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さて今日は株式投資本オールタイムベスト66位 チャートで見る株式市場200年の歴史 (原題 The Wall Street Waltz ケン・フィッシャー著、パンローリング社) の第4弾です。 IPO(新規公開株)が10社あれば、9社は2年以内に損失となる。。。IPOは、、、通常すぐに値上がりし、意味のないモメンタムが生まれる。そして投資家は、大ヒットになることを夢見て興奮し、だまされる。 ただ、ほとんどがひどいパフォーマンスに終わるIPOをすべて集めて一つのグループとして見ると、マーケットが買われ過ぎか売られ過ぎかを示す効果的な指標として利用できるという凄い方法がある。。。 IPOの数が多い年は売り時で、少ない年は買い時 になっている。 ケン・フィッシャーが喝破している通り、 IPOを避ける のは市場で生き残るための叡智の一つです。更に彼と同じことは、 ガイ・スピア も ジェイソン・ツバイク も口を酸っぱくして述べていますね。 そしてこれが1969~1985年のIPOの数を示したチャートです。 マーケットの停滞期には見事な程にIPO数が減っています。そしてその時こそがまさに株の買い時だったんですね。
Dec 31, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト66位 チャートで見る株式市場200年の歴史 (原題 The Wall Street Waltz ケン・フィッシャー著、パンローリング社) の第3弾です。 今日は私が最も愛している指標であるPBR(株価純資産倍率)についてのケン・フィッシャーの見解を見ていきましょう。彼は「1934年以降、ダウ平均が簿価と同じ水準まで下げたのは1979年だけしかない。。 PBRが高くなると、株のパフォーマンスは悪くなる。 」と指摘しています。 PBRが高くなると株のパフォーマンスは悪くなる。 これは歴史が証明している明白な事実です。それにも関わらず、今の現代日本では成長力のある超高PBR銘柄ばかりを熱心に追い続けているグロース投資家の方々が実に多いんですね。 さて、それでは1921~1986年のマーケットのPBRです。 PBR1倍が「マーケットの岩盤」として作用している ことが分かります。そして同時に、 PBR1倍割れの銘柄だけで自由自在にポートフォリオを組み上げられる今の日本株市場がどれほど魅力的なところか ということも実によく理解できますね。
Dec 30, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト66位 チャートで見る株式市場200年の歴史 (原題 The Wall Street Waltz ケン・フィッシャー著、パンローリング社) の第2弾です。 この本の最初のチャート1は非常に印象的です。 PERが20倍以上でマーケットが推移していたのはほんの何回かしかなく、ほとんどの期間は収益の15倍未満で推移していた。 ことが見てパッと分かるんですね。 具体的には、1915~1986年のダウ平均のPERを示しています。 確かにほとんどの期間がPER15倍未満ですね。。。 次のチャート2では、1871~1936年のコールズ総合株価指数を示しています。 「マーケットのPERの平均はたいてい15倍を少し下回る程度で推移している」ことが1発で分かりますね。 これらのチャートを見ると、 今のPER20倍越えの米国株は歴史的に見て明白に割高圏にある ことがはっきりと分かりますし、PER17倍の日本株も「ちと高い」水準であることもすぐに理解できます。自分達が「過去200年の中で見てどのような株価位置で、山の何合目で戦っているのか?」がパッと分かる、凄いチャートなんですね。(続く)
Dec 29, 2017
さて年末年始でブログ管理人のみきまるは多忙を極めている為、ここからしばらくは予約投稿の日記をお送りします。 具体的には大人気の「株式投資本オールタイムベストシリーズ」の新作を1本行きます。それでは皆様も年末年始をゆったりとお楽しみください。。。。。。 さて今日は株式投資本オールタイムベストシリーズです。第66位は、 チャートで見る株式市場200年の歴史 (原題 The Wall Street Waltz ケン・フィッシャー著、パンローリング社) です。 この本は様々な面白いチャートがバンと1枚貼ってあり、それについて孤高の天才ケン・フィッシャーが独自の視点から解説し倒してくれる、という分かりやすくてご機嫌な構成となっています。 辛口で知られる監修者の長尾慎太郎氏は前書きで、「ここで取り上げられているトピックは、長期投資家であれ短期トレーダーであれ、私たち投資家にとって必ず知っておかなければならない不可欠の事項ばかりではあるが、これほど分かりやすい形で必須の知識をまとめた教科書は類を見ない。 。。私は本書を高く評価する。。。本書は、マーケットにおいて正しいものの見方と長期的かつ統計的な事実に基づいた判断力の養成の機会を提供している。 各自必ず1冊手元に置いて、折に触れ読み返してもらいたい。」と激賞しました。 私も長尾氏の意見に1ミリも異論はありません。この本は本棚の片隅に置いておくと抜群に役立ちます。具体的には「辞書+強力な精神安定剤」になります。私はよくこの本が本棚のどこにいるのかを確認し(何か月かに1回は必ず見るので位置が変わっていることが多いため)そして背表紙をチラ見して、「うん、市場で何かあったらあの本を手に取ったら万事OK、大丈夫だな。」と思います。そのくらい良い本です。 何故かというと、市場の過去200年を俯瞰できる貴重なチャートがたくさん載っているので、 あぁ、マーケットというのは常に想定外の荒波に襲われ続けるところなんだな。我々投資家は市場という海で溺れたり時に浮かんだりしながら、楽しく漂流し続けるしかないんだな。 ということが腹の底から良く分かるんからなんですね。 さて前置きはこのくらいにして、今日はまず目次を見ておきましょう。 印をつけたページが特に素晴らしいと思います。 それでは次回から、この最高の本のベストオブベストの最上の部分だけを一緒に見ていくことに致しましょう。(続く)
Dec 28, 2017
さて大納会まではまだしばらくありますが、私は年末年始はこれから予定がぎっしりで時間が全く取れません。そのため2017年の成績を本日12月27日現在で一度締めさせて戴きます。 さて早速2017年の成績ですが、対前年末比で+36.9%となりました。 今年も昨年に続いて「対TOPIX+20%」という毎年の基本目標には残念ながら届きませんでしたが、前半戦の一時期にはTOPIXにも負けそうな低迷ぶりだったことを考えれば、良くここまで回復できたと思います。また1つ1つの個別の勝負においても、冷静に「リスク・リワード比」を計算しながら、勇気を持って「慎重かつ大胆に」戦い続けることが出来たと考えています。 全体相場の好調さに助けられた部分は非常に大きいですが、今年は全体的に見て大きなミスもなくまずまず良い1年でした。また株価が上昇した銘柄については、 ジェシー・リバモアの「我慢してそのまま走らせろ。上がり始めたら売るな。」と言う教え を守って極力引っ張り続け、利益を最大化するように意識を徹底して1年間を戦い抜きました。 私たちバリュー投資家は全般に「含み損や株価ヨコヨコに耐える」事は大得意ですが、逆に「含み益に耐える」事がとても苦手 です。それはファンダメンタルズに対して割高になった銘柄がポートフォリオ上位にあると「精神的に実に落ち着かない。」からですが、そこを我慢しないとなかなかパフォーマンスを伸ばすことが出来ないので、この1年は「割高銘柄がPF上位にいる居心地の悪さに耐える」日々でもありました。 自分の今年の成績は、他の凄腕投資家の方のパフォーマンスと較べると大きく見劣りするかもしれませんが、自分なりの「規律と節制」をきちんと守り、1年間最大限の努力を続けて戦い抜けたことに満足しています。 さてこれで今年の日記の通常更新はお仕舞いです。年末年始でしっかりと休息し、充電してまた来年この場所へ戻って参ります。皆様、この1年間御訪問戴き本当に有難う御座いました。 みきまる拝。
