【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)最終話初空(チュコン)の護神呪が祥雲(シャンユン)こと滄海(ソウカイ)の元神を守った。3万年前の婚姻の夜、決して離れず、生死を共にすると誓った2人。しかし初空は滄海を救うため身代わりとなり、もはや共に年を重ねることができなくなった。「あの時、君は言ったな、″私は死んだら雲になりたい″と… 私はもっと欲張りだ、死んだらこの世の山や川、そして風や月になろう これからは自由にどこへでも行ける…祥雲、今度こそ本当にお別れだ」初空は最後に一度だけ祥雲に触れようと手を伸ばしたが、そのまま力尽きてしまう。「初空?…初空nnnnnnnnn!」祥雲はなす術なく初空を抱きしめたまま泣き叫んだ。その時、最後の牽糸引(ケンシイン)が切れ、初空の魂と肉体は離散してしまう。…元気で、いつの日かまた会える、我が妻よ…天界を襲った強い邪気が消え、黒雲が晴れた。南天門では摩羅(マラ)族と天兵の争いが収まり、修茗(シゥミン)は天穹玉(テンキュウギョク)で滄海の無事を知る。そして天界に平穏が戻った。昊軒(コウケン)が無界に落ち、3万年に渡る天界と摩羅族の争いが終結した。しかし2度と戻って来ない者もいる。戦神・初空は長きに渡る兄の陰謀を全て打ち砕き、その身を犠牲にして共に滅んだ。祥雲は滄海の霊力を取り戻すも女帝に復帰せず、錦蓮(キンレン)錦蘿(キンラ)兄妹に摩羅族を託し、天界は修茗に任せてしまう。こうして修茗は事実上の帝君となったが、本人はあくまで滄海の代理だと断った。「私を″神君″と呼ばなくていい、これからは尊卑の別なく、世の皆と仲良くするように…」「英明です、殿下!」煩わしい政から身を引いた祥雲はしがない1日、晨星(シンセイ)台で酒を飲みながら星を見上げていた。…初空、あなたがいなくなってから、良く夢を見るの、知っているようで知らない夢、でもとても鮮明で現実のようでもある…滄海に戻った祥雲は歴劫の記憶を失っていたが、たびたび初空と共に経験した情劫を夢に見ていた。ある日、修茗は相変わらず独りで星を眺めている祥雲を訪ねた。「私がへまをする前に帝君に戻ったらどうだ?全てを投げ出したのは一晩中、星を眺めるためか? …戦星は流れた、初空は戻って来ない」「修茗、運命の相手に出会ったら必ず大切にしなさい 私たちのように何度も過ちを繰り返せば悔いが残る」その時、祥雲は一瞬、戦星が光るのを見た。「はっ!初空だわ、やっぱり生きてる!私を待っているのよ!行かなくては!」「ふっ…見つけたらすぐ戻って来いよ」「ありがとう」修茗は祥雲の背中を見送りながら、ようやく全てのわだかまりが解けた。自分たちの間にある情は男女のそれを超越したもの、何があろうと最も大切な家族であることに変わりない。…自分の幸せを追え、滄海…錦蓮と錦蘿が紫輝(シキ)を探して300年が過ぎた。2人は半ば諦めていたが、その日、ついに人間界のある街で転生した紫輝を発見する。しかし人間の紫輝にはすでに″錦蘿″という可愛い許嫁がいた。錦蓮は妹のため紫輝を捕まえて来ると言ったが、錦蘿は止める。「彼の望みは普通の人間になることだった、これでいいの」2人は幸せそうな紫輝と許嫁を見守った。すると実はその錦蘿は許嫁ではなく妹で、紫輝は妹の婚約準備の買い物に付き合っていただけだと分かる。(* ゚ェ゚)<哥、いつになったら嫂を探すの?まさかまだ夢の中の女子を待っているの?( ̄꒳ ̄)<探してみせる、見つかるまで探すさ!錦蘿はそれが自分のことだと分かり、喜んで紫輝を追いかけて行った。紅線翁(コウセンカク)と孫(ソン)天王は独り身の修茗を気にかけていた。そこで2人で一芝居打ち、どさくさ紛れに修茗の手首に運命の赤い糸を結ぶことに成功する。(´゚艸゚)<引っかかった@孫一方、人間界へ初空を探しに向かった祥雲は…。祥雲は夢に見る光景がかつて経験したことだと確信、歴劫で人間界に行くと決めた。…初空、私を信じて、過去でも未来でも、どこにいようとあなたを必ず見つける…祥雲が紅塵(コウジン)井へ飛び込むと、初空との6回に渡る情劫の波に飲み込まれた。ここは人間界の姻縁祠(シ)。祥雲は境内で参拝客に願掛けの札を売っていた。その日は白髪の老夫婦が祥雲から札を購入、2人仲良く手を合わせて祈っている。祥雲は露店でその様子を眺めながら、果たせなかった初空との誓いに想いを馳せた。やがて参拝客も途絶え、祥雲は店じまいしてから自分も願掛けすることにした。7度目の渡劫で願う″吉祥″の札には虎の人形がぶらさがっている。その時、ふいにつむじ風が吹いて満開の花びらが散り始めた。まるで雨のように降り注ぐ花びら、すると誰かが祥雲に傘を差し出してくれる。(* ̄0 ̄)θ~♪うぉ~だあ~いにーみんば~い祥雲が振り向くと傘を差した初空が立っていた。「…今度のあなたは誰なのかしら?」すると初空は小さく首を傾げて微笑む。実は祥雲が下げた札の横には猪の飾りがついた″如意″の札がぶら下がっていた。終わり(゚∀゚ノノ゙パチパチパチパチ~!楽しかった!ハマった!男主はラブコメが上手いけれど、これまで見た中で一番、良かった!彼のファンの方のコメントで「今回は女主との相性が抜群に良い」とあってなるほどと思いました楊超越は確かに演技が棒wなんだけれど、彼女が女主だった「重紫」も好きでした今になって思えば「重紫」も共演者の仲の良さが作品に出ていたのかもちなみに制作は蒼蘭訣チームと同じです同じように気に入ってくれる方がいると嬉しいな〜( ˶´꒳`˵ )
2024.08.31
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第37話過去を映し出せる神器・玄天鏡(ゲンテンケイ)の修復まであと少し。修茗(シゥミン)は時間を引き伸ばすため、祥雲(シャンユン)こと滄海(ソウカイ)に天雷の罰を与えるしかなかった。激しい衝撃に歪む滄海の顔、すると昊軒(コウケン)は早く罪を認めれば苦痛を受けることはないと嘲笑う。しかし急に滄海が実は自分にも双子の妹・明月(メイゲツ)がいたと明かした。掟では生まれながら邪気を帯びた一方を殺さねばならなかったが、父は娘に手を下すのが忍びなく、深海に封印していたという。「その明月を解き放ち、魂の契約を結んで帝休(テイキュウ)族を皆殺しにさせた、お前がね!」昊軒は動揺を隠せず、寝耳に水だった神仙たちは騒然となった。滄海が時間を稼いでくれたおかげで修茗は心の臓に隠し持っていた玄天鏡の修復に成功した。そこで修茗は滄海を焦って殺せばかえって口封じだと怪しまれてしまうと諌め、ついに鏡を招喚する。「私の持っている古の神器なら3万年前の真相が探れます」すると玄天鏡が3万年前の昊軒と明月の姿を映し出した。昊軒は明月に自由を与える代償として3つの願いを叶えるよう要求、魂の契約を交わす。そして滄海とうり二つの明月に帝休族を皆殺しにさせ、その罪を滄海になすりつけることに成功した。『これで2つ成し遂げられた、3つ目は…お前の力を私に捧げてもらう』そして昊軒は明月の力を自分に取り込んでしまう。激怒した昊軒は霊力で神器を破壊、しかし修茗はもはや真相は隠せないと迫った。その時、運悪く門衛が駆けつけ、摩羅(マラ)族が襲撃してきたと報告する。まさに渡りに船、昊軒は滄海が摩羅族を率いて天界を打倒するための作り話だったと訴え、初空(チュコン)を砕魂箭(サイコンセン)で殺したのは修茗だと暴露した。「修茗、まさか妖魔と手を組むとは…お前を見誤った、逆賊め!」昊軒は修茗や紅線翁(コウセンカク)も滄海の仲間だと言いがかりをつけ、天雷を落としてしまう。一方、無界に飛び込んだ初空は懸命に滄海の力を探していた。すると婚礼衣装をまとった滄海を発見、その肩に触れると途端に3万年前の幸せな婚礼の日に戻ってしまう。生死を共にすると誓いを立て、夫婦の杯を交わす2人…。『死を恐れなければむしろ生を得る、混沌が始まれば歳月は尽きないわ』その時、初空の身体から次第に霊力が離散し始めた。『愛する者のために死にに行けるのはあなただけ…』しかし初空はこれが夢境だと気づき、目の前にいるのが滄海ではないと分かった。…滄海なら私をここに引きずり込みはしない…幻影は夢境を見破られ激怒、初空を跳ね飛ばした。『ここは万物を飲み込む無界、私を連れてはいけない そもそも妖王と滄海の力は相争う、無理に持ち去ればお前の魂が飛散するだろう』すると初空は反噬(ハンゼイ)を受けながらも滄海の霊力に手を伸ばした。ウリャ!(´ ° ཀ°)=C三☆)゚◇゚)三☆))゚□゚)三☆))゚○゚)ノ💥!その頃、天界では昊軒が再び滄海に天雷を下していた。修茗は自分の命も顧みず止めようとして巻き込まれ、再び天雷を受けて倒れてしまう。すると見かねた孫(ソン)天王が口を開いた。「神君…おやめください」「お前まで…」昊軒は側近の裏切りに激怒、孫天王にも天雷を下して黙らせると、ついに滄海に9回目の天雷を落とすことにした。「これでお前の心身は砕け散り、魂は飛散する…」「滄海iiiiiiiiiiiiiiii!」修茗の悲痛な叫びが響き渡った。もはやこれまでか、滄海は目を閉じて覚悟を決めたが、その時、初空が戻ってくる。初空は身を挺して滄海を守り、霊力を戻した。おかげで滄海は一瞬で鉄鎖を粉々に砕き、拘束を解く。「初空!」「遅くなった…すまない」昊軒は死んだと思っていた弟の復活に呆然、初空と修茗に一杯食わされたと気づいた。「真相は全て知った、3万年前、私欲から神託を改ざんし、滄海を陥れたな?」初空はわざと兄に襲いかかった。昊軒は咄嗟に手を上げて応戦したが、袖がめくれ上がって″厄誅(アクチュウ)痕″をさらしてしまう。実は孫天王は帝君の悪事を止めるべく、密かに薬湯に手を加えていた。昊軒はもはや言い逃れできなくなり、開き直った。そこで宝剣を招喚、天雷を集めて長寧宮に巨大な雷を落としてしまう。激しい衝撃を受け倒れる神仙たち、しかし天界屈指の霊力を誇る滄海が反撃した。すると思いがけず反噬を喰らい、喀血してしまう。実は初空が滄海を復活させたせいで昊軒が奪った明月の邪気も復活、同じ衝撃が跳ね返って来たのだ。昊軒もそれに気づき、自分が死ねば滄海も道連れになると挑発する。「…どうだ?ふっ、無界で待っている」初空と滄海は昊軒を追って因縁の無界の崖にやって来た。滄海は罪を悔いるなら命まで奪わないと約束したが、昊軒は明月のように封印されて永遠に孤独を味わうなどご免だという。「私の過ちとは何だ?!道を誤ったのはお前だ!お前は兄を殺そうとした!」「戦神は大義を守らねばならない、兄弟だからこそ過ちを繰り返すのを止めなければ… もうやめるんだ!」「生まれついての魔羅の女帝と金の麒麟に何が分かる?…世の主は私だ! 私に背けばどうなるか見せてやる!」すると昊軒は明月の凄まじい邪気を集め始めた。このまま明月の力を全て放てば世に安寧はなくなる。初空と滄海は宝剣を招喚、2人の霊力を合わせて昊軒と対峙した。その頃、南天門では摩羅族と天兵が激しい攻防戦を繰り広げていた。しかし突然、天地を滅ぼすほどの強い邪気が渦巻き、双方は争いどころではなくなる。やがて黒雲が日を覆い隠した。長寧宮でも紅線翁が不吉な予感だと警戒する。修茗は天穹玉(テンキュウギョク)の異変に気づいたが、滄海を助けようにも霊力を失って動けなかった。昊軒の凄まじい邪気に防戦一方の初空と滄海。そこで初空は滄海に合図し、ついに真身である金の麒麟を招喚した。滄海は麒麟の背に乗り霊力を合わせて反撃、ついに昊軒を倒すことに成功する。「…策略を尽くしたが一敗地に塗れた、私の負けだ しかし私を殺せば滄海も生きられぬぞ?それとも私にひざまずくか?」「お前の執着は私のせいだ、今こそ我が手でケリをつける…私は第3の道を選ぶ」すると初空は昊軒に最後の一撃を放ってしまう。昊軒は崖から無界へ転落した。同じ運命をたどるのが双子の宿命、同時に滄海の身体も離散し始める。その時、金の麒麟が現れ、滄海の元神を守った。滄海は何が起こったのか分からなかったが、急に初空がこらえ切れず膝をついてしまう。「はっ!初空!」初空は3万年前、滄海にこっそり護神呪をかけていた。護神呪は麒麟族に代々伝わる伝統の呪文、生涯の伴侶と定めた相手の元神を一生、守るという。滄海の身代わりとなった初空。愛する人と生死を共にすると誓ったが、共に年を重ねることはできない。つづく( ๑≧ꇴ≦)あ〜!昊軒様ががががが!ラスボス昊軒が現れた!戦いますか?→はい初空→招喚→麒麟滄海→渾身の一撃
2024.08.30
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第36話祥雲(シャンユン)への情愛を断つことなく妖王の力を得ることができた初空(チュコン)。しかしその頃、昊軒(コウケン)が祥雲の正体を突き止めていた。妖王の侍女が祥雲だと知り、初空の歴劫(リャッコウ)のあらすじを読み直していた昊軒。するとなぜか″星凌(セイリョウ)教の師弟物語″の最後の頁がないと分かる。…なぜ李(リ)天王は筋書きの最後を破った?何を隠したのだ?…そこで霊力で復元してみると、祥雲に残した手がかりの一文が浮かび上がった。「海棠の花のかんざし?」昊軒は初空が滄海を″小棠(シャオタン)″という愛称で呼んでいたことを思い出し、腑に落ちた。…道理で見覚えがあったはずだ、だから初空と共に消えたのか、錦蓮(キンレン)が従ったのも不思議はない、唯一の歴劫の相手になるのも当然だ…昊軒は滄海がすでにこの世に復活していたと気づき、焦燥感に襲われた。一方、急ぎ無界へ行くことにした初空は錦蓮に滄海を任せることにした。「わだかまりはあるだろうが、私に何かあったら祥雲のことを頼む」「言われなくても命をかけて守る」すると祥雲が見送りにやって来た。「無事に戻ると約束して」「必ず滄海の力を持って帰ってくる」祥雲を安心させるため笑顔を見せる初空、その時、錦蘿(キンラ)が血相を変えて駆けつけた。昊軒が数万の兵で詭(キ)界を包囲し、滄海を差し出さなければ詭界を踏み潰すと脅して来たという。こんなに早く気づかれるとは予想外だった。もはや無界へ行く猶予もなく、初空は祥雲を守るため結界に閉じ込めてしまう。「今度は独りで背負わせない…全てが終わったら出してやる、錦蓮?錦蘿?」「摩羅族はご指示に従います」祥雲は自分だけ逃れるわけにいかないと訴えたが、初空は弟として兄の過ちを止めに行くという。そこへ狂龍(キョウリュウ)長老が配下を連れて現れた。「初空仙君、妖族にも出兵のお許しを…」「私の正体を知ったのなら分かるだろう、妖族には関わりない」しかし狂龍は昊軒が攻めてくればどちらにせよ詭界も巻き込まれ、共に戦うことに生き残る道があると訴えた。昊軒は大人しく滄海を引き渡すよう要求した。しかし妖王がこれを拒否、昊軒は詭界の結界を壊すことにする。初空たちは力を合わせて抵抗したが天兵軍の霊力に及ばず、妖族も摩羅族も霊力を使い果たして次々と倒れた。残ったのは初空と錦蓮の2人だけ、これ以上、続ければ霊力が尽きてしまう。その頃、祥雲は必死に結界を破ろうとしていた。すると初空に何かあったのか、結界の力が弱まり、祥雲はついに結界を壊すことに成功する。一方、昊軒はなぜ妖王が命をかけてまで滄海を守るのか怪しんだ。「私に何を隠している?…ならば顔を見せてもらおう」昊軒は妖王に一撃を放ち仮面を外した。しかし初空は咄嗟に仮面をつかんで背を向ける。その時、突然、祥雲が現れた。「私は3万年前、妖族を助けただけ、これでもう十分、恩を返してもらった… この者たちには関わりない、行くわ」「帝君?!…だめだ、行かせない」慌てた初空は思わず祥雲の腕をつかんで止めたが、祥雲にはある思惑があった。…冷静になって、詭界と摩羅族を犠牲にできない、無界に行って滄海の力を取って来て、そうすれば昊軒に勝てる、さもないと皆がここで死ぬことになるわ…すると初空は大局を見て納得し、必ず迎えに行くと約束した。祥雲は一緒に行く代わりに10万の兵を詭界から引き上げ、二度と踏み入らぬよう要求した。昊軒は駆け引きできる立場かと呆れたが、滄海に痛いところを突かれてしまう。「無血で解決できるのに何が問題なの?詭界は他ともうまくやって来た 結界を破るため大きな代償まで払うなんて、何かやましいことでもあるの?」「∑(⊙∀⊙)ドキッ!…いいだろう、自ら囚われの身となるのなら今日のことは不問に付してもいい」長寧宮に戻った昊軒は直ちに滄海の魂を消滅させるよう命じた。その時、祥雲が滄海だったと聞いた紅線翁(コウセンカク)が慌ててやって来る。しかし帝君に命乞いしても無駄だと気づき、ひとまず時間を稼ごうと思いついた。「3000年も欺かれていたとは…何と憎らしい!殺すだけでは甘すぎる!」「その通り」すると修茗(シゥミン)が駆けつけた。「急いで魂を消すなど軽すぎる、明日はちょうど天雷の日、雷刑で筋骨を断ち、魂を引き裂く 苦しんで死んでこそ恨みを晴らせます!」紅線翁も賛同し、滄海を衆目環視の中で裁けば世の者は帝君の恩を心に刻むだろうと昊軒の虚栄心をくすぐった。修茗は孫(ソン)天王の協力で牢に侵入、祥雲を逃すことにした。しかし昊軒の結界は強力で修茗の霊力では破れない。祥雲はどちらにしても逃げないと訴え、3万年前の真相を世に知らしめると言い放った。「昊軒を除かないと殺された魂が安らげず、世に安寧は訪れない… 長寧殿にある玄天鏡(ゲンテンケイ)なら過去の真相を映し出せたのに、昊軒が壊してしまったの」「玄天鏡?古の神器なら昊軒でも完全には壊せないはずだ」そこで修茗は鏡を修復しようと決めた。一方、初空は3万年前に滄海が身を投げた崖の上に立った。…全ての宿命を必ず私が終わらせてみせる…すると初空は妖王の力をまとい、無界へ飛び降りた。修茗は長寧宮から玄天鏡を持ち出し、洞窟の中にこもって修復を試みた。孫天王は心の臓を使えば鏡が直ったとしても霊力を損って命を落としてしまうと警告したが、修茗は滄海の潔白を明かせるなら命など惜しくないという。しかし鏡が直せないまま夜が明け、ついに滄海の裁きが始まった。「3万年前、摩羅族の女帝であり、範を垂れ大任を担うべき身で自ら進んで魔となった… 私が戦っていなければ世は妖魔に滅ぼされていただろう 本日、各部族に集まってもらったのは公正な裁きを行うためだ」孫天王は拘束された滄海の哀れな姿を見ながら、修茗が戻るのを今か今かと待っていた。昊軒は滄海に罪を認めるよう迫った。しかし祥雲は罪を認めるのが誰かは昊軒が一番、分かっているはずだと牽制する。その時、天界に暗雲が垂れ込め、雷鳴がとどろいた。「時刻だ、私が自ら正義を行う」一方、鏡の修復まであと少しというところで修茗も雷鳴を耳にした。…もう間に合わない、何とか引き延ばさねば…昊軒はゆっくり玉座を降りた。「天雷の鞭に何回まで耐えられるかな?」しかし突然、修茗が現れ、自分の手で帝休(テイキュウ)族の恨みを晴らしたいと申し出る。昊軒は許可したが、修茗は永遠と滄海への恨みつらみを語り、なかなか罰を与えようとしなかった。「修茗、話はもういい、早くやれ」すると祥雲は疑われないよう構わず打てと修茗に目で訴えた。…玄天鏡が直るまでまだ少しかかる、滄海、すまない…修茗はついに鞭を振り上げた。天雷の激しい衝撃に顔を歪ませる祥雲…。昊軒は早く罪を認めれば苦痛を受けることはないと冷笑した。つづく( ๑≧ꇴ≦)妖王、さすがにコスプレ感が強すぎてw
2024.08.23
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第35話女媧(ジョカ)石の化身・紫輝(シキ)は錦蘿(キンラ)が石の心を奪ったのは自分を守るためだとすでに気づいていた。紫輝のわだかまりが解けたことを知った錦蘿は安堵の涙を流し、ついに石の心を返す。実は錦蘿が肌身離さず身につけていた指輪が石の心だった。翌晩は満月で妖力が最も高まる時、紫輝は昊軒(コウケン)との約束通り滅妖(メツヨウ)陣を動かした。陣に入った昊軒は金丹を自分の身体に取り込みながら、全てが終って陣が完成すれば詭(キ)界のあらゆる妖力が手に入ると期待する。しかしその様子を物陰から孫(ソン)天王が見ていた。孫天王は修茗(シゥミン)から警告を受け、帝君を尾行していた。修茗の話が真実だと知った孫天王は慌てて天界へ戻り、修茗にありのままを報告する。「この目で見ました」「本当か?!」一方、紫輝は昊軒に協力すると見せかけ、頃合いを見計らい裏切った。陣の完成も間近というところで霊力を止め、最後の金丹の取り込みを阻止する。しかしすでに6つの金丹を取り込んだ昊軒は自分の力だけで陣を動かせるようになっていた。驚いた紫輝は何としても陣を破壊しようと無謀にも石の心を叩きつけ、心は砕け散ってしまう。その頃、妖王府では狂龍(キョウリュウ)長老が不問(フブン)長老の亡骸を前に悲しみに暮れていた。「一体、誰がこんなむごい真似を…」すると初空(チュコン)に天界から修茗の伝令符が飛んで来る。…昊軒は不問を殺した、滅妖陣を動かす気だ…「殺した者が分かった」昊軒は滅妖陣を壊した紫輝に激怒、霊力で締め上げた。すると突然、錦蘿が現れ応戦、紫輝を守る。「どうして来たんだ?!」「死ぬ時は一緒よ!」しかし紫輝は錦蘿をかばい、昊軒の一撃を受けて倒れてしまう。その時、仮面で顔を隠した初空が妖兵たちを率いて駆けつけた。昊軒は自分と対等の力を持つ妖王の霊力に驚き、ひとまず引き上げることにする。)彡ビュン!<今日は見逃してやろう、いつか詭界を平らげて見せる!初空は妖王府に紫輝を運び込んだ。祥雲(シャンユン)は紫輝が滅妖陣を壊すため石の心を捧げて霊力の源を失い、わずか3日の命と知る。「祥雲、最後の時は2人だけで過ごさせてやろう」紫輝が目を覚ますと錦蘿が付き添っていた。錦蘿に怪我がないと知って安堵する紫輝、すると錦蘿は傷が治ったら婚姻しようという。自分の死期を悟った紫輝は軽々しく同意できなかったが、錦蘿の言葉で覚悟ができた。「もう二度と後悔したくないの」すると紫輝は改めて自分から求婚した。「私、紫輝は女媧石の化身ですが、妻になってくれますか?」「ハイ、喜んで」そこで紫輝は祥雲に頼んで錦蓮(キンレン)を呼んでもらうことにした。紫輝と錦蘿の婚礼当日、紫輝は今日のため贈り物を準備したと教えた。すると錦蓮が現れる。錦蘿は兄がまた紫輝を害すると誤解したが、錦蓮は持参金がわりの結納品を机に置いた。「立会人になってくれ、千忍(センジン)」一方、妖王府を見張らせていた昊軒は錦蓮が妖王府を訪ねたと聞いて困惑した。妖王の侍女がなぜか摩羅(マラ)族と通じており、錦蓮はその侍女に対し敬意を払っているという。新しい妖王は摩羅族と関わりなどないはず、しかも錦蓮ほどの地位にありながらなぜ侍女と近い間柄なのだろうか。昊軒は密偵に引き続き妖王府を見張らせ、その侍女の素性を突き止めるよう命じた。紫輝と錦蘿の祝宴に懐かしい顔ぶれが集まった。祥雲は歴劫を思い出し、一緒に食事をするのは久しぶりだと言う。「星稜(セイリョウ)教の頃みたい…」人間界で小祥(シャオシャン)として転生し、千謀(センボウ)や千忍と教主の手作りの料理を囲んだことがまるで昨日のことのようだ。「謝謝教主、謝謝恩公…」紫輝はこの広い世の中で皆と巡り会えたことに心から感謝した。祝宴もお開きとなり、紫輝と錦蘿は改めて夫婦の杯を交わした。…この杯を空けたら本物の夫婦ね、これからは生死を共にし、永遠に離れないわ……妻の錦蘿が幸せで平穏に暮らせますように…2人は互いに胸の中で願掛けしたが、杯を空けた紫輝はそこで力尽き、ついに身体が離散してしまう。「紫輝…紫輝!」狂龍長老は初空に妖王の力を得る資格があると認め、ついに鍛錬を許可した。「台座の上にあるのが妖王の力です@カラフルもくもくさん 妖族は妖力の強さで妖王を選ぶのではありません 妖王として大切なのは無私の心で妖族を守ることです」狂龍は妖王が何のためらいもなく昊軒から妖族を守る姿を目の当たりにし、決断したという。一方、天界では密偵が妖王の侍女の似顔絵を昊軒に献上していた。「…祥雲か」初空はついに長老の信頼を獲得したが、実際は滄海(ソウカイ)を救うため妖王の力を得ようと策を弄したのも事実だった。後ろめたさに苛まれながらも鍛錬が始まった初空。一方、祥雲は妖王府で初空の帰りを待っていた。その時、手首の牽糸引(ケンシイン)に異変が現れ、もうすぐ初空が妖王の力を得ると分かる。このまま初空は情愛を断たれてしまうのか。そこで祥雲は2人を結ぶ赤い糸に霊力を注ぎ、2人の縁をつなぎとめようと尽力した。初空が妖王府に戻って来た。しかし祥雲を見ても無視して通り過ぎてしまう。「大丈夫、また始めればいい…私は祥雲よ!」初空は祥雲がまんまと騙されたと分かり、笑いをこらえて振り返った。すると祥雲が思いの外、傷ついている様子に驚き、慌てて駆け寄る。「すまない、私は忘れていない」「…なら私は誰?」「陳国のお茶目で賢い宋(ソン)祥雲、星稜教の天真爛漫な楊(ヤン)小祥、斉国の勇敢な祥雲公主、 3万年前、私と生涯を誓った女帝・滄海、そして姻縁閣の姻縁仙女・祥雲だ」「初空、約束して、何があっても私を独りにしないと」「死ぬまで一緒だ、お前を独りでこの世に残したりしないよ」初空は祥雲を抱きしめ、安心させた。(* ̄0 ̄)<為愛~為愛~唯愛aaaa~i♪つづく( ;∀;) イイハナシダナー
2024.08.22
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第34話″真実の水″で妖王の真身を暴こうと企んだ狂龍(キョウリュウ)長老。実は念には念を入れて媚薬も一緒に仕込んでいた。祥雲(シャンユン)は媚薬のことまで知らなかったと釈明したが、相手は愛する初空(チュコン)、思い切って身を捧げる覚悟を決める。初空はついに祥雲を寝台に押し倒し、腰紐に手をかけたが…。狂龍長老と不問(フブン)長老は回廊で様子をうかがっていた。やがて祥雲の悲鳴が聞こえ、妖王が酒を飲んだのは事実だと分かる。妖王の真身は太古の奇獣・猙(ソウ)、しかし同時に情愛は断たれていないと暴かれた。「媚薬ごときで耐えられなくなるとはな」長老たちは呆れて階下へ戻ったが、その時、ほっかぶりした妖王が慌てて屋敷を飛び出して行く。「どうやら見くびっていたな」「私も大王を軽く見ていたようだ」実は初空は祥雲の腰紐を解き、手足を縛って拘束しただけだった。森の中に逃げ込んだ初空は猫耳が消えてから屋敷に戻った。掃除をしながら待っていた祥雲は喜んだが、初空は情愛に惑わされぬよう祥雲の顔を見ようとしない。そこへ狂龍長老が駆けつけた。「黒豹の妻を見つけました、夫が消滅して怖くなり隠れていたそうです」しかし祥雲は妻が白粉店で見つかったと聞いて訝しむ。「愛する夫が殺されたのに化粧をする気になるでしょうか?」狂龍は再び妻を尋問し事実が判明した。黒豹妖の水晶の商いは見せかけ、本当は妖族をさらって売り飛ばしていたという。「7人の悪党と盟を結んでいたようです」7人の名を見た祥雲は次に襲われるのは尾狐(ビコ)公子だと気づいた。夜な夜な若い娘を探し回っている尾狐公子は格好の標的となった。その夜、ついに尾狐公子は紫色の元神に襲われたが、危ないところで金色の元神が現れ、逃がしてくれる。驚いたことに妖怪の金丹を狙っていたのは紫輝(シキ)だった。「なぜお前が?…斉国で別れたあと何があった?」「教主、小祥(シャオシャン)が捕らわれの身となったら助けますか?」初空は錦蘿(キンラ)のためだと気づき、自分が力になると説得した。しかし紫輝は黙って姿を消してしまう。…紫輝は24話で教主と小祥と分かれ、真実を求めて旅立ったあれから錦蘿を探し回り詭(キ)界へたどり着いたが、錦蘿は単独で妖王を襲って失敗、天界へ送られたと知る紫輝は厳しい警備をかいくぐってついに長寧宮に侵入、昊軒に錦蘿を返すよう迫った『先の妖王ができなことを代わりに私がやると言ったら?』昊軒はここまでたどり着くことができた男の手腕を高く評価した『いいだろう、必ず私の言うことをやり遂げろ』紫輝は約束通り金丹の妖怪を6人始末した滅妖(メツヨウ)陣を動かせるまで金丹はあと1つ、すると昊軒は錦蘿に毒を飲ませてから紫輝に返してやる『この毒は私にしか解けぬ 1年のうちに最後の金丹を手に入れることができなければこの女子は死ぬ』…紫輝は最後の金丹を探すため、再び出かけることにした。すると錦蘿がちょうど目を覚まし、昊軒のために働かないよう訴える。「生死なんて忘れたわ、いつ死んでも同じよ」「覚えておけ、お前の命は私の物、死ぬにも私の承諾が必要だ この小屋は私の霊力で作った、全ての結界が私とつながっている、逃げられると思うな」紫輝はわざとつれない態度で接していたが、これも錦蘿を失いたくない一心だった。初空は尾狐公子に成りすまし、紫輝を誘き寄せることにした。案の定、紫輝が現れたが、尾狐公子の正体が初空だと気づくと姿を消してしまう。昊軒との約束の1年までわずか3日。紫輝は仕方なく昊軒を訪ね、妖王が金丹の妖怪を全てかくまってしまい、策を練る時間が欲しいと懇願した。「情勢が変わったのです!せめてあと半月…」しかし昊軒は決して猶予を認めなかった。屋敷に戻った初空はひどく弱っていた。祥雲は初空の霊力がなくなっていると気づき、自分の元神を使って癒すことにする。やがて祥雲のおかげで初空は意識が戻った。「詭界で神仙の術を使えば死んでしまうわ!」詭界は神仙にとって禁足の地、霊力の強い神仙ほど結界に踏み込んだ時の反噬(ハンゼイ)が大きいことは初空も重々、承知しているはずだ。「何をそんなに急いでいるの?」実は祥雲は治療中に初空の意識の中をのぞき、自分を忘れていないと知っていた。初空は仕方なく全てを明かすことにした。詭界に来たのは妖王の力を得るためで、そのためには情愛を断つ必要があるという。狂龍長老が美しい祥雲を送り込んだのは、妖王が本当に情愛を断っているのか試すためだった。確かに今は祥雲への愛情を忘れていないが、どちらにしても妖王の力を鍛えれば情愛を断たれてしまうという。「だから初めから希望を与えなかった、その方が失望や苦しみがない」「でも何のためなの?」実は妖王の力を使えば無界に入れることから、初空は滄海(ソウカイ)の力を取り戻そうと考えていた。もちろん祥雲のためだったが、それ以上に麒麟と滄海の力を合わせて同じ悲劇を止めたいという。すると祥雲は例え初空が自分を忘れても、また思い出させてみせると笑った。「寝ても覚めても一緒にいたい…あなたがそう言ったのよ?」詭界の境界に昊軒が現れた。「神君、なぜ自らお見えに?」結界から現れたのは不問長老だった。昊軒は先王の目付役として不問を送り込んだが、新しい妖王に変わって身動きが取れなくなったという。「詭界の金丹の妖怪は皆、妖王のところなのか?」「その通りです、神君の命は死んでも果たす所存ですが、妖王のそばで動けば疑われます」昊軒は紫輝の話が言い訳ではなく本当だと分かった。「確かお前も金丹を持っていたな…」すると昊軒はいきなり不問に襲いかかり、金丹を奪ってしまう。その様子を物陰から修茗(シゥミン)が見ていた。…金丹をどうするつもりだ?すぐ初空に知らせねば…初空と祥雲は詭界の地図を広げて紫輝の居場所を探していた。すると天界の修茗から麒麟の伝令符が届く。実は金丹を集めていたのは昊軒だった。祥雲は初空が以前から昊軒を疑い、わざわざ死んだふりまでして詭界に転生したと思うと胸が痛む。しかしもはや兄弟の対決は避けられなくなった。祥雲は初空の辛い胸の内を理解しながら、正義のためにやるべきことをやるだけだと励ました。昊軒は詭界にある紫輝の小屋を訪ね、最後の金丹を託した。しかし紫輝は滅妖陣を動かす前に錦蘿の解毒薬が欲しいという。「女子の生死は石の心に関わる、危険は冒せません」すると昊軒は解毒薬を出した。「では明晩は満月で妖力が最も高まります、滅妖陣を動かしましょう」「最後の山場だ、慎重に頼む」一方、修茗は孫(ソン)天王に足止めされていた。修茗を見張っていた孫天王はなぜ帝君をつけ回していたのかと追及、白状しないのなら帝君に報告するという。仕方なく修茗は昊軒が詭界に降り、妖族を殺して金丹を奪うのを見たと教えた。孫天王は当然、信じなかったが、修茗から李(リ)天王の死を持ち出されて顔色が一変する。「…もし昊軒が野心を持ち、世を危うくするとしたら?」修茗は本当の忠誠とは暴君を助けることではなく諌めることだと諭した。錦蘿は解毒薬のおかげで回復した。すると紫輝は錦蘿にここを離れ、また自然の美しい場所で医者をやればいいという。「私が憎いのでしょう?」「君を追いかけながら探す理由を考えたよ、恨みやつらみ、そして心のこと… やがて分かったんだ、君が心を奪ったのは私を錦蓮(キンレン)から守るためだったと」紫輝は錦蘿が無謀にも独りで妖王を襲ったのも自分のためだったと気づいていた。ようやくわだかまりが解け、涙する錦蘿。「知っていたのね…」つづく ( ๑≧ꇴ≦)金丹と見せかけて仁丹…ゲフンゲフン
