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【世評が高いがそれほどの店か? その3】 懲りずに第3弾。これこそ太田和彦氏の逆鱗に触れかねぬ王道の酒場が登場です。人形町 笹新 この酒場はどうしていつもあんなに混んでいるのだろう。下町情緒のある建物なんて言われ方もしているようですが,店舗そのものはこの人形町という土地ではなく,まったく別な場所にあったらさほど惹かれるものはないでしょう。カウンター上の大皿もうまいと言えばうまいけれど,ごくごく標準レベルでしかないですし,第一庶民的と言われるほど安くないのです(むしろお高め)。新宿三丁目 どん底 蔦の絡まったレンガ作り壁や寺の柱や梁を利用したという重厚とも言える店はまずまず魅力的でしょう。西洋アンティーク趣味のある人ならそこそこ楽しめるのかもしれません。こういうごてごてしたバタ臭い造りは酒場には適しているとも感じられます。ただ,それ以外は何がいいのかまるでわからない。特にどん底ハイボールのまずさは,これが売りになってしまうのが不思議としか思えません。こちらも一度訪れたら充分という酒場に感じられました。新宿三丁目 スタンディングルーム 鈴傳 この角打ちがなぜかほどに珍重されるのでしょうか。確かに立飲みスペースのユニークな造作を愉しみながら呑みのは居心地は悪くないです。角打ちとしては日本酒の銘柄も多くそろえているのでしょう。ただ,値段が通常の居酒屋と変わらないのでは角打ちとしての価値はぐっと下がってしまうように感じられます。角打ちなら角打ちらしい値段を設定すべきでしょう。惣菜類も家庭料理の粋を出ておらず,その割にちょぴっとの量ではがっかりです。門前仲町 酒ぐら 浅七 まっすぐに伸びるカウンターはさすがの風格,酒も肴も立派,値段はそこそこ張りますけど。TVや雑誌などで誉めたたえられている御主人がずっとカウンターの内側でのんびり腰掛けているのは見ていてあまり気分のいいものではありません。お伺いした時だけが特別具合でも悪かったのでしょうか。門前仲町 だるま 下町らしい酒場であることは確かですが,何を目当てにしているのかやたらと客の入りがよくて落ち着かない。本来はカウンター中心のひとり客向けの酒場なのに肴が量は多すぎるし,単価も高いんじゃないでしょうか。娘さんたちの酒のオーダーに応じるお決まりの掛け声もしらけるばかり。と書いていると格別悪く言うような店ではない気がしてきましたが,楽しく飲めなかったことは確かなのでここで挙げさせてもらいました。森下 山利喜 本館 改築を経て,ここは単なる街の居酒屋になり果ててしまいました。これならまだ別館のほうがマシかも。また,煮込みなんかは確かになかなかおいしいとは思いますが,東京三大煮込などともてはやされるほどのものではないでしょう。もはや,この店のためにわざわざ森下まで出向くことはないでしょうし,当然並んでまで入るつもりはありません。
2011/12/28
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【世評が高いがそれほどの店か? その2】 勇気を出して第2弾。さらにメジャーな酒場が登場します。お楽しみに。書いていて気付いたんですが,ぼくは基本的に老舗が嫌いなのでしょう。歴史のある酒場が嫌いなのではありません。老舗っていうのは,自他ともに老舗であると認めている店のことを指すのでしょうし,それが性に合わないとしか言いようがありません。赤羽 まるます家 あまりにも有名なので,いつも混雑している。そのせいか従業員ばかりか客もぴりぴりしており,居心地が悪くていたたまれなくなります。酒も肴もけして安いわけではないし,佇まいもとりわけ素晴らしいわけでもない。どうしてここまで評判になるのか正直わからないのでした。浦和 和浦酒場 本店 ここが本当に評判のいい店かどうかまずは検討の余地があるかもしれませんが,とりあえず評判がいいということにしておきます。ガード下の酒場ですが,ガード下という立地の楽しさがまるで活かされていません。少なくとも先般訪れた際は,まったく魅力を感じることはできませんでした。湯島 シンスケ ぼくの感触では,ここは居酒屋というのにはやや抵抗のある店です。うまいとかまずいとかはともかくとして,お客さんの醸す雰囲気やお値段などは割烹に近いと感じられました。それと,嫌煙者にとっては異論があるかもしれませんが,酒場に来て煙草を吸えないのはいかがかと思います。ともかくこの店は40代ではまだまだ手が届かないし,50代でも様になる人は少ないと思われる格調の高さが感じられます。湯島 右近 おでんは好きで,この季節うれしいものですが,いくら名店といえどもたかがおでんであります。大根を自家栽培していたり,練り物をすべて手作りしていたりというならともかく,タネひとつの値段はせいぜい100~150円位に抑えてもらいたいものです。ここだけがとりわけ高級なわけではありませんが,老舗という看板があるだけでおでんの価値が上がるというのはどこかおかしい気がします。町屋 甲州屋酒場(大衆酒蔵 甲州屋) 改装後にお邪魔しているので,以前のことは知りませんが,少なくとも評判になるほどの酒場ではありません。どこの街にでも当たり前にある居酒屋です。値段も高目だし,味もそこそこ,雰囲気がまるでないのであればわざわざ出向く理由はありません。町屋 居酒屋 大内 こちらもありきたりの居酒屋さん。町屋の街は酒場のメッカとして度々取り上げられるものの,ごく標準的な店が大部分です。ただ街の規模から考えると居酒屋店舗が多いということはあるかもしれません。どこか魅力的な酒場はないものでしょうか。
2011/12/27
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【忘れ物編】 今晩、酔っ払って失敗してしまいました(ほんとはさほど酔っ払ってはいないのですが)。所用があってぼくの職場の近くに住んでいる妻の母(75歳)と待合せました。いつも軽く一杯飲ませてもらっていて、この日はスペイン風バルと中華料理屋をはしごしました。その後自宅の最寄駅そばの喫茶店で妻と待合せをしていたので、立ち寄って、さあ帰宅して軽く呑んで寝ようかなと思った瞬間す~っと青ざめたのでした。お遣いを言いつけられていた預かりものの正月用食材をどこかに置き忘れたのです。記憶を呼び起こして中華料理屋や交通機関にも電話して問い合わせたのですが、見つからない。以前も預かった食材を北千住の「藤や」に置き忘れたのに気づいたこともありました。あの食材はその後どうなったのでしょうか。 先日、蒲田で呑んだとき、同行してもらったぼくの知人も失敗をやらかしました(これを読んでるかもしれん、すまん)。数軒はしごした後、彼と合流してその後5軒ほどはしごしたのですが(後半は互いに記憶は曖昧)、帰宅途中にどこかでメガネを紛失したそうです。予備のメガネをして帰宅したらしいのですがどういうことなんでしょ。 ぼくは酔っ払っていろんなものをなくしたり落としたりしているので、今では妻にクレジットカードやキャッシュカードの携帯を禁じられているのでした。 といったようなことで、預かり物に入っていた新巻き鮭や筋子、数の子、にしん煮付、魚介のたっぷり入った松前漬など正月に楽しみにしていた食材が食べられるかどうかは風前の灯となってしまったのでした。せっかく先日、気の利いたお猪口とぐい飲みを入手できたので、それでちょっとよさそうな日本酒を楽しむことができると思っていたのに、まったくもって残念です。
2011/12/26
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旅の途上で酒場に入るのは楽しいものです。はじめて訪れた旅先でぶらりぶらりと散策しながら、ふと目に付いた酒場を記憶にとどめながら夜を迎えるのは心躍る体験です。古い情緒ある温泉街や住む人もほとんどいない秘境も興味ありますが、なんといっても古くからの飲み屋横丁のあるようなちょっとした街に魅力を感じます。昨年以降、いくつかの地方都市を旅する機会に恵まれ、いずれも魅力的な飲み屋横丁と酒場に巡り合えました。 毎夜毎夜はじめての酒場を訪れるのは、ちょっとした旅気分を味わいたいということだと思っています。ぼくにとって酒場に行くことと旅することは、ほとんど同じような行動なのです。 ところで、酒場に行くのと旅行に行くことには相違点があります。旅をするのはその過程自体が目的であり、やがて旅が終了し、帰還(ぼくにとっての旅行は多くの場合が列車の旅なので帰京して地元の駅まで辿り着く辺りで旅の終了を意識します)するまでのすべての瞬間が対象となります。一方、酒場に行くことは、酒場に入るまではじれったいばかりの余計な時間であり、目的となるのは酒場に入ってからということになります。店を後にし、引き戸を閉めた時点であっけなく終了してしまいます。また、前者では基本的に時刻表があることが示すように時間が定められているのに対して、後者は物足りなければはしごしてしまうという手がありどこまでも愉しみを引き伸ばすことが可能です。 この中間にあるのが散歩の楽しみだと思います。散歩は酒場に行くまでの面倒な道程を一気に興味深いものにしてくれるし、旅する時の窮屈さを抜きにして、時間を気にせず自由気ままに彷徨うことができるからです。当然、散歩にも終わりはやってきます。しかし、終わりを迎えたときの爽快とも言える軽い疲労は、旅から帰ったときの寂しさとも虚しさとつかぬ気持ちでもなく、酒場からの帰宅時の後悔にも似ただるさとも違った体験です。 散歩をするような軽快な歩みで、酒場に赴き、旅路を辿ってみること。これが酒場を愉しみ、旅を満喫する秘訣ではないかと思います。 ぼくは妻帯者なので、散歩は妻と一緒のことが多く、途中で目に付く酒場に見入ったりしては揶揄され、ひどいときには叱責されたりもします。旅の途上にあっては、興味のもてない観光地に連れて行かれたり、妻の毛嫌いする小汚い酒場をみすみす見過ごしたりすることもあります。酒場については、それこそ特別においしいオーセンティック・バーには付き合ってくれるものの、ほとんど理解がないといっていいのでした。 言いたいことはひとつ。街は歩いてこそ楽しいのです。歩き回って気の利いた酒場を見つけ出してこそうれしいのです。散歩も地元の人しか知らないようなちょっとした古い和菓子屋こそ貴重なのです。ガイドマップには紹介されないような素敵な情景に浸ることが旅の愉しみです。うろうろと迷いながら街の奥深くに立ち入ることで知らない街さえぐっと身近に感じられるようになると思います。 というわけで酒場のお話も絡めつつ、今後は日ごろの散歩のお話もつづって生きたいと思います。
2011/12/25
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【世評が高いがそれほどの店か? その1】 以下の酒場について書くのは正直すごい躊躇があるのですが,思い切って公表してしまいます。ひょっとすると客側(=ぼく)に問題があるのではなかろうかなどと卑屈にも考えてしまうほどに評判のいい酒場ばかりです。それではなけなしの勇気を振り絞って書きましたので御覧ください。池袋 千登利 安くもなく,格別旨くもない,単なるもつ焼屋さんとしか思えません。それなのにいつも大繁盛で何度も入店を断られています。いろんな本で紹介されていますが,池袋には他に目ぼしい酒場がないので,無理矢理紹介しているのではと勘繰ってしまいます。大塚 串駒 本店大塚 串駒房 大塚で数ある銘酒居酒屋のなかでも古参として知られているお店です。酒の品揃えについては語れるほどの知識はありませんが,今ではこれ位揃えている居酒屋は多くありそうです。民芸風の造りの店内もなんだかわざとらしくといまひとつ好きになれません。上野 もつ焼 大統領上野 やきとり 文楽 なにもそこまで混んでいることはなかろうと通るたびに思ってしまいます。アメ横ガード下の雰囲気は確かに一度は経験してみたくなりますが,こういう混沌とした感じっていうのは傍から眺めているのがむしろ面白くて中に身を置くと案外平凡だったりするようです。まあ一度経験してしまえばもういいかなって感じです。御徒町 佐原屋本店 ここもガード下的な場末感のある酒場で,確かにそこそこ味わいのある酒場ではあります。並行して設けられたまっすぐなカウンターもユニークです。でもそれだけと言ったら言い過ぎかもしれませんが,他にとりわけ魅力は感じられません。秋葉原 赤津加 秋葉原駅のすぐそばに情緒ある一軒家が残っているというのは確かに珍しいとは思います。ただ「奇跡的」とか「遺産」といった称され方をするとなんだかしらけてしまいます。昭和27年築の建物は確かに古いのでしょうが,神田 六文銭 神田駅のすぐそばに情緒ある一軒家が残っているというのは確かに珍しいとは思います。しかしそれ以外になんら売りがないというのもどんなもんでしょうか。オヤジさんもえばった感じでどうにも落ち着けない。昭和26年創業という歴史を味わえば充分でしょう。
2011/12/24
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【ここって本当においしい?】 ぼくは幸か不幸か食べられないものはないし,よっぽど調理がひどくない限りは出されたものは残すことがありません。なので酒場で頼む肴にはさほどこだわりはないのですが,とりわけ肴のおいしさに定評のある酒場に行ったときは,評判の品を頼んでみたくなります。 こうした有名酒場もたくさん尋ね歩いていますが,これらの酒場に来る常連さんたちはホントに旨いと思っているのだろうかと疑問に感じることがあります。別にまずいわけではなくて,騒がれるほどには旨くないだけです。 どうしても肴の品質のよさを中心に語られる酒場というのは,旨いものを食べに行こうという酒飲みではない客も多く,こうした客が酒場の雰囲気を乱しているようにも思えます(勿論酒が飲めなくても飲み屋での振舞い方を知っている方なら問題はありませんが)。また,こういう酒場の常連には必要以上にその店のことを持ち上げている方が多くて,耳障りに感じることがあります。 以下の酒場は酒場好きなら一度は行っておきたいけれど,足しげく通うことはあるまいと感じた店です。世に知られる以前で,値段ももう少し安ければ好きな酒場になっていたと残念に思います。浜松町 秋田屋 浜松町そばのいつでも店頭に客が溢れているもつ焼の有名店。午後3時30分の開店時には開店を待ちきれない客ですでに混雑しています。こちらの名物は軟骨を混ぜ込んだ肉団子のたたきになりますが,1人1個限定という触れ込みながらさほど特筆すべき味ではないように思われます。値段ももつ焼店としてはかなり高めで,有難がって通う理由が分かりません。雰囲気自体も悪くはありませんが造作などに際立った特徴もなく一度行っておけば満足なのでした。北千住 天七 本店 北千住って案外立飲みの店は少ないですね。そんな中で美味い串揚げを食べさせるという定評の店が「天七」です。広い間口に大きな暖簾,雑然とした店の眺めはなかなか壮観なのですが,肝心の串揚げが衣のパン粉がキメが粗くて,期待するほどはうまくないし,串も2本からと種類も食べられないし,値段も高め。ここなら裏手の分店でのんびり座って呑む方がいいかも。町屋 もつ焼 小林 近頃メディアでも紹介されることが多い,町屋のもつ焼・もつ煮店。町屋の街は,呑んべえ好みの寂れた酒場が多いと喧伝されているように思いますが,実際あれこれ飲み歩いても古い酒場は存外少ないものです。古くからやっていても「亀田」「居酒屋 大内」「甲州屋酒場」などいずれも改築・改装されていて残念なことに情緒を感じられなくなっています。そんな町屋にあって昭和23年創業の「小林」は昔ながらの佇まいを残していて,それは魅力的なのですが,肝心のもつ煮込がさほどおいしくない。東京都内では珍しい串煮込を出す店として貴重ですが,味がいまひとつではしょうがないですね。好みとしては煮込みが足りないような気がします。串の煮込みでは,北千住の「藤や」「ささや」,三ノ輪橋の「弁慶」がずっとおいしいと思います。麻布十番 あべちゃん 本店 東京メトロ南北線が開通するまで交通の便が悪かったことも幸いしてか,今では古いものと新しいものが混在する街として賑わっています。そんな地域で昭和8年から営業を続けるという「あべちゃん」は古い酒場として貴重なのでしょう。といっても店自体はすっかりきれいになっていて味わいがなく,女性ひとりでも目を引くということはありません。肝心のもつ焼の味は伝統のタレ(タレの入った甕が有名)というのがなんだか必要以上に甘くてべたべたします。煮込みも同様にしょっぱ甘すぎる。本所吾妻橋 わかば もつ焼ともつ刺のおいしさで定評のある「わかば」ですが,見掛けはなかなかうまそうに見えたのですが,肉の味があまり感じられない。ぼくの味覚に問題があるのかな。お邪魔した時はがらがらだったのですが,他のお客さんも有名な割にうまくないと思われているのかと納得して店を後にしたのですが,普段の入りはどうなのでしょう。従業員の方の応対もいささか悪かったように記憶します。
2011/12/23
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【どうしてこんなに高いの?】 このタイプの酒場は実はたくさんあります。居酒屋などと称しておきながら,実は半分スナックのようなカラオケ付きの酒場には不当な金額の店が多くあります。***横丁などの味のある酒場なんかも雰囲気に酔って,呑み過ぎたりするととんでもない請求をされたりということもままあります。ともかれ,オーセンティックなバーなんかでけっこうな金額が掛かるのは織り込み済みですが,どうってことのない酒場で過剰な請求をされると思わずむっとしてしまったりします。五反田 鳥茂 仙台にある「焼きとり くろ田」をさらにすすけさせたようで,実にいい雰囲気。焼物もおいしいし,繁盛するのはもっともだと思ったのですが,勘定があまりにも高かった。会計の誤りであったと信じたいものです。渋谷 鳥竹 総本店 渋谷では人気の大衆焼鳥店ですが,どうしてこんなに人気があるのかよくわからない。オオバコならオオバコでせめて高田馬場の「鳥やす」位の価格帯で商売できないのでしょうか。高田馬場 葉隠 早稲田通りと明治通りの交差する場所にある老舗の酒場で,人気も高いようで繁盛しているのですが,名物がちゃんぽんというのがユニークではありますが,酒を飲む場でちゃんぽんもないもんだろうと食べたことはありません。ちゃんぽんや皿うどんに1,000円は出したくありませんし。日暮里 鳥のぶ ここはまずまずおいしいし,客の入りもちょうどいいので一頃はちょくちょく利用していたのですが,先般久しぶりにお邪魔すると不自然な位高かったのです。あんまり支払いでごちゃごちゃするのも面倒なので泣き寝入りをしてしまったのですが,考えてみると以前から勘定が合わなかったような気がします。お通し代ということなのかしら。日暮里 町人 店に入る前から少しお高いことは想像できましたが,それにしても古い家屋の雰囲気がいいのだけを武器に商売するのはいささか安直過ぎると思われます。御主人は感じがよかったのであまり悪くは言いたくないのですが。
2011/12/23
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あまり名指しで特定の店の悪口を言うのは,その酒場を好きな方にとっては不愉快なことかもしれません。あくまでも個人的な印象による苦言であり,あくまでもぼくの偏った印象となっています。いやな思いをしたり,不快に感じたことがあったので,ほとんどの酒場には1回だけ行ったきりで,普遍的にダメな酒場であるとは限りません。そういうわけで,もしこのブログをお読みの方で悪口なんか読みたくないという方は飛ばしていただきたいと思います。仮に読まれてしまった場合でもこの感想だけで訪れるのをやめたりする理由にならないことを祈ります。【不愉快な主人or店員さんがいる!】 建物や内装が抜群に素晴らしくても,恐ろしく安い値段で美味しい酒や肴を提供してくれたとしても,酒場を切り盛りする人の一部がどうしようもないばかりにすべてがぶち壊しになることがあります。大事に施設を維持して,安く美味い物を供する酒場には誰かしらお客を大事に考える矜持のある人物がいるはずですが,そんな見事な心掛けをもった人物の苦労をひとりのダメな人が無碍にしてしまう,そんな酒場がたくさんあります。ダメな人さえいなくなればそれこそ一気に大好きな酒場になりうるそんなお店が並びます。まあ主人がダメな場合はどうにもならないかもしれませんけど。五反田 もつ焼き ばん 五反田 本店とは異なり若い方が働いています。オーダーミスがあったり,よそ見をしながら生ビールを注いでぼくの服や鞄に泡を飛び散らせてしれっとしていたり,何より腹立たしいのがそんなことをしておいて,しらっとしていること。目白 いわし料理 すみれ 喫煙していいか断ってから煙草を吸い始めたにも関わらず,煙草嫌いらしい常連さんがやって来たら,今時煙草を吸うなんてねえ,なんて聞こえるように嫌味を言われたのでした。亀有 居酒屋 ハッピー 主人が女性の従業員に聞いていて耳をふさぎたくなるような罵声を投げ掛けています。下町風の街でありながら感じのいい酒場の少ない亀有にあっては,大人気の酒場ですがとても通いたいとは思えませんでした。東十条 埼玉屋 以前書いているので繰り返しになりますが,こちらの主人の高圧的な態度を経験した以上,二度目の訪問はあり得ません。自慢のもつ焼は確かにうまいとは思いますが,もっと安くて匹敵する位にはうまい酒場もあるし,もとより肴の良し悪しは酒場に通う理由としては小さな理由です。京成立石 鳥房 立石の有名店で雰囲気も名物の鳥丸揚の味もぜんぜん悪くないのだが,とにかくおばちゃんたちの人間関係の悪さを見せつけられるのは勘弁してもらいたい。行くなら座敷の奥に着いておばちゃんたちのコミュニケーションが届かないようにしたい。自由が丘 金田 名店としての誉れ高い「金田」ですが,ファーストコンタクトは不調に終わりました。接客担当の女性の応対の悪さはただごとではありません。不愉快過ぎて最低限で注文したものを飲み食いして勘定をしたらお礼はともかく,うんともすんとも言わずむしろ小馬鹿にしたような態度をされてしまったのでした。たまたまこのときだけがひどかったのでしょうか?
