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毎シーズン何かしらのお騒がせな問題を提供してきたバレンシアだが、今シーズンばかりは笑ってもいられない。そもそもの発端はキケ・フローレス前監督の解任であった。開幕前は優勝候補に挙げられながらファンの期待に応えるだけの内容・結果を残せず、早々とフロントはフローレスを解任し、後任には当時PSVの監督を務めていたクーマンを半ば強引に引き抜く形で招聘した。現役時代はバルセロナのDFとしてならし、ポルトガルやオランダの強豪クラブで監督としての手腕を磨いてきたクーマンに、バレンシアファンは強い期待を示した。就任直後のファンのクーマン支持率が85%以上だったことからもそれが窺える。とはいえ、ここで早急な結果を求めるのはクーマンには酷である。これはクーマンやバレンシアというクラブに限らず、前監督の戦術やシステムが少なからず浸透しているチームに新参者が加わったところで何を出来るわけでもない。前監督の指揮日数が長ければ長いほどそれは顕著に現われ、サイドのスピードとミックスさせたカウンター攻撃を完成の域に高めていたバレンシアなら尚更である。これらのことから、クーマン就任直後の結果が出ない日々も、ファンの間には少しの楽観論が残っていたように思う。だが事態は急変する。クーマンが突如、GKカニサレス、MFアルベルダ、アングロの3人に戦力外通告を出し、移籍勧告を行ったのだ。これまでチームの中心としてクラブを支えてきた功労者に対する配慮という点では間違っているとは思うのだが、クーマンがバレンシアを先へ進ませるために排除した腐ったミカンが彼ら3人だったのだろう。だがクーマンが3人を戦力外にした理由を明かさなかったことから周囲が騒ぎ出し、騒動は大きくなった。当の3人からすれば理由もなく不要宣言されたわけだから到底納得できない。報道陣を前に監督を批判するコメントがメディアを通じて繰り返し流された。それでもクーマンは理由を語らなかった。本来ならチームの不和を解消すべく立ち上がらなければならないフロントは今回、クーマンの肩を持った。それもそうだろう。わざわざフリーではなく別クラブの当時監督だったクーマンをシーズン途中に引き抜いたのだから。おいそれと解任するわけにもいかないのである。しかしファンは違った。未だ結果を残せず、我がクラブの人気中心選手をないがしろにするような扱い。就任時の期待が高かった分、余計に反クーマンの声は大きくなっていった。現在、65%以上のファンがクーマンの即時辞任を求めているという。クーマン就任後のリーグ10戦でわずか勝点6しか挙げられず、チャンピオンズリーグ出場権を狙うはずがUEFA杯出場権さえも不確実な情勢になってしまったのだから、それも当然だろう。だがクーマンに辞任の意思はなく、自分の戦術・行動・主張に絶対の自信を持っている。一方で戦力外の3人は、クラブに契約を解消するように求めている。試合に出れないのであれば他クラブへ移籍するしか出場のチャンスはないのだが、契約がある限り移籍における移籍金が発生するわけで、彼らレベルになると他クラブが簡単に出せるような額ではなく、自ずと選択肢も限られてくる。バレンシアのフロントの見解はこうだ。「(3人への戦力外通告は)クーマンの技術的な決定であり、 フロントに何の意図もない。 ただ単にクーマンの選ぶメンバーに入らなかったということだけで、 彼らは今もバレンシアのメンバーだ」「クラブとしてはフローレスの続投を願っていたが、 ファンの解任要求によってフローレスはクラブを去った。 今はクーマンの続投を心から願っている」クラブを去ることになるのは戦力外の3人なのか、クーマンなのか、それともフロント陣なのか。いずれにせよ早い段階での解決を望みたい。ほな、また。
2008.01.30
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この冬の移籍市場が閉まるまで約4日。だがこれまでのビッグディールと言えば、初旬に決まったアネルカのチェルシー加入くらいなもの。ユベントス関係やバレンシアの戦力外3人衆の動向は依然不透明ではあるものの、おそらくはサプライズ移籍を見ることもなくマーケットは閉まるように思われる。そんな中で、マンチェスター・シティのFWビアンキがラツィオにローン移籍することが決まった。タクシン新オーナーによる積極補強策の1人として、今シーズン開幕前にシティにやってきたビアンキはここまでチーム2位となる4得点を挙げている。