CSI :Miami Files Annex

The Blacklist 8 #162 Dr. Laken Perillos (No. 70)

(4)

内容としては何も起きなかった、filler episodeですが、デンベが主役だったのかな。
ゲストのラバーン・コックスが目玉だったのかも知れません。
でも、ブラックリスターとしては平板な印象でした。

レッドはタウンゼントの資金洗浄を担当しているディクソンから、タウンゼントの居場所を聞き出そうとする。
ディクソンは「ファラリスの雄牛」と呼ばれる拷問者、レイケン・ペロリスをタウンゼントがアメリカに呼び寄せたという。
ペリロスはその残酷さで知られており、タウンゼントが雇ったならば、リズも関わっているだろう。
ペリロスの拷問を生き延びたアインホーンという男性がいることがわかり、レスラーらが話を聞く。
逆らうとこうなるという見せしめのために生き延びさせられたというアインホーンは、傷つけられしゃべることはできず、協力すればまた彼女が現れると伝える。
レッドの部下が爆弾で襲われた件で、ルディガーが鑑識作業を任された。

レッドとデンベがルディガーの作業場を訪れている時に、白いバンに乗った武装した男たちが攻撃してきた。
デンベはレッドを逃し、敵に捕まってしまう。

レッドはクーパーに助けを求めるが、ルディガーのところにいたのを知られたのはディクソンがタウンゼントに漏らしたからだと気づく。
再びディクソンを訪れたレッドは、タウンゼントに連絡するようにメッセージを送る。
デンベはペリロスの拷問を受け、タウンゼントからサコースキーアーカイブのことを話せと迫られる。
デンベはレッドを守ると答える。
タウンゼントから電話があり、レッドはデンベと自分を交換しろと申し出る。
タウンゼントの要求はサコースキーアーカイブの引き渡しだが、レッドは自分が殺されれば部下たちが蜂起し戦争になると答える。
デンベはクラゲの毒を打たれ「異端者のフォーク」に苦しみながら、それでも口を割らない。
ペリロスは、白人は黒人が痛みに鈍感だと思っているようだが、「レッドはあなたの心の痛みがわかるかしら」と問う。

レッドはタウンゼントの指示で身柄を確保される。

FBIがデンベの拘束されていた場所に踏み込んだ時には、もぬけの殻だった。
デンベはFBIと情報を共有し、自分の身代わりとなったレッドの捜索を始める。
イルカンジクラゲを扱う業者から、顧客としてペリロスの情報が浮かび上がる。
レッドにはリンパ球性脈絡髄膜炎のウィルスが注射され、レッドは足先から次第に体の麻痺が始まる。
最後は呼吸が止まるだろう。

デンベとクーパーは捜査資料を見直すが、デンベは燃焼促進剤のシクロヘキサンが白いバンの処分に使われていたのを見て、ルディガーが噛んでいることに気づく。
ルディガーはタウンゼントに脅されて誘拐犯のバンを燃やしたことを認め、レッドの居場所を吐く。
FBIに応援を求めたデンベだったが、SWATの派遣は間に合わず、デンベは一人で倉庫に突入する。
解毒剤を手に入れたデンベはレッドを助けて、ペリロスを拘束すると毒を注射し、タウンゼントと接触する方法を聞き出そうとする。
しかしペリロスから確たる情報は得られなかった。
レッドは自分の医療チームの手当を受け、デンベに「私は君の痛みを分かっているだろうか」と問う。
デンベはいつもではない、と答える。
クーパーはデンベには良い刑事の才能があると指摘し、いつかはレッドが崖っぷちから足を踏み外す日がくるので、その時に備えろという。
デンベが拘束したはずのルディガーの姿が消え、タウンゼントの屋敷に連れ去られた。
リズからはルディガーを殺すなと言われているという。