2024.08.16
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第33話初空(チュコン)を追いかけ詭(キ)界へ転生した祥雲(シャンユン)。何とか侍女として妖王府に潜り込むことに成功したものの、初空から手ひどく追い返されてしまう。…どうして?初空は私のことが分からないのかしら?…しかし初空が頑なに拒んだせいで狂龍(キョウリュウ)長老が怪しんだ。「もしやこの小虎妖の美しさに心が動くのが怖いのですか?」「…下っ端の妖怪に過ぎないが長老のせっかくの好意だ、残るが良い」無事に妖王の寝殿に入った祥雲は安堵から思わず初空に抱きついた。「どれほど会いたかったか!何があっても隠さないと約束したでしょう?」しかし初空は祥雲を突き放し、無礼だと憤慨した。「初空、分かってるわ、詭界に来たのは何か大事なことがあるからよね? 安心して、足は引っ張らない!あなたに会うまで大変だったの でも狂龍長老が大王に侍女を贈ると聞いて入り込めた」「これは新しい悪巧みか何かか?旧知のふりをするとは…」すると祥雲は二度と寝殿に入るなと叱られ、追い出されてしまう。…初空、本当に忘れたの?あの矢を受けたせいかしら、また新しくやり直さないと…一方、厄誅(アクチュウ)痕に蝕まれる昊軒(コウケン)は体調が悪化していた。そこで表向き弟が急逝したせいで気力が出ないと言い訳し、初空を暗殺してくれた修茗(シゥミン)を信頼して政務を代行させることにする。しかし修茗は誤解だと訴えた。砕魂箭(サイコンセン)を鍛えていたのは神託で滄海(ソウカイ)が復活すると知り、帝休(テイキュウ)族の敵を討つためだという。昊軒はそれ以上、追求せず、恐らく摩羅(マラ)族が滄海のために強敵である初空を排除したのだろうと言った。妖王の寝殿に追い出したはずの祥雲が戻ってきた。初空は香袋の匂いに驚いて祥雲を引きずり出そうとしたが、祥雲は初空の背中にしがみついて離れない。「下りろ!」「側に置くと約束するまで下りない!」「下りろ!さもないと…もう間に合わな…い」その時、祥雲の香袋に入っていた虫除けの荊芥(ケイガイ)草のせいで、初空の猫耳が出現した。「あ!耳だ!」初空は祥雲の香袋を握りつぶし、ひと安心した。しかし詭界では毒蠍王を死に追いやった猫妖は見つけ次第、殺すよう命じられている。祥雲は思いがけず初空の弱みを握り、自分を排除すればうっかり狂龍長老に口を滑らせてしまうかもしれないと脅した。「ならば私の邪魔はするなよ?」「ご安心を、力になります」妖王の突然の交代、しかし昊軒は新しい協力者に金丹を集めさせていた。「あと1つで滅妖(メツヨウ)陣を動かし、詭界の妖力を取り込めるでしょう 私との約束を覚えていますか?」「安心しろ、全て終わったら約束通りお前の望むものを与える」一方、昊軒の側近である孫(ソン)天王は修茗の行動を怪しみ、密かに探っていた。そんなある夜、水晶を商う黒豹妖が襲われ、金丹を奪われた。金丹を持つ妖怪は狂龍長老と不問(フブン)長老の他に10人、この数日で6人が続けて消滅しているという。すると報告を聞いた妖王は自ら犯人探しに乗り出した。これまでの妖王はこの件に一切、関わろうとしなかったが、新しい妖王は今までとは違うらしい。美しい祥雲にも目もくれず、どうやら本当に情を断ったように見えた。しかし慎重な狂龍長老はまだどこか妖王を信じられずにいる。「先王の虚霊鏡(キョレイケイ)が眠ったままだ、きっと役に立つだろう」その話を祥雲が回廊で立ち聞きしていた。翌朝、初空が身支度を整えて寝殿を出ると、すでに長老たちが階下で待っていた。実は先王が残した虚霊鏡を新王に保管して欲しいという。しかしそれは単なる口実、初空はこの鏡が妖族の真身を映し出すと知り動揺した。すると上階にいた祥雲が長老たちを誘き出すため、狐妖のかんざしを抜いて屋敷を飛び出して行く。神仙の気配を感じた長老たちはもはや鏡どころではなくなり、妖王の猫耳姿が映し出される前に出払った。祥雲は集落の物陰に隠れ、かんざしを挿した。何とか長老たちをまいて妖王府に戻ることにしたが、その時、運悪く尾狐(ビコ)公子に見つかってしまう。尾狐公子と言えば若い娘をかどわかすことで有名、しかし金丹を持つ妖怪に祥雲が勝てるはずもない。「しまった…ここで終わるわけにいかないのに」その時、初空が現れ、妖王を見た尾狐公子は慌てて姿を消してしまう。初空は自分を助けるため祥雲が気配を現したと気づいていた。「私を助けてくれたお返しに忠告しよう、ここはお前に不向きだ、早く離れろ」「残ると言ったら?」しかし初空は何も言わず帰ってしまう。長老たちが妖王府に戻ると鏡は消えていた。妖王は言われた通り鏡を大切にしまったという。長老たちの企みは失敗、そこで狂龍長老は祥雲を使って妖王に″真実の水″を飲ませることにした。黒豹妖の身辺を探っていた初空は黒豹の妻がいないことを訝しんだ。すると祥雲が現れ、差し入れの海棠の花酒を勧める。「狂龍長老が真実の水を入れたの、飲まないで(コソッ」しかし初空は飲まねば疑われると言って杯を空けてしまう。そこで祥雲は初空の声真似をしてごまかすことにした。「大王、あなたの真身は何ですか?…″私は太古の奇獣・猙(ソウ)だ″…そうなんだ~なんつって」回廊では長老たちが聞き耳を立てていた。不問は猙なら分からないはずだと納得したが、狂龍は頭が切れる妖王のこと、念のため酒に別の薬を入れてあるという。「もしそれが効いたとしたら本当に酒を飲んでいる」その頃、初空は異変を感じて杯の香りを確認した。「早く出て行け」「助けたのに恩を仇で返すのですか?」祥雲は不満を漏らしたが、確かに初空の様子がおかしい。実は酒の中には媚薬も入っていた。驚いた祥雲は知らなかったと釈明したが、苦しみもだえる初空を見て決心する。「私が助けになります」初空は我慢できず祥雲を寝台に押し倒したが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)猫だ、猫だwww
2024.08.15
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第32話砕魂箭(サイコンセン)を鍛えていることが昊軒(コウケン)帝君に知られてしまった修茗(シゥミン)。「すぐ対処します!」すると昊軒はその使い道を察し、それ以上は追及せずに見逃した。長寧宮に突然、妖(ヨウ)族の王が現れた。昊軒は滅妖(メツヨウ)陣の話かと期待したが、陣には7人の大物妖怪の金丹が必要なため容易ではなく、妖王はまだ時間がかかると釈明する。「今日は別の件で…」すると妖王は摩羅(マラ)族の娘を捕まえたと報告し、錦蘿(キンラ)を突き出した。昊軒はひとまず預かることにして収監したが、金丹の件で進展がなければ妖王をすげ替えると脅す。「分かりました、すぐ戻って取り掛かります」その頃、初空(チュコン)は祥雲(シャンユン)と晨星(シンセイ)台で落ち合っていた。実は兄に探りを入れてみたが、左腕に厄誅(アクチュウ)痕がなかったという。「だが自分から左腕を見せて来た、わざとらし過ぎる」「でも神託を改ざんしたなら痕があるはずよ?…もしや勘づかれたのかしら」そこで初空はまず無界に落ちた滄海(ソウカイ)の霊力を取り戻そうと考えた。「心配だわ、あなたが疑われていないか…」「そうかもな、ずっと前から」「何ですって?」「いや、何でもない」初空は祥雲の肩を抱き、ここは星だけでなく日の出を見るにも絶好の場所だと言った。天界で一番、高い場所から星を見上げる2人…。その時、突然、初空は背中から弓矢で射抜かれ、祥雲の目の前であっという間に飛散してしまう。祥雲は呆然、すると戦星が流れ落ち、天界は戦神が滅したと知って悲しみに包まれた。工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工初空を砕魂箭で射抜いたのは修茗だった。修茗は動揺し泣き叫ぶ祥雲を背後から点穴、眠らせて蓬莱(ホウライ)居に閉じ込めてしまう。祥雲が目を覚ますと修茗がいた。するとふと意識を失う前のことを思い出し、自分を抱き止めた仮面の男が″天穹玉(テンキュウギョク)″を持っていたことから、初空を殺したのが修茗だと気づく。「なぜ?!なぜなの?!」「報いを受けたのだ、3万年もこの日を待っていた」驚いた祥雲は滄海の記憶が戻ったと明かし、自分を殺したのは初空ではないと否定する。しかし今は真相を説明している時間はなかった。「すぐに初空を探しに行かなくては…」「すまない、滄海」一方、昊軒は人払いしてから結界を張って鍛錬していた。…初空はすでに消え、この世で私を阻む者はいなくなった、7つの金丹を集めて滅妖陣を動かし、妖王の力を私に加えれば、この世は全て我が物となる…修茗に監禁された祥雲は未だ初空を失った現実を受け入れられずにいた。その時、ふと初空の言葉を思い出す。…そうかもな、ずっと前から…すると手首でうっすらと光っている牽糸引(ケンシイン)に気づいた。確か結ばれたどちらかの元神が消滅し、魂が飛散すると牽糸引は切れるはず…。「初空はまだ生きているのね」冷静になった祥雲は始めから初空の計画だったと分かった。その夜、祥雲は差し入れを届けに来た修茗に牽糸引を見せた。「初空は生きてる…3万年前も今もあなたはむやみに人を殺したりしない 3万年前、初空は無実と分かっていた だから2人でひと芝居打ち、私を閉じ込めた、私を守るためね」「行って」すると修茗は門の封印を解いた…初空が3万年前から戻って来たあの日瀟雲(ショウウン)殿で待ち構えていた修茗は初空から2つの件を頼まれた実は無界に落ちた滄海の霊力を取り戻すため、詭(キ)界へ行って妖王の力を得たいというすると初空は砕魂箭を完成させるため、自分の古の元神を取り出して渡した『私が本当に殺すと思わないのか?』『できるのか?』修茗は何も言えなかった『で祥雲には?』『それが2つ目の頼みだ』…その頃、流れ落ちた戦星の元神は詭界にいる白猫の身体に宿っていた。祥雲は紅線翁(コウセンカク)に初空が生きていると明かし、探しに行きたいと訴えた。紅線翁はそんな一大事なら昊軒に相談すべきだと諭したが、祥雲は天界で信じられるのは紅線翁だけだという。「戦神の初空を天界で襲うなんて相当な身分のはずよ…ねえ、どうやって探せばいい?」「2人の元神を結びつけている牽糸引があるじゃろ?」「はっ!そうだった!」祥雲は早速、牽糸引をたどり、初空の転生先を突き止めた。するとこの世の外にある凶悪な妖族が巣食う詭界へ行ったと分かる。詭界は神仙にとって禁足の地、紅線翁は霊力の弱い祥雲など妖族の餌食になるだけだと猛反対したが、祥雲は譲らなかった。「生死を共にし、永遠に離れないと誓ったの」紅線翁は止められないと気づき、念のため駆毒(クドク)丸・霹靂(ヘキレキ)弾・催眠散(サイミンサン)・隠身(インシン)符を持たせ、かつて狐妖から手に入れたかんざしを髪に挿した。「これを挿せば妖族に成り済ませる、取ってはならぬぞ」「分かった、ありがとう」ここは詭界にある妖王府。妖王は昊軒に″妖王の力″を献上すべく長老に掛け合っていたが、また修行を断られた。「私がふさわしくないとでも?!」激怒した妖王は配下に八つ当たりしていたが、そこへ白髪の妖魔が現れ、呆気なく殺されてしまう。すると妖王の印である指輪が外れ、新しい妖王の手に移った。妖族では強者が妖王の座につく決まりだった。不問(フブン)長老と狂龍(キョウリュウ)長老は初空を第6代目の妖王と認め、拝礼する。そこで初空は妖王の力をもらえるか聞いた。「大王に就いたばかりなのに時期尚早では?時機が来たらお渡しします」詭界ができて3万年、初代の妖王・蠍妖は掟を定め、長老の職を設けて妖王の力を司らせていた。これも牽制し合うことで妖王に力を持たせ過ぎないようにするためだろう。しかし2代目以降、妖王の力を得た妖王は1人もいなかった。初空は妖族の間で狂龍長老が妖王の力を独り占めしている噂だと嫌味を言ったが、不問長老は誤解だとかばう。「大王、狂龍長老は誓いを立てました、不純な思いを持てば元神は消え去ると…」当時、妖族は他族から相手にされず、辱めを受けていた。しかし蠍妖がある人物の助けで詭界を作り、結界を張って他族を遮断、そのため神仙も容易に踏み込むことができない。むしろ霊力の強い神仙ほど詭界に踏み込んだ時の反動が大きかった。おかげで妖族は安住の地を得たが、ある時、妖猫(ヨウビョウ)族が私欲のため結界を破り、詭界を守ろうとした蠍妖は命を落としてしまう。それ以来、見掛け倒しの妖王が続き、長老が妖王の力を授けることはなかった。狂龍長老は新しい妖王から一筋の希望を感じていた。しかし今はまだ妖王の力を授ける時ではないという。実は妖王の力を習得するには大きな代償があった。「それは情愛を断つことです、愛する者の全てを忘れること」「私はすでに情愛を断ったぞ?」「それが本当か嘘か、私には断じかねます」「ではゆっくり見極めてもらおう」妖王府で第6代目妖王の継承式が始まった。妖王に忠誠を誓う長老と各部族たち、すると狂龍長老が妖王に贈り物があるという。そこへ侍女たちが1人の舞姫を連れて来た。「祥雲です、大王にご挨拶を」「…どこから来た?目が汚れる」つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャア!白髪も似合うけど、白猫もピッタリだわwでも猫妖は敵なのに大丈夫なの?と思ったら、初空の真身は分からない設定でした( ̄▽ ̄;)
2024.08.09
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第31話摩羅(マラ)帝宮本殿。明月(メイゲツ)の力を得た昊軒(コウケン)は六界の盟主となるべく、次に滄海(ソウカイ)の霊力を狙った。「皆の者、魔女を殺せ!」すると麒麟(キリン)兵が現れ、滄海と護法・錦城(キンセイ)に襲いかかる。強大な霊力を誇る滄海にとって一介の天兵たちなど敵ではなかったが、昊軒が背後から滄海を狙った。しかし錦城が咄嗟に飛び出し、帝君を守って昊軒の一撃を受けてしまう。滄海は結界を張って閉じこもり、自分の霊力で錦城を助けようとした。しかし死期を悟った錦城は帝君を制し、必ず明月を救って欲しいと懇願する。「私が詫びていたと…お伝えください」すると錦城はそこで気を失い、倒れてしまう。滄海の怒りが爆発、激しい気で結界を破り、麒麟兵たちを吹き飛ばした。すると激情に駆られた滄海の目が血気で赤く光り、額に元神の印が浮かび上がる。「いいだろう、見せてもらおうか、お前たち姉妹のどちらが強いのか」昊軒は明月の邪気で我が身を守った。しかし滄海の霊力がわずかに勝り、宝剣の剣先がついに昊軒の胸に到達する。その時だった。『姐姐…』明月の声を聞いた滄海は昊軒に妹の姿が重なり、一瞬、手を止めてしまう。その隙をついて昊軒は一撃を放ち、滄海は激しく床に打ちつけられた。「滄海、私がお前の力も全て取り込んだらどうなるかな?」驚いた滄海は姿を消したが、昊軒もすぐあとを追った。滄海は無界の崖へ逃げたが無駄だった。すぐ昊軒が現れ、深手を負った滄海にじりじりと迫る。『姐姐!私を早く殺して!もう殺しはたくさんよ!』明月は昊軒に取り込まれながらも、自分の邪気を使わせまいと抵抗した。しかしそれも一時のこと、昊軒は弟に免じて楽に死なせてやるという。その時、人間界にいた初空が戻って来た。「やはり兄長か…」初空は滄海の前に立ちはだかり、兄と対峙した。「見られては仕方ない、初空、今までならお前には勝てなかっただろう だが今は違う、私は明月の力を得たのだ…それを試そう」昊軒は明月の邪気の力で攻撃、金の麒麟である初空でさえ身を守るだけで精一杯だった。滄海は劣勢を強いられる初空の背中を見ながら覚悟を決めた。…明月の力があるのなら初空が危ないその力は私と同源、だから私が死んだら明月の力も永遠に消えるはず…すると滄海は急に崖っ縁に向かって走り出した。「小棠(シャオタン)!馬鹿なことをするな!」「初空、どうか長生きしてね、生き延びてこそ望みがある」「私と添い遂げると言ったな…ゥッ……君は約束したはずだ…(´ ° ཀ°)グッ!」「ごめんなさい、またあなたを騙して…でもこれが最後よ」その時、初空は全身全霊で兄の邪気を跳ね返し、滄海を追いかけた。「小棠nnnnnnn!不要啊aaaaaa!不uuuuuuu!」初空は精一杯、手を伸ばし、身を投げた滄海の腕をつかんだかに見えた。しかし腕は初空の手をすり抜け、滄海はそのまま無界へ吸い込まれてしまう。「不uuuuuuu!小棠nnnnnnnn!」♪我的愛你明白~ (꒦ິ⌑꒦ີ)ダー!初空の手元に残ったのは虚しくも敗れた薄絹の切れ端だけだった。すると昊軒の身体からも明月の霊力が消滅してしまう。一方、滄海は落下しながら、祥雲(シャンユン)の記憶を取り戻していた。…初空、これが私たちの定めなのね…そしてついに滄海の身体が消散、しかし金の麒麟が滄海の元神を追いかけて行った。初空は滄海を失って絶望し、そのままうなだれていた。するとふいに祥雲との歴劫の記憶が蘇る。…これが3万年前の真相だったのか、いつも記憶を消され、同じことの繰り返しだ…しかし今回は天機盤(テンキバン)を持っていた。昊軒は元神を損なった弟の記憶を消したが、初空は危ないところで後ろ手に招喚した天機盤を操作することに成功する。その時、慌てて修茗(シゥミン)が駆けつけた。「修茗殿下、帝休(テイキュウ)族の敵は討った」足元には滄海の衣の切れ端を握りしめて倒れている初空の姿があった。祥雲が天界に戻った。額には一瞬、滄海の印が浮かび上がったが、すぐ消えてしまう。紅線翁(コウセンカク)はどこへ転生したのか、いつ戻るのかも分からなかった祥雲の無事な姿に安堵した。すると祥雲は思いつめた様子で長寧宮へ行ってしまう。初空と祥雲の転生場所は誰も知らなかった。神君から詳細を聞かれた祥雲は意を決して何か言おうとしたが、ちょうど天界へ戻った初空が現れ止める。「祥雲…自重しろ」…確かに今の私に滄海の霊力はない、無茶はできないわ…そこで祥雲は孫(ソン)天王のひどい筋書きのせいで悲惨な死を迎えることになったと嘆いて見せた。昊軒は元神が復活していない初空を怪しんだが、初空は七星連珠(シツセイレンシュ)で時空が乱れ、渡劫の際に命を落としかけて歴劫が失敗したとごまかす。「何より無事に戻れてよかった、次はもっと慎重にな」「恐れ入ります、では」初空は祥雲を連れて瀟雲(ショウウン)殿に戻った。「なぜ私を待たずに行ったんだ、危険すぎる」「ごめんなさい」「信じれくれ、約束する、滄海の潔白を明かし、李(リ)天王の敵を討つ そのためにも慎重に考える必要があるんだ」祥雲も頭では理解していたが、摩羅族の3万年の苦労を思うと胸が痛んだ。その時、ふいに海棠の花吹雪が舞う。「私たちの縁は3万年前に結ばれたの?それとも修行で?考えてもいつだったのか分からない」「いつであれ私たちは巡り会う運命だった」「だけど…多くのことが解決していない」「摩羅族の名誉を回復し、婚礼を終わらせよう」初空は昊軒が神託を改ざんしたのなら必ず左腕から心の臓にかけて″厄誅(アクチュウ)痕″があるはずだと気づいた。その頃、摩羅山では錦蓮(キンレン)が父の最期の姿を思い出していた。当時、錦蓮は双子の妹・錦蘿(キンラ)と一緒に本殿で虫の息となった父を発見している。錦城は息子に妹の面倒を見て、帝君と摩羅族を守るよう頼んで消散してした。すると歴劫を終えた初空が天機盤を返しにやって来る。初空はまだ摩羅族の潔白を示す証しが見つからないと正直に報告した。落胆する錦蓮だったが、そこへ歴劫で小師妹だった小祥(シャオシャン)が現れる。「いや、小祥ではないな?何者だ?」「私は祥雲、3000年前は彩雲でかつては摩羅族だったの」錦蓮はまた何か企んでいるのかと疑ったが、祥雲の話を聞いて顔色が一変する。「病弱だったのに大きくなったわね 昔、錦蘿をかばってあなたが殴られ泣いた時、私が相手を追い払ったわ あなたは父親(フーチン)には言わないでと懇願し、指切りしたでしょう?忘れたの?」「(はっ!)帝君!」すると錦蓮は拝礼し、帝君と共に摩羅族を率いて再興を果たすと誓った。初空が摩羅山から戻ると修茗が瀟雲殿で待っていた。「3万年前に戻ったのだろう?証しは見つかったか?」「…見つからない」「認めたくないだけだろう?」「だったら私を殺すか?」「殺せないと思うのか?」一方、滄海と再会を果たした錦蓮は錦蘿と紫輝(シキ)の捜索を打ち切った。…父親、どうか摩羅族を見守ってください、必ず昊軒に血で償わせます…初空は兄の腕の厄誅痕を確認すべく、六界の情勢をまとめた報告書を兄に献上した。しかし報告書を受け取った兄の左腕に厄誅痕は見えない。実は初空が訪ねてくる前、昊軒は青雪草(セイセツソウ)の薬湯を飲み、痕を抑えていた。孫天王は長寧宮に駆けつけ、修茗が古の神器を鍛えていると報告した。「砕魂箭(サイコンセン)ではないかと?」驚いた昊軒はすぐ修茗を呼びつけ、天界で邪悪な神器を鍛えるなど許されないと叱責する。「このことを知るのはまだ私だけ、もし他の者に知られれば罰は免れぬ」「…分かりました、すぐ対処します」つづく( ๑≧ꇴ≦)ノ<不uuuuuuuuuuuuu!
2024.08.08
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第30話【摩羅(マラ)女帝が魔に落ちて世を滅ぼす】思わぬ神託が下り、真偽を確かめるべく麒麟(キリン)王宮へ戻った初空(チュコン)。すると昊軒(コウケン)が現れ、初空に摩羅帝宮に戻らないよう強要した。しかし初空は滄海が神であれ魔であれ決して裏切らないと反発、兵士たちを退け帰ってしまう。…初空、すでに神託は下った、滄海と摩羅族は間違いなく六界の敵となる、そして私が麒麟族を率いて六界の盟主となるのだ、天下を私の足元にひれ伏せさせる!(๑•̀ㅂ•́)و✧…一方、摩羅公主・明月(メイゲツ)は護法・錦城(キンセイ)から滄海との接触を絶たれ憤った。そのせいで邪気が抑えられなくなり、錦城の説得にも耳を傾けなくなってしまう。「どうせ私は捨て子、好きに生きて死ぬわ!」神託の噂を聞いた修茗(シゥミン)が滄海を心配して駆けつけた。滄海は六界を束ねる摩羅族に挑める者などいないと強がったが、未だ初空が戻らず不安が募る。「初空がいなくても私がそばにいます」「…殿下、私の夫人なら心配には及ばない」その声は初空だった。実は初空は婚儀の前に山荘を片付けていたので遅くなってしまったという。すると修茗は安堵し、潔く滄海を初空に託した。「滄海を幸せにしてくれよ」そんなある日、錦城の双子の子供が突然、血を吐いて昏倒した。追い詰められた錦城は昊軒を頼ったが、昊軒は双子を救えるのはこの世で初空だけだと明かす。「天下で唯一の生まれながらの金の麒麟は元神を癒す力を持っている 双子を助けたいのなら初空のところに行くんだな」錦城はようやくこれが初空を陥れる昊軒の巧妙な罠だったと気づいた。しかし昊軒は選択したのはあくまで錦城自身だという。「私は良かれと思って霊薬を渡しただけ、子供が飲むかどうかは知らなかった それに初空は弟なのになぜ私が害する必要が?( ̄ー ̄)フッ」全てが昊軒の計画通りに進んでいた。初空のこと、錦城に泣きつかれれば必ず手を貸すだろう。しかし初空の元神が傷つけば滄海が黙っているはずがない。…そうなれば私の企ては誰にも止められない…昊軒にそそのかされた麒麟王は初空と女帝の縁談で麒麟族まで巻き込まれることを恐れ、すぐ出兵するよう指示、摩羅族に異変があった時は昊軒に一任すると命じた。その夜、初空と滄海は人間界で2人だけの婚礼を迎えた。「生涯、離れず、生死を共にして悔いを残さない」2人は誓いを立てて夫婦の杯を交わした。すると滄海は以前、姻縁廟で買った牽糸引(ケンシイン)を招喚し、自分の元神を込めて初空に贈る。「これを手に結べばどこにいても見つけられるわ」そこで初空も一条の元神を引き抜き、牽糸引に加えた。「これなら来世も来来世も来来来世でも見つけられる!」「共に手を取り合い…」「年老いるまで…」初空と滄海が手を握り合い唇を重ねると、牽糸引が2人の手首に巻きついて永遠の縁を結んだ。その時、突然、中庭から錦城の悲痛な叫び声が聞こえて来た。「帝君!二殿下!お助けください!」初空と滄海が門を開けると錦城が昏倒した錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)を連れて立っていた。「初夜を邪魔して申し訳ありません…どうか子供たちをお助けください!」驚いた初空はすぐ子供たちを部屋に運び、金の麒麟で双子の元神を癒した。しかし力を使い過ぎたせいで自分の元神を損ない、倒れてしまう。その頃、昊軒は錦城の留守を狙って深海の結界に入った。やがて暗闇から明月が現れる。「なるほど、滄海とうり二つだ」「あなたは誰?錦城はどこ?」「私が誰かはどうでもいい、大事なのは私と一緒にここから出るかどうか… これがたった一度の機会になるだろう、決めるのはあなただ」昊軒は3000年以上も暗闇で独りきりだった明月の心の隙間を上手く突いた。「…行くわ!」すると昊軒は明月を助ける対価として3つの願いを叶えて欲しいと条件を出し、契約符を招喚した。明月は迷っていたが外界への誘惑に負け、魂の契約を結んでしまう。「まずはひとつ目だ、帝休(テイキュウ)族を皆殺しにしてもらおう」滄海にうり二つの明月が摩羅族に忠実だった帝休族を滅ぼした。明月の存在を知らない世間は摩羅の女帝が魔に落ちたと誤解、昊軒は2つ目の願いも成し遂げられたと喜ぶ。「では3つ目は何?」「…それはお前の力を捧げてもらうことだ」明月は魂の契約を結んだせいですでに昊軒から逃れることができなかった。すると昊軒から邪気の力を全て吸い取られ、消滅してしまう。その頃、滄海は初空の元神を自分の霊力で癒していた。すると急に胸を刺すような痛みを感じ、まるで身体の力の半分を奪われるような感覚に襲われる。錦城は明月の身に何かあったのではと気づき、ついに滄海に事実を明かすことにした。「帝君、その異変は明月公主が関わっているのやも…」「明月?明月とは誰なの?」摩羅族の王族は代々、双子が生まれ、滄海も例外なく双子の姉妹だった。しかし呪われた王族ゆえ男女の双子なら問題ないが、同性の双子の場合、一方は神で一方は魔として生まれてくるという。本来は滄海の力と通じる前に明月を滅する必要があったが、先帝は娘を殺せず、密かに錦城に幽閉させていた。「私が子供たちを救いたいと焦ったばかりに… 昊軒にはめられ、明月公主の居場所を教えてしまったのです 神託も昊軒の陰謀かもしれません」その時、初空の手がわずかに動いたが、滄海は気づかなかった。滄海は初空を人間界の山荘に残し、錦城と一緒に急いで摩羅帝宮に戻った。しかし深海の結界の中に明月と昊軒の姿はない。滄海は明月が書卓に残して行った家族4人の絵を見ながら、夢の中で自分とうり二つの娘に会ったこと思い出した。その時、滄海は再び胸が苦しくなり、明月の力が全て奪われたことに気づく。「明月公主の力は帝君と同源、誰もかなわない もし昊軒が手に入れたのなら…この世が危うくなります!」昊軒が本殿で待ち構えていると、予想通り滄海と錦城が現れた。すでに明月の力を我が物にした昊軒、これで滄海の力も手に入れば金の麒麟など敵ではない。「お前は錯乱し、罪のない者を殺した 帝休族は摩羅族に忠誠を尽くして皇子を人質として送ったのに、残らず殺し尽くすとは… 神託通りだな、世を滅ぼす魔女め!」「よくぞまあそんな君子面できるわね!」滄海は明月を返すよう迫ったが、昊軒は明月とは誰かとしらばくれた。確かに滄海に姉妹がいることを知っているのは自分たちだけ、すると昊軒は麒麟族が先頭に立って戦うと宣戦布告する。「魔女を殺せ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)盛り上がってまいりました~!