一方で先発出場はわずか4試合に留まり、以前から出場機会の少なさに不満を述べていたようだ。個人的印象として、この冬の市場においてシティはもっと積極的な補強を敢行すると思っていた。ここまでの成績はUEFA杯争いを演じるなど決して悪くないが、開幕前の活発さに比べてどうしても地味な印象しか得られない。トットナムは毎度のことなので横に置いといて、この冬はシティが市場の中心になるのではないかと少なからず思っていたのである。だが名前が噂には挙がれど契約までは持っていけず、セビージャのルイス・ファビアーノへの正式オファーは即座に拒否される有様であった。そしてビアンキの放出である。どうもシティが狙う噂には前線の選手の名前が多い。ということは早い段階からエリクソンはFWへの不信感を持っており、ビアンキについても得点数ほどの信頼感を持っていなかったということになる。確かに冬の移籍はチームに馴染む時間がないため、クラブにとっても選手にとってもギャンブル的要素は強く、過去を見てもそれほど大きな移籍が成立することはない。残り4日ほどでシティの前線に変化がなければ当然、次のターゲットは夏ということになる。その時こそシティが中心に市場は動くのだろうか。一方でビアンキが加入したラツィオだが、こちらも前線に問題を抱えている。とはいえ、こちらは不信ではなく放出の危機による問題である。どうやら攻撃の中心であるFWパンデフに放出の噂があり、それが全く後を絶っていないのである。先日もキーガン新監督が就任したニューカッスルが獲得に興味を示すなど、イタリア以外でも実力を認められているパンデフだが、彼のコメントを鵜呑みにすれば6月まではラツィオを離れることはないらしい。しかし逆に言えば、それ以降の移籍は在り得るということでもある。ビアンキを狙う筆頭はニューカッスルではなく、実はバイエルンなのである。トニ、クローゼを補強した今シーズン開幕前から、バイエルンはパンデフを補強リストの上位に乗せていた。そして今回の市場でも何度も興味を寄せている旨のコメントを出しており、近い将来に起こる獲得に向けて着々と準備を進めているように思える。ただバイエルンは2人以外にもポドルスキーというドイツ代表FWを擁している。さらにはアルティントップなどポドルスキーよりもさらに若い世代の有能なタレントも擁しているわけで、ここまでパンデフに固執するまでもないように感じてしまう。ただバイエルンは昨シーズン4位に終わり、チャンピオンズリーグの出場権を逃した。リーグのタイトル奪回は至上命題であり、高い確率でそれは実現するだろう。そうなると来シーズンはチャンピオンズリーグにも復帰し、選手層を厚くする必要に迫られる。しかも来シーズンからの監督は、あのクリンスマンである。それほど仲の良くなった両者が契約関係を結んだことは大きな驚きであり、それだけバイエルンの懸ける意気込みが伝わってくる。そしてその筆頭がパンデフなのである。資金力で勝るバイエルンが相手では、いくらクラブが強硬に突っぱねてもパンデフはラツィオを去ることになってしまうだろう。そう考えると、ラツィオがビアンキを獲得した理由も説明がつく。パンデフ後の後継者をこの時点で獲得しておくことは、夏に焦って動くよりは多くの点で有利に働く。見極めにしてもそう、連携にしてもそうである。シティ移籍前に所属していたレッジーナでの活躍は分かっているが、ラツィオでも同様の活躍が期待できるかは分からない。ダメならまた夏に動けばいいのであって、そこに焦りは全くない。シティもバイエルンもラツィオも、そしてその他のクラブもそうだが、先を見据えた強化なくしてクラブの成功など得られるはずもない。ほな、また。
2008.01.27
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レーマンが移籍を断った理由ドルトムントからの誘いを断り、アーセナルへの去就が注目されていたレーマンが残留を決断したようだ。「確かにヴェンゲルは毎試合、私を起用するわけではないことは分かっている。 お金を選んでいたらドルトムント移籍を決めていただろう。 だが交渉中に、ドイツに帰ることは家族にとって良くないと感じたんだ」「プライベートな理由」からドルトムント移籍を拒否していたレーマン。欧米人らしく、家族を第一に考えての移籍拒否、そしてアーセナル残留だったようだ。だがレーマンの今後を考えると、今回の残留は大きくマイナスに傾きそうな気配がする。今回の移籍騒動が起きた原因はアーセナルでのレギュラー剥奪、そしてそれによるユーロへの出場是非だった。