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ボロの美学というものがある!というのは何度もネタにしているわけですが、1956ゴールドトップのエイジングが地味に加速してきましたので進捗をしようかなと(苦笑) ・・・と言っても、普通に弾いているだけではエイジングなんてほぼ進みません。それこそ『激渋』とされるエイジングは50年以上もの歴史あってこそ経年変化が起きるわけで、たかが数年程度では求める経年を得られるはずがないのです。ゴールドトップで言えば『塗料にブラスパウダーを使用することで緑青といった経年変化をお楽しみいただけます。』という表現をメーカーで見かけますが、毎日汗だくになって荒々しく弾いて30年位経過しないと、そんなことにはならないんじゃないかな~と。ある程度だとしても最低10年は必要かと。Gibson カスタムショップのHEAVY AGED の様な貫禄を新品グロス仕上げ状態から目指すとなると、その頃には俺はもう死んでいると思います(苦笑) とはいえエイジングされたギターの貫禄のあるルックスは謎の歴史や風格を感じて凄く魅力的に見えるわけで・・・話は戻りまして我が1956 ゴールドトップ(2013年製)ですが、ボディーアーチや塗装、各種パーツに至るまで国内工房で手が入り、遠目で見れば本物に見えなくもないMODが施されているわけです。それでも神経質な俺からすれば至近距離で見た時に『ココは足りない』というのがあります。例えば、ラッカー塗装が剥がれた断面もやがては摩擦で薄くなるわけですし、剥がれた下にある木材も次第に汚れたり艶が出たりするわけです。そういう傷の年代や場所による経年度合いの再現までは足りないなと。ギター1本に対してそこまでいちいち考えてやってたら時間がなんぼあっても足りないでしょうし生産性が悪いので商売にならないと思います。故に出来ない。そういう意味で最近のカスタムショップのエイジング技術は流石です。出来ないのであれば俺が仕上げる! という心意気!高級なカスタムショップ製のギターを丁寧かつ大胆に傷つけてはコンパウンドで磨き、傷の上にまた傷をのせる傷のミルフィーユ作業。そしてガンプラの様に墨を入れて同じ作業を無限に繰り返す。艶を消したり出したり。着ているTシャツに擦りつけて艶を消したり、ボディバックのエッジ部分をジーパン履いて高速で擦ったり。他にも『こんなポジションで構えてこんなアクションをしたときにバックルでガリった』など考えてやっていますが、はたから見たら怪しい行動でしかないので 何やってんの!? って話です(苦笑)それにしてもバックのマホが二ーの美しさと言ったらコイツは素晴らしい。目も詰まっていて見る角度でギラギラと光って眩しすぎるぜ!まだ進捗途中ではあるものの、購入当初と比べれば明らかに完成度は上がっていると自負しています。見た目もそうですが、何故かエイジングをする程に音の鳴りもいなたく変わってきました。傷が増えることで音の反響具合が絶妙に変わってきているとでも言うのでしょうか・・・もしくは木材に刺激を与えることで細胞が動いて変化が起きている・・・プラシーボではない気がします。未知ですが音は日に日に進化しています。
August 13, 2023
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※Brush eight ホームページより画像拝借プロからすこぶる評価が高い “Brush eight(製造元)”の珠玉のオーバードライブペダル “Drive X” 。これをベースにこだわりのヴィンテージパーツや配線材/はんだを使いマッチングさせ、更に深みのある音色とレスポンスを追求したペダルがP to P。※通常の “Drive X” との違いは下記とのこと。・ヴィンテージのカーボン抵抗は数種類のメーカーのミックスで誤差5%以内。 抵抗をテスト中 誤差がすごいので前後の数値も測定し使える抵抗の中から厳選して使用・ヴィンテージハンダは 何十種類の中から選んだシークレットハンダを使用。 Brush eightのシールド(ケーブル)に使用してるハンダとはまた別のヴィンテージハンダになります。・VWSC を元に全てハンドワイアード(ポイント トゥ ポイント)・ヴィンテージパーツはVWSC と同様ながら、線材は専用に厳選して製作方法にもこだわりが。・ヴィンテージ線も何十種類の中からテストして厳選しました。外観はグリーンのペイズリートーレックスで覆われ上品でお洒落。見る角度でギラっと表情を変えます。歪みは適度な荒さを持っていて、ゲインはパリッとしたクランチのまま厚みが増してくるような利き方、上げても一定のヌケは維持されています。ペダル自体は特別な個性や癖が無くナチュラルで違和感なく、原音の質感を損ないません。元のトーンをワンランク引き上げてくれるような感じ。スピーカーから一枚板の様に出る平たい音ではなく奥行き・余韻とでも言いましょうか・・・俗に言うエアー感(立体感)があるのもGOOD!リバーブ無しなのに、かかっているような・・・恐らく複雑な倍音がこの立体感を生んでいるのではないかと。元々、ファズの様にゲインを少し強めにかけておいて、ギター側のボリューム/トーンで歪み量や抜けを変える使い方が好きなのですがこのペダルはギターボリュームの追従が滑らかで扱い易く、組み合わせるアンプとの相性もあまり選ばないのもこのペダルの利点。良いとされるペダルは試してきましたが、総じてこのペダルの良さは扱い易さ、ほぼ確実に自分の好みの音にもっていける汎用性が強みだと思います。ギターとの相性に関しては所有器の場合 P-90 か PAF系 しか無かったので何とも言えないのですが恐らくはシングルコイルや出力の低いタイプの方が、味わいを殺さず太さが出るので合うと思います。特にクランチ寄りの分厚いドライブトーンが一番格好良いなと感じました。太くクリアで適度にいなたく暴れたトーンがスピーディーに反応します。実は購入して感動したのは別のところにもありました。それが梱包や書類の扱い方の丁寧さ。売買書類は高級感のある封筒に収められ、お礼の手紙も直筆&名前入りで同封されていました。購入者全員に行っていると思うと誠意を感じるというか、意識を高く持っている会社なんだなと感心しました。日記のプレビュー
May 23, 2025
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久々にバイクネタでございます。チョッパー乗りの中で話題のサイドナンバー(縦)禁止条例が2016年4月より勃発!簡単に言えばサイドナンバーの縦付けが保安基準で完全に不適合となったらしいですね。今までグレーゾーンでしたのでカスタムとしては定番っちゃ定番だったのですが・・・故に俺も過去、そのサイドナンバーにはこだわってまして2~3回作り直してもらった経緯があります。 今までこんな感じ。サイドもサイド、これ以上にサイドであって良いのでしょうか? と言った感じです(笑)フェンダーはサイドナンバーにする前提で作ってますので装着する場所なんてありません。やはり、サイドナンバーで縦を横に変更するしかなさそうですね・・・ということでこうなりました。日本のナンバープレートは大きいので横にすると車体に対してはみ出し過ぎてしまうんですよね。それがどうにも不格好で格好悪いなーなんて思っていたので、サドルバッグを装着してバランス調整。おや? 意外とアリなんじゃないだろうか!?テールは車体側へ、ナンバーもチェーンにかぶせて極力ホイール側へ入れ込んでほしいと要望。ステーも武骨な感じで車体とマッチしてとても気に入りました。いつも走るときに工具と車検証をショルダーバッグに積んで走っていたのでサドルバッグに入れることで背中の荷物は大分軽減されるかと思います。以外にもこの工具が重くて肩にめり込んで痛かったので(汗)安心・安全な仕様となったわけです。俺も良い歳ですから大人にならねばですね(・3・)これで警察も怖くない!?ノーコメントです(笑)
July 13, 2016
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衝動的に手に入れてしまったのが1956 Les Paul Gold Top Vintage MODヒスコレの1956’13をベースに国内工房にてメイクオーバーした個体でございやす。そもそも、以前持っていたP-90搭載の50S(自分でハードエイジド仕様)コイツの音が想像以上に良かった・・・と言うかP-90の特性が想像以上に好みだったのです。売ってしまったことに対しては、次のオーナーに使われていると思えば後悔は無いのですが・・・P-90のトーンが忘れられない!あの独特の乾いたサウンド、バイト感・・・キレと言うか、プリプリしたトーン特性は捨てがたい。レスポールのゴールドトップが渋くてメチャメチャ格好良く見えてきてしまい欲しいなと・・・そんな中で日課となっているネットサーフィンでポチポチしてたら目に留まったのがコチラ。グラマラスな愛されボディに燻し金。ヤバいくらいアダルトで格好良いと思わないか!?今回手に入れた1956はVintage MOD。チューブレス・トラスロッドやネックジョイントのニカワ接着、アリニンダイ着色やロングスタッドなど大幅な見直しを行った2013年。ヒスコレ期で最高の完成度を誇る2014年(指板までニカワ)と比べれば劣りますが、それでも完成度は高く人気のある年式です。これを元にアーチトップ・カーブを50年代を彷彿とさせるヴィンテージ型へ整形し直されております。その上からブラスパウダーを用いてリフィニッシュ&エイジド加工を施し、エルボー付近の緑青やヘッド~ネック、ボディの隅々まで見られるウェザーチェックなどリアルなヴィンテージの貫禄を再現。指板インレイも50年代風の黄色がかったカラーリングへ交換されております。パーツ類のアップデートは良くあることですがアーチトップをメイクオーバーしてるってのがグッときました。ハードウェアはネック裏以外(実用性重視しネックはしていない)は各パーツ類も含め徹底的にエイジド加工されています。・・・もの凄ェ格好良いじゃん!国内工房の有名どころで行われたそうですが、トム・マーフィー程とは言いませんが自然かつ大胆なクラックが素敵でございます。ペグの半透明具合、経年した焼け具合も良い塩梅に美味しいカラーになっていて嬉しい限り。良い仕事してますなぁ。こうあって欲しい・・・経年変化して欲しい・・・という理想のカタチが疑似的にではありますが具現化されているように感じます。※TANO GUITER 撮影写真引用ピックアップはフロント、リア共にリワインドされた1950年代当時モノの Vintage P-90。ケースも本体も復刻ではなく元祖、本物のヴィンテージピックアップという価値あるもの。キャビティ内にも50年代のオリジナルのバンブルビーコンデンサー搭載というパーフェクト仕様。出音は50年代のヴィンテージP-90という、70年近く前のピックアップでありながら下手なハムバッカーよりも力強く非常にパワフル。乾いたシングルコイル特有のキレとハリ、絡みつくようなバイト感と鈴鳴りが共存するあのP-90 極上のトーンを生み出します。近年のP-90と比べるとややノイズはありますが解像度が高く、カスタムバッカーに似た泥臭さがあります。特にドライブサウンドはレンジが広く金属質でジューシー、それでいてプリっとしたP-90サウンドが何とも心地良いです。カスタムバッカー含め、高性能なマイクは体感上 ピッキングノイズなどの雑味まで拾う傾向にあるかと思います。一般的に拾わない、整えている。悪く言えば誤魔化している部分までもダイレクトに拾うことで表現力の幅を広げています。これがあってこその生々しさ、空気感や臨場感で、中々出せないヴィンテージサウンド最大の魅力ではないでしょうか。メイプルトップ&マホガニーバックという一般的なレスポールのセットアップに極太のCシェイプネックを採用。使用されているワンピースマホガニーは繊維が細かく見る角度によって全体がギラリと輝き、良質な材であることが伺えます。3.93kgという絶妙な重量から繰り出されるサウンドは1959とも違った力強さと繊細さを兼ね備えた魅力ある音です。指板に関しては黒々・・・ではなく、赤褐色に近い印象。 実はトラ杢の様な繊維が光っていて、どうしても反射してしまう影響で赤く見えてしまいます。密度はかなり詰まっていて導管が少なく艶があり、こちらも見る角度で色味が変わるというローズ指板。当初は黒い方が格好良いという固定観念がありましたが、硬質なミルクチョコレートみたいな指板に愛着が出てきておりますヴィンテージのルックスと音を求めて徹底的にメイクオーバーしつつも気構えなくガシガシ弾ける一本。コイツの為に新調したカスタムショップのHEAVY AGEDのハードケースにセットアップすればこの貫禄。完成度の高い2013年式にヴィンテージパーツを装着し、ボディアーチまで手を入れたコイツは量産品とはまた違った特別感を感じます。ゾクゾクするぜ! コイツはメインになる予感がします。