Dec 27, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト65位ゾーン 最終章 (マーク・ダグラス ポーラ・T・ウェッブ著、パンローリング社) の最終回第8弾です。 今日は 第14章 分析に基づいて値動きに賭けるトレーダーはギャンブルをしているのか から。 カジノの経営者と同じように、確率の法則が十分に効果を発揮するように、その法則に任せさえすればよい。 言い換えると、分析が良ければ、カジノでプレーをする人々のようなギャンブルをしているのではなく、カジノの経営者のようなギャンブルをしているのだ。 ダグラスのこの 「トレーダーはカジノの経営者と同じ」 という視点は、前作の「ゾーン」でもありましたが、この「ゾーン 最終章」ではより洗練されています。 本当に分からないと思っていることは、間違えようがない。 自分はギャンブルをしているのであり、分析をするのはエッジ(優位性)を得るためにすぎない。 これが、最後のダグラスのメッセージでした。。。 「ゾーン 最終章」。 投資本の大豊作&当たり年となった2017年でも、トップ3に入る傑作 でしたね。これがダグラスの最期の作品という事が悲しいですが、本当に素晴らしい、後世に残る1冊です。未読の方は是非。(終わり)
Dec 27, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト65位ゾーン 最終章 (マーク・ダグラス ポーラ・T・ウェッブ著、パンローリング社) の第7弾です。 今日は奇跡的かつ珠玉の出来である 第13章 スロットマシンプレーヤーの視点 から。 (スロットマシンプレーヤーについて)彼らの見方では「マイナスの感情から自由」だから、怖いと思わないのだ。。。ほとんどの場合、スロットマシンの性質から、自然にそうなるのだ。 この章ではトレードとスロットマシンの共通点を並べて分かりやすく解説しているのですが、両者は本当によく似ていると思います。そして S級の凄腕投資家は「トレードを全く怖いと思っていない。」こともスロットプレーヤーと共通 していますね。 ファンダメンタルズ分析を主に使うトレーダーにおける最大の問題のひとつは、市場で多数決原理が働いていることを理解できていないことだ。。。ファンダメンタルズのどんな要素とも無関係の理由で、トレードを仕掛けたり手仕舞ったりする市場参加者は常にかなりの数いるのだ。 ということは、見えないか知られていない多くの理由のために、ファンダメンタルズ分析をした人が割高と判断したものをほかのトレーダーが買いたがるせいで、価格が上がることもある、ということを意味する。または、自分が割安と判断したものを売りたがる人がいるせいで、さまざまな期間にわたって価格が下げ続けることもある、ということだ。 市場の歴史をひもとくと、非常に堅実なファンダメンタルズ分析を使っていた多くのトレーダーが、市場の他の参加者が「合理的になって」、正しい事をするのを待っているうちに破産している。 これはファンダメンタルズ分析に基づいて戦っている我々バリュー投資家には非常に貴重かつ耳の痛い指摘です。私達バリュー投資家が「もう完全に割高だな。」と判断して自信満々で売り払ったまさにそのタイミングで、「ここがチャンスだ。」と判断したモメンタム/トレンドフォロー投資家が大挙して参入し、そこから短期間で株価が2倍3倍になる例など枚挙に暇がありません。最近だと 4686ジャストシステム の値動きが正にそうでしたね。 つまり、 我々バリュー投資家は、常にモメンタムに敬意を払って、その力を取り込めるように戦って行かなくてはならない。 という事なんですね。(続く)
Dec 26, 2017
メリークリスマス。
Dec 25, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト第65位ゾーン 最終章 (マーク・ダグラス ポーラ・T・ウェッブ著、パンローリング社) の第6弾です。いよいよクライマックスですね。 今日は最高の出来である 第11章 トレードの世界ではモノの見方・考え方が主要なスキル から。 値動きの方向を毎回、正しく予測できる分析法やシステムは存在しない。 そんなものは存在しない。 くー、ダグラス節。痺れますね。本当にその通りです。 トレードでうまくいかないからといって、自分が「負け犬」であることを意味するわけではない。 値動き方向の予測に使った分析が間違っていたからといって、自分に問題があるわけではない。 トレードでの損失は仕事をするうえで必要不可欠な経費であり、それはほかのどんなビジネスでもかかる諸経費と何ら変わりない。 このあたりのダグラスの表現に、前作「ゾーン」からの進歩を明白に感じます。非常に分かりやすいですし、心に優しく染み渡りますね。そして、 このような考え方を自然にできるのが凄腕投資家 であるということでもあります。まさに、「トレードの世界ではモノの見方・考え方が主要なスキル」なのです。つまり、 C級投資家とS級投資家の差は、分析力や知識量よりもその考え方にある ということなのです。具体的に言うと、S級の投資家は最も買いたくない気分のときに即座に株を買うことが出来ますし、1ミリも売りたくないときに迷わず売ることが出来ます。 常人とは「まるで逆」 なんですね。 (続く)
Dec 24, 2017
さて私がライフワークとして取り組み、足掛け4年の期間と「みきまる史上、最大の情熱」をかけてお送りしてきた、遠大な「2013~2017PF概況シリーズ」ですが、ようやく最後までやり遂げることが出来ました。 今は正直ちょっとホッとしていますし、その全体がほぼ優待株で構成された自分の「2017年最終完成型ポートフォリオ」を改めて俯瞰しながら、リラックスして「束の間の休息」を楽しんでいます。 さて今回の「ポートフォリオ概況シリーズ」は、「40年に一度の大相場」とも評された、アベノミクスに湧く良好な相場環境の元で2013年12月26日に始まりました。 ちなみに当時の「PFトップ10銘柄」と、それぞれの勝負の帰結は以下の通りでした。 1位 6059 ウチヤマホールディングス 世界一の高齢化がこれからも類を見ないスピードで加速するここ日本では介護関連銘柄に高い成長性があることに疑問の余地はない。実際この数年でも同業種から多くのスター銘柄が排出された。ただ、とても残念なことに、当時私が白羽の矢を立てたここウチヤマHDは私が願ったような成長を遂げることが全く出来ず、途中で「夢から覚めた」私は泣きながら撤退することとなった。 更にその後「内山さんの代わり」として2015年に新たに選定して主力化した9707ユニマットそよ風(現ユニマットRC)でも再び勝負に負けて敗走し、私の介護関連銘柄への「見立てのとんでもない悪さ」を露呈する結果となった。ちなみに、今現在はその ユニマットRCを再び懲りずに主力化 し、「3度目の正直」を目指して、元気に戦っている。(汗) 2位 6425 ユニバーサルエンターテインメント 今回の記事を書くにあたって過去日記を読み返して自分でもちょっと驚いたのだが、私はもう4年間もユニバEをPF最上位において戦い続けていることになる。今から考えると、私がユニバを主力化するタイミングはちょっと早過ぎたし、他の候補銘柄で勝負していたら今の資産規模は遥かに大きくななっていただろうとも思う。私は「いつも夢見がちな中年投資家」であり、その欠点が如実に表れた結果となった。 ま、看板施設のCOVE MANILAもようやくオープンしたし、2018年中にはオカダマニラはフィリピンナンバーワンカジノの地位を得ることになるだろうと考えているので、このまま引き続きホールドして応援したいと考えている。 3位 3385 薬王堂 当時、他のドラッグストア銘柄と較べて、目が飛び出る程に割安だった為に、専門外の「非優待株」ではあったが思い切って大きな資金を突っ込んで超主力株として戦った。結果はこの4年で「株価10倍」を達成し、私は幸運にも記録的な利益を上げることが出来た。 薬王堂は本当の「ホームラン」だった。大して予測精度が高いわけでもなく、更にあらゆる種類の失敗を未だに繰り返し続けている「万年へっぽこ投資家」の私が日々元気に暮らしていられるのは、たまにはこういう大当たりを掴むことがあるから。今は既に全株を売却済だが、薬王堂との出会いは私にとって「生涯忘れられない素敵な出来事」となった。 4位 7605 フジ・コーポレーション 長年超主力株として戦ってきたが、株価上昇で勝負を終えて今は一旦「優待株いけす」に戻った。それにしてもフジコーポのPFへの利益貢献は極めて大きなものだった。感謝してもし切れない。 5位 3172 ティーライフ 待望の東証1部昇格を果たし株価が急騰したため、今は勝負を終えた。ただ依然としてPF相対上位の位置にはあり、今後も引き続き楽しくホールドして応援していきたい。 6位 3077 ホリイフードサービス このしばらく前に当時超主力だった3097物語コーポレーションでの戦いを終えたところで、私は「次の外食のスター株候補」を正に血眼で探していた。その中で当時自分が白羽の矢を立てたのが、ここホリイフードサービスだった。ただし、結果は「全くダメ」で結局撤退に追い込まれた。