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2025.06.26
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カテゴリ: 健康・元気
コレステロール論争に対するJ-CLEARとしての見解


1.高コレステロール血症が動脈硬化性疾患の危険因子であることは多くの疫学研究によって確認されているが, 発症リスクに性差があるという認識が国民に浸透していない印象がある。
女性では男性よりも動脈硬化性疾患の発症リスクが低く, とくに心血管リスクの上昇する閉経後においても約10年は動脈硬化性疾患が発生しにくいとされる。
これらのことから男女別の基準値,とくに女性の更年期以前と以降の基準値を提示して,国民,一般医家に啓発する必要がある。

2.また,血液中のコレステロール値をどのレベルまで下げると心筋梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクが低下し発症を予防できるかについては, 個々が有している危険因子や動脈硬化性疾患の既往の有無によっても大きく異なる。
動脈硬化性疾患の予防には コレステロール値は低いほどよい,とする研究者の主な根拠 は, 高血圧や糖尿病など冠動脈疾患のリスクの高い症例や,すでに狭心症などの既往のある症例での二次予防に対する治療介入研究に基づいている
しかしその結果をリスクの低い一般住民にまで敷衍することはできない。 したがって一次予防と二次予防の管理目標の違い,


3.一方 「コレステロール値は高めが長生き」と主張するグループの見解 は,主に一 般住民での一部の調査結果を根拠 にしている。
しかし一般住民の追跡調査では,慢性肝疾患などの消耗性疾患や虚弱体質といった住民の除外補正が十分行われていないために,
コレステロール値の低い例が死亡するという統計成績になった可能性がある。
したがってその結果から,一 概にコレステロール値が高い方が長寿であると結論づけることはきわめて危険 である。 むしろ当機構としては,高リスク症例や心血管既往例が脂質異常症の治療を放棄することで, 心血管発症リスクや死亡リスクが非常に高くなることを憂慮する。 また日本人では,総コレステロール値が低い高血圧例では脳出血の発症リスクが高いという成績も示されていることから, 厳格な血圧管理による脳出血予防も重要となる。

4.脂質異常症の基準を 一律にLDLコレステロール値140mg/dL以上とすることは, 被験者をラベリングすることで不要な治療を促す要因となりかねない ことから好ましくなく, 当機構としては性差を考慮し,なおかつ治療必要性あるいは管理基準と整合性のある診断基準が必要と考える。 具体的には特定健診結果表において,受診勧奨判定値を男女一律にLDLコレステロール値140mg/dL以上としていることは, 判定医師の判断や受診者の疾病認識において誤解を招きやすい。

5.動 脈硬化性疾患発症のリスクはコレステロール値のみでなく, 高血圧,糖尿病,喫煙,家族歴などの他の危険因子や動脈硬化性疾患の既往も考慮したトータルな生活習慣病の管理が重要 であると考える。 したがって高コレステロール血症の治療開始基準や到達目標値は,他の危険因子の存在や, 心筋梗塞,脳卒中などの既往の有無などで層別化した管理基準をいっそうわかりやすい形で示し,一般医家と国民への普及啓発が望まれる。

高齢者における脂質異常症管理





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最終更新日  2025.06.26 07:02:46


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