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ブリティッシュハードロックの傑作。Beckettの唯一のアルバム。ストリングスの美しさが際立つ一枚。【No.104】 ・Beckett:Beckett (1974)本作は、ブリティッシュハードロックの傑作として知られる一枚です。オリジナルのLPも持ってるのですが、CD化をずっと待っていた一枚で、昨年CD化されているのを見つけて即購入。LPを買ったのは15年前ぐらいだと思います(レア盤ではあるので少し高かったです)。日本盤CDは、輸入盤に帯びつきという形で発売されています(解説はなし)。Beckettは、前に紹介したJody GrindのTim Hinkley絡みということでも知られまていますが、Freeを脱退したポール・コゾフが結成したグループ:Backstreet Crawler(2ndは傑作です)のヴォーカルであるTerry Wilson-Slesserの参加作品ということでも有名です。本作は、ブリティッシュならではの旋律、泣きのギター、ストリングスの美しさが素晴らしい一枚で、ブリティッシュロックのそういう一面が好きな人は、まず買っておいた方がよい一枚です。冒頭からブリティッシュの香り全開で最高ですよ。Terry Wilson-Slesserのソウルフルなヴォーカルも良いです。オススメです。CD化に際して、アルバム未収録のシングルB面曲「Little Girl」とバージョン違いのシングルA面「My Lady」の2曲が収録されています。特に「Little Girl」は良い曲なんで、LPを持っている人も買ってみてもいいと思います。今まで紹介したThree Man Armyの「Two」やJody Grindもそうですが、ブリティッシュハードロックの真髄を聴かせてくれる作品に限って、中々世に出回らないんで、本作のような傑作がCD化されることは、ファンとしては嬉しいですね。同じような名前のグループが存在するので、購入する時は注意しましょう。気になる方は早めに購入された方がいいと思います。
2007.01.30

ユージン・マクダニエルズ。アトランティックからの2ndアルバム。レアグルーヴの定番。【No.103】 ・Eugene McDaniels:Headless Heroes Of The Apocalypse (1971)レアグルーヴの定番で少し今更な感もありますが、名盤探検隊シリーズで99年に世界初CD化された日本盤がいつの間にか廃盤ですし、話題になったのも昔の話なので、紹介しておきます。ユージン・マクダニエルズは「Feel Like Makin' Love」の作者として有名ですし、他にも多くの仕事を残していますが、本作は、先の名曲からは想像できないグルーヴィーなサウンドを聴かせてくれる傑作。サンプリングのネタものとしても有名です。前作「Outlaw」も再発されてますが、内容は本作の方が上でしょう。サウンドもジャズ、ロック、ソウル、ファンクを上手くミックスした音で、カッコいいです。こういうサウンドは、ありそうでないんですよね。ドラムは、70年代のジャズファンク・ロック系ではお馴染みのAlphonese Mouzonで、ファンク系ドラマーとは一味違う手数の多いドラミングが特徴。曲もさすがに良いものが多く、どの曲もグルーヴィーで聴きどころがあります。特に「The Load Is Back」は素晴らしい出来。「Lovin' Man」も定番。他にも「Supermarket Blues」「Headless Heroes」が好きでよく聴きます。レアグルーヴが好きなら聴いておきたい一枚です。オススメです。幸い輸入盤でリイシューされています。ちなみにUK盤は前作「Outlaw」との2in1でお買い得ですよ。
2007.01.29

Kool And The Gangの1stアルバム。ジャズファンクです。これは、Soul・Funk・Bluesのカテゴリーに入れておきます。【No.102】 ・Kool And The Gang:Kook And The Gang (1970)「Wild and Peaceful」など傑作アルバムが多いKool And The Gangですが、ジャズファンクをやっている初期、特にこの1stアルバムが個人的には一番好きです。ジャズファンクといっても、ジャズ系ミュージシャンの作品にあるような長いソロや複雑なものはなく、構成もシンプルで、メロディーとグルーヴ感を重視した作品ですので気楽に楽しめます。少し演奏が粗い部分もありますが、70年作の1stアルバムとは思えない出来の良さです。ドラムもカッコいいです。冒頭からの3曲:グルーヴィーな「Kool & The Gang」「Chocolate Buttermilk」、爽やかなメロディーが印象的な「Breeze & Soul」が特に好きです。他にも傑作は多く、本作収録の「Let The Music Take Your Mind」はGrant Greenの傑作「Alive」で、「Kool Is Back」はFunc,Inc.の1st「Func,Inc.」でカバーされています。ちなみに、どちらのカバーもカッコいい出来でレアグルーヴの定番になってますね。この1stを聴くと彼らの音楽的なバックグラウンドの大きさを感じますし、それだけに後の成功もあったんだと感じます。輸入盤。こういう定番は日本盤で出して欲しいところ。現在、彼らの作品はベスト盤ぐらいしか日本盤で出てないのではないでしょうか。
2007.01.28