おどろおどろしい拷問の紹介がありましたが、結局デンベとレッドに使ったのは毒？
簡単に反撃されるところなど、あまり怖さを感じないブラックリスターでしたね。
部下や護衛がいないと、力仕事はできないし、侵入を許してしまうのにお一人？
髪型とかNCISのケイシーに似ているなあと思いながら見ていました。
まあ、今回はレッドとデンベの友情が真正面から問われたわけですが、盤石と思われた関係に若干のズレがあると言いたかったのか。
デンベはレッドの良心という存在なので、時々レッドに意見したり反対意見を言うことがあるわけですが、クーパーはそこを察して、デンベにこちら側に留まれという。
レッドと共に奈落の底に落ちるべきではないだろう。
デンベもそこは理解しているので、心の痛みという意味でレッドは完全には理解できていないのではないか、ということでしょうか。
クーパーの腹黒さも感じます。
リズはとっくにルビコン川を渡っていると思います。
タウンゼントをコントロールしているように見えてしまう、大したものです。
次第に意識を失っていくレッド、お顔のアップなど、レッドを愛でる回でもありました。（笑）
補足
あまり書くことがないので、BGMについて。
終盤流れていたクラシック曲はドヴォルザークの「スターバト・マーテル（悲しみの聖母）」ですね。
「スターバト・マーテル」にはたくさんの楽曲があるのですが、このドヴォルザークの作品は個人的にいつかは歌ってみたいと思っている名曲で、なぜこのエピソードに使ったのかはわかりませんが、レッドの贖罪というテーマがあるのかなあ、などと思いました。

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Last updated July 29, 2021 09:44:20 PM
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■コメント

Re:The Blacklist 8 #162 Dr. Laken Perillos (No. 70)(07/29)

録画でみているファンさん

拷問シーンはテレビで見たくないですが……
今回のテーマは終盤に詰まっているんでしょうね。

拷問部分には興味ゼロですが、クーパーの説明が簡潔過ぎたのでちょっと補足。
ファラリス＝紀元前のシチリア南部の支配者……常識はずれの死刑装置をペリロスに作らせた……それがファラリスの雄牛＝真鍮製の「空洞！の雄牛像」……何とペリロスが最初の犠牲者にされ、～ファラリス自身も最後には中に閉じ込められて火あぶり＝炙り殺されたようです。

今回のペリロスは……世界の多くの視聴者が……
＞NCISのケイシーに似ているなあと思いながら……
見てしまうので、怖さが中途半端になるんですねぇ。

デンベに対する拷問での質問……字幕では「サコースキー・アーカイブとは何なの？」となっていましたが……タウンゼント一派は「何か？」は知っているわけで……ペリロスの要求は「Ｓ.アーカイヴについて知ってることを全部しゃべりなさい！」ですね。

「涙にあまる深き思い」「涙するには深すぎる思い」が私にはたくさんある。
「Thoughts that do often lie too deep for tears.」……J.スペイダー好みの引用。今回はW.ワーズワースでした。……このセリフも、終盤の「スターバト・マーテル」に少しつながっているような。。。

デンベがペリロスを撃たなかった結果、レッドが拷問され殺されかけました。
そのデンベが、
最後に一線を越えてペリロスへの拷問を始め、
……そこからエンディングまで、ドヴォルザークの「スターバト・マーテル～悲しみの聖母が立ち尽くす＠イエスの磔刑」……の深い悲しみがあふれるコーラス（ドヴォルザーク自身の子どもが２年の内に３人とも亡くなった直後に作曲）が流れつづけました。
こういう選曲やセリフは、これまでのブラックリストの多数派ファンには、
あまり理解されないかも。

ペリロス「彼（レッド）はアンタを救うために取引したんじゃない。」
デンベ「彼は私の痛みを感じる。」
最後にデンベがレッドを助けに来た時には……
デンベ「彼は命を懸け、呼吸を止められかけている、俺は一人で助けに来た。……タウンゼントはお前のために、そんなことをするか？？」

タウンゼント「Aren't you the loving couple. 最初は奴がお前を助けに来て……今はお前が奴を助けに来ている。」
ペリロスはデンベに「アンタは彼を助けにここへ来た。He（レッド）came here to save himself.」
デンベ「You look at the cause. I only see the effect.」
ここの……レッドは自分自身を救うためにここに来た、というペリロスの主張が、わかるようでわかりにくいですねぇ。

レッドはリズに語りかけるために来て……レッドの死の苦しみの瞬間は「リズ、君の想像とは違っているだろう」「Somehow， it's... dissatisfying. どういうわけか満足からほど遠い。」
「私は、君の人生のこの瞬間を見届けてしまうことが悲しい。これは、二度と戻れないルビコン川を渡ることだ。……君はドクターに解毒剤を打つよう指示するべきだ。なぜなら……私は川の彼岸を見てきた。……そして、私はそこに、絶対に、君を行かせたくない。」

