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2025.11.19
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カテゴリ: USA
『ブレークネック──中国は未来をエンジニアリングで作り出す』

著者のダン・ワンは、スタンフォード大学フーバー研究所の研究員。この10年、世界第2位の経済大国となった中国各地の省や大都市をこつこつと巡ってきた中国の専門家だ。

中国は、永遠のライバルである米国と何がどう違うのか。
仏誌「レクスプレス」がダン・ワンに、研究に裏打ちされた斬新な分析の枠組みを聞く。

──世間は米中の本当の違いがいまひとつ飲みこめていないとご指摘されています。
具体的に言うと、米中の最大の違いは、どこにあるのですか。

私の見立てでは、米中の本質的な違いは、 中国が「エンジニア国家」 であるのに対し、 米国が「弁護士国家」 であるところです。



それゆえ、中国の最高指導部は、どんな問題に対しても解決策を「作り出そう」とする傾向があります。社会がエンジニアリングの対象であるため、社会のなかで暮らす人間たちも数学の問題であるかのように扱われてしまいます。

一方、米国は「弁護士国家」だと言えます。歴代の大統領や連邦議会議員、それから建国の父たちにも弁護士が多いですよね。

弁護士が多い国家の悪いところは、いい取り組みも悪い取り組みも、すべて妨害されてしまうところです。

米国では、中国の一人っ子政策のようなバカな発想が出てくることはありませんが、その一方で、ちゃんとしたインフラもなかなか整備されません。

──中国のものづくりが、いま世界のどの国よりも速く、水準の高いものになっているのはなぜですか。

中国には、省庁と地方政府と国有企業で構成される一種の行政装置 があり、この仕組みを通じて、ひたすらものを作るように強いインセンティブが設定されています。

たとえば 地方の党書記は、空港を新設できれば昇進できる のです。そこには 「建設ありき」の官僚のロジックが働いています。

また、中国政府も、大規模な建設事業をすれば、中国の威信が高まり、周囲から一目置かれるようになり、人民も誇りを感じると考えています。

中国では、弁護士が国家の前に立ちはだかることがほとんどありません。だから、建設は非常に効率的に進みます。

ある政治学者が発見したのですが、中国と米国の鉄道を比べると、中国のほうが、線路がまっすぐに延びているそうです。



これは住民や環境のことを、何とも思っていないというわけではありません。最低限の対話の場は設けられます。ただ、最終的には、万難を排して鉄道の建設が淡々と進められていくのです。

私はコロナ禍の真っ最中の2021年の夏、中国の西南に位置する貴州省に行き、自転車でこの省を横断してみました。貴州省は、沿岸部から遠く離れた山がちな地で、中国で下から4番目に貧しい省であり、ニューヨークやカリフォルニアの生活とは比べものになりません。

しかし、そんな 貴州省には、空港が11ヵ所にあります。 世界で最も高い橋100本のうちの45本があり、基幹道路は整備が行き届いています 。自転車乗りにとっては夢のような場所であり、素晴らしい旅を満喫できました。

その旅の後、私はこの状況の奇妙さに気づかされました。 どうして中国の貧しい省に、ニューヨークやカリフォルニアより、はるかによいインフラが整っているのでしょうか。

中国という「エンジニア国家」が、大規模インフラを経済プロジェクトであると同時に政治プロジェクトでもあるとみなしているからなのです。

──国家の人材登用や仕事の進め方で、中国がほかの国々と異なるのは、どういったところなのですか。

1980年代に鄧小平が中国の指導者となってから、毛沢東の時代は、正気ではなかったと評価されました。たしかに毛沢東は、詩人としても、戦時の指導者としても偉大ではありましたが、行政家としての能力がありませんでしたからね。

鄧小平は、毛沢東の路線の反対は何だろうかと自問したのでしょう。
その答えがエンジニア主導の路線だったのです。





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最終更新日  2025.11.19 18:24:13


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