2013年08月01日
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カテゴリ: OPERA
Tokyo Nikikai
Les Contes d'Hoffmann
Day 2
1 Aug 2013

Venue: New National Theatre, Tokyo

Hoffmann HIGUCHI, Tatsuya
La Muse / Nicklausse KOBAYASHI, Yuka
Lindorf / Coppélius / Le docteur Miracle / Le capitaine Dapertutto ÔNUMA, Tôru
Olympia SATÔ, Yûko

Giulietta KIKUCHI, Mina
Spalanzani HAYAMA, Kôsei
Crespel ÔTSUKA, Hiroaki
Peter Schlemil / Hermann SATÔ, Nozomu
Andrès / Frantz TANAKA, Takeharu
Luther KURAMOTO, Shinji
Nathanaël YAMAMOTO, Kôhei
Cochenille / Pitichinaccio Niitsu, Kôhei
Voix de la mère d'Antonia KOBAYASHI, Sakiko

東京二期会
オッフェンバック:ホフマン物語

Bキャスト

指揮:ミシェル・プラッソン
演出:粟國 淳
装置:横田あつみ
衣裳:アレッサンドロ・チャンマルーギ


ミューズ/ニクラウス 小林由佳
リンドルフ/コッペリウス/ ミラクル博士/ダペルトゥット
    大沼 徹
オランピア 佐藤優子
アントニア 高橋絵理
ジュリエッタ 菊地美奈
スパランツァーニ 羽山晃生
クレスペル 大塚博章
シュレーミル/ヘルマン 佐藤 望
アンドレ/フランツ 田中健晴
ルーテル 倉本晋児
ナタナエル 山本耕平
コシュニーユ/ピティキナッチョ 新津耕平
アントニアの母の声 小林紗季子

合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団


大沼徹 やるやるとは思っていましたがここまでとは!終始圧倒的な存在感で舞台を牽引。こんなに素晴らしい大沼徹はあのアンフォルタス以来です。ようやく来た〜!と合点のいく大沼徹でした。

とにかく最後の3幕が瞠目だった。個人的には大塚さんのクレスペルと大沼ミラクルと樋口ホフマンの三重唱で鳥肌立ちました。すごすぎる。
そしてアントニアと死んだ母親の霊とミラクル博士の三重唱もものすごく良かった!

注目のホフマン樋口さんも圧巻。第2幕からの歌唱が本当に素晴らしく美しく、3幕の絶唱 感動的だった。

ソリストも合唱もすべてが素晴らしく二期会の若々しい躍動を感じた。

アントニア クレスペル ニクラウス オランピア 素晴らしい

新津さんコシニーニュ ナタナエル 佐藤望のシュレミル ルーテル 羽山さん よかったです

お疲れ様でした。Day 3も楽しみです!

***

※内容に触れますのでご注意ください。

まず言いたいのは、、
美術がすごいです!
美しい怪奇な味わいのセット、ホフマンにぴったり
シーンごとに回転するは変化するは
せり上がるは
離れてくはと
まるで新国立劇場のすべての機能を見せ付けるようなセットでまじすごいです。

お金かかってます!

衣装も豪華絢爛
ジュリエッタは着物の柄を意識した衣装で
しかも脱ぐとすごいんです、、
というエロさもありすばらしい。
和のテイスト=ジュリエッタは日本のヤクザの姉さん?
的な雰囲気を醸し出している。

そしてこれ言っちゃっていいのかな?

オランピアは日本が誇るあの文化遺産的
○○ちゃん人形!
しかも人形なのに挑発的衣装で
すごくJapanese Culture萌え的目線でいいです

今回のホフマンは版が通常のものと違い、
非常に長いです。
セリフもしっかり入っているのでとてもわかりやすい。
それだけフランス語も要求されるものが厳しくはなるわけですけど。

通常の版ではジュリエッタが最後なのですけど今回の版はジュリエッタが真ん中で最後がアントニアです。そこはどうなんだろうという気はしました。
やはりソリストの重唱的に一番すばらしいのはアントニアの部分なので、
そこで2幕で盛り上げて、3幕のただれた世界、合唱の迫力の世界に持っていくべきではと思うんですが…
なんといってもアントニアとホフマンのLOVEが一番中心の作品ですから
そこが3幕まで出てこないとちと淋しい…


カスパー・ホールテンのコペンハーゲンでのタンホイザーでホールテンはVenusがとりもなおさずタンホイザー自身の芸術的な破滅的な性格を体現した分身のような存在に描いていたんですけど
この作品も、ホフマンに恋するミューズも、悪魔の4人もホフマン自身の分身です。
結局芸術家は現実の世界ではうまくいかない。その部分を自分の芸術性に昇華してこそ初めて本当の芸術家として大成できる、それがホフマンなのです。
ホフマンが恋を失えば失うほど彼の芸術性は高まっていくのです。

ミューズとホフマン

ミューズはホフマンに寄り添うため、男装し親友のニクラウスに化ける

そして悪魔
最初の悪魔はリンドルフ。
金持ちで社会的地位の高い人物。
彼は歌手のステッラにご執心で
ステッラの恋人ホフマンをなんとか放逐したいと思っている。
リンドルフはステッラの召使アンドレから恋文を買う。

