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こんにちは。少しブログをさぼってしまい、ご訪問していただいた皆様には失礼いたしました。さて、年の瀬もいよいよ迫って参りました。今年はどんな年だったでしょう。世の中に流れるニュースは、残念ながらいやなこと・不安になってしまうようなことが多かったように思います。来年は良いことがたくさんあるといいな、と年末に当たり思っています。そして、今年は私にとってはこのブログを始めた、という出来事があった年です。ブログを通していろいろな方とお話をすることができ、とても楽しかったです。皆様にお礼を申し上げます。皆様にとりまして、来年が素晴らしい一年になりますように!
2007.12.29
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【5千円(税抜)以上購入で送料無料】【DVD】素晴らしき哉、人生!日頃、町の貧しい人たちのために一生懸命働いているジョージ。彼らにきれいな住宅を与えることはできても、ジョージ一家は相変わらず貧乏のまま。そんなある日、とんでもない災難がジョージに降りかかり、彼は夢も希望も忘れ、絶望のあまり川に飛び込もうとする。しかし、その時羽根のない2級天使が地上に現れ、「いっそ生まれてこなければ」というジョージの望み通り、彼の存在しない世界を案内するのだが…(DVDパッケージ内容紹介より)以前から気になって持っていたDVDですが、クリスマスにあわせて鑑賞してみました。とても素敵な映画でした。「いっそ生まれてこなければ」と思うことは誰しもあるでしょう。「自分には価値がない」と思うことも。でも、生きていれば触れ合った人間に何の痕跡も残さないということはありえません。助けられたり助けたり。傷付け合ったり幸せを分け合ったり。今の人生・生活があるのは、周りの人誰一人欠けていてもありえないんですね。そして、こんな私でも、私が居なければ存在しない「幸せ」というのもどこかにひっそりあるかもしれません。今日ぐらいは素直に神様と周りの人たちに感謝したいと思います。そして、ジョージのように他人の幸せを考え、他人を助けてきた人は、その他人に助けられるのです。今の世の中では甘いといわれるかもしれませんが、この映画の中には確かにそういう信念・古き良きアメリカの美点が描かれていると思いました。それでは皆さん、MERRY X'mas!素敵なクリスマスを!『素晴らしき哉、人生!』1946年(米)監督・製作・共同脚色:フランク・キャプラ原作:フィリップ・ヴァン・ドレン・スターン「The Greatest Gift」脚色:フランセス・グッドリッチ、アルバート・ハケット出演:ジェームズ・スチュワート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア、トーマス・ミッチェル、ヘンリー・トラヴァース、ビューラ・ボンディ、グロリア・グレアム、ウォード・ボンド、フランク・フェイレン、他1946年第4回ゴールデン・グローブ賞 監督賞受賞 フランク・キャプラ1946年第19回アカデミー賞 作品賞ノミネート 主演男優賞ノミネート ジェームズ・スチュワート 監督賞ノミネート フランク・キャプラ
2007.12.24
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東京近郊で連続する誘拐殺人事件。誘拐された子供はみな、身代金の受け渡しの前に銃で殺害されており、その残虐な手口で世間を騒がせていた。そんな中、富樫修は小学六年生の息子・雄介の部屋から被害者の父親の名刺を発見してしまう。息子が誘拐事件に関わりを持っているのではないか?恐るべき疑惑はやがて確信へと変わり…。既存のミステリの枠を超越した、崩壊と再生を描く衝撃の問題作。(文庫本内容紹介より)自分の息子が凶悪な殺人犯だったら…?富樫は様々な証拠からそれを確信するのだけれど、息子に問いただすことはできない。どのような対応をすれば一番いいのか、富樫は考える。その富樫の想像と現実が入り混じるように描かれており、読者は混沌とした世界に誘われてしまう。富樫は様々な結末を予測するのだけれど、ことごとく不幸な結果になってしまう。でも、それも当然だと言える。富樫は雄介と正面から対峙することはついにないのだから。雄介が本当に犯人なのか?どんな動機で犯行を行ったのか?全くわからない。富樫が解らないのだから当然だろう。なぜ、ぶつかっていかないのか?なぜ、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら雄介を問いたださないのか? もし本当に雄介が犯人だとしたら、この父の逃げ腰の態度が大きな原因になっているのではないかと思ってしまうほど、富樫は自己保身に走っているように見えてしまう。