CSI :Miami Files Annex

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March 14, 2021
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今シーズンになって、ニューオーリンズは独自のヴォイス(色、主張)を持ち始めたのか、と思いました。

脚本やゲストの演技も良かったし、個人的には今シーズン一番のエピソードで、最後は泣けました。




市警のブラッドリー刑事が連続強盗犯を追跡中、容疑者が地元のパーティの人混みに逃げ込み、追いかけてきたブラッドリーは無関係の青年を撃ち殺した。
ブラッドリーは青年が銃を向けたので撃ったというが、目撃者は彼は丸腰だったという。
現場に呼ばれたロレッタは、白人刑事が黒人を射殺したことから大きな騒ぎになるのを懸念する。
捜査を主導するのは州警察のクーパー刑事で、被害者が海軍のアリ・ミッチェル三等兵曹だったため、プライドも出動した。
今の所ブラッドリーが主張する被害者の銃は見つかっておらず、先程までロレッタとデートしていたホロウェイ刑事は、自分が部下として指導したブラッドリーを心配して姿を見せる。
群衆がこれは差別だと怒りを燃え上がらせる中、プライドは冷静になぜミッチェルが撃たれることになったのかを注目する。

プライドは微妙な問題なので憶測で物を言うなとチームに釘を刺す。
ホロウェイはブラッドリーのためにと、モルグに様子を聞きに来る。
ブラッドリーは人種差別者ではないというホロウェイだが、ロレッタは立場の違いから捜査内容は何も教えられないと頑なになる。
プライドはあえて情報は双方で共有すべきだという。
事件現場となったパーティで、ブラッドリーを撮影した動画は多くあるが、ミッチェルが銃を構えたかどうかは判別できない。
ただ、SNSではミッチェルがギャングと関係があるという記事や写真が拡散し始めた。
パットンは捏造であったとしても、さらに情報を集めるという。
州警察はジェラルドの恋人ジャスミンの自宅の家宅捜索を強行する。
カーターは何かと州警察に反発し、ミッチェルとジェラルドが友人だったことを示す写真を見つけて持ち去ってしまう。
プライドはカーターの勝手な行動を叱るが、カーターは自分の経験から、黒人であるミッチェルが悪党にされことがわかっており、差別の問題にニュートラルはないという。
ジェラルドは盗みなどの前歴があり、未成年の時の仲間の名前が消されている。

市警はミッチェルとジェラルドの関係が復活したと、ブラッドリーに有利に考えるだろう。
市民の動揺を抑えるため、知事は早く合同会見を開き、捜査の進捗状況を説明するように州警察、市警、NCISに求めた。
ミッチェルが持っていた銃が見つかったという報告が入っているが、プライドはその銃の分析を終えてから会見を開くべきだと主張する。
銃が見つかったのが3ブロック先の廃屋に隠されていたのが引っかかる。
カーターはブラッドリーを擁護するホロウェイに、一体どっちの味方かと噛み付いた。

再度ジャスミンの自宅に向かい、ミッチェルとジェラルドの関係について尋ねる。
2人は若い頃、悪さもしたが、ミッチェルは海軍のスカウトを受け、前歴を消して人生をやり直した。
ミッチェルはジェラルドに悪事から足を洗って、海軍に入れと説得していたという。
カーターとコーリーの言葉にやっと、ジャスミンはジェラルドの行き先の情報を話す。

ミッチェルの母親は会見を開き、息子の無実を訴える。
人々はハリケーンの時に救助を待つ黒人を警官が撃ち殺した事件を忘れるなと応える。
パットンは警察に目をつけられた黒人がどう対応すべきか、カーターにも何か経験があるはずだという。
ミッチェルのものとされた銃は、大勢が使うコミュニティ銃とわかる。
ミッチェルの指紋は検出されていない。
パットンとセバスチャンは、動画の中で倒れたミッチェルのそばに何かが落ちているのを見つける。
まだ見つかっていないとしたら、下水溝に落ちたのか。
合同プレス会見が始まるが、記者からの質問で見つかった銃について州警察は何も明かさなかった。
プライドがミッチェルのものとは確認されていないと付け加えると、市民の怒りは高まる。
ホロウェイとロレッタは、お互いの意見をぶつけ合う。

NCISはジェラルドの叔父の農園でジェラルドを逮捕し、プライドが事件の全容を聞き出す。
ブラッドリーから逃れようと、人混みの中に逃げ込んだジェラルドだったが、まさかそこにミッチェルがいるとは思わなかったという。
ミッチェルは撃たれそうになったジェラルドの前に立ちはだかったのだった。
セバスチャンとカーターは下水道の中に入って、ミッチェルが手にしていたものを見つけ出す。
ミッチェルは事件の現場を携帯で撮影していたのだった。
ブラッドリーがミッチェルを撃つ瞬間が撮影されており、ブラッドリーは携帯を銃と見誤った。
しかし、発砲したことは市警の方針に沿ったものでブラッドリーは刑務所に入るわけではなく、母親には補償金が支払われるだろう。
ショックを受けたブラッドリーは、警察を辞職して謝罪会見を開く。
なんともやるせない結末となった。
事件現場ではミッチェルを悼む集会が開かれ、NCISメンバーも参列する。




今回も「Quantum Leap」のエピソードを思い出しながら見ていました。
今から30年前のドラマでも公民権運動を扱ったストーリーや差別のテーマをよく扱っていた印象があります。
どの時代、どの場所でも人々の暮らしがあり、感情があり、対立がありそれぞれに言い分があった。
そして、その絡まった糸が最後にほろっと解ける時に、心が暖かくなって気分がすーっとしたものです。
今回ホロウェイ刑事は黒人警官として長く警察にいて、警察の内部も随分変わったというけれど、警察権力と市民との関係性は変わらない。
ブラッドリーは差別したんじゃないというでしょうし、任務でやるべきことをやっただけだ。
でも、黒人市民は必要以上に警察に目をつけられ、暴力を受け、冤罪の対象となっている。
パットンが車椅子生活になって、急に警官が自分に向ける目が変わったというのもリアルに感じられました。
ロレッタが息子たちに日頃から何を教えているのか、こういう話題も事実でしょう。
そういう中で捜査は慎重に、事実に基づいて憶測は避けなければならない。
多分、ブラッドリーが見間違ったんだろうというのは予想できましたが、それが証明されても正義がなされたわけではない。
傷ついた人々の心が残ったまま。
問題はずっと続いているけれど、せめてパットンの口からいつかは…という言葉に希望をかけたいです。
カーターは最初から偏見のもとに捜査が行われていると言って、捜査官としてはそれこそ偏った態度を取り続けるわけですが、これはかなり異質な感じがしますね。
メイン捜査官でこんなキャラクターは今までいなかったでしょう。
一体どんな経験をしたのかわかりませんが、これでは逆に見るべきものを見逃し、事実を捻じ曲げてしまいそう。
ただ、差別の問題には「中立」というのはないんだ、という言い方は奥深いなと思いました。
ホロウェイとロレッタの本音のぶつかりは見ごたえがありましたね。
でも2人は大人なので、すぐに仲直りしたようですが。
ラストで歌っていた「Lift Every Voice and Sing」は黒人の国歌と呼ばれる曲で、強いメッセージを発していたと思いました。





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Last updated  March 14, 2021 09:48:49 AM
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