから金属で修復することはできない。金属で修復するとしたら、金属が完全に電気的に絶縁されていなければならない、これは事実上不可能。歯が金属と接触していなくても、エナメル質と象牙質との間でも両者の自然電位(イオン化傾向)は異なるので、自然電位が低い方の象牙質が溶ける。歯周病で象牙質が露出するだけで象牙質は溶ける。虫歯がエナメル質に達すると、象牙質の虫歯が急速に進行するのは、象牙質とエナメル質の自然電位(イオン化傾向)に違いがあるからだ。細菌がいなくても隙間さえあれば歯は溶ける(すき間腐食)、 細菌がいれば腐食が加速する(微生物腐食)、 ・・・歯科医学というものが根本から崩壊してしまいました。虫歯は削ってうめればよいという発想は誤り。充填修復材に金属を使わず、レジンやセラミックを使っても結果は同じ。歯と充填物の間に永久にすき間が生じない保証はどこにもない、セメントや接着剤のハガレや溶出はかならず起こり、ただ時間の問題なだけだからだ。接着剤を必要としない修復方法には、アマルガム充填と金箔充填があるが、歯に直接接するので、歯との間に自然電位(イオン化傾向)の違いがあるとだめだ。アマルガムには亜鉛が添加してあるので、防食効果が期待できるが、現在アマルガムは入手不能。亜鉛をわざわざ添加していないアマルガムもあるそうだが、防食という観点からは無意味だ。金箔充填の臨床経験はないが、対エナメル質では、異種金属接触腐食の原理で、エナメル質が溶けることが予想される。ただエナメル質は再石灰化により修復するので、問題はないのかもしれない。対象牙質では象牙質を腐食させるだろう。どちらが先に腐食するのか?という問題の確認は、それぞれの自然電位を測定すればよいので簡単なのだが、面倒なのでしたくない。どなたかやってみて教えてください。というわけで表題画像です。よく見かける金属冠の周りの象牙質が虫歯になりやすいという症例です。隣の歯は金属冠で修復していないので、虫歯になっていません。金属冠は口腔内では安定(溶出しにくい:自然電位が象牙質より高い)なので、接触している象牙質だけが腐食する、典型的な異種金属接触腐食と考えられる。 この症例は以前に虫歯でアマルガム(左側の○内)で充填しています。アマルガムに接触しているところは新たな虫歯にはなっていません。虫歯を削ってみました、アマルガムから遠いところほど虫歯がひどくなっています。 虫歯を取り除いたところです、アマルガムには主成分の銀の酸化防止(腐食防止)のため亜鉛が添加してあり、亜鉛の自然電位は低いので、亜鉛が象牙質の代わりに溶けてくれているものと思われます。鉄製品を亜鉛メッキ(ドブ漬け)すると腐食しにくいことはよく知られていますね。歯が溶けるのは酸(H+)だけで溶けるのではありません。酸で溶けるのなら、象牙質もエナメル質も金属冠に接していてもいなくても、分け隔てなく溶けるはずです。実際に歯を強い酸で溶かすとエナメル質が先に溶けてしまい、象牙質は溶けにくく有機質の骨組みが残ります、セメント質は溶けません、と藤田の「歯の解剖学」という有名な教科書にそんなことが書いてあった?ような気がします。従来の歯科医学では虫歯の原因はミューラー?の化学細菌説?とかよばれ、歯の無機質は細菌の出す酸で溶け、象牙質の有機質は細菌の出す酵素?などで溶けるとか説明されています。詳細は忘れましたので、気になる方はお調べ下さい。こういうことが歯学部では100年以上も学生に教えられ続けているようですが、虫歯という現象の全てを説明できません。例えば、実際にはエナメル質の虫歯は進行し難く、先に象牙質だけが溶けます。これは酸で溶けるのではない、ということを示唆しています。 電気化学説なら説明できます。虫歯の原因は先に述べた、自然電位(イオン化傾向)の違いにより、電子を奪われた方が溶ける異種金属接触腐食によるものか、下図の右側で、酸素を必要とする電気化学反応で、酸素が多いところが少ないところから電子を奪い水が生じる過程で、電子を奪われたところが溶ける酸素消費型の腐食かのどちらかです。 酸素消費型の腐食はすき間腐食や微生物腐食の腐食メカニズムで、酸素が少ないところ、つまりすき間の奥の方や、細菌の付着部で細菌の呼吸により酸素濃度が低いところから、しかも自然電位が低い方(象牙質)が選択的に腐食します。電気化学的な防食の基本は、電位を下げる:外部から電子を供給する方法(外部電池でもよい)、亜鉛を使うのはその方法の1つ(下図では下方向)。2つ目は、口腔環境を弱アルカリ性領域にもっていく方法(下図では右方向)、これが重曹洗口です。歯にも腐食を免れるpH領域があると思われる。3つ目は不動態域(下図では上方向)にもっていく方法、歯に不動態膜を作ることができるかどうかは不明、酸化膜や窒化膜などのことですが、今後の研究待ちです。 また重曹は虫歯菌の解糖酵素の至適pHであるpH5付近から口腔内環境をアルカリ方向にずらして虫歯菌の解糖系(呼吸)の働きを抑制して酸素消費を抑える効果も期待できる。酸素が少なくなっているところが腐食するので、細菌の活動を抑制することは酸素の消費を抑え腐食の進行を遅らせる。結局虫歯を予防するには、1、1次予防に努める(削ったら負け)、口腔内に露出しているのがエナメル質だけなら同電位なので腐食は起こらない。象牙質が露出しないように歯周病の予防も必要。2、もし充填治療が必要なときは亜鉛入りのアマルガムや金箔充填などセメントを必要としない(すき間が出来にくい)充填方法を選択し、2次予防に努める。3、セメントで合着するときはいずれすき間が生じることを前提として、亜鉛入りの防食効果が期待できるセメント(リン酸亜鉛、カルボキシレートなど)を使い定期管理を怠らない。なんだかこれは、、一昔前の治療法が良かったってことですね。。このシリーズで述べていることは一般の歯科医学では全く研究されていません。歯科という分野がどれほど特殊な分野か、専門バカというよりは洗脳に近いものを感じます。まずは「削って埋める事」ありき、、ということでしょう、それ以外は思い付きもしないということです。10年程予防をやってみて判ったのですが、とりあえずは「削って埋める事」を止めてみること、虫歯は定期管理していくと決める、飲食後の重曹洗口は虫歯の進行を驚くほど抑制するので、それほど心配することはありません。定期管理とは口腔内写真を始めデータを蓄積して患者と共有することです、画像やデータを見ながらいっしょにお話をすることです、思わぬ問題点の発見があったりします。科学的な裏づけもなく、歯磨指導やフッ素塗布などしても無意味です。健保適用が認められないなら自費でよいではないですか、大して手間がかかるわけではないので費用も抑えられます。結局、この症例はアマルガムが入手できないので、仕方なくCR充填しました、一時の気休め程度ですが。 参考文献:1、金属の腐食と摩擦磨耗2、亜鉛による防食3、丹治研究室 Tanji Laboratory ホームページ東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 生物機能工学講座 生物化学工学分野 4、歯の解剖学第22版 桐野忠5、口腔病理カラーアトラス 石川梧朗編 医歯薬出版
2009/06/11
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経験的には、フッ素をいくら塗布しようが、フッ素でうがいをしようが、虫歯予防に効果的だとか、ましてやフッ素が虫歯の進行を抑えるとか、そういう実感は全く得られませんし、ダイアグノデントでの計測でも全くその効果があるというような結果は出ません。それどころか、歯質は弱くなり白斑(脱灰)が出来たり、虫歯様に溶けたりするのは見ます。これを歯牙フッ素症とか、斑状歯とか呼ばれているのは、歯医者じゃなくても知っています。表題画像がそれで、フッ素が虫歯予防に効くと信じた歯科衛生士のお母さんが自分の子供の歯に高濃度フッ素を塗布し続けた結果です。黒丸のところがエナメル質が溶けています。フッ素で歯の腐食が促進されるかもしれない、なんてことは、常識的に考えれば判りそうなものです。塩素(塩水)と同じハロゲン族で、マイナスイオンですから、金属イオン(プラスイオン)を引っ張ります(金属表面から引き剥がします)。一方フッ素が毒物だということは古くから知られており、特有の障害がでることが報告されています。カドミウムによるイタイイタイ病によく似た症状で、骨や歯にフッ素が取り込まれやすく、もろくなり、容易に骨折したり、骨が曲がって歩けなくなる。このサイトに詳しいのだが、http://members.jcom.home.ne.jp/tomura/murakami/index.htm初めて公害として問題になったのは戦前のアメリカにおいてでした。アルミニウムの製造工場の周囲の牧場の牛が歩けなくなり、地面を転げまわって草を食べている、歯も弱くなり、磨り減って神経が露出すると草が食べられなくなり餓死する、その原因物質がアルミニウム製造過程で出るフッ素だった。このフッ素をどう処理しようか、、とその企業は持て余していたところ、折りよくフッ素は虫歯予防に効くのではないかという論文が出た、後にそれは誤りだったことが判ったのだが、そんなことは無視して、自前の研究機関にお金を出し、フッ素が虫歯に効くという論旨に好都合な研究をさせた、そして厄介物のフッ素を歯磨剤に添加して、メーカーは大もうけした。