人間誰しも自分がかわいいものだろうが…。いや、人間の弱さとはこのようなものなのだろう。その弱さを描いた作品と思えば納得もいくのかな、と思う。それでも、「パンドラの箱」を開けた後には「希望」が残っている、という結論に達した富樫は、ある種の覚悟ができたと思っていいのだろうか。「私の未来でもある」「白球が空から落ちてくる」のを受け止めようとする富樫に、それを感じることができたと、私は思ったのだが…。でもまだ「崩壊」も起こっていないのだから、「崩壊と再生」の物語を読みたかったわたしにはちょっと物足りない感じがしました。一人の父親の苦悩を描いた作品とすれば、それはそれでありだと思うけど、「骨太感」が足りなかったかな~と思いました。『世界の終わり、あるいは始まり』歌野晶午発行:2002年発行所:角川書店価格:\1680(税込) 文庫本 角川文庫(税込\780) 世界の終わり、あるいは始まり
2007.12.22
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山本容子が11人の作家とコラボレイトした、鉄道への美しいオマージュ。鉄道博物館開館記念出版。(BOOKデータベースより)いつもお世話になっておりますなななかばさんにご紹介いただきました。山本容子さんは、今年10月14日に開館した「鉄道博物館」(「鉄博(てっぱく)」)のために、鉄道をテーマにしたステンドグラスを制作された銅版画家です。山本さんは制作にあたり10人の作家にエッセイの執筆を依頼し、そこからインスパイアされた世界を描くというコラボレーションの形をとりました。それら10人の作品と絵が、谷川俊太郎さんの詩「過ぎゆくもの―SL挽歌」を基調に一つの作品になるよう描かれたものが、「鉄博」のステンドグラスでありこの本なのです。『走る音楽機械』中沢新一「鉄道の旅行者は惑星軌道上を動くように、自分の意志よりもっと大きな意志に従うことを求めているようだ。」というような文章があり、「ああ、そうだなぁ。どこか知らないところに行ってしまいたいと思うときは、きっと夜行列車に乗り込んでしまうような気がする」と思いました。『汽車好きの原風景 宮脇俊三と昭和戦前』関川夏央宮脇さん、関川さん、そして少年の鉄道への憧憬がとてもよく伝わります。さらにわたしが驚き感動したのは、終戦時の玉音放送が流れる中でも「汽車が平然と走っていた」ということです。日本の底力を見るような気がしました。『宇野線のおばさん』小川洋子汽車の旅のなんともいえない高揚感と寂しさが、たまたま居合わせた見知らぬ同乗者との交流を通し描かれています。大人と子供の間にある超えられない切ない隔たりを感じ、胸が「キュッ」と痛くなりました。『内田百けんが乗っている』湯川豊 (「けん」は「門」構えに「月」)青森の浅虫温泉の話が少し載っていて、身近に感じられました。「夜汽車が波打際を走って行くのを外から眺めるとしみじみとした気持ちになる。」わたしの家の近くに線路が通っていて、夜中に時々夜行列車の通る音や汽笛が微かに聞こえていました。そのたびになにか切ないような懐かしいような気持ちになったことを思い出します。内田百けんさんの作品は読んだことがないのですが、作品や人となりを知っていれば更に面白く読めただろうと思いました。『夜汽車の行方』辻原登中で紹介されている映画「浮草」「東京暮色」が観てみたくなりました。『銀河鉄道の駅弁』嵐山光三郎「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)をモチーフに、列車の中で観た夢という形をとったファンタジックでユーモラスな作品です。わたしはアニメーション映画「銀河鉄道の夜」(1985年 監督:杉井ギサブロー)が大好きで、観るたびに泣いてしまいます。鉄道とは、なにか郷愁を誘うものですね。小さい頃、親の田舎に汽車でよく行きました(当地では電車もみな「汽車」と呼びます)。途中、駅で停車した時に家々の窓に灯りが点いて、中の家族が見えたことがありました。その時「たくさんの窓の中では、私と同じように人が生活しているんだ。それぞれ違う人がそれぞれの生活を営んでいるんだ。それは、家の窓から見える汽車の乗客の一人にすぎないわたしが、わたし自身の生活を一所懸命生きているのと同じなんだ。」ということがまるで啓示のように頭に浮かび、理解したという経験があります。今も夜汽車の窓や黄昏の家々の窓を見るとなにか泣きたくなるような、胸が締め付けられるような感じがします。山本容子さんの絵も、優しく柔らかく、素敵です。鉄道ファン以外の方でも楽しく読めると思います。『過ぎゆくもの』山本容子発行:2007年発行所:マガジンハウス価格:\2000(税込) 過ぎゆくもの谷川俊太郎 [詩]過ぎゆくもの―SL挽歌中沢新一 走る音楽機械池澤夏樹 砂漠の鉄路浅田次郎 「鉄道員」縁起関川夏央 汽車好きの原風景 宮脇俊三と昭和戦前池内紀 山の駅小川洋子 宇野線のおばさん湯川豊 内田百けんが乗っている江國香織 トーマス・クックとドモドッソラ辻原登 夜汽車の行方嵐山光三郎 銀河鉄道の駅弁
