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2025.11.18
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カテゴリ: USA
「台湾問題」でトランプをテストする習近平、米国の“弱さ”を示すことにも…ルビオ国務長官の発言の意味
11/18(火)

2025年10月27日付 ウォールストリート・ジャーナルは、 「習近平はトランプを台湾でテストする」 との社説を掲げ、 米中首脳会談でトランプは台湾独立への反対を明言することを求める習近平の要求に応じるべきではない 、と主張している。

 トランプと習は韓国で会談する。メディアの関心のほとんどは貿易だが、習近平には他の議題がある。それは、トランプを言いくるめて、台湾の民主主義に対する米国の支持を弱めることだ。

ルビオ国務長官は、トランプ政権が台湾を見捨てる見返りに貿易で有利な扱いを求めるようなことは誰も考えていない、と発言 した。それは良いことだ。

 習近平の要求は米国が公式に台湾独立への反対を表明することだ。この点につき現在の米国の政策は意識的に曖昧さを保っている。

 米国の政策は、米国は一つの中国政策と台湾がその一部であるという中国の立場を「認識している」が、その政策を承認してはいない、というものだ。これは、些細な違いではない。習近平は、ウクライナに対するプーチンの立場と同様に、台湾は中国の一地方に過ぎないので、同地の2300万人の一度も中国共産党に支配されたことの無い自由な人民を統治することができる、という話に世界を従わせようとしている。



 トランプは台湾が自衛のための支出を増やすことを希望している。しかし、習近平の見方を認めれば、それは台湾人民のモラルを下げ、自己防衛の努力は無駄だと言っているに等しい。

 中国は、正に台湾がそのような結論に至ることを期待している。それは、米国の軍事力が過去10年で最低の状況にある中で、実際上抑止を弱体化させる効果を持つ。それは、米国の弱さを示すことになり、紛争を招く。

 1979年の台湾関係法は、「ボイコットや禁輸を含む台湾の将来を決定しようとする平和的方法を除く如何なる行為も米国にとり重大な懸念である」と規定している。台湾海峡で恫喝を行っているのは中国側のみで、台湾ではない。

ルビオの発言は、大統領がこのことを全て理解していることを示唆している。しかし、習近平と同じ部屋に居るトランプには何でも起こり得る。

 台湾には、地政学から核心的価値まで全ての点で米国が関心を寄せている。台湾は、中国の野心に米国が対抗する上での安全保障上の外縁である第一列島線の一部である。

 このことを世論に強調している政治家は少ない。しかし、トランプは、台湾を売り渡せという習近平の要求を拒絶することで、世界平和に大きな貢献をすることができる。

 米中首脳会談実施以前の社説だが、重要な問題を指摘している。米中首脳会談後、トランプ大統領は、「台湾問題は一切議論しなかった」と発言し、この懸念を増幅させた。

 関税やレアアースの合意は複雑で、相当の時間を要したことは理解できる。また、大統領にとっては経済こそ米国内にアピールしたかった点であるので、特に台湾問題を議論する理由はない。しかし、習近平主席は、レアアースという伝家の宝刀を抜いた以上、それを矛に収める上で重要な議題を交渉に載せようとするだろうし、台湾がそこに入らないとは考えられない。

 そもそも、事前にルビオ国務長官が、この記事にあるような発言をしなければならなかったこと自体、現状を如実に表している。(1)大統領自身が台湾の防衛を重視していないこと、(2)大統領にとって、習近平主席との間で「美しい」取引を作ることが最優先事項であること(そのためには、武器供与であろうが頼清徳総統の米国立ち寄りであろうが、中国が嫌がるような行動を取るつもりはない)、(3)従って、大統領が中国と取引するために、台湾を交渉の駒にする実際上の可能性と危険性があるというのが関係者の認識であること、が現状だろう。だからこそ、事前の観測を否定するために発言する必要があるとルビオ長官が考えたのだろう。

 次いで、台湾の位置づけに関する米国の立ち場について言及しておこう。この記事が言うように、米国政府は、台湾が中国の一部であるという中国政府の立場を 「recognize」している。この「recognize」というのは非常に微妙な言葉で、合意はしていないのだが、日中共同声明に言う、(台湾が中国の一部であるという)中国政府の立場を「十分理解し、尊重する」とどちらが「自由度」が高いのであろうか。「recognize」の日本語訳を「承認する」とすると、日本語のニュアンスとしては、理解と尊重より中国側の立場を認めている度合いが強いようにも聞こえる。

 なお、台湾有事発生に当たっては、中国は即座に「これは中国の国内問題で、国際社会の干渉は内政不干渉の原則に反する」と言ってくるであろう。問題は、国際社会が、これにどのように反論するかである。



 なお、一旦台湾を国家として認めれば後戻りはできないので、日中共同宣言の依って立つ基盤が崩壊する。この点を適宜適切なタイミングで中国政府に伝えれば、中国に対して、台湾有事を起こすことを思い留まらせる上でも一定の効果があると思われるので、この視点からも、台湾問題を事前に突き詰めておくことの意義は大きいと思われる。





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最終更新日  2025.11.18 07:04:10


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