2011/12/20
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数日前,東十条駅に降り立ち飛び込みで数軒の酒場をはしごしました。最初にお邪魔したのは,似たような外観をもつ2軒でした。外観同様に似たような手合いかなと想像していましたが,引き戸を開けてみたところその予想は外れていたことを知りました。店内に入ってはじめて分かることもあります。そしてひとしきり酒を飲むうちに,この2軒が真逆の思想によって営まれる酒場でることが判明しました。 1軒目は北口からすぐの「三兼酒蔵」。道路に挟まれた長細い店で両側に入口があります。やはり細長いカウンター15席位の店内は潔く無駄な装飾を排しており,古い店にも関わらず清潔に保たれているのは立派。しかも椅子がきれいに等間隔に並べられてい気持ちいい。老夫婦の人柄が感じられるいい酒場です。品書きも焼鳥を中心にシンプルなものが多く,まさに大衆酒場という気概を感じました。 2軒目に目指したのはすぐそばの「酒舗 ミカド」。なかなか味のある屋号です。けっこうオンボロな一軒屋。カウンター7席に座敷,座敷は10数名の宴会でにぎわっています。品書きらしい短冊が客の死角になる厨房内に貼り出されていますが,すでに飾りとしてだけ機能しているようです。定番はなく女将さんの手作りらしい数種類のお惣菜が本日の肴となります。酒の値段だけは短冊の品書きで標示されています。宴会が入っていない夜には女将さんも少しくだけて,カウンターの客とも打ち解けてくれそうな印象でした。。 前者は典型的な大衆酒場,後者は屋号の前に小料理とか家庭料理なんかが付くことも多いですね。個人的には前者が好みですが,後者のぬるい空気も捨てがたいので,その夜の気分次第で店を選ぶことになるでしょう。前者は比較的外観で判別することが容易なことが多いですね。間口の広い引き戸(開放されていることも多い),大衆酒場などと染め抜かれた大きな暖簾,立派な大看板,地名を配した屋号などが判断の材料となるでしょう。赤提灯も酒場を印象付ける定番装置ですが,必ずしも信用が置けない。暖簾も縄暖簾になると案外高級店だったりすることもあって油断がなりません。それさえ注意すれば案外外れなく大衆酒場に出会えると思います。後者はそれこそ業態を示す符号が記載されていることも多いのでより一層見分けやすいですね。かなり一般化していますが,それぞれの特徴を挙げてみます。店主:老夫婦または家族経営/水商売上りや未亡人など女性中心(脱サラの初老男性も多い)品書:価格表記あり/価格表記なし 定番中心/ありあわせ中心料金:明瞭/不明瞭店内装飾:飾り気なし/過剰かつ個性的な装飾(単に散らかり放題の場合も多い)用途:独酌中心/会合・寄合中心客層:40~50代男性中心/50~90代男女混合 ひとり客中心/グループ客中心滞在時間:短時間/長っ尻印象:硬派/人情といったところでしょうか。最近の酒場の主人に若い人が増えてきていますが,多くの場合前者を志すようです。ただし,薄利多売をモットーとすべき業態であるため,肴や酒にこだわるあまり大衆酒場には不相応な価格を設定したり,サービスのつもりか必要以上に気合いが入っていたりして客足が遠のいてしまい,無残に挫折するのを目にすることが多くなりました。後者はそれこそごく少数の常連客相手につつましく商売を続けようという戦略なので大部分はこちらに属すると思いますが,チェーン系居酒屋の隆盛振りには対抗しきれていないようで,いずれは希少となることも考えられます。 しかし,たまには東十条の2店舗のように外観から察することが困難な場合があります。その日の気分と違ったタイプの酒場に入ってしまっても,これはもうどうにもしょうがないと思うしかない。問題は,前者の気分でなかった場合,切り上げるのは容易ですが,後者タイプに入ってしまった場合,切り上げ時に変に気を廻さないといけないのが辛いところですね。それでも,こうした酒場を存続させるために,失敗を恐れずいろいろな酒場を訪れたいものです。傾向があったとしても,やはりそれぞれの店にしか持ちえない魅力があるんだと思います。
2011/12/09
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それでは早速、マラソン酒場とナポレオン酒場を紹介します。以下の酒場はほとんど未訪問のため各種のネット上の情報を参考にさせてもらっています。実際と違っている場合もあると思われますので御了承ください。【マラソン酒場】角打ち 船橋 山清酒店 16:30-19角打ち 田端 喜多屋酒店 17-19:30割烹? 西荻窪 釣人料理 外道屋 19-21:30 未訪問もつ焼 東松山 若松屋 17:30-20 未訪問 さすがに営業時間が2時間台の酒場は少ないですね。上の2店のみ訪問していますが、角打ちで2時間半滞在は厳しいので実際に開店と同時に入店、閉店まで飲み続けるということはしておりませんので、現認できているわけではありません。【ナポレオン酒場】立飲 月島 牛もつ げんき 15:30-18:30もつ焼 祐天寺 忠弥 15:30-19もつ焼 阿佐ケ谷 もつ焼 たかぎ 17-20 未訪問鰻 国立 うなちゃん 17-20頃(売切) 未訪問居酒屋 浅草橋 江戸政 17-20 未訪問ホッピー酒場 桜木町 ホッピー仙人 19-22 未訪問立飲 新宿三丁目 立ち飲み・もつ焼き 山根商店 17-20 未訪問焼鳥 門前仲町 川越屋 17-20 未訪問角打ち 木場 武蔵屋加藤商店 17-20 未訪問角打ち 銀座一丁目 枡久 17-20 未訪問焼鳥 東日本橋 江戸政 17-20 未訪問立飲 勝どき かねます 16-20 未訪問もつ焼 荏原中延 忠弥 17-20 未訪問焼鳥? 品川 鳥てる 18:30-22 未訪問居酒屋? 大島 大升 17-20:30 未訪問もつ焼 東松山 としのや 17-20 未訪問もつ焼 東松山 まっちゃん 17-20 未訪問もつ焼 東松山 東松山の焼鳥 やまたけ 16:30-20 未訪問もつ焼 東松山 チョボヤス 16:30-20 未訪問もつ焼 東松山 安兵衛 16:30-20 未訪問 3時間営業はちょこちょこあるようです。祐天寺の「忠弥」の店舗は恐らく自宅と兼用なのだと思われます。それであれだけ質の高いもつを低価格で提供できるんでしょうね。マラソン酒場にも東松山が入っていますが、(3)に該当すると思われますが、これはこれで不思議ですね。東松山の焼鳥はよく知られているとおり、豚カシラ肉串焼を辛味噌ダレを付けて食べるスタイルですね。東松山焼鳥同業組合のHPによると34軒もの焼鳥店があるそうです。これだけの焼鳥店があるというのにこの短い営業時間で店を維持するだけの儲けがあるんでしょうか。【思ったより営業時間が長かった酒場】三ノ輪橋 もつ焼 勘助 16-20堀切菖蒲園 喜楽 16-20木場 河本 16-20武蔵小山 牛太郎 14:30-20 言わずと知れた名店揃い(「もつ焼 勘助」はあまり知られていないかな、以前は新松戸駅から約15分の住宅街で営業、2年ほど前に三ノ輪橋に移転して来ました。ジョイフル三ノ輪の入口にあり、買い物客を眺めながら呑むことができて風情があります)、これらの酒場、営業時間が短いと思ってましたがどこも4時間以上営業してますね。閉店時間の早いことが思い込みの原因なのでしょう。
2011/11/14
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マラソン酒場と言うと、先日書いた「驚異の時間無制限酒場」の二番煎じであると思われた方も多いでしょう。御存じのとおりマラソンとは、42.195キロメートルを走った順位を競う陸上競技のひとつです。今ではこれを上回る距離を競う競技もあるようですが、もっとも馴染みのいいマラソンから名前を借りました。マラソン酒場ってどういう意味があるのだという疑問にお答えするのはとっても単、単純にマラソンの競技時間が2時間そこそこだから。別にフルマラソンを走りきるだけの体力、持続力、精神力なんかが要求される酒場というわけではありません。だったらマラソンじゃなくて映画でもいいじゃないかという御意見もあるかと思いますが、映画は90分であるという持論(ホントは受け売り)があるので、映画酒場は採用できないのでした。 となるとナポレオン酒場は、ブランデーのナポレオンを売りにしている酒場でないことはすでに御察しかと思います。御明察どおりナポレオン・ボナパルトが1日3時間しか睡眠を取らなかったという逸話から名付けたまでです。 つまりこのマラソン酒場とナポレオン酒場という用語で何を言わんかというと、営業時間の極端に短い酒場を紹介したいというだけの理由した。 では、どうして1時間がないのか。1時間を特徴づけるこれっていうものがないからです。4時間も同様です。ただ、1時間営業の酒場は行ったことも聞いたこともないから今のところ必要ないという理由もあります。いつかそんな酒場を発見してから考えることにします。4時間となると案外平凡なんじゃないか、夕方6時位に開店して、夜10時には閉店するなんて結構ありきたりですね。 営業時間の短い酒場の傾向は、(1)角打ちなど別に本業がある場合、(2)こだわりの肴がありその品切のタイミングが閉店時間となる場合(その肴は希少または処理に手間がかかるなどの理由で決まった量しか用意できない)、(3)郊外などけして交通の便がよくない場所にあるため混雑時間が限定されるなどが考えられます。実際には主人がなまけ者であるというのが最大の理由であると思われますし、特に大阪方面では営業時間中であっても客がほとんど引けてしまったら入店を断られることが多いようです。ここで紹介する酒場は(1)(2)(3)の理由により開店時間が短いと思われる店だけと信じます。 (1)は、両方の仕事が同一店舗であればそれを有効に活かせるので、安く商品を提供できそうです。(2)(3)は、逆に短時間できっちり利益を出さないとならないので、値段も高目になりがちかもしれません。 次回はほんとに存在するマラソン酒場とナポレオン酒場を紹介します。
2011/11/13
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昨夜は呑み過ぎでうっかり記事をアップロードしそこなったので、今晩は早めに。 それでは、時間無制限酒場のいくつかを御紹介します。24時間以上呑んだことのないぼくにはこれらの酒場が本当に24時間営業であるか保障はできません。できればネットで検索していただき、より慎重に直接店にお問い合わせいただき、24時間超えにチャレンジしてみてください。ただし、健康にとって問題が生じたり、そのまま病院入り、さらには二度と帰宅できなくなってもなにも保障はできませんので、あしからず御承知置きください。【24時間営業の酒場】池袋 若大将 まつしま池袋 大都会 北口店池袋 献立屋池袋 帆立屋 ときわ店池袋 八丈島渋谷 山家 本店渋谷 山家 支店渋谷 炭火串焼き 小倉山 支店鶯谷 信濃路 鶯谷店上野 人情酒場 ふるさと上野 居酒屋 釧路御徒町 大蒜 さんまる新宿 やまと赤羽 立ち呑み 桜商店603 まだまだあることでしょう。これらは24時間不眠不休で客を受け入れてくれるはずです。お勧めは「若大将 まつしま」でしょうか。駅からも近くて、肴もおいしい。すぐそばに時間帯で激安さに拍車のかかる「大都会 北口店」とはしごをすれば掛け持ちで48超えも可能かもしれません。【ほぼ24時間営業の酒場】松戸 大都会 今年(2011年)の大型台風12号が到来したとき、ちょうど松戸にいました。帰宅への手段がまったく奪われたとき今晩はここで朝まで過ごすことを覚悟しました。オリンピックの予選だったかのサッカー放映を眺めていると、不思議と帰宅に逸る気持ちが落ち着くのを覚えています。【有名長時間営業店】赤羽 立飲 立ち飲み いこい 7-22 15時間赤羽 立飲 喜多屋 7-22 15時間京成小岩 銚子屋 7-22 15時間 赤羽の有名立飲みも調べによると15時間営業ですね。残り9時間あったら風呂に入って一眠りしてゆっくり出直すことができそうだなあ。京成小岩の名店「銚子屋」はあれだけの人数でよくぞと感動してしまいます。上野 立飲 立飲み たきおか 7-23 16時間新宿三丁目 立飲 BEER&CAFE BERG 7-23 16時間池袋 ふくろ 7-24 17時間上野 一力 上野店 7-24 17時間御徒町 立飲 たきおか 2号店 11-5 18時間恵比寿 たつや 駅前店 8-5 21時間「ふくろ」は思ったより夜が早いんですね。1階もこの営業時間であってるんだろうか。「たつや」はさすがです。上野・御徒町の「たきおか」2軒は時間がずれていますね。いっそのこと時間をずらし2時間のインターバルを埋めることで永久に呑み続けることを可能にすることを提案します。呑み続けと立ちっぱなしのギネス記録を同時に狙えるかも。
2011/11/12
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呑んべえにとって、酒を摂取するためのほどよい時間帯っていうのはあるんでしょうか?ぼくにとっては、やはり夜呑みがもっとも気分がいいので、よほどのことがない限り日中は飲酒の機会を避けるようにしています(ホントかな?)。それでもごく稀に昼間っから自由な時間を満喫できる機会が到来します。そんな時、(これまた極めて稀なことではありますが)慌てて始末するような雑事もなかったりしたらついふらふらと夜に差障りのない程度に軽く一杯引っ掛けたくなることがあります。 逆に、仕事が思いがけず長引いて帰宅が深夜に及んでしまった場合、しかも翌日は休みである場合、それがいかにも空が白んでいたとしても一杯引っ掛けずにはいられなくなります。その際、家人が早朝から久しく逢っていない古い友人とお出掛けするなんて状況であれば、一杯で済ますことは難しいでしょう。 ところが本当に難しいのは発作的に呑みたいと思ったときには、営業していてくれる酒場はなかったりします。長時間営業の店は確かにあります。ところが業態はけっこう絞られてきます。焼肉屋や寿司屋はキャバクラなんかのおねえさんたちがアフターのサービスや同僚との打ち上げで利用するとかで案外開店していてけばけばしいネオンを灯しいていたりもしますし、若者たちがやがて気づくことになるであろう短くはかない青春時代をチェーン系居酒屋で蕩尽しています。BARや食堂、中華(ラーメン)なんかも結構な長時間営業でいざというときの心の支えではありますが、BARでは暗すぎてあっという間に眠りに落ちてしまいそうだし、食堂や中華は酒だけってわけにはいかない気分になり、二の足を踏んでしまいます。スナックもこういうときには悪くありませんが、よほど馴染み出ない限りくつろぐのは難しいでしょう。しかも当然すでにできあがっている酔客のカラオケなんかを聞かされたりするとおちおち呑んでいるどころではなくなります。 ところが、ちゃんとあるんですね、不夜城どころが不休城のような酒場が。こうなるといつでも利用できて便利というより24時間超えで飲む人がいるんじゃないかと思えるほどの、とにかくそれこそ言葉どおりいつでもやってる酒場があります。24時間営業の酒場って、さすがにコンビニが24時間営業しているといってもずっと立ち読みする人がいるとは思えないし、牛丼屋で食べ続ける人はまずいない気がしますが、24時間営業の酒場となるととにかく24時間を越えて本当に飲んでいる人がいるようないるように思えてなりません。 ちなみにぼくはこれまでの人生で不眠不休で飲んだ最長時間は16時間程度で、その後は丸々48時間近くベッド(とりあえず横になるが目が回って目をつぶることもできない)とトイレと台所(とにかく水を摂取し続ける)を10分おきに行ったり来たりするということになり、平均すると1日4時間程度、しかもすべてのの時間を苦しさで死んでしまうのではないかという恐れと強烈なめまいに費やしてしまったのでした。 というわけで24時間営業の酒場の全貌をぼくは見たことがありません。いつ肴を仕込んでいるのか、いつ掃除をしているのか、いつ店員さんが入れ替わるのか常々疑問でした(ホントはどの現場も見たことのある酒場はあります)。入店後5時間を経過しても同じペースで呑み続けているあの客、よく飲むなあと感心していたら翌日も同じ席で同じペースで飲んでいたりすると人事ながら気が遠くなります。
2011/11/12
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まだまだ酒場修業中なので毎晩なるべくはじめての酒場で呑んで、見聞を深めることを心掛けていますが、さすがに通勤経路上の酒場はかなり押さえてしまい、経路外に足を延ばすようにもしていますがそれも時間の都合で難しいことがあります。また、早い時間に仕事から解放されたときには昼間から営業している酒場があればいいのですが、そうそう沢山あるわけではありません。そんなとき助かるのが大衆食堂になります。当然、真昼間には定食などの食事目当ての客が中心になりますが、昼食時間を外すと格好の酒場となり重宝させてもらっています。 大衆食堂(の一部)は酒場である(時もある)(前ブログ記事「とりあえずの酒場の定義」の定義を踏まえて)。大衆食堂は、朝から夜(閉店時間は早目の時間であることが多い)までいつだって酒を飲ませてもらえるので便利です(すべてがそうであるとは言えませんけど)。ひとり客も入り易く、肴の種類も多いのも特徴です(もちろん例外あり)。酒の種類が少ないことが多いのが少し残念ですが、さほど支障はありません。 特に町屋店と巣鴨店が知られている「ときわ食堂」(個人的には綾瀬店、亀有店、駒込店が好き)、浅草で肴のおいしい「食事処 水口」、鶯谷の24時間営業店「信濃路 鶯谷店」などは、雑誌なんかでよく紹介される有名店で好きではあるのですが、有名過ぎて混んでいて落ち着けない感じです。そこで、ジャンル別にお気に入りの大衆食堂を紹介します。お断りするまでもありませんが、あくまで主観的かつ偏ったリストになりますので、実際行かれて不満が爆発といったことになっても保証はしかねます。あらかじめ御了承の上で御覧ください。特に味にはほとんどこだわりがないことを申し添えておきます。【いろんな意味で使い勝手のいい大衆食堂】三河島 大衆食堂 越後屋田端 のがみ西日暮里 とん国柏 やなぎや田端 食事処 酒処 豚珍軒京成立石 ゑびすや食堂京成高砂 遠州屋 高砂支店駒込 和食亭東長崎 せきざわ食堂 立石の「ゑびすや食堂」を除くとほとんど地元の常連さん以外は通っていると思われませんが、お気楽さという点ではどこも引けを取りません。【佇まいのすばらしさでいつまでもいたくなる大衆食堂】船橋 花生食堂新大久保 おかめ食堂日暮里 お食事 とみや駒込 みのや金町 金波食堂本八幡 飲み食い処 ふるさと恵比寿 めし処 こづち谷中 春木屋稲荷町 田中食堂 とにかくどちらもすばらしく渋い。ここでは酒も肴も主人さえもが店の脇役に思えるような風情。外観が地味でも店内は魅力的な店もあるのでもし訪れることがあるなら、外観で引き返さずぜひ入店してみてください。【まんべんなく魅力的な大衆食堂】南千住 六車食堂巣鴨 ゆたか食堂荻窪 冨士食堂青物横丁 和光食堂森下 はやふね食堂 この5軒はやはりどちらも長く営業しているということで建物も魅力的ですが、食堂というよりも酒場としての傾向が強くまた行きたいと思わせてくれます。【目下のところ行ってみたいと思っている大衆食堂】御徒町 御徒町食堂秋葉原 かんだ食堂両国 下総屋食堂 どこも有名でいつでも行けると思っていてなかなか行けていません。昨夜、思い切って「御徒町食堂」に向かいましたがすでに閉店。またの機会のお楽しみとなりました。
2011/11/10
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簡単に酒場というものを定義しておきます。定義するなんていささか荷が重いのですが、ぼくは酒場という単語を状況に応じて使い分けているのですが、広義の酒場については、大雑把なイメージはもっています。それは、店にいる客の大部分が酒を呑むことを主たる目的としている(ただし団体客は大部分の対象から外す)ということです。なので、主目的が密談や密通である(?)料亭や異性・同性に関わらず従業員からの接待を期待して行くクラブなんかの業態は対象外となります。おいしい料理を食べる場所である日本料理店や懐石料理店、寿司屋、天ぷら屋、鰻屋、そば・うどん屋、諸外国の料理でもフランス料理店などは特に判断に迷うところで、個々の店のスタイルによってくると思われます。そういう意味ではあらゆる店が潜在的に酒場となりえる可能性を秘めていると言えます。畳み屋さんが酒場になる場合だってあるのですから(月島「尾崎畳店」)。 もう少し狭義な使い方があるとすれば、看板に「酒」「飲(呑)み」等の文字を含んでいること【酒場、居酒屋、飲(呑)処、立飲(呑)】でしょうか。看板に日本酒のロゴマークが描かれている場合がありますが、これは対象外。かなり厳しくなりました。こうなると大衆割烹や小料理屋をはじめ焼鳥屋、串揚げ屋、おでん屋なんかも対象外となってしまいます。居酒屋を名乗る店よりよほど酒場らしい酒場も多いのですが取りあえずはこれを狭義の酒場とします。 ともあれ、広義の酒場では、酒を提供している店であれば時間帯または曜日などで酒場と他の業種が変化する事態が生じます。これは狭義な場合でも同様で、最近はランチサービスのある居酒屋チェーンも多くなっており事情は同じです。(次のブログ記事への布石なので軽く読み飛ばしてください。)
2011/11/10