March 9, 2022
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購入から数ヶ月経ちましたが、やはりコイツは凄ェ!少なからずギター歴20年以上、恐らく手にしたギターは30本以上ですが・・・ここまで鳴る個体は無かったのです。『枯れている』 という表現が正しいのかは分かりませんが、とにかく生音がデカくアコースティックな音が出る。ニュアンスに忠実な個体です。アンプを通せば、その生鳴りが 高解像度で増幅された かの様なアウトプットを行う。弦を弾くとネックからボディ全体が震え、全音域が既にイコライジングされたかの様なリアルで美しい生音。やはり生鳴りがデカいということは、単純にそれをマイク(ピックアップ)で拾うにしても拾いやすいのだと思います。同じ2014年式の1959を所有(つまり、この個体と合わせて同年式2本)しておりますが、コイツはどう考えても別格中の別格だと自分の中で上位に位置づけ、俺のギター歴の中ではキング オブ レスポールだと勝手に判断しています。 まずは・・・ご覧ください。この恐ろしくも妖艶でアダルトな仕様を・・・渋みを増したダンディズムといった感じですね。カスタムショップ専用のブラウンケースを開ける度に・・・・・・OH! ・・・何て渋いんだ・・・。。。となるのは当たり前の話です。それこそ感動のあまりに感情を抑えきれず涙腺が緩み号泣、小便ダダ漏れの放尿コースです。やがてその放尿により美しい虹がかかるとか、かからないとか。見た目もリアルで数十年の時を経て退色したかの様なレモンドロップに百戦錬磨のクラックと傷が細部まで施され、リアルヴィンテージの風格がありますが、それよりも実際に楽器として使われている音に影響を与えるマテリアル群が一番気に入っています。トップ面には揺らぎとメリハリのある杢が混在し、見る角度でプレーントップに見えるほどグラデーションが変化する硬質なメイプル材に、気合いの入ったフレックとクラックが織り成す圧倒的存在感。天然素材なのでそれぞれ個体差はありますが、中々ここまでのモノは無いのではないでしょうか。ボディバック・ネック材のマホガニーに関してもワイルドな板目で、良く見ればホンジュラスマホガニーの特徴でもある、細かな水平方向の繊維 が見て取れ、見る角度でキラキラと美しく輝きます。 こいつは普通のマホガニーであるはずがない。・・・ホンジュラスじゃねェのか!? と感じてしまいます。事実、ホンジュラスマホガニーを使ったギターも持っていますが、そのホンジュラスマホガニーよりも質が高く見えてしまうことと、結果的に繰り出される音が 只者ではないと物語っております。そしてネック指板のローズウッド、これがまた凄い。いかにも硬そうなハカランダさながらの黒さと、導管が毛穴の様な特殊形状で鈍い光沢を放っております。様々なローズウッドをこれまで見てきましたが、この導管の形状は初めてだということと、これまたカッチリとした倍音とレスポンス、良い意味で高域のトゲを丸めてくれるかの様な響きが・・・只者ではないと物語っている!これらのマテリアルが合わさりレスポールとして理想比重の3.8kg弱。調整されたカスタムバッカーから出るサウンドは枯れながらにして太く抜ける。 ハイゲイン設定だとしてもトーンを絞れば美しいクリーントーンに変貌する。 一般的にゲインを上げた状態でトーンを絞ったクリーンサウンドは高音域や余韻が削られてしまい『クリーンっぽい雰囲気』で終わりますが、完全クリーンではないにしろリアルなクリーンサウンドからクランチ、ハイゲインまでボリュームトーン1つで表情を変えられるのは今持っているギターの中でもこの個体だけです。良いレスポールって抜けつつも音の最後が丸く包まれて終わる・・・キンキンしない。そんな良さがあって耳が痛くならないイメージ。この個体は良い意味で強く弾けば暴れ、強弱が出しやすく、感情的で表現の幅が非常に広いというのが素晴らしいと感じます。ゲイリーが使用したグリーニーにも似た咆哮的で熱を帯びたサウンドも表現し易く、我ながら 凄いギターだな と思うわけです。 多分、もう、こんな個体とは中々出会わないだろうなぁ・・・と感じるお気に入りの1本の紹介でした。
October 7, 2021
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■Gibson Custom Shop Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standardピーター・グリーンからゲイリー・ムーア、そしてカーク・ハメットへと受け継がれたレスポールの名器「GREENY」がついにシグネチャーモデルとして発売されましたね! 過去、コレクターズチョイス#1としても発売され、復刻版としてもプレミアム価格で取引される仕様ですが、今回は圧巻のクオリティでエイジングまで施された最強スペックだと思います。いやはや凄い。めちゃ格好良いじゃないですか・・・と思ったらお値段も格好良く2,750,000円(税込)。こりゃ凄い・・・ここ最近の木材枯渇や円安、コロナ禍による様々な値上げで今年(2023年)より大幅値上げになったGibson CustomShop製品ですが、それにしてもヴィンテージでもないのに2,750,000円とは中々どうして・・・凄ェ!!とは言え、裏側も含め全面圧巻のクオリティ。マーフィーラボになってからは本物のウェザーチェックを生み出す技術を開発してエイジングも非常に複雑でリアルです。現存するGREENYを忠実に再現した個体となると胸が躍りますね。1つ残念なのはスイッチバックプレート上にK・Hと入れてあること。これは現所有者であるカーク・ハメット氏のイニシャルなわけですが、個人的には必要ないなと(汗) 名器「GREENY」と言えば、3代に渡り受け継がれてきた歴史があるギターと言うのが大切なわけで誰のシグネチャーとかそういうのじゃない気がするんですよね。レジェンドであるゲイリー・ムーアのイメージが非常に強く、あの極上のトーンをこのGREENYで生み出していたからこそファンがそのギターに注目したわけで。。失礼ながらピーター・グリーンやカーク・ハメット氏は好きでも嫌いでも無く詳しくは存じ上げてません。個人的には伝説を生み出してきた名器「GREENY」として着目して欲しかった次第です。まぁ・・・商売や契約上、そういかないのは重々承知ですが。。ということで自分の持っている1959 の GREENY仕様も負けてねェぞ! っては思います。この個体もハンドセレクト&マーフィーエイジドのもので、複雑な杢とフレックを持つトップ材から密度が高いバック&ネック材、いかにも硬く密度ありまくりで毛穴みたいな導管が珍しい黒々とした指板が最高のコンバージョンを生んでおり、自分の経験上では最高のトーンを生んでくれます。ペグがノーマルなのでシャーラ―にしたりとまだ改良の余地はあるんですが、現状の音があまりに良いだけに買える勇気は出ず。仮に今回のものと弾き比べても値段が高ければ最高となるとは限らない天然素材の楽器であることを踏まえれば『俺のGREENY モドキは過去最高のトーンを出す最強個体や!』 と叫びたい。 いや、弾いたら全然負けてしまうかもですが(笑)でも自分の中である意味、最高のトーンを出してくれると思います。そうであってほしい。■ Gibson “Greeny” Les Paul Standard通常USAとしてもGREENYが発売されました。お値段440,000円。これは結構 好印象です。 グレードの差があれど雰囲気はしっかりありますし、グローバーペグにグリーニーバッカ―と特別なアイテム、個性的な音を実用的に出してくれそうなので単純に楽器としてアリだなと。。 2,750,000円ともなると一般人では弾くのが怖くなってしまいます。自分の場合は眺めて終了のコレクター品・・・エイジングされているのに傷付いたら寝れないパターンです。それにしても最近、楽器店に行って思うのが木材グレードが著しく落ちている気がします。マホガニーはほぼ導管も無く、ローズウッドに至っても色味が茶色で色が明るくパサパサで何とも味気ない。謳い文句で表現を変えては色々と業界も頑張っているようですが、なかなか厳しいんだなと感じます。こうなってくると同じ名前の楽器でも材を見極めないと厳しそうなので見る目を養う必要がありそうですね。
May 2, 2023
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先日、某楽器店に行ったところギブソンのレスポールSTDの指板インレイが尋常じゃないくらい右に寄っておりまして衝撃を受けた次第です。と言うのも、指板にインレイを組み込む以前に作業工程で把握出来ますし、その後ネックとボディを組み込んだり塗装したり等、何度でも検品・チェックするタイミングは大いにあったわけです。そんな中、当たり前に店頭に値段が付けられて並んでいる現状を見ると、正規で検品をパスした個体だということで。。。 これで数十万となると、なかなかどうして・・・いうネタです。木材の枯渇や業界の低迷という実態はあるにせよ、自分にとって “憧れの存在” “高嶺の花” であったギブソンがここまで落ち込んだのかと悲しく感じたわけです。元々が国産の様にカッチリした作りではありませんでしたが、それでも溢れ出る存在感や独特の音として人気のブランドなので、昔から知る自分としてはかなり衝撃でした。 仮に音に影響が無いとしても素人見に分かるインレイのズレは何とも悲しい次第。他も疑いたくなってしまう気持ちすら出てしまいますよね。それこそ山野楽器が日本代理店時代は日本人目線で検品を行って、こういった個体を検品で外していたと聞きます。今は山野楽器時代と比べて検品が甘く “あたり” “はずれ” があるのは少なからず致し方ないのですが、それでもなァ・・・と。。 技術が発展して職人のハンドメイドから機械を使ったオートメーションに変わり、効率こそ良くなれど悪くなる部分もあるよなと。特に楽器製造において人でしか感じ取れない繊細な部分は、大量生産になればなる程に失われる部分の様な気がします。対して国産ブランドは安価であっても逆に頑張っている気がするのでギブソンも頑張ってほしいところです。木材事情や大幅な値上げ問題は別としてカスタムショップ製はスタンダードラインとは別に気合いを入れて頑張っている気もしますが、間口となるスタンダードラインも大切にして欲しい。今のギブソンは個体差が相当激しいので値段だけではなく “見る目” や “知識” が無いと買えないかもです。 もしくは、以前にも増した雑さを “個性” と捉えて受け入れるか。俺達の明日は・・・どっちだ。。