アシッドジャズ。マザー・アースの傑作2ndアルバム。サウンドはロックなんですが、アシッドジャズなんで、ジャズ関連のところに最終的には入れておきます。【No.101】 ・Mother Earth:The People Tree (1993)Jamiroquai、Cordury、James Taylor Quartet等、アシッドジャズをよく聴いていた頃に購入したアルバム。まだ学生でしたね。丁度70'sロックからレアグルーヴに興味が移りつつあった頃でもありました。この作品は凄く好きで思い入れがあるのですが、それは、そういう私の背景と、UKソウル/ファンクとロックがクールにブレンドされた70年代色の濃いサウンドがマッチしていたからでしょうね。マザー・アースの最高傑作は本作だと思います。1stははっきり言って全然ダメでしたが、本作ではグループとしてのサウンドが確立され、曲・演奏・アレンジも飛躍的に良くなってます。こう劇的によくなるバンドも珍しいですね。捨て曲もないですし、オルガンとファンキーなグルーヴが良いです。初期のサンタナやスモール・フェイセズのカバーをやっている(本作ではなく「Jesse」のマキシ等で)ぐらいですから、こういうサウンドになるのも納得です。マザー・アースは3rdとライヴアルバムを出した後に解散してます。3rdの出来も2ndを超えるものではなく、ライヴも決して良いとは言えない出来だったんで、私にとってのマザー・アースは本作で終わってます。アシッドジャズとしては定番ですが、70'sロックが好きで本作を聴いたことがない人がいたら、聴いてみることをオススメします。国内盤は廃盤ですが、今も輸入盤で入手可能です。
2007.01.27
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ジョディ・グラインド。ブリティッシュハードロックの名作。祝日本盤発売&100枚達成。【No.100】 通算100枚目・Jody Grind:Far Canal (1970)ようやく日本盤が昨年の12月に発売されました。過去、輸入盤で88年にCD化されており、私もそれを聴いてましたが、リマスター・紙ジャケということで買いなおしました(音質面では昔の輸入盤とそう変わらない気がするのが残念)。この作品を初めて聴いたのは、某中古レコード店で90年ぐらい。当時は英国盤のオリジナルLPで15000円ぐらいしてたと思います。ジョディ・グラインドは、オルガンのティム・ヒンクレーが中心となって結成したグループで、本作はギターにバーニー・ホーランドを加えたトリオ編成での2ndアルバム。この二人、特にティム・ヒンクレーはブリティッシュロックが好きな人にはお馴染みの存在でしょう。ロックの関連本では名作と書かれていても、客観的に聴いてみるとマイナーなだけで、当時のA級グループをスケールダウンしただけの凡作や実験的なだけの作品も多い中で、本作は、まさに隠れた名作と言える一枚だと思います。ジャズ、ブルース、クラシック等の要素を織り交ぜながら、トリオとは思えないスケールの大きいハードロックを聴かせてくれます。特に、バーニー・ホーランドのギターは70年代初期ならではの魅力に満ちています。傑作ヘヴィー・ブルース「Plastic Shit」、リフがカッコよすぎる「Jump Bed Jed」、クラシカルなメロディが印象的な「We've Had It」など最高ですね。捨て曲もないですし、アルバムの構成も良いです。70'sのブリティッシュハードロックが好きな人は必聴の一枚でしょう。
2007.01.26
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バーバラ・ムーアの傑作。英国のライブラリー・スキャットもの。【No.99】 ・Barbara Moore:Vocal Shades and Tones (1972)ライブラリーものでは定番の傑作アルバム。Jazzmanのコンピ「soulfreedom」にも収録されている傑作「Hot Heels」を収録。レアグルーヴが好きな人は、一度はライブラリーものに手を出しているのではないでしょうか。このアルバムは、「Hot Heels」に代表されるグルーヴィーな曲もいいのですが、曲が多彩(ゴスペル調の曲あり、ボサ・ノヴァ系スキャットあり)で、作品全体に漂うちょっと幻想的な雰囲気(やはり英国らしさを感じます)とBarbara Mooreのスキャットやコーラスワークが素晴らしく、今でもよく聴く作品です。ライブラリーというと元がTV、ラジオ等で使用されたBGM音源を指すことが多いので軽めに見られがちですが、本作品はアレンジも素晴らしく、どの曲もよく練られていて完成度の高い傑作だと思います。Barbara Moore自身がヴォーカルだけでなく、作編曲をこなしている点が大きいんでしょうね。スキャットが好きな人や心地よい音楽が好きな方にオススメです。日本盤でのみ入手可能。Vocal, Shades and Tones / バーバラ・ムーア
2007.01.26

ノーザンソウルのコンピ紹介。第7弾。何枚目か確認しないと分からなくなってきました。毎回書いている紹介文がマンネリ化してますね。表現力不足を感じる今日この頃。【No.98】 ・V.A.:Swan's Soul Sides -'Dance The Philly' (1996)コンピ紹介等で何回か名前を出していたKentレーベルのノーザンコンピです。ちなみに、Kentはライナーが充実していて、マスターテープからきちんと落としているものが大半で、仕事が丁寧だと思います。ノーザンのコンピは、大きく6つのパターンに別れてますね。定番曲を集めたものレーベル単位でまとめたもの地域別(シカゴとかデトロイト等)DJが監修したものレアものその他シリーズもの。本作は、フィラデルフィアのスワンレコードの作品を収録しているコンピでのパターン。私が持っているKentのノーザンコンピの中でも好きな作品の一つです。曲は全て60年代のものですので、70年代のいわゆるストリングスを多用したフィリーサウンドとは異なります。いかにもUKで好まれる雰囲気のノーザンソウルが揃っている感じ。アーティストもマイナーな人が多いです(私の知識が不足しているんでしょうけどね)。本作は、グルーヴィーな曲は少なめですが、キャッチーで明るい曲が多く、楽しい作品です。良い曲が多いですし、ノーザンが好きな人はもちろんですが、ソウルを聴かない人でも全然抵抗なく聴けると思いますよ。輸入盤で現在でも入手可能。試聴できるサイトもありますので、聴いてみて下さい。今まで紹介したノーザンコンピとの曲のダブリは殆どないと思います。古いコンピは入手が難しくなってきますので、あるうちに買っておきましょう。
2007.01.24

