2004/08/30
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カテゴリ: ブラジル産
今日は一日ほっつき歩いてきたので、雑記が遅くなってしまいました。

まあ、その甲斐はあったと言うべきでしょう。
とんでもなく変な石に出会ったのですから。

もしかしたら、
これまでエラそうにしゃべってきたことはウソです!
ごめんなさい!
と、謝らなくてはいけないかもしれない、
そんな石です。

もう、謝っちゃおうかなと思ったのは、ファントムについてです。


みなさんよくご存じのようにいろんな水晶の説明でも、
成長が一時的に止まり、再度成長を始めた痕跡であるとか、
水晶の成長の過程が記されているとか記されています。
一時的に成長が止まったのであれ、
継続して成長している途中であれ、
そのときに何らかの環境の変化があり、
その当時の結晶面に不純物が付着しなければファントムになりません。

そして、数あるファントムの様子を見るに、
結晶面に対して上から不純物が降り積もったのだろう……。
……そう、思っていました。

それがどうも違うようなのです。


ポイントと呼ばれるとがった部分は、片方にしかありません。

しかし、まれに「ダブルポイント」とか、
「タブルターミネーション(DT)」とか呼ばれる、
両方にとがったポイント(錐面)を持つものもあります。

このDT水晶ができる方法はいくつか考えられます。


 何らかの理由で途中で折れ、折れた面に後から
 ポイント(錐面)が再び形成された。

(2)他の水晶の上や、母岩に柱面を支えられる形で結晶したため、
 両方にポイント(錐面)が発達した。

(3)ハーキマー・ダイヤモンドのように、柔らかな母岩の中で成長した。

などが考えられます。

では、このDTにファントムが入るとしたら、どのように入ると思いますか?

片方……なら、なんとなく納得できます。
ファントムが半分しか見えない

のも、いいでしょう。

ところが……
今日訪ねた石屋さんのお宝だというDTファントムは、
両方のポイントに、きれいにグリーン・ファントムが
形成されていたのです。

……いったいどうやって結晶したんだ?
この水晶の水晶洞では、
重力異常でもあったのか?

……とうたがってしまいました。

しかし、さらにショッキングなのが、お店の人のお話です。
「これは、真ん中が曇ってて、そこでくっついていると思うんだけど、
(※先に半分が成長し(1)の説のように、もう半分が後から成長した可能性がある。
もしくは(2)のように、真ん中の曇っているところで支えられて成長した)
うちには、水晶の真ん中に菱形の(小さいDTの)ファントムが
浮いているみたいに入っているのがあるんだよ」

さて、問題です!
その水晶はどのように結晶したのでしょう!?
後日、その水晶を見せていただけるそうなので、真相はそのときにでも……。

今の段階で考えられるのは、
ハーキマー・タイプでは? ということです。
上記の(3)で説明したように、
ハーキマー・ダイヤモンドは、柔らかい母岩の中の空洞で成長します。
柔らかいといっても採掘するときには石なのですが、
どうやら、水晶が成長していたときは、
泥のようなもので、その泥の中にできた気泡状の空洞の中で成長したらしいのです。
それならば、DTのファントムが入っていても不思議ではないかも……。

言葉ではわかりにくいので、写真を載せます。
写真の上半分が、ここで言っているハーキマー・タイプの
DTファントムです。

謎

下半分の写真はさらに謎なのですが、これについては少々お待ち下さい。

上の石は、ハーキマーではなく、チベット産の水晶です。
タール分を含んだ地層から出るそうで、
中におそらくタールと思われる黒い色をした
DTのファントムが浮いております。
先ほど説明したような環境で成長する水晶は、
どこかに支えられなくても、DTに成長できます。

……ところが、その石屋さんは、
ブラジルの石を扱っておられるのです。
ブラジルで、ハーキマーのような水晶が出たという話は聞きませんが……。

とまあ、謎の お化け話 で盛り上がってしまった
このお店で、私はやはり変なファントムを買ってしまいました。

それが下の写真です。

右下を見ていただくと一目瞭然ですが、
表面がちょっと磨りガラス状のDTで、
左下がその片方の端のアップです。

ファントムが見えるでしょうか。

変です。
向きが逆です。
いや、DTですから、もう一方の端に対しては正常ですが、
こんな位置から入るなんて、考えられません。
写真にはひとつしか写っていませんが、
実はこのファントム、三重です。


よ~く見て下さい。
しかも、反対の錐面の途中から始まる
ファントムです。

毎度ですが

どうやって結晶したんだ!!!!!

ちなみに、柱面には接触痕はありません。

もしかしたら、水晶という石は、
私が説明したり考えたりしたのとはまったく違う、
成長のしかたをする、

とんでもない石かもしれません。




このほかにも、ウェーブどころか、1回転して絡まりそうなルチルとか、

なんと!
くるくる螺旋状になったルチルの写真を見せていただきました。

いやあ、世の中にはすごい石があるものです!
「石って、本に書いてあるとおりにはならないんだよね」
というお店の方の言葉が身に染みました。









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Last updated  2007/06/24 03:24:00 PM
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フォレスト@ Re:”メタ”からアゼツを考える。(09/28) アゼツライトは水晶にもならないただの石…
スターブラリー@ Re:名前を使う、意味を使う(10/08) この写真に掲載されている水晶は、販売予…
spiranthes@ Re:Vサイン!(11/15) 55度24分のベローダ(Belowda)式双晶かもし…
販売者@ Re:分りやすいです。(09/30) スーパーセブンが、過去くず石だったとい…
通さん@ Re[4]:深紅であるはずの石(12/10) わ!わ!こちらにお返事をありがとうござ…

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