その後、再び考えに考え、「物語コーポを超えられるのは、物語コーポしかない。」という実にシンプルな結論に達して、私は 「第2次物語コーポの闘い」 に踏み出すこととなった。 7位 4298 プロトコーポレーション ここは当時凄く自信のあった銘柄なのだが、結局は業績も思ったように伸びなかったし、優待改悪→廃止もあり、大して利益を上げることもなく今は完全に撤退した。投資家が持つ自信なんて実際には「ありんこ」程の重さも価値もないし、未来を正確に見通すことなど誰にも出来ないということを残念ながら自分で証明する結果となった。 8位 5185 フコク 自動車部品関連には今も昔も変わらず魅力的な水準の優待バリュー株が多いが、当時私が白羽の矢を立てたのがここフコクだった。ただその後関連銘柄を厳しく比較吟味し続ける中で、「フコクより7264ムロコーポレーションの方が総合的に見てかなり上だな。」という結論となり、「ポートフォリオの内なる戦い」に敗れたフコクは、残念ながら静かに優待株いけすに戻った。 9位 9035 第一交通産業 この4年間「絶対的な割安感」を維持し続ける、タクシー業界1位で、かつ「福証の雄」でもある銘柄。福証から東証へ篭脱けして脱出する銘柄が続出する中、実力十分の「福証の重鎮」第一交通がどういう判断をするのか、興味深く見守り続けている。 10位 9384 内外トランスライン この後の4年間ずっとPF最上位で戦ってきたが、株価上昇により私はほぼ勝負を終えた。しっかりと利益貢献してくれたことに感謝している。 こうしてみると、4年前のPFトップ10銘柄の中で、今でもトップ10入りしているのは 6425ユニバーサルエンターテインメント と 9035第一交通産業 の2銘柄だけです。これは、 「相対的に良い銘柄」というのは常に変化していくという厳然たる事実を反映している のだと思いますし、「有効な投資戦略」も同時に変化し続ける厳しい株式市場で生き残り続けるにはそうあるべき なのだろうとも感じています。 ま、いずれにせよ、これからもこのライフワークの「PF概況シリーズ」を書き続けることを通して、少しでも総合戦闘力が高くて生きの良い銘柄をPF最上位に集結させることが出来るように、絶え間ない努力を続けて行こうと思っています。 それでは引き続き、2017~2021(予定)年のロングスパンでお送りしている、現行の「3代目ポートフォリオ概況シリーズ」をよろしくお願いします。
Dec 23, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト65位ゾーン 最終章 (マーク・ダグラス ポーラ・T・ウェッブ著、パンローリング社) の第5弾です。 今日は 第10章 確実に損失を避けて勝つために分析に頼っても行き詰まる理由 から。 分析によって得られるものは、、、統計的なエッジ(優位性)だけだ。 サンプル内の個々のトレードの勝率は常に未知であり、判断できない。 仕掛けたあとに相場がどう動くかは分からないと信じている。 「私は分からない」と信じることは自分の期待を打ち消す効果がある。 「分析によって得られるものは、統計的なエッジ(優位性)だけ」と言うのが、このゾーン最終章の主題 です。後、ダグラスの「私は分からない」と言う言葉で思い出したのですが、自分は(滅多に行かないのですが)数年前にある投資家オフ会に参加した時に、その時主力にしていた銘柄の今後の株価の見通しについて、偶然隣に座っていた方から何度も何度もしつこく尋ねられたことがありました。私は(「元々そんなことは分かりっこない」という立場で常に戦っているために)非常に驚いて「良いと思って買ったのは事実ですが、これから株価がどうなるかについては私は全く分かりません。本当に分からないんです。」と繰り返し説明したのですが、その方は首をかしげるばかりで全く1ミリも納得されていませんでした。きっと私が「未来の見える魔法の水晶玉」を持っていると勘違いされていたのでしょうし、更に言えば「ゾーン」も読まれていなかったのだろうと思います。(笑) 何故なら、私は下記のダグラスの言葉通りに考え、そして日々戦っているからです。 確率という観点に立てば、あなたは次のように考えられるようになる。 A. スペキュレーターとしての分析の目的は、一連のトレードに対する高い勝率(統計的に有意なエッジ)が得られる相場の動きの特徴を見つけることである。 B. そして、一連のトレード内での個々のトレード(エッジ)では成果を出せる可能性が高いが、実際の結果は分からないと考える。 つまり、 自分なりのベストを尽くして分析をして一旦勝負に出たら、それが正しいか間違っているかは、市場に判断してもらう という ある種の「気楽さ」を持って毎日を戦っている のです。そしてこのように日々リラックスしているからこそ、私は常にご機嫌で市場で過ごせているんですね。(続く)
Dec 22, 2017
さて今日は、ついに最終回を迎えた 2017PF概況シリーズ です。569位 3041 ビューティ花壇 (東2、6月優待) △ PF569位は、生花祭壇の企画提案・作成・設営、生花の卸・物流が2本柱のビューティ花壇です。 現在の株価は310円、時価総額16億円、PBR2.45、自己資本比率は18.2%、今期予想PER16.55、配当利回り2.3%(7.11円)、総合利回り2.9%(7.11+2=9.11円、優待キャラクターグッズのヤフオク平均落札価格は200~300円)で、優待は100株保有でキャラクターグッズ+商品購入割引などです。 ビューティ花壇は指標的な割安感には乏しいですが、僅か3万円の投資で株主優待の楽しい世界を味わうことが出来るわけであり、PF下位で1枚保有していくのには全く問題の無い銘柄であると考えています。 さて長年お送りしてきたPF概況シリーズですが、このビューティ花壇を持ってついに最終回となりました。2011~2013PF概況シリーズに続いて、今回2回目のフィニッシュラインを迎えられたことをとてもうれしく感じています。皆様、ここまで長い間お付き合い戴き本当に有難う御座いました。 2013~2017ポートフォリオ概況シリーズ 完
Dec 21, 2017
さていよいよ大詰めの2017PF概況シリーズです。 568位 3159 丸善CHIホールディングス (東1、7月優待) △ PF時価総額568位の超微力株は、大日本印刷傘下で、本屋さんの丸善書店、ジュンク堂書店、学術書の雄松堂書店を持つ丸善CHIホールディングスです。本屋さん超大好き人間の私には昔からお馴染みの銘柄です。 現在の株価は345円、時価総額318億円、PBR0.90、自己資本比率は28.5%、今期予想PER35.57、配当利回り0%(0円)、総合利回り2.9%(0+10=10円、優待券は額面の100%換算。)で、優待は100株保有で1000円相当の商品券などです。 商品券を使える店舗は全国に広がっており利便性にも問題はありません。丸善CHIHDは指標的には全く見るべきところはありませんが、かなり小額の投資で1000円分の実用的な商品券を戴けるので、優待を楽しみに1枚保有していくのには大きな問題はない銘柄であると考えています。 また、最近はアマゾンが猛威を振るっており街の本屋さんはどこも完全に瀕死の状態ですが、本屋さんでウロウロしながら実際に本を手に取って読むことができるという事はとても貴重で大切なことであると考えており、私は出来る限り、同じ本ならばアマゾンではなく実際の本屋さんで買うように努めています。
Dec 20, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト第65位 ゾーン 最終章 (マーク・ダグラス ポーラ・T・ウェッブ著、パンローリング社) の第4弾です。 今日は 第7章 売買注文の流れからテクニカル分析を理解する から。 私の経験では、上昇トレンドで押し目買いし、下降トレンドで戻り売りをするのが極めて効果的だ。。。通常はだれも味方と戦わないのと同様に、トレンドに逆らうな、ということだ。 上昇トレンドでの押し目買いと下降トレンドでの戻り売りは、格言の主張を現実に適用したものだ。 「トレンドはフレンドであり、モメンタムが大切である。」と、マーク・ダグラスも考えているという事ですね。この「トレンドに、流れに身を任せるのが理に適っている」という表現は、名著 マーケットの魔術師 での、エド・スィコータの 生ある者はすべてトレンドに従っている。 との名言を彷彿とさせますね。(続く)
Dec 19, 2017