2007.12.17
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驚いたことにこれが100件目の記事となりました。正直続けられると思っていなかったのでビックリです。皆様の温かいコメントによりここまで続けられたと思います。本当にありがとうございました今後ともよろしくお願いいたします。※フリーページに索引を載せてみました。よろしければご利用してみて下さい。※ブックマークを設置しました。ご参照いただければ幸いです。
2007.12.16
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昨日の「ザ!世界仰天ニュース」ご覧になりましたか?生まれた娘さんが難病で、月200万もの医療費がかかり、家庭崩壊しかけるという話がありました。最初はお父さんの会社で掛けている保険で賄っていたのですが、費用がかかりすぎるということで今まで入っていた保険を拒否され、もっと掛け金の高い保険に入らなければ給付はできないと言われていました。結局それだけの掛け金を払う財力はなく、公的扶助を受けるために最低限の生活を余儀なくされ、電気やガスまで止められてしまっていました。お父さんはうつ状態になってしまいました。周囲の人の善意により、なんとか生活ができるようになったということが美談仕立てで語られていました。スタジオのゲストも「治療費200万円」「ガス・電気が止められた」「保険継続を拒否された」ということで、「え~!!」と驚きの声をあげていましたが、それだけです。「皆保険制度がない」、「民間保険に入らなければいけない」というのはこういうことで、今の私たちにとっては全く他人事ではないはずです。経団連が進めたいのはこういうことなのですから。うちの身内が病気した時、月30~90万円の請求が2年ほど続きました。しかし、社会保険のおかげでそれ以外の保険は必要なかったし(一般的な保険の入院給付金は頂きましたが)、高額医療制度のおかげで一定額以上の支払いは免除され、破産せずにすみました。一般的な治療は保険医療の範囲内で受けることができました。これが、混合診療で保険適応が狭められれば、はみ出した分はまるまる自己負担(高額医療の適応は保険診療分に限られている)になりますし、それが負担できなければ満足な医療が受けられません。また、皆保険制度がなければ、治療額が上がるとそれに見合った掛け金を払って民間保険に入らなければなりません。今年の8月に、アメリカの大統領報道官が癌の治療を受けるのに報道官職の給料では足りず辞任する、というニュースがありました。それだけの要職にある人でも払いきれないほど医療費がかかるのがアメリカです。というか、本来それほどかかるものを、日本では安価に手に入れられているということだと思います。今の日本の医療を「当たり前」「もっとサービスを」などと思っているとすれば、いずれ足元をすくわれることになるのではないかと思います。テレビをみて、あまりにも他人事のような感じに見え、思わず書いてしまいました。制度上のことで間違いがありましたら、ご指摘いただければありがたいです(いつも皆様だよりで申し訳ありません)。
2007.12.13
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こんにちは。例年特別何もしないクリスマスですが、気分だけでも盛り上げようかなっと思いまして…^^今日は「Very merry X’mas」のご紹介です。( Photo by (c)Tomo.Yun ) 1. Pearl-White Eve 松田聖子2. ファースト・クリスマス K3. KANのChristmas Song KAN4. HOLY NIGHTにくちづけを B’z5. クリスマスなんて大嫌い!!なんちゃって CRAZY KEN BAND6. Red Nose Reindeer 槇原敬之7. 雪が降る町(more bell mix) ユニコーン8. 恋人がサンタクロース 松田聖子9. CHRISTNAS TIME IN BLUE 聖なる夜に口笛吹いて 佐野元春10. My Gift to You CHEMISTRY11. メリクリ BoA12. 聖なる夜に ケツメイシ13. WINTER SONG Dreams Come True14. White Light 安室奈美恵15. 今年もこうして二人でクリスマスを祝う KAN16. チキンライス 浜田雅功と槇原敬之あともうちょっと。皆さんにとって楽しいクリスマスになりますように。