レディソウル。ステイプル・シンガーズのシンガー:メイヴィス・ステイプルズの1stソロアルバム。【No.97】 ・Mavis Staples:Mavis Staples (1969)ステイプル・シンガーズのリード・シンガーであるメイヴィスのStaxからの1stソロアルバム。プロデュースはスティーヴ・クロッパー。輸入盤CDは2ndの「Only For The Lonely」との2in1という形で発売されてますが、今回は1stの方を主に紹介。凄いシンガーが多いソウル界においても、格が違うシンガーの一人だと思います。好みで言えば、マキシン・ブラウンみたいな少しキュートなタイプや、カッコいいキャンディ・ステイトンの方が好きなんですが、この人は歌が上手いのはもちろん、とにかくダイナミックで圧倒されます。同じくゴスペルをルーツにもつアレサ・フランクリンと比べても、スケールの大きさという点ではメイヴィスの方が上だと感じられます。貫禄ありすぎです。サウンドも、バックがStaxの有名ミュージシャンで固められていてタイトで良いです。グルーヴィーな曲からバラードまでアルバムにメリハリがあるのも好きなポイント。「Son of A Preacher Man」、バカラックの「A House Is Not A Home」といった定番も素晴らしい出来。ちなみにドン・デイヴィスがプロデュースした「Only For The Lonely」は1stに比べてグルーヴィーな作品は殆どないですが、1stと同じかそれ以上に素晴らしい歌が聴けるアルバムです。ヒット曲「I Have Learned To Do Without You」を収録。このCDはお買い得だと思います。
2007.01.23
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ジャズファンク。ジミー・スミスの傑作ライヴアルバム。【No.96】 ・Jimmy Smith:Root Down (1972)今や、すっかりジャズファンクのベストセラーになった感のあるアルバムですが、実は本作は中々CD化されなかった作品で、凄く待たされた印象があります。ですので、99年に日本盤(紙ジャケ)でリイシューされた時は嬉しかったですし、内容も期待どおりだったこともあって、私にとっては思い入れのある作品です。レア・グルーヴのムーヴメントがなければ、CD化されていなかったかもしれません。今も廃盤にならずに生き残っているのは、オルガン奏者の大御所ジミー・スミスの作品というのもあるとは思いますが、やはり内容が良く売れているからでしょうね。幅広い年齢層に受け入れられる作品で捨て曲もありません。本作の特徴は、60年代のジミー・スミスのアルバムに対して、ファンク度が高く、グルーヴィーなジャズファンクに仕上がっていることでしょう。オルガンがジミー・スミス、ドラムがポール・ハンフリー、ベースがウィルトン・フィルダーですから、ジャズファンクが好きなら絶対買いですね。特にジミー・スミスのオリジナルである「Sagg Shootin' His Arrow」は、アップテンポでグルーヴィーな最高のジャズファンクチューン。ラストの「Slow Down Sagg」も同様のカッコいい曲。ミドルの「Root Down」も良いです。ライヴということもあり、アル・グリーンの定番カバー「Let's Stay Together」を収録するなど、多彩な選曲と躍動感のある演奏が楽しめる作品になってます。オススメの一枚。
2007.01.22
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ノーザンソウル。バリノ・ブラザーズの傑作アルバム。【No.95】 ・Barrino Brothers:Livin' High Off The Goodness Of Your Love (1973)インヴィクタスレーベルの名盤。デトロイトソウルです。インヴィクタスは有名なソングライターチーム:Holland-Dozier-Hollandが、モータウンを離れて69年に設立したレーベルです。このレーベルは良い作品が多く、グループでは、グラス・ハウス、チェアメン・オブ・ザ・ボード、エイス・デイ等が有名です。中でも本作は、このレーベルの中で最も好きなアルバムの一つです。そういう人が殆どではないでしょうか。バリノ・ブラザーズは男性ヴォーカルグループです。解説で鈴木啓志氏が絶賛されているように素晴らしいアルバム。冒頭の「I Had It All」から高揚感のある名曲で、引き込まれること間違いなし。捨て曲は無いですし、厚みのあるアレンジ・サウンドも良いです。インヴィクタスを知るには、このアルバムからがいいと思います(私の経験上)。バリノ・ブラザーズのインヴィクタスでのアルバムは、残念ながら本作のみですが、他のグループも聴きたくなると思いますよ。LPは当然レアですが、CDは日本盤で出ています。ただ残念なのは、本作未収録のシングル曲が入っていないこと。輸入盤で「I shall not be moved」というのが昔出てまして、そちらは本作にシングル曲が追加されてます(現在は廃盤?)。2006年に紙ジャケで再版された際に、追加されることを期待してましたが、同じでした。紙ジャケとかは必要ないんですけどね~。まあ、アルバム単体でも十分傑作なんでオススメに変わりはありません。
2007.01.21

アシッドジャズ。ベルギーのWizards Of Oozeの傑作アルバム。懐かしい...【No.94】 ・Wizards Of Ooze:The Dipster (1994)アシッドジャズをよく聴いていた頃、購入したアルバム。ジャケ・帯買いです。なんで?といいたくなるグループ名とジャケですが、内容は最高です。丁度UK産の軽いアシッドジャズに飽きてきた頃だったので、このアルバムで聴かれる骨太で懐の深いジャズファンクサウンドが凄く気に入ってました。オルガン、ヴァイブ等ポイントはおさえてます。アシッドジャズのコンピ「Totally Wired 10」に本作の「The Bone」が収録されたことで名が知られるようになったグループです。これは1stアルバム。これが一番良い作品だと思います。2ndはサウンドがヘヴィーな感じに変わってしまい購入しましたが、すぐ売りました(この路線で続けて欲しかった)。内容ですが、前述の「The Bone」はアップテンポかつグルーヴィーでコンピ収録も納得の曲。私が最も好きなのは「Big Mama」。ファンキーなベースがいいです。冒頭の「Fuzzball」や「Gladiola」「Trippin'」「Zambeezy」も好きな曲です。どの曲もドラム、ベース、オルガンが凄く良くて、ホーンがカッコいいですね。スウィート過ぎないヴォーカルが時折入るのもポイント高いです。90年代のジャズファンク・アシッドジャズ系の作品ではオススメの一枚です。当時のUKアシッドジャズの有名な作品群と比べても、見劣りしないです。例によって、日本盤で発売されてましたが廃盤です。気になる方は中古で探してみましょう。
2007.01.20

ノーザンソウル。ダレル・バンクス。今週は長かった。金曜日といっても仕事ばかり。【No.93】 ・Darrell Banks:Darrell Banks Is Here (1967)デトロイトソウル。ダレル・バンクスは、イギリスのノーザンソウルシーンでも人気が高いソウルシンガーです。若くして亡くなったのが残念なアーティスト。本作は、単純にノーザンという事とジャケで買ったように思います。このジャケの写真が好きです。凄くカッコいいですよね(ちょっと演歌?)。コンピとかに載っている写真も大体コレです。収録曲で人気が高いのは、「Our Love(Is In The Pocket)」「Open The Door To Your Heart」「Somebody(Somewhere Needs You)」といったところでしょうか。これらは大好きなノーザンソウルです。特に「Our Love(Is In The Pocket)」、「Somebody(Somewhere Needs You)」の2曲は何回聴いたか分かりません。他も「Angel Baby」「You Better Go」等良い曲が多いですし、全体に漂っているノーザンの香りが素敵です。輸入盤ですが、現在でも入手が容易なCDです。他にもベスト盤があったのですが、残念ながら廃盤のようですね。ソウルが好きな人にはオススメです。
2007.01.19