＞リズはとっくにルビコン川を渡っていると思います。
作品を観ている側はそう感じているのですが……レッドは「娘可愛さ？？」で、まだ夢を見ているんですねぇ。

デンベ「ペリロスを追ったのは全く無駄だった」……レッド「I think we both know that's not true.」……デンベ「お互いを助けに行った」
レッド「君の痛みを私は分かっているか？…どうだ？？」
デンベ「No.……I don't. Not always.」いや、、いつも分かっているとは言えない。
ここにもドヴォルザークのコーラス「私にもあなたの強い悲しみを感じさせ、あなたと共に悲しませてください」的なラテン語が流れつづけるのでした。 (July 30, 2021 02:42:02 AM)

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録画でみているファンさんへ

josetangel さん

海外ドラマを見る時に、聖書の引用やシェークスピアのセリフなどはわかっているのが前提になっているので、その都度調べたりして勉強になります。
詩に関しては、貴族や特権階級、インテリの素養を感じさせて、レッドが口にするのはいかにも、というイメージですね。
かっこいいことを言って、自分の世界で陶酔している、誰も近寄れない感じが演出されています。

レッドがデンベの代わりに自分の身を差し出すのは、我々全ての罪を背負って十字架にかけられたキリストをイメージさせますが、そもそもレッドは一人で十分に罪ぶかい。
「自分自身を救いにきた」というのは、悪人として贖罪を求めているという解釈をしました。
レッドは全てを知っていて、コントロールしている「神」のような存在を演じてきて、その自信や信念みたいなものがポロポロと崩れてくるのを、高みから聖母が見守っている、という象徴としてスターバト・マーテルを使ったのかなあ。
となると、リズが聖母になってしまいますけど。（笑） (July 30, 2021 08:58:09 AM)

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おまけの戯言。ブラックリストとディスカバリー

録画でみているファンさん

josetangelさんへ
P.S.
今後、数週間のブラックリストとスタートレック・ディスカバリーの相似形。
先週の「ディスカバリー」の新しい展開は―――
コーンウェル提督の指令で、
Philippa Georgiou＝ジョージョウ＆リーランドのセクション31は汚れ仕事担当、
パイク船長＆バーナムのディスカバリーは宇宙艦隊憲章を守る仕事、
双方が不満＆不信をもちつつ、共同作戦のチームを組まされました。

レディントン……ジョージョウ＆リーランド……ダーティな世界
「本来の」ハロルドのチーム……パイク＆バーナムの側
提督よりは、かなり小者ながらパナベイカーが迫った結果
＝「ついに犯罪者としてのリズ」……「犯罪者としてのスポック」。

ディスカバリーには、オールマイティ的な「赤い天使」が事態をうまい具合に収拾していったりしますが……ブラックリストは混沌としていますねぇ。。。 (July 30, 2021 03:16:57 PM)

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録画でみているファンさんへ

josetangel さん

>今後、数週間のブラックリストとスタートレック・ディスカバリーの相似形。

うん、面白いですね。たまたまなのでしょうけど、似ています。

スタトレらしくない「セクション31」については、R.D.ムーアらがDS9で創作したのを「エンタープライズ」でも出してしまったので、ディスカバリーでも大いに利用するという感じでしょうか。
もともと、理想的な未来を描くのがスタトレで、TOS～TNGまではそれが守られていて、汚れ仕事も何もなかったのですが、ドラマとしては闇の部分がある方が面白いですね。
ブラックリストはレッドとFBIが組むことで、悪をもって悪を制す、そして正義を行うという皮肉なシステムを提示し、それがシリーズの独自性をアピールしましたね。
スタトレのキャプテンは、艦隊の誓いを守りつつ、時々暴走してしまう。
パイク艦長もややその気はありますが、彼はクーパーほどの腹黒さはないように思います。
ロルカは確かに野望に燃える裏のある男だったけれど、パイク艦長は違う、純粋で別格だなと思います。
カークよりも理想のキャプテンだなというのが私の評価です。
ということで、シーズン２をお楽しみくださいね。 (July 30, 2021 09:19:14 PM)

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