2024.08.02
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第29話無謀な鍛錬のせいで倒れた修茗(シゥミン)。初空(チュコン)の元神の力で事なきを得たが、滄海(ソウカイ)は護法・錦城(キンセイ)からその原因が自分にあると指摘されてしまう。そこで滄海は元神を養う摩羅(マラ)族の神器・天穹玉(テンキュウギョク)に自分の力を入れ、修茗に贈った。「修茗、私はずっとあなたを弟だと思って来た、その気持ちはこれからも変わらない」昊軒(コウケン)が麒麟(キリン)宮に戻ることになった。初空は父への口添えを頼んで見送ったが、別れ際、兄から滄海にとって帝休(テイキュウ)族の皇子は大きな位置を占めていると警告されてしまう。「ご心配には及びません、では…」昊軒は弟をわざと嫉妬させ、ほくそ笑んだ。すると初空と入れ違いで錦城が現れる。錦城は昊軒からもらった霊薬のおかげで双子が元気になったと報告し、薬を譲って欲しいと懇願した。そこで昊軒は対価として摩羅族の内情を知りたいと言ったが、錦城は摩羅族を裏切ることはできないと拒否する。「無理強いはしませんよ…もし気が変わったらご連絡を」初空が庭園に駆けつけると、ちょうど滄海が修茗に天穹玉を与えているところだった。「待て!…元神なら私が癒せる!」結構だ!>(,,Ծ‸Ծ,,)( ≧ꇴ≦ )<ダメよっ!滄海と修茗に拒否され立つ瀬がない初空。すると滄海は修茗に意地を張らず天穹玉を必ず身につけるよう命じ、初空にもむやみに癒しの力を使って元神を損なわないよう釘を刺した。「分かった、お前の同意なしには使わないと約束する、怒らないでくれよ…」(」゚ロ゚)」<俺が悪かったヨォォォォォォォ~!初空は滄海の機嫌を直そうと大きな声で謝罪、滄海は思わず失笑した。( ゚ェ゚)あ、長公主と将軍の歴劫の時、祥雲が大声で話しかけたネタってこれか〜後から出してくるって上手いね修茗は滄海が初空に向けた笑顔を見て驚いた。…滄海が私にあのように笑ったことはない、滄海への執着を捨てるべき時が来たのか、初空が滄海の落ち着き先なのかもしれない…( °◊° )意外と物分かりが良い修茗nnnnnn我が子の命と忠誠心の板挟みに苦しむ錦城。封印された公主は差し入れを届けに来た護法の異変に気づいて心配したが、錦城は双子の話ではぐらかし、戻ってしまう。そんなある日、すっかり元気になった錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)が急に倒れた。錦城は双子を救うため、昊軒からもらった伝令麒麟を放ってしまう。一方、昊軒は父から神託を取り仕切るよう命じられた。配下はこれで族長の座も確実だと喜んだが、昊軒は気まぐれな父を簡単には信用できない。その時、護法からの連絡が届いた。「…全てを知る者がやって来た、ふっ」錦城はまんまと昊軒の罠にはまった。当初は霊薬と引き換えに初空の消息を伝えることが条件だったが、次の霊薬が欲しければ昊軒のために働くよう迫られてしまう。「ほんの些細なことだ、昔のことを知りたい、深刻に考えるな ただ誓いを立ててもらう、もしお前が私を欺けばあの双子は魂が飛散し、元神も失われる」すると昊軒はあの日、庭園で見た不思議な力は誰のものか聞いた。錦城は口をつぐんだが、それが答えだと見透かされてしまう。「摩羅族の王族は代々、双子、滄海が1人娘のはずがない 男女の双子なら隠す必要がないから答えはひとつ、あの強い不思議な力の源はもう1人の… ふふ、ご苦労だった」昊軒は護法に感謝し、霊薬を渡して帰った。滄海は庭園で居眠りしながら夢を見ていた。…あなたは誰?なぜ私にそっくりなの?なぜ何も話さないの?…娘は笑顔で滄海を眺めていたが、急に消散してしまう。「小棠(シャオタン)?」滄海は初空の声で目を覚ました。「夢を見ていたのか?」「私とよく似た女子の夢だった…あまりにも姉妹が欲しいせいね、ふふ」初空はそれより婚礼の話をしようと切り出した。すると滄海は人間界で暮らした山荘で2人きり、静かで素朴な婚儀を行いたいという。幼い頃から華やかで精緻(セイチ)な宮殿で育った滄海にとって山荘で身分から解放された自由な日々は何より幸せだった。しかし昊軒から一向に返事がなく、やはり身分を捨てての婚姻に両親が反対しているのかもしれない。「もしそうだったら私を諦める?」「世界を敵に回しても君を選ぶ!(๑•̀ㅂ•́)و✧」その頃、深海の結界に入った錦城は自責の念に苛まれていた。『錦城、そなたに明月(メイゲツ)を託そう、決して誰にもその存在を知られるな』『帝君、ご安心を、我が身が消散しない限り明かすことはありません』すると明月が現れた。明月は夢の中で自分とそっくりな女子に会ったと話し、もしや自分の姉妹ではないかという。書卓の上には明月が描いた4人家族の絵があった。しかし顔が分かるのは自分だけ、両親と姉の顔は何も描き入れることができない。「近いうちに彼女と話ができそうなの」「公主、いけません!邪気を抑えるには外界に触れてはならない」錦城は問答無用で霊力を放ち、滄海と明月が夢で繋がらないよう通り道を断ってしまう。「ただ夢で会いたいだけなのに…どうして唯一の家族に会えないの?!」「存在を知られてはならないのです!」その頃、天の星に異変が現れた。ちょうど庭園にいた初空と滄海は天を見上げ、神託が下るのだと気づく。「神託は数万年に1度、この世が滅びるような危機がある時だけ下されるわ」滄海は胸騒ぎがしたが、初空は何が起ころうと滄海のそばにいると約束した。神託が降った。【摩羅王女が魔に落ちて世を滅ぼす】昊軒は″摩羅王女″を指すのが滄海ではなく、あの強い不思議な力の源である滄海の双子の姉妹だと気づく。その時、昊軒は恐ろしい計画を思いついた。表向き摩羅の娘は滄海だけ、双子のもう1人は世に知られていない。神託が告げる″摩羅王女″が滄海なら初空の夫の地位も無駄になり、六界を牛耳る摩羅族も非難の的となる。昊軒はこの機に乗じて族長の座だけではなく、六界の盟主の座まで手に入れようと企んだ。そこで天に逆らって神託を書き換えてしまう。【摩羅女帝が魔に落ちて世を滅ぼす】すると昊軒の腕に″厄誅(アクチュウ)痕″が現れた。…長年、屈辱に耐えて来たのもいつの日か世の主となるため、そのためならどんな代償を払っても惜しくない、至上の高みに登る私を誰も止められぬ…( ̄▽ ̄;)兄さん、エグいわ___初空は政で忙しい滄海の代わりに婚礼衣装を準備した。「どうだ?気に入ったか?」「気に入ったわ!」婚儀を間近に控え、幸せそうな2人。しかしそこに血相を変えた護法が飛び込んで来た。「帝君!大変です!神託がありました!摩羅女帝が魔に落ちて世を滅ぼすと!」「私が誰かに魔に落ちるよう強いられると?」初空はありえないと否定した。錦城も絵空事だと一蹴したが、ふと神託が指すのは明月ではないかと気づく。…古より神託を司るのは麒麟族、もしや…初空は神託をこの目で確かめようと麒麟宮へ戻った。すると驚いたことに神託には本当に滄海が魔に落ちて世を滅ぼすとある。その時、昊軒が現れ、天兵が初空を包囲した。つづく( ゚ェ゚)摩羅宮殿って海底?本殿はブクブクしているけど…って、どうでもいい?w
2024.08.01
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第28話両親に背いても愛する伴侶と生きることを選択した初空(チュコン)。しかし長兄の昊軒(コウケン)に説得され、麒麟(キリン)族の面目を保つために摩羅(マラ)族の女帝と謁見することになった。あわよくば自分が婚姻しようと企む昊軒だったが、思わぬ事実を突きつけられてしまう。…小棠(シャオタン)は摩羅族の女帝だったのか…小棠の正体は摩羅族の滄海(ソウカイ)帝君だった。一杯食わされた初空は帝君と許嫁がそっくりだとチクリ、しかし滄海は悪びれる様子もない。「ものすごいご縁だこと、それならゆっくり滞在なさって」「い~や、ご好意には感謝しますが、度量が狭い許嫁が嫉妬しますので」「そう、なら無理にお引き止めしません」「ピキッ!フン!」初空は意地を張って帰ることにしたが、昊軒が止めた。「弟はまだ若く、礼を失したことはお許しを…」滄海は護法・錦城(キンセイ)に昊軒のもてなしを任せて人払いした。小棠が身分を隠していたと知り、すっかりへそを曲げてしまった初空。しかし滄海は自分が誰であっても好きだと言ったはずだと迫る。「もう心変わり?」「心変わりはそっちだろう?!摩羅族は各部族の子息を招いて婿選びしているくせに あの修茗(シゥミン)だって帝休(テイキュウ)族の皇子じゃないか!」すると滄海は失笑した。「確かに護法が婿候補を集めたけれど、私が会ったのは麒麟族だけよ? それに修茗のことは本当に弟だと思ってる だからこうして自分でちゃんと小麒麟を捕まえたわ!」こうして初空と滄海はようやく本来の身分で顔を合わせ、互いに愛する気持ちに変わりないことを確かめ合った。昊軒はこのまま初空が摩羅族と婚姻すれば族長の座は確実だと憤った。…そうはさせるものか…昊軒は護法と庭園を歩きながら、まさか小棠が女帝とは知らず、初空との縁談を軽々しくまとめてしまったと恐縮した。「破談にしたいのなら麒麟族は従います」「まさか!二殿下は文武に秀で、帝君に釣り合う高貴さ、何より2人は気が合います まさに天が授けた良縁です」笑顔を見せながらその裏で悔しさを滲ませる昊軒、その時、一瞬だが海の方から鋭い風切り音がした。…しまった!公主が成人して最初の満月だ、力を抑えきれないのか?…錦城が動揺していると、昊軒は何かの霊力だと気づいて付近を見渡した。「護法大人(ダーレン)、今のは一体?」「近頃は星の動きが激しく、そのせいでしょう」錦城は適当にはぐらかし、昊軒を客殿へと促した。その頃、初空は修茗と再会していた。修茗は滄海を好きだと認め、滄海だけが自分を蔑まず、真心で接してくれたという。「永遠に彼女を守ると誓ったのだ」初空は小棠を譲れないと釘を刺したが、修茗も簡単には負けないと宣戦布告した。錦城は昊軒を送り届けてから慌てて庭園に戻り、ある岩から結界の中へ入った。実は海底には滄海とうり二つの公主が封印されている。錦城は激しい霊力を放出している公主の姿に呆然、慌てて自らの力を使って鎮めたが、元神を傷つけて喀血してしまう。すると公主が我に返った。「(はっ!)なぜかしら?自分が抑えられない…」「公主、成人すると力が強くなります、抑えるすべを学ばなければいけません」「やってみる」公主のやるせない表情を見ながら、錦城は亡き帝君との約束を思い出していた。『帝君…公主は手はずどおりに…』『公主ではない、摩羅族の公主はただ一人、皇后のそばにいる』『…はい、摩羅族の公主は滄海公主のみ』修茗は政務で忙しい滄海に霊芝(レイシ)の汁物を差し入れることにした。しかし道すがら偶然、侍女たちの噂話を耳にする。「修茗殿下が帝君の夫になると思っていたら麒麟族の二殿下が現れたわ」「修茗殿下は優しいけれどひ弱よ、二殿下のような強い方の方がお似合いよね」実は昊軒はすでに摩羅族を探らせていた。摩羅族の元侍従に接触した密偵の報告では、摩羅族の王家は代々双子が生まれるという。異性の双子の場合は問題ないが、同性の場合は1人だけ残すとか。しかし滄海帝君だけは例外的に独りで生まれていた。政務に追われ、なかなか初空と過ごす暇がない滄海。ようやく時間を見つけて初空の顔を見に行ったが、実は初空もある問題を抱えていた。「…つまり金の麒麟であるあなたに族長を継がせたいのね」「族長の座を兄長と争う気はないんだ、長子が後を継ぐべきだから」しかしこのまま滄海と婚姻すれば誰もが初空を次の族長だと目するのは必至、兄の顔を潰してしまうという。「天下に婚姻を告げたら面倒なことになる、相手が麒麟族の皇子ではだめだ」「じゃあ私が一目惚れした名もなき英雄ならいいのね?ふふふ」すると初空は滄海の手を握りしめた。「生涯、離れない、共に星空を見上げ、どこまでも旅をし、白髪になってもそばにいるよ」「いつまでも私の心は変わらないわ」初空は早速、兄に報告した。昊軒は身分を捨てるという初空の決断に驚きを隠せず、何より父が初空と女帝との婚姻を切望しているという。しかし初空の決意は固く、両親の説得を兄に頼んだ。「私が政を嫌いなのはご存知でしょう?族長なんてなりたくない、どうか力を貸してください」「仕方がない、私が話してみよう」その夜、滄海は夕餉の席で婚姻に協力してくれる昊軒に心から感謝した。初空はふと修茗の姿を見ていないと気づいたが、錦城の話では独りでどこかへ出かけたという。「誰もついてくるなとおっしゃって…」その時、修茗皇子が大変だと報告がきた。修茗は密かに鍛錬して倒れていた。「百草の力を取り込もうとして反噬を受けたのね…」滄海は霊力で助けようとしたが失敗、すると初空が自分の元神を使って癒してくれた。おかげで修茗は無事に意識が戻ったが、助けてくれたのが初空だと気づいて複雑な心境になる。「…お前は金の麒麟、元神で傷を癒せる、だがそのために元神を消耗するのだろう?」その時、それまで修茗を心配していた滄海が慌てて初空に駆け寄った。「大丈夫なの?!」「それほど弱くない、休めば元に戻るよ」夕餉が途中でお開きとなり、錦城は昊軒を見送ることにした。昊軒は道すがら錦城の双子の子供の話を聞いたと切り出し、たまたま入手した霊薬があるので使ってはどうかと勧める。錦城は感謝したが、実はこれまで色々な霊薬を試しても無駄だったと明かした。「どうかお持ち帰りください」「試すだけでも…もしかすると効くかも知れません」錦城の子供たちは生まれつき元神が弱かった。遊ぶことも術を学ぶこともできず、ただ屋敷にこもって静かに暮らすしかない錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)。しかしその夜、昊軒からもらった霊薬を試しに飲ませてみると、驚いたことに2人は身体に力がみなぎり、飛んだり跳ねたりできるようになった。翌日、錦城は朝議に出てもどこか上の空だった。滄海は散会後に錦城だけ呼び止め、子供たちのことが心配なのかと尋ねる。しかし錦城は昊軒からもらった薬のことは明かさなかった。「それより修茗殿下の具合は?」「百草の力を取り込もうとして元神を損なったの、でも事なきを得たわ」「殿下がそのようになったのは恐らく帝君のためかと…」つづく( ゚ェ゚)なるほどね、パパは掟を破って2人とも助けたのね残り10話、展開が気になる!
2024.07.28
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第27話小花妖を救うため蠍妖の毒消しを探しに出かけた初空(チュコン)。滄海(ソウカイ)は山荘で独り仙友の帰りを待っていたが、思いのほか早く初空は戻って来た。しかしどこか仙友の様子がおかしい。「とにかく部屋に入ろう」初空は小花妖に解毒薬を飲ませ、事情を説明した。実は妖魔退治のせいで恨みを買い、妖族が総出で自分の排除に乗り出してきたという。「私と一緒にいたお前も仲間だと見なされる、だから…当分ここから出ないほうが良い」「来るなら来なさい、誰が死にたいか見てやるわ!」「じゃここにいてくれるんだな!╭( ・ㅂ・)و ̑̑ yes! 」初空は小花妖を引き止めることに成功した。しかし仙友の嘘に気づいた滄海は、自分に助太刀させる魂胆かと追及する。「いや…そうではなくて…」なかなか素直になれない初空、すると滄海は煮え切らない仙友にいきなり口づけした。どうやら全て見透かされていたらしい。「…策を講じたのに失敗したか」「失敗したけれど、おかげで大事なものを手に入れたでしょう?ふふ」実は2人は互いに相手の素性など関係なく、初めから不思議な縁を感じていたと分かる。「お前が古の女神だろうと小花妖だろうと関係ない、お前が好きだ!」↓何気にペアルックが可愛( ˶´꒳`˵ )こうして互いの気持ちを確かめ合い、仲睦まじく暮らし始めた初空と滄海。初空のおかげで剣術が上達した滄海はお返しに得意の土笛(ツチブエ)を教えることにした。しかし初空はまともに音を出すこともできない。「どうやらあなたにもできないことがあるのね~ふふ …この土笛は父が教えてくれたの、この音を聞くと懐かしい気分になると言ってた 両親が亡くなってから寂しくなるといつもこれを吹くの」「私がそばにいる、私が…」初空は何か言おうとしたが、その時、麒麟(キリン)の伝令符が届いた。初空は長兄からの文を読むと険しい表情になった。摩羅(マラ)族の女帝に謁見するため帰って来いという。…招待状を受け取ったのは部族の子息だけ、まさか彼が麒麟族の二殿下なの?…滄海は思いがけず初空の素性を知った。しかし初空は小花妖を心配させまいと女帝には会わないと断言、幼い頃から政と向き合ってきた女帝など頭が固く独善的で横暴に違いないと口を滑らせてしまう。「私は縛られるのが嫌いなんだ、そんな惨めな夫になってたまるか!」すると急に小花妖の機嫌が悪くなった。「なぜ怒ってるんだ?」「怒ってません」「怒ってる」「怒ってない!」「お、おう」一方、錦城(キンセイ)と修茗(シゥミン)は帝君が人間界にいると突き止め、霊力を頼りに滄海の居場所を探していた。夜になっても滄海は悶々としていた。露台に上がって独り、仙友から言われた自分の悪口を思い出しては無性に腹が立つ。そこへ恐る恐る初空がやって来た。「兄長には好きな女(ヒト)が出来たから女帝には会わないと伝えたよ」初空はこうして遊歴しながら妖魔を討つのが幼い頃からの夢だったと明かした。しかし実はもう1つ、願いがあったという。「ずっと探していた、そしてやっと見つけた」「あなたも同じ?私も初めて会った時、なぜかとても懐かしく感じたわ」「私も…(あ!)流星だ!」「流星に願い事をすると望みが叶うらしい!今回ばかりは信じてみるか」初空は小花妖と手をつないで願を掛けた。「この先もずっとお前と2人で寝ても覚めても一緒にいられますように…」すると滄海は思わず初空に口づけする。「私は一生あなたと離れない」「よし!これからは千年万年いつまでも何が起きようとずっと一緒だ」「うん!…見て!あの雲、海棠の花に似ているわ!」「そう言われればそうだな!」「人間界では″人は皆、死ぬと星になる″という言い伝えがあるそうよ 私は嫌だな~昼は隠れて夜に出ても面白くないもん それより私は死んだら雲になりたい、自由にどこへでも行けるから」「またそんな事を~お前と来たら!お前には私がいる、誰もお前に触れさせない」「分かってるって〜ねえ、私が誰であったとしても変わらず私が好き?」「少爺、嘘つかない!」「その言葉、忘れないで、後悔しないでよ?後悔なんてさせないけど」「この少爺、後悔などしたことはない!(はっ!そうだ!) さっきの願い事の時、目を閉じていなかっただろう?もう一度やり直そう」滄海は素直に目を閉じて改めて願掛けした。その間に初空は運命の相手を守るため、護神(ゴシン)呪をかけることにする。…私、麒麟族初空が麒麟族の名において戦星の元神の力を招喚する、私の愛する者を守れ…♪我的愛你明白~小さな金の麒麟が現れ、夜空を駆け上がり元神の力を呼んで戻って来た。すると滄海の額中に金色の封印が現れる。その時、ちょうど願い事を済ませた小花妖が目を開けた。「生涯あなたに決して背かない」初空は滄海の額中にそっと口づけし、元神の力で封じて愛する人を守った。(* ̄0 ̄)θ~♪為愛~為愛~唯愛~そんなある日、弟を説得するため麒麟族の大皇子・昊軒(コウケン)が山荘にやって来た。…本来なら長子の私が摩羅族と婚姻すべきなのに…そんな弟への嫉妬などおくびにも出さず、昊軒は初空と笑顔で再会した。「兄長、彼女が小棠(シャオタン)です」「こんにちは」すると滄海は兄弟で積もる話もあるだろうと席を外すことにした。昊軒は将来の麒麟族の族長として摩羅族との婚姻は務めだと弟に言い聞かせた。父は金の麒麟である初空が一族を栄光に導くと信じているという。しかし初空は束縛されるのを嫌い、両親が納得しないのならこのまま小棠と山荘で暮らすと言い放った。中庭にいた滄海は初空の決意を聞いて嬉しかったが、その時、ふと摩羅族の霊力を感知してこっそり出かけてしまう。錦城と修茗はようやく滄海を見つけた。滄海は全てが済んだら戻ると言って追い返そうとしたが、2人は帰ろうとしない。「帝君の恩人なら摩羅族の恩人も同然、お礼を言わなければ…」その時、急に修茗が咳き込んでしまう。「あなたは身体が弱いんだから早く戻りなさい」「病弱ですが、そこまで悪くありません!」しかし思いがけず滄海を探しに来た初空に見つかってしまう。「小棠!どうした?!…何者だ?私の土地で勝手をするな!」シャンタン?(*´・ω)(ω・`*)いやそれスープ滄海は仕方なく家職の錦城と幼なじみの修茗だと紹介した。小棠の家族だと知った初空は安心して自ら許嫁だと名乗ったが、錦城と修茗はともかく帰ってから話し合おうと滄海を説得する。すると運悪く昊軒までやって来た。「まあまあ~立ち話はやめてどうぞ中へ…」その夜は昊軒だけでなく、錦城と修茗まで山荘に留まることになった。修茗は本当に初空が生涯の伴侶なのかと戸惑いを隠せなかったが、滄海は初空と出会って初めて人を愛する気持ちが分かったという。「彼のそばにいる時が人生で一番の幸せよ、あなたは一番大事な家族、だけど彼とは違う」一方、昊軒も婚姻を独りで勝手に決めた弟を戒めていた。初空は長兄も反対なのかと落胆したが、昊軒は手助けしてもいいという。「その代わり摩羅族の女帝との謁見に私と一緒に行ってくれ 婚姻のためではない、摩羅族からの招待を何の説明もなく断れば両族の仲に亀裂が入る」昊軒は自分が全て取り仕切ると安心させた。初空は小棠に何と説明しようか考えながら部屋に向かった。するとちょうど滄海が部屋から出てくる。「話が…実は摩羅帝宮に行くことになった、あ、形だけで兄長も一緒だ 惚れられないよう頑張る!(๑•̀ㅂ•́)و✧」「信じてるわ、実は私も一度、家に帰ることにしたの」「そうか!じゃあ、戻ったら正式に挨拶に行くよ…ん?…お前の家ってどこだ?」「ぁ…家に戻って婚姻の話をしたら知らせるわ、縁談の申し込みに来てね」しばらく会えなくなるというのに、やけにあっさりしている小棠。初空は思わず名残惜しくないのかと嘆いた。「ふふ、すぐに会えるかもね…」初空は昊軒と摩羅帝宮を訪問、滄海帝君と謁見した。視線を落とし、なるべく顔が見えないよう気をつけながら拝礼する初空、しかし先に顔を上げた長兄の顔色が一変する。つづく( ๑≧ꇴ≦)そうか!だから祥雲には護身呪がかからなかったのねやだ胸熱w
2024.07.26
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第26話摩羅(マラ)族の女帝・滄海(ソウカイ)の1日も早い婚姻を願う護法・錦城(キンセイ)。人質とは言え帝休(テイキュウ)族の修茗(シュウメイ)とは幼なじみで仲が良く、錦城は2人に縁があればと期待した。しかし滄海にとって修茗は弟のような存在だという。錦城はならば各部族の子息を招いて見合いさせようと決めたが、滄海は話題を変えた。「それより錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)の具合はいいの?」錦城の双子の兄妹は生まれつき元神が弱く、色々と薬を試すも効果がなかった。「摩羅の王族は必ず双子が生まれるのに私だけなぜか1人… 私にも兄弟がいたら護法の小言を独りで聞かなくて済んだのに、ふふ」見合いを嫌がる滄海は各部族の使節が来るのに乗じ、こっそり人間界へ逃げ出した。…霊力を使わなければ護法にも見つからないわ…そこで夢で見た姻縁廟(インエンビョウ)を訪ね、参拝客の真似をして牽引糸(ケンインシ)を買うことにする。「牽引糸って何かしら?」「これは自分と縁のある相手を結び付けて、一生、離れなくする糸ですよ」滄海はちょうど境内で願掛けしている娘を見かけた。「牽引糸で物語のように美女を救う英雄に会えますように…」「姑娘(グーニャン)、その手に持っているのは何?」「流行の姻縁物語よ」滄海は銀子と書を交換、″英雄が美女を救う縁″の物語では英雄が主人公の女子の危機を颯爽と救い、それが縁で2人は結ばれるという。その時、夢の中で何度も巡り会った″後ろ姿の人″を見つける。「人間界の姻縁祠(シ)は霊感あらたかだわ、ふふ」彼は人間界を遊歴している麒麟(キリン)族の第2皇子・初空(チュコン)だった。初空を一目見て気に入った滄海は姻縁物語を手引きにして縁を結ぼうと画策した。そこで蠍妖に協力を頼み、襲われていると見せかけて英雄に助けてもらうことにする。「助けて~!誰か助けて~!」すると物語通り颯爽と英雄が現れ、危うく転びそうになった滄海を抱き止めた。初空は美しい娘に目を奪われたが、ふと冷静になる。「どうも芝居がかっているな…」焦った滄海は密かに蠍妖に合図、毒針を投げるよう指示した。滄海は英雄をかばって腕に毒針が刺さったが、怒った初空は逃げようとした蠍妖を乾坤袋に封じ込めてしまう。初空は毒に当たった娘を自分の山荘へ運んで手当てした。滄海の目論見は大成功、まだ人像を手に入れたばかりの小花妖を装って救いを求める。仙友は必ず解毒すると約束してくれたが、情に疎いのか美人計には全く引っかからなかった。すると初空は蠍妖から毒消しをもらえばいいと思いつき、乾坤袋から蠍妖を解放する。チラッ!(;꒪ꈊ꒪;)oO(帝君、助けてくれますよね( ̄꒳ ̄).oO(おうよ初空が毒消しを出すよう蠍妖を脅し始めると、滄海はわざと喀血した。故意とは知らず初空は急いで自分の霊力で小花妖の毒を抑えたが、その隙に蠍妖に逃げられてしまう。帝君に逃がしてもらった蠍妖だったが、なぜか戻って来た。実は恋人の蜘蛛妖からもらった契りの証しを袋の中で落としたという。「手作りの証しを失くしたとばれたら8本の脚を全て折られてしまいます!」「シーッ!声が大きい!…手を考えるから、ひとまず帰って」そこで滄海は仙友にお手製の海棠の酒を飲ませ、酔い潰れたところで乾坤袋を盗もうとしたが失敗してしまう。翌朝、初空が剣術の稽古をしていると小花妖がやって来た。「幼い頃から修練したのでしょうね」「子供の頃、兄が教えてくれた」初空は兄とは幼い頃から仲が良かったが、いつまでも子供の頃のようにはいかないという。しかし昔から独りぼっちだった滄海は一緒に剣の稽古や遊べる相手がいるのは羨ましいと言った。「いじめられても私にはかばってくれる兄弟はいなかったわ…」初空は悲しそう小花妖を見て、これから自分が武芸を教えると言った。「いいか、よく見ろ」滄海はどさくさに紛れて仙友の腰にぶら下がっている乾坤袋を盗もうとしたが、また機を逃してしまう。滄海は仙友の沐浴中に乾坤袋を手に入れ、蠍妖に契りの証しを返してやった。しかし乾坤袋がないと気づいて小花妖を探していた初空に見つかってしまう。「ばれちゃったわね…」「お前は誰だ?何が目的だ!」「あなたを見初めたの、大人しく私に従えばいい思いをさせてあげる」すると蔑まれた初空は憤慨、霊力で攻撃し、滄海も応戦した。その隙に蠍妖は巻き込まれないようさっさと逃げてしまう。初空は小花妖の霊力の強さに驚いた。「バカにしやがって!」「ふん!どうやら私に従う気はないようね…ならもう結構!」滄海はそこで手を引き、初空を置いて行ってしまう。すると独りになった初空めがけて陣が現れ拘束、謎の刺客集団が現れた。その時、運良く引き返して来た滄海が刺客たちを一蹴し、陣を解いてくれる。「何で引き返した?」「争いを見過ごすなんて性に合わないの」しかし霊力を使ったせいで帝君を探し回っていた錦城に人間界へ行ったことがばれてしまう。初空に刺客を放ったのは兄の昊軒(コウケン)だった。唯一、命からがら逃げ出した刺客は第2皇子のそばに霊力の強い女子がいたため暗殺に失敗したという。一方、滄海は再びわざと吐血、まんまと初空の山荘に戻った。「芝居のはずが本当に蠍の毒に当たったみたい…(ノ≧ڡ≦)ナンテナ」「望んで手を組んだのだ、自業自得だ」「そうね、私なんて死ねばいいのよ」「何を言うんだ、解毒すると約束した、放ってはおかない」初空は小花妖の口元の血を拭き取ってやったが、滄海は思わずその手を握りしめた。「感謝します」「ここで待っていろ、蠍妖を探して来る!(๑•̀ㅂ•́)و✧」初空が出かけると、滄海はようやく怪我人の演技をやめて茶を飲んだ。ヤレヤレ…(  ̄꒳ ̄)_🍵つづく( ๑≧ꇴ≦)あ~やっぱり!歴劫中の初空を狙ってた死ね死ね団は兄の刺客だったか~始めはてっきり錦蓮だと思ってたけれど、摩羅族はモクモクさんじゃないな〜と思ってw
2024.07.25
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第25話李(リ)天王が消滅したと聞いて悲しみに暮れる祥雲(シャンユン)。すると初空(チュコン)が姻縁(インエン)閣に駆けつけ、優しく肩を抱いて慰めた。「仙君、お願いです、皆に無事でいて欲しい、どうか私のそばから離れないで」「約束する、絶対に離れない」紅線翁(コウセンカク)はそんな2人の様子を眺めながら、祥雲のそばに戦神がいてくれることに感謝した。祥雲は李天王が物語や暗号遊びを教えてくれたと懐かしんだ。すると″暗号″と聞いた初空はふと思いつき、例の″童謡″の歌詞を記した書き付けを招喚する。「李天王が使っていた暗号はどんなものだった?」「最後の行の一番下の文字から斜め読みに…これでいうと神→託→改→倉→亥→冤″です」「…神託は改、倉亥は冤?」※″倉亥″と″滄海″は同音初空は昊軒(コウケン)に呼ばれて長寧(チョウネイ)殿に参上した。「転生から戻っても元神に変わりがないな?」「筋書きがひどくて失敗しました、で、李天王亡き後、誰が筋書きを書くのです? 李天王が突然、消滅したのも筋書きと関係が?」昊軒は筋書きなら孫(ソン)天王が引き継ぐと教え、李天王は不慮による死だったと嘘をついた。「何度も下界へ遊びに行っていたが、今回は運悪く大妖と出くわしてな」すると帝君の目配せに気づいた孫天王が咄嗟に証言した。「知らせを受けて私が駆けつけましたが間に合いませんでした 私が大妖と共に消え去るところを見たのです 奴は大技を…逐浪九峰(チクロウキュウホウ)を使いました」一方、修茗(シゥミン)は祥雲が歴劫から戻ったと聞いて姻縁閣に駆けつけた。「李天王のことは聞いた、望むならいつでもそばにいる」「感謝します、用があるのでこれで失礼します」祥雲の態度はどこかよそよそしかった。突然の渡劫で今回は一緒に行けなかった修茗、しかし天穹玉(テンキュウギョク)に変化がないところを見ると祥雲の元神は無事なのだろう。昊軒が何か隠しているのは明らかだった。確かに李天王は逐浪九峰を習得したと触れ回っていたが、初空はただのはったりだと知っている。あの暗号がにわかに真実味を帯びて来た。…神託は改められ滄海(ソウカイ)は冤罪…初空は修茗が仇敵であるはずの滄海をかばったことを思い出し、蓬莱(ホウライ)居を訪ねた。初空は修茗に滄海が潔白だと示す証しがあるのか聞いた。しかし修茗は失笑、この世は常に勝者が王で敗者が賊であり、麒麟(キリン)族が記す歴史に証しがあるはずないという。「もし祥雲が残忍で血に飢えた妖魔だと言ったら信じるか?」「それはあり得ぬ」「滄海も同じだ、3万年前の滄海を知れば分かる」すると初空は当時、何があったのか自分が明らかにすると断言して帰って行った。全ての謎が3万年前につながっていた。初空は祥雲が無茶しないよう李天王の死には兄の昊軒が関わっていると明かす。驚いた祥雲だったが初空の立場を考え、無茶しないと約束した。2人は何か手がかりはないか転命司を調べ始めたが、不思議なことに3万年前に関する資料が全く見つからない。まるで誰かが隠しているようだ。すると初空が″玄天鏡(ゲンテンケイ)″という古の神器の記述を見つける。「これで過去をのぞける」「どこにあるの?」「長寧宮だ」2人は早速、初空の術で長寧宮に潜入したが、玄天鏡は壊れていた。祥雲は紅塵(コウジン)井で3万年前に戻れないかと考えた。しかし過去に戻れたとしても、正確な時代を選ぶことはできない。すると初空が摩羅(マラ)族の神器・天機盤(テンキバン)なら定めた時代へ行けると気づいた。「でも力づくで奪うことはできても、神君に気づかれてしまいます」「お前と来たら…」天界の戦神・初空が突然、単身で摩羅宮に現れた。錦蓮(キンレン)はその大胆な行動に呆れたが、思いがけず初空が3万年前の真相を自分が明らかにすると持ちかける。「今日はそのために天機盤を借りに来た」「ここをどこだと思っている?!」侮られた錦蓮はいきなり攻撃を仕掛けたが、やはり戦神の霊力には及ばなかった。「摩羅族の無実を示したいなら私を信じろ、それしかないぞ?」邪風(ジャフウ)は騙されないよう警告したが、錦蓮には信じるに足る理由があった。そこで天機盤を招喚、誓いを立てるよう迫る。すると初空は一条の元神を引き出し、誓いに背けば魂が飛散すると約束して天機盤を借りた。「…滄海を甦らせるため紫輝(シキ)を探すつもりか?他の者を犠牲にしても良いと?」錦蓮はふいに背を向けた。「あの時の従順な千忍(センジン)はもういない」「…聖凌(セイリョウ)教では世話になった」驚いた錦蓮は振り返ったが、すでに初空の姿は消えていた。…初めから私が錦蓮だと知っていたのか?…初空は祥雲の元神が傷つくことを恐れ、念のため補元丹(ホゲンタン)を飲ませて渡劫することにした。しかし今日は1000年に1度の七星連珠(シツセイレンシュ)の日、転命星君は時空が定まらなくなるため危険だと止める。実はそれが初空の狙いだった。七星連珠の混乱に紛れて転生すれば痕跡を残さず、昊軒に3万年前に戻ったとばれずに済む。「仙君、お考え直しを…」すると祥雲が転命星君と紅線翁の気を引き、その間に初空が忘川蜜を仕込もうとした。その時、突然、孫天王が駆けつける。「筋書きを書く者として見送りに来ました!」初空と祥雲は忘川の水を飲む他なく、戻ってから経験したことを思い出すしかなかった。昊軒は初空の転生先が分からず苛立ちを隠せなかった。孫天王の話ではあらすじを書いたものの、2人は時空の乱れに巻き込まれ、転生先が不明だという。戻ったら聞きましょう~!>ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘逃げ!一方、修茗は砕魂箭(サイコンセン)を完成させようと根を詰めていた。…太古の元神が少しでもあれば出来上がる…そこへ側仕えが駆けつけ、初空が摩羅族から天機盤を借りたと報告する。修茗は初空が本当に真実を知るため3万年前に戻ったのだと分かった。3万年前、摩羅王に公主が誕生した。…祖先の戒めに背いて天に逆らった、全て私1人で決めたこと、娘は関わりない、いかなる罰であっても私が引き受ける…それから3000年、大木でうたた寝していた滄海はまた同じ夢を見た。小さい頃からいつも同じ光景で、必ず同じ後ろ姿の人が現れる。…夢には天意が現れると言うけれど…すると護法・錦城(キンセイ)がやって来た。「帝君、3000歳をお祝い致します、各部族からの贈り物です」「何がめでたいの?たかが1歳、老いただけ」「もう大人ですね、早く婚姻して子孫を増や…」「護法、いつもそればかりね、耳にタコよ」しかし摩羅の王族は世継ぎが滄海だけ、錦城の願いは帝君の1日も早い婚姻だった「修茗殿下は私よりもっと焦っているようですが?」人質となって1000年あまり、修茗は常に滄海のことを気にかけていた。つづく(* ゚ェ゚)ん?急に転生じゃなくてタイムスリップになったってこと?