ジャズ。盲目のサックス奏者:エリック・クロスの「ドアーズ」。良いアルバムです。【No.92】 ・Eric Kross:Doors (1972)MUSE時代のエリック・クロス(Sax)で有名なのは「One, Two, Free」の方かもしれませんが、同時期(厳密には、この作品の方が先)に録音された本作も良いアルバムだと思います。少なくとも個人的には好きなアルバム。エリック・クロスも素晴らしいですが、ポイントはニール・クリークのエレピ。非常に気持ちいいです。この人も色んなアルバムに顔を出してきますが、アルバム全体の雰囲気をいい感じに仕上げてくれてます。本作は、全曲オリジナルですが、特に「Waves」「Love」の2曲は美しいメロディーが印象的なリリカルな名曲で、埋もれるには非常に惜しい作品です。この2曲で買いだと思います。今もよく聴きますね。漂うエレピとエリック・クロスの歌うようなサックスが絶妙。この人のサックスは切れがありますし、クールでありながら、凄まじいエネルギーを感じます。ソロも素晴らしいと思います。過小評価されているアーティスト・作品。日本盤でCD化されてましたが廃盤です。過去CD化されただけでもラッキーだったのかもしれません。中古で安かったら買ってみて下さい。オススメです。
2007.01.18

Rio 65 Trio。エヂソン・マシャード率いる名ジャズ・ボッサトリオのアルバム紹介。久々にジャズ・ボッサです。【No.91】 ・Rio 65 Trio:Rio 65 Trio (1965)ジャズボッサを語る上では外せないグループ。ドラマーがリーダーのトリオは、一般にはミルトン・バナナ・トリオが知られていますが、ドラムに名ドラマー:エヂソン・マシャード、ピアノにドン・サルヴァドールを擁したRio 65 Trioは当時のジャズボッサシーンでは極めて有名。これは彼らの1stアルバム。私が知る限り、これと2ndの2枚のみだと思います。共にCD化されており、私は持ってますが、現在は入手が難しくなっているかもしれません。ブラジル音楽のリイシューラッシュは、数年前に終わっていると私は認識してますので、興味がある方は見つけたら買っておいた方がよいと思います。私のように昔の音楽が好きな人間にとっては、世間のリイシューの流れに、自分のブームが上手く合うことは大事なんですよね。リイシューラッシュが去って、後で欲しいと思っても、欲しい作品が殆ど廃盤あるいは限定で入手できなかったりしますので。本作は、ジャズボッサの中でも名盤とされる一枚で、まさに、そのとおりだと思います。さすがに、ドラマーがリーダーの作品だけあって、重量感のあるエヂソン・マシャードのドラムが楽しいです。また、後にソロ作品を発表するドン・サルヴァドールもテンションの高い演奏。後のソロ作品よりも選曲・メンバーの力量のせいか、演奏にメリハリがあるように感じます。ジャズボッサの作品群でもジャズ色が比較的濃い作品ですので、ジャズファンにもオススメできます。色んな曲を演奏してますが、マルコス・ヴァーリの曲は、やっぱり良いなあ...と感じますね。
2007.01.17

デイヴ・パイク・セットのグルーヴィーなジャズファンクアルバム。【No.90】 ・The Dave Pike Set:Got The Feelin' (1969)デイヴ・パイク・セットと言えばMPSレーベル時代のアルバムがレアグルーヴとして有名ですが、本作は「Noisy Silence-Gentle Noise」の前に発表されたと思われるアルバム。輸入盤でライナーもないんで、よく分かりません。「Noisy...」が1969年録音に対して、本作は69年リリースですが、メンバーが全く異なります。大きな違いは、MPS時代のキーマンとも言えるギターのフォルカー・クリーゲルがいないことでしょうか(フォルカー・クリーゲルもソロ作品等でカッコいい曲を残してますよね)。しかし、私が聴いたデイヴ・パイクのアルバムの中では、本作が最もファンキーでグルーヴィーです。結構聴いた作品。69年という時代を反映してか、ジャケ含めて全体的にサイケな感じも漂っていて、MPS時代にはないオルガンがいい味出してます。ドラムも躍動感のあるファンキーなグルーヴを生み出していて好きなタイプです。冒頭からJ.B.の「Got The Feelin'」で、凄くカッコいいです。捨て曲もなく、レアグルーヴとしては傑作アルバムだと思います。ジャズとしては物足りなさがありますが、楽しいアルバムですよ。本作は98年にDesco(Sugar Man Threeとかをリリースしていたレーベル)からリイシューされた輸入盤ですが、現在は入手が難しいかもしれません。amazonを見たら、とんでもない値段がついてました...発売当時は、輸入盤としては売れていたように思いますので、中古で見つけられそうな気はしますが、最近そういう店行ってないんで何とも言えません。輸入盤に限らずですが、90年代後半にリイシューされたレアグルーヴ系CDの廃盤ぶりには驚かされます。もっと残っていいアルバムは多かったと思うのですが。
2007.01.16