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仕事帰りなど勝手知らぬ街をたまたま歩いていてちょっと一杯呑んで行こうかなと思いついた時、どのようにして酒場を選ぶのかがその街の好き嫌いを決定づける場合があります。そんなわけで酒場選びは慎重に行いたいものですが、これがなかなか難しい。 現在、酒場に関する本やブログで多くの情報が流通していて、多くの情報が共有されるようになっています。それにより多くの酒場愛好家が産まれており、前途の危ぶまれていた酒場のいくらかを延命させてきたというのも確かですが、本来実践的であるべき酒場体験のそのスタートでありゴールに最も影響を及ぼす行為となるはずの酒場の選択という、酒飲みを酒飲みたらしめる重要なプロセスが欠落してしまいます。もちろんこれは自戒を込めた感想ではあるのですが。 まったく下調べもせずに偶然に辿り着いた街では、いい酒場を探索する楽しみを実践してみたいものです。現地で慌てて形態なりスマホで検索なんていう真似はしたくないと思います。ここは街歩きの楽しさも堪能しながら、じっくりと酒場選びをすることにします。 ところで、いい酒場に巡り合うためには、いい酒場の醸し出す気配を敏感に察知するための感受性とその感受性を磨くためのしぶとさ(ダメな酒場に入っても感受性を信じて懲りることなくチャレンジする)が要求されます。そして困ったことにこの感受性としぶとさというのは、言い換えれば資質と経験という正対する要素であり、ことが問題をさらに厄介にします。なぜ酒場を選ぶためにこんな苦労をしなければならないのか、こんな疑問が去来しますがここで頓挫してはせっかくの楽しみを放棄することになってしまいます。 こんなときに取りうる策として、ひとつには徹底して自らの資質を頼りにすることで訪れた酒場のすべてからとにかく美徳を見出すことで、自らの天性の勘を前向きに信じきるというやり方があります。これはこれでかなりの試練でありますが、それだけ自分を信じることができるのは幸せなことかもしれません。ただし、この方法はやはりどこかで自らの趣味に偏した酒場選びになりがちで、知人を連れていったりするとまったくの不興を買ったり、奥深く幅広い酒場の片りんにしか出会えない可能性を秘めています。もうひとつは定評のある酒場にしらみつぶしに当たる方法です。実際にさまざまな酒場を経験することで、気に入った酒場に共通する何かを見出すのが近道かもしれません。かくいうぼくも当初は手当たり次第に有名な居酒屋や老舗の大衆酒場などを試してみることで、気に入った酒場についてはそれらをいくつかに分類し、好みの傾向を模索してきました。それでも今に至っても飛び込みの酒場は、外れが半分を占めています。最近はむしろ、あえて外れと予想される酒場に入ってみることに喜びを見出す自虐的な愉しみ方も覚えました。 これではまるっきり実践に役立たないので、藤木TDC著の『場末の酒場、一人飲み』の「第6章 場末酒場の流儀」が参考になるので一部の指南を参考にさせていただきます(以下の「」内は同書からの引用または要訳です)。まずは心構えから。1 「ひとり酒に慣れるまではとにかくひとりで酒場に通うこと」。慣れたら2名程度で酒場巡りをして数を経験すること。 「“同情される”という要素」を身をもって体験し、まずは酒場特有の居心地のよさをじっくりと味わうこと。これに慣れると同伴者はむしろ煩わしい場合もありますが、多くの酒場を経験するためにも2名程度で訪れるようにするのが経済的です。一見となることを好む(世にも稀有な)友人がある場合は、独りにはない楽しさもあります。2 「平日に飲む」。 「空いている」、「日・祝は休みである」「美味いつまみがある」から腰を据えてじっくりと楽しめるというのが同書の本項の理由である。これは大体その通りなのですが、多くのサラリーマンにとって、この項目はほとんどの場合、そうせざるをえない決定事項のことが多そうです。 続いては、実際の選び方になります。1 「店の前に立つ、耳を澄ます」、加えて店の周囲を観察する。 これもことさら述べるまでもなく当然のように実行する項目になります。藤木氏同様、ぼくも基本的に静かな落ち着いた酒場を好むので喧騒を感じさせない店を選択することが多くなります。加えて店の周囲をさりげなく観察しておくと事前にさまざまな情報を入手することができるかもしれません。商店街の片隅にある酒場なんかの場合、回収に出されたゴミ袋が大手スーパーのものだったりすると御近所とうまくいってないのかなと考えられるし、酒場の前にたくさんの自転車が駐輪している場合は混んでいるとしても地元の常連さんをがっちり掴んでいることが多く要チェックです。住居兼店舗の場合は2階の軒先に洗濯ものが下がっていたりして老若男女のいずれか複数が混じっている場合は家族経営かもしれません。家族経営の酒場は良心的で2 「古い店である」。 これもまた同意見です。「改築しなくても営業が続けていられる」というのが主たる理由ですが、単純に古くてきたないだけというのもよくあることです。それを素直に楽しめる方はいいのですが、ダメな方はまあ我慢してください。 これではまったく受け売りですね。これ以上何も浮かびません。自由に店を選べるっていうことは、実はものすごく厳しいことなんですね。自由に選ぶっていうのは、この日の酒場を決定づける数多くの要素をきっちり認識してそれを検討し、決定するということです。そこでは一切の妥協は禁物です。そうでないと判断を誤った場合は必ず後悔することになります。当然ながら店を決めたのは自分なので誰にも文句を言うことはできない。もちろんそのダメだった酒場の主人にさえよほど不当な金額を請求されたとか、衣類を汚されたといったことでもない限りは何も言うことはできません。 と言いながら呑んべえは、夜になると今すぐにでも呑みたい、もうどこでもいいから早く腰を落ち着けたい、いやもう立ったまんまでいいから、ってなっちゃうのです。それではいっそのこともうひとつだけ項目を追加します。3 チェーン店は避ける。 とりあえず、チェーン店ではない酒場であればどこでもいいから入ってみてください。それだけでもはじめてひとりで酒場に行く人にとっては新鮮な気分になれるはずです。
2011/11/09
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雨が振ったから酒場に入るわけじゃない。酒場があったから雨が降ったことにするのだ。気に入った酒場であれば長雨に逢った不運を語り、つまらない酒場であったなら濡れそぼることも辞さず一目散に家を目指したと言う。気候の不安定な日本は呑んべえにとって格好の風土なのです。週に一、二回程付き合いで酒を飲むような常識的な人には曇天の朝は憂鬱なのが一般的なのでしょうが、こと呑んべえにとっては格好の天候であると感じられ、うっかり細君に「今朝はいい天気だねえ」なんて漏らしてしまい、朝から弁解を強いられることになったりするから注意が必要です。 天候に限らず酒飲みはいつも言い訳を考えています。言い訳というのは、他人(一般的には配偶者)に対して説得性があると(あくまで本人が)考える論理的な言説ということになるのでしょうが、事前に計画していた言い訳は実際に行使した際無残な結果となることも多いのです。逆上的に言うと最近の天気予報の外れっぷりはどういうことだ!あまりにも潔い外れっぷりには逆に期待さえしてしまいたくなります。常習的に予想が外れれば真偽の程は本人の信用の問題に回収されるので、へろへろになる愚さえ犯さなければなんとか家庭内危機を回避できそうです。 さらに危険なのが酒場で実際に飲んでいる最中に言い訳を考える場合です。当然ながら酒を飲み進むと論理的な思考力は通常以上に低下してしまい、時には電話などで連絡する際のシナリオを作成したりするのですが、いざ電話が通じると喋ろうと思っていたこととまったく違ったことを語ったり、大根買って帰ろうかなんて余計なお愛想を言ってしまい何も買わずに帰ったりといったことになりがちです。今、○○駅を出るところだからあと30分で家に着くよなんて言った場合に限って電車が遅延してしまったりするのだからますます信用をなくしてしまう。 ほんとに携帯電話っていうのは呑んべいにとって本当に脅威ですね。GPSなんて機能まで当たり前に利用されるようになったら人生で一握りの楽しみの夜のひとときさえままならなくなってしまう。携帯電話って恐妻家にとってはつねに手綱を握られているようでこんな小さな機械に操られていると思うと投げ捨ててしまいたくなるのですが、そんな不遜な考えを持った途端に様式便所にボトリと落としてしまいさらに妻からの厳しい指導を受けるのでした。 言い訳をなくす方法として考えられるのは、(1)正直にすべてを語り合える関係を構築する、(2)細君も呑んべいにする、が考えられますが、(1)には酒をやめるくらいの覚悟がなければ無理そうです。やはり(2)がいいようです。私ごとですが最近、妻をバーに連れ出しているのです。もともとぼく以上に酒が強い妻のことですから、しっとりとして、くつろげるバーなんかは大好きで、多少の出費を惜しまず定期的に連れ出すことに成功しています。まあ、あまりにもおいしいカクテルを出してくれるバーなので日ごろ行きつけている酒場の酒にせつなさを感じるようになるという弊害もありますが。この作戦は若干の成果はもたらしてくれているようですが、やはり毎晩の晩酌を欠かさないようになってもらうには、今以上の投資を覚悟せざるを得ず、結局は毎晩の寄り道はままならなくなるという欠点を持つようです。お察しのことでしょうが実は(3)の方法があります。これだけは選ぶつもりはないのでわざわざ書くことは控えさせていただきます。
2011/11/08
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酒場に入って、外観からは小体に思われたのに店内が思いがけず広々としていて、意外の念を抱くことがままあります。席について落ち着いて観察すると壁面に鏡が貼られていることが判明します。年季を積んだ大衆酒場によく見られる仕掛けです。鏡の隅には「○○酒場謹呈」なんて記されていることも多く、酒場同士の縁をかいま見れて楽しいものです。京成高砂の「とんこ」では武蔵小山の「牛太郎」(多分そうだったと思います)から贈られた鏡が貼られており、主人に尋ねたら「知り合いにもらったんだ」という答えで、別に修業したとかいうことではないようで拍子抜けしたことがありました。 酒場に鏡が多い理由として考えられるのは、(1)目の錯覚を利用して狭い店内を少しでも広く見せるため、(2)客への帰宅前の身だしなみチェック用として、(3)鏡によって死角をなくし、すべての客席を見渡せるようにするため、(4)風水で鏡は悪い気を跳ね返し、金運を上昇させることから商売繁盛を願って贈られた、(5)酒樽の上蓋のことを鏡(鏡開きもそれが語源)と呼び酒場への贈答用として一般性があったからなどが考えられます。(4)(5)は贈る側の理由であり、贈られた酒場の主人は(1)(2)(3)としての機能を発揮するためにも念入りに調整して設置することになるのでしょう。鏡の置き場所次第では、酔っぱらいが激突して大怪我をさせたり、質が悪いゆがんだ鏡だとあまり見つめてしまうと悪酔いしてしまうかもしれません。 (1)の機能はサイズや位置、角度などが適切に計算されている場合、かなり有効であると思われます。鏡の機能によって実際より奥行きが感じられ、開放的な印象をもたせることが可能です。十条の「齋藤酒場」などは上手に設置された例と言えるでしょう。下手な設置をすると逆に窮屈でゴミゴミした印象が際立ってしまう場合もあるようです。 (2)は便所にあれば用が足りる感じもしますが、横着な呑んべえたちにとって動かずに身だしなみを整えられるのは便利ですし、派生的な用途もあります。鏡に映し出される自分の顔色や目つきをチェックして酔っぱらい具合を確認するということはよく見られるシーンです。鏡の中の自分と目線を合わすことで、うまく交差しなくなっていたら酔いの兆候と判断する人もいます。けれど基本的に顔の正面に鏡があるというのは少し決まりが悪いものです。よっぽどのナルシストでもない限りは視線を下に向けて新聞でも眺めたりするのが普通でしょう。この機能を目的として鏡が設置されている(と思われる)のは、カウンターが主体の酒場となるでしょう。棹子席や小上がりなどで鏡を見掛けることは稀です。主に複数の人と呑む場合に棹子席や小上がりが用意されている以上、自分の酔いの状態を確認するなら随行者に尋ねればいいだけですし、仮に鏡があったとしてそれを覗きこんでばかりいるのでは、いけすかないと思われるのがおちです。 (3)は極めてレアなケースになると思われます。この場合、鏡は幅広のこともあれば自動車のバックミラーなんかを流用している場合もあってヴァラエティーは豊かです。客の様子を見るために鏡を付けざるを得ないということは、従業員が少ないといったケースがまず考えられます。また、建物が正方形または長方形の見通しがいいシンプルな形状ではなく、動線の悪いいびつな造りになっている場合が考えられます。えらく背の高いカウンターで客の様子が見えない場合などにテーブルミラーなどが置かれることもあります。いずれにしても繁盛店ではほとんど見られないケースであると思います。こう考えると客へのサービス目的というよりは食い逃げや他人のボトルから酒をくすねるのを防止するための防犯目的と考えるのが正しいのかもしれません。監視カメラ替わりということでしょうか。 ところで注意しなくてはならないのは、鏡に限らず窓ガラスに映った場合にも言えることですが、鏡もしくは窓ガラスに映った他人と目線が交わってしまった場合です。こういう場合はさりげなく視線を逸らすようにしましょう。ふとしたタイミングで鏡に視線を送った際、誰かがじっとこちらを見ている場合があったとしたらさらに危険なので二度と鏡を見ない方が賢明です。例外的に女性が映っていた場合にはついつい見入ってしまいがちですが、変態と間違われないためにもぐっと我慢するのがいいでしょう。こうした酒場で魅力的な女性と出会う機会はあまり想像はできませんけど。
2011/11/07
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昨夜の文章を読んでいただくとお分かりになるでしょうが、例外的に気に入っているのを除くと角打ちという飲み屋のスタイルはどうしても好きになれないのです。せいぜい待合せに使ったりするくらいで、呑みに行くというよりも時間つぶしの寄り道みたいな使い方になってしまいます。それでは立飲みはどうかというと、大好きなのです。基本的には角打ちの多くが立飲みに含まれるとすると、どうして酒場の起源形態と考えられる角打ちが苦手で、その他の立飲みが好きなのでしょう。具体的に好きな立飲み屋を挙げてちょっと考えてみたいと思います。渋谷 富士屋本店田端 立飲スタンド 三楽秋葉原 立ち飲み処 おかめ 秋葉原店新橋 立ち呑 こひなた中野 やきや 中野店荻窪 立飲 やき屋飯田橋 スタンド居酒屋 立呑み やまじ これが今現在のぼくにとってベストな立飲み屋です。かなりメジャーな立飲みですが、どこも満員で入れないということはないですね。この7軒を見て感じたのは、これらには立飲みでは例外的にくつろげる空間があるということです。普通の居酒屋と同様、いやそれ以上にのんびりとした至福の時間を過ごすことができます。一般的な角打ち(もちろん例外あり)では、のんびりというより帰宅の電車時間を気にしながらさっと呑んで引き揚げるという、あくまで一杯呑むだけの空間、もしくは徹底的にお金がないけどそれでも酒は飲みたい、という人向けの場所であるように感じられます。角打ちと同様にこれらの立飲みでは一杯の酒だけでで肴なしに引き揚げることができる。その一方で、肴が充実しており、じっくり腰を据えて呑むこともできるという魅力があります。う~ん、どうもピンとは来ないですね、これらの酒場を好きなのはそんな理由じゃないような気がします。 では、価格面では角打ちより立飲みが安いことがあるのか。あります。秋葉原 百飲板橋 昭和赤羽 立ち呑み 桜商店603赤羽 立ち飲み いこい赤羽 喜多屋 これらの立飲みはとにかく値段については角打ちも凌駕する安さではないでしょうか。勿論お気に入りです。ただし、こうした酒場は酔うために飲むといったムードが濃厚ですし、なによりサラリーマンの上司が部下に奢る場所として機能しているようであまり気分のいいものではありません。値段は毎晩呑まずにおられない呑んべいにとってはが重要な条件であることは確かですが、安さばかりが必ずしも立飲みを好む理由とはならないようです。 それではどこにでもある便利さが理由でしょうか。角打ちは個人営業の酒販店が基本です。一方、立飲みにはチェーン系の進出が著しく、価格の安さ、あちらこちらにあって使い勝手がいいという理由から少し飲み足りなくて、でも財布が寂しい場合は重宝します。立呑処 でかんしょかぶら屋立ち飲み日高 好きかと言われるとけしてうなずけないのは確かです。これならば角打ちのほうがよほど魅力的です。酒場は満遍なく合格点をとっているタイプの店より、ある過剰な要素がある店のほうがより魅力を感じるようです。 どうやら答えはまだ出なさそうなので、他のお気に入りを紹介していずれ改めて考えてみたいと思います。【近くにあればちょこちょこ行きたい立飲み】京成立石 毘利軒西川口 やきとり 次郎 東口店西川口 やきとり 次郎 西口店王子 平澤かまぼこ 王子駅前店桜木町 福田フライ茅場町 ニューカヤバ月島 牛もつ げんき東日本橋 鮮魚立ち飲み処 酒喰洲秋津 もつ家 本店秋津 やきとり 野島野方 すっぴん酒場京成立石 立飲み さくら京成高砂 ぶすパンダ京成高砂 大衆酒蔵 みこし【時間潰しもしくは呑み足りないときの押えとして重宝する立飲み】池袋 たちのみや 喜平大塚 秀吉 大塚店大塚 立飲みコーナー 大つか駒込 立呑 ひろし駒込 たち飲み きんらん駒込 立飲みやきとり 逆転クラブ日暮里 立ち呑み 呑べえ日暮里 立ち飲み さかな綾瀬 立ち呑みコーナー 江戸っ子浅草橋 ぶたいちろう浅草橋 西口やきとん大宮 立呑処 なごみ【なかなかいい酒場だがあまり行く機会のない立飲み】高田馬場 三代目 天久高田馬場 釧路食堂 ザンギ 高田馬場店高田馬場 山でん池袋 立ち呑み 二合池袋 立ち飲み 小島西日暮里 おでん いま福鶯谷 もつ焼き さゝのや鶯谷 立ち呑み・天串の店 秀吉 本店上野 肉の大山 立ち呑みコーナー上野 立飲み たきおか御徒町 味の笛 本店(御徒町店)御徒町 立飲み カドクラ神田 立ち飲みコーナー さつま北千住 立呑み 洗心北千住 天七 本店松戸 立呑処 もつ焼き ようちゃん中野 泡
2011/11/06
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角打ちだけを紹介した本までが出版されているということは、角打ちの好きな方というのは思って以上に多いのかもしれません。確かに角打ちの風情というのは情緒があるもので、角打ちをやってる酒屋さんを見掛けるとついフラリと立ち寄ってしまうのでした。 江戸・元文年間(慶長年間?)、神田鎌倉河岸にあった「豊島屋」という酒屋が、店頭で豆腐を焼いた「田楽」を売り出し、併せて酒も販売。その後「豊島屋」を真似た店が、江戸中に続々誕生したのが角打ちの起源ということのようです(『江戸の台所』(人文社)より)。勿論、角打ちは、そのまま立飲みや居酒屋のルーツともなっていくわけですが、ここではとりあえず角打ちが酒屋での立飲みを意味することだけを確認させていただきました。 酒屋での立ち飲みを角打ちということであれば、座り飲みできるのは角打ちではなくなってしまいますが、実はそれでは非常に困ったことになってしまいます。案外椅子のある角打ちがあるんですね。池袋 みかわや酒店 ちょい飲み やすちゃん大師前 伊勢末酒店 赤ちょうちん鮫洲 飯田屋酒店千石 十一屋 能村酒店南千住 淀屋酒店 どこも感じがよくて楽しい酒場です。「やすちゃん」「赤ちょうちん」「古晒酒店」はどちらも酒屋にちゃんとした飲み屋コーナーを併設しており、そこそこの肴を提供しています。「やすちゃん」「赤ちょうちん」「飯田屋酒店」はそこそこ手作りの肴を供してくれるので、居酒屋使いも十分可能です。「十一屋 能村酒店」は常連さんで一杯なにぎやかな楽しい雰囲気が印象的。「淀屋酒店」は思いがけず広い店内が落ち着けます。 角打ちは肴が乾き物中心といった印象ですが、腹ペコののんべえを満足させてくれる角打ちもあります。池袋 三兵酒店 立ち飲みコーナー新宿三丁目 スタンディングルーム 鈴傳 どちらも肴は豊富ですが、特に「三兵酒店」はいいです。お勧めです。「鈴傳」は東京の角打ちでは最も知られていると思われますし、雰囲気はさすがに心地いいのですが、角打ちとしては値段に驕りが感じられます。 変り種の角打ちもあります(ありました)。堀切菖蒲園 金子酒店荒川区役所前 森田屋酒店(モリタヤ酒店) 「金子酒店」は卓球台が設置されているということで知られていましたが、ぼくが訪問した際には残念ながら撤去されていました。「森田屋酒店」はメディアで取り上げられることもしばしばで今更ですが囲炉裏もある角打ちです。1階は極めてありきたりな角打ちコーナーでむしろぼくなんかにはこちらのほうが落ち着けます。 これを角打ちと言っていいのか!というところもあります。飯田橋 杉山商店三河島 家谷酒店「杉山商店」はまだテーブルがあるし、手を加えた酒や肴もあるので納得できますが、とにかく気分よく飲む環境とはいえないのではないか。「家谷酒店」になると無理矢理呑んでる感じ。 ちょっと危険な雰囲気なのが、南千住 古晒酒店です。場所柄ということもあるのでしょうが、とにかく怒声が飛び交っている印象があります。 王道の角打ちといった風情はやはり魅力的で、以下の角打ちはしっとりとした時間を過ごせる気がする。池袋 桝本屋酒店田端 喜多屋酒店御徒町 槇島商店神谷町 虎ノ門 三河屋(三河屋酒店)人形町 加島酒店 これらは角打ちが苦手な人でも一度経験してもいいのではないでしょうか。まあ酒屋さんの味だけが魅力なのでそれ以外の何かは期待できません。 知られざる角打ちとして紹介できるのは、池袋 笹屋江戸川橋 小山商店でしょうか。どちらも特別なものは何もありませんが、ひとりくつろげる角打ちです。ひとりくつろげるというのは角打ちでは実は非常に貴重なことだと思います。 ありきたりの角打ち船橋 山清酒店大井町 武蔵屋酒店江戸川橋 磯貝酒店月島 越後屋 枝村酒店西大島 大林酒店大山 広太屋大山 三河屋酒店 あまり印象に残っていない角打ちから数件を。月島の「越後屋 枝村酒店」なんかはおばちゃんも感じいいので、こうした紹介をするのは気が惹けますけど。 というわけで実はぼくは角打ちにはあまりいい印象を持っていないのでした(少なくとも東京の)。とはいえ気軽に一杯飲めるというのは魅力です。わがままな客の要望に答えてくれるような角打ちが出てくることを期待します。
2011/11/05