レーブ・ドイツ代表監督が語るように、クラブでの出番があるならばユーロでの正GKはレーマンだった。だが現在、アーセナルでの出番はほとんどなく、出場が望めたドルトムントへも移籍しなかった。今後数ヶ月で状況がどう変化するかは分からないが、このままいけばレーマンのユーロ出場は選出こそあれど、かなり厳しいものになるだろう。さらにそこまで出場を熱望していたユーロ出場と天秤にかけたのが家族であり、家族を優先した事実は、先にも書いたようにいかにも欧米人らしい発想でもあり、今後のレーマンのキャリアに不透明さを抱かせる。確かに年齢から考えても、今後5年も10年も現役でプレーしているとは思えない。しかしビッグコンペティションへの出場という意味では、おそらく今回がラストチャンスではないだろうか。海外選手の多くはビッグコンペティションを最後に代表や現役を引退する。つまり最後の花道にも匹敵するわけだが、それに出場するチャンスを、原因がいくら家族とはいえ、自らの手で手放しかねない状況に持ち込んだのである。誤解しないで欲しいが、決して選択の問題ではない。ユーロへの執着心の問題である。残留してもクラブとユーロでの出場のチャンスは必ずある。そんな自信がレーマンにあるのかどうか分からない。ただ、ドイツ代表における正GKの本命候補から滑り落ちつつあるのは確かである。ほな、また。
2008.01.26
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アーセナルのフランス代表ディアッラが、ポーツマスへ移籍することになった。契約は3年半で、移籍金は約10億5千万円。ディアッラはアーセナルで出場機会に恵まれず、夏に行われるユーロ本大会出場のためにも、常時出場機会のあるクラブへの移籍を希望していた。オシムも言うように、サッカー界に「移籍はつきもの」である。そしてユーロが行われることを考えれば、後10日ほど残されている冬の移籍期間において同様の理由から移籍を決断する選手が出てもおかしくはない。これは決して悪いことではない。だがディアッラの場合は事情が違う。彼は今シーズン開幕前、今回の移籍と同じ理由で前所属のチェルシーからアーセナルに移籍してきたのだ。その際、彼はこのようにコメントしていたように記憶している。「出場のチャンスを得るためにやってきた。 特に若い選手にとってアーセナルは最高の環境だ」実際ヴェンゲル自身もアーセナルというクラブについてこう評している。「世界中でこれほど若手にチャンスを与えるクラブがあるだろうか。 我々のクラブは若手にとってパラダイスのようなものだ」しかし、続けてこうも言っている。「だがプロのサッカー選手である以上、チーム内の競争は仕事の一部である」ヴェンゲルはディアッラを「ビッグクラブでプレーする才能もある」と高い評価をしている。それでも出場機会を中心選手並みに与えなかったのは、ディアッラの精神面に問題があったからではないだろうか。チェルシーでは世界トップレベルの壁を乗り越えることが出来なかった。だから若手の多いアーセナルでは出場機会が得られる。そのような驕りがディアッラにあったのではないだろうか。ポジションは与えられるものではなく、競争に勝って奪い取るものだ。ディアッラ自身がそれを認識しない限り、フランス代表はもとより、ポーツマスでもポジションは得られないだろう。そしてこの夏に同じ過ちを繰り返すことにもなるだろう。ほな、また。
2008.01.19
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個人的理由。何とも都合の良い言葉だ。今回に関して言えば「一身上の都合」という方が適切かもしれない。どちらにしろ都合の良い言葉に変わりはない。ドイツのドルトムント行きが濃厚だったアーセナルのレーマンが、突如オファーを断った。正GKをアルムニアに奪われ、6月のユーロに向けて何としても出場機会を得たいレーマンだったが、バイデンフェラーの負傷で確実に出場のチャンスがあるドルトムント行きを諦めた理由は何だったのだろうか。レーマンが語っているように、本人も移籍には前向きだった。「ドルトムントでプレーし、再びドイツに戻ることは非常に引かれるものであったが、プライベートな理由から、今回の結論に至った。非常にプロフェッショナルに移籍交渉に骨を折ってくれ、さらに考える時間を十分に与えてくれたドルトムントの関係者にとても申し訳なく思っている」これを見る限り、交渉においてレーマンの気分を損ねるような問題は起こっていないと思われる。ならばレーマン側の気持ちの変化が大きな要因になっていることが推測される。