April 4, 2025
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その名を『1959 Humbucker Collector's Edition Series 1, Exclusive』Gibsonから究極のPAFを再現したピックアップが1000SET限定で登場しました。価格999ドル。日本円にして16万円。ほうほう・・・まぁ。高いっすね(笑)とは言え、ここ最近の楽器業界の価格高騰は何も楽器本体に留まらずって感じなので何とも言えません。安くて良いのもありますが、高いのは高いだけ良いモノもある。戦略的な値付けやプラシーボも勿論ある。今回は1959年のPAFを再現したということで、個人的にはメチャメチャ気になっています。これでエイジング加工されて日本で売られていたら多分買っていたかもしれませんね。豪華にブラウンケース入り・・・まさにコレクター品ですね。ふと思ったんですが1959年製は何でそんなに値段が高いのか・・・最も熟した年というのは分かりますが1954年の方が安いとかヴィンテージは謎だらけ。そもそもピックアップまで1959年が最高なのかも試したことが無いので謎です。とはいえPAF系のピックアップの特徴としては非常に感度が高くて素直なイメージがあります。その中でも実際に試したのは下記・ジミーウォレス PAF・K&T WEEP・K&T Tetrad・ギブソン カスタムバッカー・ウィズ PAF・ダンカン ANTIQUITY ※各種レビューはコチラどれも良さがありますけど、何だかんだで個人的にはカスタムバッカーとK&Tは好きです。低域が枯れていて高域が出るので、ボリュームやトーンを使いやすいという理由です。PAF系はどれもスモーキーな感じで倍音が豊か。クリーンなのに歪んでいるような印象を持っています。昔は高出力なピックアップばかりつけていましたけど、今は低出力が本体の良さを出すので好きです。とは言え、高いピックアップを載せても、本体が良くないと良い音にはならないですね。本体が良くないなら高性能なものは載せず適度に誤魔化してくれるダンカンのJBあたりがベスト。どちらも高さやポールピース、ブリッジの高さやネック調整あり気での音作りは本当に重要。PAF系は素直が故に調整範囲が広いというか各部調整に対してシビアに音が変化するので素敵です。本物のPAFは今や100万円の時代。細いワイヤーを巻いたピックアップが数十年経っているとなると憧れる反面、経年劣化が心配過ぎて手が出せません。むしろ経年劣化でコイルが緩んだり磁力が落ちたりで音が育っているとなると綺麗に保存され過ぎていても良い音が出なそうですし。結局、バンドアンサンブルに混ぜてしまうと微細な違いなんて大して分からないんですけど気になるのが性です(笑)
February 17, 2024
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当時、ギブソンからtakモデルが出て、その配色やバインディングの組み合わせ、指板のインレイ等、凄まじく高級感があって格好良いなと感じたのです。とは言え本家を買えば80万円近いので手は出せません。そんな時、エピフォンからエリートモデルが出まして、国内生産、ピックアップ系も本家と同じ仕様で出たので2006年位だったので10年前位ですね。 完全に見た目に惚れて通販で確か正月のセールで7万位で購入しました。 何と言ってもこのギターの特徴はAAA-Grade Quilt Maple Laminated Top。表面の貼りメイプルだとは思いますが雰囲気出してます。塗装はラッカーでは無くポリ塗装でギブソンと比べると色も少し濃い感じがします。 とは言えこの価格でこのクオリティは中々ではないでしょうか?PUはNew TAK Matsumoto SpecialでBurstbuckerを採用しています。ただ、音色が個人的にモコモコしていて抜けが悪く、ネックも太くて弾き難かったので手放してしまいました。甘くて太いレスポールの音! と言えばそうなのかもしれませんが・・・何か・・・何かが違う印象でした(汗)人気アーティストモデルで生産数も少なかったので買った金額位では売れたのでそれは良かったと感じてます。今ではもっと値段が高くなっているので、これはこれで持ってても良かったかなと今更ながら思います。
October 6, 2015
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世界各国には知る人ぞ知る “ワウ沼” という天然の沼があるらしいです。そして私の住む宮城県にも沼は存在し “チャカポコ沼” として知られております。 そんなワウ沼は抜け出すことが困難な危険な沼であるにも関わらず、神秘的な魅力を秘めており、人の煩悩に語り掛けてくるように呼び寄せられてしまう魔性性があるとのこと。溺れたら最後、聴覚を頼りに抜け道へと彷徨うしかないが、あまりの快楽に “Wha-wha” と叫んでしまうとか、しないとか。。。ということで数々のワウペダルを試してきて今、所有しているワウを完全なる自己紹介の為にご紹介致します。あくまで個人的な意見で、レビューも感じたことを書いているだけなのでご了承ください。■KATANA SOUND SoulBaby“FREEDOM CUSTOM GUITAR” と 今は無き “KATANA SOUND” がダッグを組み、『人間の声帯に近い表現力』を再現すべく開発したSoul Baby。このサウンドに至るまで試行錯誤を繰り返し、インダクターを手巻き、全てのパーツを厳選してPoint To Point で配線したという、鬼気迫る勢いでこだわりまくったワウペダル。インダクターは理想を追求しオリジナルの手巻きであることから『個体差もお楽しみください』との謳い文句。なんてこった・・・マニア心を分かっていますね(笑) さて、このSoul Baby、ワウ好きの中ではすこぶる評価が高く、コンセプトである表現力の幅も素晴らしいものがあります。持っているのは初期型です。後期は全身ブラックになるので個性的な初期型が見た目では好きです。個人的に嫌いなワウの特性を先に挙げておくと、ONにしたときの音質が極端に変わってしまうもの。音が痩せたり、耳障りな高域が目立ってしまうワウはどうしても好きになれません。踏み幅に対して効きすぎるのも苦手。 反面、このワウは音質に極端な劣化が無い中で美味しいワウ成分が乗ってくるので、レンジが広がった様にすら感じます。とりわけ音が太く、完全に踏み込んだときも太いまま。痛い高音域も絶妙に丸くされていて自然。可変が滑らかなのでリードトーンで歌うようにワウを使うプレイヤーには重宝するんじゃないかなと思います。またその効き方が絶妙でございます。内部基板はこんな感じ。まず音以前に中身が格好良すぎるだろ! 入力ゲインに関しては内部基板に特徴的なSOUL GAIN(スライダースイッチ)があり、かかり具合を調整出来るようになっているので、簡単に好みの音に調整出来るというのもナイス。惜しくも電子部品が入手できず品質管理が出来ないことから無くなってしまったKATANA SOUND。個人的にこのワウは傑作の部類に入ると感じています。
March 4, 2024
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ということでサウンドについてになります。多くのヴィンテージ系と呼ばれるレスポールやピックアップ、コンデンサー等を試してきましたが、結論から言えば “本物のヴィンテージは今の復刻版とは違う” というのは確かでした。 当時の木材や各パーツも含め、調整を繰り返しながら半世紀以上弾き込まれ変化を経たギターは、ピッキングに対して生々しく、強烈な反応速度で誤魔化しが利かない。自らの弾き方や技術自体を改めて考えさせられるものでした。乾いた木の鳴りと金属の響きが雑味が複雑に混じり合って放たれるクリアなサウンドは、整ったものではなく、しゃがれた様な、弾き手の感情に訴えかけてくる奥深い魅力を感じました。出力自体はそこまで高くないはずですが太くパワフルな音色。ピックアップは1つしかありませんがボリュームとトーンの効きがすこぶる良く、クリーン~クランチ~オーバードライブ~ディストーションまでゲインコントロールができ、その音質もアンプ側で調整したと同等クラスの解像度の為、情報量が半端ないです。 今でこそ楽器を作る機械自体が進化しオートメーション化していますが、当時そんなものは無く、あくまで熟練の職人が全てハンドメイドで仕上げた匠のギター。故に “ハイエンドギター” と通ずるものがあり『ギブソンは作りが雑』という今のイメージは、この時代には微塵も感じさせないクオリティの高さだと思います。今回選ぶ上で重要視したのは如何に “長年弾き込まれてきたか” ということ。木材の乾燥や経年も影響はあれど、長年弾き続けたからこそ出る音があると感じる部分が経験上多いのです。ミントコンディションの様な弾き込まれていない状態の場合、音の若さは否めません。せっかくであれば弾き込まれることで育った音も体感したいなと。 そういった意味で手に入れた個体はガッツリ弾き込まれたであろう貫禄のルックスと現在には無い響きがあり、お世辞にもヨダレが止まらないやつでした。何なら弾いているときは常にアへ顔で昇天してます(嘘)当個体はレスポールジュニアとしては比較的 重量のある3.8kg。 ジュニアと言えば3kg前半、軽いと2kg台という軽量な個体が多く、一定の重さがある個体は逆に少ない印象があります(バック材のみなので当たり前ですが) 経験上 3.6kg以下(STDの場合) はボディ鳴りが大きくなる一方で現代ロックに通用する歪みにすると芯が潰れてしまい飽和してしまうイメージがあり、3.7~3.8kgが各音域と歪み時のバランスが良く芯が残る様に感じます(逆に重くなってくると輪郭がハッキリするがウッディさは減る印象) 近年は “軽さこそ良材で正義”といった風潮がありますが、個人的に求めるサウンドで考えると適度な重さも欲しいところ。そういった意味では逆に希少でドンピシャでした。この個体はキャビティ内にノイズ対策もされていることから、恐らくは本器の特性を活かしドライブサウンドもメインで使っていたのではないかと予測できます。芯を残したまま暖かくもジャキーンと溢れ出る倍音の波・・・強く歪ませても低域 巻き弦のジャリっとしたニュアンスは残り、太く暖かいサウンドの中に各弦の輪郭と木材の響きをしっかり感じることが出来ます。適度に重量があるのでローの締まりもあって、めちゃくちゃ格好良いサウンドを出力してくれます。何度も言いますがヴィンテージギターが全て正解だとは思ってはいません。とは言え、求めれば最終到達点であると同時に、時代に逆らった存在は絶滅していくのが運命のヴィンテージ。本物のレスポールは死ぬまでに1本くらい手に入れたいとは考えていました。自分自身の今の環境を踏まえると、家族の為にも個人の贅沢は減らしていく必要があるので、まだイケるうちに決断しとくしかない! という決断です。今回、大切にしていた2本が旅立ちましたが、それを超えた満足感があるので良かったです。二度と手に入らないコイツを手放すことは無いでしょう。生涯使っていきます!
