仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2023.12.12
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カテゴリ: 宮城
美豆の小島をはじめて訪れた。小黒崎観光センター(閉鎖)から少し国道を西に行くと、小さな案内標識に誘われて小径を降りていくのだ。

川原を望む開けた場所に降りると、ちょっとした駐車スペースに奥の細道と書かれた標識が建ち、傍らに説明書きがある。

 美豆の小島(みづのこじま)は、水の小島、みづの小島とも書き、10世紀初めにつくられた古今和歌集や13世紀初めの続(しょく)古今和歌集にも出てくる歌枕の名所です。
 松尾芭蕉が門人の河合曽良とともにここを通ったのは、1689年7月1日(元禄2年旧暦5月15日)、尿前の関に向かう途中のことでした。それまで多くの歌に詠まれてきた美豆の小島でしたが、その場所をここと特定したのはこの時の曽良の日記がはじめてのものです。
 曽良日記によると、川中に岩の島があり、松が三本、そのほか小木が生え、この時は江合川右岸と川原続きになっていたようです。さらに以前は中洲であったとも書かれています。美豆の小島は川の流れによってその形や場所を少しずつ変えていましたが、1890年(明治23年)の洪水で、荒廃してしまいました。現在の鳥居は大正時代に建てられたものです。

小黒崎みつの小島にあさりする 田鶴そなくなり浪たつらしも(続古今和歌集・四条天皇)
人ならぬいはきもさらにかなしきは みつのこじまの秋の夕ぐれ(続古今和歌集・順徳院)

駐車場の向かいの山側にはどっしりとした石の歌碑がある。

古今和歌集 巻20 東歌 をぐろ崎みつの小島の人ならば 都のつとにいざといはましを

河道に向かって歩いて進むと、鹿が何頭かこっちを振り向いては走って遠ざかって行った。肝心の「小島」の写真を撮り損ねたが、鹿が戯れていた辺りのこんもりした山がそれだったのだろうか。

(↓駐車場から歩いて進んでいく)​​

(↓さらに進み、この先を右に折れてすぐ左手に「小島」があった。)

(↓駐車場の山側から望んだ画像)


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最終更新日  2023.12.12 07:30:07
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