さて今日は久々に 2017主力株概況シリーズ です。 35位 9831 ヤマダ電機 (東1、3・9月優待) ◎◎ PF時価総額35位の準主力は家電量販店最大手のヤマダ電機です。前回2016年は15位でしたが、そこからはかなり順位を落としてこの位置での登場となりました。 ヤマダ電機自身は着実に業績を復調させ続けており、更には指標的にも割安で総合利回りも極めて高く何の問題もない、むしろ最高の銘柄なのですが、私の現在の投資方針として、 なるべく機関投資家が参戦しにくい小型株・超小型株を中心にポートフォリオを組み上げたい。資金力が乏しいと言う個人投資家の弱点を逆手に取り、それを武器にして戦いたい というものがあります。 端的に言えば、複数のデータからその統計学的な優位性が明らかとなっている、 小型株効果 を最大限に使いたいということがあり、その考え方の下で若干ポジションを落としました。 現在の株価は632円、時価総額6108億円、PBR0.89、自己資本比率は50.1%、今季予想PER13.42、配当利回り2.9%(18円)、総合利回り6.6%(18+24=42円、優待券のヤフオク平均落札価格は額面の80%)で、優待は100株保有で買物1000 円(税込)ごとに1 枚(500 円)が利用できる優待券を3月に2枚(1000円分)、9月に4枚(2000円分)などです。更に優待券は最大54 枚まで同時に利用可能ということで非常に汎用性・利便性が高いものとなっています。また長期株主優遇優待制度も導入されています。 全国津々浦々に12000店舗もあるので、優待券の使い勝手は最高です。その意味では、今のヤマダ電機の株価的な低評価は、優待族的には正直に言ってちょっとびっくりするというか、あり得ないくらいですね。 私は毎回優待券で色々な買い物を楽しんでいます。前回はパナソニックの除湿器を買いました。 ヤマダ電機は完全にビジネスモデルが崩壊したとか、拡大戦略の行き過ぎで店員さんの教育が行き届かず顧客満足度が業界でダントツ最下位とか、この数年はマスコミで叩かれまくっていましたが、私の観察では店舗の対応力も明白&格段に良くなっていますし、業績も完全に復調しています。 そしてここは業績さえまともであれば、優待族的には総合利回り4.0%として株価1000円以上に評価されても全く不思議ではありませんし、実際にその復調が明らかな今、現在の株価位置はあまりにも安過ぎるように感じています。これからもそんなヤマダ電機を楽しくホールドして応援していく予定です。
Dec 18, 2017
さておかげ様で超絶な大好評を戴いている「株式投資本オールタイムベストシリーズ」ですが、 今日はそのスピンアウト企画として、凄腕インデックス投資家(啓蒙家)について改めて見ておきましょう。尚、シリーズ第1弾として、 凄腕モメンタム投資家を見てみよう 2017年編 シリーズ第2弾として、 凄腕バリュー投資家を見てみよう 2017年編 を以前にアップしていますので、是非こちらも復習として合わせて御覧下さい。 まずはインデックス投資の代表的な啓蒙家であるバートン・マルキール 当ブログでは、過去に以下の書籍を紹介しています。 ウォール街のランダムウォーカー ただ、版を重ねるごとに効率的市場仮説とそれによる産物のインデックスファンドへの「信念と偏愛」が深まってきており、正直に言ってその表記は少しおかしいんじゃないかな (・・?) と感じるページが増えてきています。そのため、バリュー投資家としての私の個人的な考えでは、世間で言われるほどの名著では既に無い様に感じています。 マルキールと並ぶインデックス投資の啓蒙家であるチャールズ・エリス 彼の代表作である「敗者のゲーム」は、版を重ねるごとにその理路整然さ・無駄な表現を削げ落とした野武士の様なシンプルさが増してきており、読んでいて背筋がゾッとするほどの凄みと切れ味があります。インデックス投資に関しては、現時点ではこの本がナンバーワンであると考えています。 当ブログでは、過去に以下の書籍を紹介しています。 敗者のゲーム 大投資家の名言 世界最大のインデックス運用会社バンガードグループを1974年に設立し、翌1975年に世界初のインデックスファンドを創設。そして1999年には「フォーチュン誌」が「投資業界における4人の巨人」の1人に数えたこともある、まさに 「インデックス界の聖人」 である、ジョン・ボーグル 当ブログでは、過去に以下の書籍を紹介しています。 マネーと常識 ペンシルバニア大学大学院教授で、多くのインデックス投資家の理論的依拠ともなっている投資戦略アドバイザーのジェレミー・シーゲル 当ブログでは、過去に以下の書籍を紹介しています。 株式投資第4版 株式投資の未来 いやあ、どの本も本当に素晴らしいですね。未読の本がある方は今すぐに村いちばんの本屋さんか、もしくはアマゾンでご購入下さい。 以上、株式投資本オールタイムベストシリーズ特別編 凄腕インデックス投資家を見てみよう 2017年編 でした。
Dec 17, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト第65位ゾーン 最終章 (マーク・ダグラス ポーラ・T・ウェッブ著、パンローリング社) の好評第3弾です。 今日は第6章 売買注文の片寄りを生むさまざまな市場参加者 から。 経験豊富なトレーダーは経験が浅く未熟な相手をよく、「弱い買い方」や「弱い売り方」と呼ぶ。大口のスペキュレーターは、経験が浅く未熟なトレーダーがたいてい、「大衆」心理に沿って動くと分かっている。そのため、、、「大衆」の犠牲によって、大口のスペキュレーターが利益を得られるようにすることが可能になる。 これとほぼ同じことを名著 出来高・価格分析の完全ガイド の中で、著者の アナ・クーリング も繰り返し述べていましたね。株式市場には 大衆は常に負けて淘汰される という普遍的で宇宙的な法則があります。つまり、 私達投資家は「常に意識的に偏執狂・常軌を逸したパラノイア」でなくてはならない んですね。(続く)
Dec 16, 2017
さて 使い方一つで、日本一割高にも割安にもなる不思議な雑誌 として知られる新四季報がいよいよ発売になりましたね。 私も今日は眠い目をこすって早朝から起き出して、ネット上で四季報オンラインとメインで使っているSBI証券で主力株の最新データをチェックし、続いて様々なやり方で、かつ色々な角度から、見逃している主力株候補がないかを徹底的に検証していました。 ちなみに私は月額5400円(税込み)の有料プランである四季報オンラインプレミアムを契約しているのですが、それだけではなく毎回紙ベースの四季報もきちんと購入しています。これは本で読んだ方が「情報が目に焼き付いて頭に良く入るし、更に精神的にもしっくりくる。」からなのですが、「自分は東洋経済新報社にかなり貢いでいるなあ。」ともちょっと思います。 後、たまにふと我に返ると、左手で四季報のページを繰りながら、右手でパソコンを操作して「四季報の同じ内容」をダブルで交互に夢中で見ていることがあり、自分でも「俺、一体どうしちゃったんだろう?」と思うこともあります。もしかしてこれが「老い」というやつなのでせうか?(滝汗) さて新しい四季報が出れば、毎回「何らかの気付き」はあるものです。これまではネット上では公開してこなかったのですが、よく考えるとブログ記事にしておいた方が後から自分が参照するのにとても便利なので、今回は実験的に一度書いて見ます。尚、記事の性質上、一部内容が非公開となりますのでご了承下さい。 超主力の一角として戦っているある銘柄について、「極めて重要で大きな発見」があった。 相続税大増税の心地よい追い風を受ける「底地売買のパイオニア」の 3277サンセイランディック は元々主力の一角なのだが、来期の仕入れが非常に順調に進行しており、他の主力株と比較して「相対的にかなり良い。」と感じて、本日更に買い乗せした。 8591オリックス は、指標的な割安さ、高い成長力、破格の総合利回りの「3種の神器」が完璧に揃っており、株価が上昇しにくい「超大型株」であるという欠点を考慮しても、優待族的には、「あまりにも安い」と感じた。今後何らかの大きな悪材料が隠れている可能性はあるが、総合的に考えて「買い増しせざるを得ない」と感じて、そこそこ買い乗せした。 6186一蔵 7520エコス 8922日本アセットマーケティング あたりは中期的な視点で見ると非常に魅力的であると思うが、この1年で見ると株価は低迷し続けている。「モメンタム(株価の勢い)のない銘柄は何時まで経っても上がらない。」と言うことだし、逆に言うと、「市場にはどんな時にも割安でキラリと光る銘柄は残されている。」ということでもある。 「主力でいけるかまでは分からないが、少なくとも準主力では余裕でいけるな。」という銘柄を新しく2つ見つけた。1つは元々自分の「優待株いけす」に住んでいた子で、もう1つは全く新規の銘柄。ただ両方共に超小型株なので、仕込むのには時間がかかりそう。 来期の業績がほぼ間違いなく四季報予想を大幅に上回るだろう、と個人的には独自調査の上で確信している銘柄が少なくとも2つあった。これは四季報の調査というものが、「表面的で画一的」な「おざなり」なものであることを示しているし、四季報はいかに役立つとはいえ、あくまでも雑誌に過ぎないということを改めて認識した。
