NNTT パルジファル

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2014年10月05日

カテゴリ： OPERA

クプファーさすがです。これは今年一番の豪華さと派手さのあるプロダクション。ワーグナーにピッタリ。
飯守さんの指揮は予想はしてたものの超スローテンポ。特に3幕。さしものベテラン歌手も難儀するぐらいスロー。ブーイングを浴びていた。
歌手はトムリンソンが舞台を牽引。もう年なので正直心配していたが圧倒的な声量。演技も素晴らしく彼が歌うたびに目頭が熱くなった。生で聴くのは最初で最後かもと目に焼き付けた。
もちろん大本命のヘルリツィウス生で聴くのはドレスデンのヴェーヌス、ザルツブルクの影のない女のバラクの妻役以来4回め。2幕でマックスパワーを解き放つ。電流が走るぐらいものすごい！これは必聴である。
題名役のクリスチャン・フランツ NNTTのジークフリート以来だが円熟の極地。歌いわけすごい。しゃべるように歌ったりして感情のせまくる。どんどん変貌して行く。最後は◯さんになっちゃう。妙に似合ってた。ラストの歌唱見事過ぎて鼻血が出そうだった。

クリングゾルのポークすばらしかった！
まさにダークホース。

アルトの声池田さんすばらしかった。

中身に関してはすでに各所でネタばれしているもののなるべくネタばれしないように書く。

クプファーさんってすごく頭のいい人だと思う。
もうこの場面だけで話の中身が読めてしまった。

プロの音楽家を目指す若きピアニスト君がこの演出は序曲にはいらなかったと述べていたが
私のような演出おタクにはこれは据え膳のようなもの。食わねばなるまい。

1幕

グルネマンツ
すばらしい声に思わず頬が緩んでしまう
健在だ！
これは楽しい半日になりそう。

トムリンソンは演技もすごく自然でみんなのリーダーで存在感があってというのが納得できる。
彼が幸せになる物語がパルジファルだとしたらまさにそういう存在でした。

すぐに虜になりました。
グルネマンツは小姓１，２に優しく教えさとし抱きしめます
小姓３，４には時には厳しく接します
そういう演技がもう実に自然で理にかなっておるのです。

声はザルツブルクで2013年に聞いたサルミネンほどはほどには劣化していないものの、老化はしているのでマエストロはすごくゆっくり演奏するのでフレージングが死ぬほど長くて大変そうだったが、どうなんだろう？年をとってくると速い演奏とゆっくりの演奏とどっちが苦手なんだろう？ザルツブルクやウィーンのドミンゴを聴いて思ったがドミンゴは速いテンポのルーナ伯爵をまったく歌えていなかった。トムリンソンさんは実年齢と役の年齢が合っているので息が続かない部分さえ役に昇華しているように思えてすばらしかった。

1幕では野獣のように床に這いつくばっている
彼女もどんどん変貌していくので見ものである。

アンフォルタスが輿に乗って登場する
クンドリをねぎらうがクンドリはつれない態度。

水浴に付き添うグルネマンツ。しもてにはける。
小姓３，４がクンドリをいじめる

グルネマンツが彼らをいさめる。投げ飛ばす。

小姓4人はグルネマンツの物語に聴き入る。

もうここで涙涙です！

早いよ！

トムリンソンの存在感がすごすぎる

白鳥を射落とした男が連れてこられる

Ｇｅｗｉｓｓ！

一声からもうヘルデンなのでうれしくなる。

彼はしかし無垢な子供。
叱られて決まり悪くなっている。

グルネマンツは皆を下がらせ話を聴く

クンドリは興味シンシン見つめてる

弓矢は自分で作った、
得意げに語るパルジファル
鷹を寄せ付けないために

そう言ってからあっまた怒られる、しまった！という表情をする

悪者ってなに
善人ってなに？

あまりの無知ぶりに

クンドリはあからさまにバカにして笑う

何も知らない子供なんだ

グルネマンツはそう理解し、彼がもしかしたら｢清らかな愚か者」かもしれないとあわい期待を抱く

彼を秘儀に連れていくことにする

この場面転換がすごくて椅子から落ちそうになる

こんだけのもの世界のどこを探しても見られません

多分新国立劇場が世界最高だと思います。

これを見るだけでも価値がある公演です

ワーグナーの理想のＳＦ世界を視覚的に具現化したのがクプファーのこの舞台です
詳しくは語れませんがすごすぎます！！

パルジファルは怖がります。
そんな子供のような彼をグルネマンツは抱きしめてあやします

ティトレルはこの演出では声だけではなく実際に舞台上に現れます

聖杯を5歳ぐらいの子供が運んできます

痛みで死んだように寝ているアンフォルタスのそばに置きます

この子役がまた演技すごすぎでびっくりです

アンフォルタスは聖杯の秘儀を強要され

仕方なく覆いをとります

いや～これもワーグナーファン必見のシーンでしょう！！

パルジファルってこれでしょう！というシーンです

聖杯が聖杯らしく光り輝かない演出はパルジファルではありません

小さな子どもたちがパンとワインではなくミニ聖杯を持ってきます

グルネマンツは意識してパルジファルにそれを与えようとしますが

怖がってしまい受け付けません

かたわらで見ていたグルネマンツは心底落胆します

5歳ぐらいの童はそんなパルジファルをじっと意味ありげに見つめて去っていきます

人びとがいなくなり遠くからグルネマンツはパルジファルにもうおいたはするなと追い出します

アルトの声が彼が｢清らかな愚か者」であるとお告げします

第1幕了

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