このオペラがおもしろいのは合計4つのエピソード
(4人の恋人)が出てくるのに
基本ホフマンとミューズ、悪魔、恋人、その召使
と基本的に5人が形を変えて現れるだけなのである
だから演出家はいじりがいがあって
その4つをすべてたった5人で演じたっていいのだ。
そういう力量があれば(特に恋人に)
でも現実問題なかなか声の音域の問題で多分そうはいかず
オランピアには絶頂のコロラトゥーラソプラノ
アントーニーアーーには当代最高のリリック・ソプラノ
ジュリエッタにはおとなっぽいソプラノ(メゾ)
という配役になるのが通常…なのかな?

もし声楽的に完璧を求めるならそれぞれ別の歌手をマエストロは当てるだろうし
なんでも歌える絶頂のソプラノがいれば(グルベローバのように)全部歌っちゃうし。

リンドルフの大沼はすでに悪魔的な雰囲気を漂わせている
彼の目的はまるでステッラを奪うことではなく
ホフマンを破滅させることのようだ。
彼は酒場でホフマンを待つことにする

テーブルで騒ぐ学生たち
合唱すごいね~!
ド迫力でほんとにすばらしい。

まずはヘルマンが口火を切る。佐藤望さん、優しい顔なのに声は低い!

酒場のおやじにがんつける

かみてから現われた酒場のおやじ、ルーテル、倉本晋児すばらしい声です!
すごい老けメイクで別人だ!

ナタナエル(テノール)の山本耕平もすばらしい声。高く、よく通る声。
ホフマンの樋口さんよりやや高い声なので違いが際立つ。

ようやくホフマンが来る。

親友のニクラウス小林由佳さんもすばらしい!声量もある。

ホフマンは過去の恋人の話をしだす

最初はオランピア。

この作品のセットは回り舞台も活躍するがせり上がりの四角いステージの前面背面というのもあって、なかなかすごい。

ホフマンはオランピアという機械人形に恋している
今でいえばSiriに恋するようなものでしょうか
かみての階段からやってくるのは2人目の悪魔
コッペリウスです。
コッペリウスは商売人です。
出た~大沼徹七変化。
まったく別人になってます。
コミカル演技の連発でもうすごい!
コッペリウスはコミカルにホフマンに目の玉を売りつけます
ここのやりとりが最高です。
コッペリウスはスパランツァーニという理系の学者に目の玉を供給しているのです。

オランピアのいるところは小高い丘の上の筒のような部屋から下に下がる
ドールのおうちなのか?
ここでピエロのかっこをした男が現われる
コシニーニュ
きょうは新津さんの声も楽しみにしていたんですけど
声もすごいわ、演技もはじけまくりだわで最高でした。
頭のてっぺんから出るようなものすごく高い声なのです。
それでいてパワフルな声です。
彼がオランピアを歌わせるんですがすごくおもしろい。
そしてスパランツァーニの羽山晃生さんもすばらしい声です!
なんて贅沢な舞台なんでしょう。
ものすごい才能の歌手ぞろいです。

コッペリウスはスパランツァーニの言うまま投資をします。

人々がオランピアのお披露目をねだります。
佐藤優子さん、最高でした。
すばらしい歌唱、可憐なお人形!
最高におもしろいシーンです。

ホフマンは近づきますがお約束の張り倒し

2人きりになったと思いますがかみてでオランピアは操作されています
これもおもしろい!

ホフマンは熱くなりますがオランピアは逃げ出します

スパランツァーニのせいで大金を失ったコッペリウスが変身しています
怖ろしい悪魔に戻っています
彼は怒りに燃えて…

ホフマンの嘆き。

第2幕

ジュリエッタです。
妖しい世界です。
酔ってください!
舟歌

舟歌に次いで、もっとも有名なディアマンの歌があります

大沼徹さん、すばらしかったです!
Gis(As)もばっちりでしたよお~~

ダペルトゥットはホフマンの影を奪おうと、高級娼婦のジュリエッタを炊きつけます

ここであっと驚く仕掛けがありますよ!

ジュリエッタはシュレミルという恋人がいますが
ホフマンはなぜだか彼と決闘することになってしまいます
恋人が死んでもジュリエッタはあわてない
なぜなら…

今度は裏切られてしまったホフマン

この幕では樋口さんが絶好調に達しておりまして誠にすばらしい歌唱でした!
やはりテノールののどは温めるのに多少時間がかかるようです。

イズマエーレの時なんかいきなり出てきていきなりテンション高く歌いだして絶好調だったなあ…と思い出す。

フランチェスコ・メーリはマオメット2世のエリッソの時、幕が開く前から幕裏で歌っているテノールの声がびんびん聴こえてきてお客さんに受けていたもんね~と唐突に思い出す。あれも大事なのど馴らしですよね。

第3幕

Part 2  に続く。





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最終更新日  2013年08月04日 21時58分37秒
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