Dec 15, 2017
さて今日は通常の 2017PF概況シリーズ です。 567位 7502 プラザクリエイト本社 (東JQS、3・9月優待) △ PF567位は、写真プリント店『パレットプラザ』、『55ステーション』を擁す業界首位で、携帯端末販売が利益柱のプラザクリエイト本社です。 ここは前回の通常の2011~2013PF概況シリーズでは時価総額434位の下位銘柄だったのですが、その日記を書いたときに、「うん?、これはかなり良い銘柄だな。スマホ販売が拡大しているし、その割りに投資家的には全く期待されていないし、突然化けることがあるかもしれないな。」と感じて10枚まで買い増ししていました。そしてその後、オンラインプリントの世界最大手と資本提携したことが囃されて、突然「確変モード」に入って爆裂上げを開始したため、2014年には、PF上位(59位)にひょっこりと顔を出していました。 私はその株価高騰の狂乱の中で9枚を売り、残りの1枚は「優待株いけす」にそっと戻しておきました。この「全部売り切らずに1枚だけ残す。」のが私のやり方なんですね。 さて2014年に大相場を演じたプラザクリエイトですが、その後2016年、2017年と連続最終赤字という厳しい業績に落ち込み、株価もすっかり低迷、その結果、今回は再びポートフォリオの最深海銘柄として残念な位置で登場することとなりました。 現在の株価は358円、時価総額50億円、PBR2.77、自己資本比率は15.7%、今期予想PER49.72、配当利回り2.0%(7円)、総合利回り3.4%(7+5=12円、優待券はヤフオク平均落札価格の額面の50%で換算)で、優待は100株保有で、3月株主に1000円相当の優待券(500円で換算) プラス9月株主に、年賀状印刷割引券(0円で換算)です。 プラザクリエイトの2014年の株価急騰を見ていると、 市場で織り込みきっていない「意外性」を持つ銘柄の良さ を改めて認識します。命の次に大切なお金を賭けた、真剣勝負の戦いの場である株式市場ではどうしても、「いたずら」や「遊び心」が不足しがちで、肩に力の入った「カチカチ」の運用になりがちです。でも、それだけではこの厳しい株式市場では実は勝ち抜けません。 どんな世界でも熟練者はプレッシャーの中でも常に肩の力を抜いて、手足はブラブラ、心はユラユラとリラックスしているものですし、 ポートフォリオにはある程度の「遊び」があった方が絶対にいい ということを、プラザクリエイトの事例が鮮やかに実証していると思います。 実際私が、 S級・超A級であると認識している凄腕投資家の方々のポートフォリオを徹底解析すると、実力たっぷりの納得のグレアム流のディープバリュー株に並列して、「なんでこんなクソ株が?」と思わずにはいられないボロ株がPF上位に澄まして鎮座している ことって凄く多いんですね。(笑)
Dec 14, 2017
さて今日は通常の2017PF概況シリーズです。 566位 2404 鉄人化計画 (東2、8月優待) △ PF566位は、首都圏で『カラオケの鉄人』運営している鉄人化計画です。四季報の「業績不振で旧経営陣退陣」という言葉が当社の現状を端的に物語っていますが、逆に言うと、ここからもし復活があると投資家的には面白いなとも思います。ただ、 復活する前にそのまま息絶えてしまうリスクも一定の確率である だろうと個人的には感じています。 現在の株価は361円、時価総額24億円、 PBR142.13!!!、自己資本比率は0.3%!! 、今季予想PER48.13、配当利回り0%(0円)、総合利回り2.8%(0+10=10円、100株優待品のヤフオク平均落札価格はまとめて1000円)で、優待は100株保有で年1回、株主会員カード1枚+株主関連者会員カード10枚+自社グループ飲食優待金券(500円)5枚などです。 鉄人化計画は本当に苦しい業績が続いていますが、ここから復活すると投資家的には非常に美味しい局面を迎える可能性もあるので、じーっと業績推移を眺めています。
Dec 13, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト第65位ゾーン 最終章 (マーク・ダグラス ポーラ・T・ウェッブ著、パンローリング社) の第2弾です。 今日は第3章 相場分析は着実な成果を上げるカギではない から。 プロは自分が正しいという確信を持ってトレードをすることはない。 全く逆に、 プロは分析をしたら、自分は正しいと思うのではなく、正しい可能性が高いと思うだけ だ。 彼らは分析によって、失敗よりも成功の確率のほうが高いと考える。 次に何が起きそうか分かっている、と言う考えも思い込みも信念も持つことはない。なぜなら彼らはある時点で、たいていは痛い目に遭って学んでいるからだ。状況がどれほど良く見えようと、 分析にどれだけの時間と労力を費やそうと、マーケットではいつ何が起きてもおかしくない以上、相場の動きで確実なことはない。 これは 分析によって生じるのは可能性(期待値)だけ ということです。私もポートフォリオ上位で戦っている主力株に関しては当然、常にたっぷりと時間を使って多角度から分析をしていますが、だからといって全ての銘柄で勝てるなどとは夢にも思っていません。 勝てる可能性が高い、総合戦闘力が破格に高い、キラキラと光輝く銘柄を、PF最上位にせっせと機械的に送り込んでいるだけ。 なんですね。 トレードでの負けは常に予想外 だ。しかし、マーケットではいつ、何が起きても不思議でないのなら、、、 値動きに影響するあらゆる可能性を考慮できる完璧な分析法はない。 言い換えると、気づいたら負けていたという状況を避けるために、事前にできる事はなにもない。 つまり、 トレード・株式投資はギャンブル であるということです。よく「投資と投機の違いは?」と言う様な青臭い議論がありますが、私に言わせれば両者には全く違いはありません。 世の中に「安全な株」などというものは一切存在しない のです。前世紀の大投資家である ジェラルド・M・ローブ が述べた通り、 「すべての投資は投機である。唯一の違いは、ある人はそれを認め、ある人はそれを認めないことだ。」 それだけなのです。 投資と言う言葉には安全な響きが、そして投機と言う言葉には危険な響きがある。 ただ、それだけの事なんですね。 (続く)
Dec 12, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第65位は、ゾーン 最終章 (マーク・ダグラス ポーラ・T・ウェッブ著、パンローリング社)です。 著者のマーク・ダグラスは、相場心理学の歴史的金字塔 ゾーン を始めとする、傑作書籍を残しましたが、2015年に惜しまれながら逝去されました。 このゾーン最終章は、故マーク・ダグラスが書き残した原稿を奥さんのポーラ・ウェッブが電子出版した、 「The Complete Trader」 の邦訳となります。 このゾーン最終章は、確かに「ゾーンっぽい」ところも多くあるのですが、全体としてみると全く別の印象を持つ1冊です。私は、以下の様な特色があると考えています。1. ゾーンよりも全体に構成が良く、文章も滑らかで、具体例も分かりやすい。2. トレーディングはギャンブルであり、確率のゲームである、という主張がゾーンよりも明確になっている。トレードで生じるのは可能性(期待値)のみである、というシンプルな主張になっており、前作「ゾーン」では全編に漂っていたスピリチュアルさが消えて、より実践的な内容になっている。3. まとめると、「ゾーン」と「ゾーン最終章」は似ているようで不思議に似ていない。読後感は全く、大きく異なる。前者は哲学的で神秘的。後者は実践的で即戦力。断言できるのは、「2冊共に殿堂入りの名著」であるという事と、マーク・ダグラスがもうこの世にいなくてとても悲しいという事。 さてそれでは初回となる今回はまずは目次を見ておきましょう。 第11章、13章が特筆して良いと思います。また第19章には、旧ゾーンのスピリチュアルさが残っていて、「あぁ、もうこれからはこのダグラス節を新しく読むことは二度と出来ないんだな。」と思ってとても悲しくなりました。 それでは次回からは、「ダグラス最後の、そして渾身の1冊」 を一緒に味わって参りましょう。(続く)
Dec 11, 2017