May 20, 2024
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あけましておめでとうございます。新年早々ですがボロの美学について再度、熱く語ります。ギターやバイク、革製品、ジーンズ、それらのジャンル/カテゴリーにはエイジングという世界があります。ギターで言えば何十年も弾き込まれ百戦錬磨によって生み出された貫禄を演出した世界。例えばバックル傷、汗によって溶けだし変色したであろうラッカー塗装等、経年による凄みを人為的に生み出した仕様を指します。反面、興味のない人から見れば新品なのに傷だらけの錆びだらけ、ピカピカの新品を求める方からすればまさにゴミの様な世界ですのでまったく魅力を感じないことでしょう。事実、嫁や娘からも『何で傷つけてんの?』と質問を投げかけられたり。これは所有するGibson 1959のレプリカモデル。2014年式ですが、ご覧の様に圧巻のエイジングが施されていて貫禄が凄いです。いわば故意につけられた傷やクラック、退色具合といった演出された経年変化ですが本物は時価数千万とも言われる伝説的な1959年式レスポールを今もレプリカとして生み出し、ギブソン社が最高の材と技術を使って再現された非常に人気が高いモデルとして君臨しています。『わざと傷つけて何が良いのか』となるかもですが、リアルエイジングではないからこその塗料の退色具合やクラック、剥がれた部分の処理や墨の入れ等、新しい傷ではなく古い傷(傷付いてからの経年を演出)する為の職人が切磋琢磨した技術面に対して『こんなリアルに仕上げる技術が凄いな』と感銘を受けるわけです。勿論、本物はナチュラルエイジングですのでわざわざ時間をかけてボロくするなんてことはしていません。 そういう面では逆に手間暇かけて汚しているのです(笑)私の場合、基本的には『綺麗に維持したい』という考えがあります。これだけボロボロに処理されていても自分では傷を付けたくないという謎の衝動。基本的にはエイジング仕様であっても手に入れた状態を綺麗に維持し、使用に伴ってついてしまった傷は成り立ちますが、取扱いミスによるダメージ傷はNG。我ながら変な性格です。反面、矛盾しますが、このように自分で打痕を付けたり着色したりしたギターもあります。特にゴールドトップに関しては前オーナーによって専門業者に出され大胆な加工が施されていて、ボディのアーチ形状ごと削り直されていたり、当時と同じブラスパウダー塗装、さらにクラッキングと青緑、インレイ交換、当時モノのピックアップやコンデンサ、配線など、ヴィンテージを追求した仕様です。ここまでやっているならと私の元に来てから日々リアリティを追求したダメージ加工を施され貫禄を増しております。これは私の好きなLOUDNESSの高崎 晃氏の愛器、まさにジャパメタの代名詞的なランダムスターの限定モデルで『ESP/RANDOM STAR“THE RED LEGACY”』というモデル。こちらは本人同様の場所に傷を付けられたボロボロ仕様なわけですが、とりわけ格好良い。そして一般的なランダムスターとも違う、まさに80年代当時のサウンドに酷似したサウンドが出せます。過去最大級にエイジングを行ってみたのが上記。ギターが増え過ぎた為、もう手放してしまいましたが延べ1年近くかけて日々エイジングを行い、使い込まれたかの様な貫禄を出しました(元はマットブラックのピカピカの新古品です)今思えば良いギターだったなと少し後悔したり(笑)正直、このエイジング処理に対して音への影響は差ほど無いと思われます。ですが、基本的にエイジング仕様として販売される個体に用いられる塗料や選定される木材自体がヴィンテージサウンドを意識した硬さ・鳴り・重量から選ばれる傾向があり、出音は古き良き時代を彷彿とさせるサウンドを奏でる傾向にあると思います。
January 2, 2023
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ハカランダ/ジャカランダ/ブラジリアンローズウッド、呼び名は様々ありますが全て同じものを指しますね。ローズウッドの種類で最高級とされるのがコレ。 密度が高く非常に硬質で粘りがありトーンウッドとして使用したときに最高の音を奏でるとか、そうではないとか。ワシントン条約で輸出入規制がかかり非常に貴重となっていることからギタリストの中では夢の材、もしくは業界的に『ハカランダは凄いぞ~』と刷り込まれて洗脳されております。『じゃ~実際にどうなのよ』っていうことで主観ですが参考程度に語ってみます。まず、ギターは構造上、弦を弾いて真っ先に振動が伝わる部分こそが指板。その後にネックが振動を拾い増幅しながらボディへと振動が流れ、様々な振動が組み合わさって最終的な音が決まります。まぁ厳密に一番伝達が速いのはナットやブリッジが先だとも言えてしまいますが、所詮は素人の私の考え方なので好き勝手語りますので細かいことはおいておきましょう(笑)要は材料によって振動具合が違うので拾う音やサスティーン、倍音といった出音に明確な差が出るというわけです。 これを材料ごとに分類していくと、メイプルは高音域があり硬い/マホガニーは中低域が豊かで柔らかいなど、その材による出音の傾向をカテゴライズが出来ると言えます。その音の傾向や特性を加味して組み上げているのが楽器というわけです。話は戻りましてローズウッドで最上位とされているのがハカランダ。※写真は私の愛器、Bizenのカスタムオーダー品です。ハカランダの特性としては指板に使えば『初弾』とでも言いましょうか・・・ピッキング時のアタックした音が鮮明でボヤけない傾向にあります。ハカランダは迫力がありながらも高音域が丸く耳障りではない。太くレスポンスが速いなどの特性があります。中には『見栄だけ』なんて言われますが、そんなことは無いと思います。とは言え、一般的なローズウッドやハカランダにもトーンウッドとしてのグレードはありますので、『ハカランダ』というだけで必ずしも良い音が出るとは限りません。 そして結局のところ好みの話なので『高級料理は万人が美味しく感じるのか?』と同じように『ハカランダだから万人が最高』と断言できる話でもありません。ですが、ハカランダだからこその音の傾向があるのは間違いなく、その特性を知り、上手に使っている楽器は『ハカランダでしか出ない響き』を生み出します。ハカランダ材は非常に希少になってきています。とりわけ地球温暖化や環境の変化で仮にハカランダの樹木があっても今までと同じ育ち方をするのかも謎。輸入できるハカランダ材も底をつくのは時間の問題ではないかと思います。ということで、肝心なハカランダの音ですが、体感したイメージとしては、メイプルなみに音の反応は速いですね。ドライブサウンドでのハカランダはアタック強めでジャキーン! といきます。 このワイドレンジでのジャキーン感はハカランダでしか体感出来ない音でした。ロングサスティーンの先の減衰と同時に倍音成分たっぷりの残響音が残ります。これが儚く美しい。迫力がありながらも上品というのが素晴らしい。体感して『最高!』となれば枯渇する前に買いでしょう。ギタリストたるもの人生に1本はハカランダが組み込まれたギターは所有したいもんです。そんな私が恐らく最初で最後の贅沢ハカランダ仕様がコチラ。・・・ネックまでハカランダなんです。見栄。プラシーボ。どうとでも言ってくれ。想像ではなく弾いてからモノを言ってくれ。マジで最高の出音です。
March 25, 2023
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実はと突如としてベースを弾きたくなりベースを購入してしまいました。ギターを弾く時間も無い中、我ながら欲望だけは尽きることのない困った性格です(笑)YOUTUBEを色々見ていてスラップって格好良い!と思った次第なんです。10年位前にG&LのL2000というベースを所有していたのですが俺には弾けない! という理由と、弾き方が異なる楽器を同時にこなすのは中途半端になるので避けてきました。ですが今、新しい感性やリズム感を養うにはベースも良いかもしれないな。となりました。そして何より、珍しいベースがメチャメチャ安く、尚且つ素晴らしい杢目の個体であったことが理由。一般的にはプレーントップしか設定が無いのですがカスタムショップ製で使われるような極上トップ。こりゃ・・・凄ェ!夕日が照らす『うろこ雲』の様に品格があり美しくグラデーションに変化する。この細かさ、絶妙に整いながらも不揃いなのがたまらない!指板は一般的にローズウッドですがコチラは黒々としたエボニー。これも今では手に入らない仕様です。そもそもレスポールタイプのベースすら需要が無く数がそう多くはなく珍しい中で、これだけの杢目と良材のコンバージョン仕様はそう多くは出会わないでしょう!出音も締まった音から丸い音まで出て素敵です。しかも、このベース・・・下位グレードLPB-2と勘違いされて販売されていて激安でした。何なら初心者用ベースと同じ価格位に安い・・・ともなれば衝動的にもなります。バインディングが入りエボニー指板であることから1992~93年のLPB-3に間違いありません。エレキベースはギターとはまったく弾き方が違うので恐ろしく難しく感じます。ギターと同じくピック弾きならそれっぽくは弾けますが、多分こんなんじゃないはずなんですよね。手に入れたのは良いけど、時間の無い中、並行練習だと成長スピードはかなり遅いでしょうね(汗)定年退職するまでにはある程度極めてやるぜ!気長に行きます。
November 1, 2021