ここで思い出さないといけないのは、レーマンの今現在置かれたポジションである。クラブでは控えGKに甘んじ出場のチャンスはほぼ無いに等しい。だがシーズンオフにはユーロを控えている。ドイツ代表レーブ監督が語っているように、クラブで出場していれば正GKはレーマンのものと太鼓判も得ている。だが逆に言えば出場していなければ分からないわけで、レーマンにはどうしても出場機会のチャンスを得られる場所が必要なのである。しかしそれと同時にプレーレベルも要因にあったのではないだろうか。決してドイツのレベルが低いと言っているわけではない。だが例えばドルトムントとアーセナルのレベルを比べた場合、どうしても後者の方に分があるのは仕方ない。またチャンピオンズリーグで決勝トーナメントに進出しているアーセナルに対し、ドルトムントはUEFAカップさえなく国内1本である。いくら控えに甘んじているとはいえチャンピオンズリーグは大きな魅力であり、アルムニアに何かが起こり出場機会が巡ってこないとも限らない。そこで結果を残せば再びアーセナルの正GKに戻ることが出来るわけで、これがレーマンの理想と言えなくも無い。個人的な理由なのだから、噂であるようにドイツの税制が高すぎるからとか、あるいは家族がロンドンでの生活に満足しているなどの理由かもしれない。あるいは別クラブからのオファーがドルトムントよりも満足の行くような内容だった可能性もあるわけで、いずれにせよ本命のように思われたドルトムント行きはなくなった。レーマンの本命は一体どこにあるのだろうか。ほな、また。
2008.01.15
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我がユナイテッドがニューカッスル相手に6対0の圧勝劇を演じた。ニューカッスルはアラーダイス解任後初の試合だけに、チームへの影響や同様を考えれば与しやすいタイミングと言えなくもなかった。それでもロナウドのユナイテッドでの初となるハットトリックなどでの6得点や、守備陣も集中を切らさず無失点に抑えたことは出来すぎである。そんなユナイテッドが先日、2007年6月30日を決算日とする1年間の売り上げ及び収益が過去最高であることを発表した。それによれば前年比で21%のグループ売り上げ増となっており、純益はおよそ93%の増加を記録している。特にアジア圏での収入増が大きく、ユニフォームなどの商品販売が大部分を占めているらしい。それだけサッカーというスポーツが、そしてユナイテッドというクラブがヨーロッパ以外にも浸透している、まさに世界規模のスポーツ、そしてクラブだといえる。片やヨーロッパの舞台においても、チャンピオンズリーグ準決勝まで進出したことで入場料収入やテレビ放映権料、勝利給による収入増加があったし、プレミアでの優勝によるメディアへの露出や賞金も当然増加の一因になっている。しかしふと見方を変えてみると、サッカー界は大きくなりすぎたのではないだろうか。これまでも「サッカーのビジネス化・商業化」を懸念する声はあったし、個人的にもそう思っていた。特にプレミアはここ数シーズンで外国人オーナーの参入が急激に増え、プレミアは金の成る木だという認識が諸外国の富裕層に浸透しているように思う。もちろんそれは他リーグの選手や監督、あるいは自国イングランドのファンでさえそのように思っていることだろう。話は逸れるが、アラーダイスを解任したニューカッスルは、ここ4年で4度目の監督交代だという。平均すると1シーズン1人のペースで監督が代わっていることになり、これではまともなチーム強化など出来るはずもなく、クラブにはもっと長期的なビジョンを持った監督の人選を進めてもらいたい。一方でニューカッスルファンがチームに求めているのは結果だ。北の古豪と言われながら長年タイトルとは無縁だけに欲しいのは何かしらのタイトルだ。「ライバルは金を惜しまず補強しているのにウチはどうして?」「あそこが勝っているのだからウチも勝てるはずだ」金にモノを言わせた外からの競争原理が、ファンのこれまでの固定観念を今ブチ破りつつあるのではないだろうか。ニューカッスルというクラブを通すと4年で4度目だが、今シーズンのプレミアリーグで言うと、既にアラーダイスで8人目の監督交代劇となっている。プレミアは全20クラブだからシーズン折り返しの時点で4割のクラブの監督が代わっていることになる。モウリーニョやブルースを引き抜かれたバーミンガムなどの例もあるが、主に下位クラブの監督が代わっていることを見ると、残留という最大の目標を達成すべく、傷口の小さなうちに早めに策を取ったクラブが多かったのだろう。個人的にもその先手を打つ方法は間違っていないように思う。だが残留という短期的な目標を見すぎて、長期の育成であったりチーム強化であったりというビジョンを見失ってはいないだろうか。フルアムのサンチェスにしても今回のアラーダイスにしても、今シーズンからその職に就いた監督もいるわけである。間違いを認めるのは悪くないが、あまりにもクラブの考えが短絡的なように思えるのである。ではなぜそんな考えになったのだろうか。そう思うと、金の成るプレミアへの執着とファンの高くなった要求が、クラブをそのような考えにさせているのではないだろうか。昇格と降格では天と地ほどの収入の差が生まれてしまう。降格すれば収入は激減し、主力の放出を余儀なくされる。チームは弱体化しこれまでの戦力では戦えず栄華も極められない。だがファンからの要求は今までどおりに、いや他クラブの動向を知っているのだから今まで以上のものになっているだろう。ならばクラブは長くても1年という短期のビジョンしか持たざるを得なくなってしまう。その中で腐ったミカンへの対処は迅速に行われるが、成績が不振だからといって選手の総入れ替えなどまず無理だ。となると比較的楽に交換可能で時間的にも手間を取らない監督の交代が安易に行われてしまうのである。選手1人が加入することで状況が劇的に変化する事例よりも、監督が代わることによるそれの方が圧倒的に多い。つまりは監督というのは極めて重要なポジションであり、そのためにも人選は綿密に、入念に行わなければならないのである。だがそれが分かっていながら、特にプレミアでは監督という地位は明らかに低いものになってしまっている。ニューカッスルと対戦したユナイテッドの監督はファーガソン。言うまでもなく20年以上の長きに渡ってユナイテッドの監督を務めている。これはいくらなんでも長すぎだと思うなら、2位に転落したアーセナルのヴェンゲルは12年目に突入している。今回の試合は6対0というスコア以上に、プレミアにおける監督の在り方に警鐘を鳴らすような試合だったのかもしれない。ほな、また。
2008.01.13
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今日現在、1勝4分16敗で勝点7。ダントツの最下位で降格は間違いないだろうダービーがなりふり構わぬ補強策に打って出ている。まずは4日、マンチェスター・シティのDFミルズを今シーズンまでのローンで獲得。さらに9日、ブラックバーンMFサベージと移籍金約3億2千万円で2年半契約を結び、スペインのレバンテを退団しフリーの状態であるMFロベールともほぼ合意に達しているようである。成績不振で前監督を解任後、ウィガンを強豪クラブに仕立てたジュエルを招聘したダービー。低迷するクラブを上位に押し上げるジュエルの手腕は認められているが、如何せん彼は長期的ビジョンに基づいてチームを強化するタイプの監督であり、いくらジュエルと言えども、今回のミッションは不可能だろうと個人的には考えていた。だがこの補強で少しは変わりそうである。まず3人の共通点が3つある。1つはプレミアでの経験が豊富にあり、リーグへの影響力を心配する必要は無いということ。ミルズとサベージはもちろんのこと、ロベールもつい最近までニューカッスルで長くプレーしていたため問題はない。次に能力が代表レベルであること。ミルズは何度かイングランド代表でのプレー経験があり、サベージもウェールズ代表として長くプレーしている。ロベールの代表歴は先の2人ほど多くはないが、彼の左足から繰り出されるFKの精度と破壊力は間違いなく代表レベルに匹敵するもので、実際ニューカッスル時代にも何度も相手ゴールを脅かしていたものだ。最後にこれは短所にも成りえることだが、熱い選手だということ。ミルズは風貌も影響しているのだろうが警告の常習者であり、サベージもポジション的なこともあるが危険なタックルで何度相手を傷つけたことだろう。ロベールは自分の思い通りにならないと不貞腐れる嫌いがあり、そのために監督との軋轢が生まれたことも数知れない。移籍期間ではないシーズン中にレバンテを退団していることからもそれが分かるだろう。こう見てくると一見なりふり構っていない補強も、実は理に適っているように思えてくる。ダービーの唯一にして最大の目的はプレミア残留にある。だが残留ゾーンの17位とは勝点10の差がついてしまっている。そこで酸いも甘いも知るベテランのキャリア、プレミア問わない経験、チームレベルを押し上げる高い個人能力、負けていてもチームをピッチから鼓舞させることのできるハートを持った選手。ダービーはこれらを全て持つ選手を一気に3人も獲得できたのだ。もちろん冬の新戦力大量加入はチームに混乱を招く危険があり、熱いハートが時に裏目に出ることもあるだろう。だが今の状況を抜け出し目標を達成するためにはある程度のギャンブルも必要であり、ダービーの本気度がこの補強には見て取れる。ジュエルはサベージをこのように評していた。「敵対していたときはサベージを憎んでいた。 彼は相手チームが嫌がるタイプの選手だからね。 でも味方なら大歓迎だよ」これはミルズにもロベールにも当てはまる。これまでダービーをお得意様扱いしていた他クラブも、今後は注意が必要ではないだろうか。ほな、また。
2008.01.12
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ニューカッスルのサム・アラーダイス監督が解任された。名目上は「双方合意の下の契約解除」となっているが、実際は当然ながら解任であり、アラーダイスの名誉やこれまでの功績を考えたせめてもの親心だと考えることが出来る。アラーダイスことビッグ・サムがニューカッスルにやってきたのは、わずか8ヶ月前のことだった。長年に渡ってタイトルから見放されていた北の名門も、これでようやく復活の兆しを見せそうな予感さえ漂わせるビッグ・サム招聘だった。それは就任会見での言葉からも期待を抱かせるのには十分だった。「(ボルトン時代とは異なり)攻撃的なフットボールをお見せする」ファンの心にしっかりと残っているフットボールは、わずか数年前!のボビー・ロブソン監督の下行われた“取られたら取り返せ”の攻撃的フットボールだった。前線には地元の英雄シアラーを擁し、両サイドが守備など関係ないかの如くオーバーラップを仕掛け続けて展開された魅力的なそれが、ビッグ・サム招聘によって復活されることを期待し、同時に「今年こそは」とファンがタイトル獲得を夢見たことは想像に難くない。だが結果は伴わなかった。いや、結果だけならこの段階での解任はなかったかもしれない。11月24日、ホームでのリバプール戦。怪我人が続出していたことも多少影響していたのだろうが、ビッグ・サムは3バックという布陣で臨んだ。その分中盤を厚くすることでリバプールの攻撃を抑えつつ、試合を優位に進めようとしていたのだろう。だが慣れない布陣もあって守備陣に集中力はなくミスも目立った。攻撃でも全体の動きは少なくパスも通らない。マルティンスのスピードを活かすロングボールを入れるという単調な攻めに終始するピッチ上の選手に、前半終了後ファンはブーイングを贈った。前半での0対1という結果も、運良く最少失点で免れた0対1であった。前半終了時、「後半は大幅な修正・交代が必要だ」と個人的に思っていた。だがビッグ・サムは何の修正・交代なく後半に挑んだ。リバプールの追加点が入ったのは46分だった。実は前半44分、追加点を奪われる大きなピンチを招いていた。だがそのピンチを救ったのはポストだった。このとき実況は「幸運の女神が微笑んだ」と話していたが、そうではなく「逆襲へ向けての最後のチャンス」だったのではないだろうかと思うのである。「前半は助けてやる、後半は知らないぞ」と。その後ようやく動いたビッグ・サムだったが、投入したのが守備的なバートンと、唯一攻撃で相手を翻弄していたエンゾグビアに代わってのミルナーだった。この2つの交代時、ファンはブーイングを浴びせていた。当然選手へのそれでもあるだろうが、大多数はビッグ・サムに向けてのものであった。「攻撃的フットボールはどうした?」チームの不甲斐無さと同時に、ビッグ・サムへの裏切られたことによる失望からくるものだった。ぼくはこのとき確信した。長くないと。ちょうど去年の今頃、スコットランドのレンジャーズでも似たようなことが起こっていた。当時監督だったル・グエンとチームの主将でファンからの人気も高いファーガソンが仲違いを起こした。ル・グエンはチームの和を乱したとしてファーガソンを直後の試合においてメンバーから外した。ファンはファーガソンの名前を連呼し、ル・グエンに終始ブーイングを浴びせた。数日もしない間に、ル・グエンは解任された。リバプール戦から約1ヵ月半。意外と我慢していたのかもしれないが、個人的には遅すぎるように思う。「最後のチャンス」は過ぎ去ってしまったような気もするのだが。ほな、また。
2008.01.10
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