さて今日は当ブログ一番人気の 2017主力株概況シリーズ です。 34位 3020 アプライド (東JQS、3月優待) ◎◎ PF34位の上位銘柄は、九州地盤で西日本を軸にパソコン小売店『アプライド』を展開するアプライドです。前回は2012年に230位でひっそりと登場していましたが、その後の総合戦闘力の改善と最高益連続更新中の好調な業績が評価され、今回初めてのポートフォリオ上位進出を果たしてきました。↑ 「競合他社にはまねできない手法で差別化を行います。」 いやあ、実にいい表現ですね。♬ 現在の株価は1767円、時価総額48億円、PBR1.02、自己資本比率は33.0%、今期予想PER6.46、配当利回り2.3%(40~45円)、総合利回り2.8%(40+10=50円)で、優待は100株保有で株主優待ポイント1000P(1P=1円、ポイントは自社グループ店舗およびインターネット通販で利用可)などです。 私は過去数年はずっと2000ポイント商品を戴いてきました。 さて、私は今回のアプライドの主力化に当たって数年ぶりにお店に探検に出かけたのですが、まず店内の照明が以前より明るくなっていることと、動線がすっきりして良くなっていること、掃除が行き届いて綺麗になっていることに驚きました。また修理サポート部門にはお客さんがぎっしりといて、しかもその多くが以前は店内では全く見かけなかった高齢者でした。「アプライドは新たなお客さんを捕まえることに成功したんだな。明らかに良くなってるな。」と実感しました。 実際に過去10年間の業績推移を見ても、この数年で営業利益率が急改善しています。(上記データは四季報オンラインプレミアムより引用) この業績改善の理由ですが、IRによると以下が理由とのことでした。1. 小売り中心だったのを、5年位前から法人(通販業者とか事務メーカーなどの卸売業が中心)への販売メインに切り替えた。理由はその方が台数が売れて効率が良いからなのだが、この2、3年でようやく利益が出るようになってきた。2. 小売りに関して、以前は物販がメインだったがPCサポートサービスを合わせて提供するようにした。これによって利益率が改善した。(みきまる注 同業他社でかなりエグいサービス体系で有名なところもありますが、アプライドでは「75歳以上の高齢者は契約できないようにするなど、良心的にやっている。実際サービスの評判も良い。」とのことでした。)またサービスをメインにするに当たって3年位前から各店舗も綺麗に改装した。 また今期はこれまでのところ業績推移がイマイチなのですが、これについては、3. 人件費が嵩んだ。法人営業のために40人ほど新しく雇用してその教育費に経費がかかっているため。ただしこれから年度末、特に4Qに向けて法人向けの売上が伸びるので、今のところ(会社予想程度の)数字は出せると考えている。またこの数年の利益改善の理由となった上記の1・2共に落ち込んでいないので、今後も現在程度の利益は出せると考えている。 とのことでした。 またパソコン小売りという括りで同業他社を見てみると、3020 アプライド (PBR×PER=6.59)3021 PCNET (PBR×PER=11.73)3375 ZOA (PBR×PER=17.16)7618 PCデポ (PBR×PER=59.20) と、 グレアムのミックス係数 で見ても、明らかにアプライドが1人だけ安いことが分かります。 そして「アプライドが激安である理由」ですが、恐らく数年前までの「裏寂れた、人気のないC級のPC屋」という負のイメージが多くの投資家に残っていて、それで過小評価され続けているのかなあ?と個人的には思っています。 以上、業績急改善中で、同業他社と較べても指標的にも極めて割安なアプライドを、新たなポートフォリオ上位銘柄として愛でながら、楽しくホールドして応援していく予定です。2017主力株概況シリーズ 免責事項2017主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次の、1つ上の無重力のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上かつ頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、死んだ目の魚になっていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこくて執念深い独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものではありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも決して分からないため記事内容の正確性は保証しません。私には未来を予見する力は一切ありません。魔法の水晶玉は残念ながら持ち合わせておりません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い、損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.000%御自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。
Dec 10, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト第64位ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること (苦瓜達郎著、幻冬舎新書) の後編です。 今日は、非常に出来の良い 第2章 誰にも開陳したことがない私の投資哲学 から、特に素晴らしかった部分を見ていきましょう。 PBRではなくPERを重視する理由 (P37) 私自身は投資の際にPBRをあまり重視していません。重要指標としているのは、PERです。これは、企業が将来にわたり上げていく利益こそ、投資家にとっての企業の価値だと考えているからです。 また実際のところ、 PBRに注目して株価を評価しても、勝ちにくい という問題もあります。 この苦瓜さんの指摘は鋭いと思います。私には グレアム 直系の 「しけモク投資家」 としての側面があり低PBR銘柄が大好きなのですが、自分の過去のデータを見ても「負けにくいのは確かだけど、大勝ちすることも少ない。」のが厳然たる事実なんですね。 主戦場は「中小型株投資」(P45) 中堅企業は全体像が把握しやすく、「伸びている事業は何か」「その要因は何か」といったことも明確なことが多い。 大型株投資よりも中小型株投資のほうがシンプルであり、「勝ちやすい」。 中堅企業はとても健全でおもしろい(P49) 日本企業は社員数数百名程度の規模が、組織として最もパフォーマンスがいい。 日本人には、法律のような明文化された決まりより、「不文律」や「掟」が機能しやすい国民性がある。 結果として、大企業はどうしても身動きがとれなくなりがち。 私も苦瓜さんと同じで中小型株専門の投資家ですが、その理由は以下の通りです。1. 大型株に比べて小型株の方が投資成績が良いという 「小型株効果」 に複数の有力なエヴィデンスがある。2. 事業内容が多岐に渡り全容を把握することが難しい大型株と違って、 小型株は理解するのが簡単 である。3. 大型株は資金量と情報量で勝るプロの機関投資家と「ガチンコバトル」をしなくてはならなくなるので、個人投資家には極めて不利である。その一方、小型株は時価総額が小さくて日々の出来高も少なく著しく流動性に欠けるので、資金力があり過ぎて「図体のデカい」恐竜は参戦しにくい。 機関投資家と言う「恐竜が入り込めない裏路地の秘密の花園」で存分に暴れまわることは痛快で楽しい し、理に適っている。 「自分が高確率で死ぬことが分かっている危険な戦場」に分かっていて馳せ参じる必要は全くない。4. 魅力的な中小型株の一部は、時の経過と共に正当に評価され、株価が上昇し時価総額が大きくなる。するとどこかの時点で、「グラウンド3周遅れ」で、機関投資家が満を持して全力で参入してくることとなる。そのタイミングで、安値で仕込んでいた持ち株を恐竜の機関投資家に売りつけてポッケに札束をねじ込んで「音速でダッシュで去る」 風と共に去りぬ殺法 を使うことができる。バリュー投資か、グロース投資か(P61) 私自身が運用しているファンドはいわゆる「バリュー投資」を行っています。 私がグロース投資を行わないのは、私にはグロース投資の世界があまりよく理解できないからです。 端的に言えば、グロース投資は「自分は他人より賢い」という前提に立っています。 私も基本的にグロース投資は行いません。その理由は以下の通りです。1. 成長性を評価してファンダメンタルズ(PBRやPER)から見て明らかに割高な株を買うという グロース戦略は、「その成長が今後も未来永劫続く」という非常に不安定で陽炎の様な、「現実にはあり得ない」前提に立っている のが「落ち着かなくてたまらなく嫌」であること。2. グロース投資の長期成績が劣悪 であること。ウォール街のモメンタムウォーカー個別銘柄編 によると、 1927~2014年の87年間の長期パフォーマンス で見て、モメンタム株が16.85%、バリュー株が12.41%、ベンチマークとなるS&P500が9.95%なのに対して、グロース株は8.70%とインデックスに劣後する悲惨極まりないものとなっている。3. 過去17年間の自分の観察でも、グロース投資家は単年度で好成績を収めることはよくあるが、数年単位で見ると高い確率で淘汰されて市場から消えている。生き残っているのは モメンタム/トレンドフォロー投資家 とバリュー投資家 がほとんどである。 さて、この本の紹介は以上です。簡単に読み切れますし、それでいて得るところの多い名著と思いますので、未読の方は是非。