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ウィキペディアを参照すると、「日本の法規では、道路・駅前広場・都市公園などの公共用地の地下に店舗・通路があるものを地下街、店舗部分が民有地で通路部分が公共用地の地下のものを準地下街、店舗・通路とも民有地の地下のものを地下階という。また、百貨店の地下階にある食品売り場を中心とした商店街をデパ地下と呼ぶこともある。平成17年版消防白書(総務省消防庁)によると、2005年3月31日現在、全国に地下街は63(うち特別区と政令指定都市に50)、準地下街は7(同6)ある」ということです。思ったより地下街は少ないのですね。 昭和7年に上野から浅草までの地下鉄開通に伴い日本で最初の地下街、地下鉄ストアが誕生したそうです(しかし最初(昭和7年開設)で最後の砦であった神田須田町地下鉄ストアも今年すべての営業を終了してしまいました)。昭和30~40年代に駅前の露天商を一掃・収容し、駅前広場地下街が全国的に整備され始め、多くの地下街が新設され始めました。その後、国は地下街の新設を規制する方針をとったことから、地下街開発は減少の一途を辿りましたが、近年の国の制度改正により平成以後は改めて地下街が見直されて、新設する機運が高まってきているようです。 大阪、名古屋の地下街や東京でも八重洲地下街は多くの飲食店があり、なかには酒場好きを喜ばせる店舗も存在しますし、三原橋地下街(注)、浅草地下街などはこじんまりとしているものの、さらに魅惑的な空間となっています。それ以外はというとパッとしないですね。やはり国の権力化にあることが、酒場に本来備わっているべき猥雑さや不道徳的な一面を損ねているのかもしれません。酒場好きには国の基準による地下街や準地下街だけが対象範囲では物足りなく感じられるようです。 それではいっそのことビル地下の飲食店街を対象に加えることにします。一気に裾野が広がります。こうしてみると地下の飲食街は大きく3パターンに分けることができます。(1)地上に出なくても(他の地下街を経由する場合を含む)公共交通機関に接続できる地下街、(2)地上に出ないと公共交通機関に接続でききない地下街に分けることができ、さらに(2)には(2-1)複数の地下街と接続している地下街と(2-2)独立した地下街があることになります。(2-1)はほとんどが高層のビル同士で接続されています。また(1)や(2-1)に関しては、もぐらが球根相手を探すようにいつの間にやら相互接続している場合もあると思われます。(2-2)は大規模な再開発でもない限りはあくまでも孤高の立場を崩さないことが特徴のように思われます。 それぞれを飲食店街としての特徴から見てみます。(1)は一般には公共交通機関から離れた場所に飲食店街が設けられることが多いようです。防災面や匂い水回りへの配慮からでしょうか。大抵の場合、法律上への配慮からも通路が広く、地上への出口も多く設けられ、風通しが良く造られており、常に発展途上の将来性のある環境と思われます。ただし、拡張に拡張を続けることで大阪の梅田駅や名古屋駅のように地域性に富んだ広範で独自な飲食店街が形成される場合もあるようです。東京駅の八重洲地下街は最近のリニューアルによって、かつての迷宮感が失われてしまったように思えて残念です。公共交通機関へとの接続を保ちながら新橋駅前の新橋駅前ビルと有楽町駅前の交通会館などは地下迷宮的な楽しさを未だに残しているのはうれしい限りです。(2-1)は条件さえ整えば(1)に格上げされる余地もありそうですが実際にはそれほど見掛けることはありません。東池袋のサンシャイン周辺はもしかするとこれに該当するのかもしれませんが地下に喫茶店やレストラン、そば屋などがある位でほとんど酒場は見掛けられません。巨大ビルというのが酒場を寄せ付けないのかもしれません。比べて(2-2)は断然場末ムードが濃厚になるような印象があります。開店からそのまま居着いてしまう店舗も多いことだと思います。1代限りの店主が店を閉じてそのまま空き状態が続いてしまうこともよく見かける光景です。このうらびれた感じが強く酒場好きの好奇心を掻き立てるのだと思います。ただし、地下という環境にもよるのでしょうが、カラオケが設置されていることが多いのがやや気になります。 ところで(2-2)が好きだと言っていながら申し訳ないのですが、思いのほか行っていないのですね。このタイプではニュー新橋ビルがやはり大規模なのだと思いますが、やたらと呼び込みがうるさかったり、店舗がきっちり区画されていて照明も明るかったり、客足が絶えないなどさほどうらびれた感じがせずあまりそそられることがありません。 と、なんだか尻つぼみになってしまいました。まだまだ経験が足りないようです。今後の課題として今回は終わりにします。注)東京都の中央区の東銀座駅と銀座駅の間にある三原橋地下街(公共交通施設と接続されていない地下街であり、極めて珍しい形態。新潟市の西堀地下商店街(西堀ローサと呼ばれています)以外には寡聞にして知りません)は、銀座シネパトス(3館)という映画館と飲食店が収容されています。
2011/11/04
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駒込から数分の霜降銀座は庶民的な商店が連なる渋い商店街です。商店街入口のそばに中華料理店と焼鳥屋が通路を挟んで営業しており、よくよく見れば奥にも数店舗が営業しているようです。小さな飲み屋街かと思いきや実は12階建てのビルです。1階が飲食店街、2階は事務所、3階から上はマンションとなっています。こうしたビルを雑居ビルと呼んでいいか、厳密な定義はわかりませんけど。このビル、どこか寂寥感がありながらも猥雑な空間を構成しており、一言で言うと場末感が濃厚で非常に好奇心を刺激されます。暗い通路を突き当ると右手に居酒屋、左手にはお好み焼屋があり、さらに左折すると店子の去ったがらんどうの空間があります。この突き当りはお決まりの共同便所です。 看板に「新潟の銘酒 えいちゃん」とあります。赤提灯に誘われガラスの引き戸を開きます。ユニークな店内で基本的にL字のカウンター10席のここまではまずまずオーソドックスな造りですが、手前の2席以外は座敷風になっていて靴を抜いで上がるようになっています。靴を脱ぐのが面倒なので手前の席に着きます。店に入った時点からオヤジさんはひっきりなしに話しかけてきます。オヤジさんの話は身内の話からちょっと危ない話までとりとめなく続きます。店の奥のカラオケセット1曲100円也目当てのおばさまたちで週末は大いに盛り上がるそうです。キャベ玉:290円は椎茸ともやしも入った豪華版,ボリュームがあって味も悪くない,玉子が半熟なのもうれしい。ここは14年前から営業していて、開店当時は6軒あった飲食店が今は4軒になってしまったそう。 ぜんぜん特別な酒場ではない。ただ飲食店街型雑居ビルにあることが無性に愉しい。ここで飲食店街型雑居ビルを大雑把に定義したいと思います。(1)複数のフロアを有する建物であること、(2)飲食店が複数存在し、金融業や風俗業などの他業種店舗数を上回ること、(3)収容定員が10名前後の小規模飲食店も混ざっていること、この3つの条件を満たしているものをとりあえず飲食店街型雑居ビルとします。付則として「ただし、特定のフロアが各条件を満たしていれば可とする」を付け加えておきます。全フロアすべてが条件を満たすのは、低層ビルに限られるのではないでしょうか。飲食店街型雑居ビルを代表するであろう1966年竣工の新橋駅前ビル1・2号館、1971年竣工のニュー新橋ビルのいずれが地下1階は、間違いなく飲み屋街として充実していますが、他フロアは飲食店に混じってかなり他業種の店舗が混じっています。これはこれで眺め歩くには愉快ですけど。 それでは、上記を満たした飲食店街型雑居ビルであればどれも魅力的であるかというとそうとばかりは言えないようです。ここからはぼくの好みが濃厚な希望的条件となります。A.酒場がメインであること、B.店子が不在で一部歯抜けになっていること、C.共同便所があること、D.接待中心の酒場が少ないこと、E.ほどほどに古いこと、これらの条件を加えるとかなり理想的なものとなりそうです。 果たして駒込の雑居ビルは、両方の条件をクリアできているのでしょうか。飲食店街型雑居ビルの定義では、(1)(2)(3)に付則を当てはめるとなんとか適合します。では魅力的な要素はどうかというと、Aはお好み焼屋と中華料理店は微妙なところですが、覗き見るにほとんどの客が呑んでいるから問題ないでしょう、Bは2店舗空きがあるのでよし、Cも問題なし、Dも問題ないでしょう。このビルは理想的な飲食店街型雑居ビルと判断できそうです。 巨大団地の1階に立ち並ぶ商店を見掛けることがあります。飲食店は少ないことが多いですし、シャッターの閉まりっぱなしなことも少なくないですが、魅力的な酒場も潜んでいるような気がします。巨大団地酒場については、今後の課題にしたいと思っています。 最後にもう一箇所、気に入っている雑居ビル飲食店街を紹介します。京成高砂駅の南口からすぐの植村ビルです。この1階には立飲みを中心とした数軒の酒場があります。もっとも怪しくて敷居が高く場末感を横溢できる「ばんだい」、優しいお母さんが好ましい立飲み「ぶすパンダ」、いつも混んでいて窮屈さが楽しい「ぽん太」、少し広めで気軽さがうれしい立飲みの「大衆酒蔵 みこし」。「みこし 2号店」「BLACK NEST」などが2階に入っています。
2011/11/03
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一般に志の高いある人が酒場を開業するというと、おいしい焼鳥屋やおでん屋を供したい、うまい日本酒を飲ませたいといった具体的な商品へのこだわりから酒場の方向性を決定し、現実化していくというプロセスを取るものだと思われます。基本的にすばらしい酒場とは、うまい酒や肴を提供する、主人の人柄がいい、建物の佇まいに趣があるといった様々なプラスの要素が複合的に構成されてできあがった唯一性に支えられているはずです。開業当初のこだわりにうまく歴史が積み重なることではじめて酒場は酒場となり、その一握りだけが名酒場として生き残るのです。人生がひとそれぞれであるなら、人の手によって培われた酒場そのものも唯一無二のものになるのは当然です。 昨今増加しているレトロ酒場というものは、そういった具体的なこだわりではなく、実体のないレトロなるイメージを起点に成り立っています。言ってみればレトロ酒場とは、酒場の酒場ということになるでしょう。現在のレトロブームは、「三丁目の夕日」に代表されるような昭和30年代から40年代に照準を当てたものとなっているようですが、レトロが懐古趣味を意味するのであれば、あらかじめどこかで行ったことのある、ありきたりのイメージに収斂してしまうでしょうし、ブームという言葉が一過性の流行を意味するとしたら歴史の積み重ねようがありません。 ところが、こうした酒場は驚くべきことに活況を呈しているようなのですね。仮に潤沢な資金を有する経営者がチェーン展開してしまうことを想像するとおぞましい気分になります。資金が多額であることは、本来、酒場が要請する唯一性を放棄してしまうようです。一方で新しいタイプの横丁が各地で展開されているようですが、これはすでにレトロ酒場が普遍化しつつあるということなのでしょうか。雑誌などで見掛けるこうした横丁にある酒場は、幾分かの差異を施すことで個別化を図っているようですが、それは酒場を包括する横丁そのものを模倣しているだけのものとしか思えません。こうした酒場が要請される時代が仮に訪れるとするなら、それこそ本物の酒場が絶えてなくなってしまった時であるべきではないでしょうか。一方で、レトロ酒場が本当に老舗と呼ばれるまでの年季を積んだ姿を想像すると愉快な気分になるのも確かです。 大宮に並んで建つすばらしい酒場があります。一軒が大衆酒場らしい開放的な空間が印象的な「いづみや 本店」、もう一軒はひとり客の好みそうな閉鎖的な造りが心地いい「いづみや 第二支店」、いずれも創業当時はさほど変わらぬ酒場であったかと想像されますが、その歴史が店の個性を形作ってきのでしょう。
2011/11/02
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チェーン系居酒屋にはよほどのことがないと行かなくなりましたが、若い頃はチェーンは安いものだと思い込んで足しげく通ったものでした。モンテロ-ザグループ「白木屋」は安さと場末の安キャバレーのような店内が楽しかったですし、養老乃瀧グループは養老ビールの魅力とどこにでもある気安さ、店舗ごとの個性的な雰囲気が気に入っていたことがあります。ひと昔前は「つぼ八」「庄や」「やるき茶屋」「村さ来」「庄屋」「天狗」、最近では「和民」「さくら水産」「甘太郎」「世界の山ちゃん」なんかも一時通ったことがあります。今となってはこれらの居酒屋のどこに魅力を感じていたのかは判然としませんが、どこに行っても同じという気軽さに安心を感じていたのかもしれません。これらはフランチャイズシステムにより店舗を増やしているタイプの酒場になると思われます。 今は、大手のチェーン系はそれこそ縁遠くなってしまいましたが、ある地域に集中して立地するタイプの小規模の居酒屋チェーンにお邪魔することがまれにあります。月給前によく立ち寄るのが「蔵元居酒屋 清龍」。御存じの方も多いでしょうが、埼玉県蓮田の蔵元直営の居酒屋で池袋を本拠に都内10店舗位にあります。酒場激戦区の新橋、神田、新宿などにも店を構えていることからも実力のほどが窺えるというもの。とにかく安さはピカ一でしょう。こちらは恐らく経営は一本で直営なのでしょうね。店舗ごとに少しずつサービス内容に違いがあるので店長に各店舗の采配を任せているのだと思われます。「樽平」「玉乃光酒蔵」なども蔵元直営店になるでしょうか。こういう形態は宣伝酒場なんて呼ばれたりもするようです。「樽平」はどこも個性的な店造りで楽しめます。特に江古田店は好き嫌いはともかくユニークです。 立飲み屋さんもチェーン店が随分増えました。「立ち飲み 日高」「かぶら屋」「立呑処 でかんしょ」なんかが代表でしょうか。御時世なんでしょうが、立飲みはちょっとうらびれた位の個人経営のほうが味があります。まあときどきは利用させてもらいますけど。特に「でかんしょ」は安くて重宝です、店舗数が少ないのでどこででも簡単に行けるわけではないですが。 「加賀屋」(「ニュー加賀屋」「加賀廣」「加賀藤」)やはチェーンではないようです。よくのれん分けと言われるシステムで増殖したようです。こちらも加賀という地名が屋号と結びついているのでこちらののれん分けではない「加賀屋」もありそうです。本郷三丁目の店舗が構えも立派でオオバコ、大衆酒場らしくて気持ちよく飲めます。もしかするとこちらが創業店なのでしょうか。北千住店と東十条店はバラック風で気分が盛り上がります。 とつらつら書いてみたのですが、チェーン店については、あまり言いたいことがないというのがわかりました。もうチェーン店について書くこともあまりなさそうなので、いくつかかねがね疑問に思っていたことを記しておきます。御存じの方がおられましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。【謎1】 20年ほど前、「大都会」というチェーン系居酒屋がそこかしこにあったと思うのですが記憶違いでしょうか? 知る限りでは、今現在、池袋店と松戸店があります。他に店舗はあるのでしょうか? 少なくとも池袋店は現在の営業形態になる以前も「大都会」だったはずです。この2店舗はどちらも24時間営業でチケット制の激安酒場です。【謎2】 千葉の東葛地区を中心拠点とした居酒屋チェーンがいくつかあります。「あみ焼元祖 しちりん」「炭火焼 しちりん」なんかがそうですね。ところで、「鳥孝」「大衆酒造 日本海」という2つのチェーン店があり、その支店は以下のように分布しています。「鳥孝」亀有店,南柏店,松戸店,稔台店,柏店,元山店,流山店,江戸川店,駒込店「大衆酒造 日本海」金町店(他系列1店),梅島,柏店(2店舗),松戸店,竹の塚店,北千住店,両国店,駒込店 このようにほぼ東京都葛飾区以北に立地しているのですが、なぜか駒込店が両方に存在するのです。これは一体どういうことなのでしょう? 駒込と東葛地区を結ぶなんらかの地縁や両地域に関わりのあるオーナーが存在するのでしょうか? 余談ですが、駒込でチェーンというと「呑兵衛」もチェーンと思われますが、駒込店、綾瀬店以外に店舗があるのでしょうか、それともまったく別の系列なのでしょうか?【謎3】「伊勢元」という屋号の酒場があります。(現存するなかでは?)八広が一番古いようです。亀戸、新小岩(閉店したんでしょうか?)にもあり、大塚も関連があるようです。一方で「伊勢元」という酒屋さんも数多く存在するようです。屋号に地方名が着けられることはごく当り前ですが、「元」という字が着いていることから何らかの関連性もありそうです。
2011/11/01
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酒場にいる人間には3種類あります。酔っぱらっている人、酔っぱらっていない人、そして酔っぱらいつつある人。酔っぱらっていない人には従業員をはじめ、酒をのめない人、これから呑み始める人なんかが想定できるでしょう。一般的に酒場にもっとも多く存在するのが酔っぱらいつつある人でしょう。 当人にとって酔っぱらっていない人から酔っぱらいつつある人への移行は容易に認識することは可能ですが、ここから酔っぱらっている人に移行するタイミングというのを知覚するのはなかなか難しいことのようです。この一線がはっきり分かるようであれば、これまでの人生は随分安楽なものとなっていたことでしょう。 ところが、傍目から見るとこの過程は案外判別しやすいものとなります。わかり易いシチュエーションとしてカウンターでのひとり飲みしている人を想定します。呑み始める前、ようやく開いているカウンターの窮屈な1席を両脇の先客を気遣いつつ、着席します。カウンターの中にいる主人の目に留まるよう背筋を伸ばし、酎ハイなんかを注文します。ついでにカウンターの大皿を覗きこんで肴を物色したりします。ひとしきり呑んで酒場の雰囲気にも慣れてくると、狭くて硬い椅子による腰痛のためか両肘付いて、独りごとなんか呟きだしたりします。やがて頬杖なんかを突き出すとそろそろ最終段階に移行しつつあることがわかります。間もなくカウンターによだれなんかたらしつつ突っ伏してしまうことになるでしょう。ガラス戸越しから観察したとすると徐々にその人が縮んでいく様子が見られると思います。なので、これから入店する場合は可能であればまだ縮まっていない人の影が見えている付近を探すのが賢明でしょう。
2011/10/31
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地方のすばらしい酒場を訪れるといつも思うことがあります。ここに次に来れるのはいつなのだろうか。もう二度と来れないかもしれない。この酒場の魅力を隅々まで記憶しておきたい。ところが、酒っていうのは、呑み始めたその時点からいろんなことを忘れるようにできており、酒場の記憶というものを大事にし過ぎると、酒が呑めないということになります。 ぼくの場合、これを呑んだとかあれを食べたなんてことはどちらかというと忘れてもいいことです。むしろ見知らぬ人々のなかにあって自分自身も含めてまったく赤の他人となり、ひととき解放されたような気分になれる。そんな気分だけは記憶し続けなければならないと思っています。 ぼくたちは、日々、かけがいのないものを失い続けています。ぼくにとっては、酒場がそのひとつです。すばらしい気分を与えてくれ、すでにその終焉を迎えた酒場のいつくかを思いつくままに綴りたいと思います。池袋 中華スナック まるや・池袋の北口を出て、ロサ会館を越え、しばらく川越街道方面に劇場通りを進むと左手に飲食店が中心の商店街が見えてきます。そこはかつて池袋三業地が広がっていた一帯で、戦後の復興後にも40軒近い料亭と200名程の芸妓を抱えていたそうです。今でもいくつかの料亭風の建物を見ることができますが、現在でも営業しているところはあるのでしょうか。三業通りと呼ばれる通りを歩くと左右には居酒屋、スナックに混じって青果店や床屋さんなどが昔の面影を残して営業しています。この通りには「熊の子鮨」という立ち食い寿司屋があり、給料日なんかにはこちらで寿司を握ってもらったりしましたが、数年前閉店されたようです。御嶽神社に繋がる横道を越えるとさらに場末さが増してきます。ここに「中華スナック まるや」はありました。屋号に惹かれて入ったこちらは料理自慢のおかあさんと年齢不詳の息子さんのような旦那さんで営んでおられました。朝方まで営業をしているので、近隣のスナックの方なんかもよく来ていました。スナック風の内装でありながら、ラーメン、餃子ばかりでなく、さまざまなおいしい肴が激安でいただけることもあって居酒屋感覚で頻繁に利用させてもらった時期があります。〆のホットサンドイッチは定番のメニューとなっていました。昨年久しぶりにこの界隈に呑みに行った際、建物や看板等はそのままに閉店となっていることを知りました。メニューにない品ばかりオーダーしてもさっと対応してくれたママさん、華奢でありながら野太い声が印象的でいつもにこやかに迎えてくれたマスター、おふたりが今どうされているか気掛かりですが元気でおられることを願います。御茶ノ水 まいまいつぶろ・御茶ノ水駅の聖橋口改札を出るとすぐに今でもキッチンカロリーがあります。そのすぐ隣に「まいまいつぶろ」がありました。まさに鰻の寝床のような細長く奥深い店内はいつも暗くてとても都心の駅前とは思えず、まさに魔窟に潜入した気分になったものでした。トリスはワンショット140円だったかな、寡黙なマスターはほんの一杯だけ飲む客にも他の客同様クールな表情でさらりと応対してくれて、月給前なんかにも重宝させていただきました。今はカレー屋さんになって当時の面影はまるで偲ぶことができません。淡路町 とん吉・「神田 藪そば」や西洋天ぷらの「松栄亭」など多くの老舗を抱えるこの一帯も再開発の波にさらされており、淡路町交差点に面した「やきとり」の橙色のテント式看板が印象的な「とん吉」もすでに閉店して随分になります。古びてはいるもののどこといった特別なことのないこうした酒場の消滅を残念に思うしかないのでしょうか。 愚痴っぽくなってしまったので、ここまでにしておきます。以下には行ってみたかったのに結局行けず仕舞いになってしまった酒場名を挙げておきます。失われたものについて思いを馳せるときには、いつも手遅れになってしまったことへの後悔ばかりが胸に去来してしまいます。後悔しないためにもこれまで以上にせっせと酒場を巡らないといけないと心に刻むのでした。池袋 長野屋酒場・憧れの酒場、再開したとの噂に何度か足を運ぶもののすでにマンションに建て替わっています。田端新町 神谷酒場・建物だけでも見てみたいと思い、足を運ぶもののどこにあったのかさえ分かりませんでした。曳舟 赤坂酒場・閉店後、数日たってはじめて訪れ看板の下ろされた空っぽの店舗のみ眺めることになりました。赤羽 大久保酒場綾瀬 三幸酒場東十条 大林酒場大井町 大山酒場・コメントの言葉さえ浮かびません。ぜひ一度は暖簾をくぐっておきたかった酒場です。
2011/10/31
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酒場の似合う人と似合わない人っているもんで、ぼくは残念ながら明らかに後者に属しているようです。どうしてだろう。若者よりおっさん、おっさんよりじいさんの方がしっくりしているのはあるでしょう。ぼくも十分おっさんですし、今にして振り返ると人生の三分の二以上は酒を飲み続けている。酒場も随分巡ってきたつもりだ。それでもどうにも様にならない。 細川たかしの「北酒場」、この曲が流行っていた頃はまだまだ子供で「欽ちゃんのどこまでやるの」を楽しみにしており、細川の歌うこの曲をしじゅう耳にしていたものです。「長い髪の女が似合う」「涙もろい男が似合う」と歌われていますが、いずれもセンチメンタルすぎる。競輪・競艇帰りのセンチメンタルのかけらもないような人が酒場では目を惹くことがある。 こんな経験があります。「とある酒場のカウンターに腰掛けながら物思いにふけって酒をすすっていた。ふと目をあげると、目の前に酒場に溶け込んだかのような客がいた。それまではその客の気配などまるで感じなかったのに。まるで酒場ができた頃からずっと居続けたのではないかと思わせられた」。実は知人にもこうしたタイプがおります。いつも決まった酒場で決まった酒を、決まった時間、決まった量だけ飲んでいる。けして寡黙なわけでもなく話し掛けて、話題がお気に入りの分野に及ぶと熱く持論を語ったりもする。けれど、黙っているときには、まるで幽霊のように存在感が気迫になる。ここまで来ると似合うという段階をとおり越しています。 酒場の似合う人と一言で語ってきましたが、常にどんな場面でも似合う人というのは案外少ないのかもしれません。バカ騒ぎする陽気な酒が似合う人としっとりと大人の時間を楽しめる人、場末の酒場が似合う人もいれば銀座の一流店で酒場負けしない人もいる。ぼくも自分に似合った酒場やシチュエーションを見つけることができればいいだけなのかもしれません。 ところで、酒場の客にはカウンター席が似合う客と立ち飲みが似合う客がいると思います。カウンター席が似合う客というのはうつむき加減のスタイルが様になっていて、立ち飲みが似合う客というのは仰向け気味なんじゃないでしょうか。ちょうど前者が太田和彦、後者が吉田類といったイメージですか。いずれにせよ、正しい姿勢で正面に視線を据えて酒を飲んでかっこいいのはそれこそ市川雷蔵位かもしれません。