今でもこれらの企業はフッ素で大もうけしています、○&●とか、なんとか。。これらの企業はユ○ヤ企業です。これでフッ素のからくりが読めましたね、なんのことはない「ユ○ヤ商法」です。ユ○ヤの聖典には異教徒はゴイム(豚)である、騙そうが、殺そうが差し支えない、そういうことが書いてあるそうです。やっぱりそういうことでした。70年もフッ素は虫歯予防に効果的とだまされていたわけです、同じような余った物資をだまして売りつける手口は他にもあります、母乳より人工乳の方が子供の成長によいとか、米食よりパン食の方が良いとか。。降って湧いたような、学校でのフッ素洗口事業、これは郵政民営化問題(かんぽの宿売却問題)と同じ外資(ユダヤ資本)の陰謀だと考えれば時期が時期だけに良く分ります。フッ素なんてもんは、まゆ毛に唾でも付けて生暖かい眼で見ているくらいでちょうどよいです。。まあ、はっきり言って、「フッ素は毒」です。フッ素で子供のIQは低くなるという話もあります、これ以上バカになっても困るので、うちの子供たちは学校でのフッ素洗口はお断りしています(^^ゞフッ素は異常に不味いらしい、、その点、「重曹洗口」は全く無害で、虫歯予防だけじゃない、虫歯の進行抑制にも確実な効果があります。500mlのペットボトルに重曹をティースプーン1杯水で溶かし、飲食後にグチュグチュうがいするだけ。残りは冷蔵庫保存可能。重曹がどうして虫歯に効くのかは、このサイトの「虫歯予防一口メモ」の過去記事をご覧下さい。診療室でもフッ素はできる限り排除予定。歯磨剤もフッ素無配合のこれを推奨、お子様の歯にもアパガードサンギアパガードキッズ ラムネ味 60g 【薬用】
2009/06/11
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通常成人になると隣接面(歯と歯の間)の虫歯は少なくなります。それはエナメル質の結晶構造がきれいになり、腐食し難くなるからです。でも、たまに表題のようなひどい虫歯になって、「いたいよ~、、」といって飛び込んでくる方がいます。この方は小学生のころから15年ものお付き合いで、この子の歯に関してはよく把握しているので原因がよく判るのですが、外傷性咬合による虫歯です。外傷性咬合とはなにか?歯ぎしり、くいしばり、硬い食べ物が大好き、いつもガムを噛んでいるなど、過度の咬合力が働いていることをいいます。普通は歯周病の増悪因子としてよく言われるのですが、歯周病だけではありません。その方の弱い部分に障害がでます。歯周組織はもちろん、顎関節、咬筋群、歯そのものにも障害が現れます。この子の場合は、3年前、隣接面ウ蝕が出来て、カリエスリスクも低いのになんで?と思いながら、充填処置をしました。 で3年後、もう痛くて痛くて、、、でも、職場では「歯医者に行くなんて、10年早い!」とか言われて、、来れなかった、、、と泣いていました。要するにストレスの多い職場なんでしょう、、よく分かりませんが。いろいろ話を聞いてみると、日常的に歯ぎしりをしていると言われたことがあるとか、夜中にうなされて眼が醒めると、くいしばっていたとか、朝起きた直後は顎がだるいとか、歯が浮いているとか、そういう自覚症状はあったようです。今回は神経は取らずに3MIX併用によるCR充填処置で痛みはおさまりましたが、神経が死んでしまうのは時間の問題でしょう、 そういわれて、3年前の画像を見ると、4番の咬頭にクラック(ヒビ)が入っているようにも見えます(黒丸部分)。クラックからすき間腐食が起こるのです。6番の隣接面の画像では、クラックの周りが脱灰しているのが判ります。 歯に強い咬合力がかかると、歯もわずかにゴムマリのようにたわみますので、隣接面どうしが圧迫し合って、クラックが入ります、そこからすき間腐食が始まるのです。これが成人の隣接面ウ蝕の発症の原因と私は考えています。この子には、歯ぎしり、くいしばり防止のナイトガードを作りました。でも、根本的な原因が取り除かれない限り、この子の歯は崩壊していくでしょう。。このような知見は長期的な予防管理を前提としていないと得られません、その場限りの対症療法を繰り返していても何も解りません。もうそろそろ、一緒に本来の歯科疾患の取り扱い方について考え始めませんか?>歯科医の皆様120年も全く変わらず、的外れなことを繰り返して来たのが、この業界の実体ではないでしょうか?
2009/06/11
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虫歯は金属腐食の一種だよ、という観点で見れば実際の虫歯がどうしてできるのか良く理解できます。今日は歯根面う蝕とよばれ、歯周病にかかった人によく見られる虫歯の画像です。口腔内に露出した象牙質(歯根)が、リンゴをかじったみたいにグルっと虫歯になりますので厄介です。充填処置も難しい、というか出来ない。。中高年の虫歯の多くはこれで、子供の虫歯が減っても全年齢の虫歯が減らないわけは、高齢になるほど、この歯根面う蝕が増えるからです。若い人の虫歯は歯医者が削らなければ増えません!?通常この場合、象牙質だけがやられエナメル質は大丈夫です。このことから、これは異種金属接触腐食ではないか、というお話はしました。 接触している2つの金属のうち自然電位の低い方が溶解します。歯の場合、象牙質の方が溶けると言うことです。また、象牙質が虫歯になりやすい原因としてはすき間腐食が考えられます。 これらの腐食の原因は象牙質の構造にあります。この図は象牙質の表面の顕微鏡像ですが、無数の穴が開いています。かろうじて細菌が入れる程のせいぜい2~3μm位の小さな穴なのですが、歯髄(神経)まで管状に続いていて、ものすごく深い穴というかすき間になっているのです。これを象牙細管とよんでいますが、イオンレベルで象牙質を見ると、その表面積は非常に大きい、それだけ溶出しやすい構造をしてるということです。この穴の中は酸素が少なく外は酸素が多い、酸素の濃度の差ができると通気差電池が形成され、腐食する。酸素が少ない方が溶けるのですが、その化学的な理由は、下図の右側を参照してください。酸素が反応する過程で電子を奪い、対極の金属が溶出する。酸だけで溶けるのは左側の図。 もちろん細菌が歯根面に張り付いていれば、細菌が呼吸の過程(解糖系)で酸素を消費するので、酸素濃度勾配はさらに大きくなり、腐食を助長する。これを微生物腐食と言います。こう考えると歯根面う蝕予防の方策も思いつきますね、それは象牙細管を埋めればよい!マイクロ・ハイドロキシアパタイトは歯の成分と同じもので、再石灰化の原材料となり、虫歯予防に効果があるとされていますが、高濃度のマイクロ・ハイドロキシアパタイトは象牙細管を埋める効果もあることが確認されています。マイクロ・ハイドロキシアパタイトの歯磨剤、効くかも。。特許成分、薬用ハイドロキシアパタイト(mHAP)で、虫歯予防。低発泡。研磨剤もフッ素も無配合。医薬部外品。アパガード キッズ ラムネ味 60gです。参考文献:1、金属の腐食と摩擦磨耗2、亜鉛による防食3、口腔病理カラーアトラス 石川梧朗編 医歯薬出版4、丹治研究室 Tanji Laboratory ホームページ東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 生物機能工学講座 生物化学工学分野
2009/06/04
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虫歯は金属腐食の一種だよ、というお話をしてきましたので、虫歯の具体例をいくつか見てみようと思います。表題画像はC3と呼ばれる神経に虫歯が達して痛みが出ている状態です。今ではこのような状況でも神経を取らないで済むようになっていますが、実験室レベルではこのような深い虫歯を発生させることはできていません。このタイプの虫歯はよく見かける症例で、意外に思われるかもしれませんが、歯科医学ではこのような深い虫歯ができるメカニズムは解明されていないのです。なぜかというと、不思議なことに歯科医学では100年以上も、虫歯は酸蝕症(細菌が出す酸で溶ける)だと言われつづけられており、歯医者も単純にそう思い込んでいるからです。細菌が出す程度のpH4程度の弱い酸ではこのような虫歯はできません。実験的(人工口腔装置等による)には、せいぜいホワイト・スポットと称されるエナメル質表層の脱灰、溶出が再現できる程度です。この程度の初期の虫歯でさえ、pH4程度の弱い酸に漬け込んだくらいでは出来ません。しかし、歯科では理由は解らないが細菌がいないと虫歯はできないようだとは思われていて、虫歯ができる条件は歯、虫歯菌、糖質(虫歯菌のえさ)の3つがそろわないといけないとされています。そこで、歯の表面に虫歯菌の代表と言われているミュータンス菌を培養して、虫歯を作る実験をしています、ご苦労なことです。 ミュータンス菌に砂糖を与えると、不溶性グルカンという粘着性の物質を作り、ミュータンス菌は強固なバイオフィルムを形成します。 そのバイオフィルムの下は脱灰され、電子顕微鏡でやっと見える程度のくぼみが出来ます。