ジャーマンロックの傑作。Atlantisの1stアルバムを紹介。今日は寒いですね~。風邪ひきそう。【No.89】 ・Atlantis:Atlantis (1972)Atlantisは、以前の日記で紹介したFrumpyのメンバーが解散後結成したグループ。これはLPも持っていて、15年近く聴いている作品。2ndアルバムが確かフリーソウル絡みかなんかで日本盤でリイシューされてましたが、本当にロックアルバムとして素晴らしいのは1stアルバム(本作)です。ちなみにライヴも結構いいです。ハードロックにカテゴライズされると思いますが、それほどハードでもなく、プログレッシヴロックとも少し違いますし、中途半端な位置づけになっているせいか日本では評価が低いように私は思います。しかし、70'sロックとしては英米のグループに劣らない完成度の高い傑作と言えます。音としては、ファンク、ブルース、ソウル等の音楽を絶妙にミックスした少しハードなロックで、ジャーマン臭さは殆どありません。Inga Rumpfのソウルフルなヴォーカルが生かされたサウンドになっています。Frumpyに比べると、一般のロックファンにも受け入れられる作品になっています。ファンキーな「Get It Up」や、「Big Brother」「Let's Get on The Road Again」がカッコよくて好きです。時折プログレッシヴな展開も見せるところも、おもしろいです。70's ロックファンの方は、聴いてみて下さい。輸入盤です。
2007.01.15
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マリア・ジョアン・ピリスによるバッハの「パルティータ、イギリス組曲、フランス組曲」。久々に、昼過ぎまで寝てしまいました。【No.88】 ・Maria Joao Pires:J.S.Bach/Partita No.1,English Suite No.3,French Suite No.2(1994,95)これは、バッハの好きな曲が入っているのと、マリア・ジョアン・ピリスが好きだから購入したのものです。マリア・ジョアン・ピリスは、モーツァルトで有名なピアニストで、知っている方も多いと思います(メディアにも出てますし)。好みもあると思いますが、実はバッハも非常に素晴らしいです。この人は凄く繊細で流れるような美しいピアノを弾くので大好きです。残念ながら私の知る限り、この人のバッハは本作のみです。また、続きを出してくれると非常に嬉しいのですが。このCDに収録されている3つの作品「パルティータ、イギリス組曲、フランス組曲」は、バッハの中でも聴きやすい曲ですし、クラシックを聴かない方でも抵抗はないかと思います。ピアノによるバッハの作品としてはオススメです。日本盤で出てますので入手も容易ですよ。紹介が短くなったんで、YAMAHAのサイトに載っていたピリスの言葉を載せときます。「人間にとって、身体は限界にほかなりません。そして限界を知ることが、わたしたちを導き、己を知る道しるべとなるのです。」
2007.01.14

恒例のノーザンソウル(英国のシーン)のコンピ紹介。第六弾。世間の評価は知りませんが、私的にコストパフォーマンスが高いと感じたもの。失敗談あり。【No.87】 ・V.A.:A Treasury Of Northern Soul (2004)タイトルは、かなりB級感が漂っているんですが、安さと全60曲収録の3CDということだけで、収録曲も確認しないで昨年買った一枚。店によりますが1500円もしなかったと思います。今回はコストパフォーマンスという観点で選んでます。ちなみに前に紹介した「After Hours」シリーズ、「Norhtern Soul Floorshakers!」はコストパフォーマンスが高いです。安くて・おいしいのは重要です。ただ結構はまってしまっている私の場合は、マイナーレーベルの編集盤等、持っていない曲が収録されていれば、コストパフォーマンスとは無関係に買いたくなってしまう状態ですね。さて、肝心の本作ですが、個人的には新鮮味はあまりなかったです。私自身ノーザンソウルのコンピは、少なからず持ってますので、知っている曲が結構多かったからです。ちなみに、今まで紹介したノーザンコンピ(5枚)の中で、本作とダブっている曲が最も多いコンピは、多分Ian Levineの「Reaching For The Best・Blackpool Mecca Story」です。よく見たらレコード会社も同じでした。やられたって感じです。しかし、本作を客観的にみると、ノーザンの定番が多く収録されている良いコンピだと思います。これからノーザンソウルを聴いてみようという人にはオススメです。きっとお気に入りの曲が見つかると思いますよ。既に、ノーザンのコンピを持っている人は、収録曲をチェックしてから購入することをオススメします(私のようになりますから...)。でも60曲をチェックするのは正直面倒。
2007.01.13
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ジャズクロスオーバーの傑作。ロニー・リストン・スミス。【No.86】 ・Lonnie Liston Smith:Expansions (1975)これはジャズクロスオーバー(フュージョン)・レアグルーヴの定番で、少し今更な感がありますが、輸入盤で買ってから10年ぐらい聴いている思い入れのある一枚なので紹介します。不思議なことに、傑作として知名度はかなりあった作品なんですが、中々日本盤が発売されなかった一枚です。コズミック・ジャズ・ファンクと呼ばれるサウンドですが、簡単に言えば、ロニー・リストン・スミス(key)の生み出す浮遊感のあるサウンドが印象的な、心地よいジャズファンクと言ったところでしょう。サウンド的にはフュージョンですが、今聴いてもチープさは感じません。この人は良いアルバムを結構出してますんで、人によって好きな作品が異なるかもしれませんが、やはり傑作である「Expansions」「Summer Days」「Peace」「My Love」を収録している本作が一番好きです。グルーヴィーな「Expansions」、タイトルどおり明るく心地よい「Summer Days」、素晴らしいヴォーカル(弟が歌っています)が聴ける傑作バラード「Peace」「My Love」で買いです。アルバム全体のバランスも良く、捨て曲もありません。オススメです。
2007.01.13
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バーニー・ケッセルのブラジリアン・ジャズアルバム。早く目が覚めたので一枚UP。今日は夜遅くなりますし。カテゴリーとしては、ジャズに入れておきます。【No.85】 ・Barney Kessel:Kessel's Kit (1970)この作品は、ムジカ・ロコムンド(オススメ書籍のページ参照)で知った作品。バーニー・ケッセルはジャズギタリストとして有名ですから知ってましたが、こんな楽しいブラジリアン・ジャズアルバムを出してるなんて嬉しくなりますね。イタリアの現地ミュージシャンをバックに録音したものです。オルガン、軽快なリズム、バーニー・ケッセルの歌うようなギターが最高です。明るくて躍動感のある傑作。捨て曲はなしです。バーニー・ケッセルのオリジナルも良いのですが、バック・ミュージシャンがかいた曲が意外に素晴らしいです。特にグルーヴィーな「B.J.'s Samba」「Freeway」「Swing Samba」、メロディアスなギターが印象的な「From My Heart」、楽しいワルツ調の「Amelia」が好きです。曲も多彩ですね。ブラジルを感じさせてくれるという点では、バーデン・パウエル等の本場のミュージシャンを聴くのがいいと思いますが、気楽に楽しいジャズギターアルバムとして、凄く気に入っている一枚です。パット・マルティーノの1stやグラント・グリーンが好きな人にもオススメできます。日本盤。
2007.01.12