2011/10/30
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ときとして酒場に行くことは酒を愉しむためだけではなく、他の設備がもたらす快適さや娯楽を享受するために数ある酒場から特定の酒場を選択することがあります。 酒場においては、いまだに空調の完備されていないところも多く、夏の暑い夕暮れにおいては冷房設備の整っていることが選択の条件として非常に高い比重を占めることがあります。暑い中で、グイッとビールをあおる気分も格別ですし、団扇を片手にぬる燗をすすったりするのも風雅だとは思いますが、やはり雅を楽しむより快適さのほうに分があるようです。 テレビという条件によっては邪魔な存在も、酒場にあっては重要な脇役になっているようです。ひとり酒をしない方にとっては、なんで酒場にはこうもテレビが置かれているのだ、ひとり客がテレビを眺めているのはわかっているが、むしろ侘しさが強まるようで目障りだなんて印象をもたれてしまいそうです。それでもぼくがこれまで通ってきたチェーン店以外の千軒以上の酒場の恐らく7~8割位ではテレビをサービスとして提供しています。最近ではまだアナログ対応できていない高齢な店主がひとりで切り盛りする酒場なんかでは、地デジ対応についてひとしきりお喋りすることがたびたびありました。 もちろんひとりで飲む場合も、ひとりぼんやりするもよし、文庫本をめくるもよし。でも退屈になったり、ページを捲るのが面倒になってくるとテレビ画面を見るともなしに眺めているというのは悪くないものです。店主ともテレビで放映されている内容に応じた会話を交わすこともままあります。 ところで、夕暮れの酒場の定番放映番組というと野球と相撲ですね。それと夕方の時間帯は「水戸黄門」も人気がある。酒を飲むのって案外忙しいもので、酎ハイを呑み、煮込みをつつき、タバコの灰を落とす、常連と会話を交わす。その合間にようやくテレビの画面に目を向ける。そんな忙しい酒飲みにはじっくりとテレビの画面を眺めている時間は実はそうはないのです。これらの番組は、酒飲みの生理にぴったりあったものなのでしょう。 野球にあってはドラマチックなんて言い方がされることがありますが、実はそれほどドラマチックなことが起こることは極めて少ないと思うのです。まず野球って動きが少ない。投手がボールを投球するまではドラマなど特殊な例外を除くとまず起こらない。打者にボールが迫ってからも、その後にはごく限られた結果がもたらされるはずです。有効打になるかならないか、空振りするか見送るか、まれにデッドボールがある位で、この中では有効打になりそうな場面が生じた場合のみ、その後の推移を見守らざるを得なくなります。 相撲の場合はより端的で、勝負を見守る者たちは、よほど入れ込んでいる人でない限り、ほぼ不動の大男たちが不意に衝突してからのとっ組み合いを見守るだけでしょう。そして展開は野球以上にシンプルで、押し出されるか、倒されるかに尽きています。それこそフンドシが外れたり、プロレスまがいの技が繰り出されることはほとんど期待できません。 誤解を恐れずに端的に言うと野球や相撲の放映は、ほとんどが退屈な時間で占められているのではないでしょうか。だからこそスポーツ紙は、プレー内容や勝ち負けの結果ばかりでなく選手、力士の私生活までをあれほど大きく記事にして提供し、退屈な時間を埋めるための格好のネタとして使ってもらえるよう配慮しているのではないかと思っています。酒場においては互いにそ知らぬ顔でひとり酒を決め込んでいる者たちが突如として会話に華を咲かせもします。「水戸黄門」においては若干事情が異なるかもしれませんが、見るともなしに漫然と画面を眺めていた人が終盤が近づくと口々にこの後の展開を語りだし、実際事がそのように推移していくのを見守りつつ、あまりにも予定調和なことにおかしみさえ感じて、酒場全体が何やら得体の知れぬ楽しさに包まれていたりします。 こうしてひとしきり退屈をむしろ積極的に楽しんで放映が終了すると、いい具合に酔っ払った客たちは早々に席を立ち引き上げていきます。テレビを楽しむ酔っ払いは案外律儀な連中が多いのかもしれませんね。 こうしてみてくると、酒場とテレビって案外相性がいいと思うのですがいかがでしょう。「吉田類の酒場放浪記」やが好評を博しているのも相性のよさがもたらしているのかもしれません。といっても吉田類氏の番組を除くと太田和彦氏の諸番組は肴や酒がメインっていう感じがしますし、バラエティーなんかで時折見られるのは人が酔っ払っておかしげな行動を取ることを楽しんだり、くだのまき方が激しかったりするのを楽しんでいる場合が多いのは酒場好きとしてはあまり好きになれません。酒場で楽しめる酒場番組がもっと増えると楽しいですね。案外、酒場でグルメ番組が流れていることって多いんですよ。
2011/10/30
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ようやく上中里に行くことができました。上中里界隈を愛される皆さん、お待たせしてすいませんでした。--前回-- 第2回は、上中里と三河島の対決です。ところがこれまで上中里で呑んだことがないんですね。それだけで三河島の不戦勝は決まってるんですが、それだと面白くないのでもう少し文章を引っ張ります。(略) というわけでちょっとずるい結果ですが、三河島の圧勝ということになりました。もし上中里にすごい酒場があったらお知らせください。すぐにでも出向いて確認したいと思います。-------- 前回は散歩の際に南側に「お多福」「やきとり 岡ちゃん劇場」、北側に「花屋食堂」「やまと食堂」を見掛けていたことをレポートしていますが、その時は昼間の散歩でした。酒場を巡るにはその時間帯が夜であることが重要です。昼間であれば見落としていたような酒場も夜になると息を吹き返し、温かい光を放ってくるからです。昼間には単なる民家としか思えないような家屋が夜になると提灯ひとつで酒場へと変貌している場合もあったりします。 そんな思いがけない出会いを求めて10月×日、上中里を探索してきました。といってもスタート地点は駒込駅からにしました。友人と一緒なので待合せ場所のない上中里ではちょっと不安だったからです。駒込駅東口から駒込銀座を越えて、楽しい霜降商店街を横目に眺めつつ旧古川庭園方面に向かいます。ここまで来ると辺りはすっかり暗くなってきて商店もぐっと減ってきます。脇道に何軒かの酒場があり、ちょっと気になるのもありますが、誘惑をはねのけさらに道なりに進みます。旧古川庭園の立派な塀を越えて右折、ゆるい坂を下るともう上中里駅です。 駅前にはスーパーのほかは、モダンな外観の「やきとり 岡ちゃん劇場」、ありきたりな見栄えの「お多福」(以前見たときは看板が青くて古臭かった記憶があります)、けっこうな大盛で知られる「百亀楼」なんかがあります。どこも入店するまでの決定的な魅力に欠けていたのでとりあえず駅の脇の京浜東北線などの線路をまたぐ歩道橋を越えると階段がある。外を眺めると随分な高低差があり、地上までは随分な段数がある。地上に降り立つと目の前には地味ではあるものの商店街が続いています。「花屋食堂」や銭湯,デイリーヤマザキ,八百屋,そば屋なんかがある。ここを右折してしばらくいけば「ゆたか食堂」があるのを知っているけどどうにも呑める食堂とは思えなかった。 いますぐ飲みたいので、この商店街の突き当たり「炭火宮崎地鶏 孝基亭」に入ります。平成21年創業の新しい酒場ですが店内は意外やクラシック。天井には大型のファンむき出しの扇風機があったりします。客は5名程入っているがもちろん原住民たち。この場所はなかなかふらりと立ち寄る客を引き込むのは難しいだろうなあ。みなさん、ボトルを入れて愉しんでいる。いかにも地元密着型酒場でした。オヤジさんは愛想がいいし(ちょっとご馳走してもらった)、息子さん?は料理上手で感じがよかった。 続いて、駅の階段を下りたすぐにある「花屋食堂」。でかい看板に味わいがあるけど,きれいな食堂です。酒:350円をお願いする。こちらのオヤジさん、おしゃべり好きな愉快な人だった。肉野菜イタメ:400円はものすごい量。あまり面白味はないですが近所にあったら利用したいかも。他に客が1名のみで少しさびしいのがいいかも。 やや呑み足りないので南側に引き返し、「お多福」に入店。お隣の「百亀楼」は盛りがいいので大食いたちには知られていようで、そこそこの客の入り。「お多福」であるが、最近改装したのでしょうか、以前よりきれいになっている感じ。店内はカウンター8席位にテーブル3卓だったかな。オヤジさんと女子高生位の女の子でやってるようです。お客はなし。テーブルに着いて、ホッピー:450円(中:150円)とキャベツ焼:350を注文、お通しはきゅうりとワカメとたこの酢の物、なかなかおいしい。キャベツ焼はお好み焼みたいなので量もあってうまい。ホッピーは中の値段が安いのはいいですね。 といったわけでとりあえず上中里ツアーは終了。どちらも感じがいいし、肴もまずまずうまい,値段はまあまあだし、良心的ではあるけれど、ここまでわざわざ行くべきだ、なんてお勧めできるほどの酒場はなさそうでした。 どちらも酒場らしい酒場が少ない土地ですが、やはり三河島のほうが酒場好きには魅力的な街であることは間違いなさそうです。それでも念願の夜の上中里に行けたのは楽しかったですね。 ここで、友人とお別れ。本当なら尾久に立ち寄って、都営荒川線に乗って帰宅したかったのですが、駒込まで同じ道を引き返したのでした(本当は駒込までの中間地点に気になる酒場を見つけたので立ち寄るつもりだった、でも財布の事情で今度のお楽しみ)。
2011/10/29
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お通しや突き出しについて考えを巡らすには、まずこれらの単語に着目してみることにします。ふたつの単語から受ける印象を比較すると「お通し」は、お店に「お通し」するというように受け止められないこともないですし、「突き出し」はお店から「突き出す」というまったく逆の意味を想起させないこともないでしょう。東日本方面で使われるという「お通し」と西日本方面で使われる「突き出し」はなぜ反対の意味合いをもったのでしょうか。本当に反対の意味をもった言葉なのでしょうか。 それぞれを動詞化してみました。「お通し」は「通す」、「突き出し」は「突き出す」ということになります。まず「通す」を見てみましょう。「お」は丁寧の形態素「御」から来ていると思われますが、この「お」を抜いて動詞化すると意外なことに頑固者の一面が際立ってきました。「一念岩をも通す」「押し通す」「言い通す」「筋を通す」「貫き通す」などなどなかなかマッチョな単語が揃っています。一方、「突き出す」は「小突き出す」位しか派生的な単語は見当たりませんが、いずれにせよ乱暴で暴力的な匂いが感じられます。「お通し」も「突き出し」も男性的な印象で正反対の意味という程かけ離れたものではなさそうです。試しに「突き出し」にも丁寧の「お」を付けて「お突き出し」にすればゴロはいささか悪くなりますが、似たようにソフトな印象になるようです。 とりあえず「お通し」「突き出し」の単語を考えても収集が着けられそうにはなさそうです。わが不愉快を克服できるすべを探る方向へ舵を切りたいと思います。
2011/10/28
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そば屋で昼酒っていうのは、飲兵衛が憧れるひとつの飲み方です。ときおりリタイアしたじいさまグループが真昼間から顔を真っ赤にしているなんて風景を目にすることがありますが、あれは見苦しいですね。やはりそば屋で昼間飲むからにはかっこつけ過ぎな位で飲む方がはたから見てもスマートに感じられます。当たり前に通えるようになるといいのですが、なかなか難しいものです。ぼくは、大衆食堂や中華料理店なんかが特に気に入っていて度々利用しますし、なんと言っても安くて、昼間から飲ませてくれる店が多いのも重宝します(それほど機会が多いわけではありませんが)。しかし、夜になるとどうしても惹かれるのが酒場(居酒屋)になります。いずれの店においても酒を出してくれるし、肴も出してくれる。どうして酒場(居酒屋)に惹かれるかの理由が、よくわかっていません。 その理由をはっきりさせるヒントになると思われるのが、評価に使われる言葉です。他の多くの飲食店は、「おいしい/まずい」という言われ方で評価されているようです。ところが、酒場(居酒屋)にあってはむしろ「よい/わるい(ひどい)」や「好き/嫌い」という評価のなされ方が自然な感じがします。 他の飲食店には、日本料理店・西洋・中華・その他の外国料理店・そば/うどん店・すし屋・大衆食堂などが含まれると思われますが、これらの業態においては前者で表現されることが多いように思われます。料理を出すことがメインである業態では「おいしい/まずい」という言葉で語られるのでしょう。 逆に酒場(居酒屋)・ビヤホール・バー・スナック・キャバレー・クラブなどは後者の表現がナチュラルに使われています。一般に酒場というのは接待を伴わないスタイルで酒を提供する店と捉えられているようです。ということでさらに分類を進めるとキャバレーやクラブは接待を伴っているということになるでしょうか。このキャバレーやクラブの場合、「よい/わるい(ひどい)」と一言で断じたその形容詞の前には「《サービスが》よい/わるい(ひどい)」「《女の子の質が》よい/わるい(ひどい)」といったようにかなり明瞭な単語が想起されます。ビヤホールやバーはやや曖昧ですが、営業内容がストイックだからでしょうか、《サービスが》は同様、「《従業員/バーテンダーが》好き/嫌い」は女の子の変種としてある以外には、「《店の雰囲気が》好き/嫌い」なんかが追加されるでしょうか。ところでビヤホールやバーは、「《ビール/カクテルが》おいしい/まずい」もかなり大きな要素として含まれています。ところがその店について一言で語る際には「『Bar ×××』はおいしかった」とは滅多に表現されません。だんだんわかってきました。酒場(居酒屋)というのは、さまざまな「よい/わるい(ひどい)」「好き/嫌い」という要素に加えて、少なくとも酒と肴において「おいしい/まずい」という要素も加わって評価されるために「よい/わるい(ひどい)」「好き/嫌い」という一言で片づけられることが多いのかもしれません。 こうして考えてみると評価要素の多い酒場(居酒屋)というのを切り盛りするのはなかなか大変なことかもしれません。というよりもとてつもなく料理の腕が冴えていたり、サービスが上手だったり、酒の知識が豊富だったりというタイプの人よりもいろんな方面に目端の利くタイプの人の方が酒場(居酒屋)経営には向いているのかもしれません。ということは、裏返して言えば、酒場(居酒屋)がより好きな人はまんべんなく欲張りということが言えるのでしょうか。毎晩、仕事帰りに立ち寄るときの感情はさまざまです。仕事でチョンボして落ち込んでいるときは主人との雑談で癒されたり、営業がうまくいかないで苛立ったりしたときは、安い酎ハイで大虎になってみたり、新規の契約が取れて有頂天になっているときは、奮発して普段食べられないような豪勢なつまみをとってみたりとさまざまなシーンに対応してくれる万能選手的なところが酒場(居酒屋)の魅力なのかもしれません。
2011/10/28
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10月×日夜、駒込駅から5分ほどの焼鳥屋にいます。この酒場は飲食店が5軒ほど入った小さな雑居ビルで、通路の奥にはお決まりの共同便所があります。その1軒にお邪魔しました。酒場好きとしてはどん詰まりにある酒場にそそられるものがあったのですが、持ち合わせの都合でこちらにしました。 断るまでもありませんが、入りにくい酒場っていうのは、入りたくない酒場とはまったく違っています。先ほどの奥の酒場はいかにも入りたい。 入りにくいっていう感覚は、やはりはじめて訪れた場合に鮮烈に感受されます。はじめての酒場を訪れる楽しみには、恐いもの見たさという感情を含んだ刺激的な体験をしてみたいという要素があるんでしょう。【混んでいる酒場】 当然ですね。物理的に入れないんじゃどうにもならない。「入りにくい」ではなくて「入れない」ですね。ところで気を付けないとならないのが混んでるからっていい酒場とは限らないってことです。これは多くの方が経験されていると思います。【がらがらの酒場】 すっかり夜も更けた裏通りの酒場前で、ガラス戸越しにぼんやりと窺える店内にまるで人の影がない場合、やはりその戸を開くのにはそれなりの思い切りが必要でしょう。だからといって、空いているからひどい酒場ということでもなさそうです。むしろ名酒場が紛れ込んでいたりするかもしれません。こうした酒場は丹念に街を彷徨って見つけ出さないといけないです。【恐ろしく汚い酒場】 これは外観から窺える場合に限りますが(カウンターにゴキブリが蠢いていたりして、きたねえなあなんて感じてもすでにそのときは入店してるんですね)、これがなかなか難しい。建物の周囲のゴミ箱の状態なんかで衛生状況が分かる場合もあるでしょうが、のれんがビロビロでベリベリに破れていてもすばらしい酒場はたくさんあるので油断がなりません。【不自然な位にうるさい酒場(カラオケが響き渡る酒場を含む)】 これは案外簡単に判別できますね。大抵の場合、店外にだみ声、裏声なりが轟いているからです。南千住辺りを徘徊すると見るからに酒場でありながら、ほとんどスナック化した酒場に行きあたります。居抜きで旧店舗にまるっきり手を付けずに商売をはじめたのかもしれません。ただし、何軒かを除くとほとんどががらがらのようなのでひとときの酒場気分は味わえます。【外から丸見えの酒場】 飲んでる姿がばっちり見えてしまう酒場がありますが、どうしてそんな造りにしたんでしょう。知人・同僚・恋人・家族に目撃されたときにみっともないというのもありますが、店前で店内の酔客のみぐるしさを目にしたら他人事ではなくなって嫌な気分になったりします。【狭すぎる酒場】 これは混んでいる場合とがらがらの場合のいずれかであることが多いようです。前者の場合は窮屈だということもありますが、むしろコミュニケーションを取らざるを得ないという強迫的な気分で飲み続けなければならない気分になります。後者の場合はさらに厳しくて店主との濃密なコミュニケーションまたは完全な沈黙で時間が過ぎていきます。しかも切り上げ方にも工夫が必要となります。【あんまり有名過ぎる酒場】 混んでいる、うるさいなどの要素が加味されることも多い。そわそわしていてりすると雑誌記事やネットを見てきたなあんてあなどられるのを気にして必要以上に勝手知ったる雰囲気を漂わせたりして。そんなときに限って素直にはじめて来たことを愉しんでいる客に質問されておろおろしたりしてしまうのでした。 まだまだいろんなタイプがあるかと思いますが、どんな酒場でも思い切って飛び込んでみるしかないですね。経験してはじめて好きか嫌いかもはっきりするもんでしょうね。
2011/10/27
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毎晩通える酒場の基準は、価格を基準の筆頭に上げざるをえません。残念ですが。ただし、とかく安い酒場は安いなりの理由があったりする場合が多いので、品書きの安さに目が眩んでうっかり油断してしまうのは禁物です。値段が安いとなぜうれしいのか、当然その分たくさん飲めるからということがもっとも大きいのですが、もっと大きな理由は経営者のサービス精神をはっきりと受け止めることができるからでしょう。というか、あまりに安過ぎて思わず笑ってしまうことがあります。 近所にこんな酒場があったらあっという間に病院送りになってしまいそう。そんな、徹底的に安さにこだわった酒場のリストを公開です。有名店からまったく知られていない酒場まで思いつくままに挙げています。 なお、価格は現時点のものではありません。実際に行かれてリストよりも高かった場合はご勘弁ください。板橋 昭和・生ビールのダブルが200円以外はすべて100円。とにかく破格の安さ。利用期限が無期限ではあるもののチケット制というのが少し残念な点であります。金町 居酒屋 ガキ大将・瓶ビール大瓶:370円。見るからにありきたりのチェーン店ですがハッピーアワーや曜日限定のサービスもありともかく安い。「山吹」(瓶ビール大瓶:380円)をはじめ良心的な酒場の揃う金町でも安さではハイレベルだと思います。南千住 居酒屋・食事処 たかでら・南千住は安い酒場とカラオケ付きのほとんどスナックみたいな酒場が外観からは判別できないことがままあります。こちらは外観は小奇麗ですが店内はおっさん、じいさんの活気に満ちています。酎ハイ:220円,3種 きき酒セット(日本酒/焼酎):450円,卵焼/ニラ玉:200円。新小岩 魚三酒場 新小岩店清澄白河 魚三酒場 常盤店門前仲町 魚三酒場 富岡店・確かに安いのでこちらを出さないわけにはいかないでしょう。個人的にはあまりにオオバコな門仲の富岡店よりその縮小版といった風情の常盤店や趣のある建物の新小岩店が好きです。酒:180円。,あら煮:50円。南千住 大坪屋・またもや登場しました。障害を乗り越えて安さに挑戦してみてください。焼酎:150円,炭酸:50円,まぐろブツ:200円。飯田橋 かめや・お隣の「スタンド居酒屋 立呑み やまじ」も捨てがたいですが、さらに安いのがこちら。いろんな意味で安い理由がはっきりしていて楽しめます。サワー:150円,焼物:70円。板橋 河内屋・安い、狭い、人がいい。マスコミにちょこちょこ出ているようで入れたらラッキーです。焼酎:200円,串揚:80~150円。綾瀬 串のこたに・とにかく激安ぶりに驚かされます。ファミレス使いの家族連れが多いのでひとり孤独を愉しみたい向きにはお勧めできません。瓶ビール大瓶:360円,こたにサワー:100円(じゃんぼこたにサワー:5杯分450円),串揚:5種350円~。尾久 串焼 丸吉・常連が多く、少し敷居が高いです。何も期待せずに入るとそれなりに満足できるはずです。ウーロンハイ/酒/生小:220円,ホッピー:330円(中:110円),焼物3本:220円,ガツ刺し:160円。十条 齋藤酒場・ここで紹介できる位だからやはり「齋藤酒場」は安いなあ。すばらしい酒場だし、度々訪れているのですが、いつ行っても違和感が残る酒場なのでした。澱酒180円,ポテトサラダ:200円,串かつ:200円。柏 里の味 仲屋・瓶ビール大瓶:400円,チューハイ:220円,卯の花/セロリ:100円,豆腐ステーキ:200円。次に紹介する「仲屋」は御兄弟の営む酒場のようです。あまり活気がないのでその分落ち着けます。カウンター席が少ないのが残念。柏 仲屋・チューハイ:200円,ウーロンハイ:250円,焼鳥:2本250円~。こちらは活気もあって、カウンター席も充実。馬橋 ニカカレーショップ・サワー:240円~,焼鳥(焼とん):60円or70円,ビーフカレー:300円。またまた登場のユニークな酒場、値段もしっかり安いです。松戸 ばか酒場 松戸店・酎ハイ/酒:180円,煮込:200円,寿司:1貫:50円~200円。新しくて安いのになぜかいつも(というほど行ってませんが)空いているような印象です。西川口 広瀬川・焼酎水割:190円,チャーシューメンマ:180円,ロッキード(落花生):100円。こちらは最近移転してきたそうで、案外小奇麗で使いやすい酒場です。平井 松ちゃん・特製ハイボール:230円,かしら/レバ:2本200円,寿司3貫:250円。平井の有名店。座敷がメインなのでさくっと引き揚げるのが気が引けてしまうのが残念。綾瀬 もつ焼・酒 やまざき・チューハイ/お茶ハイ:200円,もつ焼2本:200円~。こちらも空いている印象があります。空いているとちょっとだけ飲み食いで引き揚げるのが悪いような気分になるのが厄介です。淡路町 良心的な店 あさひ・席料:100円,酎ハイ/ハイボール:150円,焼酎水割:100円,ポテサラ/ゴボウ天:200円。「もやさま」はじめテレビでもよく紹介されているようです。ひとり飲みには向きません。神奈川 市民酒場 みのかん・価格は忘れましたが激安。こちらこそ近所に欲しい酒場の個人的なベストかもしれません。新大久保 仙力 支店(百人町一丁目店)・焼酎湯割/水割:230円,さしみ盛合1,000円。珍しく刺身の価格を紹介するのは値段から想像する以上に盛りが立派でけっこうおいしいから。船橋 大衆酒場 一平・酎ハイ:210円,牛煮込/肉豆腐:200円。カウンターが素敵です。先日は陽気なおっちゃんと話しこんだ挙句に御馳走になってしまいました。池袋 大都会 北口店・安くて24時間営業。通常飲めない時間帯に伺っているため夕方から夜にかけては安いかどうか保証できませんが。京成立石 立飲み さくら・立飲みとありますが,椅子が置かれています。価格的にも優良店が多い立石でもかなりの安値の酒場だと思います。南浦和 あかね・瓶ビール大瓶:380。外観の小奇麗な印象を裏切るようなうらびれた店内。肴は350円位が主流ですがかなりでかいのでオーダーし過ぎない方がよろしいでしょう。船橋 居酒屋 伸幸 本店・チューハイ/ウーロンハイ:160円,げそ唐揚/ちくわ磯辺揚:300円。正直あまり印象のない酒場ですが、安いのは確か。いわし料理の店だったと思います。いわし料理はそこそこの値段。荻窪 田中家・酒:180円,目玉焼:160円。駅前の飲み屋街にひっそり佇む一軒家の風情がすばらしい。注意)今回御紹介した酒場には基本的には立ち飲みは含まれていません。