Dec 9, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベストシリーズです。第64位は、ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること (苦瓜達郎著、幻冬舎新書)です。 著者の苦瓜(にがうり)さんは、大和住銀投信投資顧問のシニア・ファンドマネージャーであり、長年に渡って抜群の好成績を収めてきたことで知られています。 そして彼が運用している、東証2部・JASDAQ銘柄をメインとした「大和住銀日本小型株ファンド」と、時価総額1000億円以下の銘柄を投資対象とした「ニッポン中小型株ファンド」が、我々ジャンキー系のバリュー投資家にとって「ネタ元の1つ」となっていることは、 誰も語らない公然の秘密 です。(笑) そして私自身もこの両ファンドが保有している銘柄については「定期的に徹底分析」していますし、もっと言うと、 自分が「真のベンチマーク」としているのもこの2つのファンド です。 この本は新書で170ページしかないので、1時間もあればすぐに読めると思います。私も昨日アマゾンから届いてすぐに読んだのですが、読了して思ったのは、1. 長年ファンドマネージャーとして第一線で戦い続けてきた人間にしか書けない、日本の ウィリアム・オニール 的な「圧倒的な実践感」のある良い本である。2. 文章が平易で極めて分かりやすい。苦瓜さんが モニッシュ・パブライ の様に、ずば抜けて頭の良い人間であるという事がダイレクトに伝わってくる。 ということでした。 個別でいうと、第2章 誰にも開陳したことがない私の投資哲学 が特に良かったと思います。 それでは次回は、この圧倒的に出来の良い第2章を中心として、「苦瓜文学」を一緒に味わってみることと致しましょう。(続く)
Dec 8, 2017
さて今日は通常の2017PF概況シリーズです。565位 8291 日産東京販売ホールディングス (東1、3月優待) ◎ PF565位は、日産系最大手ディーラーの日産東京販売ホールディングスです。 現在の株価は402円、時価総額268億円、PBR0.71、自己資本比率は46.7%、今期予想PER8.12、配当利回り2.5%(8~9円)、総合利回り3.2%(8+5=13円)で、優待は年1回100株保有で500円相当のクオカードなどです。 盤面が「往年の名車シリーズ」なので、車好きの優待族の方には超お勧めの銘柄となります。具体的に過去3年分を見ておきましょう。 日産東京販売ホールディングスは指標的にも安いですし、優待クオカードにも力がありますし、PF下位ではちょっと申し訳ないくらいの良い銘柄であると評価しています。
Dec 7, 2017
さて今日は2017PF概況シリーズです。564位 2726 パルグループホールディングス (東1、2月優待) △ PF564位は、ヤングレディス衣料を多展開しているパルグループホールディングスです。 現在の株価は3450円、時価総額805億円、PBR2.00、自己資本比率は47.2%、今期予想PER18.14、配当利回り2.0%(70~75円)、総合利回り2.3%(70+8=78円、優待券はヤフオク平均落札価格の1枚400円で換算)で、優待は100株保有で共通割引優待券2枚 { (1)自社店舗での商品購入15%割引(買物限度額10万円、一部除外品有) (2)自社インターネットショッピングサイトでの商品購入15%割引(買物限度額10万円、一部除外品有) (3)自社子会社運営宿泊施設「浜木綿くろしお山荘」・「フリーゲート白浜」宿泊コース料金50%割引(4名まで)※1枚につき(1)~(3)より1つ選択} です。 さて私は元々7598ナイスクラップを100株持っていたのですが、2015年に株式交換によってパルに完全子会社化されました。そして株式交換比率が、パル「1」に対して、ナイスクラップ「0.11」、つまりナイスクラップ1株に対し、パル0.11株を割り当てると言うものだったために、私はパル株を11株だけ貰う事となったのでした。 私は優待族なので、「こうなった以上はパル株を100株まで買い増しして優待を貰いたい。」という本能が働くのですが、自分の基準ではどうしても今の株価位置でのパルを買うことが出来ず、それでしぶしぶ「不本意な11株」だけを抱いて、毎日シクシクと泣きながら枕を濡らして眠っています。私がパルを買い増しできる日が来ることは果たしてあるのでしょうか?
Dec 6, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト63位マーケットのテクニカル分析 (ジョン・J・マーフィー著、パンローリング社) の最終回第5弾です。 今日は 第10章 オシレーターとコントラリーオピニオン を見ていきましょう。 オシレーター(Oscillators)とは、 市場の買われ過ぎ・売られ過ぎを判断する指標 です。具体的には、ROC(Rate of Change 変化率)、RSI (Relative strength index 相対力指数)、MACD(Moving Average Convergence/Divergence Trading Method 移動平均収束拡散法)、ストキャスティクス、ラリー・ウィリアムズの%R などがあります。 、、、はい、皆様、もう既に頭が痛くなってきましたね。でも安心してください。オシレーターが分からなくても市場で生き抜くことができる事は、移動平均を理解するのがギリギリやっとの私が長年元気にマーケットで過ごしていることが既に証明しています。(笑) ただ、株価に明白なトレンドがない時にオシレーターが聴診器として役立つのは事実であり、私も「たまに」参考に眺めることがあります。そういう時には、この第10章が非常に役立つんですね。オシレーター系の指標の見方を懇切丁寧に教えてくれています。具体例をいくつか見ておきましょう。 ちなみに、私がメインで使っているSBI証券を見ると、山の様なテクニカル指標を利用することが出来ますし、その中にはオシレーター系の指標もたくさんあります。 そして、この本が手元にあれば、どの指標も「意味を読み取ることができる」のです。つまり、この 「マーケットのテクニカル分析」は辞書としても使える 訳で、 まさに「全投資家必読」の「一家に1冊」的な名著 なんですね。是非、皆様もこの機会に1冊お買い求めください。手元にあると、抜群に役立ちますよ。♬ (終わり)
Dec 5, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト63位マーケットのテクニカル分析 (ジョン・J・マーフィー著、パンローリング社) の第4弾です。なお今回がこのシリーズの最重要回となります。 今日は、個人的にはこの本のベスト部分と考えている 第9章 移動平均 を見ていきましょう。 移動平均(Moving average)は、あらゆるテクニカル分析指標のなかで最も万能 で、広く利用されているものの1つである。。。多くのメカニカルなトレンドフォローシステムの基礎として用いられている。 移動平均は本質的にトレンドフォローのためのツールである。。。 移動平均は曲線のトレンドラインのようなもの だ。。。移動平均は、市場を追随するだけの指標であり、市場の先行指標ではない。けっして相場を予測することはなく、ただ相場に反応するのみである。 移動平均は平滑化のための装置 である。。。 より滑らかなラインを引くことができ、それによって潜在的に進行中のトレンドを容易に判別することができる。 しかし、当然のことであるが、移動平均線は市場の動きからは遅れてしまう。 単純移動平均は、大半のテクニカルアナリストが用いる手法である。 シグナル発生のために2本の移動平均を使用する方法 この手法は 二重交差メソッド と呼ばれる。