フィリーソウル。ハニー&ザ・ビーズのアルバム紹介。「Love Addict」は最高です。今帰宅。今日は疲れましたね。【No.84】 ・Honey and The Bees:Dynamite! (1999)グルーヴィーな女性ヴォーカルグループという私のツボにはまるアルバム。フィリーソウルグループですが、「Love Addict」等ファンキーな作品がファンク・レアグルーヴとして有名です。後のスリー・ディグリーズにも影響を与えたグループとのこと(解説より)。このアルバムは、66年~69年の作品を未発表曲も含めてまとめた編集盤で、全14曲収録。特にボトムのきいたドラム・ベースによるファンキーなグルーヴがカッコよく、内容も良いです。フィリーと言っても、サウンドはモータウン等のノーザンソウル色が強く、その辺も好きな理由です。特に傑作「Love Addict」を筆頭に「Music(Makes You Want To Dance)」「Dynamite Exploded」「Baby, Do That Thing」といったファンキーな作品、キャッチーな「Why Do You Hurt The One Who Loves You」、フィリーソウルらしいストリングスが聴ける「Make You Mine」「Together Forever」、そして「I'll Be There」(この曲凄く好きです)等良い曲が多いです。輸入盤だけでなく、例によって輸入盤に解説を付けた日本盤も出てますので、入手はしやすいアルバム。ちなみにメンバーのグウェンドリン・オリヴァーはフレッド・ウェズリーと結婚してます。ノーザンやファンキーソウルが好きな人は必聴です。
2007.01.11

久々にクラシック。リストの「巡礼の年 全曲集」。クラシックはよく知らないんで、流して下さい。リストに詳しい人が読んだら、どう思われるのでしょうか。笑われそうですね。今日は用事があって会社を休みました。【No.83】 ・Lazar Berman:Franz Liszt/Annees De Pelerinage (1977)リストというと「超絶技巧練習曲」や「愛の夢」など有名な曲は数多いですが、一番味わい深く好きな作品となると、私の場合、この「巡礼の年」です。このLazar Bermanによる作品は名盤との評価が高く、全曲集(意外に少ないと思います)だったことで買ったCDです。3枚組の輸入盤で入手は容易です。第1年「スイス」、第2年「イタリア」、第3年から構成されてますが、第1年「スイス」の冒頭から素晴らしすぎます。3作品とも良いのですが「スイス」が最も好きです。「巡礼の年」で特に有名なのは、「泉のほとりで」「ペトラルカのソネット」「エステ荘の噴水」あたりでしょうけど、全曲集を買う価値は十分ありますよ。Lazar Bermanは有名なピアニストですが、私が持っているのはコレだけです。ロマンティックで力強さと繊細さを兼ね備えた演奏(我ながらチープな表現で情けない...)が聴きもの。アルバム全体が神聖な響きに満ちていて、非常に美しいです。私は、クラシックは詳しくないんで偉そうなことはいえませんが、このアルバムは本当に良いです。聴けば聴くほど、そう感じる作品。リストの有名な曲はベスト的な作品集で聴いたけど、次に何を聴こうかなと思っている方にオススメの全曲集です。技巧的な面が強調されがちなリスト(某漫画でも)ですが、それだけではない(当たり前ですよね!)違った一面が聴ける名盤だと思います。
2007.01.10

サザンソウル必聴盤。スペンサー・ウィギンス。サイトのデザイン変えました。飽きてきたんで。こちらの方がサイトの名前が見やすくなったかなと。【No.82】 ・Spencer Wiggins:The Goldwax Years (2006)Spencer Wigginsは、ソウルファン以外にはあまり知られていないと思いますが、凄いシンガーです。本作は、昨年買ったソウルのリイシューものでも、かなりなインパクトでした。さすがKentレーベルと言いたいところですが、日本での評価は昔から高かったようで、過去CD化もされたとのこと(残念ながら持ってません...)。このGoldwax音源のリイシューシリーズでは、有名なディープソウルシンガーであるJames Carrやサム・クック系のThe OvationsがCD化されてますが、私的には本作が一番好きです。冒頭の「Once In A Whie」から、その声に圧倒されます。凄すぎです。グルーヴィーな「He's Too Old」「Soul City USA」、名唱「Take Me Just I Am」「Uptight Woman」等、非常に聴き所の多いアルバムです。ブルースナンバーも良いです。残念ながら、以前CD化されていた曲で、権利上の問題(Fameに権利が移っている)で未収録のものがあるのですが、それでも十分に素晴らしいアルバムだと言えます。早く残りの曲がCD化されることを期待してます。輸入盤に鈴木啓志氏の解説を付けた形で日本盤も出てます。Spencer Wigginsは現在ゴスペルシンガーとして活動されているようです。ソウルファンでなくても聴いて損はありません。オススメです。【Aポイント付】 スペンサー・ウィンギンス / ザ・ゴールドワックス・イヤーズ (日本盤CD)
2007.01.09
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ソウル・ファンク色の濃いハンブル・パイの傑作アルバム。70'sロックの必聴盤。【No.81】 ・Humble Pie:Thunderbox(1974)好きなロックヴォーカリストは多いですが、その中の一人がスティーヴ・マリオット。Small Faces時代も好きですが、Humble Pieも好きです。Humble Pieでは、特にソウル、ファンクの影響が濃いこの頃が最も好きで、2枚組「Eat It」も傑作です。本作は「Eat It」の後に発表された作品。これはLPも持ってまして、学生時代から聴いているアルバム。今もよく聴きます。Humble Pieは一般には、「Smokin」や「Rockin' The Fillmore」が代表作とされてますが、私にとってはスタジオ盤の頂点は本作。今聴くと「Smokin」は中途半端な感じもしますが、本作は吹っ切れたようにソウル・ファンク色の濃い作品で、非常にテンションの高い充実した内容に仕上がっています。マリオットもパワー全開の熱唱ぶり。サザンソウル・ロックのような乾いたサウンドが良いですし、ドラムもファンキーでグルーヴィー。ブラックベリーズはもちろん参加。ソウル好きなマリオットらしく、ソウルのカバーが半分ぐらいなのですが、どれも素晴らしい出来。Ann Peeblesの「I Can't Stand In The Rain」は、はっきり言って、こちらの方が好きですね。「Ninety-Nine Pounds」も文句なし。チャック・ベリーの「No Money Down」もカッコいい。もちろんオリジナル曲もファンキーで傑作揃いです。Small Faces、Humble Pieの後世への影響度を考えると、マリオットを知らずにロックは語れないですね。ポール・ウェラーが非常に影響を受けた(音楽だけでなく見た目もね)アーティストでもあります。ソウル・ファンクに影響されたロックは多いですが、この作品はその中でも傑作の一つです。
2007.01.08