2011/10/26
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われわれは酒場に酒を呑みに行きます。けれど酒場はたんに酒を呑むだけの場所ではありません。われわれは酒場に他の何かを求めるのでしょう。その何かに対する回答のひとつが主人の存在です。 具体的に求めるものとしては、酒や肴のうまさ、値段、雰囲気(店の佇まい、独りでもくつろげる)、案外重要なのが冷暖房施設があるかどうかといったところになるのでしょうが、当然のことながらこれらの要求を満たすには主人の存在が不可欠になります。 主人がまさにその酒場の顔になっている、そんな酒場があります。とある酒場について想起するとき、煮込やもつ焼、焼酎ハイボールやおいしいカクテル、見事なコの字カウンターや使い込まれた炉端、どれも魅力的ではありますが、それ以上に記憶の底から湧きあがってくるのが個性的な店主たちの顔です。 その顔の持ち主たちと交わした会話(あるいはまったく会話もなく沈黙を保った時間)などを思い出すと今晩にでも行ってみたくなります(もしくは近寄りたくもない、忌まわしいので余所で飲んで忘れたい)。そんな個性的な主人たちのいる酒場を紹介します。【たくましい女将のいる酒場】庚申塚 庚申酒場・こちらの女主人のばあちゃんはほんとによく喋ります。常連たちに慕われていて可愛いばあちゃんかと思いきやなかなかの毒舌家。何度も聞いた昔話を伺いにまた行ってみたいものです。日暮里 いづみや・大宮のいづみやも熟年メンバーで切り盛りしていますが、こちらはばあちゃん2名がいつも張り切っていて元気になれます。鶯谷 おせん・今はほとんど営業してないんでしょうね。お邪魔したのはたった一度っきりですが、近くの酒場で聞きこんだ情報によると、明かりがついていて御機嫌がよければ店を開けてくれることもあるということでチャレンジしました。扉を叩きしばし待つとばあちゃんがしょうがないねえといった表情で店に入れてくれました。しばらく楽しくお喋りさせていただいたのですが、なぜか急に「わたしゃあんたたちが嫌いだよ」といって追い出されてしまいました。何が気に障ったのか今でも判然としませんが、今でも記憶に焼き付いています。木場 河本・「河本」のばあちゃんは常に何やらぶつぶつと呟いているのが印象的です。けしてボケているわけではないんですけど。門前仲町 魚三酒場・ちょっと苦手なこちらの酒場。酒場に来てまで説教されるのはやっぱりちょっと抵抗があるなあ。板橋 明星・ひとりで行ったら優しいけど、数名で行くと冷やかに追い返される。女将さんは常連たちに比べるとそれほど癖はないけれど印象的なお方でした。門前仲町 大坂屋・こちらの女主人は実に優しい雰囲気で和ませてくれます。独りで行くとお喋りの相手にもなってくれて気分良く酔わせていただけます。一之江 カネス酒場・工場街の酒場というムードが溢れる店内のカウンターのはじっこにちょこんと腰かけているばあちゃんの笑顔には癒されること間違いないでしょう。三ノ輪 遠太・客たちはのんびりしたムードに包まれてゆっくり酔っぱらっていく中、主人のおばあちゃんはほとんど厨房の中でなめろうを作ったり大忙し。常連たちはこんなおばあちゃんを支えるため、お酒の準備を手伝ったりして優しさにあふれています。堀切菖蒲園 居酒屋 ふっ子・いかにも陽気なおかあさんはいつ行っても常連さんたちと楽しく会話を交わしています。こじんまりとした店内はいつも笑いが絶えないようです。三軒茶屋 味とめ・つねにうなぎを串に刺して忙しい忙しいと言っているおばちゃんですが、手だけでなく口も動き続けています。日ノ出町 おでん あさひや・洋食屋の女給さんのようないでたちのおねえさんは物腰も柔らかくてついつい話し込んでしまいます。【おっかない主人のいる酒場】新橋 くら島・おばさんの無口で不機嫌な様子はこれもまたこの酒場の佇まいにマッチしていて楽しませてくれます。南千住 大林・同じくこちらも主人もおっかない。撮影している客がいるとそのおっかなさが炸裂します。これまでのところ笑顔を目撃したことはありません。堀切菖蒲園 喜楽・どこかしら「大林」の御主人と似た感じがあります。ただ閉店間近になると常連との会話が弾んできます。自然とぼくも混ざっていたのですが、愉快な気分になったことを覚えています。【寡黙な店主のいる酒場】鐘ヶ淵 はりや・カウンターに腰掛ける将棋好きの御主人の顔にはいつも控えめながら温かな笑顔が浮かんでおり、温かな気分にさせてもらえます。三軒茶屋 焼豚 とし・「はりや」とは逆にこちらはいささか険しい表情で注文の際も若干の緊張感を強いられます。人が悪いわけではなさそうですが。【とにかく個性的な主人のいる酒場】南千住 大坪屋・こちらのおねえさんは有名人なので御存じの方も多いでしょう。彼女の応対に平然としていられるようなら通う価値ありです。普段は厨房に入っている御主人は酒場のオヤジそのものの顔をされており安心感を与えてくれます。亀有 居酒屋 ハッピー・亀有の人気店です。店の奥にいても聞こえてくる、主人とその奥さん(?)の会話がストレスになります。自信満々な御主人と言われっぱなしの奥さんを目にしたらにはおちおち酒を飲んでる気分になれません。東十条 埼玉屋・正直押し出しがきつ過ぎる。こういうスタイルを受け入れてでも、質の高いもつ焼を食べたい向きにはいいのでしょうが、ぼくには今のところそこまでの価値が見出せません。
2011/10/25
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今晩は大塚の大衆居酒屋に来ています。近頃めっきり独り呑みが多くなっています。もともと人の顔色を窺いながら行動することが不得手ですので、気楽さが楽しく感じられます。 席に着いてチューハイを待ちます。するとそこにちんまり盛り付けられた切り干し大根。こんなの頼んでないよなあ。ささやかな小遣いで毎晩呑む身としてはこんなお通しで300円も払うのは気分のいいはずがない。せこいお話を話題にするためにこちらにお邪魔したわけではないんですけどね。ホントに。「お通し」「先付」「突き出し」、いろんな言い方があって、それぞれに語源、由来もあるようですが、差し当たり席に着くと否応なしに出されるちょっとした料理のことを指すようです。最近は選択性になっていたり工夫も見られるようですがどうしても強制されている気分は否めません。 つい先日、日暮里と西日暮里のちょうど真ん中の辺りにある居酒屋にお邪魔しました。そこではお通しとして市販品ではありますが鴨のスモークをしっかりした量出していただき、続いて昨夜の残りと言って大量のもつ煮込、そしてきのこと銀杏がたっぷり入った炊き込みご飯、これだけで十分な肴となりました。しかも手作りの後の2品はとりわけおいしかったのです。 一方で、独特なスタイルでお通しをだす酒場もあります。仙台市の「一心 本店」なんかがその典型でしょう。こちらはいきなり刺身三点盛です。立派ではありますが、最近めっきり食が細くなり、でもはしごもしたいという当方としてはこれは不要なサービスと感じてしまうのでした。 同じ仙台の「源氏」になると酒を頼むと1杯目が煮物、2杯目が冷奴、3杯目は刺身、4杯目にはシジミ汁(これらは変わることもあるようですが)と抱き合わせで肴が供されるシステムで、値段がお高めなのがやや難点ですが、これは苦になりません。野毛の「武蔵屋」も似てますね。おから、酢たまねぎ、タラ豆腐、納豆、おしんこの順番で出される肴に酒が3杯、これもうれしくなるような趣向です。 お通しが無料というのもやはりうれしいものです。新宿「ぼるが」、新橋「大露路」、神保町の「兵六」、神田司町の「みますや」、住吉「大衆酒場 高島屋」、といった老舗酒場はちょっとしたものを出してくれたと思います。雑司が谷「高松屋」の塩豆、大島「大衆酒場 ゑびす」のいかり豆?(空豆の揚げたの)といったちょっとしたもので十分なんです。何と言ってもまずは酒場には酒を呑みに来てるんですから。大衆食堂や中華料理店なんかもちょこっとしたものをただでだしてくれることが多いようです。 思い出すのが神奈川の「みのかん酒場」で、立派なおでんをしっかりしたボリュームで出してくれます。ここの焼酎の割物はキョーレツにきついのでなんか一品はオーダーしたくなると思いますけど、普通の居酒屋の酒を呑むならお通しのおでんだけで十分な位です。 やっぱりただだとうれしさもいっそう増して感じられます。タイトルを気取って「お通し考」なんてしましたけど、今晩は考えるのが面倒になったのでここまでにしておきます。
2011/10/24
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日頃酒場巡りをする場合、理想としているのが、1軒目は有名店など調査済みの酒場、2軒目が飛び込みの酒場、3軒目は馴染みの酒場という予定の組み方で、まんべんなく欲求を満たせるようにしたいと考えています。まあ実際はこれほど計画的に飲み歩けることもなく、特に2軒目が当たりだったりすると勢いがついてしまい必要以上に一見さんとなる確率が高まっていくようです。 こうして気ままに酒場散策をしているとたまにおかしな酒場に行き当たったりします。これまでに出会ったユニークな酒場のいくつかを御紹介します。目白 BAR なすび 目白駅から徒歩3分ほどの裏路地にひっそりと店を構えた「BAR なすび」は目白界隈では老舗の酒場のようです。玄関はスナックみたいな構えで扉を開くのにちょっとした躊躇いますが、思い切って開くと店内はさまざまなオブジェで飾られており、オヤジさんが缶ビールをなめています。カウンターに着くとそのビールをグラスについでくれて、まあ呑んでくれだって。肴も思いついたようにあれこれ出してくれます。完全なお任せスタイルで楽といえばこれくらい気楽な酒場もないかもしれません。池袋 木ノ声 ここは、池袋の裏通り。隠れた(最近は随分有名になってしまいましたが)和菓子の名店や激安中華店などが立ち並ぶ通りです。そんな中に一軒のそば屋さんがあって、その脇にある細くて急な階段を上がるとそこが「木ノ声」です。からくり屋敷みたいな店内の造りが楽しいのです。それ以外は取り立てて代わり映えしない酒場ですけど。東京 ミルクワンタン 鳥藤 有名店です。「BAR なすび」同様、何もオーダーしなくても次から次へと肴が出されます。好き嫌いの注文はできそうですが、どれもそこそこにおいしいのでなされるがままに食べ続け飲み続けることになります。食の細い方だとお楽しみのミルクワンタンが出されるまでにお腹一杯になってしまうかもしれないので、最初に少なめでお願いすると伝えておいたほうがいいと思います。町屋 国税局素通り酒場 とんちんかん すごい屋号ですねえ。でもここのすごさは店内に入らないとわからないのです。壁中そこかしこに警句やら格言やら思いついたフレーズが短冊なんかに記されているのです。実はこれ以上にすごいのがその飲食システム、とにかく1時間1,000円で飲み放題喰い放題なのです。1時間あったら充分にお腹がぱつんぱつん、おつむはへろんへろんになってしまいます。そして本当にすごいのがオヤジさんの濃いキャラクターなのでした。実地にて確認あられたし。浅草 正直ビヤホール 分店 こちらも知られた酒場です。割烹着の女将さんが生ビールを注いでくれます。おいしい。でもこちらのメニューは生ビールだけ。店の佇まいも素敵だし、ゆったりした時間を味合わせてくれます。本店は吉原のど真ん中にある洋食屋さんでこちらはありふれた食堂の風情。先日、分店前をバスで通過したら、工事中だったような気がしたんですがちゃんと営業を続けられているのでしょうか。ちょっと心配です。御茶ノ水 徳兵衛 JR御茶ノ水駅の御茶ノ水口からすぐの酒場です。こちらは地下1階から2階までが同じ「徳兵衛」ですが、フロアーごとにサービスが違うんですね。地下で働くおにいさん(下戸)が一番サービスがいいかな。特別おいしいものを食べさせてくれるわけではないのですが、ここの酒はとにかく激しく酔っ払うこと必死なので注意が必要です。 ほかにも昼間は畳屋、夜がもつ焼屋になる月島「尾崎畳店」、京成立石の「倉井ストアー」は有名ですね、肉や惣菜をメインに扱うスーパーマーケットのようでありながらしっかし酒場として利用されており、昼酒にはもってこいです。京成高砂の「高砂家」は老舗酒場の風格がありながら、従業員が若い女の子が多くて激安のガールズバーといった趣です。まだまだ個性的な酒場はあちらこちらにありそうです。
2011/10/23
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10月×日、池袋に下車しました。ちょっと憂鬱なので軽く寄り道したいけど、うろつく元気もなく、かといって外れの酒場を楽しめる余裕もない。 もともと酒場巡りをはじめたきっかけは安くて雰囲気のいい酒場をあちらこちらに確保しておきたいという軽い気持ちからでした。できることなら都心の各駅に1、2軒ずつあれば心強い。あちらこちらにお邪魔しているうちにどんどんエスカレートして、行ったことのない酒場ばかり追いかけることに夢中になってしまっていました。 この数カ月は、その衝動もやや治まって余裕をもてるようになってきたのですが、それは単に台所事情が大きな要因であるようで、あぶく銭でも手にしてしまったらまた再発してしまうのではなかろうかと思っています。 この夜はちょっと沈み気味で疲れてもいたので、手持ちのリストから「おいでやす」をピックアップしました。もうすぐ移転が予定されている豊島区役所の裏手の暗い通りにあります。こちらは外観も店内もほとんど飾り気のないうらさびしい酒場でやたらと広い(カウンター12席、テーブル4卓、小上がり4卓)のが侘しさを強調するようです。こういう酒場ってふさぎがちな気分の時には不思議と心地いいのですね。 侘しいと言っても極端過ぎるのは逆効果、無愛想というよりも無感情といった風貌の店主もしくは女将が一言も発せずカウンターにもひとりっきりっていうこともままあったりするわけですが、ここまでくると機嫌のよい場合はむしろおかしくなってさらに上機嫌ということもあったりしますが、落ち込み気味の時には深酒してしまったりして用心が必要です。TVの音声だけがやたらと響いていたりすると、普通なら手持無沙汰を補ってくれてつい一杯飲み過ぎてしまったりもしますが、暗い気分ではまっすぐ帰宅して静かに晩酌した方がよかったなんて後悔しかねません。 この日は他のお客さんもそこそこに入っていてほどよく癒してくれるようです。オヤジさんは寡黙で調理する時以外はほとんどカウンターの外でTVを眺めているのですね。ハイサワーを頼み焼酎グラスに瓶から1/3程注いで,ゴブッと呑みます。中2杯を追加する予定ですね。こちらの肴は基本はおでん中心、すじ、じゃがいも、ちくわぶをもらいます。おでんはすべて1個100円です。TVで流れるNHKニュースを眺めたり、飽きてきたら文庫本を開いたり、好き勝手にながら呑みができるのが助かります。930円也。 きっかけはともあれ、侘しい気分のときこそ行きたくなると個人的に考えている酒場リストがありますので御紹介します。混んでなくて、うるさくなくて、明るすぎなくて、ほとんどがおいし過ぎないというような酒場です。もちろん内緒の酒場もあったりしますけど……。特に並びには意味がありませんので御了承下さい。三河島 すずや三河島 豚太郎荻窪 立飲 やき屋板橋 ホッピー酒場 亀屋浅草 つま亀飯田橋 かめや飯田橋 スタンド居酒屋 立呑み やまじ三ノ輪橋 酒場 源氏屋三ノ輪橋 中さと曳舟 玉家堀切菖蒲園 喜楽京成高砂 とんこ京成小岩 銚子屋神奈川 市民酒場 みのかん高田馬場 里高田馬場 もがみ高田馬場 やきとり みちのく池袋 おいでやす西日暮里 はやしや日暮里 お食事 とみや上野 酒場 ふたば秋葉原 山城屋南千住 おでん ヤスベエ南千住 六車食堂柏 やなぎや柏 平井食堂柏 里の味 仲屋綾瀬 立ち呑み処 かあちゃん金町 金波食堂新松戸 大衆酒蔵 まこちゃん大久保 家庭料理 愛ちゃん大久保 くろがね荻窪 田中家本八幡 飲み食い処 ふるさと本八幡 大衆割烹 平ちゃん亀戸 伊勢元酒場浅草橋 酒蔵 住吉(樽平)浅草橋 浅草橋名代 酒寮 むつみ屋浅草橋 鈴木酒場馬喰町 佐原屋板橋 やきとん 田丸屋川口 京東十条 みとめ王子 一福尾久 串焼 丸吉千駄木 そば処 あかしや人形町 おでん 幸路早稲田 鳥ぎん本所吾妻橋 やきとり あずま家三ノ輪橋 酒蔵 天風鐘ヶ淵 栄や鐘ヶ淵 大吉椎名町 まえだ八広 丸好酒場京成立石 鳥勝京成関屋 みちのく堀切菖蒲園 大衆酒場 水トクお花茶屋 かみなりや京成高砂 もつ焼 ひらの京成高砂 はし家世田谷 やきとん 福の家住吉 大衆酒場 高島屋 こうして見直してみるとちょっと違うかなって気もしますね。我が家から行きやすい場所が少ないもの残念だなあ。
2011/10/22
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いよいよ10駅目となりました。京浜東北線は埼玉ではハイクラスの街、浦和の登場です。一方、常磐線はますます知名度の低い馬橋を取り上げます。浦和はつい最近まで埼玉の県庁所在地として君臨していたはずですが、現在は伊勢丹のある埼玉における高級住宅地としてこじんまりとしてしまった印象があります。なぜか鰻の蒲焼が名物ということですがまだ実地に試したことはありません。一方、馬橋は通常下車することもなく、駅名さえ聞いたこともない方が多いと思われます。流鉄の流山線が乗り入れているのが鉄道マニアの気を惹くくらいでしょうか。こんな対照的な町ではありますがどちらの酒場が長くて短い夜を満足させてくれるのでしょうか。 浦和といえば「丸真」。西口の伊勢丹を越えてしばらく歩くと年季の入った一軒屋がきれいに整備されたこの界隈では存在感を醸し出しています。面白いことに漬物屋が併設しています。老舗なのにハッピーアワーなどのサービスが豊富で柔軟な経営態度がうれしい。カウンターの造りがせせこましいのが少し残念ですが、また訪れたいと思わせてくれる酒場でした。続いても有名店「和浦酒場 本店」、ガード下の酒場ということで期待を膨らませて向かいます。……がっかりでした。なので気になっていた「酒蔵 力 浦和本店」や「鵬来」なんかも行ってみる気力が萎えてしまいました。 気持ちを切り替えるために東口に移り、「桜扇 2号店」「桜扇」とはしごしてみました。前者が斜面にへばりつくような建物がユニークですが店内は凡庸なのに対して、後者は外観の地味さに比べると店内は渋い造りです。かといって格別面白味があるわけでもなく、値段も味もぼちぼちという印象です。やむを得ず「立ち呑み WA 浦和店」で一杯引っ掛けたのですが、こちらもやはりイマイチなのでした。 浦和には正直がっかりしています。まだいい酒場があることを期待しますが、当分出向くことはなさそうです。といっても酒場と関係なく健康的に過ごすなら実に便利で快適な街であることはよくわかります。 馬橋は、何軒かの酒場がなかったら、訪れた翌日には記憶が曖昧になってしまうような街です。ありふれていて、うらびれていて、うっかりするとどこかの街と取り違えてしまいそうです。とりわけ無個性な西口を歩きます。駅前の通りをずっと進むと駐車場の角にぽつねんと箱が置かれています。「立呑み一パイ処 寸来来」、これで「ちょっこら」と読ませるみたいです。とりたてて紹介するようなところではありませんが、こういう店って少しだけ気になります。 東口は、駅前がごちゃごちゃと入り組んで路地が多いので少し期待できそうです。「あら川」は店内に昔実際に使われていた屋台がそのまま置かれており、その屋台をぐるりと囲むようにして呑むことができます。線路沿いに反対方向に歩くと「居酒屋 まじょ」があり、屋号の怪しさに反しまっとうな小料理屋風の居酒屋でした。東にずっと進むと「ほるもん ホンダ」というもつ焼の持帰りのできる酒場がありますが、いつも(そう何度も来たことがあるわけではないのですが)閑古鳥が鳴いていてそれはそれで存在感があります。さらに進みます。すると「ニカカレーショップ」なる長屋が見えてきます。複数の店舗が入ったオンボロ長屋の一軒です。陽気でお喋りなバングラデシュ人の店主が営んでいて、平成に入ってすぐに開店して思ったより長い歴史がある店なんですね。この建物はもともと八百屋→クリーニング屋として使われていたようです。店主お勧めの牛タンと大根のカレーはラーメン丼にたっぷり入っていて、味は本格的かつスパイシーでうまい(けどしょっぱい)。思いがけず面白い酒場でした。 ところで、歩きまわってみましたがあとは目新しい店ばかりで心踊らされる酒場はあまりなさそうでした。規模の大きな浦和とは違ってこれ以上探索してもあまり収穫はなさそうです。そういうわけでこれまでの印象は馬橋が上ですが、未踏の酒場への期待値を含めて浦和との勝負は引き分けにしておきます。 残念ながら?「JR常磐線vs.京浜東北線 酒場勝負」はここで一時休止となります。というのも北浦和、与野、さいたま新都心ではまだ酒場巡りをしていないからです。一方、新松戸、北小金、南柏はそれなりに飲み歩いているので近日中に京浜東北線の3駅を巡って続報をお届けしたいと思います。