これを肉眼で見るとホワイト・スポットと呼ばれる初期の虫歯に見えます。 でも、ここまでです。歯医者はバイオフィルム下のpHを測るとpHが下がっている(酸が発生している)ことだけを見て、この脱灰現象を歯が細菌が出す酸に溶けた結果だと単純に思い込んでいますが、ここには、全く電気化学的な視点が欠けているのです。この程度の初期の虫歯でさえ、pH4の虫歯菌が出す弱い酸では作ることはできません。一般には金属は酸に溶け、金属が酸に溶けることも金属腐食の1つではあります。ただ、金属腐食はこれだけではありません。金属腐食の基本は、酸化・還元作用、つまり電子のやり取りの結果、金属が溶出することです。つまり電気化学的な現象の1つなのです。 簡単な実験をすると、歯も金属として取り扱うことができることが確認できますので、虫歯も金属腐食の一種とみなせます。本当のホワイト・スポットの発生メカニズムは、バイオフィルムの内外で酸素の濃淡が生じ、通気差腐食が起こることです。これを工業分野では微生物腐食と呼んでいます。 微視的には局部電池が形成され、電子のやり取りが行われておりその結果が腐食、歯科で言うところの脱灰なのです。アノードになったところが溶けます。局部電池間に流れる電流をガルバニック電流と呼ぶことは歯医者は知っています、歯学部で習いますから。ただ、異種金属間(種類の違う銀歯や金歯の間)に流れるものと思っているだけで、歯と金属間や、歯と他の体の部分との間、歯の表面の局部間などでも流れているとは思っていないようです。局部的にかつ持続的にガルバニック電流が流れるからこそ、特定の部分に深い虫歯ができるわけです。うちではこの2年程、太陽電池で発電した電気をバッテリーに溜めて使う生活をしているのですが、電池(バッテリー)というものは、数百アンペアという人間など瞬時に黒こげにしてしまう程の大電流を数時間にも渡って発生させる能力があり、実際に使ってみると初めてその電気化学反応のものすごさを実感できます。プリウスを電動モードで走らせても分かりますね、あんな重たいものを動かすのですから。電池という化学反応により電流が流れる現象は、その取り扱うエネルギーの大きさは意外に大きいものであり、これくらいのエネルギーがないと虫歯という目に見えるほどの大きな歯の腐食は起こりようがないのです。こう考えないと、虫歯のメカニズムは永久に解明されないし、深い虫歯の原因を見つけることもできないはずです。歯科医学では試験管レベルで深い虫歯の発生を実現できていませんが、視点を変えればそれはできそうだ、と判りますよね?一般のエンジニアの皆さんなら思いつくはずです(^-^)v僕も思いつきましたよ。。参考文献1、丹治研究室 Tanji Laboratory ホームページ東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 生物機能工学講座 生物化学工学分野 2、電顕写真は日本歯科医師会会報より抜粋3、亜鉛による防食
2009/05/27
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虫歯とは金属腐食と同じで電気化学的な腐食なんだよというお話や微生物はその腐食を促進するので、微生物腐食という名前が付けられて研究されていることは、前項までの「酸で歯がとける?シリーズ」でご紹介しました。その虫歯対策としての電気防食の概念として、判りやすい図がありましたので、ご紹介しておきます。表題画像です。 電気防食の原理は、図9の電位-pH図で説明される.自然腐食状態にある金属の電位をC方向に下降させて不感域に移行させるのが陰極防食であり、A方向に上昇させて不動態域に移行させるのが陽極防食である.また、P方向のようにpHによっても不動態域に移行できる.電気防食は水中や土中の装置や施設に広く採用されている.装置や施設の防食状態は、電位を測定することで容易にでき、その信頼性も高い.さらに、腐食抑制剤の添加など、他の防食方法を併用すると、防食効果は一層向上する.このように、電気防食では、金属の電位を電流により変化させて金属の腐食を防止する.この方法は、防食電流の供給の仕方で、流電陽極法と外部電源法に区分される.その防食模型を図10に示す.流電陽極法では、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムなどの低電位金属を陽極とし、両者の電位差を利用して防食電流を発生させる.外部電源法では、不溶性電極(例えばPtめっきしたTi、炭素電極など)を陽極として、適当な低圧直流電源を用いて防食対象物を保護する.・・ということで、P方向つまり、pHを弱アルカリ性方向に移行させるのが、「重曹洗口」の役割かと。。歯医者さん向け>C方向に移行させる修復材料としては「マグネシウム、亜鉛、アルミニウム」などの低電位金属が含まれた材料を使うのが吉です。具体的には、アマルガム(お手持ちなら)を奥歯に上下左右詰める(わざわざ掘らんでもいいけど)、インレー、クラウンはリン酸亜鉛かカルボでセット。でも酸化アルミ含有製品はだめでしょうね、電気の不導体ですから。A方向は特殊で通常はしない、そうです。引用文献:金属材料の腐食とその防止Introduction to corrosion and corrosion control佐藤 幸弘Yukihiro Sato大阪府立産業技術総合研究所研究報告,No.10,p.36(1997.7)より
2009/05/22
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マイナスイオン歯ブラシ【訳あり】フクバデンタルイオン21★白★(ブラシ付き本体)虫歯の電気化学的な予防法ってナニ?と考えてみたのですが、歯から電子が抜けて歯がイオンとなって溶出するというなら、その電子を無理やり外から供給してやれば良い。・・という方法はもうすでにあります。電気防食法があり,大きくカソード防食法とアノード防食法に分けられます。カソード防食法は,防食対象の金属に対してその金属よりもイオン化傾向の大きい(イオンになりやすい)金属を電気的に接続し,防食対象の金属の溶出を保護する流電陽極法と,防食対象の金属に対して別の金属を対極として用意し,防食対象の金属が陰極になるように外部電源を接続する外部電源法があります。フクバデンタルのイオン歯ブラシは内部にボタン電池が入っており、握り手側がマイナス、歯ブラシ側がプラスになっており、歯に電子を供給する。この商品が外部電源法を意図しているかどうかは知りませんが、うちにも置いてあります。また、流電陽極法に良く使われるのは亜鉛で、自然電位が小さく(イオン化傾向が大きい)、周りの金属の替わりに溶けて、周りの金属を保護するものです。 下図は鋼鈑に貼り付けた亜鉛プレートの周りの赤錆の様子です。亜鉛プレートの周りは錆びて(腐食して)いません。 亜鉛といえば、歯科用充填材料で一番最初に思い出すのは、アマルガムです。 アマルガムは亜鉛と水銀の合金で、経験的に充填後に虫歯が再発し難いのは確かです。残念ながら、水銀が入っているので、体に悪いのでは?という憶測?で、今は入手不可能です。非常に残念!水銀には毒性があるから細菌が繁殖できない?だから虫歯ができない?、とか言われていますが、そのメカニズムは歯科学ではよく解っていません、一度固まって合金になれば、問題になるほど水銀が溶出するとは思えませんので、たぶん流電陽極法による防食作用があるのでしょう。もしかしたら、最強の充填材料だったのかもしれません。昔はアマルガムは貧乏人の治療、金持ちは金箔充填、といわれていました。純金を虫歯に充填する方法があるのですが、僕は学校の実習で一度やったことがあるだけです。純金の展性(使っていると純金は延びるので自働的に隙間が埋まる)により隙間ができませんので、隙間腐食が起こらないのでしょう。アマルガムは硬化時に膨張するので、隙間ができにくいと言うこともあります。アマルガムも金箔充填も過去の治療法になってしまいましたが、いずれも接着剤が要らない、というところが隙間腐食を起こさない点で共通しています。復活させたほうが良いと思います。接着剤と言えば、亜鉛が入ったものに、リン酸亜鉛セメントとカルボキシレートセメントなどがありますが、いずれもなぜか虫歯になり難いセメントと歯医者なら誰でも感じていると思います。操作性が悪いとか接着力がいま一つとかいう理由で最近はあまり使われませんが、防食性という点で見直されてもよいのではないかと思います。いつかは接着ハガレが起こり、隙間腐食が始まる接着剤を使う現代風の充填、修復処置がどれくらいもつか?皆さん気になるところでしょうが、経験的には最大30年くらいのような気がします。もちろん条件が良い場合です。条件が悪い場合は1~2年もたないこともあります。せいぜい5~10年でしょう。充填物がよくもっている人で唾液検査などカリエス・リスク検査をしてみると、やはり虫歯に関してはローリスクの方ばかりで、これは虫歯になるほうがおかしいよね、、虫歯を修復処置しないで放置していても、大して変わらないんじゃない?とか思われる場合も多く、修復物の出来が良いからもっている、という言い方では手前味噌過ぎるように感じます。修復物の出来が悪くても虫歯が再発していないことは多いのです。まあ、いずれにしても、一度削る歯科治療をしてしまったら、後は知らない間に隙間腐食なんかが起こっていることを心配しなくてはならないので、予防が一番です。予防は確実にできますから。そろそろ、従来型の歯科医療は卒業するべき時期に来ていることを痛感します。これからは「メインテナンス歯科」です。おわり参考文献:1、亜鉛による防食2、丹治研究室 Tanji Laboratory ホームページ