2024.07.24
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第24話錦蘿(キンラ)の山荘で思いがけず女媧石の化身・紫輝(シキ)と再会した初空(チュコン)と祥雲(シャンユン)。2人は紫輝を連れて逃げることにしたが、結界に手こずっているうち錦蘿に見つかってしまう。「旧知の者だから命は助けたいけれど、物分かりが悪いわね」錦蘿は霊力で攻撃、すると紫輝が身を挺して2人を守り、霊力を跳ね返された錦蘿ともども激しく血を吐いてしまう。すると錦蘿が張り巡らせていた結界が敗れ、封じ込められていた紫輝の記憶が蘇った。錦蘿は脅されてやむなく紫輝の心を奪ったと釈明した。確かに女媧石には女帝・滄海(ソウカイ)を蘇らせる力があり、滄海が復活しなければ安寧は得られない。「でも他にも蘇らせる方法があると聞いたの、そうすればあなたの心は不要になる 騙したかも知れないけれど、嘘をついたことはない」「お前の心は顔と同じで偽物だ!私を本当に愛したことなどない!もう私を騙すな!」錦蘿は紫輝を想う気持ちに偽りはないと訴えた。しかし怒りと悲しみに震える紫輝に今は何を言っても無駄だと気づく。「あなたを守るために心はまだ返せない。身体に気をつけて、またいつか会いましょう」錦蘿は姿を消した。…女媧石を狙うのは一体、誰なんだ?…紫輝は必ず全て解き明かして心を取り戻そうと決意、初空たちとはここで別れることにした。祥雲はまた捕まってしまうと反対したが、初空は紫輝の選択を重んじようという。そこで初空は雀頭参(シャクトウサン)を渡し、祥雲と2人で紫輝を見送った。一方、天界では昊軒(コウケン)が孫(ソン)天王に李(リ)天王が消散したと伝えていた。何でも李天王は遊歴中に魔物と遭遇、応戦したが魔物と共に消滅したという。( ̄◇ ̄;)<文官なのに、なんちゃらとかいう生半可な術で無茶したんだな~「李天王の体面を保つため、お前は見たことにしろ」「はい…」孫天王は李天王の死に衝撃を受けながらも、素直に拝命した。明日の出征を前に初空と祥雲は3度目の月見酒を酌み交わした。「ふふ、すでに陸長空(ルーチャンコン)の時から私を想っていました? 面目を保つために認めたくなかっただけ?」痛いところを突かれた初空は祥雲を引き寄せ、唇を重ねた。翌朝、祥雲は初空に自分の手巾を渡し、必ず身につけるよう頼んで送り出した。…例え戦死したとしても天界に戻るだけ、それなのに別れがこんなに辛いなんて…皇太后と過ごしていた祥雲のもとに戦況が届いた。初空は初戦に勝利、しかし衛国はさらに10万の援軍を送ったという。前線が緊迫していると聞いた皇太后は明日にでも祈祷に行くことにしたが、祥雲は反対した。「母后、馨然(ケイゼン)を覚えていますか?」祥雲は皇太后に馨然が実は衛国の間者だったと明かした。馨然を泳がせていたが見張りに気づいて姿を隠してしまい、今、宮中を出るのは危険だという。「…それならなおさら姿を見せなくてはね」皇太后は間者を誘き出すため、祥雲と一緒に参拝に出かけた。「もう少し生かすつもりが自ら死にに来たなんてね」案の定、馨然が刺客と共に現れたが、すでに待機していた衛兵たちに包囲されてしまう。しかし馨然は初空を助けたいなら皇太后を殺せと祥雲に迫った。「罠にはまって痛手は受けたが衛国には無数の精鋭がいる いくら初空が強くても10万の大軍に勝てはしない」「例え捕えられても初空は自らのために民を犠牲にすることは望まない、あきらめて!」すると皇帝が射手隊を連れて駆けつけた。刺客たちは全滅、馨然は肩を射抜かれ生け捕りになってしまう。「皇兄!…母后、私が知らせたのよ!」しかし馨然がふいをついて隠し持っていた暗器を皇太后めがけて投げた。真っ先に気づいた皇帝が皇太后をかばって腕を負傷、馨然はその場で斬られてしまう。…初空の奇策で不利と思われた斉国は大勝を収めた実は初空が3000の兵を率いて自らおとりとなり、衛国の大軍を林におびき寄せ、その隙に空いた本陣を突いて衛国の皇帝を捕えたというこうして衛国は降参、今後100年は斉国を攻めないと約束した…母子のわだかまりが解け、皇太后は政務を全て皇帝に任せることにした。皇帝の手元についに揃った逐浪(チクロウ)と九峰(キュウホウ)の玉佩、そこで祥雲は皇兄に玉佩を見せて欲しいと頼む。すると2つを合わせて1つになった玉佩に″童謡″と浮かび上がった。一方、初空は祥雲を生かすため、深手を負ったが命は無事だと知らせた。しかし戦乱がなくなったわけではなく、国のために残るという。祥雲は人間界での将軍さえこれほどの重積を担うのなら、天界の戦神はいかばかりかとおもんばかった。…初空、この数万年、この世を守るために人知れず苦労をして来たのね…祥雲は滄海が復活するならなおさら初空の元神を傷つけるわけにいかないと考え、覚悟を決めた。祥雲は母と兄に別れの言葉を書き残し、毒酒を飲んだ。…初空、先に逝くわ、しっかり生きてね…しかし初空はその頃、戦場で祥雲の無事を願いながら倒れていた。祥雲が目を覚ますと紅塵(コウジン)井に戻っていた。すると偶然にも同時に戻って来た初空が目の前に現れる。2人は駆け寄って抱き合い、互いに元神が無事だと確認して安堵した。今回の初空と祥雲の転生におかしな点はなかった。しかし祥雲は玉佩のことを思い出し、李天王失踪の手がかりは″童謡″だと訴える。確かにあの夜、子供たちが意味不明な童謡を歌っていたが、何を言いたいのか分からなかった。すると初空は思い詰める祥雲を心配し、李天王はすぐ見つかると安心させた。一方、紫輝は摩羅(マラ)族が自分を探している知って単身、乗り込んだ。すると錦蓮(キンレン)は人払いし、歴劫で無二の親友だった紫輝と対峙する。「錦蘿から何も聞いていないのか、どうやら兄を恨んでいるようだ」「兄妹だったのか…どうして私の石の心を奪おうとする?千忍(センジン)!」錦蓮は千謀(センボウ)との別れを思い出すと居たたまれなかったが、歴劫での20年は避けられない不測の事態に過ぎないと強がった。「人間界での儚い夢だと知るべきだろう、お前は千謀ではなく、私も千忍ではない 私には使命がある、私の一生は雪辱を果たし、一族を再興するためにある 私たち兄妹にとってお前は大業を成す助けになる女媧石だ」「そうか…全ては私の独りよがりだったのか…私の心を返せ!」「返して欲しくば錦蘿を連れて来い!」初空は銭(セン)天王から李天王が消散したと聞いた。「姻縁閣にもちょうど知らせが届いているかと…」驚いた初空が姻縁閣に駆けつけると、祥雲が悲しみに暮れていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)急にスピードアップする歴劫w
2024.07.23
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第23話長公主となった初空(チュコン)は将軍府を調べ上げ、まず長公主に毒を盛った馨然(ケイゼン)の罪を暴いた。将軍となった祥雲(シャンユン)は馨然を捕らえさせたが、初空の指示通りその夜、荷物を持たせて密かに馨然を逃してやる。「初空哥哥…」「私を思ってのことだと分かっている…早く行け」初空と祥雲は露店の影に隠れ、念のため馨然が屋敷を出て行く姿を確認していた。実は屋敷を偵察していた初空は馨然がこっそりどこかへ密書を送っている様子を目撃したという。「読みが正しければ彼女は衛(エイ)国の間者だ」実は将軍の部屋にあったのは偽の軍報だった。将軍は彼女が間者だと知りながらそばに置き、わざと衛国に偽の情報を流させていたのだろう。「尾行をつけた、動きは分かる」その時、夜だというのに奇妙な童謡を歌っている子供たちが現れた。♪牛飼いに冤家(エンカ)がなった、毎日、牛を追うのは亥の刻だよ~♪一方、愛する紫輝(シキ)をかくまっていた錦蘿(キンラ)は兄に居場所を知られたと気づいた。そこで隠れ家を離れ、兄を誘き出す。「摩羅(マラ)族の力を使わず気配を消せば見つからないと思ったか?」やはり兄の錦蓮(キンレン)が現れた。錦蘿はいきなり兄を攻撃しかけたが、跳ね返されて負傷、慌てて逃げ出す。しかし先回りした錦蓮に捕まった。「いい加減にしろ、私が歴劫で元神を回復しなければお前の魂も消えていたんだぞ?」「歴劫は自分のためでしょう?兄上の仕打ちは忘れない、今さら兄妹愛など笑止!」激怒した錦蓮は霊縄で妹を捕まえ引き寄せたが、錦蘿は急に金色の葉に姿を変えた。「(はっ!)心の臓の力で作った操り人形か?!」「もう言いなりにはならない…私を支配できると思わないで!」錦蘿は捨て台詞を残し、再び姿を暗ました。紫輝は錦蘿の留守を狙い、また山荘から逃げようとしていた。しかし庭に結界が張られていると気づく。ちょうどそこへ錦蘿が帰ってきた。「あなたが会いたい人たちはもういないのよ?」錦蘿は諦めの悪い紫輝に呆れて部屋に戻ることにしたが、その時、内傷のせいで喀血してしまう。そんな中、衛国で不穏な動きがあると分かり、皇帝は初空将軍に出兵を命じた。初空は少数で斬り込む先鋒を任され、皇太后の実家である段(ダン)家は後方で知らせを待つという。将軍府に戻った祥雲はいそいで初空に報告しようとしたが、初空はすでに察しがついていた。「出兵の相談か?″衛国との戦いは負けられない″とでも言われたか? もし負ければ皇位が危うくなるからな」「陛下の話と全く同じです!」皇帝と皇太后、そして衛国、それぞれに利害があり、初空と祥雲は身動きが取れなくなった。しかし皇帝と皇太后の不和を取り除き、斉国の民を救うのが自分たちの使命だと考え、奮起する。祥雲は早速、武芸の稽古を始め、兵法を学んだが、初空は付け焼き刃で勝てるほど戦が甘くないと分かっていた。紫輝は恩人が喀血するのを見て怪我をしたと分かった。そこで自分の霊力を固めて差し入れしたが、錦蘿は紫輝の口に放り込んで飲ませてしまう。「自分に役立てなさい」錦蘿はぶっきらぼうだったが、内心では紫輝が自分を気遣ってくれたことが嬉しかった。摩羅山に戻った錦蓮は妹の辛辣な言葉に胸が痛んだ。…歴劫は自分のためでしょう?!…幼い頃に父を亡くし、父に代わって摩羅族と滄海(ソウカイ)を守って来た錦蓮。どんなに錦蘿から責められても、女媧石(ジョカセキ)を取り戻すという使命を果たし、滄海を復活させると父に誓った。ある日、初空は家職の息子が郊外に住み着いた神医のおかげで難病の足が治ったと聞いた。その神医は変わっていて、高額の代金を取り、患者を選り好みするという。「そう言えば土中で動く人参を探しているとか…」初空は祥雲を連れて神医を訪ねた。…どうして2人がここに?…錦蘿は驚いたが、初空と祥雲は自分の鶯時(オウシ)の姿しか知らない。ひとまず祥雲を脈診したところ、2人の魂が入れ替わっていると分かった。しかし紫輝の存在を知られるのを恐れ、自分には治せないと追い返す。すると初空は銀票を差し出し、治ったら同額を上乗せすると約束した。「それからこれも…」箱の中身は錦蘿がずっと探していた薬材・雀頭参(シャクトウサン)だった。…これがあればあの人の回復が早まるわ…そこで錦蘿は部屋を勝手に出ないこと、滞在中は静かにすることを条件に治療を引き受けた。初空と祥雲は錦蘿の指示に従い、自分たちで2日間も薬を煎じることになった。しかしようやく薬湯が完成するという時、土瓶から激しい煙が出て部屋中に充満してしまう。初空は咄嗟に窓を開けて祥雲が団扇を仰ぎながら換気をしたが、その声が紫輝の部屋にも届いた。「これは教主の声か?!何か手立てを考えないと…」ついに初空と祥雲の薬が完成。錦蘿は2人の指に針を刺し、自分の血を相手の薬に入れ、それを飲めば元に戻ると教えた。祥雲はどこか半信半疑だったが、初空が迷わず飲み干すのを見て真似して飲んでみる。すると2人は急に苦しくなって気を失った。翌朝、初空が目を覚ますと将軍の姿だった。「祥雲!祥雲!」「(はっ!)…戻ってる!」初空は祥雲も無事だと分かって安心すると、真っ先に窓を開けて下の部屋を見た。実は昨夜、煙で窓を開けた時、下の部屋の窓に映る影が聖凌教の手印で合図を送っていたという。「弟子が捕まっているのか」あれから数百年、もし生きているとすれば不老不死の千謀(センボウ)だけだ。初空と祥雲は錦蘿に無事に戻れたと感謝し、約束の雀頭参を馬車から取って来た。錦蘿は早速、確認しようと蓋を開けたが、中から出て来た煙を吸い込んで眠ってしまう。初空と祥雲は紫輝の部屋に駆けつけた。「教主…小師妹…ゥッ…もう会えないかと…」「いや違う、だが話は後だ!」初空と祥雲は紫輝を連れて逃げることにしたが、山荘の周りには結界が張り巡らされていた。( ー̀ωー́ )<今は我々には霊力がない…@初空(✪ω✪)b<その布を外してみたら?@雲( ๑≧ꇴ≦)<だめだ!蔓に毒が塗ってある!@🪨すると手間取っているうち、目を覚ました錦蘿が現れた。「そんなことで逃げられると思うの?」つづく( ๑≧ꇴ≦)上手いわ〜@初空演技と声で中身が祥雲に見える
2024.07.22
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第22話3回目の歴劫を終え、ようやく互いの気持ちが通じ合った初空(チュコン)戦神と縁結び仙女・祥雲(シャンユン)。生まれて3100年目を迎えた記念の日、祥雲はおめかしして初空が迎えに来るのを待っていた。しかし約束の夕刻になっても初空が現れず、待ちきれない祥雲は瀟雲(ショウウン)殿まで迎えに行ってしまう。その頃、昊軒(コウケン)帝君は何度、呼びに行かせても現れない初空に痺れを切らし、自ら瀟雲殿に出向いていた。「今回の転生で祥雲仙女のために死んだな? …そのせいでお前の元神が傷つき、先の2回の修行で得た成果も無となった」すると初空は兄も祥雲の元神が傷ついていることを知っていたはずだと迫った。「歴劫で私のために死ねば元神は損なわれ、何度も繰り返せば彼女は消散してしまう」しかし昊軒は滄海(ソウカイ)を倒せるのなら無駄死にではないと冷たかった。実は弟の一時の情けが大事を妨げると懸念し、教えなかったという。「初空よ、たった1人の命で世の民を救えるのだ」「でもそれを世の民が知ったらどう思うでしょう?兄上のやり方は滄海と同じだ」初空は昊軒の考え方に反発し、出て行ってしまう。初空はちょうど回廊で側仕えと出くわした。「今、姻縁仙女が慌てて立ち去っていきましたよ?」初空は祥雲が元神の話を聞いてしまったと気づき、姻縁閣へ急いだ。すると紅線翁(コウセンカク)が対応し、祥雲なら出かけてしまったという。「仙君、祥雲へのお気持ちは本物なのですか? 本気だとしても果たしてその気持ちは長く続くでしょうか?」初空は親代わりの紅線翁を安心させるため、祥雲に″護神呪″をかけると明かした。護神呪とは古の術で、守られた元神は何度、転生しようと壊れず、もし傷を受けても術をかけた者に振り替わるという。初空は晨星(シンセイ)台で落ち込んでいる祥雲を見つけた。「すまない、祥雲、私たちの元神は同源で、私が回復した分、君が犠牲になっていたんだ」初空は気の済むまでなじってくれと言ったが、祥雲はむしろ戦神の歴劫を自分が台無しにしたと責任を感じていた。「仙君の元神が回復する前に滄海が復活したら…」「愛する女子を守れずして世の民を守れるか?何か方法を考える、私を信じろ」一方、厄誅(アクチュウ)痕にむしばまれる昊軒は青雪草(セイセツソウ)が浄化の力を強める効果があると知った。そこで孫(ソン)天王に先の摩羅(マラ)族との戦いで負った傷が癒えないと嘘をつき、青雪草を捕ってくるよう頼む。「天界の東の果てに生息する脚が多く、動きの素早い虫だ、見た目が雪のようでその名が付いた」( ๑≧ꇴ≦)虫なのかーい!@孫 初空は祥雲に目を閉じて願い事をするよう勧め、その間に呪文をかけることにした。…麒麟(キリン)族の名において命じる、戦神の元神の力で私の愛する者を守れ…すると金の麒麟が現れ、祥雲の元へ近づこうとするが、急に消えてしまう。(屮゚Д゚)屮 <あれっ?!護神呪がかからねえ!( ゚д゚人 <どうしました?仙君?実は護神呪は麒麟族に代々伝わる伝統の呪文で、生涯の伴侶と定めた相手の元神にかけて守るのだという。「これが贈り物だったんだが…」「仙君の元神がまだ傷ついているからでは?お気持ちだけで嬉しいです」祥雲はこうして初空と一緒にいられることが自分の願いだと笑った。一方、歴劫から戻った錦蓮(キンレン)は以前のような殺気が薄れ、無用な殺生もしなくなった。それにしてもまさか転生での相棒・千謀(センボウ)が紫輝だったとは…。すると邪風(ジャフウ)がまだ聖女が見つからないと報告した。…錦蘿(キンラ)、お前が連れ去ったのか?…そんなある日、祥雲は転命星君から次の転生の筋書きをもらった。「″将軍と長公主の物語″?あの怠け者の李天王が前もって書いていたなんて…」祥雲と初空は李天王の失踪を不審に思い、調べ始めた。すると前回の転生の物語は初空が心の臓を捧げるところまでで、結末がないと分かる。実は李天王がいなくなって最後の頁が破られたのは2人の転生が終わる前だった。ますます混乱する祥雲、その時、ふと李天王が謎かけが好きだったことを思い出す。「何か手がかりを残しているんじゃ…(はっ!)新しい筋書きに怪しい点がありました 転生すれば分かるかも!」しかし初空は護神呪で元神を守ってからでなければ転生させないと反対した。「絶対に駄目だ!」祥雲は姻縁閣に戻ったが、どうしても納得できなかった。…李天王が理由もなくいなくなるはずがない、手がかりはやはり次の転生に…思い詰めた祥雲はその夜、紅塵(コウジン)井に初空を呼んだ。「祥雲、こっちに来い、まずは相談しよう」「今回は私のわがままに付き合ってください、仙君」すると祥雲は紅塵井に飛び込んでしまう。突然、始まった祥雲と初空の4度目の歴劫。確かに李天王の筋書き通り2人は斉国の将軍と将軍の妻である長公主に転生した。しかし驚いたことに身体が入れ替わり、初空将軍の中身が祥雲に、祥雲長公主の中身が初空になっている。さらに目が覚めた時、将軍は妻の長公主に腹を刺され、血まみれになっていた。工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工将軍となった祥雲はすぐ手当して無事だった。初空は今の身体になってからめまいや腹痛があり、毒でも盛られているのではと疑う。果たして夫婦の間に何があったのか。すると将軍に皇帝から参内するよう知らせが届いた。皇帝は妹の祥雲をみごもらせた将軍を叱責した。何が何だか分からない祥雲はひとまず膝をついて謝罪、酒に酔っての愚行だと言い訳する。その時、皇帝の玉佩に″逐浪(チクロウ)″と彫られていることに気づいた。「問い詰めはせぬ、だが朕に忠誠を誓ったのならば二度とこのような過ちを犯すでないぞ」「しっかり胸に刻みます」すると皇帝は将軍を碁に誘った。一方、将軍府に残った初空は屋敷を調査していた。手がかりらしい物は何も見つからなかったが、鏡台の下から絶筆を見つける。実は長公主の身体の不調は流産が原因だった。将軍が馨然(ケイゼン)という女子を連れ帰って間もなく長公主は流産してしまったらしい。どうやら長公主は寵愛を笠に来た馨然に毒を盛られたと恨み、心中しようと将軍を刺していた。…馨然が怪しいな、だた慎重に行こう、それから母后と皇兄か…祥雲は皇帝の碁に付き合いながら、それとなく玉佩について探りを入れた。皇帝の話ではかつて太祖が夢で出会った仙人が″逐浪九峰(キュウホウ)″という術を使ったという。すると次の日、太祖は大事な戦に勝利、そして建国したのが斉国だった。喜んだ太祖は2つの玉佩を作らせ、王家の証しとして伝えたという。″逐浪″は皇帝の軍を動かす兵符、しかし″九峰″は皇帝も見たことがなかった。実は九峰の玉佩は母后の一族である段(ダン)家10万人の軍勢を動かせる兵符だという。斉国は皇帝と皇太后の勢力が二分していた。初空の調べたところ皇太后には娘しかおらず、今の皇帝は養子だという。皇太后は幼帝の代わりに簾政を行い、親政が始まってもなお権力を手放さなかった。娘の祥雲がみごもった暁には男児ということにして今の皇帝とすげ替えるつもりだったらしい。そのため皇帝に忠誠を誓う将軍は長公主に冷たくして懐妊を阻止していた。初空は逐浪と九峰、2つの玉佩を合わせれば何か答えが見つかると考えた。しかし祥雲は相いれない皇太后と皇帝の玉佩をどうすれば一緒にできるのか分からない。「1つだけ手がある」「どんな?」「…私の言う通りに」一方、天界では孫天王が青雪草を手に入れ、昊軒に献上していた。ある日、馨然は将軍と長公主に呼ばれた。長公主は自分の紅に水銀が仕込まれていたと明かし、馨然の仕業だと告発する。しかし馨然は何も知らないと訴え、将軍も証拠が必要だとかばった。「水銀は銀の罐(カマ)で辰砂(シンシャ)を精製し作る、道具は当然、ぶち壊すでしょうね」確かに証拠はなかったが、長公主は証人を呼んでいた。証人は銀製品を扱う店の老板だった。老板は馨然の顔を確認すると、確かに一月前、店で銀の罐を買ったと証言する。「あれは蒸留にしか使わない、若い娘が練丹術で使う物を買うなんて珍しいので覚えていました」すると怒った将軍は腹心の小放(ショウホウ)に馨然を捕えるよう命じた。つづく( ゚ェ゚)男と女が逆転したわりに普通に生活してる2人w
2024.07.21
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第21話邪法を操る許文瑞(キョブンスイ)相手に劣勢を強いられた初空(チュコン)。しかし小祥(シャオシャン)が玲瓏(レイロウ)心の霊力を解放して形勢は逆転した。すると許文瑞は傀儡から全ての霊力を回収して対抗、弱っている初空めがけて突進する。小祥は咄嗟に師匠の前に立ちはだかったが、驚いた初空は小祥の前に飛び出して許文瑞の剣をつかんで止めた。その隙に小祥が背後から許文瑞を突き刺し、ついに許文瑞は消滅する。「師父、手に怪我を?!」「なぜ私をかばった?!まったく…ただの仙女のくせに何度も命を懸けるな!」初空は今生でまた祥雲(シャンユン)の元神を傷つけるところだったと思うと、つい声を荒げてしまう。「師父、何の話ですか?」「私の話を覚えているな?」…約束してくれ、何が起きたとしても必ず生き抜くと…初空は困惑している小祥に口づけした。すると2人の心の臓が光り、初空は小祥に自分の心の臓を捧げて力尽きてしまう。「師父…私を置いていかないでください」「泣くな…これでこの前の借りを返すことが…できた…」一瞬で白髪となり、この世を去った初空。小祥は師匠のいない世界に何の未練もなく、初空の亡骸を抱いて崖から身を投げてしまう。摩羅(マラ)族の錦蓮(キンレン)も修行が成功、邪風(ジャフウ)は護法が戻ってくると喜んだ。兄と運命を共にする錦蘿(キンラ)もまた生き延びて人間界に隠れ、ある石をかくまうことにする。一方、初空は天界へ戻っても帝君に挨拶にも行かず、修茗(シゥミン)の身の上を調べていた。銭(セン)天王の報告によれば修茗は人質として摩羅族に差し出された帝休(テイキュウ)族の皇子で、3万年前の″滄日(ソウジツ)の戦″で帝休族が滅び、天界に戻ったという。そこで滄日の戦について調べてみると、滄海神器についての記述が見つかった。「あ、そう言えば祥雲仙女も戻りました」「ん?心の臓を与えたから病は治ったはずだが…」「その後、初空戦君を抱いたまま崖から飛び降りたんです」姻縁閣に祥雲が戻った。紅線翁(コウセンカク)は転命司で初空と小祥の物語を確認したが、感動的な最後に思わず涙が出たという。「あと3日でお前が生まれて3100年だ、初空仙君と会う約束でもしたらどうだ?」「私たちはただの修行の伴侶でしかないの」すると祥雲が転生を終えたと聞いて初空が慌ててやって来た。紅線翁は席を外した。すると初空はいきなり祥雲の手首をつかみ、脈を確認する。祥雲は転生後、身体が軽くなって気分も良いと報告、自分を気にかけてくれると思うと嬉しかった。しかし初空から自分たちの転生は他の者と違うと言われてしまう。初空は一得一失の関係を伝えるつもりだったが、祥雲は物語の話だと早合点した。「ええ、大げさ過ぎます!邪法まで出てくるなんて! そもそも2人が20歳までに出会えなかったら…(はっ!)待って! 私の絵を持って探してたって…仙君!記憶があったのですね?!」「それは…」その時、歴劫から戻った修茗が現れた。初空は祥雲の追及を逃れるため、修茗に話があると言って帰ってしまう。初空は修茗が肌身離さず持っている玉石が3万年前に滅んだ妖魔・滄海の2つの神器の1つ″天穹玉(テンキュウギョク)″だと突き止めていた。つまり修茗が探し続けている想い人が滄海ということになる。初空は帝休族を滅ぼした敵だと呆れたが、修茗は否定した。「あの方はそのようなことはしない!」幼い頃からひ弱で疎まれて来た修茗は摩羅族の人質に出され、そこで滄海と出会った。何の憂いもなく滄海と一緒に暮らせると思っていたが、ある日、突然、全てを失ったという。「初空、お前が殺した…あの方が蘇るなら全てを投げ出す 私を阻む者はお前でも容赦しない!」初空は思い詰める友を心配し、戦神としては見逃せないと訴えた。「そうだ、お前は戦神だ、民を救うためなら愛する者にも刃を振るう 祥雲のことも生死に関われば捨て石にするのだろう?戦神の威光を振りかざして… 冷酷で傲慢な戦神様には私の気持ちなど永遠に分からぬ」3万年前の記憶がない初空は転命星君から滄海に関わる文献を取り寄せた。「そう言えば今までに転生して片方の元神が増えて他方が損なわれることがあったか?」「元神が同源だとそうなります」すると初空は何も聞かなかったことにして欲しいと頼み、転命星君を下げた。…元神が同源だと?祥雲は同族ではなく関わりもなかった、なぜ同源に?…もしや鍵となるのは祥雲の正体なのか。一方、修茗は今日もまた痛みに耐えながら滄海のため、砕魂箭(サイコンセン)を作っていた。…滄海の敵を討ち、当時の真相を知るためならどんな代償も払う…紫輝(シキ)こと千謀(センボウ)は薬湯に浸かったまま目を覚ました。すると隣の部屋で薬を作っている娘が見える。「姑娘(グーニャン)、君が助けてくれのか?きっと聖凌山で見つけてくれたんだね 他に誰かいなかったか?背が高くて目の下にほくろがあるんだが…」錦蘿は兄のことだと分かったが、黙って首を横に振った。「君の名前は?」「…知る必要はない、あなたを聖凌山から連れ帰り数百年、経った、当時の人間はもういないわ」「まさか…」驚いた千謀は探しに行きたいと言ったが、霊力は半減し、思うように身体が動かなかった。…女媧石の代わりに自分の心を差し出した錦蘿は反噬で霊力が四散、真身である花妖に戻った聖凌山では花妖・千羅(センラ)としてずっと千謀を見守り続け、殺されて消散した紫輝が摩羅族に見つからないよう咄嗟に石に変えてかくまうそして石に耐えず霊力を注ぎ込み、ようやく紫輝を人像に戻したところだったしかし霊力を隠さねば再び錦蓮に見つかり、2人とも生き残れないだろう…祥雲は姻縁閣に顔を見せない李(リ)天王を心配して探しに出かけた。すると転命星君と出くわし、気晴らしに遊歴にでも出かけたのだろうという。「ほら逐浪九峰(チクロウキュウホウ)だっけ、霊力を使う場がないから腕前を試しに行ったのね」(´-ω-`)逐浪九峰って…出まかせを間に受けるとは…ボソッ祥雲はその足で瀟雲(ショウウン)殿を訪ねた。「仙君、まだ答えを聞いていません!記憶を持ったまま転生しましたね?」初空は逃げられなくなり、祥雲の真似をしただけだと言い訳する。「つまりわざと食事を作らせたり、肩をもませたのですか?」すると初空は売り言葉に買い言葉で祥雲の耳をつかんで引っ張った。「宋(ソン)祥雲の時、私の顔をつねったな?!その罰だ!」しかし祥雲も負けじと初空の耳をつかみ返す。「毒きのこで殺そうとしたわ!」「放せ!」「嫌です!…心の臓を狙ったくせに!」祥雲はうっかり口を滑らせ、2人は急に気まずくなって手を離した。言い過ぎた祥雲は初空の機嫌を取ろうと、お詫びに手作りの海棠餅を招喚した。「海棠の花びらがあればな~残念」すると初空がこっそり術を放って花びらを振りかけてくれる。「やっぱり師父だわ!」「私はもうお前の師父ではない」「ぁ…分かっています、失礼しました」初空の話にはまだ続きがあったが、祥雲はまた突き放されたと誤解して帰ってしまう。祥雲は初空の気持ちが分からず、姻縁閣に戻っても悶々としていた。すると初空が現れ、海棠餅の皿を返しに来たという。紅線翁は皿を受け取ると、祥雲にわだかまりを解くよう耳打ちして退散した。「私は師匠になりたいわけではない、聞かせてくれないか 祥雲仙女として初空戦君をどう思っている?」「それは…」「あーっ!よく考えて答えてくれ、明日はお前が生まれた日だろう? 明日、もう一度、答えを聞きに来る、実は贈り物もあるん…(はっ!)」初空は驚かせるつもりがうっかり口を滑らせた。「とにかく明日の夕刻に迎えに来る」「ちょっと待って!小仙も贈り物があります」嬉しくなった祥雲は思わず初空に駆け寄り、頬に口付けした。つづく( ๑≧ꇴ≦)正しい銀髪きたわー!