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フリーページ更新しましたのでコチラにも掲載。ピックアップに『ジミーウォレスPAF』『ウィズ PAF』コンデンサーに『グレイタイガー』『LUXE バンブルビー』を追加更新しました。★ピックアップについて個人的見解楽器は材料が如何に良くても加工精度や塗装、構造、装着される構成や構造によって伝達方式が変わり音色が変化する。そんな中で大きく音色を変更することが出来る『魔法のアイテム』の1つがピックアップではないかなと考えています。ここでは個人的主観に過ぎませんがレビューを記載していきます。SEYMOUR DUNCAN / SH-4 JB Bridge ■ マグネット:Alnico V Bar ■ D.C.RESISTANCE:16.40k ■ RESONANT PEAK:5.50kHz ■ ケーブル:Four Conductor ■ OUTPUT:Moderate/High言わずとしれた定番中のド定番、特にドライブのサウンドは何とも言えない粒の大きさ絶妙なじゃりじゃり感と抜けで気持ちが良い。バイト感もありピッキングニュアンスにも忠実。 倍音成分のバランスも良くボディ材問わず選択肢に入るアップグレードのスタンダード。相性の良さに幅広さがあり、どんなギターでも上手く誤魔化してしまう印象な素直な音質であると感じました。個人的にクリーンが硬すぎるのでアルペジオ等は苦手でトーンやボリュームの調整が必要かなと思います。レスポールに搭載すればマホガニーの太さと抜けの良さが両立出来てロックな音になります。SEYMOUR DUNCAN / TB-14 Custom 5 Trembucker Bridge■ マグネット:ALNICO5 ■ D.C.RESISTANCE:14.40k ■ RESONANT PEAK:5.40k ■ ケーブル:Four Conductor ■ OUTPUT:High高崎 晃氏が長年愛用し、シグネチャーモデルであるPRIMEに標準装備されていたピックアップ。(現行は変更)レンジが広くゲインを上げても潰れることなく輪郭を保ったままパキーンと抜けるブラウンサウンドを生み出します。アルニコVマグネットからなる速いレスポンス、倍音がエグいくらいにキュィーンと出ますのでギラついたハイゲインが好きな方はベストマッチ。歪ませれば抜けたまま太くなり、ブラウンサウンドでザクザクとカマすのも得意としています。(かなりキレが良いので気持ち良い)アルダー、アッシュに載せれば抜けまくる官能的な音、レスポール等ではクリーミーさはやや薄れますが抜けは確実に増します。ギター本体が太すぎる音を出す場合はコレで解決レベルかと。クランチやクリーンも透き通っていてクリスタルサウンドですが王道ロックを弾くには倍音が出過ぎていて現代的すぎる気がします。ローゲインでハイがかなり出る特性で誤魔化しの効かないピックアップ。SEYMOUR DUNCAN / SH-2n Jazz Neck ■ マグネット: アルニコ5 ■ DC Resistance: 7.5k ■ Cable: 4C Shieldedこれまたレスポンスが速いピックアップでミドルとハイが良く出て良い意味で輪郭がボヤけません。数多くあるフロントピックアップでここまで抜ける音を出すのは個人的にこのSH-2nがNO.1です。ただし歌う様なウーマントーンを求める方に関してはどれだけトーンを絞っても輪郭が出てしまいますので不向きかと。ピッキングニュアンスに非常に忠実で反応が速く、速弾き等でも潰れることなく1音1音がハッキリクッキリ分離して聞こえます。歯切れが良いのでミスタッチもそのまま出力されるので誤魔化しは一切利きません。主にアッシュやアルダー材に合っている気がします。出力は高くありませんが出力以上の立体感とロングサスティーンで独自の存在感を兼ね備えています。結構好きなピックアップ。SEYMOUR DUNCAN / THUNDER IN THE EAST(Neck / Bridge)■マグネット:ALNICO5■D.C.Resistance Neck: 7.5k, Bridge: 9.5k■Cable: 4C Shielded現在の高崎 晃氏 本人のメインギターにほぼ搭載されているカスタムショップ製 シグネチャーピックアップ。主にバラ売りはされず、100セット限定販売 即日完売したものです。現在では新型PRIME等に標準搭載されています。基本的にこの製品開発以前に高崎氏が愛用していたTB-14とSH-2nこれにESP製のLH-200の音圧をハイブリッドさせた様な音です。TB-14でのギラついた倍音と分離感、レスポンスの速さを主体にワウ半止めフィルターと揺らぎをうっすらかけたかの様な感じ。歪みのタイプ的にはアルニコ2と5 双方の良さを感じ、SH-11にも似ていますがレスポンスはTB-14に近く開放的で高解像度。出力は低めですがが、サスティーンも良好で音も太いのでゲインを上げなくても通用するので恐らくレスポール系にもマッチしそう。所有ギターでは THE RED LEGACY(標準)と KILLER PRIME 2014(後に搭載)しております。SEYMOUR DUNCAN / ANTIQUITY HUMBUCKER Neck ■ ネック用 ■ マグネット:ALNICO2 ■ DC Ohms:7.8K ■ inductance:4.22 henries『枯れている』『ヴィンテージ』という言葉が良く似合う印象。全体的に音が太く、上手く表現できませんが色気があって良い意味で整っておらず音の揺らぎがあるというか不安定さがあります。普通に弾くだけで出汁が濃厚で味のある『こだわった音』的な感じに変わり、ニュアンスも出し易くワンランク上の音だと思います。出力は高くないのであまりゲインを上げると若干ノイズが入ります。感情移入して泣きのソロを弾いたりするのにはうってつけ。ただし速弾きだと若干の反応遅れを感じました。ただそれも個性で旨味になるような感じでしょうか。SEYMOUR DUNCAN / TB-6 Duncan Distortion Trembucker Bridge ■ マグネット:セラミック ■ D.C.RESISTANCE:16.60k ■ RESONANT PEAK:5.50kHz ■ ケーブル:Four Conductor ■ OUTPUT:Highまさに現代 METAL SOUND。歪の細かさはトップクラスでクリアかつエッジの効いた歪みサウンドを特徴とします。最も高出力なセラミックマグネットを使用しているので名前の通り攻撃的なドライブサウンドがうり。ジャリっとした、やや金属的な歪みサウンドをこよなく愛するメタルマニアにはうってつけではないでしょうか。 高速フレーズにも素早く反応し、素晴らしいサスティーン、透き通るハイゲインといった印象で抜けの良さもピカイチ。何だかんだでクリーンサウンドも綺麗です。特にアルダーやアッシュ系ボディでは鳴ってくれると思います。所有するギターではランディV(イエローポプラボディ)のリアに装着し最高のサウンドを奏でます。SEYMOUR DUNCAN / SH-8n Invader Neck ■ Magnet:Ceramic Bar ■ D.C. Resistance:7.5k ■ Cable:4-Con. Shielded今まで装着した中で最も極悪非道な太さの音を生み出したピックアップで とにかく音が太い。基本的にはハイゲインで使うのが前提でクリーンで弾いても出力が高すぎて歪んでしまう印象。倍音成分もあるのですが、独自のコンプ感と相まってどうやってもメタルのソロで使う他無いかと。ゴリゴリでブリブリだけど分離が良い音が好きな方は好きかと思います。まさに男のピックアップ!SEYMOUR DUNCAN / SH-11 Custom Custom Bridge ■ マグネット:ALNICO2 ■ D.C.RESISTANCE:14.40k ■ RESONANT PEAK:5.20k ■ ケーブル:Four Conductor ■ OUTPUT:Highアルニコ2マグネットを使いながらも出力が高い珍しい仕様。APH-1等のヴィンテージ路線の出音の出力を高めて調整された印象。枯れた音を主体としつつ、不足しているミドルとハイをプラスして音像バランスを上手にイコライジングした気持ち良さがあります。どの音域でも絶妙な抜けと音圧が気持ち良く、分離感も良好。 ヴィンテージ路線ははまろやかでレスポンスがやや遅いイメージですが、甘さの中にもシングルコイル並みのエッジとキレ、倍音が同時に発生していて、喜怒哀楽の表現が出し易い表情豊かなセットアップ。人で言うなら声が個性的で泣かせるボーカリストといった感じでしょうか。クリーンも味があって万能。個人的にはかなり好印象です。特にレスポールやマホガニー材に合うと感じます。メイプルネックだとより音の輪郭が増しそう。コイルタップ時も実用的な音です。SEYMOUR DUNCAN / APH-2n Slash Neck ■ マグネット:Alnico II Bar ■ D.C.RESISTANCE:7.92k ■ RESONANT PEAK:6.40kHz ■ ケーブル:1Conductor ■ OUTPUT:MODERATEレスポールの鬼、SLASH氏のシグネチャーモデル。それなりのギターであればSLASHの音が出せる可能性が大。非常にウォームで粘りがあり個性的、ですが反応は素直な出音で絡みつくような ねっとりとした甘さ。ハイポジションでは独自の倍音とウネリが混ざり、トーンを絞れば誰もが目指した王道スウィートサウンドが生み出されます。APH-1をハイパワーにして立体的に扱い易くした印象です。クリーンも甘く美しく レスポールにベストマッチなピックアップ。ソロ等の単音弾きでは背景のバッキングにすっと溶け込んで主張する独自のサウンドなので癖になると抜け出せない魅力があります。ローとミドルを極端に絞ったセッティングをアンプ側で行えば、かなりキレのあるサウンドも出せます。レスポンスは遅く不安定さがあるのですが、それが良い意味で味のある出音となり狙った醍醐味のような気もします。SEYMOUR DUNCAN / APH-2b Slash Bridge ■ マグネット:Alnico II Bar ■ D.C.RESISTANCE:8.53k ■ RESONANT PEAK:6.00kHz ■ ケーブル:1Conductor ■ OUTPUT:MODERATE同じくSLASHシグネチャーのブリッジ側。 クリーンでは角が取れた円やかな音色でニュアンスは出ますが強いピッキングでも耳が痛くなりません。ゲインを上げていけばローポジションでは粒が大きく、ハイポジションでは粒が細かく変化しバイト感も強まります。ざっくり言えば80年代のマーシャルをフルアップしたようなワイルドな荒々しいドライブサウンドを生みます。 搭載するギター本体の良さによって変化するので同じギターであっても『こいつは本当に同じピックアップの音なのか?』といったレベルで大きく変わります。ロー&ミドルが強く音圧があるので当初は抜けが悪い印象でしたがロー&ミドルをアンプ側で極端に絞ると高域のギラつきとバイト感が解放されます。チューブアンプとの相性は最強クラスでコンプ感が最高。 恐らくSLASH氏同様に そういうセッティング主体で使うのが前提設計ではないかと予測。