2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
全3件 (3件中 1-3件目)
1
今年もこの時期になりました。おかあさんたちは声に出して読んであげてください。そしてなぜこの世界はそうなのか教えてあげてください。わからないときは考えてください。検索しても答えは出ません。答えはあなたの中にあるからです。----------マッチ売りの少女The Little Match Girlハンス・クリスチャン・アンデルセン作結城浩訳ひどく寒い日でした。雪も降っており、すっかり暗くなり、もう夜 ―― 今年さいごの夜でした。この寒さと暗闇の中、一人のあわれな少女が道を歩いておりました。頭に何もかぶらず、足に何もはいていません。家を出るときには靴をはいていました。ええ、確かにはいていたんです。でも、靴は何の役にも立ちませんでした。それはとても大きな靴で、これまで少女のお母さんがはいていたものでした。たいそう大きい靴でした。かわいそうに、道を大急ぎで渡ったとき、少女はその靴をなくしてしまいました。二台の馬車が猛スピードで走ってきたからです。 片方の靴はどこにも見つかりませんでした。もう片方は浮浪児が見つけ、走ってそれを持っていってしまいました。その浮浪児は、いつか自分に子どもができたらゆりかごにできると思ったのです。それで少女は小さな裸の足で歩いていきました。両足は冷たさのためとても赤く、また青くなっておりました。少女は古いエプロンの中にたくさんのマッチを入れ、手に一たば持っていました。日がな一日、誰も少女から何も買いませんでした。わずか一円だって少女にあげる者はおりませんでした。 寒さと空腹で震えながら、少女は歩き回りました ―― まさに悲惨を絵に描いたようです。かわいそうな子! ひらひらと舞い降りる雪が少女の長くて金色の髪を覆いました。その髪は首のまわりに美しくカールして下がっています。でも、もちろん、少女はそんなことなんか考えていません。どの窓からも蝋燭の輝きが広がり、鵞鳥を焼いているおいしそうな香りがしました。ご存知のように、今日は大みそかです。そうです、少女はそのことを考えていたのです。 二つの家が街の一角をなしていました。そのうち片方が前にせり出しています。少女はそこに座って小さくなりました。引き寄せた少女の小さな足は体にぴったりくっつきましたが、少女はどんどん寒くなってきました。けれど、家に帰るなんて冒険はできません。マッチはまったく売れていないし、たったの一円も持って帰れないからです。このまま帰ったら、きっとお父さんにぶたれてしまいます。それに家だって寒いんです。大きなひび割れだけは、わらとぼろ切れでふさいでいますが、上にあるものは風が音をたてて吹き込む天井だけなのですから。 少女の小さな両手は冷たさのためにもうかじかんでおりました。ああ!たばの中からマッチを取り出して、壁にこすり付けて、指をあたためれば、それがたった一本のマッチでも、少女は ほっとできるでしょう。少女は一本取り出しました。 ≪シュッ!≫ 何という輝きでしょう。何とよく燃えることでしょう。温かく、輝く炎で、上に手をかざすとまるで蝋燭のようでした。すばらしい光です。小さな少女には、まるで大きな鉄のストーブの前に実際に座っているようでした。そのストーブにはぴかぴかした真鍮の足があり、てっぺんには真鍮の飾りがついていました。その炎は、まわりに祝福を与えるように燃えました。いっぱいの喜びで満たすように、炎はまわりをあたためます。少女は足ものばして、あたたまろうとします。しかし、―― 小さな炎は消え、ストーブも消えうせました。残ったのは、手の中の燃え尽きたマッチだけでした。 少女はもう一本壁にこすりました。マッチは明るく燃え、その明かりが壁にあたったところはヴェールのように透け、部屋の中が見えました。テーブルの上には雪のように白いテーブルクロスが広げられ、その上には豪華な磁器が揃えてあり、焼かれた鵞鳥はおいしそうな湯気を上げ、その中にはリンゴと乾しプラムが詰められていました。さらに驚いたことには、鵞鳥は皿の上からぴょんと飛び降りて、胸にナイフとフォークを刺したまま床の上をよろよろと歩いて、あわれな少女のところまでやってきたのです。ちょうどそのとき――マッチが消え、厚く、冷たく、じめじめした壁だけが残りました。少女はもう一本マッチをともしました。すると、少女は最高に大きなクリスマスツリーの下に座っていました。そのツリーは、金持ち商人の家のガラス戸を通して見たことのあるものよりもずっと大きく、もっとたくさん飾り付けがしてありました。 何千もの光が緑の枝の上で燃え、店のショーウインドウの中で見たことがあるような楽しい色合いの絵が少女を見おろしています。少女は両手をそちらへのばして――そのとき、マッチが消えました。クリスマスツリーの光は高く高く上っていき、もう天国の星々のように見えました。そのうちの一つが流れ落ち、長い炎の尾となりました。 「いま、誰かが亡くなったんだわ!」と少女は言いました。というのは、おばあさん――少女を愛したことのあるたった一人の人、いまはもう亡きおばあさん――がこんなことを言ったからです。星が一つ、流れ落ちるとき、魂が一つ、神さまのところへと引き上げられるのよ、と。 マッチをもう一本、壁でこすりました。すると再び明るくなり、その光輝の中におばあさんが立っていました。とても明るく光を放ち、とても柔和で、愛にあふれた表情をしていました。 「おばあちゃん!」と小さな子は大きな声をあげました。「お願い、わたしを連れてって!マッチが燃えつきたら、おばあちゃんも行ってしまう。