2024.07.20
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第20話従順だった小祥(シャオシャン)に避けられ落ち込む初空(チュコン)。その夜、回廊で悶々としていると曲者が現れ、小祥の居所・栖雲軒(セイウンケン)へ向かうのが見えた。初空は咄嗟に曲者を阻止し、玲瓏心の力を使って掌で吹き飛ばす。「やはりお前か」外套からのぞいたその顔は確かに金烏(キンオ)派・許文瑞(キョブンスイ)だった。すると許文瑞は応援が来たと気づいて退散する。小祥は物音に気づいて外に出ると、ちょうど弟子たちに運ばれていく師匠の後ろ姿が見えた。小祥は師匠が心配になり楽逸(ラクイツ)別棟に駆けつけた。しかし奥の寝所に入ろうとした時、治療にあたる千忍(センジン)たちのやり取りを全て聞いてしまう。実は小祥の病も玲瓏心だった。師匠も小祥も20歳まで生きられず、当初、小祥を聖凌(セイリョウ)教にとどめ置いたのは師匠を救うためだったという。小放(ショウホウ)は激しく喀血する教主の様子に激しく動揺し、小祥の心の臓をもらおうと口走った。このまま何もせず2人の死を待つくらいなら、どちらか一方を助けるべきだという。その時、教主の意識が回復した。初空は心の臓をもらう話を二度とするなと釘を刺したが、小祥はその言葉を聞く前に帰ってしまう。翌日、小祥は地下牢で裴修茗(ペイシゥミン)を発見、ちょうど見張りが食事に戻った隙に接触した。「小祥、どうして?」すると小祥は袂から枯れた花輪を出し、少し記憶が戻ったと明かす。「私の両親はどこにいるの?」修茗は宗主夫妻が満香(マンキョウ)館で殺されたと教え、誰の仕業かは自分にも分からないと言った。小祥をさらったのが聖凌教だと知って追って来たが、実は聖凌教はずっと前から小祥を探していたという。「師父が私に優しかったのは心の臓が欲しかったからなのね」小祥は薬師閣で読んだ″玲瓏心の病の記録″が事実だと確信、深く傷ついてしまう。…思い出して欲しいと願っていたのに、こんな姿を見たら少しも喜べない…小祥の涙を見た修茗は真実を告げたものの、胸が痛んだ。初空は何とか持ち直した。どうやら許文瑞の狙いは楊(ヤン)宗主ではなく、始めから小祥だったのだろう。「このことは小祥には言うな」千忍と千謀(センボウ)は拝命したが、何とか教主と小祥のわだかまりが解けるよう願った。そんな中、許文瑞が多くの傀儡を養うため、また聖凌山のふもとで暴れ始めた。初空はある決意を固め、修茗の牢を訪ねる。その夜、小祥はちょうど中庭で海棠の花を眺めていた。すると車椅子の師匠が現れる。「師父が倒れたのだぞ?心配ではないのか? 修茗を閉じ込めたのは私だ…彼から何を言われた?」すると小祥は無表情のままゆっくり初空に近づいたかと思うと、ふいに唇を重ねた。その時、書で読んだ通り2人の心の臓が光る。「本当だった…全て本当だったのですね?師父、小祥が心の臓を捧げます」「それは…」「それとも私に心の臓をくれますか?」「小祥…」初空は小祥の腕をつかんで何か言おうとしたが、小祥は振りほどいて逃げ出してしまう。小祥は急に胸が苦しくなって回廊でしゃがみ込んだ。激しい動悸と共に蘇る満香館での悲劇、そこへ重い身体をひきずりながら初空がやって来る。「小祥?」初空は心配そうに小祥の顔をのぞき込んだ。その瞬間、小祥は父が殺害された直後に現れたのが師匠だったと思い出し、激情に駆られてかんざしで初空を刺してしまう。「どうして…どうして父と母を殺したの?!」すると小祥はそのまま卒倒した。翌朝、千忍と千謀は裴修茗と小祥が聖凌教を出て行ったと知った。「いいんですか?教主?!」「行かせてやれ…」実は修茗に小祥を託したのは初空本人だった。『許文瑞が小祥の心の臓を狙っている、私が絶対安全な場所を用意した、小祥を頼む』修茗は意識を失った小祥を連れてその夜のうちに出発した。しかし初空は最後に修茗から思わぬ事実を知らされる。『祥雲(シャンユン)はお前と歴劫を終えるたび元神が消耗して行く、2人は一得一失なんだ 小祥を雪山に行かせたのは悪くとも今生が終わって天界へ戻れるからだった このまま心の臓を捧げれば祥雲は消えてしまう』小祥は修茗と2人でふもとの隠れ家に移った。しかし天真爛漫な姿はすっかり消え失せ、修茗は黙って見守ることしかできない。一方、初空はあえて自分が玲瓏心だと噂を流させた。…この転生の玲瓏心のことは私自ら解決しなくては許文瑞を片づけたら私の玲瓏心を渡すからしっかり生きろ、ならばお前の元神も無事だ祥雲、まさかお前を傷つけていたとは…初空のもとには毎日、小祥の無事を知らせる書き付けが届いた。小放は会いに行くよう勧めたが、その時、千忍と千謀が駆けつけ、許文瑞が噂に食いついたと報告する。一方、小祥は聖凌教から連れ出してくれた修茗に感謝しながらも、どこか上の空だった。修茗は小祥の心には初空しかいないと気づき、ふと連れ出したのは間違いだったのかと後悔してしまう。聖凌教のふもとの守りが破られた。矢倉の太鼓が響くのを聞いた初空は千忍と千謀に弟子たちを連れて下山するよう命じる。千忍と千謀は教主と残ると拒んだが、初空はかえって足手まといになると諭した。「策が上手くいけば私自ら戦う、しくじれば奇門陣で許文瑞たちをこの山に封じ込める ひとまず聖凌教はお前たちに任せる」すると初空は教主の証となる指輪を千忍に託した。独り残った初空は自分の手に戻って来たかんざしを握りしめ、あの夜の修茗の言葉を思い出していた。『雲の上の戦神にとって取るに足らない仙女など世の民と比べたらどうということもないのだな』しかし初空は二度と同じ過ちを繰り返さないと心に誓った。一方、ふもとでは金烏派が聖凌教山を包囲していると騒ぎになっていた。何でも教主が弟子たちを逃し、独りで立ち向かうという。修茗は小祥に会いに行くべきだと訴え、実は両親を殺したのは初空ではないと教えた。千忍と千謀は後ろ髪を引かれる思いで弟子たちと密道から避難していた。小放はこれで全員だと報告、安堵した千忍は最後に千謀と外へ出るはずだったが、千謀は皆を逃して門を閉めてしまう。「千謀?何をしている?開けろ!」「お前に拾ってもらった命だ、代わりに恩を返す、聖凌教を任せたぞ!」「千謀!」千謀は千忍の制止する声を無視して引き返した。しかし肩にはいつも一緒に過ごしていた花妖の千羅(センラ)がいる。「お前がいれば孤独ではない」その頃、小祥と修茗は聖凌教へ向けて馬を駆けていた。ついに許文瑞が傀儡を率いて聖凌教を襲撃した。初空は別棟に現れた許文瑞たちに立ち向かったが、その時、避難したはずの千謀が現れ、加勢する。一方、聖凌教に到着した小祥と修茗は傀儡たちに応戦していた。しかし傀儡は斬っても斬っても甦り、切りがない。そこで修茗は小祥にここを自分に任せて初空の元へ行くよう促した。邪法を操る許文瑞は胸を刺されても死ななかった。心の臓が弱まっている初空は劣勢を強いられ、ついに千謀が許文瑞に刺し殺されてしまう。初空は悲しむ時間さえなく、許文瑞たちを奇門陣で封じ込めるため山頂へ誘き出した。そこへ小祥が現れる。すると助太刀した小祥は許文瑞の手に見覚えのあるあざを見つけた。「お前ね?お前が両親を殺した!」「見逃してやったのに自ら来るとは…ならば心の臓を2つとも頂こう 2人の心の臓を食べれば大きな力を得られる!」↓小祥?!なぜ来た?!初空と小祥は2人で許文瑞に挑んだ。しかし小祥は許文瑞の掌を受けて地面に叩きつけられ、喀血してしまう。…ここで倒れるわけにはいかない…小祥は書で見た型を思い出し、一か八か玲瓏心の霊力を解放することにした。「小祥?!何をしている?!」つづく( ゚ェ゚)そうそう、師父の車椅子は自動でも動きますw ←え?どうでもいい?w
2024.07.19
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第19話雪山で倒れたところを師匠に助けられた小祥(シャオシャン)。それにしても心の臓の病を治す薬草があると知りながら、なぜこれまで採りに行かなかったのだろうか。「雪は嫌いだ…ある者が雪の中で目を閉じたまま目覚めなかった」前世で自分の腕の中で亡くなった祥雲(シャンユン)。初空(チュコン)は今もその光景を思い出すと涙があふれそうになった。「師父、心に悲しいことをたくさん隠しているのですね でも私は師父がこれから健やかで楽しく暮らせるよう祈りました」初空は笑顔を見せたが、玲瓏心(レイロウシン)の力を使ったせいで心の臓は確実に弱っていた。一方、天界では李(リ)天王が戦神の歴劫を邪魔する修茗(シゥミン)皇子に憤慨、帝君に訴え出ることにした。長寧(チョウネイ)宮にはなぜか誰もいなかったが、李天王はふと玉座の後ろに結界があることに気づき、こっそりのぞいてみる。「ん?帝君か?何を鍛錬しているんだ?しかもコソコソと…」その時、李天王は帝君の腕に″厄誅(アクチュウ)痕″があると気づき、慌てて逃げ出してしまう。昊軒(コウケン)は鍛錬を終えた。…忌々しい、厄誅痕の影響が強くなっている、抑えるすべを探さねば…昊軒は結界を解くと、まず李天王を探しに転命司へ向かった。「長寧宮に来たな?なぜ私に会わず、急に立ち去ったのだ?」「神君…何をするおつもりですか?」「私が何をするか分かっているはず…」すると昊軒は自分の秘密を知ってしまった李天王の元神を滅してしまう。初空は牢に閉じ込めた裴修茗(ペイシゥミン)に面会、小祥をなぜ雪山へ行かせたのか詰め寄った。「小祥を救えなければお前を殺していた!彼女は死ぬところだったんだぞ?!」「承知の上だ!…いつか小祥にも分かる」「それで愛していると言えるのか?小祥を害しただけだ!」初空は自分のせいで祥雲の元神が傷ついているとも知らず、二度と小祥に近づくなと釘を刺した。初空は転生を映す鏡を封じて歴劫に出かけていた。仕方なく孫(ソン)天王は李天王の筋書きを確認し、帝君に報告する。「今回は縁結びの仙女が一家皆殺しの悲劇に遭い、絶望の淵にいるところを初空仙君に救われます これで初空仙君の元神は順調に回復しますね」「…分かった」初空が小放(ショウホウ)に書き付けを渡して頼んでおいたかんざしが完成した。かんざしは前世で陸長空(ルーチャンコン)が祥雲に贈った思い出の品を見事に再現できている。しかし今回は記憶がない祥雲がなぜ自分のために命を懸けたのだろうか。初空はちょうど中庭の涼亭で千謀(センボウ)と一緒にいる小祥を見つけた。すると小祥は″教主が望めば何でもできるか″と問われ、″師匠が望む限り何であろうと一緒にいたい″と答えている。初空は嬉しかったが、あくまで今生での小祥の言葉だと分かっていた。「小祥っ!」「師父!」小祥は師匠の姿を見つけて急いで駆けてきた。そこで初空は小祥の髪に自らかんざしを挿してやる。…天界に戻って全てを思い出しても、私を気に留めてくれるだろうか…「約束してくれ、例え何が起きたとしても必ず生き抜くと」初空は小祥に顔を近づけた。小祥は自然と目をつぶったが、初空は唇を重ねれば心の臓が光ると気づき、額に口づけする。すると小祥は2人の心の臓が同時に鼓動が速くなったと気づいた。…2人の心の臓が同じものみたい…その頃、人間界に現れた謎の刺客はなかなか初空戦神の歴劫を邪魔できず、主に叱責されていた。「主上、今度こそ邪魔して見せます!」一方、金烏(キンオ)派・許文瑞(キョブンスイ)は生け捕りにした陸朋(リクホウ)から小祥の居場所を聞き出そうとしていた。陸朋はなかなか口を割らなかったが、うっかり教主が守っていると口を滑らせてしまう。すると許文瑞は邪法で陸朋の元神を吸い取り、傀儡にしてしまう。そんなある日、聖凌教にふもとの村が襲われたと知らせが入った。小祥は万全な体調ではない師匠を止めたが、初空はすぐ戻ると言って千謀たちと出かけてしまう。するとこれまで我慢してきた小放の不満が爆発した。「お前が1人で雪山なんかに行くから…教主は助けに行って玲瓏心の力を使った あんなに弱ったのはお前のせいなんだぞ?!分かっているのか?!」「玲瓏心?」「(はっ!)玲瓏心?何のことだ?聞き間違いだろう」小放はうっかり口を滑らせ、慌てて出て行ってしまう。小祥は薬師閣で千忍(センジン)が″玲瓏(レイロウ)心の病の記録″を落としたことを思い出した。そこで早速、薬師閣に向かい、書棚の間から記録を見つけ出す。…玲瓏心の者は心の臓が半分の大きさで、生まれつき霊力があるが20歳まで生きられない、玲瓏心の者の心臓を得れば治るが、相手が心から愛し、自ら捧げなければ治らない、2人が唇を重ねる時、心の臓が光れば真の愛の証し、心の臓を相手に移すことができる…( ๑≧ꇴ≦)<んなわけあるかwwwww小祥は馬鹿げた物語だと呆れたが、ちょうど戻って来た千忍が慌てて記録を取り上げた。「また教主に変な書を読ませるなって怒られるだろう?!」「そこに書いてあることは本当なの?まさかね~」「作り話だよ」小祥は念のため物知りな修茗に聞いてみることにした。部屋はもぬけの空だったが、机の上にすでに枯れてしまった花輪が残っている。すると小祥の脳裏にふと修茗から頭に花輪を乗せてもらった時の光景が浮かんだ。それは楊(ヤン)府の中庭で、両親の姿もある。驚いた小祥は修茗を探し回ったが、師兄たちは誰も行き先を知らないと言った。一方、ふもとでは村人が惨殺され、ある姉弟だけ生き残っていた。姉弟の話では昨夜、何者かが村を襲い、両親が枯れ井戸に2人を隠して助かったという。外では悲鳴が続いたが、すぐに絶えたとか。すると現場で金烏派の腰牌が見つかった。その夜、聖凌教に戻った初空は留守の間の様子を聞いていた。千忍は特に変わりはなかったと報告したが、実は小祥が裴修茗を探し回っていたという。「閉じ込められていると気づいたのでしょうか?」小祥は臭臭(チョウチョウ)を抱いて独り涼亭で泣いていた。そこへ初空がやって来る。「どうした?…裴修茗のせいか?」「彼はどこ?一体、どこへ行ったの?!」「そんなに奴が大事か?!」「当たり前です!」初空は小祥の初めての反抗に衝撃を受け、怒って帰ってしまう。楽逸(ラクイツ)別棟では初空が眠れない夜を過ごしていた。…陸長空の過去を盗んだから小祥は修茗が気になるのか?″祥雲と小祥″、″陸長空と初空″、どちらが本物でどちらが偽物なんだ…翌日から小祥は師匠を避けるようになった。千謀と千忍はこれでは師匠が小祥から玲瓏心をもらえなくなってしまうと心配する。その夜、2人は海棠の木に登って酒を飲む教主の姿を見かけた。「あの顔を見たか?小放の履き物の裏より暗い」「長年、落ち込むことなどなかったのに…あの教主も小祥にはかなわないようだな?」やはり小祥はただ者ではない>(*´・ω)(ω・`*)ウムするとちょうど小祥が海棠の木の下を歩いて来た。初空はわざと空瓶を落としたが、小祥は師匠が木の上にいると気づいても無視して帰ってしまう。小祥は居所に戻った。修茗の言葉が正しかったとすれば師匠はなぜ自分を聖凌教にとどめ置いたのか。玲瓏心の力とは何なのか。自分と玲瓏心にどんな関わりがあるのか。小祥は考えれば考えるほど訳が分からなくなり、頭を抱えた。つづく( ๑≧ꇴ≦)神君!相変わらずカッコいい!
2024.07.18
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第18話大恥を晒して部屋に閉じこもってしまった小祥(シャオシャン)。しかし外から師匠が激しく咳き込む声を聞いて慌てて戸を開けた。「師父!…なぜ車椅子なのですか?」「小祥、一緒に湖まで行こう」小祥は初空(チュコン)と水切りで競いながら、次第に笑顔を取り戻した。そこで初空は千忍(センジン)が集めた恋愛の書なら不適切なものを処分し、小祥をからかった弟子たちにも罰を与えたと安心させる。「師父、ありがとうございます」初空は照れくさそうに石を投げたが…。「あっ!見たか!7回だ、7回も跳ねたぞ!完璧だったな~ふふ」「…師父?私を騙しましたね?」「師が何を騙したというのだ?」「師父は心の臓の具合が悪いのでは?」「少しくらいなら大丈夫なのだ」「じゃ…じゃあなぜ車椅子に乗る必要が?!」「なぜって…」「?」「なぜってそれは…師が怠け者だからだ」「ふん!」仮病と知られ、せっかく機嫌を直した小祥をまた怒らせてしまった初空。そこで何でも願いを聞くとなだめた。すると小祥は師匠の心の臓の病が治ることを願うという。「師父の健康が私の願いです!」初空は小祥の言葉に胸が熱くなり、今度は本当に動悸が激しくなってしまう。初空は薬師閣で千忍の薬を飲み、落ち着いた。本人は20歳になる日が近づくにつれ心の臓が弱っていると思ったが、千忍と千謀(センボウ)は発作ではなく、小祥を愛したからだという。天界の記憶がある初空は決して認めようとしなかったが、小祥に武芸を教えながら2人の距離は確実に近づいていた。小祥は武芸に天賦の才があった。もし玲瓏心の霊力があれば一気に上達するのは目に見えたが、初空は小祥を今生で長生きさせるため使わせるつもりはない。もはや誰もが知るところとなった教主の小祥への情愛。裴修茗(ペイシゥミン)はそれでも頑なに自分の心を欺く初空に苛立ち、煽ることにした。ある日、修茗は小祥を湖に呼び出し、手作りの料理でもてなした。「なぜ私に良くしてくれるのです?」「ずっと君が好きだった、やっとそばにいられる、片時だが… だから婚姻を申し込む、これからの生涯を共に過ごしたい」小祥は突然の求婚に目を丸くしたが、その時、知らせを聞いた初空が駆けつけた。「また弟子をたぶらかしているのか?…小祥は嫁に行かぬ!」「小祥はもう大人だ、無理にとどめ置いてはいけない」「口出し無用だ」(* ゚ェ゚)<師父は…「なら小祥に伴侶を選ばせよう、皆の前で意中の者を選ばせるのだ」(* ゚ェ゚)<師父、わ…「いいだろう」(* ゚ェ゚)…ボッチその夜、小祥は中庭で臭臭(チョウチョウ)と遊んでいた。初空は回廊からその様子を眺めていたが、小放(ショウホウ)が外套を届けに来る。「なぜ小祥に婿選なんて…裴公子を選ぶかもしれないと心配にならないのですか?」「お前と言う奴は…」すると初空は小放に書き付けを託し、私の代わりに届けてくれと頼んで戻ってしまう。一方、わずかな望みと分かっていながら賭けに出た修茗。…もし私を選んでくれたら今までの策は捨てて祥雲(シャンユン)と共に生きよう、今生はただの裴修茗として楊小祥と一緒に残りの日々を平穏に過ごすのだ…こうして小祥の伴侶選びが始まった。初空は小祥に赤い鞠を渡し、伴侶に選んだ男に投げるよう告げる。「いなければ投げなくてもいいぞ」すると小祥は鞠を持って振りかぶったが、急にあきらめて直接、師匠に手渡した。「私が好きなのは師父です、でも不器用なので外すと困るから…」「男に鞠を渡す意味を分かっているのか?」「一生を共にすると言うことでしょう?私は生涯、師父に仕えると約束しました」小祥の想いに感無量の初空、しかしそんな2人の幸せそうな姿に修茗は激しく嫉妬していた。初空の発作の頻度は確かに増えていた。世話をする小祥も心配でたまらないが、治療法はないという。そんな中、金烏(キンオ)派の許文瑞(キョブンスイ)が見つかったと知らせが来た。「従者が例の刺客に似ていると…」初空は千謀たちと急いで追いかけた。すると竹林で深手を負った弟子たちを見つける。実は千謀に報告して許文瑞のあとをつけていたところ気づかれ、襲われていた。「でも変でした…刺客というより生きる屍のようで… 応戦して相手の手を斬り落としましたが、痛がる様子もなかった」初空は許文瑞が邪法で傀儡を動かしていると分かった。一方、小祥は修茗に心の臓を治すすべがないか相談していた。そこで修茗は心の臓の病に欠かせないのが雪蓮花(セツレンカ)だと教える。「完治は無理でもましにはなる、だが普通の雪蓮花ではあまり効かない 特に効き目があるのは霊力が集まる聖凌(セイリョウ)山の頂きにあるが… 雪山は危険なんだ、命を落とす可能性がある」「気をつけて行ってきます!」すると罠だとも知らず、小祥は嬉しそうに出かけてしまう。…雪の中に倒れるあなたを見て初空は完全に恋に落ちるだろう、賭けに負ければあなたは歴劫を終えて天界に戻る、賭けに勝てば初空は自ら心の臓を差し出し、この歴劫であなたの元神は回復する…「私は間違っていない」初空たちは結局、許文瑞を見つけられず聖凌教に戻った。すると小放が息急き切って正門の外まで飛び出して来る。「教主、大変です!小祥がいません!」初空は弟子たちに捜索を命じたが、小祥は一向に見つからなかった。しかし修茗がふらりと現れ、小祥なら山頂へ向かったと教える。「小祥にもしものことがあればお前は悲惨な死を迎えることになるぞ」初空は外套をつかみ、急いで小祥を探しに出かけた。初空は凍えて動けなくなった小祥を見つけた。「小祥!しっかり!目を覚ませ!」「…師父、雪蓮花を見つけました」「寝ては駄目だ!しっかりしろ!」初空は小祥を救うため玲瓏心の力を発揮、小祥を連れて何とか聖凌教までたどりついた。その頃、天界では李(リ)天王が勝手に自分の筋書きを変えた修茗皇子に怒り心頭だった。「小祥子(シャオシャンズー)が死んだら今回の歴劫が台無しになる…訴えてやる!」初空が無事に小祥を連れ帰ったのを見た修茗はその夜、小祥のために花輪を編んでいた。…もう少しだ、玲瓏心の病が治ったら一緒に帰ろう…一方、初空は楽逸(ラクイツ)別棟で小祥を介抱していた。やがて熱が引いた小祥は目を覚ましたが、いきなり師匠の身体をまさぐり始める。「何をする?!」「師父?!雪蓮花は?!どこです?!」「薬師閣にある、気持ちはありがたいが、二度と命を軽んじてはならぬ」初空はそのまま小祥を寝台に寝かせた。「師父…どうして今まで雪蓮花を採りに行かなかったのですか?」「雪は嫌いだ」つづくΣ(⊙∀⊙)ハッ!そうか!天界で″小祥子″と呼ばれているから″小祥″なのか!って、今さら感wwwわざわざ第1話で李天王が「小祥子!」と呼んで祥雲が「年頃の娘を宦官みたいに呼ぶな!」って怒る場面があったのはこのためだったのか ←ちゃんと見とけw
2024.07.17
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第17話吊り橋効果で小祥(シャオシャン)の恋心を愛に変える作戦を考えついた千忍(センジン)。聖凌(セイリョウ)教を上げて教主のため一芝居打つことになり、山賊に扮した弟子たちが町に出かけた教主と小祥を襲うことになった。すでに予行練習も済ませ準備万端の初空(チュコン)、しかし思いがけず本当の刺客が現れる。驚いた千謀(センボウ)たちは慌てて教主に加勢し、町中で斬り合いが始まった。武芸ができない小祥は心配そうに見守っていたが、突然、見知らぬ公子が現れる。「小祥、私と行こう!」「あなたは誰?」「修茗(シゥミン)だ」…初空が記憶を消したのか?…修茗は説明を後にしてともかく小祥を連れ去ろうとしたが、その時、初空の剣が飛んで来た。修茗は見事な扇子さばきで初空の剣を避けた。再び初空の転生に現れた修茗、一体、どんな思惑で邪魔をするのか。修茗は初空と数手ほど手合わせすると、屋根の上におびき寄せた。その時、刺客が初空めがけて暗器を投げ、修茗が咄嗟に身を挺してかばい負傷してしまう。するとそこで刺客たちが撤退、初空は修茗の企みを探ろうと聖凌教で手当することにした。初空は修茗が白鶴(ハクカク)派の総帥の一人息子だと知った。実は町に現れた刺客も白鶴派の弟子だったという。修茗は扇子を武器とし、その扇子さばきはまさに神業で、幼馴染の小祥だけを一途に思っていた。初空は至って冷静に報告を聞いていたが、いつの間にか小祥と修茗が旧情を温めていると聞いて飛び出して行ってしまう。修茗は小祥に自分たちが幼馴染で親しい間柄だったと説明した。そこへ初空が現れ、修茗の脈を診るふりをして関節技を決めて来る。「(ボキッ!ボキボキッ!)身体を緩めると治りが早いぞ」初空は前世で修茗にやられた嫌がらせをそのまま返した。「どうだ?やった覚えがあるだろう?」「師父(シフォ)?裴(ペイ)公子(ゴンズー)と知り合いなんですか?」「まあな」「実は裴公子はかつて私と買い物やお祭りに行ったことがあるそうです」「私にも覚えがある@前世…裴公子、別人の話なのでは?」「別人の話?ふっ、教主は書で読んで覚えがあるだけでしょう?」( ・_・)バチッ!---*---バチッ!(・_・ )初空は弟子を騙すなと釘を刺しておいたが、このまま修茗をそばに置いて見張るのが得策だと考えた。…奴も天界の記憶を持っているはず、祥雲(シャンユン)が好きだから陸長空(ルーチャンコン)の話をしたのか?…千謀と千忍は教主から修茗の見張りを命じられた。すると修茗は薬師閣の閣主である千忍を神医と呼んで崇め、暗影(アンエイ)堂の堂主・千謀も優しい人柄で、武芸は教主に次ぐ腕前と世に知られていると絶賛、人たらし振りを発揮する。千謀と千忍はすっかり乗せられたと気づき、こうやって女心をつかむのだと分かった。隙あらば小祥との距離を縮めようとする修茗、千謀と千忍はむしろ悠長に構えている教主に呆れてしまう。そうとは知らず、初空は小祥からもらった果物を食べずに大事そうに磨いていた。「少し萎びて来た気がするな~何とか千年、保たせる方法を考えてくれ」エー!(*´・ω)(ω・`*)千年って…千忍は情に疎い小祥に恋愛の書を読ませることにした。薬師閣に呼ばれた小祥は偶然、千忍が落とした″玲瓏(レイロウ)心の病の記録″を拾ったが、千忍は慌てて隠してしまう。一方、千謀は楊(ヤン)宗主襲撃事件の手がかりを見つけ、教主に報告した。「金烏(キンオ)派の許文瑞(キョブンスイ)が小祥の行方を追っています」似顔絵を見た初空は前世で修茗の配下だった馮(フウ)都尉だと気づき、また邪魔者が現れたと困惑する。「幾月か前に2人は会っています 楊宗主は相手が邪悪で非道と知り、言葉の行き違いがあって逃げました」しかし金烏派は決まった拠点がないため、居場所はまだ分からないという。修茗は小祥の記憶が戻るまで行動を起こさず、静かに見守ることにした。そんな中、恋愛の書を読んだ小祥が師匠にとんでもない頼み事をして初空の度肝を抜く。「師父、″房中術″を習いたいのです」「なっなっ何だって?!」聞けば千忍から恋愛の書を借りたところ、その中の一冊に男女の侠客が房中術で力を得るという話があったという。「一昨日も師兄たちが噂しているのを聞きました ″師父と小師妹は房間にこもって房中術に夢中だ″と… だから師父から習っていないので何もしていないと言ったんです そうしたら良い修業法だし、簡単で効果抜群だと聞きました!教えてください!」これに初空は激怒、小祥がいないうちに弟子たちを集め、見せしめに本を貸した千謀を杖打ちにした。「今回は軽い罰にしておく!だが今度、噂話や人を貶めたりしたと分かった時はこうなるぞ!」(๑✪ω✪๑)しふぉ!初空は小祥から修業をねだられるのを恐れ、避けるようになった。側仕えの小放(ショウホウ)は小祥が来ないせいで近頃、教主から笑顔が消えてしまったと心配したが、初空はおかげで静かだと強がる。その時、千忍が血相を変えて駆けつけた。「小師妹が裴公子と部屋にこもって…心配して声をかけたんですが、小師妹が…その…」「どうした?」「それが…″師兄、邪魔しないで、房中術の…″」o(`ω´ )o<なんだってぇぇぇぇぇ!初空は剣を抜いて修茗の居所に乗り込んだ。しかし小祥はただ型の練習をしていただけだと分かる。小祥から武芸を習いたいと聞いた修茗は房中術の前に基礎を学ぶようなだめ、教え始めたところだった。「師父、どうして裴公子に討ちかかったのです?」「教える資格があるか試してみないとな…だがもうその必要はない」「師父!師父が教えてくれるんですね?!じゃあ師父から房中術を習います!」すると慌てて千忍が小祥に房中術の意味を耳打ちした。お前は勘違いしている…モニョモニョ…>(ノ°д°(・・;)え?(∩≧ꇴ≦∩イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァ〜ッ!!!!!!!小祥は恥ずかしくて部屋に閉じこもった。責任を感じた千忍は点心を差し入れて機嫌を取るが、一向に出て来る気配がない。さすがに初空も心配になって様子を見に来たが、その時、千忍は小祥をおびき出す方法を思いついた。「教主、裴修茗がここへ来た経緯を?」実は山賊事件の時、初空は修茗が策を巡らせ怪我を負ったと見抜いていた。すると千忍は教主も心の臓が悪くなったふりをするよう提案する。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははは~!こういう小ネタを挟む演技、上手いよね~@初空
2024.07.16
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第16話思いがけず小祥(シャオシャン)の口から初空(チュコン)が待ち望んだ言葉が飛び出した。「師父が好きです!」しかしそれは男女の情ではなく、言わば家族や友人への親しみに過ぎなかった。そんなある日、正殿で第148回目の聖凌(セイリョウ)教大会が行われた。千謀(センボウ)は教主に″教務記録帳″を提出して業績を報告し、実は嶼(ショ)州の干ばつで家族を失った子供たちを連れて帰ったという。初空は子供たちを弟子に加えて千謀に文字や武芸を教えるよう命じたが、小祥はふと気になって千忍(センジン)に声をかけた。「ねえ、私も拾われたの?」初空は小祥の質問に気づいてそこで散会し、千忍に答える隙を与えなかった。初空は小祥の両親である楊(ヤン)宗主夫妻の事件を調べさせていた。しかし疑わしい者は見つからず、強いて宗主と不仲と言えば徽山(キザン)派の2番手・呉群(ゴグン)と金烏(キンウ)派の総帥・許文瑞(キョブンスイ)だという。「その2人を調べろ、刺客を養っているかどうか」千謀と千忍は拝命、するとまた厨房で爆発音が聞こえた。「教主、小師妹はまた火薬の研究ですか?」「あれは私に美味いものを作るため、料理の研究だ」小祥が海棠餅を持って飛んできた。今回の海堂餅はかろうじて色がついていたが、千謀と千忍は何とも言えない渋い表情。しかし初空は恐る恐る口に入れ、何とか飲み込んだ。「どうです?」「腕が上がったな」「やった!ご褒美はありますか?!」小祥は喜んだが、その時、師匠の口元に食べかすが付いていると気づいた。そこで自分の口元を指差しながらそれとなく教えたが、その様子を見た初空は褒美に口づけして欲しいという意味だと誤解してしまう。千謀と千忍は慌てて目線を逸らすと、初空は小祥に優しく口づけした。しかし小祥は困惑して逃げる様に出て行ってしまう。ひょんなことから唇を重ねた初空と小祥、しかし小祥の心の臓は光らなかった。師匠と口づけを交わした小祥はようやく初空を意識するようになった。そうとは知らず、小祥に愛されていないと分かった初空はすっかり意気消沈してしまう。千忍はこの世で最も説き難いのが女心だと慰め、戦に兵法が必要なように作戦を立てるべきだと助言した。「良い手はあるか?」「最初の作戦は″孔雀の求愛を真似よ!″です」初空は剣術の修練中、ちょうど海棠の花を摘んで戻って来た小祥を呼び止めた。もしや師匠の告白かと期待する小祥。しかし師匠はかごから花びらをつかみ取り、自慢の剣術で花吹雪をまき散らしてしまう。初空はさぞやこの美しさに魅了されただろうと期待したが、小祥は急にがっかりして花吹雪の掃除を始めた。次は″相手の好みに合わせる″作戦、そこで初空は小祥に内緒で子豚を贈った。千謀と千忍はなぜ犬や猫ではなく子豚なのか不思議だったが、確かに子豚を見つけた小祥は嬉しそうに抱き上げて撫でている。「本当だ、豚が好きな様ですね」「私には分かる、小祥にとって豚は特別な者を表すのだ」その時、小祥の声が聞こえて来た。「ん?臭いわ!名前は…臭臭(チョウチョウ)ね! ( ‘•Ꙫ• ‘ )」しかし思わぬ事件が起こる。小祥が珍しく上手くできたと喜んで豚の角煮を師匠に差し入れた。臭臭の哀れな姿を見た初空は呆然、怒って出ていってしまう。「もったいないな~それなら私が…」その時、回廊から師匠の怒号が聞こえた。「食べるなっ!」小祥は師匠がなぜ怒っているのか分からなかった。先日も剣の修練を口実に海堂の花を細断され、今日も角煮を一口も食べてくれない。千謀と千忍は仕方なく、あの豚が師匠からの贈り物だと教えた。教主は臭臭のために洋服や食器まで準備してくれたという。小祥は服を着せた臭臭を連れて師匠を訪ねた。「臭臭?!」初空は臭臭を抱きしめ、元気な姿に安堵する。「部屋が狭かったので預けていたんです」すると小祥は差し入れの点心を置いて帰って行った。千忍は角煮なら買って来てもらった肉だったと明かし、作戦を変えようという。「小祥の気持ちになって考えれば心をつかめるはずです」初空は小祥のため手料理を振る舞うことにした。剣術の達人にとって包丁など朝飯前、しかしかまどに火を入れて調理を始めると爆発が起こる。千謀と千忍は小祥の火薬の知識がどうやら教主譲りらしいと、いやに納得した。初空は小祥たちに料理を振る舞った。しかし鶏肉は生焼け、特製の包子も失敗、残ったのはきのこの汁物しかない。「これは美味しい!」3人に絶賛された初空は安心して味見してみたが、確かに汁物は大成功だった。その夜、毒きのこを食べた4人は薬を飲んで仲良く並んで横になった。「何か話を…もし寝たら二度と目を覚まさないかも…」「千忍師兄は陸(ルー)という姓だったんですね」「小放(ショウホウ)も陸だ、陸姓の弟子は多い 私たちの祖先は一兵卒だった、陸という将軍に仕えていて随分、助けられたとか だから陸という姓を受け継いだのだ 子供の頃、何年も飯を食えず、教主に拾われたのを覚えている」教主も当時は当然まだ子供だったが、まるで何万年も生きていたかのように大いなる知恵に満ちていたという。「じゃあ千謀師兄も陸なの?」「私はただの千謀だ、私はふもとで千忍に拾われた」「そうだ…拾ってきた」その話を庭に咲いている一輪の花が聞いていた。🌷<間抜けばかりね、ふふふ~翌朝、花妖はちょうど通りかかった千謀に声をかけた。「こっちよこっち!ここへ来て!…石妖なら聞こえるでしょう?」「シーッ!私が石妖ってことは内緒なんだ」紫輝(シキ)こと千謀は花妖を肩に乗せ、教主に紹介した。「教主、花妖に出会いました、千羅(センラ)と名づけました 千羅も女子です、小祥のことで参謀になれるかも…」すると千忍が参謀の立場を奪われまいと、実は毒きのこで寝込んでいる間に恋愛の書を読破、必勝法を発見したという。「恋が芽生えても、それを愛に変えるには生死の危機に直面することが必要です これが俗にいう″吊り橋効果″、手はずは全て整えました」一方、修茗(シゥミン)は小祥を取り戻すため、聖凌教の動きを見張らせていた。するとふもとの町で聖凌教の弟子たちが教主を迎える準備をしていたと知る。「明日、教主が愛弟子を連れて来るそうです ご安心を、白鶴(ハクカク)派の精鋭で小祥小姐を取り戻します」翌日、小祥は師匠とふもとの町へ出かけた。嬉しそうに露店を見て回る小祥、すると虎と豚のお面が欲しいという。「一緒につけましょう?」「また豚か(ボソッ」その様子を茶屋の2階から修茗が見ていた。…初空、また会ったな…つづく(  ̄꒳ ̄)私も陸家の話、懐かしいわ〜 ←って誰?!w