この手法では、 短期の移動平均が長期の移動平均を上回ったときに買いシグナル が出される。 私はテクニカル指標はほとんど見ないのですが、この二重交差メソッドだけは唯一使っています。その理由は、非常に分かりやすくかつシンプルな指標だからです。 極力「簡単な投資」をすることが自分の最大の目標 なんですね。 移動平均の長所と短所 移動平均システムはこのような原則に基づいた売買シグナルを提供してくれるので、利用者はルールに従ったトレードがしやすくなる。 しかし、移動平均システムはまさにトレンドフォローを主眼に置いているため、相場にトレンドのある期間は有効に機能するが、相場がちゃぶついている時期や横ばいの時期はあまり成績が良くない。そして、ちゃぶついていたり、横ばいの基幹は相場全体の3分の1から半分にも及ぶことがあるのだ。 それほど長い期間、システムがうまく機能しないということは、過度に移動平均という手法に依存すると危険であることを表している。しかし、 トレンドのある市場では、移動平均ほど有効なものはない。 。。 トレンドのないときは非トレンド型の手法、例えば買われ過ぎ・売られ過ぎを判断するオシレーターなどが適切に機能する ようになる。 どうでしょう? マーフィーの説明って抜群に分かりやすくないですか? 本当に素晴らしい本ですね。 さて、先ほども少しだけ述べましたが、コテコテのバリュー投資家である私は、基本的には移動平均以外のテクニカル指標は使いません。その理由は簡単で、「自分には難し過ぎてよく理解できないし、とてもじゃないが使いこなせない。」からです。 最後に、私が普段見ているチャートのひな形を示しておきます。 上段のチャートには 価格帯別出来高(ボリューム・アット・プライス VAP) を表示しています。VAPは買いと売りが集中している価格帯をビジュアルで分かりやすく教えてくれますし、株価の支持線や抵抗線がどこにあるかについても多くの示唆を与えてくれます。ちなみに、このVAPについて詳しく学びたい方は、アナ・クーリングの名著 出来高・価格分析の完全ガイド を是非ご覧下さい。(ここからは余談ですが、私が超主力株として戦っている6425ユニバーサルエンターテインメントに関して、フィリピンカジノが収益化して利益が具体的に見え始めたら株価は青天井になるだろうと以前から期待しています。その理由はファンダメンタルズが劇的に良くなることと同時に、株価が4500円を超えると価格的な抵抗線がなくなるからです。) そしてテクニカル指標としては 単純移動平均線 を3本使っています。株価にトレンドがあるのか、ないのか、がすぐに分かるので重宝しています。 下段には 出来高 を表示しています。それはクーリングが言う通り、「出来高はパワフルで隠せない。」からですね。 私はこのように「とてつもなく、極限までシンプル」に戦っている、「永遠の3歳児投資家」なのです。(笑)
Dec 4, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト63位マーケットのテクニカル分析 (ジョン・J・マーフィー著、パンローリング社) の好評第3弾です。 今日は、第4章 トレンドの基本概念 を見ていきましょう。 トレンドの概念は、相場のテクニカル分析には不可欠である。支持線・抵抗線水準や価格パターンや移動平均やトレンドラインなど、チャート分析者の用いる手法はトレンドを見極め、それに乗るという目的のためだけにある。 市場には上昇トレンドか下降トレンドのどちらかしかないと思っている人が多い。相場が上昇トレンドと下降トレンドと横ばいの3種類があるのは、重要な事実である。特に、横ばいには注意すべきだ。なぜなら、控えめに見積もって、全体の3分の1がトレーディングレンジと呼ばれる水平で横向きの傾きになるからである。 この、「市場にはトレンドの無い横ばいの時期があり、しかもかなり長く続く」事は、言われてみると当たり前のことですが、普段あまり意識できていなかったので勉強になりました。 テクニカル手法とシステムの大部分はトレンドフォロー型である。。。そしてまさに、 テクニカル手法を用いるトレーダーが強いストレスを感じたり、システムトレーダーが大きな損失を被るのが、この横ばいの時期 なのだ。 トレンドフォロー型のシステムが機能するには、当然ながらトレンドが必要 になる。 マーフィーのこの指摘は、「うまく機能することが多くのバックテストで証明されているトレードシステム」が実際には利益を上げることが出来なかったり、場合によっては損失を出してしまう理由を端的に述べていますね。 有効トレンドラインにするには3つ目の点が必要となる。。。3つ目の点が確認され、トレンドがその方向を維持すれば、トレンドラインは、さまざまな意味で有効となる。トレンドの基本概念の1つは「形成し始めたトレンドは、その動きを持続する傾向がある」というものだ。 多くの場合、トレンドラインの突破はトレンド転換を示唆する最も重要な早期警戒シグナルの1つである。 ここではトレンドラインの説明を例に出しましたが、この本は「とにかく説明が簡潔でかつ分かりやすい」んですね。本当に素晴らしいと思います。(続く)
Dec 3, 2017
さて今日は株式投資本オールタイムベスト63位マーケットのテクニカル分析 (ジョン・J・マーフィー著、パンローリング社) の第2弾です。 今日はまずは第1章 テクニカル分析の哲学 をメインに見ていきましょう。 テクニカル分析で用いられる多くの手法はトレンドフォロー型である。 トレンドフォロー手法の基本とは、まさに反転のサインが現れるまで、今あるトレンドに乗り続けること。 チャートパターンは、価格チャート上に表れた投資家たちの心理の縮図。 テクニカル分析は人間(投資家)の心理そのものの研究。 いやあ、世界ナンバーワンのテクニカルアナリストの言葉は歯切れが良くて最高ですね。第1章からこの切れ味。期待が高まります。♬ 両者(テクニカル分析とファンダメンタルズ分析)とも価格がどちらの方向に動くかを判断するための分析であり、同じ問題を異なった角度から取り組んでいるにすぎない。ファンダメンタルズ分析者は相場が動く「原因」を研究している。一方、テクニカルアナリストが研究しているのは、その「結果」である。 我々ファンダメンタルズ派とテクニカル派と言うのは、とにかく様々な面で「宗教論争」的に激しく対立しがちな訳ですが、マーフィーはそれをやんわりとたしなめています。「トムとジェリー、仲良くケンカしな。」という事でしょうね。(笑) チャートが非常に主観的であるというのは本当 である。 チャートを読むことは、ひとつのアート である。チャートパターンが明白なときは、ほとんどない。経験を積んだチャート分析者たちでさえ、パターンの解釈が一致することはあまりない。そこには常に懐疑と不一致の要素がある。本書で論じるようにテクニカル分析には多くの様々な手法が混在している。 そう、 テクニカル分析はアート なんですね。その一方で、我々バリュー投資家が専門としている ファンダメンタルズ分析は非常に明快で、再現性があり論理的で分かりやすい ものです。そしてその 長所を愛しているからこそ、私たちはバリュー投資家で在り続けている んですね。 チャートは単なるデータの記録 である。。。 データ自体にはほとんど価値はない。それはペンとキャンパスのようなもの である。それら自体には何の価値もない。だが、才能ある芸術家の腕にかかれば、それは美しい絵になる。 マーフィーがいきなり喝破しているように、テクニカル分析はアートに過ぎません。ただし、だからといて価値がないわけでは全くありません。何故なら、使う人間の技量によって驚異的な結果を出すことができるからです。それは、ジョージ・ソロススタンレー・ドラッケンミラー ポール・チューダー・ジョーンズ エド・スィコータ マーティン・シュワルツ ら、 多くのテクニカル投資の巨人が想像を絶するほどの金銭的成功を収めているという「明白な事実」 が何よりも雄弁に証明していますね。(続く)
Dec 2, 2017
いやあいよいよ12月になりましたね。 さて最近は毎月プロフィール画像を新しく更新しているのですが、今月はクリスマスへのカウントダウンが楽しみ過ぎる12月らしく クリスマスツリーみきまる です。 その心は、 ポートフォリオ全体を、魅惑のオーナメントでいっぱいのクリスマスツリーの様な、素敵で小粋で愉快な銘柄で埋め尽くす という、私の投資家としての永遠の目標を具現化したものです。 それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
Dec 1, 2017
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