2007.12.11
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こんにちは。十二月になりましたね~。そこでクリスマス用にCDを2枚作りました。「Lonely lonesome X’mas」「Very merry X’mas」WMPの調子が悪くて、ver.11からver.10に戻したりして、思った以上に悪戦苦闘してしまいました^^;今日は「Lonely lonesome X’mas」をご紹介させて下さい。Photo by (c)Tomo.Yun1. クリスマス・イブ 山下達郎2. I LOVE YOU 徳永英明3. SNOW DANCE Dreams Come True4. スノーフレイクの街角 杏里5. 24th or 25th 杏子6. teens trf7. ひとりでX’mas 今井美樹8. Lat 43°N ~Forty-Three degrees North Latitude~ Dreams Come True9. SNOW B’z10. 冬物語 ケツメイシ11. 涙のクリスマス 槇原敬之12. もしも雪なら Dreams Come True13. 8月のクリスマス 山崎まさよし14. 白い恋人達 桑田佳祐15. いつかのメリークリスマス B’z
2007.12.10
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女が犯した、人殺しよりも深い罪とは交通事故にあった妻と、殺人容疑で逮捕されていた祖母。ふたりの女が夫に隠そうとした真実を解き明かしたのは、夫婦の間で交わされた手紙だった―。単身でギリシャに赴任した悟に、一方的に離婚を切り出した妻の奈美子。納得できない悟に対し、奈美子は祖父母の間で交わされた手紙のコピーを送る。―約50年前、祖母は殺人の容疑で逮捕されていた。頑なな態度を貫く祖母と、無実を信じ奔走する祖父。ふたりの手紙には、誰も知ることのない真実が語られていた……。(単行本・帯より)全編手紙で構成されている作品です。手紙の書き手は悟・奈美子の夫婦、奈美子の祖父母、誠治・春子の夫婦の4人です。細かい内容については触れませんが、女のわがまま、夢・自由を求める気持ちと、男の包容力、妻に対する深い愛情が対照的です。でも、女はそれぞれ夫を愛していないわけではない。愛しているからこそ自分の犯した罪を自分で許せず、夫に知られたくないから殺人者の汚名をあえて被ろうとするし、自ら離婚を切り出すわけです。特に祖父・誠治の愛情にはただただ頭が下がる思いです。でも、こんな人ほんとにいるのかなぁ?ここまで妻に尽くせる人って…。裁判が終わって帰ってきた妻をふたたび迎え入れ、妻が若くして亡くなるのを看取り、死後も自らが92歳になるまで毎月墓参りを欠かさず再婚もしなかった。愛情はもちろんですが、自分を納得させるため、自分の意地のためという側面もあったのでは?と思う私はひねくれてますね。確かに、祖母・春子は純粋に愛情だけで誠治と結婚したわけではないでしょうが、ここまでの裏切り行為をしてしまう心の動きというのも、正直よく解りませんでした。現在とは戦争や貧しさなど、想像もできないほど環境も違うのですから解らなくて当然かもしれません。ただ、春子は再び誠治と暮らし始めて心安らぐ幸せを感じることができたでしょうか。そうであってほしいと願うばかりです。でないと、誠治もかわいそうすぎます。手紙形式ということもあり、一気に読めました。手紙のやり取りの中で秘密が明かされていく過程や、それでも嘘を重ねてしまう春子・奈美子の心の在りようが興味深かったです。以前真保裕一の作品を途中でギブアップしたことがありましたが、こういう作品も書かれるんだとちょっと驚きました。『追伸』真保裕一発行:2007年発行所:文藝春秋価格:\1500(税込) 追伸
2007.12.07
