『一応来福』 こてちママ本舗

『一応来福』 こてちママ本舗

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

こてちママ

こてちママ

Favorite Blog

クラブGAIA~楽天出… sarah-21さん
atelier☆lucere さくらおかそのえさん
一日一冊:読書日記… 本のソムリエさん
アトリエアンジュ raphaelaさん

Comments

育児・子育て きらり @ Re:東京散歩その1(10/27) こんにちわ。 大変参考になりまし…
こてちママ @ 私も! 書き込みありがとうございます。 やっぱ…
ウンム・カルスーム@ 同感 ●大河ドラマは、毎週録画して必ず見ていま…
ウンム・カルスーム@ お母さんと娘と ●おかあさまとも娘さんとも良好な関係を築…
ウンム・カルスーム@ レイチェルの妊婦姿 ●「蜂」でさらしていた妊婦姿はメイク(っ…
2006.10.23
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
岩波ホール「紙屋悦子の青春」。
「父と暮らせば」につづく黒木和雄監督の、いわゆる戦争レクイエムものの最終編。公開直前に監督が急死して、これが遺作になってしまった。

序盤は、病院の屋上での老夫婦のたわいもない会話が延々つづく。九州弁(下手です)が懐かしくて私はそこそこ楽しめたけど。

主演の原田知世と永瀬正敏がメイクしている。いささか無理があるのはしかたないんだ。そこから昔に飛ぶから。昭和20年に。二人と、特攻で死んでしまった青年の、ほんの数日間の話。

静かな物語。悦子の家の中だけの、ほぼ会話だけですすむ、動きのない、淡々とした、むしろその静けさが、戦中に生きる人たちの哀しみとか、空しさとか、強さを際立たせる。死んだのは空挺部隊の彼と、あらかじめ3月の東京空襲で亡くなっている彼女の両親だけ。その欠落を、小林薫と本上まなみ兄夫婦の軽妙なやり取りや、配給の小豆でつくったおはぎや、亡き父親の出張土産の静岡茶がそっと埋めていく。

黒木監督にはATGでお世話になった。「竜馬暗殺」「祭の準備」で、10代のフニャフニャな心に容赦なく鉄拳をくらわせた、その人の遺作。研ぎ澄まされた創作欲が、戦争を描くたびに透明になっていき、ここに行き着いた。巨匠の境地。監督、これで終わりにしてよかった?最後まで言い切れたかな。

その晩、娘が映画評論の課題で「プライベート・ライアン」のビデオを借りてきた。3度目なのに釘付け。すさまじい前半の戦闘シーンに改めて息を呑む。こっちはスピルバーグ、言い切った。というか、頼むからもうこれ以上言わないでください、という感じ。終わりにしてほしい。そのくらいの描き切り方。

二つの映画。考えてみれば、同じ時代を描いている。日米両極の表現形態だけれど、共通して突きつけてくるのは、生き残った者の生きる意味。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.10.23 20:28:51
コメント(0) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: