2004/08/31
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カテゴリ: 石の写真について
8月も今日で終わり。
久しぶりの晴れなので、写真を撮ろうと石を持ちだしてはみたものの、
暑くて暑くて汗がたらーり、たらーり。
溶けそうになって、早々に切り上げてしまいました。

気が付いたら、2ヶ月をクリアーしていたこの雑記、
石の写真を楽しみにしていただいている方もいらっしゃるようなので、
今日のお題は 「石を写真に撮る」
ということでいってみたいと思います。

ええと、またもや先にお詫びなのですが、
私は写真を専門に勉強したことがありません。
石を撮ることで写真を始めたというのが正直なところです。
なので、時には間違ったことを言っているかもしれないですし、
もっと楽なやり方や、便利な道具があるところを、
わざわざややこしく考え、遠回りなことをしているかもしれません。

でも、今日お話するのは
石をきれいに撮りたい! と思っていろいろ試行錯誤したあげく
石を写真に撮る上で実際に良いと思ったことです。
(もちろん、この撮り方意外にもきれいにとる方法はたくさんありますし、
きれいな写真はたくさんあります)
ありあわせの道具を使っているのは、
誰にでも用意できる……ということで(笑)

「石の写真撮り方教室」っぽく進めていきますが、
実際は、 KUROの写真の舞台裏。
え~っ、こんな変な撮り方してるの!?
と、楽しくお読み下さい。

では、まず写真をご覧いただきましょう。

現場

左上は、私が撮影に使っている道具です。
正しくはこれにデジカメが加わりますが。
専門の道具はひとつとしてありません。
虫眼鏡(100円ショップのもの)
ルーペ2つ(10倍ともうひとつは倍率不明)
懐中電灯2つ(これも100円ショップ)
ペンライト2つ
(黒いのは光の幅が変えられる。変な形のものは、自由に曲げらられる発光ダイオードのペンライト)
です。
懐中電灯類が多いですが、これは私が超マクロの写真を撮ったり、
わざとライトアップするために使うので、
普通に太陽光で写真を撮るときは必要ありません。

ですから、用意すべきは 100円ショップの虫眼鏡をひとつ!
簡単です(笑)

あ、ちょっと前後しますが、私の使っているデジカメは、
パナソニックのLumixF1。光学3倍、デジタル3倍ズームの
コンパクトカメラです。
当然、小さなものを近くで写す接写にはむいていません。
そこで虫眼鏡が活躍します。

使い方はいたってアナログ。
カメラのレンズの前に虫眼鏡をあてて、
虫眼鏡ごとカメラを構えます。
コツはレンズと虫眼鏡を密着させること。

さて、右上はなんと撮影セット(?)です。
窓際になんでもいいので箱を積み上げて40~50センチの高さにし、
ここに黒い紙を角が丸いL字型に立てかけてあります。

積み上げる箱は、あり合わせでけっこう。
あまり小さいものは不安定なので、やめた方がいいです。
つみあげるほど箱がない、という場合には、
アイロン台なんかも利用できます。
窓際のテーブルや棚などでもOK!
要は高さが欲しいのです。
その理由は後ほど……。

さて、用意するもの第2弾。
四つ切りくらいの大きさの
黒とグレーの画用紙。
これも簡単!
せめて黒だけでも欲しいですが、グレーもあると便利です。
画用紙、と書きましたが、
普通の色画用紙だと、ちょっと使いにくいです。
写真のように立てかけると、腰が弱くてすぐにぐんにゃり曲がってしまうのです。

なので、画用紙しか手に入らない場合は、
段ボールで支えるとか、工夫して下さい。
画材店が身近にある場合は、
段ボールの中に入っているような波々の紙が売っていると思うので、
探してみて下さい!
たしか「ニューウェーブ」という名前で1枚120円か200円だったと思います。

私の石の写真でバックが縞模様のように見えている物があるかと思いますが、
それがこの紙です。
(右下の写真のバックがそうです)

さて、ここで撮影セットのセッティングのお話です。
右上の写真を
よくご覧いただきたいのですが、
立てかけてある紙は、窓ガラスにぺったりくっついていません。
窓ガラスに対して斜めになっているのです。

これは、横方向からの光を利用するためです。
窓にくっつけてしまったら、窓の光が利用できません。
時間や光の角度で調整してもらえばいいのですが、
まずは写真を参考にセッティングしてみて下さい。

写真には道具と一緒に石も写っています。
実際もこのあたりに石を置きます。

同じセッティングで撮ったのが下2つの写真です。

エラそうに言ってしまいますが、
石の写真は、光のあて方がポイント!