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●ネットバンキング決済・コンビニ後払いも可能!エイミー<期間限定商品>人気ロックスターの父親・ウィルがステージで感電死するのを目の当たりにしてしまったことで、耳が聞こえなくなってしまった9歳の少女・エイミー。声も出なくなってしまった彼女を、何人もの専門家が診断したが、原因は分からないままだった。そんなある日、学校にも通っていないエイミーを保護しようと、福祉局の役人が母親タニアをしつこく説得にやってくる。その官僚的な態度にうんざりしたタニアは、エイミーとともにメルボルンへと引っ越しをする。ひょんなきっかけから、隣に住む売れないミュージシャンが、エイミーの耳が音楽だけには反応する、ということを発見して…。(@映画生活より)わりと珍しいオーストラリア映画です。エイミー(アラーナ・デローマ)の子供離れした歌のうまさに、まず驚きです。エイミーとコミュニケーションをとろうと、町のみんなが歌を歌うという状況が微笑ましいです。それと、エイミーの他にも傷ついている子供が出るのですが、彼が両親の喧嘩の最中家にいたたまれず外で泣いていて、両親の大声が聞こえるたびに涙があふれてくる場面は、ほんとに辛かったしかわいそうでなりませんでした。子供はどんなに辛くても親の元に行くしかないんですものね。エイミーは父親が亡くなったショックが大きすぎて、「自分のせいだ」というように記憶が書き換えられてしまっているのですが、母親や周りの人たちの助けにより「そうじゃなかったんだ」と気付く場面は感動的でした。小品ですが、かわいらしい作品でした。『エイミー』1997年(オーストラリア)監督:ナディア・タス脚本:デヴィッド・パーカー音楽:フィリップ・ジャド出演:アラーナ・デローマ、レイチェル・グリフィス、ベン・メンデルソーン、ニック・バーカー、ケリー・アームストロング、他
2007.12.03
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先日「点と線」について書いたとき、映画版の脚色が井手雅人さんであることを知りました。「あれ、聞いたことある…。」と思ったら、「きつね」の脚本家でもいらっしゃる方でした。実は、この映画観たことないんです。公開当時、映画情報誌で目にした「恋愛を知らないまま亡くなった娘が不憫でならない。本当の恋をさせてあげたかった。」という言葉が忘れられず、是非観てみたい、とずっと思っていました。この言葉は脚本家の井手雅人さんのものである、ということをなななかばさん に教えていただきました。(『なななかばといっしょ』 「きつね」 4 )時に上映会が催されることもあるようなのですが、残念ながら見る機会がないまま来てしまいました。未見なので、「George Amano's TOKYO-MEGAFORCE」さん の「作品鑑賞感想」 から引用させていただきます。『雄大な北海道の自然を舞台にした、毛色の変わった難病もの。 北海道の僻地に赴任した35歳の科学者緒方(岡林信康)は、そこに保養に来ていた14歳の少女・万耶(高橋香織)と知り合う。年齢の差を越えて心を通わせる二人だが、万耶は草原で遭遇したキツネにエキノコックス菌をうつされ、死期が間近に迫っていた。そんな折り、緒方と不倫の関係にある人妻(三田佳子)の訪問や、自分の病名が描かれたカルテを見た万耶は精神的に追い詰められ、吹雪の中緒方のもとを訪れ、彼と結ばれる。「私が好きなら、きつねを撃って」。彼女の切実な言葉に動かされ、緒方は流氷が漂う海に乗り込み、流氷に乗ってロシアから渡ってきたキツネを猟銃で射殺する。数ヶ月後、万耶が病死した事を知った緒方は、一人涙を流すのだった。 脚本の井手雅人は、本作の十数年前に同年代の娘を亡くしており、その娘に大人の愛を体験させたかったという。そんな思いが込められているせいだろうか、難病の少女ものとしては型破りな事に、本作では少女と大人の肉体関係が肯定的に描かれている。さらに死病を運んで来た(罪の無い)キツネを殺して欲しいという少女の言葉を鵜呑みにし、緒方が漁船で北の海に乗り出し、足場の危険な流氷の中に単身飛び込み、キツネを射殺する話の展開もまた型破りである。ともすれば発想が先走った失敗作となる要素を孕んだ本作であるが、新人高橋香織(高橋かおりとは別人です、念の為)の無垢な少女のいじらしさを引き出した演技、1年近い北海道ロケなどが功を奏し、丁寧に作られた佳作となっている。この手の難病少女ものはたいていがアイドル主演の凡作だが、本作はそれとは一線を画した、一度は見ておきたい作品に仕上がっている。(後略)』なななかばさんは、「亡くなったわが子というよりは、生き抜いた少女として描いたつもり」とおっしゃっています。「死んでいく少女ではなく成長する少女を」と。「フォークの神様」岡林信康も出演しています。「観てみたい!」と思われた方は、ぜひこちらへ! たのみこむ『きつね』1983年(日本・松竹)監督:仲倉重郎脚本:井手雅人出演:岡林信康、高橋香織、原田大二郎、三田佳子、他
2007.12.01
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