2009/05/21
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虫歯の原因は虫歯菌が出す酸で歯が溶けることなんだよ。。と歯医者も含めて皆さん思ってらっしゃるようですが、違います。虫歯は金属腐食と同じで、歯から電子が奪われ、イオンとなって溶出する電気化学的な現象です。そう考えないと理解できないことが多過ぎるのです。もし虫歯が金属腐食と同じなら、今までの歯科医療の常識はひっくり返ります。虫歯の原因も解らずに、対症療法をくりかえしても虚しいではないですか。。そう考えながら、金属腐食の画像を探していると、あります。これ、虫歯じゃない?としか見えないものが、ぞろぞろ。。先ずはこれ、配管の溶接部分のMIC(Microbiologically Influenced Corrosion:微生物腐食)、上が配管の内部、下が外側、溶接部はちょっと白っぽい三角の部分。溶接部と本体の接合部から腐食が進行し、接合部にそって腐食が進行するが、腐食するのは溶接部だけで、本体はやられない。溶接部分は本体とは金属の組成が異なり、本体よりは物性が劣る、電気化学的には電解液中の自然電位がより低い。この部分が、本体との接合部にそって腐食する。下図右側が、虫歯の縦断切片標本、 咬合面にある溝から腐食(虫歯)が進行し、表層のエナメル質が腐食し、腐食が象牙質に達すると、物性の劣る(電気化学的に自然電位が低い)象牙質だけが、エナメル質と象牙質の接合部(デント・エナメル・ジャンクション:DEJ)にそって腐食する。よく似ていると思いませんか?次はこれ、萌(は)えたばかりの歯牙の縦断切片標本、咬合面には深い溝や穴というか隙間があります。これは発生途中の歯の形成過程で生じるもので、誰にでもあります、でも萌出後しばらくすると再石灰化と同じ現象で埋まります。その埋まるまでの間に虫歯になるのですが、以下の隙間腐食の図を見ると、いかにも萌出直後の歯の溝は虫歯になり易そうに見えます。 隙間腐食は隙間の外部と内部では酸素濃度勾配があり、それによる濃淡電池の形成による腐食です。これに細菌が付着すると、細菌の呼吸によりさらに酸素の濃度勾配が大きくなるので腐食は加速します。これは歯根面う蝕、歯周病で本来歯肉縁下に埋もれているはずのDEJが電解液中(口腔内)に露出してしまったために起こる虫歯。 異種金属接触腐食に似ています。異種金属接触腐食は自然電位の低い方が電子を奪われ腐食することですが、 歯もエナメル質と象牙質という異種金属が接触する構造をしています。こう考えると、従来からの考え方、脱灰<再石灰化の状態をキープする、というのは正しいのですが、人工の修復材料で歯冠修復しても隙間が生じないという保証は全くありませんので、再石灰化により自己修復能力のあるエナメル質を削り、人工材料で修復するなど愚かさの極みです。歯科用の金属が安定ということは歯の方が溶けているということ、金属が錆びるということは歯はもっと錆びているかも、ということ、金属は錆びるのでセラミックにするべき?、でも隙間は生じます。修復物は接着剤で歯に接着していますが、接着ハガレは遅かれ早かれ必ず起こるのです。そんなことよりも虫歯予防は非常に簡単なので、予防に徹するべきなのです。虫歯の予防は萌出後のエナメル質の結晶構造が安定化するまでの1~2年間だけに集中すれば、その後は虫歯になりませんので、楽です。シーラントなどエナメル質の再結晶化を遅らせるだけですので、愚の骨頂です。具体的な虫歯予防の方法はここの「虫歯予防一口メモ」や「バイオフィルム」を読んでください。キーワードは「重曹洗口」です。つづく。参考文献:1、金属の相性で腐食 異種金属接触腐食2、金属の腐食と摩擦磨耗3、亜鉛による防食4、腐食事例集5、口腔病理カラーアトラス 石川梧朗編 医歯薬出版
2009/05/20
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いつもコメントいただいている「か~ばた」さんのリクエストに応じて、歯と歯科用合金(金パラ)で電池ができるか?歯と金パラ(保険で普通に使われているもの)にそれぞれ電線を埋め込み、電解液(pH3の塩酸)に漬けてみました。電圧が発生すれば、歯は金属として扱えるということです。で、結果は0.06Vの電圧を発生しました。 歯がマイナス、歯科用合金をプラスにすると0.5Vレンジで+0.06Vの起電力を発生する。実験結果からは歯は金属として扱え、そのイオン化傾向は歯科用合金(金パラ)より大きい(溶けやすい)、思ったとおり、歯は電気的に腐食します。歯を金属で修復すると、歯は金属よりも先に腐食する(虫歯になる)、経験的にも裏付けられますよね。では、プラスティックやセラミックならよいの?・・・残念ながら甘いです、微生物腐食は避けられません。
2009/05/07
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表題画像は虫歯の穴(ウ窩)の中にいる細菌の顕微鏡画像です。動画で見ると、かなり激しく振動しているように動いています。ウ窩にはこの細菌がぎっしり詰まっているのをよく見かけます。歯は酸では簡単に溶けるものではないというお話は前回しました。では、虫歯発生のメカニズムは何なんだ?と思われるでしょうが、それは工業分野ではよく知られた「微生物腐食」と呼ばれるものなのです。これは「通気差腐食」と呼ばれる現象で説明され、バイオフィルムの表層部では溶存酸素濃度が高く、深層部では低いことが原因となっています。 細菌は糖質と酸素から最終的には水とCO2とATPを合成する過程で酸素を消費します。これは内呼吸の中の解糖系と呼ばれ、この過程の途中で乳酸などの有機酸が生成されます。グルコース (C6H12O6) + 6 O2 + 38 ADP + 38 Pi → 6 CO2 + 6 H2O + 38 ATP 要するにバイオフィルムの深部は酸素が消費され酸素濃度が低くなり、バイオフィルム内外に酸素濃度勾配ができ、この酸素濃度差があると金属が腐食するのです。「通気差腐食」は金属から電子が抜けて金属イオンとなり溶出する現象の1種であり、電池と同じメカニズムです。分類に従うと「腐食電池」の中の「濃淡電池」の中の「通気差電池」となります。歯もカルシウム(金属)を主成分としていますので、このメカニズムによって腐食します。確かに糖質摂取後数分でバイオフィルム中のpHは低下しますが、このpH4程度の酸では歯は溶けません。このpH低下は細菌の解糖酵素により糖質が分解された結果起こるのですが、この酸が直接歯を溶かすわけではないのです。解糖の結果、バイオフィルムの内外で酸素濃度勾配が生じ、「通気差腐食」が生じるのです。pH低下は酸素を消費して糖質を解糖した結果にしか過ぎません。もちろん、pH低下は水素イオン等の電導性物質を生じるわけですから、電池としての機能は強化されるので、さらに腐食を促進させます。pH低下は解糖の副産物で直接歯を溶解させるものではないのですが、pHが低下している虫歯の穴(ウ窩)には酸性に強い細菌(耐酸性菌)しか残れませんので、結果的にウ窩にいる細菌が虫歯菌と呼ばれているのです。この辺りも原因と結果を取り違えているように思います。では、なぜ重曹(アルカリ>pH7)でうがいをすると虫歯の進行が止まるのでしょうか?1)虫歯菌が持っている解糖酵素の至適pH(最も効率のよいpH)は5付近にあるので、アルカリ>pH7以上で中和(pH7)するとその効率が落ちる。つまり酸素の消費量が低下するので、結果として「通気差腐食」が起こりにくくなる。2)水素イオン、金属イオン等の電導性物質が減るので電池が形成され難くなる。3)唾液中のリン酸イオン、カルシウムイオンはpHが高いほうが溶けにくいので、過飽和になり析出し易い=再石灰化し易い。ということで、糖質の飲食後は「重曹うがい」をしましょう!次回は虫歯は「金属の腐食」だという観点から、その対策を考えてみましょう。つづく。。参考文献:1)丹治研究室 Tanji Laboratory ホームページ東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻 生物機能工学講座 生物化学工学分野 2)金属材料の腐食とその防止Introduction to corrosion and corrosion control佐藤 幸弘Yukihiro Sato大阪府立産業技術総合研究所研究報告,No.10,p.36(1997.7)より
2009/04/26