多くのレビューでは潰れるとかモコモコし過ぎる等ともありますが、確かに調整しないとレンジが狭く感じますので意外と玄人向けかと。扱いこなせれば荒々しさと繊細さを兼ね備えた素晴らしいピックアップです。個人的にもレスポールにはコイツをメインとしています。GIBSON / Custom Bucker ■ マグネット:アルニコ3カスタムショップ製のギブソンにのみ採用され販売することが許されていないヴィンテージPAFを模したピックアップ。様々な意見はありますが、磁力の弱いアルニコ3マグネットによるタイトな低音域と広がりがある中高音域が特徴。細部に至るまでPAFを再現をしているので現代的で作られた音ではなく『素直なマイク』という意味でアナログさを感じます。ピックアップの個性というよりは、搭載する本体の特徴をそのまま色付けせず、あくまでストレートに放出する。ごくごく繊細な情報まで拾い伝えてくれる故にワイドレンジでピッキングニュアンスの強弱にも素早く反応します。『パキッ』『コキュッ』『ギュリッ』『コツン』等、『あのニュアンス』がモロにアンプから出力されるので空気感が凄い。特筆すべきは表現力で、弱く弾けば弱く、強く弾けば強く反映される強弱への追従。特にクリーンサウンドではアコースティックギターなみに哀愁漂う音を奏でます。ただし反応が素直故に、確実に誤魔化しの効かないので腕の見せどころ。 元々太い音を出すハイエンドな個体に装着すればピックアップで不足する低音域は本体側で補い高音域の響きや繊細なタッチニュアンスは高解像度なカスタムバッカ―が拾い補ってくれるので無敵使用です。個人的にはN-LP680に装着しています(APH-2から交換)GIBSON / Burstbucker Pro Bridge ■ Position:Bridge ■ Magnet:Alnico V ■ Wiring:2-Conductor ■ Output:8.3ギブソンの最近のモデルにスタンダードで搭載されているモデル。アルニコVのエッジと倍音豊かな出音でクリーン~ハイゲインまで非常に綺麗で整った音で鳴ってくれます。特別な個性は感じられませんので癖による大幅な変化はありませんが、良いギターに載せれば良い音に、変なのは変なままになります。個人的にはコイルタップ等を行ったときもかなり使えるものなので結構好きな部類に入ります。ダンカンのJBの様な万能性があります。現代におけるギブソンサウンドの定番と言っても良いかもしれません。GIBSON / 498T Hot Alnico Bridge ■ マグネット:アルニコ5 ■ ケーブル:4-ConductorGIBSON PUの中でもハイパワーな部類でHOTの名が示す通り熱いサウンド。めちゃめちゃキメ細かいジャリジャリザクザクな歪みサウンドは何となくダンカンのディストーションを彷彿とさせます。モダンでヌケ・キレも良く過激に歪みますが、特段 重低音が出るわけでもなく、音の太さはそこまで感じないのでフラットな印象です。ピッキングに対してギャリっとした喰い付きを見せます。ボディ材に応じて使い分けると良い印象。なかなか良いけど個人的には個性が無さすぎるかな。GIBSON / 490R Modern Classic Neck ■ マグネット:アルニコ2 ■ ケーブル:4-Conductorリア498Tに対してフロント490Rを装着していた時代があって相性が非常に良かった印象があります。歪み方はキメ細かく490、498共に同じタイプの歪み方なので相性が良いのではないかと思われます。498T同様、整った歪み方と倍音ですが、個性としてはあまり無く、ピックアップで作られた出音に感じました。個人的に一時期『コレは良い!』となったのですが、何に載せても同じ音でボディ材の特性が発揮出来ず外しました。K&T NFS Tetradハンドメイドピックアップの重鎮、高野順が生み出す本物を超えたヴィンテージサウンド。素材からコイルの巻き方・テンションまでを全てを手作業で行い、機械巻きの量産型ピックアップとは比較にならない本格的なヴィンテージサウンドを生み出すとされています。事実、本物のPAFとしても経年によっての差があり個体差でアタリ・ハズレがあるのが実態。単に同じ素材・製造工程を売りにするというわけではなく、最高のPAFとされる音を巻き方や磁力を変えて作るというのがK&Tの考え方。あくまで素材や工程ではなく『音』にのみ執着して生み出しています。実際にはどれも超高性能なピックアップで音を凄まじく拾います。例えば本体に息を吹きかければ、その域で揺れた弦や風圧でさえ拾ってしまう超高感度。それなのにノイズレスで拾って欲しい部分だけ出力してくれるという圧倒的な性能を誇るものになります。リアでは素早いレスポンスと驚異的な情報量。情報量だけ見ればカスタムバッカ―や他ピックアップでも到底敵いません。クリーントーンではまさに生音・・・アコースティックギターなみにリアルなクリーン。フロントは豊潤で生々しいヴァイオリンの様なトーンが単能でき、弾いてて『良い音だなぁ』と感動もの。ミドルからハイにかけて突き抜けるようなワイドレンジながら耳が痛くならず独特の荒さがありながらもコード感が抜群なピックアップです。価格が高いものだと150,000円超え、値段だけ見れば馬鹿げた価格に見えがちなのですが、生み出す為にかける時間=工数=工賃、そして使用素材と実際の音を体感すれば価値はあります。ですが、単体で100,000円超えは簡単には手は出せないでしょう(笑)K&T NFS WEEP BB/ZB同じく重鎮、高野 順氏が完全手巻きで生み出し、世界を驚愕させたピックアップがWEEP。何でもこのWEEPこそ『名機』『重鎮』と知らしめた存在のようでして、名だたるプロギタリストが本物のPAFと比較しても見分けがつかない程のクオリティだったとかいう信じがたい伝説を持ちます。基本的にK&T全般に言えるのが極めて繊細なサウンドまで全て拾うということが言えます。とにかく高性能で空気感が凄い。生音を増幅したリアルすぎる音は弾き手のニュアンスを変に装飾せずストレートに出力します。また、ハイゲインでもボリュームを絞っていくとクリーンまで落ちますがサスティンは長く全てが使える音。胡散臭い印象もある超高級ピックアップですが他と比べても頭一つ飛び抜けている素晴らしいピックアップです。Jimmy Wallace PAF Covered知る人ぞ知るジミーウォレスが生み出したPAF。太くヌケて分離感も良好。解像度も高くセンシティブな反応をみせてくれる優秀なピックアップです。PAFレプリカというよりは『俺の考える最高のPAFサウンドはコレだ!』という音でPAFではないかもです。とは言え本体の音を抜かりなく拾い、ピッキングに対して様々な変化を生み出すことが出来るトーンはPAF系の音を持ちながらも美味しく進化していて素敵な音を奏でてくれます。レンジも広いです。WIZZ PICKUPS Premium PAF Clone■ Magnet:Alnico Ⅳ■ Neck : 7.70~7.90k Ohm■ Bridge : 8.10~8.30k Ohm『ジミーウォレス』『K&T』『ウィズピックアップ』はPAFレプリカの中でもプロ御用達のハイエンドピックアップ。その中でもコチラは木の鳴りを素直に出力してくれること、奥行き感(エアー感)がある素敵なピックアップです。極々微細なタッチにも反応してくれるので、吐息の様な繊細な音色から豪快なサウンドまで自由自在です。エイジング加工がされていますが、その精度やリアルさに関しては微妙。ただ音に関しては抜群です。SEYMOUR DUNCAN / SSL-7 Quarter-Pound Starggered ■ マグネット:Alnico V Rods ■ D.C.RESISTANCE:14.80k ■ RESONANT PEAK:4.80k ■ ケーブル:Single Conductor Pvc ■ OUTPUT:Highシングルコイルながらハイパワーなピックアップで、シングルコイル特有のアタックの強さやレスポンス、倍音はそのままにらしからぬ音の太さを兼ね備えています。 単純に太い音というわけではなく、ストラトに載せれば良さを犠牲にすることなく音を太く艶やかにしてくれるので ~ HEAVY METAL の分野まで幅広く対応。ドライブサウンドも特筆すべきものがあり、ハイパワーなシングルコイルの中では個人的に一番評価が高いモデルです。ボリュームへの追従性も良く、絞ればキラキラとしたストラトトーンも出せるので万能型の様に感じます。アッシュやアルダーといった抜ける音を出し易いボディ材に相性が良いと思います。特大のポールピースが見た目にもワイルドで格好良い!FENDER / Custom Shop Texas Special ■ アルニコ5マグネット ■ DC Resistance: 6.2K(Front)、6.5K(Middle)、6.7K(Bridge)■ センター リバースワイヤリング 擬音で言えば『シャリーン』『パコーン』『ギャリ―ン』といった感じの上品な暴れ馬。解像度も高めだと思います。良くも悪くもストラトの音のままパンチを利かせたような印象で力強くガラス質な倍音とハリがある出音ですので好きな方は好きです。キラキラとした高音域にゴツンと前に出てくる音はまさにフェンダーならではでしょう。重低音は出ないのでメタルには向きません。ハムバッキングで言えばTB-14も比較的こういったレスポンスの早さがありますがシングルコイル程ではありません。楽器本体の音をクリーンかつ高解像度、ガッツにしてくれるような印象です。■ 個人的なマグネット選択の見解★アルニコ2マグネット枯れていて ねっとり、まろやか、甘い。そんな言葉が似合います。ピッキング後に70%~100%と立ち上がっていくイメージで、これが特有の個性になるかなと。ミドルの押し出しが強く、高域の線がやや細いのでバッキバキのキュイーンサウンドは出し難い。クリーンサウンドでは特性が相まって絶妙なズレと揺らぎにより耳障りではない美しいサウンドを作りやすい。クランチ~ハイゲインでは粒が大きめでワイルドな印象。単音弾きだと音のキレは特性上良くないですが味わいある出音。ガツガツと主張するよりかはバッキングにスッと入り込んで違和感なく溶けこんで主張するような印象で良く言えば上手く聞こえる。美しいクリーン、ワイルドなバッキング、歌う様なソロを得意とし、チューブアンプとワウペダルの相性は最強。★アルニコ 3 マグネット最も低出力な磁石なので弦振動に影響を与えず、原音に忠実な出音が特徴です。