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さて今日は、株式投資本オールタイムベスト6位
ピーター・リンチの株で勝つ (ピーター・リンチ著、ダイヤモンド社、2001年)
の第6弾です。
今日は、 はじめに/アマチュアの強み から。
このパートを最初に読んだ時は本当に衝撃的でした。それまでは「投資の世界では我々アマチュアはプロには勝てないんだろうなあ。」とぼんやりと思っていたからです。それでは始めましょう。
私はこれから三〇〇ページにわたって、プロの投資家としての私の成功の秘訣を語る。しかし、逆説的に聞こえるかもしれないが、第一のルールは、もはやプロの言うことに惑わされるな、ということである。投資の世界に二〇年間携わってきて、私には、普通の人がその頭を三%も働かせれば、平均的なウォール街のプロと同等あるいはそれ以上にうまく投資できることが分かってきたのである。
アマチュアが失敗するのはプロの真似をしようと後追いするときだけである。
実際、アマチュアは視点さえ間違わなければ、プロや全体の相場よりずっと好成績をあげやすく有利だ。自分で株を選べばプロに勝てるのに、なぜ迷うのだろう。
少し意識的に自分の仕事や近所の商店街などで起こっていることを見るだけで、ウォール街が気がつくよりずっと以前に、すごい銘柄を見つけることができる。自分の働いている業界の変化や、消費者としての情報を意識的に利用すれば、一〇倍になる株を見つけられるだろう。私のフィデリティ社在職中にしょっちゅう見かけたことである。
消費者としての強みを生かせばウォール街の超エリートに勝てるというリンチの指摘は、私がこの本を初めて読んだ20年前には非常に新鮮でしたし、当時頭がカチ割れるようなインパクトがありました。そして同時に心の中に「自分にも出来る。」という勇気がモリモリと湧いてきました。
レッグスやダンキン・ドーナツなど身近な銘柄を手がけることの長所は、そこのパンストをはいたりダンキン・ドーナツのコーヒーを飲んだりするたびに、高給取りのウォール街のアナリストが行っているファンダメンタルな調査と同じことをしているということだ。店舗に実際に入ったり、商品をテストしてみるのは、アナリストの仕事のなかでも重要な要素の一つなのである。
大切なことは、ウォール街が知る前に、消費の最前線にいるあなたが知るチャンスのほうが高いという点である。ダンキン・ドーナツの新しい店があなたの住む地域に八店舗も出たことを知っているあなたが、メリル・リンチのレストラン株専門アナリストが推奨するのを待っている必要は全くない。
理由は後述するが、メリル・リンチのアナリストがダンキン・ドーナツの株に気づくのは、二ドルから十ドルへと五倍ほど上昇したときであるが、あなたなら二ドルの時点で、すでにダンキン・ドーナツの業績が伸びていると気づいたはずだからである。
この「
ウォール街が知る前に、消費の最前線にいるあなたが知るチャンスのほうが高い」というリンチの指摘は強烈に刺さりました。その通りだと思いましたし、我々個人投資家に与えられた「数少ない武器」の1つなんだなとも感じました。。。
、、、このリンチの神本を最初に読んでからほぼ20年間が経過しました。
私は本書をそれから何度も何度も再読し、投資家としての沢山の手痛い経験を積みながら、自らの投資法の中に取り入れてきました。
具体的には、イオンを筆頭とする巨大ショッピングセンターをアンテナ全開で注意深く徘徊し、活気があってかつお客さんの目が輝いているお店を見つけて、そこが上場しているかを調べ、ファンダメンタルズ的に許容できる水準であればその確信度に応じて投資をする、というやり方を実践してきました。
10年近く前には、「バック屋さんってショッピングモールにいくつも入っているけど、よく見ると 9990サックスバー(当時の社名は東京デリカ)
がマルチブランドで出店しているだけでほとんど独占してる。しかもどのお店もそれなりに繁盛している。」という事に気付いて大きく投資し、1発で10バガーを達成することが出来ました。
また郊外型の店舗チェーンでは、丸源ラーメンの肉そばの驚異的な美味しさに感動したことをきっかけとして 3097物語コーポレーション
に大きく投資し、巨大な利益を上げるという経験も得ました。
そして最近は、店舗の活気やモール内での相対的な戦闘力の高さを反映して婦人服チェーンの 2792ハニーズホールディングス
、また「3コインズ」のお店の驚異的な混み具合を目にしたことをきっかけにして 2726パルグループホールディングス
を主力化して戦っています。
これらの全てが、このピーター・リンチの本書から学んだことです。
この本との出会いが無ければ、自分が今こうして世界最弱の日本株市場で元気に生き残っていることはなかったかもしれませんし、本当に感謝しています。これからも「常にリンチの本書と共に」投資家稼業を送っていきたいと考えています。(書評終わり)
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