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ちまたではよく「細菌が出す酸で歯が溶けるのが虫歯」だよ。。と歯医者ですら言っていますが、ほんとうにやってみたことあるの?と思ってしまいます。結論から言うと、歯は細菌が出す程度の弱酸(pH3~4)では溶けません。1ヶ月でも2ヶ月でも抜歯歯牙を弱酸に漬け込んで放置しても溶けたりしません。「細菌が出す酸で歯が溶けるのが虫歯」というのはウソです。では、バイキンがいないから溶けないのかな?と思ってその弱酸と歯牙が入ったビンに唾(ムシバ菌入り)を入れて放置しても、溶けません。腐敗して臭くなりますが。では、どの程度のpHの酸なら溶けるのかな、、?と思って、工業用塩酸(35%塩化水素水)を買ってみました。ボトルの蓋を開けるのも、おそるおそる、、湯気?が立っています(HClは揮発性)、手に着いたら大火傷します。この工業用塩酸のpHは0です。10倍に薄めるとpH1、100倍に薄めるとpH2、1000倍に薄めてpH3、10000倍に薄めてpH4、ムシバ菌が糖質を分解して出す酸のpH3~4では歯は全く溶けません。pH1~2でも溶けているようには見えません。pH0の原液ではやっと泡(酸素)を出しながら溶けているのが確認できますが、丸1日漬け込んだくらいでは溶けてなくなったりはしません。その程度です。 では、なんでこんなに歯が溶けるの?と思いますが、別のメカニズムがあったのです。つづく。。
2009/04/25
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細菌も人間も生物はみんな、エネルギー源としてブドウ糖を必要としますので、キッチンをうろうろと探し回ります。蔗糖(砂糖)はブドウ糖と果糖(くだものに多く含まれる)という2つの単糖類が結合した二糖類なのですが、困ったことに、なぜか最強虫歯菌のニュータンス菌と猫以外の哺乳類に好まれます。同じくブドウ糖が鎖状に長く結合したでんぷんのウ蝕原性(むし歯を作る能力)を1とすると、なんと、蔗糖は20です。他の単糖類、二糖類は2~4ですので、蔗糖がどれだけ危ないかお判りでしょう。蔗糖が2%以上含まれている食べ物はウ蝕原性は高いと言われています。今の世の中、蔗糖含有量が2%以下の飲食物を探す方が難しい。。ジュース類は10~40%、ケーキは30~40%、あんこもケーキと同じです。カップめんのようなジャンクなフードにはかならず蔗糖が添加されています。でも、ほんものの昆布やかつお出汁だけで作ったうどんならウ蝕原性は低い、イトー&カンパニー 猫の時間 レトルトパウチ かつおだし仕立て ささみ&貝柱 80g塩味(自家製うめぼし)だけのおにぎりならウ蝕原性は低い。おにぎり 梅これも困ったことに、食育系の先生がよく言うんですが、受験生のための「愛情のこもった夜食、あたまの冴える飲み物、、」歯医者は喜びます、仕事が増えますので。。虫歯の最大の原因は夜食です。カリエス・リスクが非常に低い人でも夜食を食べると、虫歯になります。べつに夜食を食べないと、いけないわけでもなんでもありません。夜食を食べさせないと、かわいそうでもなんでもありません。虫歯のある人の夜食は厳禁です。20歳以下は虫歯がなくても、夜食厳禁です。重曹うがいしても間に合いません。朝ごはんを楽しみに寝てください。。
2009/01/20
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虫歯の管理は唾液検査の結果に基づき、なるべくすぐには削らずに温かい眼で見守ることなのですが、どうにもならない場合もあるのです。画像は8歳女子、2007年8月、右下6番の咬合面の虫歯を1年間削らずに我慢しましたが、とうとう充填処置しました。 その1年4ヵ月後、同じ歯の近心隣接面に穴が開いてしまいました。今回のこの虫歯は上の写真の2007年8月の段階では存在していないものです。なのにもう、虫歯が神経に届きそう、、、あぁぁ、、、。3-MIX併用でCR充填しました。 うちではこういう例は少ないのですが、おやつ食べ放題とか、重曹洗口をサボるとか、そういう子です。この子はミュータンス菌はclass2と確かにやや多めではあるのです。、、が!!、そのことと虫歯が急速に進行することとは、本来、イコールではありません。このような急速な虫歯の進行はだらだら喰い、ちょこっと喰い、といった食習慣に原因があるようです。横でお母さんに小突かれていました(-"-;)こういう症例は歯医者としては悲しいものです。
2009/01/07
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この画像は再掲なんですが、というか診療室ではおなじみで、虫歯は削らないでも治るんだよ。。という説明で使っている画像です。最初の画像は銀塩スライド写真で懐かしいです。うちが予防を始めるきっかけになった症例で、というのも、これはうちの長女だからです(-"-)。萌えた(はえた:歯科用語)ばかりの6歳臼歯の頬側面溝が虫歯、、、よくあるパターンですが、歯医者の子が虫歯、、、(@_@;)かなり焦って予防に取り組みました。とりあえず試行錯誤の末、削らずに3年間我慢しました。唾液検査の結果、唾液の量・質以外のカリエスリスクは高くなかったので、寝る前の飲食厳禁と重曹うがいだけで何もしていません。ダイアグノデント値も80から30へと改善しました。やれやれ、、いま長女も14歳、新たな虫歯は無しです。。
2008/11/13
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診療室にはダイアグノデントというレーザー光線で虫歯の進行度を測る機械が2台あって、ほとんどの定期的なクリーニングを受けていらっしゃる方には使っているので、ご存じと思います。虫歯があると、ピーー、、と音がするあれです。予備としてもう1台あるのですが、今のところ自宅で使っています。贅沢にもマイ・ダイアグノデントです。ぜいたくというわけは実売価格が245700円、業務用とは言え、お高いからです。 マイ・ダイアグノデント欲しい方、いらっしゃったらメールください。販売店をご紹介します。うちの子供たちにも時々するのですが、数値が悪くなっていたら、30以上、、往復ビンタですから、子どもたちは戦々恐々、、 ピィ~~、、35!虫歯は歯医者では治らんとぞ、、!!ビシッ、、バシッ、、(*_*;
2008/03/20
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DD値99というのは、虫歯がひどくてこれ以上計測不能(メーター振り切れ状態)、という意味です。一般的には、30未満→C1、予防管理、30以上→C2、虫歯が象牙質に達している(進行が速くなる恐れあり)、50以上→C2、充填処置が必要、でもね、99以上でも心配する必要はないのです。虫歯は象牙質に達しているが、範囲が狭い場合は、特に問題なし。DD99でも、うちではカリエス・リスクが改善されれば、進行が止まる可能性が高いと思われる場合(ほとんど)は、予防管理だけです。つまりDD99でもC1→予防管理です。画像はDD99の症例(3歳児)です。上顎向かって右の一番後ろはDD99です。 下顎向かって左の奥から2番目はDD46です。 どれもC1扱いで予防管理です。どの道削らないのなら、DDなんて計る必要あるの?とお考えの人もあるかと思いますが、これが大いにあるんですよ。。虫歯の程度を数値化できるって、すごく励みになります。
2008/03/17
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虫歯が出来てしまったら、ふつうは、あ~あ、、削って埋める治療だよな。。。と思いながら、歯医者に行くわけです。でもね、唾液検査の結果はそんなに悪くない。SM:1、LB:0、唾液量:8ml/5min、緩衝能:青緑、ただ、飲食回数だけが多い、恥ずかしくて言えないレベル、欲望の赴くままに冷蔵庫をあさったりする。。(;*_*A そんな食生活。まあ、そんな時はいきなり削る治療はしないでプロセス治療をしてみる。食生活の分析とアドバイス、だらだら飲食や寝る前飲食は絶対ダメだよ。。重曹水で飲食後はうがい(pH調整)。1~3ヵ月毎のPMTC(クリーニング)やダイアグノデント(DD)測定、など。14歳からだらだらと4年間予防だけで、なにもしませんでした。もう18歳で高校卒業なのですが、虫歯の進行は極めて遅いか止まっている様子です。虫歯のまんま、でも、これからも何もしないつもりです。たまには見せに来てね。。。経過を追ってみましょう。12歳までは、虫歯無し。磨けてないけどね。 14歳のとき、虫歯出現!磨いているみたいだけどね。 失われた2年間!!小学6年までは虫歯なし、だったのに、、、なぜ??この間、何が起こったのでしょうか?食生活が乱れやすい中学・高校時代に皆さんやらかします。この時代を虫歯なしで乗り切ると、生涯虫歯にならないのですが。。16歳、変わらず。というか、少し黒くなってきている、DD値32。 17歳、虫歯が黒くなってくるのは進行が止まってきている証拠。レントゲンでも虫歯はこころなしか、やや小さくなっている(そこまではないか)。でも、この年DD値は32、46、68、とうとう99と振り切れてしまった。 18歳、黒さが増しましたが、ほぼ虫歯は止まっているのです。でもDD値は99のまま。表題写真はこれです。がんばりましたね!虫歯というのは、初期の急激な進行を抑制できれば、後の進行は非常にゆっくりになります。カリエス・リスクが十分低ければ、削る治療をあわててすることはありません。このような虫歯を抱えている方も多いと思います。長期に渡り充填処置をしないというのは勇気が要りますが、唾液検査、ダイアグノデント、重曹洗口によるpH調整などのツールを使うことにより、虫歯の長期管理も可能になって来ています。参考になりました?<りんりんさんこの子は虫歯を進行させないことを通じて、虫歯のコントロールの仕方をマスターしました。将来、自分の子供たちを虫歯にしないことも簡単にできるでしょう。この虫歯は治ることはありませんので、近い将来充填処置をすることになるでしょうが、しないことによって得られたものは大きかったと思います。これって、系統連係ではない独立型のソーラー発電システムに似ています(^.^)