磁力が弱いことから音の線は細く、重低音系には向きませんが広いレンジ感があります。クリーン~クランチでは最高のトーンを生み出すのに効果を発揮してくれそうです。★アルニコ 4 マグネットアルニコ2とアルニコ5の中立的な存在でバランスが良いピックアップです。適度な出力と情報量の高さ、柔らかさも兼ね備え、癖が無いので楽器本体の特性を色づけすることなく発揮します。アルニコ2よりも輪郭が整っていて低音域もボケない。アタックのキレはアルニコ5に軍配が上がります。★アルニコ5マグネット情報量が増え、解像度が増し、ピッキングに対して素早く立ち上がり100%の出音が直ちに立ち上がるイメージ。これが高解像度と感じる由縁ではないかと感じます。故に速いパッセージでも1つ1つ音に分離感がありレスポンスが良く粒立ちも良好。あくまでアルニコの中で高出力なだけなので良い意味で整いすぎておらず、ニュアンスの出し易さ、温かみやウォーム感といった旨味が残っている。他アルニコと比べレンジが広く全域での音像が一気に出力される為、キレ・ヌケが良い。本体の特性を拾いやすく全体的に繊細で抜けが良い印象。またハーモニクスも出し易いのでハイゲインに強い。しいて言えばHi-Fiで整い過ぎる為、モダンなサウンドは表現し難い。■トーンコンデンサ(キャパシター)の個人的見解 コントロールの操作によってコンデンサを抵抗として通し周波数を変え音色を変化させる。 小さなパーツですが変化はかなりあるので面白い部品でもあります。Ovaltone 鵺 NUE DEVICE トーンを絞った際に鵺の持つ成分がブレンドして音色を変化させる印象です。一般的なものとは違い、様々なものを複合して出来ている鵺デバイスはコンデンサーという概念ではなくサーキットデバイス・エフェクター的な位置づけで音色を変化させているようです。このシリーズの中でNEROを愛器に装着していますが、まず装着した時点で音色に変化を感じます。基本的に出力が上がったというか、パワーが増した・クリーンブースターを繋いだ様なパワーを感じることができました。そして肝心のトーン変化ですが、どこかの時点で急に変化するというわけでもなく無段階に変化していくので塩加減を絶妙に調整出来ます。素晴らしいのはピッキングニュアンスが完全に絞り切った状態でも感じることが出来ることです。非常に扱い易いもので、アタック度合いをコントロールしやすく求めるサウンドを表現出来るので実用的です。320design Green Manalishi Silver 0.022μF 個人的にはベスト。かなり気に入っております。かなりHiーFiなオイルコンデンサで音に空気感と言うか煌びやかさがプラスされます。出音が鮮明になるというか、ピックアップの性能が上がったかのような変化を体感することが出来ます。絞るにつれて成分が混じってきますが、変化もスムーズでどの音も素晴らしく欲しい部分をしっかりと残した塩加減。ブレンドされる成分の解像度が高く、現代的なサウンドからヴィンテージサウンドまで幅広くリッチなサウンドです。完全に自己満足ですが緑色のボディが怪しげで見た目も格好良くオススメです。Gibson PCAP-059 Bumble Bee Capacitor Set 0.022μFGibsonのヒストリックコレクションに標準装備されているバンブルビーレプリカです。言うなれば可でも不可でも無く、良い意味で癖が無く『普通』といった印象です。悪くは無いです。トーンを絞った際の効きが良くアタック・ニュアンスは残りますが やや高音域が削られ過ぎる印象があるので高域にギラつきのあるカスタムバッカーとしては相性が良く、幅広いコントロールが可能です。元々 太い音を出す個体やP.Uを搭載しているのであれば高域を根こそぎ持っていかれるのであまりオススメは出来ません。恐らく、モコモコになり過ぎて使い物にならないかと。このモコモコ具合も悪くは無いんですけ相性は選びます。Gibsonは多分、鳴りの良いヒスコレ&カスタムバッカーという個体に合わせて装着しているのだと思います。抜けの良いモデルでハーモニクス出まくる様な個体には相性が良さそうです。Luxe 1956-1960 Single Oil-Filled .022mF Bumblebee Capacitor製法から素材まで当時と同じ工程で精密に生み出されている現代最高峰のレプリカ。2019年式以降のギブソン(カスタムショップ)では純正採用され、本家から認められた存在です。本当のヴィンテージ品は抵抗値が経年変化でズレている可能性が高いので新品を試してみました。結論、本物と遜色が無いレベルの仕上がりです。むしろ本物よりも綺麗に効くので扱い易い印象です。とは言え、ヴィンテージにある いなたさ・うねりは薄いかもです。Sprague Bumble Bee 400v 0.022uF絞っても本当に音がぼやけないというか、元の成分はそのままに変化させたい部分だけを削いでくれる。つまり全可変域で使える音だと感じます。 レプリカではもっとボワッとした広がりがありましたがタイトでヌケが良い印象。何かキンキンするなぁ~なんて時に少しだけ絞ってあげればクリアなまま耳障りな部分だけ消えます。確かにレスポールに相性が良く、オリジナルが最高だと言う方が多いのも頷けます。これが他のコンデンサだと絶妙な部分でサスティンや余韻に影響が出たりとしますからね。オールドを追求した個体であることから『70年前の部品が俺のギターには入っている! 本物の音!』 的な個人的な自己満足とプラシーボも大いにあるかもしれません。率直な感想としては素晴らしい。SPRAGUE ORANGE DROP 715P 223J 600V GibsonのP-90を搭載したレスポールに標準装備されておりました。効果は効きが良く『こんもりアタッ~ク!』といった感じです。比較的、好きな方も多いみたいなのです。アタックはありますがこんもりしています。必要ない調整域まで出てくるので、もっとまろやかな効き具合が個人的には好み。価格が安いので良く分からないコンデンサならこれで十分。ハイエンドにはもう少しグレードを上げた方が良い印象。Jupiter Condenser Retro Red Capacitor 0.02uF/600VDC 中々良いです。高解像度なピックアップに対しては良い塩加減で効いてくれます。トーンの変化はありますがヌケが良い。そして分離感とアタックは損なわれない。絞りきっても旨味は残るので全域が実用的です。この辺りは320design Green Manalishiに近いものがあります。フル10でも音に煌びやかさが加わります。Cornell Vintage Tiger .02 MFD 400VDC NOS50年代のギブソンに標準装着されていたワックスインコンデンサー。抜群のヌケと独特なうねり、豊かな倍音とバイト感が個人的にはバンブルビーよりも好きです。絞っていくとミドルがグッと存在感を出してきて味わいのある、枯れた音色になってくれます。この特性はTigerでしか出せないものなのかもしれません。レスポールには最高クラスではないかと。Cornell Vintage GreyTiger .02 MFD 400VDC NOS同じく50年代のギブソンに標準装備されていたワックスインコンデンサー。Tiger同様のヌケの良さや倍音、バイト感があり、フル10でも音がヴィンテージテイストに生まれ変わります。その原因としては音に対してのうねりがプラスされるというところが大きく影響していると思います。絞ってもヌケは変わらずベストなバランスを維持したまま高音域だけが削られてミッドが美しく出てきます。めちゃめちゃ高額なコンデンサーですが、かなりの効果が得られる事実上 最高峰のコンデンサーだと思います。
August 26, 2023
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■ Jackson/RANDY RHOADS ANNIVERSARYクローゼットでお蔵入りしてるレアキャラ・・・それがJackson社のRANDY RHOADS ANNIVERSARY(・3・)現在、所有するギターの中で最も貴重なモデル。プレミアがついているので手放すことは無いでしょう(笑)92年製のRANDY RHOADS没後10周年記念モデルです。120本生産され市場に出たのが60本程度と言われていますが・・・NO:120という幻の最終番!奇抜な独自のシェイプ構造でボディのアール等が後の同シェイプのレプリカ版とも違います。PUはFront/Duncan Jazz 、Rear/Duncan Distortionを標準装備。ブリッジはシンプルなシンクロナイズド式。ボディ材は貴重なイエローポプラを採用。ポプラ素材をボディに使用するのはJacksonくらいで、材だけ言えばギターには不向き。ですが、このJacksonはネック、指板、ブリッジやボディ形状に至るまで全て組み合わせるバランスを計算してトータルで生み出す音色が重要だと考えるブランドで、事実、素直でとんでもなく素晴らしい音色を奏でます。製造年式が古いのでノイズ対策的なところは新しいギターには劣りますがボディ材の水分は完全に飛んだのか弦を弾けばアンプ無しで弾けるくらい鳴りまくりです。 Quarter Swan Mapleのスルーネックに密度の濃いEbony指板。PUと相性抜群で倍音の綺麗なハーモニクスが魅力的。ピッキングに対して強弱が出やすく透き通った音色なのでクリーントーンも良音です。ヘッドは左側のシングル・サイド・ヘッドで、92年式では採用できた初期 国産デカロゴ時代の産物。現在、同じ仕様のUSA産は100万円以上と超高額なので非常にお買い得感がある1本。本家の仕様に歴代最も近いモデルとして高い評価を受けています。このギターの難点を言えばボディ形状とジャックの位置から座って弾きにくいこと(苦笑)何度か手放そうか考えましたが音色の良さ故に手放せない1本でもあります。
September 25, 2015
