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「 第一期之ニ
は『従明治十年至同二十一年』で、兵卒姿の父が甘蔗の杖をついて右手は海の崖道を歩いている。前方遙かに幽かに二つの峯が見えているが、その手前には黒雲みなぎって電光がキラメキ前途暗澹としている光景である。氷糖、精製糖発明の苦心時代の画である。」

「 第一期之三
は『従明治二十二年至同二十八年』で、岬の絶端に到達した兵卒姿の父は腰に手を当て甘蔗の杖を小脇に抱えて前方を遙かに眺めている。前は洋々とした大海で遙かに二つの島を望み、近くには3艘の汽船が黒煙を吐いている。精製糖事業の研究が一通り完成して郷里から東京へ移り、28年暮に会社組織となるまでの図である。」

「 第ニ期之一
は『従明治二十九年至同三十三年』で、将校姿の父は馬上甘蔗の鞭をあげて颯爽と疾駆している。目的の山々はもう間近に迫っている。日本精製糖会社を創立して専任取締役となった時から台湾製糖会社を創立するまでの図である。」

「
第ニ期之ニ
は『従明治三十四年至同三十五年』で、前方は砲煙濛濛とこめて砲弾が二つまで炸裂している。乗馬はこれに驚いて跳ね上がり、直ぐ後ろは深淵になっている。進むも難く退くことも出来ない絶対絶命の図である。台湾製糖株式会社を創立したが、新規事業に加えてマラリアや土匪の襲来があり、殊に同時に砂糖消費税が創設されて経営上非常な困難をした時代である。」
「 第ニ期之三は『従明治三十六年至同三十七年』で、甘蔗の鞭を持つ父は馬上豊かに潮風に吹かれている。後には波静かな大洋の彼方水平線のあたりから旭光がサンとして輝き出している。台湾の製糖事業も残りなく完成した図である。」
補註 「鈴木藤三郎伝」鈴木五郎著 その… 2025.11.18
補註 「鈴木藤三郎伝」鈴木五郎著 その… 2025.11.17
「報徳産業革命の人 報徳社徒 鈴木藤三郎… 2025.11.15