2024.07.15
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第15話天界に新たな神託が下った頃、摩羅(マラ)山では錦蓮(キンレン)がまさに滄海(ソウカイ)帝君を復活させようとしていた。しかしなぜか失敗、錦蘿(キンラ)が激しい反噬で元神を損ない、錦蓮まで道連れになってしまう。実は摩羅族の双子は同じ運命をたどり、死ぬ時も同じだった。「これは…女媧(ジョカ)石の心ではないな?」錦蓮は双子の妹で摩羅族の聖女でもある錦蘿の裏切りに驚愕した。「今まで誰も与えてくれなかった愛を紫輝(シキ)がくれた あの人を助けるためなら自分の心を捧げても構わない!」「答えろ…女媧石はどこにある?」「見つけられないわ、だってもうすぐあなたの魂も消散してしまうから あはははは~!哥哥、私と一緒に地獄へ落ちるの、そこが私たちに相応しい場所よ」すると錦蘿は姿を消してしまう。一方、人間界では女媧石の化身である紫輝が目を覚ましていた。しかし心を奪われたせいで記憶を失い、何が起こったのか全く覚えていない。「ここは一体どこだ?なぜここに?」摩羅族の邪魔が入ったせいで天界では転命司が神託を受ける際に混乱が生じていた。しかし帝君が独りで対処し、初空(チュコン)が長寧(チョウネイ)殿へ駆けつけた時にはすでに昊軒(コウケン)が神託を受け取っていた。…滄海が蘇って世が覆り、災いが訪れる…第1話の神託では″滄海が千年で蘇る″とあったはず、初空はそれまでに元神を修復するため、急ぎ次の歴劫に出かけると決めた。孫(ソン)天王は帝君が摩羅族の力を抑えたせいで元神が傷ついたと気づいた。しかし昊軒は医者を断り、口止めする。再び初空が歴劫に出れば天界の守りが手薄となり、さらに自分まで手負いだと知られれば摩羅族が動くこと必至だという。一方、深手を負った錦蓮もまた元神を修復するため、人間界へ歴劫に出ると決めた。「邪風(ジャフウ)、私がいない間、摩羅族を守ってくれ、軽はずみに動くな」初空は念のため転命司を訪ね、李(リ)天王が書いた転生の物語を確認した。3回目では心の臓の病・玲瓏(レイロウ)心を患い、20歳まで生きられない設定だという。しかし同じ玲瓏心の祥雲が初空を愛して自ら心の臓を捧げると、初空の寿命を延ばせることになっていた。「こうしてさほど待たせずに修行が終わり、元神も回復します(キリッ!」「だが彼女に愛されていると確かめる方法は?」「玲瓏心の者同士が唇を重ねると心の臓が光ります!」「口づけって…それは…(テレ」「何か問題が?(はっ!)では玲瓏心の者には神仙に近い力を与え、生まれつき無敵にします!」初空は満足したのか、加えて祥雲が自分の命に従うよう従順にしてくれと頼んだ。「今度こそ私をガッカリさせるなよ?!」すると初空は神仙たちに祥雲との口づけを見られないよう、自分の運名簿を封印してしまう。昇格できたのも束の間、急に3回目の歴劫へ行くことになった祥雲。しかし紅塵(コウジン)井へ向かう途中、うっかり忘川蜜(ボウセンミツ)を落とし、初空が拾ってしまう。(  ̄꒳ ̄)_🧪<これはそなたのか?(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤ~<転生の際には忘川の水を飲むのが決まりですから…(๑・᷄ὢ・᷅๑)チッ!修茗(シゥミン)は七夕の手伝いで姻縁閣を訪れた際、偶然、祥雲の手首に触れ、彼女の元神の異変に気づいていた。そこで転命司を訪ね、転生に関する書物を調べてみる。…神仙が転生すると通例、死ねば天界に戻り元神が回復するだが元神が同源の2人の場合、相手のために命を投げ出すと相手の元神を補い、その代わり死んだ者の元神は消耗する、このまま元神を捧げ続ければ、やがて元神は消滅するだろう…「それで元神が傷ついていたのか」修茗はようやく原因を突き止めたが、その頃、祥雲はすでに3度目の歴劫に出かけようとしていた。今回ばかりは記憶を消して行かざるを得なくなった祥雲。しかし初空は祥雲が忘川水を飲むのを確認すると、さっさと紅塵井に飛び込んでしまう。天界での記憶を持ったまま人間界に転生した初空。幼い頃から邪道の技を学び、天性の驚くべき力を持つも病弱という聖凌(セイリョウ)教の教主で、俗世とは関わらず、その名を知る者もいなかった。何の因果か初空の側近は錦蓮の転生・千忍(センジン)と記憶のない紫輝こと千謀(センボウ)。初空は似顔絵を頼りに長年、祥雲を探し続けていたが、19歳となる今年、ついに祥雲を見つけることになった。祥雲は御剣(ギョケン)宗の宗主夫妻の娘・楊小祥(ヤンシャオシャン)に転生した。玲瓏心の小祥は深窓の令嬢だったが、その年、両親と蜀にいる名医を訪ねるため、初めて外の世界へ出ることになる。しかしその夜、一家は滞在先の満香(マンキョウ)館で何者かに襲撃された。宗主と夫人は娘を箪笥に隠して応戦したが、黒装束の男に殺されてしまう。指を噛んで恐怖に耐える小祥、その時、かろうじて刺客の手にあざがあるのが見えた。御剣宗の弟子たちが満香館に駆けつけた時には宗主夫妻も従者も全滅していた。そこへ小祥の身を案じた裴修茗(ペイシゥミン)が駆けつける。修茗は楊宗主と親しい白鶴(ハクカク)派の侠客の息子で、小祥とは幼馴染だった。しかし小祥の姿は見当たらず、誰かが連れ去ったと分かる。実は小祥を助けたのは初空だった。初空は箪笥に隠れていた小祥を発見し、聖凌教に連れ帰った。しかし玲瓏心の力を使ったせいで体力を消耗、数日は車椅子での生活となる。小祥は恐怖のあまり記憶を失くし、興奮を抑えるため今は薬で眠らせていた。弟子たちは小祥が玲瓏心だと分かり、これで師匠も助かると安堵する。ただし残りの1年でどうすれば小祥が教主を愛するようになるのかが課題だった。側仕えの小放(ショウホウ)は教主が刺客を倒して助けたことを思い出せば、恩返しに心の臓を捧げるはずだという。「ともかくこの娘は預かる、弟子たちには私の最後の弟子だと伝えてくれ」修茗は配下から報告を聞いた。実は事件の前、聖凌教の弟子たちが似顔絵を持って小祥を探していたという。修茗は今さらながら楊宗主夫妻に蜀行きを勧めたことを後悔した。…離れても祥雲を守れると思ったが、まさか延命のために手段を選ばずさらうとは、初空め…その頃、天界では李天王が修茗皇子も歴劫に出かけたと気づいた。しかも自分が書いた初空戦神の話を代用し、祥雲の幼なじみとして転生している。「でも聖凌教での3人の情劫は俺の筋書きよりむごいな~ 宣伝しとこっ!2人の神仙が私の筋書きを使ったって!」小祥は記憶を失ったおかげか、聖凌教での新しい生活にすぐ慣れた。ある日、小祥は海棠餅が食べたいという教主のため、書を見ながら作っていたが、また厨房で爆発を起こしてしまう。「このひと月で大爆発が8回、小爆発は18回…もしや小師妹は火薬の専門家なのか?」「やっぱり只者じゃないのかも…」初空は食卓に並んだ小祥の料理に困惑した。「炊事については何も望まぬが…この苦行に身体がついて行かぬ」「師父…あなたをまた失望させてしまいました、でも努力します!」「しなくていい、ただ海棠餅だけは必ず成功させてくれ」「了解!」初空は天界で食べ損ねた祥雲の海棠餅がどうしても忘れらなかった。「で、さっき作っていた海堂餅はどうした?」すると小祥は申し訳なさそうに大失敗した海堂餅を出す。「聖凌教に来て一月も経つのに学問も武芸も何もできないなんて…私は本当に役立たずです 聖凌教は私の家も同然、ここでの暮らしも師父も大好きなのに…」「(はっ!)今、何と?」「師父のことが好きです」つづく( ˶´꒳`˵ )ちょこちょこ2回目の転生と繋がるネタが仕込まれているのイイ!初空と錦蓮が一緒に転生しちゃう展開も面白いわ
2024.07.14
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第14話天界に戻って陸長空(ルーチャンコン)の面影が消えた戦神・初空(チュコン)。内心では祥雲(シャンユン)を想いながらも、その自尊心の高さゆえ素直になれずにいた。写経を命じたのも祥雲の霊力を向上させるためだったが、かえって転生の時の仕返しだと誤解されてしまう。「なんであれ私は初空仙君をかばって矢を受けました 全ては仙君の修行が上手く行くため、失礼があったならお詫びを…」すると祥雲は逃げるように帰ってしまう。一方、鶯時(オウシ)公主は転生で縁を結んだ紫輝(シキ)に会うため人間界に向かった。しかし急に誰かの声が聞こえ、激しい頭痛で動けなくなってしまう。『私はお前が誰か知っているぞ?分かっていないのはお前だけだ…思い出せ』すると摩羅(マラ)族の護法・錦蓮(キンレン)が現れ、双子の妹の記憶を呼び覚ます。あれは数百年前、錦蘿(キンラ)は血生臭い生活に嫌気が差して摩羅山から逃げ出した。その時、偶然、道に迷っている鶯時と出会い、身体を乗っ取ってしまう。…哥哥、さようなら、錦蘿にもお別れよ…昇格した祥雲は七夕を前に姻縁閣で忙しい毎日を送っていた。すると当日、修茗(シゥミン)が駆けつけ、祥雲の最初の大仕事を手伝うという。祥雲は感謝して拝礼したが、修茗は頭を上げさせた。その時、祥雲の手首に触れた修茗は思いがけず祥雲の異変を感じ取る。「殿下?どうかしましたか?」「いいや…」一方、戦神に仕える銭(セン)天王は休みをもらいたいと頼んでいた。七夕で姻縁閣が忙しいため手伝いに行きたいという。「祥雲が昇格して初めての七夕なので…それに昇格祝いの宴にも出ようかと…」戦神は興味なさそうに黙っていたが、結局、許してくれた。銭天王は祥雲を口実に姻縁閣でお気に入りの仙女の仕事を手伝っていた。すると突然、初空が現れ、暇なので様子を見に来たという。誰もが恐れる戦神の来訪で和やかだった婚姻閣は一変。修茗は皆が萎縮していると指摘したが、初空は我関せず、縁結びなら自分がすぐ終わらせると言い放った。初空は確かにあっという間に祈願札の縁組を終わらせた。面白くない修茗はこっそり術を放って1組の札の赤い糸を切ったが、初空はすぐ見抜く。しかしその札は偶然にも国を背負う将軍の名だった。初空は戦に行く将軍ならかえって縁を結ばないほうが良いと言ったが、祥雲は守りたい者がいれば人は強くなれるという。「将軍が外敵と戦うのは民を守るため、その民の中には…」「愛する人がいるからだ」初空は人間界での自分と祥雲の縁を思い出し、うっかり口を挟んでしまう。「そっ、そこまで理解しているとは成長したな」すると祥雲は将軍の祈願札を再び赤い糸で結び直した。祥雲を巡って張り合う初空と修茗。気まずい雰囲気を察した紅線翁(コウセンカク)はこれから祥雲の昇進祝いを開くと断った。「もう日も暮れますし…あ、お二人ともお忙しいでしょうから…」紅線翁は遠回しに追い返すつもりだったが、修茗は迷わず参加すると答えた。「初空仙君は…その…食べて行かれますか?」「そうだな」食べるのかーいっ!>ʕ•̫͡•ʕ*̫͡*ʕ•͓͡•ʔ-̫͡-ʕ•̫͡•ʔ*̫͡*ʔ-̫͡-ʔ初空と修茗は宴でも祥雲の気を引くため牽制し合った。しかし当の祥雲はすっかり主役の座を奪われ、全く楽しめない。…私の昇進祝いのはずだったのに…するとたまり兼ねた李(リ)天王が祥雲にそろそろ手作りの海棠(カイドウ)餅を振る舞ったらどうかと声をかけた。「そうだった!すっかり忘れていたわ!」祥雲が海堂餅を食卓に置くと、神仙たちは戦神がいることも忘れて箸を伸ばした。気がつけば皿にはひとつしか残っていない。初空は遠慮のない神仙たちにため息を漏らしながら、最後のひとつを取ろうとした。その時、修茗が横取りして食べてしまう。「甘いものは嫌いだったろう?」初空は手持ち無沙汰で手前の料理をつまむしかなかった。「仙君…また今度、お作りします」「分かった」すっかり夜も更け、神仙たちは酔い潰れた紅線翁を送って行った。祥雲たち3人は美しい星空を眺めていたが、やがて祥雲も修茗も酔いが回って居眠りしてしまう。すると初空は祥雲の寝顔を眺めているうち、つい本音が漏れた。「人間は寿命が短すぎる、神仙の方がいい、少なくとも愛する人と1000年は連れ添える」実は初空も人間界から長命玉を持ち帰っていた。「陸長空は確かにいた…覚えている人がいる限り消えたりしない、そうだろう?」初空は人間界で祥雲と眺めた星空を思い出し、独り涙してしまう。↓( ͒ ඉ .̫ ඉ ̀ ͒) ブワッ…翌日、祥雲は初空に海堂餅を差し入れることにした。しかし運悪く李天王に見咎められ、自分が食べるために作ったと嘘をついてしまう。李天王は遠慮なく海堂餅を食べながら、せっかく昇格したなら辛い歴劫などやめるよう助言した。すると祥雲はこれも人助け、修行の成功を手伝うことも務めだという。錦蘿は摩羅山に連れ戻された。「摩羅族に命を捧げるわ、でも殺しは嫌なの」しかし錦蓮は殺さなければ自分たちが滅ぼされると訴え、例え妹でも好き勝手は許さないという。「女媧(ジョカ)石を取り戻して来い、さもなければ私が出向くことになるぞ?」人間界では紫輝が川辺で鶯時を弔っていた。墓標には″愛妻 解鶯時(カイオウシ)の墓″とある。そこへ2人の思い出の傘を持った娘が現れた。紫輝は驚いて歩み寄ったが、見知らぬ娘だと知って落胆する。「人違いでした、実は亡き妻の墓なんです…いつか私が死んだら隣に埋めてもらう」錦蘿は紫輝が自分を妻として葬ったと知り、その深い愛情に胸が痛んだ。すると錦蘿は紫輝と鶯時しか知らない思い出話を始め、実は自分が鶯時だと明かす。「ここに来たのはもらうものがあるためなの」錦蘿は愛する紫輝の身体から石を抜き取り、摩羅山に戻った。石を受け取った錦蓮は妹の働きを喜び、結局、この世界で心から妹を想い、裏切らないのは自分だけだという。「摩羅族は長く迫害されていた、恨みを晴らす、それが我らの使命だ」こうして錦蓮は女媧石の心を使って蒼海を復活させることにした。すると天界に新たな神託が下る。…世が覆る…つづく(  ̄꒳ ̄)相変わらずこういうの上手いよね〜@初空
2024.07.07
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第13話人間界の歴劫を終えて天界に戻った初空(チュコン)。しかし出迎えの神仙たちの中に祥雲(シャンユン)を見つけながら、声もかけず通り過ぎてしまう。祥雲は感傷的になって思わず涙ぐんだが、初空は密かに仙術を放って涙を拭った。その時、一緒に転生していた帝休(テイキュウ)族の皇子・修茗(シゥミン)が帰って来る。すると修茗は出迎えの神仙たちを下げ、祥雲だけ呼び止めた。「人間の修茗に代わり私が償おう…本意ではなかった、どうか許してくれ」「分かっています、あれは李(リ)天王が書いた筋書きのせいです」修茗は祥雲にわだかまりがないと分かり、これからは一緒に苦労した友だと笑った。「それなら友の私に説明してもらおうか」その声は引き返して来た初空だった。初空は修茗を連れて瀟雲(ショウウン)殿に戻った。「″忘川の水″があれほど効くとは…記憶があればお前にあんな残忍なことができるわけない 確かに多くの罪を犯したが、お前の修行を助けたくて転生したんだ」すると修茗は人間界の第3皇子に代わって謝罪し、初空に許してもらった。一方、姻縁閣に戻った祥雲はまだ陸長空(ルーチャンコン)への想いを引きずっていた。紅線翁(コウセンカク)はまた縁を結べば良いと励ましたが、祥雲にとって初空と長空では天と地ほどの隔たりがあるという。「だが初空仙君はお前を深く想っていたぞ?」「でも長空じゃないもん」その頃、李天王は初空戦神に呼び出され、歴劫で散々な目に遭わされたと責められていた。まさか知らぬ間に筋書きが変わっていたとは言えず、愛が深いほど元神が回復するものだと取り繕う。「転生後の気質はしばしば心の奥底に潜んだものが現れます 神仙が転生先で何をするか、どんな結末を迎えるか、結局は神仙の気質で決まります」李天王は上手く乗り切ったと安堵したが、初空は意味ありげに笑った。「ふっ…李天王、聞いたぞ?古の術・逐浪九峰(チクロウキュウホウ)を会得したとか、見てみたい」「いえ、とてもお見せするようなものでは…」すると初空は李天王の手首を締め上げた。確かに逐浪九峰という術を知る者は少ないが、初空を騙すのは難しい。「この術を会得すると霊気が巡って手首が光る、だが痛みで耐え切れない 筆も持てず、馬鹿げたあらすじも書けぬはずだが?」「イタタタタ…仙君、真に受けませんよう、あ、急用を思い出しました!٩(¨ )ว=͟͟͞͞ ピュー!」初空は独りになると李天王の言葉を思い返した。…転生後の気質はしばしば心の奥底に潜んだものが現れます…果たして宋(ソン)祥雲は心から陸長空を好きだったのか、それともただの修行に過ぎなかったのか。一方、祥雲は未練を断ち切れず、長空からもらったかんざしだけ持ち帰っていた。「大したことじゃない、ただ少し悲しいだけ…ゥッ」その頃、転生先で祥雲と結ばれなかった修茗は過去の苦い経験を思い出し、憤っていた。…3万年前のこと、修茗は昊軒(コウケン)帝君から滄海(ソウカイ)が魔道に落ち、帝休族を殺し尽くしたと聞いたしかし幸いにも初空が元神の半分を犠牲にして滄海を無界へ追いやり、討ち滅ぼしてくれたという『修茗殿下、帝休族の敵は討った、世の民はついに救われたのだ』『残念でならない、我が手で″敵″を討てなかったことが』修茗は憎しみを込めながら昊軒に言った…そして修茗はついに探し続けていた滄海を見つけた。「二度と悲劇は繰り返さない、必ずあなたを守る」すると修茗は心血を注いで砕魂箭(サイコンセン)を作らねばならないと奮起する。「あなたのために危険を除き、恨みを晴らす」李天王がようやく姻縁閣に顔を出した。祥雲はこれまでの鬱憤を爆発させたが、李天王は自分に手を出せば逐浪九峰で怪我すると脅す。しかし祥雲はただの見栄だと知っていた。「何が逐浪九峰よ!できもしないくせに!」兄妹のような2人は取っ組み合いになったが、そこへ思わぬ知らせが来た。「また公主が来たわ!」祥雲は慌てて姻縁閣を逃げ出したが、李天王は仕返しに祥雲なら向こうに逃げたと公主にばらしてしまう。祥雲は呆気なく鶯時(オウシ)公主に捕まった。そこで筋書きにちょっとした手違いがあったとごまかしたが、思いがけず鶯時は初空との縁をあきらめたという。「愛は経験しないと分からない…うまくやってくれたわ」実は鶯時は歴劫で紫輝(シキ)と縁を結んでいた。紫輝はただの石ではなく、あの女媧(ジョカ)石の化身だという。「女媧石はもともと私の物、これで貸し借りなしね…でも紫輝に手を出したら許さないから!」「誰を許さないのだ?」その声は初空戦神だった。初空は姻縁閣の者に因縁をつけるなと鶯時に釘を刺した。すると鶯時は天界に戻ってもまだ祥雲を守るのかと失笑する。「人間界でも手を尽くして守っていたものね、まさか本当に恋に落ちたのかしら? 3万年も情愛に疎かった戦神が堂々とイチャつくとはね~」鶯時は父親の威光を笠に着て怖いものなし、初空を散々、揶揄して帰ってしまう。祥雲は初空が長空のように自分を助けに来たことが嬉しかった。しかし初空はつい″歴劫の相手を死なせるわけにはいかない″とそっけなくしてしまう。「そうですよね…修行の邪魔にならないよう気をつけます」祥雲は落胆し、気まずそうに帰って行った。初空は兄の昊軒帝君に謁見、歴劫は元神の回復にかなりの効果があったと報告した。「あと数回、行けば元通りに…」「安心した、だが姻縁閣のあの仙女に不満があると聞いたが?」初空は歴劫から戻った時に祥雲を無視したせいだと分かった。「いいえ、素晴らしい相手です」実は祥雲は今回の転生で元神を損なっていた。孫(ソン)天王は帝君に転生を続ければ仙女が命を落とすと報告、すると昊軒は仙女をすぐ呼ぶよう命じる。一方、側仕えから帝君が祥雲を呼んだと聞いた修茗は驚き、蓬莱(ホウライ)居を飛び出した。昊軒帝君は祥雲の顔を見て驚いた。「真の姿は何だ?」「3000年前、漂う彩雲だった私を紅線翁が人像(ヒトガタ)に…」帝君は術で仙女の真身を確認したが、確かに彩雲だった。「弟の情劫相手がどのような者か会いたかった…お前を見ると亡くなったある者を思い出す」すると帝君は褒美として祥雲の官位を2段階上げ、″縁結び仙女″という称号を与えた。祥雲が長寧(チョウネイ)宮を出ると修茗が待っていた。「昊軒神君に会ったのは初めてかい?」「ええ」修茗の心配をよそに祥雲は官位が上がって俸禄ももらえると喜び、期待に応えるべく務めに戻った。修茗は祥雲の背中を見送りながら、命より大事にしているあの玉を出した。実は修茗が持っている玉は摩羅(マラ)族の神器・天穹玉(テンキュウギョク)。かつて滄海が贈ってくれた玉だった。『少し私の力が込めてある、身につけるように』『そんな貴重な物を頂けません』『持っていて、身体を強くして元神を養うから』…天穹玉の色が暗くなった、滄海、今度は必ずあなたを守る…姻縁閣に戻った祥雲は親代わりの紅線翁に昇格を報告、ここまで育ててくれた恩に感謝した。すると初空戦神が祥雲を呼んでいると知らせが届く。(꒪ꇴ꒪〣)<翁翁…行きたくな~い祥雲は思わず紅線翁の手首をつかんで助けを求めたが、あえなく指を引き剥がされてしまう。祥雲は渋々、瀟雲殿を訪ねた。初空は昇格した祥雲が当然、自分に感謝してくれると思ったが、期待を裏切られてしまう。「これも紅線翁や姻縁閣のおかげ、何より修行に耐えることができた自分に感謝です!」「それから?」「それから?…あ!天界という暖かな家庭にも感謝しています」初空は何も分かっていない祥雲に頭を抱えた。そこで自分からも褒美だと言って卓上に写経一式を召喚し、これでうぬぼれを戒めるよう命じる。「数日、お待ちを…姻縁閣のお務めがありま…仙君nnnnnn!」しかし初空は祥雲の懇願を無視して出かけてしまう。( ತ _ತ)<神君は聡明で立派なのに、実の弟は小さいわ~<100回、追加! (꒪ꇴ꒪〣) ゲッ!祥雲が写経を終えると、初空が戻って来た。「仙君、怠けずに書き終えました、他にご用がなければ失礼します」「駄目だ」「(ホントしつこいんだから)もしかして私を懲らしめたいとか…」「…人間界でお前は何度も″懲らしめるな″と言った、天界の記憶を持っていたな?』「(チッ!やっぱり仕返しか)根に持たないと言ったのに… 人間界で約束しましたよね?懲らしめないと」「私は陸長空ではない」「なんであれ私は初空仙君をかばって矢を受けました」つづく( ๑≧ꇴ≦)これは…帝君が怪しい!
2024.07.07
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第12話いよいよ寧(ネイ)王・修茗(シゥミン)へ嫁ぐ日を迎えた宋祥雲(ソンシャンユン)。花嫁を乗せた輿は何事もなく門へ到着し、祥雲は赤い絨毯の上に降り立った。…陸長空(ルーチャンコン)、絶対に来ては駄目よ…祥雲が大殿に到着、修茗は美しい花嫁を迎えるため玉座から立ち上がった。その時、突然、修茗めがけて長刀が飛んで来る。修茗は瞬時に避けて無事だったが、これを合図にすでに大殿に潜入していた反乱軍が寧王の前に立ちはだかった。するとついに長空が現れ、祥雲の手を取る。「祥雲…」「来るべきではなかったのに…」「来なければ一生、後悔する」しかし修茗は長空が来ることを見越して伏兵を配備していた。「陸長空、ここへ来たということは命が惜しくないということだな… 皆の者、王妃を救い、逆賊の首を取れ!」兵士は大殿の門を全て閉鎖、長空たちの退路を断った。劣勢を強いられながらも応戦する長空、しかし巻き込まれた祥雲は長空と手が離れ、兵士に連れ去られてしまう。すると無事に祥雲を取り戻した修茗がここで射者隊を投入し、長空を狙った。一方、陸家軍に加勢した紫輝(シキ)と鶯時(オウシ)は宮道で死力を尽くしていた。しかし仲間が全滅、追い込まれた紫輝は霊力を使って鶯時を守ったが、鶯時は紫輝をかばって長刀に突き刺されてしまう。長空は祥雲の目の前で矢を受け、背後から斬りつけられた。焦った祥雲は侍衛の帯刀を奪って修茗を刺したが、本気で殺せるはずもない。修茗は自分に何があっても王妃を傷つけるなと号令し、ただし陸長空だけは必ず殺せと叫んだ。「やめてっ!」祥雲は思わず自分の首に短刀を突きつけた。「あなたを殺さない、でも陸長空を死なせるわけにいかないの」すると修茗はやむを得ず攻撃を止めた。祥雲は傷だらけの長空に歩み寄り、説得した。「陸長空、辺境で別れた時に私は決めたの、残りの人生を平穏に生きると…だから離れたのよ」「どんなに言葉を重ねても私は信じない…私を去らせるために言うんだろう? 生死に関わらず今生は君と一緒だ」長空は肌身離さず持っている長命玉を出し、これがある限り自分は死なないと訴えた。「祥雲…私を信じろ」祥雲は長空との深い絆を思い出し、刀を捨てて長命玉をつかんだ。長空は祥雲を連れて大殿から逃げ出した。宮中では後方部隊が到着、衛兵と激戦を繰り広げる中、2人は手に手をとって駆けて行く。しかし激情に駆られた修茗が長空めがけて大殿から矢を放った。すると弓矢に気づいた祥雲が身を挺して長空を守り、矢に射抜かれてしまう。反乱軍が勝利、気がつけば宮中に初雪が降り始めた。長空は祥雲を腕に抱き、懸命に呼びかける。「祥雲!…祥雲!」「やっと分かった…人の情愛とは生死を懸けるものなのね… おじさまとおばさまのこと、本当にごめんなさい…でもこれで借りは返した」「バカだな、借りなどない、何を返すというんだ」確かに天界の記憶がない長空に祥雲の言葉の意味が分かるはずもない。「あなたに消えて欲しくない…」「私は消えたりしない」「私の言葉を忘れずにしっかり生きて… ウッ…今生の恩と憎しみはあまりに複雑だった、先に逝くわね」すると祥雲は舞い落ちる雪を見て力無く手を伸ばした。「まるで海棠の花のよう、きれい…」祥雲は最期に宋家の海棠の木を思い出しながら旅立った。一方、摩羅(マラ)山では護法・錦蓮(キンレン)が紫輝と鶯時の別れを見守っていた。愛する紫輝のため犠牲となった鶯時。錦蓮もまた人の情愛が生死を懸けるものだと知ったが、その時、天界へ戻る鶯時の元神が実は行方知れずだった聖女だと気づく。「ここにいたのか…」実は錦蓮の双子の妹・錦蘿(キンラ)は鶯時の身体を乗っ取り、本当の姿を隠していた。しかし長らく鶯時として過ごしたせいか、うっかり歴劫に出て正体がばれてしまう。「残念だったな、どこへ逃げても無駄だ」祥雲は歴劫を終えて天界に戻った。紅塵(コウジン)井では紅線翁(コウセンカク)と転命星君(テンメイセイクン)が出迎えてくれたが、祥雲の様子がおかしい。「人間界では本当に大変だった…初空(チュコン)戦神にきっと仕返しされる」「でも身代わりに矢を受けたのは感動的だった、戦神も意地悪しないわ」転命星君はうっかり口を滑らせ、祥雲の歴劫が酒の肴になっていたとばれてしまう。焦った転命星君は祥雲が苦労したのも李(リ)天王のせいだと責任転嫁、けじめをつけさせようと煽った。すると祥雲はそれより自分が死んだあとの長空が見たいという。…長空は祥雲との約束通り生きていたしかし祥雲を失った衝撃から白髪となり、今日も墓前で悲しみを酒で紛らせているするとふいに誰かの気配を感じ、手を伸ばした『祥雲?…もしそこにいるなら姿を見せてくれないか、ひと目だけでいい そうすれば独りではないと分かる』その時、長空の手のひらに涙が一粒、落ちた…祥雲は転命星君にもう一度だけ長空に会いたいと頼んだ。しかし今回の歴劫が終わって宋祥雲と陸長空の縁も切れたという。「無理やり会えばこの世の秩序が乱れてしまうの」祥雲は姻縁閣に戻った。寿命が長い神仙にとって歴劫などほんの一瞬のことだと思っていたが、いざ修行してみるとよく分かる。そこで過ごす時間も出会う人も全ては縁で決まっている。決して逃げられない運命なのだ。…あれから人間界では第1皇子が新帝となった父皇を操り、陸家を陥れた修茗は謀反の罪で投獄されてしまう…出会った時からすでに物語は始まり、そして結末がどうなるかは経験しなければ分からない。転生によって本来の自分と相反する者になることもあれば、温厚で優しい君子が愛のため片意地になり、代償として命を捨てる、そして傲慢な戦神は死ぬまで変わることなく愛のために人生を送った。祥雲は長空が心配で転命星君を頻繁に訪ねていた。転命星君は戦神を本当に好きになったのかと怪しんだが、祥雲は慌てて否定する。そしてついに長空としての寿命を全うした初空が天界へ戻った。初空は出迎えた神仙たちの中に祥雲の姿を見つけたが、声もかけず通り過ぎてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっと!祥雲の巨大な頭のせいで話に入れなかったわwでも今回の白髪は良い白髪⭕️
2024.06.30