2008/02/20
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痛みが出ても数日経過程度なら3MIXで持ち直します。(数か月経過で歯髄息肉になっているものの経験もあります)ただし、3MIXの原法は使えません。覆髄(神経を覆う)には不向きだからです。ウチでは3MIXはセフゾン、クラビット、メトロニダゾール(糖衣抜き)等量乳鉢にて混合、これをアパタイト系ライニングセメント(商品名:ニュー・アパタイト・ライナー)に硬化する程度(耳かき一杯)混和して使用します。セメントは大きいスプーン1杯で作り、ディスポ・シリンジに詰めて適用します。歯髄の直上には多少軟化象牙質が残っても気にしません。カドウ周囲の接着に支障がなければ可です。直覆も間覆も非常に簡単です、成功率ほぼ100%!出血している歯髄もボスミン液で止血可能なら、OX等での消毒は必要なし、そのまま直覆OKです。この方法を使うようになって6~7年経ちますが、麻抜(神経を取る)は皆無。上手くいかなくて、感根処になることも数えられるほど少ない。もちろんCRが欠け・ダツリの場合はすぐに再CRしないとダメです。後で黒くなったりもしません。このようなことは経験したことはありませんね。硬化後(約4分後)CR充填しますが、ボンディング剤は(商品名:ワンナップ・ボンド)、CRはフロー系CR(商品名:テトリックフロー)を使用しています。今のところ辺縁漏えいも少なく安定しています。タービン(削る道具)はモリタ製JETMASTER SUPER MINI α2(ただし廃版
2008/01/27
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今年のウチの決算によると、ウチもとうとうワーキング・プアの仲間入りをしてしまったようです(-"-;)今年いっぱい、なんとか、もつかな。。。4月以降は、歯周病も虫歯も実質的に、保険診療は一生涯に1回のみになるようです。初回の治療費に2回目以降の治療費は含まれる、だそうです。別に初回の治療費が上がるわけでもありません。要するに2回目以降の同じ歯の同じ病名の治療は歯科医院持ちでやって下さい、後はしりません、、、ということです。例えば、CR充填は平均5年もつそうですので、5年後にはタダの仕事50%、10年後にはタダの仕事が75%になるということで、体力的にも、歯科医院はつぶれます。世界に冠たる日本の保険医療制度は崩壊してしまいました。一般国民がこのことを理解するには、2回目の治療が必要になった時、つまり数年後です。そのときは完全に日本の歯科医療制度は崩壊していて、どうにも修復不可能になっているでしょう。歯科の次は医科です。その後は外資が乗り込んできます。治療費は10割負担の10倍、つまり3割り負担の方で30倍になります。政治家も厚労省の官僚もマスコミも売国奴です。こんな重要なことが報道すらされません、暗殺されるのが怖いからです、急な病気や自殺で亡くなった政治家や官僚は結構いますね。日本人は、とことん愚弄されています、もういい加減に眼を覚まさないといけません。次回の選挙ではよくお考え下さい。法律を1本通すだけで解決することですから。あっ、愚痴が長くなりました。本題です。表題の画像は、バイオフィルム(細菌の塊り)が金属表面(歯も金属化合物)に付くと、その下の金属が腐食するという現象があるという図です。バイオフィルム内部が嫌気的(酸素が少ない)、外部が好気的(酸素が多い)と書いてあります。これをMIC(Microbiologically Influenced Corrosion) というのですが、以前にもご紹介いたしました。ここではFe(鉄)の酸化反応で書かれていますが、歯の場合はこれをCa(カルシウム)に置き換えればよいわけです。Ca → Ca2+ + 2e-つまり、Ca は e-(電子)を奪われ Ca2+となって溶けるわけです。電子を奪う現象はO2(酸素)濃度の差が大きい程起こりやすいのです。つまり、バイオフィルムの表面に近いところはO2は多く、深いところはO2は少ないわけです。そのO2が少ないところで局部的に歯が溶ける(腐食する)のです。これを「通気差腐食」といいます。一旦局部腐食が始まると、その個所はさらに酸素の供給が減少し、腐食が進み、孔が深くなり、さらに、、、悪循環におちいります。バイオフィルムの中で生物活性が高い、つまりO2濃度差が大きい箇所が選択的に腐食すると考えられています。要するに元気なバイオフィルム(細菌)ほど虫歯は進行するのです。一般に虫歯菌は酸性環境で活発に活動します。虫歯菌は糖質を分解して酸を出す過程でエネルギーを得て活動しますので、酸性環境に強いわけです。至適pHが低いといいます。で、虫歯の進行を止めるにはどうしたらよいか?だんだん、判ってきましたね。。。そうです、虫歯菌が酸性で活発に活動するのなら、アルカリ性にしてやれば活動が鈍るわけです。というより、虫歯菌はアルカリ性で半殺し状態になるわけです。かんたんですね、重曹水で洗口する意味はこれです。別に歯がpH4程度の酸に溶けるわけではありません(実験済み)。酸性だと虫歯菌が元気になるので、アルカリ性にすれば虫歯菌の活動が弱まり、虫歯の進行は止まるのです。こんなことは歯学部では習いません。歯科医学のレベルというものがうかがい知れます。フッ素の効果も、「人工乳の方が母乳より良い」と言った「●ダ○の陰謀」だったよ、と言われても信じてしまう程度です。初期の虫歯の症状の「むずかゆい」「軽い冷水痛」くらいなら、重曹洗口だけで、収まります。
2008/01/26
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うちで「プロセス治療」と称している虫歯予防/虫歯の自然修復治療の効果についてアップしてみます。「プロセス治療」というのは、脱灰(歯が融ける)のプロセスと再石灰化(歯の自己修復)のプロセスに積極的に介入して、常に再石灰化>>脱灰とすることを言います。具体的には、食生活のコントロール(飲食は1日4回まで、寝る前は飲食しない)、1日2回の歯磨き(デンタル・フロス使用含む)、飲食後・歯磨き後の重曹洗口1~3ヶ月に1回の歯医者受診(唾液検査・歯磨き指導・PMTC・ダイアグノデント測定)、これだけです。表題の右下Dの虫歯は8歳の子供。3歳位からレントゲンでは虫歯があったが、だんだん大きくなって、とうとう穴ができたという典型的な例です。カリエス・リスクは唾液検査の結果によると、ミュータンス菌・ラクトバチュラス菌は少ないが、唾液量は5分間で2.5CC、緩衝能は低い、寝る前の飲食が週に2~3回ある。要するに、唾液と食習慣に問題有りということです。で、8歳で「プロセス治療」を始めた時のレントゲン写真、 約1年後歯が抜けた時のレントゲン写真2枚を見比べてください。レントゲンの見方は黒いのが密度が低い、白いのが密度が高いです。虫歯は黒く写りますが、いかがでしょうか?歯の右端の黒い部分が1年後は白くなっているでしょう?同じ歯の写真とは思えませんが、何度撮り直しても同じでした。充填治療はしていませんので、虫歯の穴は見た目は開いたまま、変わりませんが、再石灰化により、密度が向上しています。これが「重曹洗口」の効果です。出来てしまった虫歯にフッ素をいくら塗っても、こうはなりませんね。おまけ、CR充填は診療費抑制により約5000円が約3000円に減額されてしまったので、今は保険診療では赤字になってしまったのです、、子ねずみ、ケケ中、。。。Ψ(`▽´)Ψ呪ってやる~歯科診療費は20年間上がっていない、というニュースが出ていましたが、実際は極端に下げられています。特に歯に優しい治療・管理費用がです。うちも完全なワーキング・プアですよ、、忙しいだけで、何時ツブレルか分からない。。。CR充填の術前・術後のレントゲン写真です。右下5遠心隣接面カリエス。少し沁みていました。
2008/01/23