ジャズレアグルーヴの傑作。Frank Cunimondo Trio。通算80枚目(だと思います)。このペースだと今後失速していきそうですね。【No.80】 ・The Frank Cunimondo Trio:Echoes(1971)有名な3rdアルバム「Introducing Lynn Marino」も良いのですが、ドラムがこちらの方が好きなので全曲インストの「Echoes」にしました。Frank Cunimondoはピアニストで、これは4thアルバムです。本作ではエレピも弾いています。これが輸入盤で発売された時(2001年)は、「Introducing Lynn Marino」のピアニストということで名前だけ知ってましたが、ショップで試聴できず、収録曲とジャケで買った記憶があります。その後、両作品共に輸入盤に解説を付けるという形で日本でも発売されてますから、それなりに売れたんでしょうね。アルバムの方は、特にエレピを用いた定番カバー「We've Only Just Begun」「You've Made Me So Very Happy」の2曲と「Wichita Lineman」「Bonnie B」がグルーヴィーで好きです。これは私だけではないと思いますが、リーダーのFrank Cunimondoよりも、ドラマーであるRoger Humphriesのドラミングに耳がいってしまいます。この人は本作と前述の3rdでしか知りませんが、特に本作では、トリオの空間をうまく生かした多彩なドラミングや、ファンキーで躍動感のある心地よいグルーヴを生み出していて、凄く好きですね。リーダーのFrank Cunimondoもメロディアスなプレイに好感が持てます(ただピアノソロは今ひとつかなぁ)。エレピやレアグルーヴが好きな人は買って損はありません。結構聴いたアルバムです。穏やかで馴染みやすい曲が多いので、ジャズが苦手な方でもOKですよ。
2007.01.07

Blue Note ジャズレアグルーヴの定番。ホレス・シルバーの1971年作品。休みなのに早起きしてしまった。損したような得したような。【No.79】 ・Horace Silver:Total Response (1971)本作はBlue Noteのジャズレアグルーヴとして非常に有名な作品。私がレアグルーヴにはまっていた頃にタイミングよくCD化(96年)され入手できたアルバム。もう10年もたつんですね。日本盤では、マンデイ満ちるが解説というかコメントを書いています。ホレス・シルバーはエレピを弾いてますし(これが結構いいんです)、エレキギターあり、ファンキーでグルーヴィーなドラムあり、Salome&Andy Bayのブラックネス溢れるヴォーカルありとくれば、昔のホレス・シルバーファンは敬遠されるでしょうが、レアグルーヴとしては評価が高く、生音中心のクラブジャズが好きな人は間違いなく気に入る作品です。サウンドは、ありそうでない音なので、文章では伝えにくいです。アルバム自体は、凄く聴きやすく、色んな音楽の要素が散りばめられていて、曲も多彩(ジャズからポップなものまで)で楽しめます。ブラックなJoao Donatoといった感もあります。まあ、レアグルーヴとか関係なく私的には名盤だと思いますね。特に「Acid, Pot Or Pills」「Big Business」「Total Response」がドラムが凄くカッコ良く気に入ってますが、アルバム全体としても捨て曲がない傑作です(前にも書いてますが、数曲良いキラーチューンが含まれるアルバムなんて沢山あるのです)。本作は日本盤でCD化されましたが、残念ながら廃盤です(東芝EMIは頭かたいですね)。気になる方は、中古やオークション、2006年に発売されたLP、あるいは、この頃の3作品をまとめた輸入盤「The United States of Mind」を購入して聴くのがよいと思います。「The United States of Mind」は少し高いですが、この頃の作品がまとめて聴けるのは、これだけなので(これもいつ廃盤になるやら...)。
2007.01.06

ラテン・ロック、レアグルーヴの大傑作。SAPOのアルバム。コンピ紹介が続いたのと、ラテン系が全くないことに気付き、本作を選びました。カテゴリーとしてはラテンに入れときます。今日から仕事でしたが、珍しく休み中のトラブルもなく平穏でした。【No.78】 ・SAPO:SAPO (1974)99年に日本でリイシューされてから随分たつので、知らない人も多いかなぁと思いましたので紹介。SAPOはガマガエルという意味だそうです。本作は、ラテンロックの傑作で、グルーヴィーなドラムと切れの良いブラスにやられる一枚。レアグルーヴが好きな人は、必聴でしょう。特に「Been Had」と「Get It On」「It' The Music」「Sapo's Montuno」が大好きですが、捨て曲はありません。「Can't Make It」も有名。ちょっと、ドラムのバスドラの音が好みではないのですが、カッコいいドラミングを連発してくれますのでOKです。現在でも入手可能ですので聴いてみて下さい。これは発売当時に、1曲目を試聴して即買った記憶があります。冒頭からドラムが最高なんですよね。久しぶりに聴いてみたのですが、このアルバムのレベルの高さを再認識しましたね。演奏・曲・アレンジ文句なし。一般的にはマイナーですが、内容は一級品。オススメのアルバムです。70'sロックが好きな人にも是非聴いてほしいですね。意外と知らない人が多いのではないでしょうか。本作のカッコよさに多分驚かれると思いますよ。このバンドのコンガ奏者は後にサンタナバンドに加入しています。
2007.01.05