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第11話策を弄して愛する祥雲(シャンユン)を手に入れようとした寧(ネイ)王・修茗(シゥミン)。しかし婚儀を目前にして全てを知った祥雲は深く傷つき、去ってしまう。修茗は激しく動揺し、殿内に戻ると発作を起こした。太監は薬を飲ませ、身体に毒となる香袋を諦めるよう訴えたが、修茗は祥雲手作りの香袋を決して放さなかった。入内した祥雲が急に実家へ戻ってきた。事の顛末を聞いた宋勤文(ソンチンウェン)は娘を陸長空(ルーチャンコン)の下へ逃がすことにしたが、祥雲は両親を残しては行けないと拒む。「私を見くびるな、まだ寧王の天下になったわけではない 私に考えがある、明日、参内して寧王を足止めする」宋勤文は娘に通行証を渡し、祥雲が都から脱出すれば憂なく寧王と渡り合えると強がった。しかし神仙の記憶がある祥雲は自分のせいで宋家を失うことなどできないという。「寧王は病弱で一緒にいるのは数十年、私にとっては一瞬のことなの だから私を留まらせて!」「いいからお前は長空のところへ行きなさい、そして寧王の罪を公にしてくれ 父母には何も起こらない、心配するな」その頃、ふもとの町へ買い物に出た鶯時(オウシ)と紫輝(シキ)は寧王と宋祥雲の婚儀を知らせる皇榜を見た。祥雲の想い人は陸長空だったはず、紫輝は恩人の身に何か起こったのだと気が気でない。すると鶯時が心配なら会いに行って来いと背中を押した。翌朝、宋勤文は朝議に乗り込み、寧王が皇帝に毒を盛っていると告発した。調べたところ″屠夫(トフ)″という毒で、徐々に意識を失い、死に至るという。「長く服用すれば髪に毒素が溜まり、すぐ分かるとか、どうか侍医に調べさせてください」皇帝はすでに毒で朦朧としていたが、藁にもすがる思いで太監に許可を出した。しかし鄭(テイ)侍医は毛髪からも服用している薬からも毒が検出されないと報告し、さらに寧王が皆の前で自ら皇帝の薬を飲み干し、潔白を証明する。宋勤文は寧王がすでに手を打っていたと知り呆然、死をもって罪を償うと嘆願した。「陛下を守れなかった私の責任です…」祥雲は後ろ髪を引かれる思いで城門を出た。するとちょうど都に到着した紫輝と再会する。紫輝は元気そうな恩人の姿に安堵、祥雲が鈴を失くして呼び出せなかっただけだと分かった。その時、官兵が駆けつけ、祥雲を引き止める。「宋統領が寧王殿下に無実の罪を着せました 寧王殿下から伝言です、宋統領は誰かに騙され誤解していると… 罪を認めるよう説得して欲しいとのことです」祥雲は父の言葉を思い出した。…寧王は狡猾だ、城門を出たらどんな知らせを聞いても決して戻るな…しかしみすみす両親を見殺しにはできず、祥雲は紫輝に文と手巾を渡し、必ず長空に届けて欲しいと頼んで引き返してしまう。宋勤文と婉娘(エンジョウ)は刑察(ケイサツ)司に投獄された。寧王は祥雲に恨まれるのを恐れて自分たちを殺せないはず、そこで2人は娘の足枷にならぬよう隠し持っていた毒を飲んでしまう。祥雲が刑察司に駆けつけると修茗が待っていた。その時、ちょうど牢から両親の亡骸が運び出されてくる。祥雲は恐る恐る2人の死に顔を確認すると、あまりの衝撃で意識を失った。一方、紫輝は急ぎ陸家軍の軍営に到着、霊力を使い果たして石に戻ってしまう。しかし運良く胡(コ)統領が天幕の前に置かれた文と手巾を発見し、長空に届けた。手巾を見た長空は祥雲からの知らせだと気づいて文を確認、その内容に愕然となる。もはや一刻の猶予もなかった。長空は小隊だけで一足先に都へ向かうと決め、胡統領は気づかれないよう大軍を連れてあとから追うことにする。するとやっと人像(ヒトガタ)に戻った紫輝が現れた。「陸将軍!陸将軍!俺だよ俺~!」その夜、祥雲はようやく目を覚ました。付き添っていた修茗は安堵したが、自分に向けられた祥雲の激しい憎悪に胸を痛める。「そなたの大切な人を殺すわけない、助けようとしたのに止められなかった…」すると侍女・翠碧(スイヘキ)がやって来た。翠碧は寧王の計らいで宮中に移り、これからも祥雲のそばにいられるという。しかし祥雲は両親の次は翠碧を使って脅すのかと怒りを募らせた。「そうでないと言えば信じてくれるのか?」「なら長空は?」「…これは私と陸長空の戦だ、決して負けられない 婚礼の日に奴が現れたら生きては帰さない、3日後には予定通り婚礼を行う」(๑•̀ㅂ•́)و✧<負けられない戦いがある!長空たちは都に到着、今にも初雪が降りそうな寒さになった。すると紫輝から連絡をもらった鶯時が隠れ家に駆けつける。軍で育った鶯時は自分も加勢すると嘆願、紫輝は自分が必ず鶯時を守ると約束した。そこへ長空の旗揚げを知った第1皇子が現れる。第1皇子はすでに修茗が父皇を操り、陸家を陥れた証拠を全て集めていた。それぞれの思惑が交差する婚礼前夜。思い合う鶯時と紫輝は共に戦うことを選び、祥雲はかんざしをにぎりしめながら愛する人の無事を願う。しかし修茗の碁盤はたった1つ残った白い石を黒い石が包囲していた。一方、すでに手筈を整えた長空は長命玉を握りしめながら、最終確認に余念がない。…李修茗、祥雲と天下を盾にすれば私はお手上げだと思ったか?…翌朝、祥雲は花嫁衣装に身を包み、最後に長空からもらったかんざしを自分で髪に挿した。「もうすぐ刻限ね…」つづく( ゚ェ゚)寧王のファンデが濃すぎる件w
2024.06.29
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第10話宋祥雲(ソンシャンユン)と別れた陸長空(ルーチャンコン)は安涼(アンリョウ)で叔父・解嵐(カイラン)と合流した。しかし先に逃したはずの鶯時(オウシ)がまだ戻っていないと知り、必ず見つけると約束する。実は安涼には長空の知らせのおかげで逃げ延びた父の配下や文康(ブンコウ)の避難民たちもいた。「我らは陸将軍と夫人のためにここに集まりました、敵を討ちましょう!」すると解嵐は自分の軍である飛勇(ヒヨウ)隊の令牌を託し、今後は長空の号令に従うと言った。その夜、宋家に突然、祥雲が戻って来た。宋勤文(ソンチンウェン)は長空の身に何かあったのかと心配したが、祥雲は2人で話し合って決めたと安心させる。しかし陸放(ルーファン)の位牌を抱きしめる翠碧(スイヘキ)の姿を見ると胸が痛んだ。翠碧は小姐の責任ではないと訴え、気丈にも留守の間の様子を教えてくれる。実は宋勤文は陸家の一件で病になっていた。さらに使用人の間にまで宋家を中傷する噂が広まり、宋勤文は使用人たちに暇を出したという。宋家の衰退を目の当たりにした祥雲は翌日、第3皇子・寧(ネイ)王を訪ね、宋家の現状を尋ねた。修茗(シゥミン)の話では宋統領が人望ある陸将軍を妬んで陥れたと誤解され、弾劾する上奏が届いているという。祥雲は陸家が陥れられたように宋家が沈む日も近いと気づき、肩を落とした。しかし修茗は宋家を救う方法があるという。「そなたが私に嫁ぐのだ、あ、ただの方便だよ そなたが嫁げば宋家が皇帝の一族となり、両親の命も守れる」「でも、王爺まで巻き込むことになったら…」「気にしないよ!宋家をこのまま見過ごせない、ひとまずこの難局を乗り切れば別の手がある」天界の記憶がある祥雲は冷静に考えた。…あの両親は私のために多くを費やしてくれた、この転生は宋家の平穏に捧げよう…「はお、嫁ぎます」その頃、隠れ家で目を覚ました鶯時はいつの間にか寝台に潜り込んだ男に気づいて蹴り飛ばした。しかしその男が紫輝(シキ)だと分かる。「イタタタタタ…あなたが抱きかかえて床の上に置いたのですよ?」実は紫輝は床で見つけた紫色の石の精霊で、修行で霊気を集めて人像(ヒトガタ)になったという。「つまり私の独り言とか、着替えとか、全部、見ていたの?!」「まさしく…」すると鶯時は紫輝に殴りかかった。長空は陸家軍を旗揚げ、その威名のおかげか道中の町の兵は戦わずに降伏した。この勢いなら半月もあれば都に攻め込めそうだが、敵軍はなぜか晋(シン)州あたりに止まって動かない。すると戦術会議中に都の急報が届いた。皇帝が病の床に臥し、今や政も戦も寧王任せだという。「寧王だと?」「あの病弱な寧王です、宋家の賊の娘も父親と同じ、栄華を求めて寧王に嫁ぐとか…」長空は思わず立ちくらみを起こし、首から長命玉が落ちた。しかし動揺を悟られないよう長命寿を拾い、策士の寧王なら兵を動かさない理由があると気づく。実は8年前、晋州では回龍の堰(セキ)が切れて洪水が起こっていた。もし寧王が堰を壊せば上流の陸家軍も下流の民にも甚大な被害が出るだろう。「目的は私の足止めだ、都に戻らせないよう天下を盤面にして迫っている 民と祥雲のどちらを選ぶのかと…」その夜、離れ離れになった祥雲と長空は同じ月を眺めながら互いを思いやった。祥雲の手には長空から贈られたかんざしが、そして長空の手には長命玉がある。一方、修茗は碁盤を眺めながら自分の勝利を確信していた。「幾千もの民と祥雲とのはざまでそなたは何を選ぶかな?」その頃、長空はふと思い立って幕営に戻った。「堰へ向かう馬車と船を調べろ、爆薬はすでに運ばれている」宋勤文は娘から寧王との縁談話を聞いて大反対した。婉娘(エンジョウ)も自分の幸せを大事にすべきだと説得したが、祥雲の決意は変わらない。「分からないのか?あの寧王は…」宋勤文は何か言いかけたが、その時、寧王が結納品を持ってやって来た。皇帝からの勅命で祥雲との婚儀が10日後に決まり、祥雲は今から宮中に入って礼儀を学ぶ必要があるという。一方、鶯時は紫輝が霊力を使うと石に戻ってしまうと知り、武術を学んで身を守るよう勧めた。「影流剣法か…でも短期で習得できるかな?」「長ければ5年、天賦の才があっても2年かしら…」しかし鶯時の予想に反し、紫輝は見事な才能を発揮した。長空は晋重(シンジュウ)山と回龍の堰の間に細道があると突き止めた。その道は堰ができて川となり水没したが、今は貯水期のため水量が減って再び通れるに違いない。「弓にたけた一隊を選び、待ち伏せする!」翌朝、修茗は運び込ませた火薬が全滅したと知った。準備を任されていた馮(フウ)都尉は万死に値すると平謝り、しかし修茗はまだ死ぬ時ではないという。入内(ジュダイ)した祥雲は教育係のもと、礼儀作法を学んでいた。その日は香袋を手作りしていたが、ふいに寧王が様子を見に来る。「良い匂いだ、それは誰の分だ?」「殿下と両親と…それから私の分です」寧王は香袋をもらうと、急用ですぐに帰った。教育係は寧王の嬉しそうな姿を見て、しみじみ祥雲を深く想っているのだという。「殿下は誰にでも優しいわ」「真心がなければ命まで懸けません」実は寧王は香りを受け付けない体質で、寧遠(ネイエン)宮では肉桂(ニッケイ)など絶対に出すことはないという。「今頃は恐らく湿疹が出ているかと…」祥雲は縁談がただの方便ではなかったと知り、もし本当に情があるのなら婚姻はできないと焦った。…でも断ったら宋家はどうなるの?ともかくはっきり伝えなくては…祥雲は寧遠宮を訪ねた。すると殿内から第2皇子の声が聞こえ、話が終わるのを回廊で待つことにする。実は第2皇子は朝廷を掌握した修茗に血の繋がりに免じて母妃を助けて欲しいと懇願していた。しかし修茗がこれまで自分を蔑んできた2兄に情けをかけるはずもなく、一蹴された第2皇子は激高して思わず声を荒らげる。「お前はやり過ぎだ!宋家の娘を手に入れるため策を練ったな?! 父皇に献策して宋家に陸家を滅ぼさせて窮地に追い込んだ、娘をお前に頼らせるためにな お前は悪辣だ、宋祥雲が全てを知っても嫁ぐかな?」第2皇子は自分たち母子を地獄に落とせば道連れにすると言い放ち、出て行った。思いがけず第2皇子に弱みを握られた修茗。その時、外から太監の声が聞こえた。「これはこれは、祥雲姑娘?殿下に何か御用ですか?!」修茗は慌てて回廊へ出たが手遅れだった。全てを聞いてしまった祥雲は呆然、寧王の腕に湿疹が出ていることを確認して帰ってしまう。『なぜなの?まさか私のせいで?』『祥雲、私が欲しいのはそなただけだ』『つまりこれは方便ではなく、私を騙していたのね? 宋家も陸家もあなたの手のひらで転がされていたなんて…』『祥雲…』つづく( ̄▽ ̄;)まだ2回目なのにどこまで続くの?w
2024.06.26
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第9話宋勤文(ソンチンウェン)を見舞った寧(ネイ)王・修茗(シゥミン)は平然と陸長空(ルーチャンコン)を逆賊と呼び、祥雲(シャンユン)の無事を約束した。「知らないだろうが祥雲と私は親しい仲でな、2人の間には深い絆がある」宋勤文は表向き第3皇子に感謝したが、様変わりした寧王に不信感を募らせた。その頃、祥雲は深手を負った長空を介抱しながら馬車で逃亡していた。…全ての出会いは運命で決められている縁がもたらす出会いと別れは浮世でのはかない夢、100年後には無となる人間の一生はたった数十年、2度と戻らない浮世の夢だから愛を諦めず、情愛の修行を積まなければいけない…祥雲は昏睡している長空を眺めながら、ふと第1話で初空(チュコン)の寝顔に見とれてしまったことを思い出した。あの時は手が届かなかった美しい寝顔、しかし人間界なら手を伸ばせば触れることが叶う。「このままだったらいいのに…」翌朝、祥雲が目を覚ますと車に長空の姿がなかった。帷を開けて外の様子をうかがうと、木にもたれかかって座る長空の背中を見つける。…神仙の命は永遠だから死に別れの痛みは分からない神仙からすればこれもただの修行、悲しむことではないわでも人間は生が尽きればそれまで、全く同じ人生を再び繰り返せる者はいない…祥雲は長空の両親ともう会えないと思うと複雑な心境になった。( ;∀;)チャンポン…いやそれラーメンw天界では紅線翁(コウセンカク)と李(リ)天王が2人の歴劫を見守っていた。祥雲に記憶があることを明かせないものの、紅線翁はあまりに辛い展開だと嘆く。「祥雲が戻ったら殺されるぞ?!」「これも祥雲のため、困難なほど情は深まるものです」しかし内心、李天王は困惑していた。…何だこれ?私が書いた話ではない、これからどうするか?…長空は祥雲を巻き込まぬよう別れを決めた。「ここからそれぞれの道を行こう」しかし祥雲はまだ傷が癒えない長空が心配で後をついて行く。するとやはり長空はすぐ歩けなくなり、結局、祥雲の世話になるしかなかった。お尋ね者となった鶯時(オウシ)は辺境を目指していたが、山道の検問で馬車を止められた。侍女・緑荷(リョクカ)は小姐を助けるため抵抗、殺されてしまう。その時、鶯時を探していた紫輝(シキ)が駆けつけ、救出に成功した。紫輝は準備した隠れ家に鶯時を案内したが、力を使い過ぎたせいで女媧(ジョカ)石に戻ってしまう。鶯時は茶を入れるためお湯を沸かしに行った。しかし戻ってみると紫輝の姿がなく、2人の縁を結んだ傘だけが残されている。「困った時はいつもあなたがそばにいてくれたわね」鶯時はいつの間にか紫輝がかけがえのない存在になったことに気づき、落胆した。まさか寝台の枕の裏に石となった紫輝がいるとも知らずに…。その様子を魔羅(マラ)族の護法・錦蓮(キンレン)が見ていた。「どうやらうまくいったな」寧王は皇帝が病に臥した隙に朝廷の実権を握った。しかし未だ祥雲が見つからず、苛立ちを隠せない。その頃、祥雲と長空は捜索の手を逃れながら、夫婦を装い山間の客桟に留まることにした。あいにく1部屋しか空いていなかったが、長空は自分が床で寝るという。祥雲は怪我人を地べたで寝かせられないと反対し、書で読んだ方法を思い出した。↓逃亡中の2人長空は上等な衣を売って宿代に替えることにした。しかし辺鄙な村では贅沢品など価値がなく、大した価にならない。すると老板が首飾りの玉なら銭になると教えた。長空は祥雲からもらった長命玉を手放すことができず、結局、宝剣を売ってしまう。その夜、祥雲は書で読んだ通り、水を入れた茶碗を寝台の真ん中に置いた。「未婚の男女が床を共にする時は2人の間に水を置くのよ」しかしあっけなく茶碗が倒れて寝台は水浸し、結局、2人は一緒に床で寝る羽目になった。「あの話は嘘だったのね…ボソッ」「もうそんな書は読むな」長空に叱られた祥雲だったが、まるで駆け落ちみたいだとどこか楽しそうだった。「これからどうなろうとあなたには私がついてる、いつも一緒よ」翌朝、祥雲が馬に餌やりしていると、見知らぬ男たちが現れた。祥雲は追っ手だと誤解して逃げようとしたが、実は寧王が密かに寄越した配下だと知る。「これも宋家の立場を案じ、陳国の将を失わないためです」実は陸家の一件で宋統領から人心が離れ、もし祥雲が逆賊の逃亡を助けたと騒がれれば宋家は終わるという。その時、帰りが遅い祥雲を心配した長空が駆けつけた。祥雲は寧王の配下にそれとなく目配せして追い払うと、長空にはただの山賊だと嘘をつく。「何を言われた?」「何も…怪我人なのよ?戻りましょう」祥雲は長空との別れを決めた。その夜、2人は月を眺めながら、かつて長空の出征が決まった時も陸府の中庭で月を見たことを懐かしむ。「西に行けば舅舅(母方の叔父)の軍営がある、東に行けば家に帰れる」「そうね…」長空は祥雲の決断に気づいていたが、何も言わずかんざしを差し出した。「これは…」以前、長空との縁談を壊そうと買い物で散財した祥雲。あの時、露店の装飾店で祥雲が手に取りながら戻したかんざしを長空は密かに買っていたという。「結納品だ」すると長空はかんざしを祥雲の髪に挿し、先に客室に戻った。…分かってる、あなたには目論みがあって私が一緒に行けば弱みになってしまう私は宋祥雲として負うべき責を果たすわ両親が黙って死ぬのを見ているわけにいかないもの…祥雲が客室に戻ると長空は寝台で眠っていた。すると祥雲の荷物に書き付けが入っている。…道中、無事を祈る…祥雲は長空が気づいていると知り胸が痛んだが、そのまま黙って出て行った。翌朝、長空も辺境へ発つことにした。すると老板に呼び止められ、祥雲が買い戻した剣を返してくれる。「外にいる馬は″結納返し″だそうだ」…祥雲、今日からは別々の道を行く、いつかまた会おう…つづく
2024.06.23
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第8話陸長空(ルーチャンコン)に突き付けられた退婚書を一方的に破り捨てた祥雲(シャンユン)。その夜、祥雲は今さらながら辺境から届いた長空からの手紙を開き、その深い愛情に涙した。一方、長空は祥雲を守るため冷たく突き放したものの忘れられず、今夜も長命玉を手放せずにいる。その頃、宮中では第三皇子・寧王(ネイオウ)が別れ際の祥雲の言葉を思い出していた。『彼との絆から逃げたいと言っていたな?婚約を解消するよう私が口を利こう』『いいんです、たとえ辛くても面倒でも受け入れようと思います、切れない縁ですから…』翌日、寧王は皇帝に謁見し、陸涼(ルーリィャン)の謀反は間違いないと上奏、陸府の捜索を嘆願した。しかもその役目を護衛長である宋勤文(ソンチンウェン)にやらせるという。「宋勤文は陸涼の盟友、彼の出方を見る良い機会です それに陸涼の配下が宋勤文の元に移ることを防ぎ、彼の評判を落として陸涼に続かせません」「一石二鳥か…良いだろう」これまで父皇に軽んじられてきた修茗(シゥミン)、しかしいよいよ本性を現し始めた。宋府に勅旨が届き、宋勤文は皇帝から陸府を改めるよう命じられた。すると陸涼のもとに宋勤文から密書で知らせが届く。陸涼は覚悟を決め、長空に全て明かした。あれは8年前、晋水(シンスイ)の堰(セキ)があふれ、多くの民が死傷し、行方知れずになったという。巷では恨みの声が沸き上がり、皇帝は騒ぎを鎮めるため、陸涼に被災した民の受け入れを頼んだ。それ以来、皇帝は毎年、被災した民へ大金を割いたが、これは陸涼と2人だけの秘密だったという。陸涼は約束通り何も書き残さず、遺族たちも受け入れた。まさかこんな結末を迎えることになるとは知る由もなかったが、皇帝が死ねと言えば臣下は従うしかない。しかし当時の副将で隠棲した仲良(チュウリョウ)が唯一の証拠となる詔勅を隠し持っていると話した。出かけていた祥雲が屋敷に戻ると、宋家軍がすでに整列していた。軍装姿の父を見つけた祥雲は陸家に向かうつもりだと気づき、考え直すよう訴える。しかし娘がひざまずいて嘆願しても宋勤文は皇帝の命に背くことはできなかった。「娘を見張れ、逃げたら罰するぞ」宋勤文は兵を率いて陸家に乗り込んだ。中庭の涼亭では陸涼と夫人が2人、全て達観したかのように酒を飲んでいる。一方、長空は仲良の山荘に到着していた。仲良はありもしない詔勅を捜しながら時間を稼いでいたが、やがて長空に気づかれてしまう。「父上が私を騙したのか…私を生かすために、そうなんですね?」陸家軍の名簿や帳簿はすでに長空が全て燃やしていた。陸府に謀反の証拠などあるはずないが、その時、突然、馮(フウ)都尉が兵を率いて駆けつける。「陛下が証人さえ出ないことを懸念し、宋統領を手助けしろと…」すると馮都尉は自分の配下にもう一度、捜索するよう命じた。祥雲は食事の差し入れに来た翠碧(スイヘキ)と入れ替わり、部屋から脱出した。しかし見張りにすぐばれてしまう。追い詰められた祥雲は思わず兵士の帯剣を奪って突きつけたが、そこへ婉娘(エンジョウ)が駆けつけた。「やめなさい!阿娘に逆らうの?!」「陸長空を助けたいの…今日、会わなかったら一生、後悔する!」婉娘は娘を止めることなどできないと分かっていた。「必ず戻るのよ」「阿娘、ごめんなさい」その頃、陸府では思いがけず連判状が発見された。「陸涼、これは何だ?!」陸涼は自分を陥れるため偽造までするのかと馮都尉を蔑んだが、それを指示したのが皇帝だと分かっていた。「陛下が死ねというなら死ななくてはならぬ…宋兄、私と同じ轍を踏むな」すると陸涼は自分と共に国を守ってきた名剣を抜き、自ら首を斬ってしまう。「老爺!置いていかないで!」夫を抱き止め、悲しみに暮れる夫人、その時、思いがけず長空が戻ってきた。「でぃえ!」長空は父の死に動揺しながらも、母を救おうと兵士に応戦したが多勢に無勢、地面に叩きつけられ、馮都尉の剣が迫る。焦った夫人は息子を守るため夫の剣を拾い、背後から馮都尉を刺した。しかし致命傷には至らず、馮都尉に刺し殺されてしまう。「娘!」長空は目の前で両親を惨殺され、絶望の淵に突き落とされた。その時、祥雲が中庭に爆薬を投げ入れ、煙が充満しているうちに陸放(ルーファン)と協力して長空を連れ出すことに成功する。実は陸涼は陸放に馬車を用意して待つよう命じていた。すると陸放は宋小姐に少爺を頼み、2人を逃すためおとりになってしまう。「翠碧に伝えてください、もう待てなくなったと…」祥雲は夜の街を馬車で疾走した。しかし城門で待ち伏せしている父の姿に気づき、馬を止める。「どうなるか分かっているのか?」「陸長空を死なせない、彼が死んだら私も死ぬ!」「行きなさい」宋勤文は娘を止めず、見逃した。城門を出た祥雲は一度、馬車から降りると、父の背中に叩頭し、別れの挨拶とした。大皇子が陸涼と手を組んで軍費を着服、兵を集めて謀反を企てた証拠が見つかった。大皇子は全ての地位が剥奪され庶民に落とされ、靖安の御陵で墓守りとなる。全ては修茗の目論見通り、そこで具合の悪い皇帝に太医を遣わすよう命じた。陸家が滅び、初空(チュコン)を狙う魔羅(マラ)族の刺客にまたとない好機が訪れた。あの仙女のせいで陸長空は命を取り留めたが、すでに手は打ってあるという。一方、鶯時(オウシ)は客桟で陸家の惨劇を知った。兵士はまだ陸家に関わる者を探し回っているため、すぐ逃げなくてはならない。翌朝、紫輝(シキ)が鶯時の宿を訪ねると、すでに部屋はもぬけの殻だった。すると書き置きと姻縁祠(シ)で紫輝から買い取った傘が残されている。…これで貸し借りなしね…紫輝は鶯時がお尋ね者になったと知り、必ず自分が助けると誓った。閑散とした宋府に寧王がやって来た。祥雲が陸家の賊にさらわれ、宋勤文が怒りで倒れたと聞いて見舞いに来たという。「あまり気に病むな、すぐ知らせが届く、賊は殺され、娘は救われたとな」つづく
2024.06.17
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第7話天界では紅線翁(コウセンカク)や李(リ)天王たちが集まり、祥雲(シャンユン)と初空(チュコン)戦神の情劫を見守っていた。「李天王、この前、言っていた話を盛り上げる件は?」「要望にお応えします、私にお任せを~」筋書きを書いた李天王は自慢げに言ったが、そこへふいに昊軒(コウケン)帝君が現れた。「話を盛り上げるとは?」帝君は続きを見ようと誘ったが、神仙たちは蜘蛛の子を散らすように仕事へ戻ってしまう。一方、人間界では陸長空(ルーチャンコン)が武術大会での活躍を認められ、皇子たちの武術の師匠に選ばれていた。しかし陸家の増長を恐れる皇帝の不興を買い、このままでは家族ぐるみの付き合いがある宋(ソン)家にまで累が及ぶと気づく。屋敷に戻った長空は祥雲が巻き込まれることを恐れ、父に退婚を申し出た。陸涼(ルーリィャン)はそこまで深刻な状況ではないと言ったが、その時、見慣れぬ使用人が帳簿を届けにやって来る。すると陸涼はどこか上の空になり、長空は父が何か隠し事があると怪しんだ。居所に戻った長空は陸家軍の10年間の帳簿を取り寄せ、調べ始めた。気がつけば陽が昇り、結局、一睡もしないまま皇子たちの稽古に出かける。すると珍しく病弱な第3皇子・寧(ネイ)王の姿があった。長空は寧王に弓を差し出したが、その時、寧王の手首に見慣れた手巾が巻いてあることに気づく。「これは数日前、ある娘が巻いてくれた、まだ治らなくてな、少し手伝ってくれないか?」そこで長空は弓を構えた寧王の姿勢を直しながら、思わず手巾を外してしまう。「真に優れた射手なら強い心を持っています」寧王の放った矢は的の横をすり抜け、後ろの木に刺さった。他の皇子たちは自分の的すら分からないのかと冷笑したが、長空は寧王の本当の実力を見抜く。…病弱なふりをして才気を隠していたが、急に実力を見せつけて来たか…皇帝は陸家の台頭に頭を悩ませた。すると珍しく寧王が現れ、陸家を排除して父皇の憂いを除く策があると進言する。皇帝は8年前の災害以来、毎年、被災した民に大金を割いていたが、寧王は皇帝が密かに陸涼に命じてその民を都の郊外・文康(ブンコウ)に住まわせていると知っていた。「証拠は残っていないはず、どこでそれを知った?」「どうやって知ったかより、勝手に兵を集めて謀反を起こすのは一族皆殺しの大罪では?」一方、祥雲は武術大会の件で父から禁足の罰を受けていた。あれ以来、長空もなしのつぶて、何日も会いに来てくれない。もし他に意中の人が現れたのなら喜ぶべきことだが、祥雲はなぜか胸が苦しくて息もできない気分だった。そこで紫輝(シキ)を呼び出し、陸家を偵察するよう頼む。紫輝は陸家に逗留する鶯時(オウシ)に会えると喜んで出かけたが、逆に鶯時から祥雲を探るよう命じられてしまう。紫輝はすっかり鶯時に懐き、なかなか戻らなかった。恋仲の翠碧(スイヘキ)と陸放(ルーファン)は密かに落ち合い、主たちが疎遠になったせいで別れの危機だと嘆く。その頃、寧王は宋府に祥雲を訪ねた。祥雲はちょうど中庭で居眠りしていたが、寧王は扇子を広げて日陰を作り、黙って見守る。すると不意に目を覚ました祥雲が驚いた。「いつ見えたのですか?」「少し前だ、寝ていたから起こさずにいた」寧王は妹の誕生日が近いため、祥雲に贈り物選びを手伝って欲しいという。名簿を調べていた長空は朝廷からの軍費が陸家の兵数と見合っていないと分かった。…多額の軍費は何に使われているんだ?まさか…長空は王伯陽(オウハクヨウ)に文を書き、文康にいる避難民を全て移動させた。つぎに陸家の将とその家族に密かに都を離れるよう通達させる。陸放は陸家に何か災いが降りかかるのだと気づき、宋小姐をどうするつもりか聞いた。すると長空は″巻き込めない″とだけ答えた。祥雲は寧王のおかげで久しぶりに街へ出かけた。しかし寧王と一緒にいても思い出すのは長空と出かけた時のことばかり。すると露店で虎と豚が抱き合う可愛い陶器を見つけ、思わず買ってしまう。寧王は祥雲がその陶器を陸長空に贈るつもりだと気づいた。「この前、彼との絆から逃げたいと言っていたな?…そなたの願いは何でも叶える」長空は鶯時にも辺境へ戻るよう命じた。しかし鶯時は祥雲のせいだと誤解、このまま安涼(アンリョウ)に戻れば嫁に出されてしまうと焦る。鶯時はひとまず従兄の言う通り屋敷を出たが、考えがあった。祥雲は両親の話を立ち聞きし、陸家に危険が迫っていると知った。そこでこっそり長空の部屋に侵入して待っていると、やがて長空が戻って来る。「祥雲?!なぜここに?」「大事な話があるの」すると回廊から陸放の声が聞こえた。<少爺?宋小姐を呼んできます!祥雲はここにいると答えようとしたが、長空は思わず口をふさいで止めた。<少爺、毎晩、長命玉を握りしめて放さないのは恋しいからでしょう?驚いた長空は門を少し開け、陸放を追い返した。祥雲は長空にすぐ都を離れるよう勧めた。父の話では皇帝が陸家の帳簿を密かに差し押さえたという。すると長空は退婚書を渡し、心にもないことを言って祥雲を傷つけた。「私たちは確かに幼なじみだ、だが人は変わる、もう疲れた、君には付き合い切れない これからは他人だ、私のことはもう気にするな」祥雲は自分を巻き込まないための嘘だと分かっていた。「それであなたの心が安らぐなら私も協力する、お荷物にはなりなくないの でも婚約のことは焦らないで、けりがついても気持ちが変わらないなら私から話すから」祥雲は思わず退婚書を破り捨てた。「長空、忘れないで、指切りして約束したでしょう?…死んでは駄目」祥雲はあふれる涙をぬぐいながら帰って行った。引き止めたい気持ちを必死に押さえ、祥雲の背中を見送る長空。書卓には敗れた退婚書があった。つづく
2024.06.15
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第6話落水した祥雲(シャンユン)を助けるため川に飛び込んだ陸長空(ルーチャンコン)。すると意識を失ったまま沈んでいく祥雲を発見し、咄嗟に口移しで息を吹き込んだ。おかげで目を覚ました祥雲だったが、長空と口づけを交わしていると気づいて仰天、慌てて突き放してしまう。一方、従兄を追って川に飛び込んだ鶯時(オウシ)も紫輝(シキ)のおかげで助かっていた。緑荷(リョクカ)を操って祥雲を川に突き落としたのは濁気をまとった謎の刺客だった。そうとは知らず、緑荷は自分でもなぜ祥雲を突き落としたのか分からないと動揺する。「申し訳ありません、小姐」「それより私を助けてくれた人は誰?」「分かりません、小姐を神仙姐姐と呼んでいました」実は紫輝は鶯時を救うと女媧(ジョカ)石に戻ってしまい、あえなく川底に沈んでいた。長空は祥雲を屋敷へ送り届けた。よりによって初空(チュコン)の純潔を奪ってしまったと怯える祥雲、しかし長空はやむを得なかったと申し訳なさそうに釈明する。「分かってるわ、私を助けるためだったと…でもあなたからしたことよ?あとで懲らしめないで」「君を懲らしめるわけないだろう?」長空は祥雲が鶯時のことで怒って逃げ出したと誤解していた。鶯時は叔父の養女で辺境で育ち、幼い頃に数回ほど会っただけだという。「この件は速やかに解決すると誓う!」(๑・᷄ὢ・᷅๑)…そうしてくれないと本当、困るんですけど…一方、宮中に戻った第3皇子・寧(ネイ)王は祥雲を救えなかった不甲斐なさに苛立っていた。「病弱のふりにはもう飽きた…馮(フウ)都尉を呼べ」実は第2皇子の腹心である馮都尉は寧王の密偵だった。すると馮都尉は寧王に第2皇子から手に入れた陸家の帳簿を差し出す。「最も大事で秘密の役目をそなたに与えよう、領地の文康(ブンコウ)へ行け」陸涼(ルーリィャン)は息子を呼びつけ、武術大会を控えながら川に飛び込むとは何事かと呆れた。しかしこの大会は皇帝が皇子の武術の師を選ぶ大切な腕比べ。長空は陸家がこれ以上、目立っては危険だと警告したが、実直な陸涼は忠誠を尽くして皇子を補佐せねばならないと諭した。「皇帝が望むなら死をも辞さない覚悟だ!」川に落ちたお陰で思いがけず陸家に逗留することになった鶯時。従兄と一つ屋根の下、毎日のように顔を合わせれば許嫁の祥雲など敵ではない。しかし高額の賞金を出すと張り紙をしたにも関わらず、川から救ってくれた恩人は未だ見つからなかった。一方、石のまま川底で一夜を過ごした紫輝は、すでに鶯時が旅館を引き払ったと知った。そこで慌てて恩人の祥雲の元へ駆けつけたが、神仙姐姐は陸家に移ったと知る。紫輝はもう会えなくなると肩を落としたが、筋書き通りになった恩人まで元気がなかった。「鶯時公主との約束も姻縁閣も守れて嬉しいはずなのに…なぜか全く喜べないの」翌朝の朝議、大皇子は国庫が空で辺境も緊迫していることを理由に皇帝の寝殿修繕に反対した。これに陸涼も追従、南西でも干ばつで多くの民が上に苦しんでいる時に重い賦役(ブエキ)は避けるべきだという。第2皇子は父皇の意向を汲んで修繕に賛成したが、陸涼は民の安寧こそが陳国の誉だと諫言、皇帝の不興を買ってしまう。宋勤文(ソンチンウェン)は率直すぎる陸涼に忠告した。諫言するにも言葉を選ぶべき、何より皇帝に軽んじられている大皇子の肩を持つのは危険だという。しかし陸涼は民を思う大皇子をかばい、国のためなら命をかけても諫言すると譲らなかった。武術大会当日、長空は参加者たちから一目置かれていた。騎射の出番が近づくと令嬢たちの黄色い声援が上がり、いやがうえにも目立ってしまう。しかし馬が思いがけず足を負傷し、長空は最初の的を外した。落胆する祥雲たち、その時、陸家の的を縛っていた縄が切れ、来賓席に向かって傾き始める。長空は咄嗟に馬の背を蹴って飛び上がり、3本の矢で的を射て壊すことに成功した。おかげで観客席は無事だったが、長空は無理をしたせいで手首を痛め、思わずその場に膝をついてしまう。そこへ運悪く壊れた的が長空めがけて落ちてきた。驚いた祥雲は無我夢中で馬場に駆け出し、長空を突き飛ばして救う。「祥雲?!命を捨てる気か?!」「私…」「二度と危険なことはするな!分かったか!」長空が祥雲に声を荒げたのはこれが初めてだった。皇帝は誰が的に仕掛けをしたか調べるよう命じ、ともかく皇子たちの師匠を選ぶことにした。すると大皇子が皆を救った陸少将軍こそ相応しいと進言する。しかし大臣が騎射で失敗した陸少将軍を選ぶのは不公平だと難色を示した。「それは手を怪我していたからです!でも一番高い的を射ました!」祥雲は思わず口を挟み、長空から口を慎めと叱られてしまう。その時、寧王から目配せされた大臣が上奏した。「陛下、陸少将軍は目覚ましい戦功を立て、先ほども将の器を見せました 皇子たちの師となるべきではないかと…」「私も賛成です」寧王が上奏すると、重臣たちは一斉に陸長空を推挙した。陸家の行く末を案じた長空は辞退しようとしたが、皇帝から遠回しに圧力をかけられてしまう。「陸少将軍を選ばず、朕が皆から責められても良いと?」「…ご恩に感謝します、陛下」皇帝が回宮、すると内監が陸涼に勅命を伝えに来た。「湘北(ショウホク)が賊に襲われたので兵を出して欲しいと…」一方、祥雲は父から厳しく叱られていた。「長空のためとは言え陛下の前で愚かなことを言うな 宋家と陸家は一蓮托生、陛下を怒らせれば長空にも累が及ぶ」「そんなの知らないもん!私は間違っていない!」祥雲は長空のもとへ戻ったが、長空は父親と一緒に帰るよう促した。…祥雲を巻き込むことはできない、すまない、祥雲…つづく
