望月さんは歌詞の意味を汲んで、タンホイザーに向かって歌いかけるところはそうして歌います。朗々と美しいヒロイックな声で歌います。これぞまさに歌の殿堂!今回の公演のベストの4シーンを選べと言われたら、『ヴェーヌスの歌』『巡礼の歌』『夕星の歌』そして『ヴァルターのソロ Den Bronnen, den uns Wolfram nannte』です。
賓客たちはヴァルターを讃えます
タンホイザーまたもや自分を押さえられず割って入ります 彼は「柔らかき肉体」を讃えます。
場内は大騒ぎになりビテロルフが小姓に自分の剣をもらいます。
おまえは剣を抜くにも値しない!とタンホイザーを罵倒します
エリーザベトは椅子に横座りしてそっぽを向いています。可愛い。
しかし聴衆はビテロルフの味方です 満場を敵に回しながらタンホイザーは平気で歌います
狂える狼、おまえにはわからんだろう。 おまえの人生に愛などなかったからな
憮然とするビテロルフ。
一触即発、全員立ち上がって騒ぎだします。ヘルマンは抑えます
ヴォルフラムが歌い出します。せっぱつまったように。 この汚れを祓わなければと必死の思いです。
ここでヴォルフラムが歌いかける hohe Liebe とはとりもなおさずエリーザベトのことです ここでヴォルフラムはエリーザベトが神の地に行ってしまうことを歌の中で予言しています。そしてそこに自分を連れて行ってくださいと第3幕の展開を予期したように歌っているのです。これはとてもすごいことです。