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診療室では、重曹水が炭酸飲料を中和する動画を皆様にご覧いただいているのですが、まだ観ていない!、という方はおられますでしょうか?ブログ用に小さく編集して掲載しようと頑張ったのですがどうも上手くいきません。まだご覧になっていらっしゃらない方は、スタッフに「重曹の動画見せろ!」とおっしゃってくださいね。動画の中身は、pH3の炭酸飲料が、重曹水で瞬間的に中和されてpH7になる。というものです。ちょっと詳しく書くと、重曹はNaHCO3ですが、水に溶かすと電離してNa+とHCO3-になります。このHCO3-は重炭酸塩とか炭酸水素イオンとか呼ばれていて、これがH+(酸)を中和するわけです。こんな風になります。HCO3- + H+ → H2CO3 → H2O(水)+ CO2(二酸化炭素)このことは古くから知られていて、歯科衛生士向けのテキスト*に載っています。「う蝕に関わる要因」の中にHCO3-が唾液の緩衝機能(この場合酸を中和する)として右下端に書かれています。また耳下腺唾液(噛むと出てくる唾液)の中にはHCO3(炭酸水素イオン)が含まれているという図もあります。噛んだら出る唾液の量が多い程、HCO3も多いのです。だからよく噛んで食べましょう、というお話です。これはDawesという方の1969年の研究です。このHCO3-という物質が実は重曹だった、ということに歯医者が気が付かなかった、だけ(?)いやはや、とんだ間抜けでした。F-(フッ素)ばかりに気を取られていた、ということですね。実は重曹は虫歯予防どころか、虫歯の進行を抑え、虫歯の自然治癒に絶大な効果があったのです。重曹水の作り方、ティー・スプーン1杯(3g)の重曹を500mLのペットボトルに入れて水を口まで注ぎ、振って溶かすだけ。使い方、飲食後なるべく速やかに、重曹水を口に含んで グチュグチュ(^~^)、ペッ。たったこれだけ。*「カリエスコントロール」飯島洋一・熊谷崇著 医歯薬出版株式会社
2008/01/17
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今現在行われている削る治療は、100年以上前に米国の歯科医G.V.Blackという方が確立したということになっています。表題の進入禁止の方の図がこの方の著書に載っているらしい(実物を見たことがない)。これ以来100年間変わらず削る歯科治療は続いているわけです。これを一概に否定するものではありませんが、ちょっと待てよ、、と思うわけです。一方、予防というのは下図の「ステファン・カーブ」に始まるとされています。これは砂糖水を与えた歯垢のpHを縦軸、時間の経過を横軸にグラフにしたものです。砂糖水から5分以内にpH4.5以下になり、30分以上低いpHは続くという(歯が溶ける?)というものです。この図も100年以上前に発表されています。 ところがこの図を予防に応用するには長い年月が必要でした。1980年ごろになってやっと「カリオロジー(虫歯学)」という学問が始まりました。それまでは虫歯とは何なのか?実は誰も知らなかったのです。原因が分らないでは予防もあったものじゃないですね。対症療法(削る治療)に終始するしかないわけです。実は今でも本当のことはよく分っていないのですが。虫歯とは何なのか?その検査方法は?そしてその対策は?スウェーデンのルンド大学のダグラス・ブラッタール教授の仕事により確立しました。やっと20年前のお話です。それがこれ、唾液検査によるレーダー・チャートの作成とそれによるPCによる診断方法です。これでカリエス・リスク(虫歯になりやすさ)が分かります。項目は8つだけ、唾液の量と質(多くてさらっと)、唾液の緩衝能(重曹成分、重炭酸イオン、要するにアルカリが多いか少ないか)、2種類の虫歯菌の量、飲食回数は多くないか、歯磨きが上手か下手か、フッ素を使っているか、その他(DMFT)。たったこれだけなんです、でもこれでやっと歯科も科学的な虫歯の診断方法を得たのです。見た目は同じ虫歯でもできた理由が違うわけです。今まではすべて削っていましたが、その必要が無い虫歯もあるのです。それがこれ、 カリエス・リスクが十分低い場合、飲食回数のコントロール(1日4回まで、寝る前は飲食しない)、飲食後の重曹水洗口(500ccのペットボトルに重曹小さじ1杯作り置き)、歯磨きは1日朝晩2回。これだけで6歳時の虫歯が2年後には再石灰化し、削らずに済みました。このように出来てしまった虫歯を再石灰化させるのは、かなり難しく、極端な砂糖制限など、かなり苦しい戦いを強いられます。歯磨きやフッ素だけでは通常無理です。特にカリエス・リスクの高い人は絶望的です。フッ素はまだ出来ていない虫歯予防だと思ってください。カリエス・リスクの高い人でも、「重曹水洗口」は楽に虫歯の進行を止めることができるツールです。歯が酸で溶けるというならアルカリで中和しようという単純なことです。元々唾液中には重曹成分が含まれています。これは自然な防御機構だと思いますが、それを補強しようというコンセプトです。是非、飲食後重曹水を口に含むだけ!やって見てください。なぜ、削る治療がいけないか?それがこの図、歯科治療には寿命があるので、一旦削ると必ず悪くなり、削る治療を繰り返した結果、入れ歯になる(歯が無くなる)、、というものです。カリエス・リスクが高ければこのサイクルが短くなります。人生50年の100年前なら問題なし、ですが今は・・・しかもそれだけではない、G.V.Black先生の仕様では使用金属はゴールド(金)に限られます。銀歯はだめなのです、でも金歯は保険きかないし、、、・・・そういうことです。エナメル質は再石灰化して自己修復されますが、これを削るということは・・・みすみすお宝をどぶに捨てている。この問題を一挙に解決するのが予防なのです。かんたん、お金もかからない。でも、歯周病はだめです。定期的なクリーニングが必要。おまけ、表題図の再石灰化(自然治癒)する大切なエナメル質をなるべく削らないで治療する方法。うちのHPにのせていますが、「トンネリング技法」とか言うらしい。。 図は「日本ヘルスケア歯科研究会」のスライド&図版、熊谷崇先生の著書から引用
2008/01/06
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charberryさん、こんばんは。>では、虫歯にならない生活は地球温暖化対策にもなるということですね。---------------------う~ん、、ニュアンスがちょっと、違うんですが。。誤解を招いていますので、補足をします。虫歯にならない飲食方法は「飲食回数を1日3回以内、寝る前は避ける」です。この場合の飲食回数とは1口でも山盛りご飯でも1回です。ですから、甘いものを食べるとしたら、デザートとしてメインの食事に続けて食べる。これは1回です。何の節操もなく、食べたくなったら食べるという間食は止めて、正規のコースにのっとり(のっとらなくても)、デザートを楽しむ。。というのが良いわけです。同じものを食べるにしても、こちらの方が心豊かになります。もちろん虫歯になりません。便利をスコシ捨てると、得るものがたくさんある。。守りたいものは何か?という藤村先生の言葉に当てはめると、1.便利をスコシ捨てると、(食べたいときに食べる節操の無い間食を我慢すると)2.得るものがたくさんある。。(虫歯にならないだけではなく、心豊かにデザートを楽しむことができる)3.守りたいものは何か?(歯の健康ですかね?)地球温暖化問題でいうと、バッテリーに電気を貯めて使う独立型太陽光発電の例では、1.便利をスコシ捨てると、(バッテリーの残量を気にしながらなので、好きなだけは電気を使えない。でも文化的な生活はできる)2.得るものがたくさんある。。(あぁ、、電気というものはこんなに貴重なものだったのか・・・原発というのは、電気は無限にあるような錯覚を起こさせるもので、省エネをしようという気持ちは起こさせないものなんだな・・・などと悟ることができる)3.守りたいものは何か?(地球環境でしょうか?自分達の子孫の未来でしょうか?もったいないという気持ちでしょうか?)
2007/10/12
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僕が藤村先生や環境問題に関心を持つようになったきっかけは、「虫歯予防」に取り組んでいたからです。「虫歯予防」はホントに簡単で、今では虫歯になんかなるほうがおかしい!と思うようになりました。昔の人には虫歯は非常に稀な病気でした。少なくとも江戸時代まではそうでした。どこがちがうのか?1日2食+α(お砂糖は入っていない)の食生活では、いくら虫歯菌が多かろうと、虫歯になったりしません。歯を磨かなくてもです。では、現代人はどうか、、、1日3食+α(お砂糖入り)この+αが1回(3時のおやつだけ)ならぎりぎりセーフです。でも2回以上、特に寝る前となると(牛乳でも)、虫歯菌の少ない人ですらアウトです。この+αを我慢(コントロール)するだけで、虫歯になんかなるはずがないのです。「便利(欲望)をスコシ捨てると・・・」地球温暖化を含めた地球環境問題の解決法は「虫歯予防」と同じだったのです。でも、「歯周病」はそうはいかない!!