2024.06.05
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第5話祥雲(ショウウン)の愛読書を探ろうと宋(ソン)家を訪ねた陸長空(ルーチャンコン)。祥雲は急に接近して来た長空に驚いて目をつぶったが、長空の目的は祥雲の肩越しから本の題名を見ることだった。…入我相思門(恋に落ちて)…すると長空はまた来ると断って帰ってしまう。鶯時(オウシ)は客桟の露台から双眼鏡で陸家の門前で雑談している長空と従者・陸放(ルーファン)を眺めていた。「書物を持っているわ…書名は″恋に落ちて″」鶯時は侍女に同じ書を買って来るよう頼んだ。すると隣の客桟にいる紫輝(シキ)が仙力で侍女の書き付けを盗み見る。「″恋に落ちて″か…神仙姐姐は読書が好きなのか」その夜、長空と思いがけず接近した祥雲は胸が高鳴ってなかなか寝付けなかった。「陸長空が初空(チュコン)じゃなければな~ふふ」しかしふと天界での初空を思い出し、慌てて正気を取り戻す。一方、長空は慣れない恋愛小説を読みながら、いつの間にか眠っていた。すると愛しい祥雲と迎える床入りの儀の夢を見る。幸せそうな笑顔で眠る長空、ちょうど同じ頃、祥雲も長空との婚礼の夢を見ていた。『私の記憶がないのに乗じて辱めるつもりか?!』『誤解です!』『斬!』祥雲は記憶を取り戻した長空が剣を振り下ろすところで目が覚めた。「ゼェゼェ~必ず破談にしないと…天界に戻ったら殺される!」祥雲は紫輝が未だ鶯時を見つけられず、ついに必殺技を出した。「新しい花嫁を探すのよ!」そこで祥雲は陸府を訪ね、長空から好みの娘を聞き出すことにした。好みも何も長空が好きなのは祥雲だけ、しかし祥雲は遠慮なく話して欲しいと頼む。…バカだな、君しか眼中にないのに…長空は仕方なく祥雲の特徴を伝えたが、自分のことだと気づいた祥雲はあきらめて帰ってしまう。紫輝は恩人に頼まれ、身分も外見も揃った花嫁候補の絵姿を集めた。しかし祥雲は上の空、自分を一途に思ってくれる長空を思い出してにやけてしまう。その時、不意に初空の顔が浮かんだ。「いかん!姻縁閣を道連れにはできないわ!目を覚ませ!私!」すると祥雲は絵姿の中から武威侯の娘・謝蕙蘭(シャケイラン)を選んだ。灯籠祭りの夜、長空は祥雲を喜ばせる仕掛けを準備して待っていた。宮中でも陸少将軍が許嫁のために店を借り切ったと噂が広まり、第3皇子の耳にも入ってしまう。一方、祥雲は祭りに来た長空の姿を確認、まんまと引っかかったと喜んだ。そこで紫輝にそろそろ謝蕙蘭を連れて来るよう頼む。紫輝は侍女から聞いた装いの娘を発見、しかし娘はちょうど化粧直しの最中で呼びかけても振り向かなかった。「私は陸家の使用人です、小姐、公子が瓊芳花(ケイホウカ)亭でお待ちです」「(え?!表哥が私を?!)支度ができたら行くわ」実はその娘は謝蕙蘭と良く似た衣装を着ていた鶯時だった。その頃、宮中では割れた茶碗で寧王が手首を怪我していた。内監は激怒し、侍女たちを厳しく叱責する。一方、祥雲と紫輝は無事、長空と花嫁候補を引き合わせることができたと満足していた。その時、すぐ近くで謝蕙蘭を呼ぶ声がする。紫輝が振り返ると、そこにも薄紅色の衣に蝶恋花のかんざし、月白色の真珠の花飾りの娘がいた。「なぜ謝小姐が2人?」「ちょっと!誰を行かせたの?!」すると祥雲は橋を渡って来た鶯時に気づいた。「鶯時?!…お手柄だったわね!これで情愛の修行も終了、女媧石の借りも返せるわ~」紫輝はようやく想い人が鶯時だと知り呆然、思わずを追いかけて引き止めてしまう。祥雲は紫輝が邪魔しないよう瓊芳花亭へ駆けつけた。しかし運悪く長空と鉢合わせ、何も知らない長空は祥雲が来たと喜び、今夜のために作った回り灯籠を見せる。すると手作りの走馬灯が回り出し、これまでの2人の思い出が映し出された。「我々は幼なじみ、君は皆に愛され活発だったが、私は内気でいつも後ろから仰ぎ見ていた いつか肩を並べて歩ける時が来たら君を守りたいと願ったよ 私たちは婚姻する年頃になった…これからも一緒にいて欲しい 共に白髪となるまで添い遂げたい、夢は将来たくさんの子供に囲まれることだ」驚いた祥雲はひとりで考えたいと断って長空に離れるよう頼んだ。その間に逃げ場はないか探し始める祥雲、そこへ紫輝を振り切った鶯時が現れる。「表哥!」「なぜここにいる?!」「私を呼んだでしょう?」「私が呼んだのは祥雲だ!」長空は祥雲に誤解だと訴えたが、祥雲は2人で話し合うようなだめて逃げ出してしまう。祭りで賑わう夜市に飛び出した祥雲。長空は祥雲を追いかけ、その後を鶯時が、さらにその後を紫輝が追いかける。するとお忍びで祭りに来ていた寧王が祥雲の腕をつかんで横道に引き込んだ。祥雲は寧王が手首に怪我をしていると気づき、手巾を巻いて手当てする。「怪我をして良かった、宮中では誰も私を気にかけない… 陸少将軍とは幼い頃からの許嫁だとか?なぜ避けるんだい?」「話せば長くなる、と言うか…面倒が嫌なのでこの絆から逃げたいのです」「確かに今の陸家にはあまり関わらない方いい」祥雲は寧王と別れて帰ることにした。すると鶯時が橋の上にいる祥雲を発見、侍女の翠碧(スイヘキ)が祥雲を突き飛ばして川に落としてしまう。騒ぎに気づいた長空は落ちたのが祥雲だと気づいて川に飛び込み、それを見た鶯時も後を追った。さらに鶯時が飛び込むのを見た紫輝まで川に飛び込んでしまう。寧王も思わず祥雲を助けようとしたが、内官と侍衛が止めた。つづく( ̄▽ ̄;)イヤイヤイヤ…どんだけ川深いのよwでも同じくらい深い湯船があったっけ(´゚艸゚)∴ブッ
2024.06.03
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第4話陸長空(ルーチャンコン)との縁談を壊そうと策を巡らす祥雲(シャンユン)。そこで市に出かけて散財させてみたが、長空は全く意に介さなかった。( ๑≧ꇴ≦)<もう!なんなの?!しかしこんなこともあろうかと祥雲は次の策を講じていた。(๑•̀ㅂ•́)و✧<題して″占いの計″よ!長空は祥雲に買わされた山のような荷物を陸放(ルーファン)と翠碧(スイヘキ)に任せ、なぜか機嫌の悪い祥雲を追いかけた。すると通りに流しの占い師に扮した女媧(ジョカ)石の半仙・紫輝(シキ)がいる。「長空、相性を占ってもらいましょう?」紫輝は恩人の指示通り、2人の相性は″呪われた腐れ縁″だと占った。しかし長空はインチキだと一蹴、例えそれが天意だとしても別れないという。「ならば…血塗られた災いは避けられません」「祥雲、こんな占い信じなくて良い、帰るぞ!」焦った祥雲は長空に骨付き肉が食べたいと頼み、その隙に紫輝の元へ戻った。「次の手よ!」「手筈は整っています」そこで祥雲は紫輝に似顔絵を渡し、急ぎ鶯時(オウシ)公主を見つけるよう命じた。祥雲はわざと寂れた道を選んで帰ることにした。すると計画通り曲者が現れる。(´゚艸゚).oO(キター!″嘘から出た実″作戦!祥雲は占い師の予言が当たってしまったと訴えたが、実はその男たちは本物の刺客だった。一方、宮中では第3皇子・寧(ネイ)王が内監から第2皇子の配下が動いたと聞いた。「陸少将軍が危ういやも…」修茗(シゥミン)は動じる様子がなかったが、祥雲が巻き込まれたと知るや否や慌てた。祥雲は紫輝が手配した暴漢だと誤解して自ら人質となった。すると弱みを握られた長空が刺客たちに捕まり、激しく暴行されてしまう。祥雲は予想外の展開に戸惑い、咄嗟に男を蹴り飛ばして長空の元へ逃げた。その機に長空は反撃、驚いた刺客たちは撤収する。竹林では黒い影が機会をうかがっていたが、刺客が退散すると姿を消した。祥雲は自分のせいで深手を負った長空を抱え、途方に暮れていた。しかし折よく馬車が通りかかり、助けてもらうことにする。すると車から修茗が顔を出した。祥雲は屋敷まで送り届けてくれた寧王に感謝した。「礼には及ばぬ、陸少将軍は友だから当然のことだ」(* ゚ェ゚).oO(修茗殿下も忘川の水を飲んだのね…すると寧王は宮中にいる妹の友になってやって欲しいと頼んだ。「もちろんです、いつでも呼びつけてください」祥雲は紫輝を呼び出し激怒した。「芝居を頼んだのに本物が来たわよ?!死ぬところだったわ!」「実は手配した者は金だけもらってとんずらしました」「次はどうするの?!流暢なことを言っていたらあなたの恩人は死んじゃうのよ!」恩人の逆鱗に触れ困惑する紫輝だったが…。翌朝になっても長空は目を覚まさなかった。「長空、あなたにもしものことがあったら私はもう生きていけないわ!」付き添っていた祥雲は涙ながらに訴えたが、その時、ようやく長空が目を覚ました。「本当か?私が死んだら一緒に死ぬと?」「もちろんよ!私が寂れた道に行ったせいでこんなことに」「君は悪くない、私が巻き込んだんだ」長空はあの刺客の標的が自分だと気づいていた。すると祥雲は両親からもらった長命玉を譲り、長空が今生で100歳まで長生きするよう願う。「私がそばにいて看病するから」「本当に?!それならもっと深手を負っても構わないよ」「私の親切を忘れないで、命だけは取らないでね」「ばかだな、殺すわけないだろう?」「じゃあ指切りして!どんな時でも陸長空は祥雲を殺さない!未来永劫…」↓( ̄▽ ̄;)何だその誓い?な長空一方、濁気に覆われた謎の刺客たちも人間に転生した初空(チュコン)の暗殺を企てていた。しかし初空が人族の刺客に襲われるも、絶好の機会を逃してしまう。「この世で唯一の金の麒麟だ、霊力も記憶も失っているがそう簡単にはいかぬ くれぐれも慎重にな」息子の様子を見に来た陸涼(ルーリィャン)。長空は薬のおかげで動けるようになったが、実は手合わせした刺客が衣の下に刑察(ケイサツ)司の鎧をつけていたという。「馮(フウ)大人の配下か…」「馮大人と親しい二皇子の指図でしょう」そろそろ皇太子争いが激化する頃、長空は陸家が巻き込まれることを懸念したが、陸涼は自分が考えることだと安心させた。「とにかく静養しろ、武術比べも近い、そう言えば3皇子から高価な薬が届いたぞ」長空は自分と祥雲を助けてくれたのが寧王だと聞いた。…でもどうして3皇子があの場所に?…紫輝は祥雲の絵を頼りに鶯時を探していた。しかしかろうじて目と鼻と口があることしか判別できず、鶯時は見つからない。その時、ちょうど願掛けの札を売る露店を見つけた。店主から姻縁祠(インエンシ)で願いが叶うと聞いた紫輝は縁結びが何かも分からず鶯時の名を書いてしまう。実は偶然にも夫との縁を願う鶯時が姻縁祠にいた。祥雲が陸家に見舞いにやって来た。すでに政務に戻っていた長空だったが、陸放の入れ知恵で仮病を使って同情を引くことにする。祥雲はすぐ下手な芝居だと気づき、わざと大袈裟に泣いて心配した。「どうしよう~うわぁぁぁぁ~ん!」祥雲を泣かせてしまった長空は慌ててネタばらしすることにしたが、そこへ運悪く寧王が見舞いにやって来た。「私は子供の頃から身体が弱かったので、多くの治療法を知っている」「(どうするか見ものだわ)お願いします!殿下!」結局、長空は痛くもない腕をボキボキ鳴らされ、祥雲には寧王に礼を言わされてしまう。鶯時は侍女から似顔絵を配って自分を探している男がいると聞いた。興味がない鶯時は本堂を参拝して帰ることにしたが、外は雨。すると侍女が鶯時を探している男を見つけた。そこで鶯時は自ら紫輝に声をかけ、その傘を買い取ると持ちかける。紫輝は鶯時の美しさに圧倒され何も言えず、仕方なく鶯時は銀子をつかませ、傘をもらって帰って行った。「これが愛か…」摩羅山では護法・錦蓮(キンレン)が女媧石の報告を聞いていた。「女媧石が恋をしたようです」「それはいい、あの石がどう動くか見ものだ」しかし未だ行方知れずの聖女は見つからないという。「もしや逃げ回っている間に…」「いいや、私と聖女の心はひとつ、生死を共にする、聖女が死ねば私も死ぬはずだ」長空は寧王が自分に近づく目的が祥雲だと気づいた。思わぬ好敵手の登場に祥雲との距離を早く縮めたい長空。すると陸放が翠碧から小姐は読書が好きだと聞いたという。「普段、どのような書を好まれるかが分かれば…」そこで翌朝、長空は宋(ソン)府に祥雲を訪ねた。一方、鶯時は這(コノ)家客桟から双眼鏡で陸家の門を眺めていた。しかし愛しい従兄・長空の姿は見えない。そんな鶯時の様子を隣の那(アノ)家客桟から紫輝が見ていた。祥雲は庭園でちょうど本を読んでいた。そこで長空は何を読んでいるか探ろうするが、祥雲から暇なら寧王殿下を訪ねるべきだと諌められてしまう。思わず席を立った祥雲、すると慌てて長空が引き留めた。「分かったよ、どんなことでも言う通りにする、何でも叶えるよ」その時、ふいに長空の顔が祥雲に迫って来た。∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!何?!つづく
2024.06.02
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第3話父親同士が親友という縁で祥雲(シャンユン)は初空(チュコン)の転生・陸長空(ルーチャンコン)の許嫁になった。今生で何とか初空と縁を切りたい祥雲。すると陸夫人が息子の嫁にはおしとやかで教養があって欲しいと話しているのを耳にする。(  ̄꒳ ̄)なるほどね…そこで長空の顔にいたずら書きをして泣かせたが、陸夫人は潔癖症の息子に荒療治してくれたと感謝した。次は部屋の中で爆竹を鳴らし、長空の髪をチリチリにしてしまう。しかし陸夫人はさすが武家の娘だけあって知勇兼備だと称賛、子供のうちから火薬の研究とは長空の良きお手本になると喜んだ。長空もすっかり年頃になった頃、陸家は辺境に出征することになった。幼なじみの祥雲を慕う長空は離れ離れになると寂しがったが、戦で手柄を立てて必ずや祥雲を娶ると誓う。これでしばらくは穏やかな日々を過ごせるはずだった祥雲、しかし予想外に長空の帰還が早かった。「5年はかかると聞いていたのに2年で平定させるなんて! 自由でいられるのもあと数日よ~李(リ)天王に何とかしてもらってよ~!」焦った祥雲は姻縁祠(インエンシ)で紅線翁(コウセンカク)の神像に抱きついて号泣したが、道士たちに引きずり降ろされてしまう。翌日、祥雲は男装で変装し、再び姻縁祠を訪ねた。そこで今度は丁重に紅線翁に手を合わせて籤を引いたが、助言はない。仕方なく廟を出ると、偶然にも姻縁祠を訪ねた修茗(シゥミン)の転生と出くわした。修茗にも記憶があるとは知らず、思わず逃げ出す祥雲。ともかく鬱憤ばらしに賭場で遊ぶことにしたが、あまりに勝ち過ぎたせいで店主にイカサマだと疑われた。祥雲は店の用心棒に追われ屋根の上に避難、するとうっかり足を滑らせ、ちょうど真下で別の用心棒たちに襲われている公子の横に落ちてしまう。驚いた祥雲は咄嗟に公子を連れて逃げ出したが失敗、その時、公子が凄まじい霊力で用心棒たちを退けた。実はその公子は女媧(ジョカ)石の化身・紫輝(シキ)だった。私塾に落ちた霊石は日と月の光を浴びながら書生たちの知識を得てついに人像(ヒトガタ)を得たという。そこで早速、街へ出たところ、呼び込みに促されるまま酔春(スイシュン)楼に入り、無一文だと分かるや追い出されて用心棒に乱暴されていた。「あなたは女子でしたか」「訳あってね…あ、詮索しないで つまり私はあなたの恩人ね?これからは私を頼って、普通の人間にしてあげる」喜んだ紫輝は鈴を渡し、これを鳴らせばすぐ駆けつけると約束した。陳(チン)国軍が凱旋、陸長空は見事な手腕で潼関(ドウカン)での難局を覆し、皇帝からその功績を称えられた。しかし陸家の増長を恐れた第2皇子は散会後、腹心の馮(フウ)大臣に長空を襲うよう指示する。第2皇子の企みを知った第3皇子・寧(ネイ)王は陸少将軍を引き止め、誉れ高い長空と友になりたいと言った。「友として急ぎ伝えておきたいことがある…」寧王は朝廷に不穏な動きがあると警告、用心するよう伝えた。「私の助けが必要な時は全力を尽くそう」実は寧王こそ転生した修茗だった。ついに祥雲が最も恐れていた日がやって来た。侍女の話では陸府の使いから小将軍が訪ねると知らせが届き、何でも″最後の文に返事がなければ承諾したと見なす″という言づてだという。実は長空は辺境から3日に1度、祥雲に文を送っていた。しかし祥雲は一通も開封せず、戸棚にしまったまま読んでいない。「時を稼いで!」祥雲は急いで文を確認することにしたが、どれが最後の文か分からなかった。長空は祥雲との2年ぶり再会に胸を躍らせ宋府を訪ねた。しかし部屋はもぬけの殻、長空からの手紙が散乱している。「居場所は分かっている」祥雲は長空の予想通り中庭の大木に隠れていた。長空はすっかりたくましくなって戻って来た。幼い頃、祥雲と過ごした日々を懐かしむ長空、しかし祥雲は嫌味だと誤解し、仕返しにやって来たのだと焦る。「やだ~昔の話でしょう?まだ覚えていたの?」「2人の思い出だ、忘れるものか!」長空は2年も離れ離れになり、祥雲が怒っていると心配した。「今度は遠征せずにそばにいるよ」「あ?…それはだめよ、将来に障るわ~」「心配無用だ、将来も君も大事にする、それで文の件だが…あれでいいか?」「ダメよ!」祥雲はてっきり婚礼の日取りだと誤解して反対した。しかしよくよく聞いてみると長空は最後の文で婚礼延期を申し出ていたと知る。「そうか、君が嫌なら来月にでも婚礼を済ませよう」「イヤイヤイヤ~同意する!同意する!」「分かった、遅くとも年内に済ませよう」( ゚д゚)<はぁ?!祥雲は門まで長空を見送った。すると別れ際、長空は明後日の縁日に買い出しに行こうと誘う。「長空、婚姻のことはよく考えて、親同士が決めた縁談なんて上手くいかないわ」「大丈夫!上手く行くさ!」「うわ~ん!もう!」祥雲は挨拶もせず、居たたまれなくなって逃げるように屋敷へ戻ってしまう。そんな祥雲を可愛いと目を細める長空、その様子を寧王が見ていた。「寧王殿下、先日、姻縁祠で出くわした方は宋家の小姐で、陸長空の許嫁です」祥雲は長空と退婚するため策を講じ、紫輝に手伝わせることにした。…破談に導く策その1「散財させる」…祥雲は縁日の買い出しの日、次々と買い物をした。「私は金遣いが荒くて窮屈な暮らしが嫌なの」驚いた従者の陸放(ルーファン)は小姐の浪費で蓄えが無くなると警告したが、長空は心が広かった。「婚姻したら我が家の家財は全て君に任せるよ」( ๑≧ꇴ≦)<なんだと~!つづく
2024.05.07
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第2話過って故障した紅塵(コウジン)井に落ち、偶然にも1回目の転生修行を終えた姻縁(インエン)閣の仙女・祥雲(シャンユン)と上古の戦神・初空(チュコン)。天界に戻った祥雲は初空の報復を恐れたが、なぜか初空から今後も修行の伴侶になるよう指名されてしまう。実は初空は今回の歴劫で元神の回復を実感していた。情劫はあと6回、これで元神が完全に回復するなら願ってもない機会だろう。昊軒(コウケン)帝君は弟の報告を喜びながら、3万年も独り身を通した初空の相手がどんな女子なのか興味があった。一方、紅線翁(コウセンカク)は祥雲の苦労も知らず、これで姻縁閣も安泰だと内心、喜んでいた。祥雲は伴侶になりたくないと泣いて嫌がったが、どちらにしても牽糸引(ケンシイン)はあと6本、残っている。「え?!まだ6回も一緒に転生するの?! 私は3000歳で向こうは50000歳…って、相手は年寄りじゃないの! きっと私に仕返ししたくて伴侶にしたのよ!絶対に嫌っ!」すると兄貴分の李(リ)天王が2人の転生の筋書きを任されたので安心だとなだめた。( ;∀;)<エエエエエエエエ~もっと嫌ァァァァァァァァァァ~!初空の友で帝休(テイキュウ)族の皇子・修茗(シゥミン)もまたこの3万年、独り身を通していた。修茗と言えば自分の命より大切にしている玉を持っているのは有名な話、しかしその理由を知る者はいない。すると初空が歴劫で猪に転生したと聞き及び、早速、友を訪ねることにした。姻縁閣に鶯時(オウシ)公主が乗り込んできた。初空の情劫の伴侶は自分だったはず、鶯時は激怒して姻縁閣を壊すと息巻く。焦った祥雲は高貴な公主を獣に転生させるわけにいかなかったと釈明し、実はある作戦があると耳打ちした。何とか苦肉の策で鶯時公主を納得させることに成功した祥雲。しかしふと紅線翁の言葉を思い出して意気消沈した。実は牽糸引は修行を終えて紐を切らなければ他に解く方法は1つだけ、どちらか一方の元神が失われて魂が飛散するしかないという。…助かるためには初空仙君にお願いするしかないわ…修茗はあの初空が情劫の修行に行くと知って興味津々、相手の女子に会いたいと頼んだ。「3万年も思い続ける玉の女(ヒト)がいるだろう?」「気づいていたのか、実は初空は彼女に会ったことがある、でもお前は当時の記憶がないからな」「彼女が消えたのは滄日(ソウジツ)の戦の頃か?」「その通り、初空…3万年前に何が起きたか気にならないのか?」一方、女媧(ジョカ)石を手に入れた摩羅(マラ)族の護法・錦蓮(キンレン)は石を人間界に送ることにした。「惜しいことにこの石はまだ目覚めていない、情愛に染まってこそ真の力を発揮する」こうして人間界に投げ込まれた女媧石は文淵(ブンエン)閣にある植木鉢の中に置かれた。女媧石が人間界に落ちると天界に突如として霊柱が立ち上り、花びらが宙を舞った。初空は話を中断して席を立ったが、ふいに立ちくらみを起こし、また身に覚えのない光景が脳裏をよぎる。…なぜいつも同じ光景を?…初空の失われた記憶には決まって顔の見えない女子の姿があった。その時、初空の視線の先によく似た女子が立っているのが見える。懐かしさを覚えた初空は女子の元へ駆けつけたが、振り返った女子は祥雲だった。すると初空は急に倒れてしまう。祥雲は初空仙君の様子を心配したが、修茗はいつもの病だと笑って安心させた。「君が初空の転生の伴侶だね?やっと会えた」「姻縁閣の仕事が忙しく、他の神仙とは行き来がありません」「初空と歴劫に行きたいか?」「フル(・_・ ))(( ・_・)フル」すると回復した初空が現れた。修茗は祥雲と意気投合したと報告し、転生の修行を見逃すよう口添えして帰ってしまう。実は祥雲は修茗が3万年探し続けていた″玉の女″とうりふたつだった。祥雲は初空の前でひざまずき、伴侶を外して欲しいと懇願した。「…構わないが姻縁閣はどうする?」「仙君?!私を脅すのですか?」「姻縁閣の処遇は修行が終わってから決める…他に何か?」(,,Ծ‸Ծ,,)<ご心配なく!修行を成功させて見せます!とは言ったものの祥雲は不安でたまらなかった。「李天王、あなただけが頼りなのよ?!きれいな死に方にしてよね!」すると紅線翁はせめて記憶が消えないよう、忘川水に″忘川蜜″を仕込んでおくと約束した。「何か困ったことがあったら姻縁祠(シ)で祈りなさい、力になろう」転命星君(テンメイセイクン)の立ち合いのもと、初空仙君と祥雲の転生の儀式が始まった。転生では忘川の水を飲んで記憶を失くすのが掟、しかし初空はこっそり薬を入れようと企む。その時、突然、修茗が現れた。修茗は一緒に行きたいと懇願し、自ら用意した忘川水を招喚する。おかげで初空は薬を仕込む機を逃し、結局、記憶がないまま人間界へ転生してしまう。一方、鶯時も祥雲にそそのかされ、人間界で初空仙君と結ばれるために忘川水を飲んであとを追った。…宋勤文(ソウキンブン)は文武両道で婉娘(エンジョウ)は良妻賢母私はこの両親に育てられたの両親は私を溺愛し、長命玉を授けた苦労知らずよ…宋勤文は栄進、都の10万の兵を任され、統領と呼ばれる身分になった。ちょうどその頃、親友・陸涼(リクリョウ)に男児が生まれる。祥雲は父に連れられ誕生祝いを届けに陸府へ、すると陸夫人は赤子を許嫁だと紹介した。( ゚д゚).oO(かたや都を守る軍の統領、かたや辺境を守る大将軍、皇帝がよっぽど間抜けじゃなかったら両家の婚姻を許すはずないのに~先が思いやられるわ(汗「もしかしてこの子の名前は初空?」「いいえ、陸長空(ルーチャンコン)よ」時が経つのは早いもの、長空も大きくなった。祥雲も美しく成長したが、そんなある日、陸夫人が息子には平和で穏やかに暮らして欲しいと話しているのを耳にする。「そして教養があってしとやかな嫁と孫ができれば十分よ」(  ̄꒳ ̄).oO(教養があってしとやかだと?!早く言ってよね~つづく( ̄▽ ̄;)祥雲と長空、すごい年の差があるけど普通なの?w
2024.05.06
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第1話…太古の昔、彩雲たなびく中、大地が誕生して六界ができたわ小仙が住んでいるのはその中で最も輝かしい場所五色の雲の上に浮かび、他の世界を牽引する比類なき至上の世界、そう天界よ!天界に集う大勢の神仙はその力も千差万別、それぞれの職を務めているの小仙が働くのは姻縁(インエン)閣、姻縁閣は六界の縁結びを担っているわ各地から届く縁結びの願いを祈願札にしてから書にしたため、その内容に従って世の全ての恋人たちのために唯一無二の赤い糸を結ぶの私?私は天界でも最も大事な位にある小仙子、皆のためにひたすら赤い糸を結んでいるわ!…祥雲(シャンユン)は姻縁閣の仙女。ある日、縁結びの神・紅線翁(コウセンオウ)が昊軒(コウケン)帝君から難題を命じられ泣いていた。聞けば7日のうちに初空(チュコン)仙君と女子の縁を結ばねばならず、失敗すれば姻縁閣を取り潰すという。しかしこれまで何度も初空の縁談を世話したが、1件も受け入れられたためしがなかった。初空仙君と言えば伝説の戦神。3万年前に妖魔・滄海(ソウカイ)を倒して世の安寧を守ったが、それ以来、姿を見た者はいなかった。「翁翁、私が何とかするわ!」祥雲は親代わりでもある紅線翁のため一肌脱ごうと決めたが、実はそれが紅線翁の手だった。٩(¨ )ว=͟͟͞͞ ピュー!<頼んだぞ~! …3万年前、摩羅(マラ)・麒麟(キリン)・帝休(テイキュウ)の三大神族が並び立っていた中でも摩羅族の帝君・滄海は六界を束ねていたが、″滄海が魔に落ちて世を滅ぼす″という神託が下る危機が迫る六界、しかし勇敢な若者が天から舞い降り、滄海に討ちかかった若者は己の元神(ゲンシン)の半分を犠牲にしてまで滄海を滅ぼし、安寧をもたらしたというその若者こそ麒麟族の戦神・初空だった…祥雲は初空の縁結びを利用して一儲けしようと思いついた。そこで仙女たちを集めて縁談を競売にかけたところ、価は500霊石まで上昇する。これで決まりかと思われたが、その時、破格の1万霊石を提示する強者が現れた。「女媧(ジョカ)石もつけるわ、どう?」祥雲は幻の女媧石にすっかり魅了され、初空仙君の相手を鶯時(オウシ)公主に決めた。天界に古の神器・女媧石が現れた。報告を聞いた摩羅族の護法・錦蓮(キンレン)はこれで滄海帝君を蘇らせることができると期待する。「この時を3万年も待っていた…」天界に摩羅族が襲来した。神仙たちが避難する中、祥雲は置き忘れた女媧石を取りに戻り、錦蓮に目をつけられてしまう。すると突然、初空が現れ、祥雲を助けた。「錦蓮、私がうたた寝している間にこうも天界を騒がすとはな」こうして初空と錦蓮の激しい戦いが始まった。初空は麒麟の力で摩羅族を退けたが、祥雲が落とした女媧石を奪われてしまう。神託が降った。…千年のうちに滄海が復活するだろう…大殿に集まった神仙たちに動揺が広がった。3万年前は初空戦神が滄海を倒してくれが、その時に元神の半分を失って記憶も失くしている。元神を癒すため長らく閉関していたが、今回、錦蓮と戦ったせいで回復が遅れることは必至だ。しかし初空が現れ、妖魔が復活しても倒せる自信があると断言した。「それなら安心だ、皆は下がれ」昊軒は弟の顔を立てたが、これまであらゆる修行を重ねても弟の元神は完全には戻らない。実は唯一、初空が試していない修行があった。「情劫だ、姻縁閣にお前と女子の縁を結ぶよう命じておいた これでお前の元神も回復するだろう」一方、祥雲はあの麒麟族の青年が本当に初空仙君なのか半信半疑だった。「上古の戦神でしょう?軽く5万歳はいってるはずよ?」しかしその凄まじい霊力のおかげで容貌を若々しく保っていられると知る。( ๑≧ꇴ≦)まじか!怖っ! ←とは言ってないwその夜、祥雲は姻縁閣の神木に隠してある神器をこっそり取り出した。(」゚ロ゚)」<こら! Σ(°∀°ノ)ノ<うわっ!祥雲の兄貴分である李(リ)天王は姻縁閣の宝を盗むつもりかと呆れたが、祥雲は古の戦神には古の神器が必要だという。「この牽糸引(ケンシイン)なら例え運命の相手でなくても決して切れない縁で結べるって聞いたの」すると李天王は祥雲から神器を取り上げ、どんなものか確認することにした。しかし箱を開けた瞬間、火花が散って熱くなり、思わず落としてしまう。そこで今度は祥雲が神器を開けてみたが、赤い糸に問題はなかった。(  ̄꒳ ̄)オイオイ… あれ?( ̄▽ ̄;)ここは天地の間で最も霊気の強い場所・晨星(シンセイ)台。祥雲は初空仙君が元神を癒している隙にこっそり牽糸引を結ぼうとしたが、思わず寝顔に見とれてしまう。すると初空がふいに目を覚まし、驚いた祥雲は慌ててひざまずいた。「私のそばに近寄ったな…何をするつもりだった?身分をわきまえよ」「お許しください!初空仙君のために必ず良縁を結びます! 手を伸ばしたのは…仙君と前にどこかで会ったような気がして懐かしくて…」「懐かしいだと?ふっ、立て…姻縁閣への命を下す、取り潰しだ」焦った祥雲は何としてでも任務を遂行して姻縁閣を守るしかないと決意した。そこで初空を追いかけ衣を引っ張ろうとしたが、瞬時に腕をつかまれてしまう。その時、隠し持っていた牽糸引が落下、中から赤い糸が現れ、祥雲と初空の手首に巻きついた。初空は牽糸引を切るため短剣を招喚した。祥雲は自分の腕ごと切り落とされると怯え、咄嗟に逃げ出してしまう。しかしすぐ初空が追いついた。「うわ~来ないで!来たら飛び込むから!私の行方がつかめなくなりますよ?!」「この紅塵(コウジン)井は故障中だ、どこへ飛ばされるか分からぬぞ?」その時、祥雲は足を滑らせ、本当に落ちてしまう。初空は手を下すまでもなかったとほくそ笑んだが、手首の赤い糸がするすると伸び、祥雲に引っ張られて一緒に転落した。祥雲が目を覚ますと小白虎に転生していた。「あら?猪がいる…」「お前か?」「え?初空仙君が猪?!…ぶははははは~!猪空(ヂュコン)仙…いや初空仙君! 誰にも言いません!猪に生まれ変わったなんて~ふふっ」「にっ!私の名声に傷をつけるわけにはいかぬ、こうなったら…」初空はヒヅメを祥雲の頭に乗せて消そうとしたが、無駄だった。「しまった…転生修行中の時は術が使えない(ブヒッ」祥雲は初空の報復に怯え、必死に機嫌を取った。しかしどんなに努力しても初空は冷たい。すると翌朝、森に入った猟師たちが仲良く寝ている猪と小白虎を見つけた。目を覚ました初空は人間に気づいた。「この身が死ねば天界に戻れる」そこで初空はあえて人間に向かって行ったが、祥雲に邪魔されてしまう。「行ってはダメ!英雄になろうなんて思わないで!」「邪魔だ!あっちに行け!」猪と小白虎が戦う姿を見た猟師はひとまず大きな岩を投げてみた。すると祥雲は忠義を示す機会が来たと初空をかばい、頭を打って死んでしまう。「ろくでもないことばかりして!天界に戻ったら仕返ししてやる!…って(グサッ!)」初空はいきなり猟師に斬られた。…(バッタリ)戦神としての面子丸潰れだ…つづく( ๑≧ꇴ≦)あはははは~!1回目の転生はディズニーか!
2024.05.01
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