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色々やったこのレスポール。指板がローズウッド材なのですが、ボディTOPの仕上げに留まらず仕上げが最悪なわけです。まるで建築現場かホームセンターで売っている材木並にザラザラしていてオイルを塗ってもすぐ乾く。しまいには表面が削り過ぎで波打っていて端っこ欠けてるとか。やるなぁUSA!! ワイルドすぎだぜ!!と、そこで日本人気質に火が付いてしまい400番から2000番までで1フレットを1時間程度磨いてみた。高級ブランド ギブソンであっても、この状態であれば試す価値はあるかなと・・・何という事でしょう。ローズウッドが輝きを放ちはじめた。しかも杢目が荒々しくてエレガント!ツルツルになった指板は肌触りも良い。実際の演奏時にもここまで差が出れば大きく影響するでしょう。ということで・・・満足するまで削る!!バイクの金属パーツをポリッシュする要領で焦らず時間をかけて全ての指板を有意義に削る!吐き出される削りカス・・・部屋が汚れようが掃除機で吸えば良いだけのこと。優先順序は今、部屋の美化ではなく研磨だ。鰹節(かつおぶし)の様なカスが部屋に舞う・・・掃除機は・・・愛する妻よ頼んだぞ!!!そして数時間が経過・・・見てください。この美しさを。。。所有していた本人にしか分からないかもしれませんが、明らかに作業前と比べて違いますよ輝きが!!光沢を放つことが無かった材木が、ようやく本来の素材の美しさ(杢目)を主張しております。ついでにフレットもポリッシュしてピッカピカに仕上げてやりました。チョコレートみたいでめっちゃ格好良いじゃねェか!!!明らかに演奏時の運指も楽になりましたし、何より見た目も締まって高級感倍増。手間暇かけた分だけ質感が上がる。高いギター買えば良いってもんじゃ~ないんですよ。その個体の持ち味をいかに活かすかに意味がある。そういう意味合いでは質の向上に貢献出来ました。
November 29, 2020
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娘が産まれたとき、自分の趣味のギターに興味を持ってほしいとミニギターを買ったりしていましたが、親の期待値とは裏腹に興味を示さず全て手放しました。7歳になって『私も弾きたい』と言うようになり、再び期待をして購入してみました。高いギターを買っても過去と同じ道を辿ると勿体ないので安価なモデルを探していたところ、島村楽器のオリジナルギターで通販専用モデル(限界までコストカットする為に通販ONLY)というのを知り、良さそうなので手に入れました。体の小さい子供の体格を考えれば、本来は適切なサイズのミニギターなのでしょうが、厳格な父(俺)はあえてレギュラーサイズを選択。手の小さな幼少期に標準サイズで慣れておけば指の可動域も広がるでしょうし、逆に上手くなるだろうという思考です。手元に届いたギターを見た感想としては、想像以上にしっかり作られていてビックリ。見た目もオシャレでパっと見てこれが1万円台半ば(新品)で購入できるモデルだとは思えません。指板はローステッドメイプル or テックウッド(人工合板)を選択出来ますがローステッドメイプルを選択。ネックは635mmとロングとミディアムの中間(PRS)スケール。ナットは硬質ファイバーナットでフレットもエッジを丸く処理されています。フレットはエッジ処理した後に打ち込んでいるので幅が絶妙に短いのですが見た目も好印象で弾きやすく、ナットやブリッジ、トラスロッド等、出荷時の調整もある程度は施されていて企業努力を感じました。ローステッド(燻製)のネック&指板に関しては木材の枯渇問題や強度不足対策で剛性を増す為に生まれた近年良く見る仕様。個人的にメイプルの白い色味よりもローストした色味の方がヴィンテージっぽいと言うか高級感があって格好良く見えるのでお気に入りです。リニューアルされた新形状のヘッドもひと手間あって格好良い。嬉しいことに、手に入れた個体のネックは柾目で輝くトラ杢が確認できます。通販専用モデルでこの杢を持つネックを手に入れられたので得をした気分です。生産は中国の様で少し先入観がありますがつくりは良いですね。軽量なポプラ材を使用したボディとローストされて乾いたネック、クセの無いピックアップによる出音はナチュラルで素直な響き。こもりが無く明瞭なストラトさがしっかりあります。過去、島村楽器オリジナルの“COOLZ”に装着していたピックアップよりも低価格帯のコチラのピックアップの方が出来が良い印象。自分が若かりし頃に手にした“バンドやろうぜ” 掲載の同価格帯とは比べ物にならない仕上がりなので時代は進化したなと感じました。しかもコイルタップまで付いていて万能。更には厚手のギグバッグもついてきます(昔は保護材が無いナイロンケースだったのに・・・)とまぁ。良い部分だけ述べてきましたが、厳しい目線でマイナスポイントも記しておきます。そこまで求めてはいけないのですが、しいて言えばペグとトレモロの遊びが少し大きいなと感じたくらい。見る人が見れば致し方ない部分も在りますが、それが十万円を超えるギターならまだしも新品で1万円台(15,800円)という圧倒的なコストパフォーマンスの前では文句を言う方が虚しく、仕上がりにはむしろ感心するばかり。2台巨頭でもある某USAブランド等と比べても逆に仕上がりが良いのでは。さらに “親の気持ち、娘知らず” で密かに施した“Raw Vintage”のトレモロスプリング交換が功を奏して非常に良い音に変わりました。このスプリングはその昔、自分がストラトタイプを愛用していて効果が期待出来たので自己満足ですが購入&プレゼントしました。チューニングが安定するのと、柔らかいスプリングでアーミングも滑らか、コイルの残響効果でナチュラルなリバーブ感と高域の柔らかさ、加えてレンジも広がります。※アース配線も長かったのでスムージング化。 効果は期待以上で明らかに響きが変わり、好みはありますが自分としては良い方向性(ヴィンテージライク)にもっていけました。そのうち内部の配線(まだ見ていない)をヴィンテージはんだで再装着して綺麗にしようかなと(笑)自分のアンプを勝手に使われたくないので “Orange Crush MINI(AMP)” と “SOUND HOUSE ORIGINAL(シールド)” も購入。安価なモデルの中で良さげなものを買ってみたわけですが、アンプはヴィンテージ感がある素敵なトーンで想像以上。有名どころの “YAMAHA THR” のフルレンジスピーカーとは違い、本来のアンプの音が楽しめる。守備範囲がそこそこ広く、木製キャビネットなのでミニサイズながら結構良い鳴りしてます。ギターもそうですが、お値段以上に良いものって多いなと気付かされました。衰退していく楽器業界ですが、昭和の残党(私)としては、また流行って欲しいなと切に願います。■島村楽器WEBSHOP限定モデル Eris. Nestia ボディ:ポプラ ネック:ローステッドメイプル 指板:ローステッドメイプル(ブラックカラーのみテックウッド) ナット幅:41mm スケール:635mm ペグ:ロトマチックタイプ ブリッジ:シンクロナイズドトレモロブリッジ ピックアップ:Eris.シングルコイル×2 / Eris.ハムバッカー×1 コントロール:マスターボリューム、マスタートーン、コイルタップスイッチ、5ウェイピックアップセレクター アクセサリー:トレモロアーム、レンチ、ソフトケース
August 27, 2025
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エレキギターのローズウッド指板が光っていると無性に格好良い。光っていないとダサい。そんな固定観念に俺は囚われてしまっているわけです。いや、ギタリストならば誰しもが輝きを放つ指板は『格好良ぇ!!』ってなりますよね。豆知識ですが指板の黒さに異様にこだわるのはほぼ日本人らしいです。 話は戻りまして冬は乾燥の季節。木材で作られているギター、特に塗装の無い指板の給油や手入れは必須! そんなときに『そういえば皆、何かしらの方法で艶だし作業はやってるのかな?』と浮かんだので個人的主観で責任は取りませんがネタにして書いてみます。それが指板の艶を加速させる方法。基本的には汚れを取って蜜蝋を適度に塗り保湿して、馴染んだら仕上げるのが一般的ですが、色々とヴィンテージギターを見ると、古いギターの使い込まれたローズウッド指板ってやけに光っているんですよね。 勿論、当時の良質な材ということや経年変化による影響もあるんでしょうけど、そもそも製品として指板の磨き上げが甘いだけではないかと感じたわけです。そこで、指板磨きの強い味方になっている個人的なパワーアイテムがコレ。・・・ナニコレ? って話なんですが、これは母ちゃんのストッキングです(爆)ちなみに母ちゃんとは妻のことではなくて、本当に俺を生んだ母ちゃんのストッキングです。元々はレザー用品の艶出し(これも最高)に使っていたんですが、指板に使ってみたところ、これがまぁ使えるアイテムでした。100円ショップとかでも売っているのでオススメです。オイルやワックスでの艶は結局のところ油分で光っているかの様に見えるだけで木材の輝きではなかったりするんですよね。光っていれば『良い材』ってのも間違いで、フレットの磨く仕上げが甘いだけだったりします。木材は手の油や摩擦によって艶が出るとは聞いたことがあったので、ストッキングみたいな素材だと摩擦熱も効率良く出せるので良いのではないか? ・・・ということで母ちゃんストッキングの登場です。それよりも酷い指板の場合は削る工程からはじめます。以前、Gibsonのエントリーモデルの指板をヤスリがけから磨いたことがあるんですが研磨し直すとメチャメチャ綺麗になるものが多いです。過去ネタから再利用すると下記。最上部の指板だけ磨いた状態。明らかに光り方が違うのが画像だけでも解るかと思います。それより下の指板はご覧の様にホームセンターで売っている材木ばりに表面が荒れていて輝きは皆無。個人的に『仕上げがあまりに酷い』と感じました。写真のギターはGibsonのとレビュートモデル。こんな雑な仕上げでですが音は悪くないのが不思議(笑) 同様な指板の場合、『まぁ・・・安価モデルだからなぁ』と諦めるのはまだ早い。メーカーが抜いた手間は自分が補えば明らかに良くなります。これは800番から1500番までヤスリを使い削った状態。表面のガサガサとした材木感は無くなりエキゾチックな木目が出てきました。ここから2000番まで仕上げてストッキング研磨! 最後に蜜蝋ワックス等で給油すればツルツルの美しい指板になります。フィンガリングも楽になり演奏性も格好良さも明らかに増しますね。 特に低価格帯のギターは指板の仕上げまで気を配ってあるものが少ないので効果が期待出来ます。ストッキングはマジで使えますのでお勧めです♪
January 6, 2024
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