2007/10/12
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第4回ICPP年次報告によれば最悪今世紀中に世界の平均気温が6.3度上昇し、30億人以上が干ばつの危機に直面し、最悪のケースでは海底のメタン・ハイドレートが大気中に放出され、大爆発。90%以上の人類を含めた生物種が地球上から消滅する。人類絶滅を回避できる残り時間は「後10年」もない!扶桑社新書 地球温暖化―人類滅亡のシナリオは回避できるか ISBN:9784594053840 (459405384X)179p 18cm扶桑社 (2007-06-01出版)・田中 優【著】が読みやすい。地球温暖化と虫歯がなんの関係があるの?もともと虫歯は人類にとって非常に稀な病気という話をしました。今人類はこの数万年でもっとも豊かな食生活をしているのです。この野放図とも言える食生活に耐える「からだ」は遺伝的に獲得されていないということです。残念ながら人類は、体の一部である「歯」だけでなく、地球全体を滅ぼそうとしているのです。虫歯予防だけなら簡単です。虫歯の原因はわかっています。虫歯菌の種類と量、唾液量・質(酸の中和能力)、最後に食生活です。食生活が100年前に戻れば、虫歯菌、唾液がどうであれ虫歯はできません。現在の虫歯予防は今の豊すぎる食生活はなるべくそのままにして、どうにかしようとしているので、ちょっと難しいのです。でも、できます。うちの子供たちで実現していますから。方法は簡単、これだけ。寝る前の飲食はしない。間食はできるだけしない。甘いものは食事といっしょに食べる。歯磨きは朝晩2回。そして「重曹洗口」を間食後、歯磨き後にするほんとに、これだけです。ただこれだけは言えます。虫歯が回避できないようでは、地球温暖化による人類滅亡は回避できない。
2007/06/06
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虫歯予防は実は簡単なんです。でも難しい・・・なぁ~んでか?その話に入る前に、今日は恥ずかしながら、自分の子供を虫歯にしてしまった経験をお話します。うちが予防歯科に走った理由はそこにあるんです。長女は今12歳ですが、乳臼歯の虫歯に気が付いたのはなんと3歳の時。デンタルフロスがなんとなく引っかかる、(-"-;)で、結局4歳の時、乳臼歯全部の歯科治療をしました。うちが歯医者でありながら、自分とこの子供が虫歯、、、かなりショックでした。毎朝、毎晩仕上げ磨きしてデンタルフロスもかけてあげていたのに、です。原因は何か?カリエス・リスク検査(唾液検査)の結果は、唾液量・性状、ちょっと問題あり、虫歯菌、問題なし、磨き残し、問題なし、、ただ1点、食生活を除いては。彼女は2歳までおっぱいをくわえながら寝る習慣がぬけていなかったのです。この時点で一番後ろの最後に萌(は)えてくる乳臼歯(E)は萌えたてでした。萌えたての歯は酸に弱い。それに、晩御飯のあとデザートと称して、コンビニにアイスを買いに行ったり、深夜までやっている某ハンバーガー屋さんに週に2回ほどデザートを食べにいったりしていました。食べたあとは眠たくなって、寝てしまうのでした。寝てしまっている口を無理やり開けて歯磨きしても、じつはもう遅かったのです。おっぱいも含めて、寝る前の飲食が虫歯の最大の原因なのです。寝てしまうと唾液が出なくなり、プラーク中のpHが朝まで酸性になったままになるからです。2番目の虫歯の原因は間食の多さです。なんとかこれらの虫歯のリスクをかいくぐって、12歳の今は全ての永久歯で虫歯はなしです。が、まだまだ20歳すぎまでは心配です。萌えたての永久歯はまだまだ酸に弱いからです。親の目を盗んで、買い食いしないとも・・・長女の経験を生かして、下の二人の子供たち(5歳と9歳)は虫歯なしです(今のところ)。 虫歯は本来非常に稀な病気だということは昔の人骨を調べてみるとよく判ります。見つかるのは全ての歯の5%以下。乳歯には虫歯はありません。永久歯にも虫歯はありません。 虫歯があるのは、歯周病になった人(概ね40才過ぎ)の歯根だけです。 昔は虫歯菌がいなかった?そんなことはない。昔は歯ブラシはなかった。かもしれない。そもそも昔は砂糖入りのおいしい飲み物やお菓子や料理はなかった。(この点、虫歯はぜいたく病と言えます)じつは歯磨きしても虫歯は防げません。しかし、飲食の回数やそのタイミングをうまくコントロールすることで虫歯を防ぐことができます。また、飲食してもすぐに重曹洗口で酸を中和してあげれば虫歯にはなりません。虫歯になっていても進行しません。しかし、歯磨きしないと歯周病(歯肉炎含む)にはなるのです。それどころか、歯磨きしていても歯周病を完全に防ぐことはできないのです。歯周病の予防には、どうしても専門家(歯科衛生士)による定期的なクリーニングが必要になるのです。
2007/06/04
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歯医者なのに歯医者ネタがないのも恐縮なので、最近話題になっているという「3MIX(スリーミックス)」の具体的な症例をお見せしたいと思います。「3MIX」というのは元々新潟大学のグループが3種類の抗菌剤をミックスして虫歯の中の細菌の消毒をするというものでした。うちでやっている「3MIX」は抗菌剤の種類も適用方法も違うのですが、もう痛みが出ていて通常の治療方法では「神経を取る」しかない症例で「神経を取らない」で済むことがほとんどと言うものです。レントゲン写真です。右上の7番で黒い虫歯が真ん中の神経に届いています。とても痛~い!状態。お菓子を食べながら寝るという危ない食生活をしていた高校生です。 治療前。 虫歯をあらかた除去しましたが、完全に除去すると神経が出てきますので、ここでストップ。一番外側だけが健全歯質ならOK。 「3MIX」をアパタイト・セメントに混合して塗布。 CR(コンポジット・レジン)で充填処置で終了。次の日にはウソのように痛みが消失します。 でもね、、CR充填もせいぜい数年しかもたないので、ちゃんとした食生活や予防が大切ですね。P.S.ちなみに3MIXを使ったからといって、特別なチャージはいただいておりません。問診時に薬剤のアレルギーの有無をお聞きするだけで、通常のCR充填の負担金(1000円位)だけです。でもね、こんなひとがたくさん来ると、うちはつぶれる(処置に時間がかかる)ので、一見さんや予防をしようとしない不心得者はお断りしています。
2007/05/04
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虫歯も歯周病も歯の表面にこびりついている「細菌の塊」=「バイオフィルム」によって引き起こされる「バイオフィルム感染症」であると言われています。けれども、「バイオフィルム??、、?」という方がほとんどだと思われます。文字どおりなら「生きている膜」ですが・・・お口の中で「バイオフィルム」といえば、簡単にいうと、歯垢(プラーク)のことです。バイオフィルム(細菌の塊)はなにも歯の表面だけにできるわけではありません。水などの液体を運ぶ金属配管の内部にできて、金属を腐食させる(溶かす)のです。ですから、従来バイオフィルムの研究は工業分野で進められてきました。歯もカルシウムという金属でできていますから、この現象(微生物による腐食)は起きると考えられます。この現象はMIC (Microbiologically Influenced Corrosion)と呼ばれていて、バイオフィルムの内部と周辺部では溶けている酸素の濃度に差があり、#内部が嫌気的(酸素が少ない)、その酸素の濃度勾配があると、酸素と水が水酸イオンになる過程で金属から電子を奪い、バイオフィルムが付着している金属が溶けるというものです。工業分野での微生物腐食はこちら↓http://www.biochemeng.bio.titech.ac.jp/research/biofilm/biofilm.html歯はpH4程度の酸では容易に溶けるものではないという実験から、もっと「酸/アルカリ」とは別の虫歯の原因があると考えていましたが、このMICという現象もこれだと思います。これは「酸化/還元」という、「酸/アルカリ」の概念を含むさらに上位のカテゴリーに属します。歯が溶ける虫歯というこの病、原因も単一ではなく奥が深いようです。歯の表面にこびりついたプラーク(バイオフィルム)の下に帯状に白く歯の表面が変色(脱灰)しているのは、初期の虫歯とされていますが、これはMICによるものではないかと思います。・・・ということはやっぱり歯は良く磨いて、バイオフィルムを常に除去しておく必要はありますね!
2006/07/27
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院長maboです。虫歯はなぜできる?それは歯があるから、、、当たり前です。でも歯学部では大真面目に教えられます^^;歯についている虫歯菌(歯垢の70%!)が、飲食物に含まれている糖質から酸を作る。その酸で歯が溶ける とされています。では、酸に浸けておけばすぐに虫歯が作れるのか、というと、そうでもない。人工的に虫歯を作ることは非常に難しいのです。単純にpH4位の、細菌が作るとされている弱酸に抜歯した歯を何週間か漬け込んでも虫歯は出来ません。歯はそう簡単にpH4位の弱酸に溶けたりしないのです。でもpH0の塩酸(強酸)にはアブク(水素)を出しながら溶けてゆきます。この実験から歯の噛み合わせ面の溝や歯と歯の接触点、虫歯の小さな穴の中、銀歯と歯の隙間のような虫歯菌がたまりやすい「局所」では、通常考えられている1000倍以上の酸性度を持つ強い酸が作られていると考えられます。これは歯学部では教えてくれません(^^ゞ糖質が含まれていない食べ物飲み物を探すこと自体難しいのですから、食べたり飲んだりすれば必ず歯は溶けるのだということを思い出すことが、虫歯にならないための必要条件なのです。それが虫歯予防の第一歩です。だらだらと飲食を続ける・・・これはいけませんね。その間ず~っと歯は溶け続けているのですから。でも、飲食後に歯磨きすれば大丈夫!?皆さん、こんなふうに思い込んでいませんか?これは、はっきりいって誤り、、に近いです。歯ブラシの毛先は「局所」にはとどきません。実は歯磨きだけで虫歯を予防することは出来ないのです。そこで「重曹」の登場です。「重曹」は一瞬で酸を中和してくれます。「重曹」は「局所」にもとどきます。飲食後「重曹」でうがいをすれば虫歯になりません。虫歯があっても広がりません。これも歯学部では教えてくれません(^^)vいったい歯学部って何を教えてくれるところなんでしょうか?不明です。歯学部では虫歯予防の具体的な方法を教えてはくれませんでした。
2006/07/20
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今日も患者さん(悩める母)と盛り上がりましたが、少子高齢化の話です。何かと言うと、ひいお爺さんが甘いものでひ孫を手なずけようと可愛がろうとするとか、虫歯菌をうつそうとカミカミして食べさせるとか、そういう話です。ひいお爺さんは先がないの楽しみだから、無下に止めてくれとも言えない・・・。 確かに歯が萌え初めてから4歳までの間しか、ミュータンス菌(最強虫歯菌)は感染・定着しないので、その時期の子供さんを感染から守るのは、その子の将来のカリエス・リスクに大きく影響するのですが。 それより改めて感心したのは、時代はお爺さんではなくて、ひいお爺さんなんですね。私が子供の頃はひいお爺さんがいる家庭は少なかったですから。
2006/07/10
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