2011/10/22
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今回は、常磐線は北松戸、京浜東北線は南浦和を飲み歩きます。北松戸はほとんど駅そのもののん存在さえあまり知られていないと思われますが、駅前には工業団地が立地し、山崎製パンや合同酒精、宝酒造などが立ち並び松戸競輪場もあったりして案外飲み屋の需要は多いのかもしれません。一方、南浦和は浦和競馬場が最寄りということはありますが、JR武蔵野線と交錯してもっぱら乗り換え駅として利用されるか、住宅地となっているようです。 まずは、北松戸へ行ってみます。競輪場方面は期待ができそうなので、後回しにして東口を歩いてみます。駅をまっすぐ進むとほどなく「旬彩工房」があります。料亭風に入口の開き扉までのアプローチが長くて敷居が高いのですが、チューハイも310円でいただけてお得な店です。女性客の利用が多いのもうなずけます。その向かいには「千歳」があり、外観はどうということのない居酒屋ですが、なかなかに凝った肴を出してもらえます。その先に焼鳥屋の「とり新」があり、頑固そうな御主人がおいしい焼鳥を焼いてくれます。 西口に向かいます。まずは競輪場入口前の「松しま」。当然ながらレース開催時には昼間っから呑めます。店内にも入れますが、テントの下のオープンエア―を愉しむ人も多く見受けられます。ちょっと値段が高いなあ。そばには似たタイプの店も多く「酒処 はるちゃん」「大衆食堂 義野屋」なんかはお得に昼酒を楽しめます。そばにある「もつ焼き 一九」は夜のみの営業で奮闘しており、安い酒の肴を出してファンも多いみたいです。ホームすぐそばの「た古八」もかなりのオオバコで大衆酒場といったムードを味わいたい向きにはよさそうです。 他にも東口に一軒家の暗い鉄階段を上がった「居酒屋 きくちゃん」というのに飛び込んでみたりしましたが、ウーロンハイが200円と競輪負け組の酒場もあったりしますが、さすがに驚くほどすばらしい酒場というのに出会えていません。 南浦和は、これまで一度しか呑みに行っておらずリサーチ不足ですが、印象的な、というかお気に入りになった酒場があります。東口を出てすぐの線路際にはに魅惑の明かりが手招きしていますが、そこを通り過ぎ一本先の通りに「あかね」があります。ガラスの引き戸には「東京人」の掲載記事が貼られていたでしょうか。安さで知られた酒場のようです。実際その安さは近所に住んでいたら毎晩通いたくなるほどで、肴類もボリュームがすごい。狭いコの字(コの隙間は物置になっていますが)のカウンターで心地よく酔うことができます。線路沿いの「串助」は屋号どおり串焼の店ですが今もつ焼はやってないんでしょうか?オーダーした記憶がないのです。ともあれ駅前酒場がこんなにひっそりしていていいのかと思う位穏やかになれます。お隣の「蔵ちゃん」もまた、カウンターが主体の安い酒場でした。「大衆酒場 八起」「芽だか家」「千登利」などちらほらと気になる酒場がありまた行ってみたいと思うのでした。というわけで、両駅をチェックしたのですが、期待を込めて南浦和に軍配を上げたいと思います。
2011/10/20
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続いてはユニークの地名でありながら、ほとんど地元民以外立ち入ることもないと思われる蕨と常磐線からはいよいろ千葉県の玄関、松戸を取り上げます。蕨という街、全国の市の中で最も面積が狭いということは聞いていましたが、地図を見てみるとほんと狭いですねえ。現在は街のほとんどが住宅街として機能しているように思われますが、中山道の宿場町として栄えた時代があったのですね。松戸もまた水戸街道の宿場として商業が盛んだったようですが、今はかなり衰退した印象は否めません。 まずは、蕨です。蕨の酒場として一番に挙げられるのが「喜よし」でしょう。東口の小さな商店街を進むとやがて味わいのある店構えが目に入ってきます。昭和44年創業ということですが、もう少し古い印象があります。広いコの字のカウンターはやはり気持ちがいいものです。注文した食べ物はどれもおいしい、女性客が多いのも頷けます。 蕨の酒場街は西口にあります。「喜よし」も最近西口駅前に新店舗を出しました。ここを通過し路地を散策するとなんだか今時見掛けないようなヤミ市の一角に迷い込んだ気分になる通りがあります。ここにはうなぎの寝床のような長いカウンターのある「とり松」があって、若い店主が元気があって好感をもてます。すぐそばには「牛丼 ぎゅうちゃん」、すごいボリュームと安さでネットにもぽつりぽつりと書き込みがありますが,この夜は店内は真っ暗です。「Bon Voyage Since 1964」(これは屋号なのかな)っていう立飲みがあって中に入るとどうでもないのですが、通りからの長めは怪しくて激しく誘惑されてしまいます。 西口の北側にも酒場が続いています。「安兵衛」はチェーン店のような屋号ですが、昭和41年創業というから「喜よし」より以前から蕨の地に根っこを張って商売されているようです。オヤジさんが渋くてきびきびしていて気持ちいい酒場です。「ちょいのみ」なる閑散とした立飲み屋もあったり、かなりくたびれた「串焼居酒屋 一力」など面白そうな酒場がちらばっていてどこも覗いてみたくなります。 蕨という街のイメージにあったうら寂しい酒場と大人気店がバランスよくあって思いがけず長居してしまいそうです。 松戸駅は東口には市役所があってバブルの頃は役人たちでおおいに賑わったようですが、今はその名残さえありません。実際酒場そのものが非常に少ない感じがします。ぽつんと佇む女将さんひとりでやっている「酒処 山麓」は場末感たっぷり、焼鳥の「あほうどり」はそつなくおいしいし、「おくのほそ道」「焼酎&黒豚Bar とん豚びょうし」「よい処 ほのじ」なども奮闘しているとは思いますが、特筆すべき酒場ではないかな。線路沿いの「金時」もうらびれているし、「立呑処 もつ焼き ようちゃん」は若い店主が酒も肴も工夫していて好感を持てる、「ばか酒場 松戸店」は屋号こそ脱力させられるが安さは魅力です。ただどこもあと一歩物足りない。以前あった「酒蔵 関宿」は、「酒蔵 宇」として営業をしていますが、ビジネスホテルの2階という奇妙さも魅力には繋がっていないようです。 西口には少し知られた「開進」があります。松戸では唯一残っていると思われるもつ焼の老舗で店の外では立飲みする客もあり、古くからのお馴染みが多いようです。店内の客もほぼ常連のようで多くが一升瓶で焼酎をキープしています。砂糖っぽいやたら甘いタレのもつ焼もたまにはいいものです。駅前通りを100m程進み高砂通りに入るとすぐに飲み屋横丁が残っています。とりあえずここは通過して、吉田類の酒場放浪記で放映された「酒処 ひよし」に入ります。甲乙で値段の変わらない焼酎がうれしいですね。カウンターにはいつもおっかないオヤジさんがちびりちびりやっています。さて引き返して飲み屋横丁を覗いてみます。表通りには「松戸酒場」「上州屋」「ラーメン大学」「カレー専門店 印度」があり、なかでも「上州屋」は何を食べてもおいしくお勧めです。裏の通りにはちいさな酒場が軒を連ねています。古参は「たぬき」、6人入ればいっぱいの狭い酒場でカラオケもあるので一杯引っ掛けた仕事帰りにふらりと立ち寄る常連さんが多いようです。お隣は、「ホルモン焼 福福」。同じつくりの狭い酒場ですがカウンターにも焼台がいつくか置かれています。予約すると2階にも上がれるようですが、共同トイレに辿り着くまでが大変そうですね。さらにそのお隣は「ノグチ屋」です。若い主人とは松戸の酒場でちょくちょくお会いして研究熱心というか単なる呑んべいというか。肴も趣向を凝らしていて楽しいです。いつも大盛況の人気店となっています。 もう一軒忘れてならないのが「大都会 松戸店」。以前は「大都会」という居酒屋チェーンがあちこちに店舗を構えていたような記憶がありますが、ここもその残党なのでしょうか。池袋にもやはり北口すぐの場所に「大都会」があって、24時間営業激安の酒場として名を馳せていますが、松戸店も24時間営業でしっかり安いのです。違いは池袋がそばを売り物にしているのに対して、松戸はラーメンが売りのようです。食券式でセルフサービスというのもこうした酒場では愉快な趣向と感じられます。 というわけで、酒場個々の楽しさや店舗数は松戸が優っているようです。一方で蕨は場末な街並みに魅力があります。結果は引き分けです。
2011/10/19
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続いてはユニークの地名でありながら、ほとんど地元民以外立ち入ることもないと思われる蕨と常磐線からはいよいろ千葉県の玄関、松戸を取り上げます。蕨という街、全国の市の中で最も面積が狭いということは聞いていましたが、地図を見てみるとほんと狭いですねえ。現在は街のほとんどが住宅街として機能しているように思われますが、中山道の宿場町として栄えた時代があったのですね。松戸もまた水戸街道の宿場として商業が盛んだったようですが、今はかなり衰退した印象は否めません。 まずは、蕨です。蕨の酒場として一番に挙げられるのが「喜よし」でしょう。東口の小さな商店街を進むとやがて味わいのある店構えが目に入ってきます。昭和44年創業ということですが、もう少し古い印象があります。広いコの字のカウンターはやはり気持ちがいいものです。注文した食べ物はどれもおいしい、女性客が多いのも頷けます。 蕨の酒場街は西口にあります。「喜よし」も最近西口駅前に新店舗を出しました。ここを通過し路地を散策するとなんだか今時見掛けないようなヤミ市の一角に迷い込んだ気分になる通りがあります。ここにはうなぎの寝床のような長いカウンターのある「とり松」があって、若い店主が元気があって好感をもてます。すぐそばには「牛丼 ぎゅうちゃん」、すごいボリュームと安さでネットにもぽつりぽつりと書き込みがありますが,この夜は店内は真っ暗です。「Bon Voyage Since 1964」(これは屋号なのかな)っていう立飲みがあって中に入るとどうでもないのですが、通りからの長めは怪しくて激しく誘惑されてしまいます。 西口の北側にも酒場が続いています。「安兵衛」はチェーン店のような屋号ですが、昭和41年創業というから「喜よし」より以前から蕨の地に根っこを張って商売されているようです。オヤジさんが渋くてきびきびしていて気持ちいい酒場です。「ちょいのみ」なる閑散とした立飲み屋もあったり、かなりくたびれた「串焼居酒屋 一力」など面白そうな酒場がちらばっていてどこも覗いてみたくなります。 蕨という街のイメージにあったうら寂しい酒場と大人気店がバランスよくあって思いがけず長居してしまいそうです。 松戸駅は東口には市役所があってバブルの頃は役人たちでおおいに賑わったようですが、今はその名残さえありません。実際酒場そのものが非常に少ない感じがします。ぽつんと佇む女将さんひとりでやっている「酒処 山麓」は場末感たっぷり、焼鳥の「あほうどり」はそつなくおいしいし、「おくのほそ道」「焼酎&黒豚Bar とん豚びょうし」「よい処 ほのじ」なども奮闘しているとは思いますが、特筆すべき酒場ではないかな。線路沿いの「金時」もうらびれているし、「立呑処 もつ焼き ようちゃん」は若い店主が酒も肴も工夫していて好感を持てる、「ばか酒場 松戸店」は屋号こそ脱力させられるが安さは魅力です。ただどこもあと一歩物足りない。以前あった「酒蔵 関宿」は、「酒蔵 宇」として営業をしていますが、ビジネスホテルの2階という奇妙さも魅力には繋がっていないようです。 西口には少し知られた「開進」があります。松戸では唯一残っていると思われるもつ焼の老舗で店の外では立飲みする客もあり、古くからのお馴染みが多いようです。店内の客もほぼ常連のようで多くが一升瓶で焼酎をキープしています。砂糖っぽいやたら甘いタレのもつ焼もたまにはいいものです。駅前通りを100m程進み高砂通りに入るとすぐに飲み屋横丁が残っています。とりあえずここは通過して、吉田類の酒場放浪記で放映された「酒処 ひよし」に入ります。甲乙で値段の変わらない焼酎がうれしいですね。カウンターにはいつもおっかないオヤジさんがちびりちびりやっています。さて引き返して飲み屋横丁を覗いてみます。表通りには「松戸酒場」「上州屋」「ラーメン大学」「カレー専門店 印度」があり、なかでも「上州屋」は何を食べてもおいしくお勧めです。裏の通りにはちいさな酒場が軒を連ねています。古参は「たぬき」、6人入ればいっぱいの狭い酒場でカラオケもあるので一杯引っ掛けた仕事帰りにふらりと立ち寄る常連さんが多いようです。お隣は、「ホルモン焼 福福」。同じつくりの狭い酒場ですがカウンターにも焼台がいつくか置かれています。予約すると2階にも上がれるようですが、共同トイレに辿り着くまでが大変そうですね。さらにそのお隣は「ノグチ屋」です。若い主人とは松戸の酒場でちょくちょくお会いして研究熱心というか単なる呑んべいというか。肴も趣向を凝らしていて楽しいです。いつも大盛況の人気店となっています。 もう一軒忘れてならないのが「大都会 松戸店」。以前は「大都会」という居酒屋チェーンがあちこちに店舗を構えていたような記憶がありますが、ここもその残党なのでしょうか。池袋にもやはり北口すぐの場所に「大都会」があって、24時間営業激安の酒場として名を馳せていますが、松戸店も24時間営業でしっかり安いのです。違いは池袋がそばを売り物にしているのに対して、松戸はラーメンが売りのようです。食券式でセルフサービスというのもこうした酒場では愉快な趣向と感じられます。 というわけで、酒場個々の楽しさや店舗数は松戸が優っているようです。一方で蕨は場末な街並みに魅力があります。結果は引き分けです。
2011/10/19
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今回は金町と西川口という両線のなかでもかなりディープなエリアとなります。といっても金町って酒場と水元公園以外にこれとった何かがあるわけではないのですが。一方で、西川口というと性風俗店が乱立する街という印象でことに女性からのよくないようです。健康的な公園位しかない街とオートレース場と風俗街を併せもつ街のいずれが優っているのでしょう。 金町も駅前はすっかり再開発で整備されつつありますが、それでも駅の真正面には「居酒屋 太助」が変わらず営業を続けています。昭和23年創業という情報もあって戦後すぐからお隣で営業している牛乳販売店と共にいまだ人々を愉しませてくれます。すぐ脇の路地を入ると、コの字のカウンターをもつ酒場が2軒連なっています。安い肴が充実した「ゑびす」と独特な牛スジ煮込が美味なホルモン焼きの「大力酒蔵」です。いつまでも営業を続けてもらいたいものです。 京成金町駅のそばの踏切を渡ると飲み屋街が連なっています。激狭でいつも混んでる「よっちゃん」を振り出しに、瓶ビール激安の「山吹」、バラック風建物が魅力の「松ちゃん」、高級感がありながら実に庶民的な「大松」、家族経営でおいしいもつ焼、もつ刺を供してくれる「大渕」まで多様な酒場が迎えてくれます。 両駅の中間にある金町らしからぬセントマリーチャーチのある路地を進むと元気なおかあさんが切り盛りする「デコチャン」、界隈で最古参という立派な建物の「深川酒場」、いつももつ焼好きがシークワサーハイを片手ににぎわう「ブウちゃん」があります。 駅の北口はこじんまりした商店街が広がっており、オオバコの人気大衆食堂「ときわ食堂 金町」もありますが、ここはやはり「金波食堂」のオンボロさに惹かれます。おかあさんの娘さんの飼い犬がいつも愛らしい姿を見せてくれます。「みやご」は住宅街に足を踏み入れる一歩手前でひっそりと営業しており静かに酒を愉しむことができます。 金町はやはり酒場の充実度が高いですね。毎晩巡っても飽きない位でこんな街に住めると幸せだなあとつくづく思います。 西川口は最初はおとなしめの東口からお邪魔します。駅前すぐの「やきとり 次郎 東口店」は主婦がやきとりと生ビールで目の前の停留所にやってくる路線バスを待ったりのんびりした時間を感じられます。もう一軒立ち飲み屋があったっけ。なんだかあまり飲み屋さんはなさそうです。 西口になるとぐっとオート帰りの客向けの酒場が目立ちます。せっかくなので「やきとり 次郎 西口店」にも入ってみます。ぐっと年季の入った油で黒光りした天井と壁はうっかりひじを掛けることもできませんが、公営ギャンブル場の最寄り駅の酒場らしい風情を堪能できます。客同士のトラブルが多いようなので御注意を。西口の北側では「広瀬川」がもっとも安心して飲食を楽しむことができます。ギャンブルに勝った人も負けた人もこちらで愉しまれるようです。「大衆酒蔵 大将」はぐっと渋い居酒屋で古民家風の店内はぐっと落ち着いて呑むことができます。 西口のロータリーを越えて南側には場末の様相がぐっと濃くなります。「スタンドバー かんづめや」は狭い店内に客がぎっしり、「ワンコップ 千登利」はちゃんとコの字のカウンターがあり、「立呑 鳥しげ」はしっかり椅子がありますが、どちらも客の話題は決まってギャンブルになるようです。 といったわけで西川口の場末感も堪らなく癒されますが、酒場としての実力は金町のほうにかなり分があるようです。
2011/10/19
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とうとう京浜東北線は埼玉県に舞台を移しました。川口です。めっきり開発が進んですっかり様変わりした駅前ですが、他の街と差別化するような何かを見つけることができるのでしょうか。一方、亀有は「こち亀」でめっきり知られていおり、庶民的な商店街のある下町情緒のある街であるような印象がありますが、こちらもこじんまりした商店はかなり減ってしまい、大きなビルが目立つようになりました。以前と変わらぬ酒場が残っているのでしょうか。 かつては宿場町、ひと昔前は『キューポラのある街』で知られる川口は工場地帯のイメージが濃厚ですが、現在はかつての面影は駅からかなり離れないと感じられません。その一方で駅からすぐのそごう周辺はヤミ市さえ思わせるようなうらびれていて殺伐とした光景が広がっています。薄暗がりが奥深くまで伸びている立飲屋の「京」はすれた呑んべいでもどきどきわくわくさせられますし、持ち帰りの焼鳥店「やきとり 太郎」では買い物帰りの主婦が帰宅前の一杯を楽しんでいたりしています。程近くにも「炭火焼 まるさん」という焼鳥屋の持ち帰り主体でありながらもう少し居酒屋っぽさを演出した店もあります。 そごうを超えてしばらく進むと古いアーケードの商店街が見えてきます。この商店街はかつては川口のメインストリートであったことが想像できます。ひたすら北上すると「もります食堂」が目に入り除いてみたい誘惑に駆られますが残念ながら現在は休業中のようです。さらに先に進むと「焼とん 松ちゃん」があります。1串90円からの焼とんはちゃんとした処理をされているようで、なかなかにおいしい。隠れた良店でした。さらに商店街を越えた通りにもちらほら居酒屋がのれんを下げていて魅力的です。 川口ではあまり呑む機会もなく、散策も限られた範囲になっていて、まだまだリサーチ不足ですが、これまでの印象ではガード下の「焼鳥日高」をはじめ「関西風串かつ やきとり たぬき」「ぶっちぎり酒場」といったチェーン展開した酒場が呑み助の集まる店としては主流となりつつあるように感じられました。 かつてロマンポルノの4本立て名画座であった(といっても夏休みや冬休みには東映漫画祭りを上映していました)亀有名画座に通い詰めた頃は、まだまだ駅前商店街も戦後の名残を留めていたように記憶しますが、いまや道も開けてしまい味気ない町並みになっています。 北口には亀有の有名店が集中しています。亀有映画座のあったのは南口なので当時はあまり訪れたことのなかった方面になります。何と言っても「江戸っ子」を挙げておくべきでしょう。暖簾の下では焼台で大将がもくもくともつ焼を焼いておりその周囲はずらりと立飲み客が並びます。2階は広いL字のカウンターがありますがこちらもいつもびっしりとお客さんが掛けています。実はここ、あまり得意ではなくてその理由は商売繁盛しすぎているからという極めてわがままなものです。そばの「大力」「居酒屋 ハッピー」も同じことが言えて、えらく混んでいて落ち着けない。他にも好きになれない理由はあるんですけど。その点常連さんの自転車がずらりと並べられてつい入ってしまった「大衆酒場 だるまや」は同じ混んでいるといってもこちらは圧倒的にくつろげます。常連たちの人柄がすごくいい印象があります。ひとり孤独に飲みたい夜にはお勧めできませんが。他に八柱、秋津などえらく遠隔の武蔵野線沿線で範囲は広くてもこじんまりとチェーン展開する「大衆割烹 大漁船 亀有店 」、昼間は立ち食い風のそば屋で夕方には居酒屋となる「そば・居酒屋 やぶからぼう」は特別ではありませんが無難に飲ましてもらえます。立飲みの「立呑酒場 道楽」「炭火焼鶏 串之介」はなかなか良心的ではありますがまだまだ枯れていないせいか薄っぺらな印象です。「うな辰」は昭和40年創業で佇まいは創業当時をそのまま偲ばせてくれ魅力的ですが、評判がいいといっても鰻屋ではおちおち飲み食いしまくるわけにもいかないのでした。 南口は激安のおでん屋「まづいや」がくつろげます。特に持ち帰りのおでんスペースの裏側で飲むのが楽しめます。まだいただいたことはありませんが、2階ではお好み焼なんかをやっているようです。同じく激安居酒屋の「一力」はお隣の金町の「山吹」とご主人が兄弟だったかと思いますが、がんばっているのは感じられます。カウンター席のない「おたんこなす」もまた安さは善戦しています。ということで、川口と亀有、どちらもいささか残念な街です。ここは引き分けということにしておきます。
2011/10/18