あったかいストーブみたいに、おいしそうな鵞鳥みたいに、それから、あの大きなクリスマスツリーみたいに、おばあちゃんも消えてしまう!」少女は急いで、一たばのマッチをありったけ壁にこすりつけました。おばあさんに、しっかりそばにいてほしかったからです。マッチのたばはとてもまばゆい光を放ち、昼の光よりも明るいほどです。このときほどおばあさんが美しく、大きく見えたことはありません。おばあさんは、少女をその腕の中に抱きました。二人は、輝く光と喜びに包まれて、高く、とても高く飛び、やがて、もはや寒くもなく、空腹もなく、心配もないところへ――神さまのみもとにいたのです。 けれど、あの街角には、夜明けの冷え込むころ、かわいそうな少女が座っていました。薔薇のように頬を赤くし、口もとには微笑みを浮かべ、壁にもたれて――古い一年の最後の夜に凍え死んでいたのです。その子は売り物のマッチをたくさん持ち、体を硬直させてそこに座っておりました。マッチのうちの一たばは燃えつきていました。「あったかくしようと思ったんだなあ」と人々は言いました。少女がどんなに美しいものを見たのかを考える人は、誰一人いませんでした。少女が、新しい年の喜びに満ち、おばあさんといっしょにすばらしいところへ入っていったと想像する人は、誰一人いなかったのです。 --------------------------------------------------------------------------------<版権表示> Copyright (C) 1999 Hiroshi Yuki (結城 浩) 本翻訳は、この版権表示を残す限り、訳者および著者にたいして許可をとったり使用料を支払ったりすること一切なしに、商業利用を含むあらゆる形で自由に利用・複製が認められます。 プロジェクト杉田玄白正式参加作品。 <版権表示終り> ----------
2010年12月31日
コメント(0)
「協働のまちづくり」の委員になって三年目。オレだよ。その「協働のまちづくり」ってのは市長が言い出したらしい。そいで、その「協働」ってのを冠にしたあちこちに出かけてみたんだけど、いまいち、「ピン」とくるものがなかったわけね。そいでオレが勤務している学校にある日ホームページ作成の業者が来たの。それで、今までのホームページはあまりにもガチガチで更新もしにくいから、なんとかしたいなんて、ごちゃごちゃ話しをしているうちに、「きらりよしじま」のページを作ったんですぅ~。なんぢゃそれ。それは、井上ひさしが育った山形県のとある地方で、そこには少年刑務所もあるのでおおよその場所は知っていた。そいで、そこのホームページをつくりましたを見せてもらったら、いいんでないの。デザインがとてもいい。などと言ってページを開いたら「全世帯加入!?」そんな地域NPOってあるの?*「協働のまちづくり」のはじめの2年は「協働とはナニか」とか「指針づくり」で終わった。今度はいかに「具体化」するかだ。これが縦割りの升目行政だときわめて難しいとつくづく感じた。逆説的だけどだから「協働」なのだろう。そいで、召集されたメンバーは3つに分かれた。第一グループは宣伝 第二グループは地域 第三グループは問題発掘とプレゼン*会議が始まる前にオレは第二グループなんで参加者にお願いしたこと。それは、「もしドラ」を読んで参加してねってこと。そして「もしドラ」が「もしドラ地域」になったらどうなるかブレインストーミングした。いーやー意見がでるわでるわ。そいでは「きらりよしじま」を見に行こう。*きらりよしじまに行ったよ。そしてマインドマップで分析した。そうしたら、どうしてもわからないことが出てきた。・・誰かが***と言った。マインドマップ全体を見渡ししたら。できあがってるよ。きらりよしじまを超えた地域法人モデルが。*ネオ・エデンの人たちは皆わらっている。そして有縁社会で暮らしている。子どもたちの声がいつも聞こえる。更に資金も潤沢だ。・・その訳は??タックスヘイブンで航空機の売買契約と減価償却更に外国税控除をしたことがあるオレが言うんだ。モデルはもうすぐできあがる。次の会議では皆、次々と発言するだろう。オレの描いた曼荼羅の上で言葉は踊る。よし。よし。すべてよし。
2010年12月27日
コメント(1)
「あかつき」230億円って安いもんだよ。宇宙は「はやいものがち」だし、GPS衛星1個じゃダメでしょ。将来の国防を考えたらキラー衛星にやられても対抗できるように10個は必要だよね。で、10個だと2300億円て、諫早湾干拓事業と大して変わらないし、「おいしい水」とかいって無理やり市町村に水を売りつける「多目的ダム」と同じぐらい。つーか、一人一個衛星がもてるようにすればいいと思う。それが何になるかって?ケータイ一人一個持つって20年前に想像できたか?それが何になるのって、今のようになってるわけ。オバマも引いてるし中国はノウハウこれからだしロシアが先を越すか。チャンスは今しかないっ!世界中には資金がだぶつきはじめている。衛星で集金するんだ!ロケット技術の応用で衛星誘導ピンポイントミサイルが安くできる。戦闘機をむりやり買わされているけど「もーいらないよ」と言えるようになるよ。それは沖縄の問題も解決してしまう。雇用も町工場の活性化もぜーんぶできる。日本の町工場が海外に出ていくのは税金だけの問題ではない。「夢」とか「なないろの虹」が消えちまったんだよっ!たぶん、これをやれば日本再活性化の歴史的金字塔になる。だれがその提案をすすめるかって?今の民主にはそんな政治家いねーだろーな。もちろんアレだよ。税金をむさぼっているJAXAの解体と人材の分散が先だけどね。
2010年12月25日
コメント(1)
全3件 (3件中 1-3件目)
1