ふつう、写真を撮るときには全面に光が当たっているところに被写体を置いて撮ります。
でも、私は石に 横からの光 をあてます。
横から……といっても、正確には斜め後ろかげんになるかもしれません。

石に横からの光をあて、
ある部分は反射させ、
ある部分は光を透し、
ある部分は影に落とす。

光の具合は、カメラを通して確認しながら、
めんどくさがらすに微調整します。

そして、石と水平近くになるまで視点を下げて
シャッターを切る!


私の写真の撮り方はこれに尽きます。

長々と書いてきたこともすべてこのため。

紙をL字型に立てかけかけるのは、
視点を下げるため、バックに余計なものが写らないようにするためです。
角が丸いL字型にしておくと、床と壁の境目も写らず、
バックがきれいなグラデーションになって、
雰囲気もアップします。
バックは一般的に黒がキレイですが、
石が黒かったり、黒いバックだと色が沈んでしまうような場合はグレーで試してみます。

箱を積み上げろだの、棚でもいいだの、
高さを確保するのも、視点を下げるため。
ふつう、斜め上から見下ろすように撮ってしまいがちですが、
視点を下げると石の形がきれいに見えます。


反射させ、透かし、影に落とすというのは、
左下の写真を見ていただくとわかるでしょうか。
しっかりとした面をもった原石は、
この3つの要素を押さえることで、立体感が出ます。

右下のファーデンは影の部分がありませんが、
厚みの部分の面を反射させることで、
形をクリアーに浮かび上がらせ、
光を透かすことでファーデン・ラインをきれいに見せています。

この石は、とても薄いので、台の上にぺたりと置いて撮ったり、
前から光をあてて撮ると、非常に表情に乏しい写真になってしまいます。

光を反射し、光を透かすことで、羽根のようなその形にふさわしい、
空気感のある写真に撮ることができました。

コツや細かい技法は他にも多々ありますが、
大切なのは光。
撮る石に一番ふさわしい、
石を一番美しく見せる光を
見つけてあげて下さい。

光の反射による立体感がよくわからない……という場合には、
パソコンで写真の色を消して白黒にしてみるとわかります。

白黒写真を撮る人は、光と影に非常に気を配ると聞いたことがあります。
それはきっと色に左右されずに写真で立体感を写し取ろうとしているからではないでしょうか。


☆補足
長々としゃべってしまった割には中身がないので、
いくつか補足を。

●あると便利なもの
「めがねふき」
これも100円ショップで。
指紋がついちゃった石や虫眼鏡をふきふき。
特に虫眼鏡はカメラと一緒に構えるので
指紋がべたべたついちゃいます。
指紋べたべた状態なのに気づかずに撮ったら、
ソフトフォーカスの写真になったことも(泣)

●写真の補足
右上の撮影セット(笑)の窓のところ(左側のところです)
が白いのは、
半透明のプラスチックの薄板を貼り付けているからです。
天気の良い日や、冬場で直射日光が射し込むときには、
光が強すぎて反射しすぎたり、影が黒くなりすぎたりします。
そういうときはこの薄板で光を和らげます。
「障子越しの光」って感じですか。

●光をねらえ!
石をきれいに撮るなら、午前中~お昼過ぎまでの光がおすすめ。
2時、3時以降になると光線が黄色っぽくなって来ちゃって、
石の色がきれいに写せません。
もちろん、金色の光を生かしてイメージ的に撮るなら問題ナシですが。

●ピント合わせ
デジカメなら、まずはどんどん撮るべし!
石は凸凹しているし、透明感もあるので
オートフォーカスが決まりにくいことがあります。
そういうときは、一度オートフォーカスであわせておいて
ピントをロックし、手でカメラを微妙に前後させて
ピントをばっちり合わせましょう。
オートフォーカスに対して、これぞ「人力フォーカス」!
デジカメの小さいモニターに映った画像で、
ピントが合っているかどうかを見極めるには慣れが必要。
そのためにもどんどん撮るべし。

●そして最後に
「めんどくさい」はナシ!
写真を撮るのって、案外時間がかかるのです。
会社時代、カメラマンの撮影についていったら、
とる場所、撮るものが決まっていても、
1カット最低で30分以上かかると言われました。
セッティングし、明るさをはかり、その微調整をし、
アングルを決め、試し撮りをし、
本番の何カットかを撮るためには、
30分は見て欲しいと。
石の写真の場合、光のあて方だけは気合いを入れて下さい。

石はとびきりの表情を見せてくれます。












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Last updated  2004/08/31 11:50:16 PM
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