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さて今回からは常磐線は各駅停車区間に突入します。綾瀬、亀有、金町の駅の成り立ちはなかなか複雑なのでウィキペディアなどをご覧ください。北綾瀬なんていう東京メトロ千代田線の分岐駅というのもあり鉄道マニアにはお馴染みとなっています。千代田線では町屋を通過しなければならないのは残念ですが、ここからの3駅にも面白い酒場は続きます。最初の駅は綾瀬です。酒場本でもあまり紹介されることのないこの地に果たしてどんな酒場があるのでしょう。対する京浜東北線は酔っ払いであれば一度は訪れざるをえない昼酒のメッカの赤羽です。吉田類の酒場放浪記でも取り上げられた酒場が前者が1軒なのに対し、後者は赤羽岩淵を加えると7軒という差があります。果たしてどれだけ綾瀬が善戦できるか楽しみです。 綾瀬駅では西口方面が酒場の充実した地帯と言えるでしょう。綾瀬で最も知られた酒場は「大松」ということになるでしょうか。いつもお客さんでびっしりでいい具合に煙に燻された店内は酒飲み好みだし、出されるものはどれもおいしいくて安い。安さで言えば「串のこたに」の安さにはいつもびっくりさせられます。家族連れの多さがもはやファミレス遣いの串揚屋と化しています。すぐそばにある老舗中華点の「綾瀬飯店」もひっそりとしていて落ち着くし、なんといっても麻婆豆腐がおいしい。 ガード下、ガード沿いにもユニークな酒場がひしめいていて、ガード下なら「立ち呑みコーナー 江戸っ子」が安くて使いやすく「もつ焼 りき」は雰囲気こそないもののその安さだけでもうれしくなります。道を隔てて「串揚げ 典」が渋~く営業中でのんびりとしたスタイルがほっとさせてくれます。高架を挟んで反対側には驚愕の午前3時開店の「立ち呑み処 かあちゃん」があります。東口方面に進むと「駅前酒場」があり、元ボクサーのお父さんがかっこいい。ここは季節の珍しい肴をたくさん揃えてくれていて、何を頼むか目移りします。「もつ焼 笑店」は入りにくそうな外観ではありますが、手堅いモツ料理をいただけます。他にも「居酒屋 みやはら」「味わい処 とこ呑」「酒 らいでん」などなかなかの酒場がありますが、駅から少し離れた「お父さんの店」がお勧めです。値段の安さや店のくつろげる雰囲気、肴の味などどれもちゃんとしています。 綾瀬はとにかく安い酒場の多さを特筆すべきでしょう。サラリーマンのささやかな小遣いで楽しめる貴重な場所です。 続いては赤羽です。赤羽というまずはOK横丁方面から歩いてみたいですね。真昼間から呑むことができる「まるます家」、うなぎをはじめとした肴のおいしい「川栄」、珍しい部位のもつ焼をいただける「八起」、うらさびしいのになぜか楽しい「ミルクホール 三珍亭」などなどの有名店・珍店があります。 チェーン店ではない立ち飲み屋さんの充実も目を見張るものがありますが、安さでは「立ち飲み いこい」「喜多屋」「立ち呑み 桜商店603」が御三家といったところでしょうか。小奇麗な「立ち呑み処 三代目 順貴」やおでんの「丸健水産」も個性派として楽しめます。 他にもキャベ玉で知られる「まるよし」や建物のうらびれた感じが堪らない「米山」が知られていますが、どちらも混み過ぎているためなかなか足を向ける気分になれません。 以上は駅の東側になりますが、西側にも雰囲気のよい酒場が散見されます。「大衆酒場 まこと」は常連さんばかりで最初は居辛い気分になりますが、おいしい酒と肴をいただいているうちに気分もほぐれてきます。御近所の「もつ焼 ながしま」もまた常連さんでにぎやかなもつ焼屋さんで従業員のみなさんと常連さんの打ちとけた雰囲気がうらやましくなります。そのお隣の「大衆酒場 大忠」は、一転ひっそりとしており、孤独を味わいたい向きには悪くないのではないでしょうか。 なんだか赤羽に対するコメントがそっけない感じになりましたが、どうしてだか赤羽の雰囲気はあまり得意ではないのでした。 こんな曖昧な感想でジャッジするのも気がひけますが、独断で綾瀬の勝利とさせてもらいます。
2011/10/18
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第4回は北千住vs東十条。どちらも名店がひしめく酒場のメッカではありますが、いかにも北千住に分がありそうですね。常磐線もここまでは東京でもかなりの裏街道的なイメージがつきまとう土地を歩いてきましたが、ここに来て一気に現代的な町へと変貌します。宿場通りに代表される歴史ある町並みと現代的なショッピングセンターが縦横に交錯する大きなターミナルは場末好みの琴線に触れることはできるのでしょうか。一方、京浜東北線は飛鳥山のある王子に関しては観光地でもあって明るい印象の町並みに出会えましたが、東十条はぐっとうらびれた様子です。街の印象が酒場に現れてくるかが見ものです。 それでは北千住に行ってみます。北千住と言うとまずは西口のときわ通り(呑んべい横丁)を語らないわけにはいかないでしょう。有名店の「千住の永見」「天七」「大衆酒蔵 幸楽」「大升」をはじめ、その場で手作りしてくれるさつま揚げのおいしい「ふじもと」、値段がわからなくなってちょっと不安になる(安めなのでご安心)「五味鳥」、マグロの安い「魚八 千両」、焼鳥がうまくて安い「石井」などなど楽しい酒場がいっぱいですが、どこもにぎわっていてひとりでしっぽりという感じではないですね。場末ムード漂う「居酒屋 雄武」のような酒場がもっとあればいいのですが。 少し歩くと「割烹くずし 徳多和良」があって名店の誉れ高く確かに低価格で質の高い肴をいただけますが、やや陽気すぎる向きには向かいの「藤や」がお勧め。東京では珍しい串に刺さった煮込み(門前仲町の「大阪屋」でもいただけますね)をいただきほうじ茶割をすすっているとじっくり腰を据えてみたくなります。まあこちらの女将さんが非常に元気なのでしっぽりと一人酒というわけにはいかないかもしれませんが。 さらに日光街道を越えると「酒屋の酒場」があり、安くおいしい魚をいただけますが、こちらもご常連でびっしりということが多いようです。千住大橋方面にも足を伸ばしてみましょう。太田和彦激賞の「田中屋」は立派過ぎて居酒屋とは言えない風格がありますが他にも「もつ焼 おざわ」「居酒屋 とりかず」「立ち飲み 六ちゃん」「大衆酒場 ばんや」などなどどこも庶民的な価格でおいしくいただけます。とりわけお勧めは「ときわ」、外観は立派ですが格安で酒と肴を出してもらえる良店です。 それではと年季の入った一軒家がうれしい「遠山」に足を向けます。ご主人の焼く焼鳥でついつい酒が進みます。常連さんが生ビールをついでくれたり和気藹々とした空気が心地よい酒場です。「遠山」まで来てしまったら煮込みの「大はし」に寄らないわけにはいかないでしょう。いつもお客さんでびっしりで少し並ぶことは覚悟しています。店の中からは店主及びその息子さんが威勢よく「お~い」という声を張り上げています。 東口はあまり省みられることのないスポットですが、渋い酒場がちらほらあります。上品な料理屋の風情の「かえる」ややいろんな種類の手羽唐揚をいただける「鈴木商店 (圭)(マルケイ)」、常連で一杯の「鳥好」、中でもお気に入りはつたの絡んだクラシックな喫茶店(既に閉店しているようです)の隣にある「やすらぎ」、こちらは静かにのんびり酒を飲みたい人にお勧め、ただし一品の量が多いので注意が必要です。 こちらもついでに京成関屋まで足を伸ばしでみます。こちらも再開発が進んでおり今は東京電機大学の新キャンパス建築中で殺風景になっています。それでも京成関屋まで辿り着くと赤提灯がちらほら目に入ってきます。多くの通勤客はここで東武伊勢崎線の牛田駅と乗り継ぐためだけに利用しているようですが、さいはての乗換駅に来たような哀愁が漂います(その先の堀切駅まで行くとさらにその感は高まるのですが)。おにぎり屋さんの「みよ枝」、絶品もつ焼の「Moana(モアナ)」、牛田駅改札から徒歩1秒の「みちのく」、常連さんでにぎやかな「東菊水」などフツーの酒場を求める向きにはおあつらえ向きの酒場が揃っています。 こうしてみると北千住はさすがに充実しています。ただ街が立派になりすぎて、帰宅時ににぎやかな駅方面に向かうのが億劫になるという欠点があります。 その点東十条は問題なし。北口の東側こそ商店街があるものの武蔵野台地の境目?にあたる西側はいきなりこじんまりした酒場街で崖の上に酒場横丁が構成されているのが不思議な感じがします。南口は夜らしい暗さがぽっかり口を開けており、初めて降り立った人はこんな場所に酒場があるとは思えない風景です。では南口を徘徊してみます。こちら側の最有名店は「埼玉屋」ということになるのでしょうが、コメントは差し控えます。まずは「酒処 よさこい」、駅からほど近いおでん屋さんで昭和28年創業とのこと。L字の低めのカウンターはうらびれたサラリーマンのひとり酒にはのってこいです。よく知られた「新潟屋」はにぎやかで元気になれそうなもつ焼の酒場、元気なおかあちゃんが一人で切り盛りする「さくま」はのれんがいつも仕舞われているけど思い切って入ってみてください。大衆的なコの字のカウンターが出迎えてくれます。そばの「木崎屋」は中華料理店ですが、すごく侘しい感じでついつい長居してしまいそう。 続いて北口に向かいます。京浜東北線の東側を線路沿いに歩くとなかなか寂れたムードがたまらなく魅力的。ぐっと我慢して北口を越えてさらに住宅街に踏み込むと「よりみち」が見えてきます。こちらは昭和40年代からやっている酒場でそれこそ近所に住んでいたら毎晩1,2杯引っ掛けて帰りたいような佇まいです。難点は肴のレベルがかなり落ちること。この点さえクリアされれば通いたい位。その点、駅寄りの「大衆酒場 杯一」は酒場気分が横溢しているばかりでなく、なんでもそこそこおいしくいただけます。 北口の西側は小学校の机のようなテーブルが置かれたもつ焼屋の「野豚」などなど酒場が連なっていますが、やはり「みとめ」が知られた存在でしょう。オンボロといっても差し支えないような外観は堪らない魅力です。東十条名物のからし焼もいただけますが、ここは酒や肴はともかくとして店の空気に浸っているだけで心地よくなります。他にも質のいい料理を出してくれる「あぶくま」なんかもありますが、大抵このまま十条まで歩き「齋藤酒場」に寄り道してしまうことになります。 といったわけで酒場の充実度では北千住が勝っておりますが、呑んべい好みの街の空気では東十条が圧倒していると思われます。ここは個人的な好みを優先して引き分けということにさせていただきます。
2011/10/17
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第3回はすごく厳しい勝負になりそうです。王子vs南千住です。どちらも都営荒川線の最寄駅に直結できるということもあって頻繁に利用する駅なのでした。それではまずは王子から。 王子よいえばやはり、「山田屋酒場」を避けては通れないでしょう。半熟玉子をつまみつつ昼酒する楽しみは格別です。というかもしかするとここ以外にはもしかすると楽しみはないのかも。「一福」や「大衆居酒屋 松島」も大衆酒場としての楽しみはそれなりに味あわせてくれるし、柳小路の「たちのみ 漢祭」「集っこ」「福助」やさくら新道の「バー リーベ」もついつい寄り道したくなる風情だし、「平澤かまぼこ」で立ち呑みながら待合るのはのはもはや定番になっているのかもしれない。でも思いがけず飲み屋が少ないのだ。思い切って北に向かってみる。やがて北区豊島なる地名が見えてくると王子駅前とは違う一面を見せてくれるようになるのでした。「もつ焼 やき鳥 シマ」は何気ないもつ焼屋で心地よく飲めますが、さらに歩くと出鱈目に建て増されたような「とん平」が見えてくるでしょう。こちらは楽しい。安くてうまい、一見は勝手がわからず、ちょっとばっちい。いいなあ。大丈夫。すぐそばから池袋方面行き路線バスが出ています。 南千住といえば「大坪屋」となるのだろうか。こちらはともかく安い。もはや湯理由を言うまでもないが、一見または気を使うタイプの人はあまり居心地はよくないだろうな。 ここは山谷方面と三ノ輪方面に大きく分けることができます。まずは三ノ輪方面。駅からすぐの「大力」は創業はさほど古くないらしいものの、しっかり地元になじんでおり、ひとりで行けば常連のおねえさんに構ってもらえるでしょう。その先の「おでん ヤスベエ」も薄暗くて降ろした腰が上がらなくなります。千住大橋方面に向かうと立派な「六車食堂」があり、ここのお母さんの優しさも捨てがたい。駅前にもすでに巨大ビルの半地下に埋もれてしまって入るものの「鶯酒場」があって、ホイスを飲ませてもらえます。新興の「駅前市場」は100円焼肉や刺身などがあって頑張って欲しいものです。 山谷方面。こちらは玉石混合なのでともかく先入観を捨てていろいろ行ってみてください。ぼくのこれまで行った感想では、居酒屋 裕栄:カウンターはディープな客層だが、テーブル席は近隣のサラリーマンが進出しているようで思いがけず普通の酒場になりつつある。三岩:明らかにサラリーマンの溜まり場。孤独を求める向きにはお勧めできない。淀屋酒店(角打ち):かなり広いスペースがあって、過ごしやすい。居酒屋・食事処 たかでら:ともかく安い、外観の地味さに惑わされず行くべし。なんとネットでクーポンもある。遠州屋 本店 高尾:近辺では数少ない宴会もできる酒場。ただし小奇麗で、安くもなし。きぬ川:食堂。ビールくらいしかないが安い。古晒酒店(角打ち):ここはひとりで入るのはそれなりの気合が必要。心して入られたし。etc.といろいろありますが、「タカラ酒場」の佇まいはすばらしいのですが、客の入りが残念。ここをはじめとして「下総屋」なんていうところもカラオケを常備してるんですね。居酒屋然としつつ実はスナック的な商売というのが混じっているのがこの界隈の特徴。やはり地域性もあるんでしょうが、居酒屋よりやや高目の価格でスナック的な使い方をできるという配慮がなされているのでしょう。ぼくはカラオケはさほど気にならないので平気ですが、騒音・爆音が駄目な人には注意が必要です。 そうなると「丸千葉」がいい!ということになるのでしょうが、どうしても「大林」を愛します。もはや「大林」だけのために南千住があってもいいと思えるくらいです。 という偏愛振りで南千住の勝ち。実はこの「大林」も「三楽」と同じ頃に酒場巡りのきっかけとなった酒場なのでした。
2011/10/16
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第2回は、上中里と三河島の対決です。ところがこれまで上中里で呑んだことがないんですね。それだけで三河島の不戦勝は決まってるんですが、それだと面白くないのでもう少し文章を引っ張ります。 上中里では呑んだことはないですけど、降りたことはあります。かなりぐるぐると散歩してみたこともあります。東京メトロの西ヶ原駅周辺はかなり寂しい。駅の南は駅前におでん屋?「お多福」や焼鳥屋の「やきとり 岡ちゃん劇場」なんかもありますが、北側は独特な侘しさの漂う風景で、その大きな理由はJRの路線によって中洲のように孤立しているからでしょう。食堂(「花屋食堂」は立派、そばに銭湯もあったかな、「やまと食堂」は営業してるんだろうか、酒はなさそう)や中華屋、寿司屋なんかもあったと思いますが、この僻地感が場末好きな人々を呼び寄せるのでしょうか。カメラを抱えた若いカップルが目立ちます。東北本線の尾久駅方面は脱出口が2箇所あったと思うのですが、どちらもひとりではかなり心細い。 番外にはなりますが尾久駅方面の酒場紹介。駅の北側は明治通りに面していてさすがに多少のネオンが瞬いてます。中でも「たらく 別館 いけだ屋」「中国家常菜 同心房 尾久店」は目立ってる。前者は、尾久駅前で強い勢力を誇っているようで、「たらく 本店」のほかイートインコーナーもある寿司屋も同じ系列のようです。ここが同じタイプの酒場であるかはリサーチ不足ですがかなりのオオバコ。雰囲気も悪くないんですが、経営的に大丈夫なのか心配してしまいました。明治通りを池袋方面にもう少し歩くと「串焼 丸吉」というのがあって、こちらはもう見事な位、原住民御用達の酒場となっており、店内はどこかモダンなカウンターバーのようでありながら、ご高齢者がメインなそこそこハードな安酒場であったのでした。 続いては三河島。在日韓国人街が広がっているこの街では、日本人への反発もあってか、正直店によっては不愉快な思いもさせられているのですが、小粒ながら憩える酒場もぽつりぽつりあります。 駅前の「若松」はまさに正統派の居酒屋。ここのくつろげる感じはいまや貴重かもしれません。ちょっと離れて明治通り沿いには「割烹 三岩」(この「三岩」の屋号って単なるのれん分なんでしょうか)も立派で気分がいい。駅そばの「三松」はそば屋ながら昼呑みもできそうだし、「家谷酒店」は東京の角打ちでもかなり怪しげでそれはそれで楽しめる。日暮里方面の「蛇の目鮨」では2時間500円で飲み放題をいいことに大変になったことも。うまく「豚太郎」を見つけられた方はここもかなりオンボロではありますが、もう少し散策してみてください。「すずや」を見つけることができるはずです。この酒場の佇まいはほんとすばらしい。煮込みがちっさかろうが、ウイスキーが少なかろうが問題にはならないでしょう。武蔵小山の名店「牛太郎」の祝い額が掲げられていますが、京成高砂の「もつ焼 ひらの」でも見掛けた記憶がありますが、あまり関係は深くはなさそうです。鐘ヶ淵の「牛太郎」とはどうなのでしょう?ともあれこちらは一見の価値ありです。その後は「大衆食堂 越後屋」でのんびり過ごすのもくつろげますし、さらに足を伸ばして、三ノ輪方面の「酒場 源氏屋」「遠太」「中さと(中ざと)」「栃木屋」まで足を伸ばすと大衆酒場を満喫できることでしょう。というわけでちょっとずるい結果ですが、三河島の圧勝ということになりました。もし上中里にすごい酒場があったらお知らせください。すぐにでも出向いて確認したいと思います。
2011/10/16
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JRの常磐線と京浜東北線には有名酒場,珍酒場が多くあります。かねてからどちらの路線に魅力があるのか気になっていました。こんなことして何の意味があるのと思われることは覚悟の上で勝負させてみようと思います。勝った方の沿線に住めば夜の呑みは充実したものとなるはずです。 スタート地点はそれぞれ山手線から北上する分岐駅にしておきます。常磐線は日暮里、京浜東北線は田端からスタート。 日暮里の南側には夕やけだんだんを下ると谷根千があって、休みの日なんかには大勢の観光客が繰り出してにぎやかになりますが、平日の夜はと言えば谷中銀座商店街から一歩外れると人通りもまばらでいささか寂しい。 その谷中銀座商店街の突き当りにあるよみせ通りでは「居酒屋 喜月」がお気に入り、コの字カウンターには会津出身の女将さんと常連のこれまた会津出身の方たちが盛り上がっている。通りからちょっと横道に入ると、上品な和菓子を食べさせていただける「御菓子司 むさしや」や少し先には思わず足を踏み入れたくなる渋いすずらん通り(古参の「そば処 あかしや」はとりわけムードたっぷり、伺った話では昭和36年頃から営業しているそう。頼んだポテトサラダは大皿からてんこ盛りしてくれました)があったりするのですが、さすがに日暮里の酒場とは言えないかな。 谷中霊園方面にも居酒屋「町人」やおでんの「おせん」、酒場や生姜がたっぷり入った銘菓・浮草で知られる「谷中岡埜栄泉」など店構えの趣を眺めているだけで楽しくなりますがここも日暮里からはちょっと遠いですね。 えらくもったいぶってますが、日暮里駅のそばにもちゃんとあります。そばの「川むら」の向かいの通りからすぐの初音小路が、侘しいネオンで酒呑みを迎えてくれます。路地の奥にはちゃんと共同便所もあって風情抜群。この脇から裏の通りに抜けられたりもしてぶらりと立ち寄るだけでも楽しめます。「沖縄家庭料理 あさと」「酒処 力弥」「麻音酒場」などにお邪魔しておりますが、使いやすいのは「麻音酒場」でしょうか。 日暮里繊維街のある東口方面は酒場好きには知られる「いづみや」や「豊田屋」もありますが、再開発によって巨大ビルが立ち並び、街並みを単調なものに変えてしまったようです。そういう意味では「酔の助」や「居酒屋 路」などがしぶとく根を張って商売しているのは貴重なのかもしれません。 と全般に日暮里の酒場はいささか小粒な印象が強いですね。「お食事 とみや」という中規模な町工場の食堂といった風情の大衆食堂はじんわりとせつない気分になれる渋い店です。 続いては、田端。北側には最近代変わりした「初恋屋」が有名だが、いつも混んでいて落ち着いて呑んだことがないです。混んでるってのはいい店の証左であるのかもしれませんが、もっとゆったりした気分に浸れる酒場がいいですね。角打ちの「喜多屋酒店」のお隣でひっそりと控えめな明かりでようやく営業していることがわかる「立飲スタンド 三楽」がやはり大のお気に入りです。 明治通りを越えた田端新町には渋くて安い焼鳥屋の「鳥幸 加瀬政支店」やさらに路地をそれた場所ですごく安く飲み食いさせてくれる「飲み食い処 瑞穂」なんかもあります。ここから商店街を駅方面に引き返すと「食事処 酒処 豚珍軒」や「やき鳥 相馬」と思いがけない良店もあったりします。どちらもちょっと入りにくいところが魅力です。 駅北口の南側方面には「ときわ食堂 動坂」や「動坂食堂」などの食堂くらいしか思い当たる店がなかったのですが、最近ふっと思い付き駅からすぐの立体交差している道を歩いてみようと階段を上ってみると恐らく昼間っからやってる「焼鳥 焼とん 扇 sen」やせつない気分になる位古ぼけた「食事処 しの」、やたらと中身の多いホッピーを出してくれる「のがみ」などが狭い一角に密集してるんですね。この一角は好きな雰囲気でした。 と主だった酒場を選びましたが日暮里にはここぞという店がない一方で、田端は「立飲スタンド 三楽」があるという理由だけで田端の勝ちとしてしまいます。
2011/10/15
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こんばんは、まだほとんど文章のないこのページを御覧頂いている方がおられますので、急ごしらえではありますが現在までのお気に入り酒場を紹介します。ずらり有名酒場が揃っていますが、どうしてここがというようなところもあるかもしれませんが、あくまでも個人的なお気に入りなので笑って眺めていただきたいと思います。田端 立飲スタンド 三楽南千住 大林中野 北国中野 ブリック 中野店平井 豊田屋十条 齋藤酒場王子 山田屋酒場新子安 市民酒蔵 諸星(諸星酒場)雑司が谷 高松屋入谷 もつ焼きと銘酒 加藤新宿三丁目 サントリーラウンジ イーグル本郷三丁目 呑喜門前仲町 大坂屋木場 河本月島 岸田屋住吉 山城屋酒場大島 大衆酒場 ゑびす一之江 カネス酒場(大衆酒場 カネス)三ノ輪橋 遠太三ノ輪橋 中さと(中ざと)庚申塚 やきとん 高木庚申塚 庚申酒場東向島 大衆酒場 岩金(岩金酒場)鐘ヶ淵 はりや八広 丸好酒場京成立石 宇ち多゛堀切菖蒲園 喜楽京成小岩 銚子屋松陰神社前 バッカス神奈川 市民酒場 みのかん(美濃勘酒場)
2011/10/14
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今晩は軽く田端の「立飲スタンド 三楽」にお邪魔します。ここはそれなりに知られた酒場なので今更紹介するまでもないのですが、すごく気に入ってるのでどうしても書いておかないわけにはいかないのでした。 縄暖簾を潜り、お決まりのチューハイをいただきました(常連さんが左手にというルールがあるようで、一見さん側からはチューハイの品書きは確認が困難なのです)。ここのチューハイは飲み口からはあまり感じられないけれど、すごく濃いのです。三杯呑めばそこそこいい加減。オヤジさんが元気な頃は三杯飲んだ客は帰していたと聞いたことがあります。 目の前の鍋ではぐつぐつ豆腐が踊っているのでこちらの定番のおでんが始まったかなと少し興奮したのでした。黒板に書かれている品書きを見て納得、もつ煮込だったのね。せっかくだから頂くことにしました。 お母さんは口数も少なくちょっとおっかないけど、たまに話し掛けるとお喋りの相手になってくれたりもする。悩ましいのが客によってお通しを出してくれたり、出なかったり、軽い肴(今晩はきびなごの煮干)があったり、なかったり。今晩はお通しにもやしキムチを頂けたけど、軽い肴は駄目でした。 ここは酒場巡りをはじめるきっかけになったお店の一軒です。開いているか外観からははっきりしないところや煤けて真っ黒になった風景画なんかに魅せられてしまったのでした。初回なのに短文となってしまいましたが、ぼちぼちと書き続けていくつもりです。お付き合いいただけると幸いです。
2011/10/14
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