恒例のノーザンソウル(英国のシーン)のコンピ紹介。第五弾。【No.77】 ・V.A.:After Hours 2 More Northern Soul Masters (2003)最近紹介した前作に続く2作目。なので紹介は短め(手抜きです)。本作は1964から1972年のものを26曲収録。前作に続き素晴らしい内容でポテンシャルは高いです。ちなみに「After Hours 3」では29曲収録。本シリーズをコンパイルしているRichard Searlingはセンス抜群ですね。少なくとも私とは相性がいいようです。冒頭のThe Apollas「Mr. Creator」からカッコいいノーザンソウルで最高です。Bill Cosby「Lil Ole Man」、Lorraine Ellison「Got My Baby Back」、Mery Wells「Keep Me In Suspense」、The Stovall Sisters「Yes To The Lord」等、好きな曲は多いですね。前に説明し忘れましたが、このシリーズは、Atlantic、Atco、Loma、Reprise、Warner Bros.といったレーべルの作品を収録してます。大手のレーベルを含んでいるので、有名な人達も結構いるのですが、コンピとして統一感がとれてます。前に紹介したIan Levineのコンピにあるようなディスコ調の曲もないし安心。音質もノーザンコンピの中では良いです。このシリーズは、まとめ買いしてもいいと思いますよ。ホント良いですから。そろそろ新作(Vol.4)が出てもいい頃ですが、もう終わってしまったのでしょうか。続いて欲しいシリーズですね。「After Hours 3」の紹介はしない予定です。もう飽きましたよね。
2007.01.04

UK Grapevineレーベルの傑作ニューオリンズファンクコンピを紹介。最近ブラックミュージックの紹介が多く、偏ってきてますが、好きなんで仕方なし。【No.76】 ・V.A.:Southern Fried Funk (2006)UKのGrapevineはソウル・ファンク系音源をリイシューしているレーベル。本作は、大好きなニューオリンズのファンクを主に収録してたのでチェックしました。内容としては、ニューオリンズのファンク好きには聴いたことのある曲、グループが少なくないです。例えば、Allen Toussaint、Lee Dorsey、Chuck Carbo & The Soul Finders、Z.Z.Hillなんかそうですね。特に買おうと思ったのは、Eldridge Holmesをはじめ、持っていない曲が多く、それがまた凄く良かったからですね。特にEldridge Holmes「Pop, Popcorn Children」、Betty Adams「Make It Real」、Diamond Joe「The ABC Song」、Ted Ford「Real Soul」が気に入ってます。Chuck Carbo & The Soul FindersもEddie Bo絡みなんで強力。凄くカッコいいです。他も良い曲ばかりで捨て曲なし。ニューオリンズファンク恐るべしですね。ポテンシャルは高く、ディープファンクコンピとしてはトップクラスの出来だと思います。又、マイナーファンクを集めたくなってきますね~。ジャケはイマイチで、ライナーも必要最低限の事のみでJazzmanやStones Throwほど充実してませんが、内容で買いのアルバムです。
2007.01.03

恒例の(?)ノーザンソウル(英国のシーン)のコンピ紹介。第四弾。【No.75】 ・V.A.:Northern Soul Floorshakers! (1996)ノーザンソウルのコンピとしては、本作はベストセラーだと思います。発売されたのは10年以上前ですが、今でも入手可能ですし、評価が高い定番です。ジャケがいいですよね。後、ノーザンのコンピによくあるFloorshakerというタイトル(後多いのがAllnighterとかですね)。これだけで買った記憶があります。内容もタイトルどおり、グルーヴィーなソウルが中心で凄く好きなアルバムです。これからノーザンソウルを聴こうという人には、以前紹介した「After Hours」シリーズもイチオシですが、これも凄くオススメですね。どちらも価格が安く、良い曲が揃ってます。本作はRCA関連のコンピで全20曲収録。60年代中期から後期の作品が多いです。The Cavaliers「Hold To My Baby」、Sonny Till「Tears & Misery」、Willie Kendrick「What's That On Your Finger?」、Herb Ward「Honest To Goodness」、Sharon Scott「Could It Be You?」、Rose Valentine「I've Gotta Know Right Now」、Don Ray「Born A Loser」、Sue Lynne「Don't Pity Me」が大好きでよく聴きます。特にSharon Scott「Could It Be You?」なんかは、ディープファンクが好きな人にもオススメですね。ドラムがカッコいいです。ちなみに似たようなタイトルのコンピが多いので、購入する際には注意しましょう。楽しいアルバムですよ。
2007.01.02

ジョバンニ・ミラバッシ。ジャズピアノソロの最新作。今年最初の一枚。今日は初詣に行ってきました。昨日から食べすぎです。【No.74】 ・Giovanni Mirabassi:Cantopiano (2006)昨年の日記でも何回か名前を出していたので予想はつくと思いますが、ミラバッシは今現役のジャズピアニストでは、最も好きなアーティストの一人です。2001年に発表されたソロ作品「Avanti!」も名盤で、どちらにしようか悩みましたが、「Avanti!」はご存知な方が多いですし、新作を選びました。衝撃を受けたという点では「Avanti!」が上ですが、本作は「Avanti!」に匹敵する作品だと思いますし、私が2006年に買った新作(リイシューを除く)ではベストアルバムです。ジャズピアニストは多くいますが、ソロで特にアルバム単位で傑作を生み出せる人というのは、実はそう多くはないと思います(曲単位なら多いですが)。ミラバッシは間違いなく、その中の一人。ミラバッシのソロ作品の特徴は、そのアプローチの仕方でしょう。ずばり言うと選曲と表現力。安易にジャズスタンダードを選ばず、従来のジャズピアニストが取り上げなかった曲を演奏しています。本作では、カンツォーネやシャンソン。「Avanti!」では反戦歌や革命歌。更に特筆すべきは、曲の持つ美しい旋律。ホント良い曲を選んでくれますね。それらの曲を、余分な音を加えずに見事に表現しきってくるところにミラバッシの凄さを感じます。タイトルどおりの作品です。選曲含めて、如何に自分を上手く表現できるか、他のピアニスト以上に理解している人だと思います。もうジャズかどうかなんて、どうでもよくなってきます。オススメです。本作が気に入った人は、是非「Avanti!」も聴いてみて下さい。「Avanti!」ほど作品に込めたピアニスト個人の意思が伝わってくるアルバムはそうないですから。話はそれますが、ジャズに限った話しではなく、異常に長く、難解な曲構成、長いソロ演奏をスタイルとして持つ曲って何を表現したくてそうなるのか、ミラバッシの2つのソロ作品を聴くたびに考えさせられます。また、曲の内容とサウンドが凄く乖離している音楽もそうです。必然性があってそういった表現・曲になるのかどうか...意外とタイトルや歌詞を見て笑ってしまう曲とかないですか?といいつつも、私は単純に好きだから聴くというスタンスですが。
2007.01.01
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