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温室化ガスなどの地球環境の破壊の原因とされている汚染物質の削減目標は、京都議定書により世界的なコンセンサスを得ていると認識していますが、その主な対象である二酸化炭素については排出の抑制と、樹木などの植物による吸収の両面から対策が講じられようとしています。事実、排出権なる奇妙な利権が、あたかも有価証券のような扱いで各国で取引されていることを以前の日記でも取り上げました。削減するかわりに樹木を植えて、その植物が吸収するであろう量を削減量として換算することも許されています。今や感覚的にも実感できるほど、はっきりとその傾向を明らかにしている温暖化に実際に植物は有効なのでしょうか?例によってNew Scientistの中の記事に、余りにも当然と考えられてるこの大前提に異議を唱えているものがありました。その根拠は、実は森林の土にあるのだそうです。樹木も生命体ですので多くの炭素を含んでいますが、土中には森林以上の有機物が含まれ、3倍から4倍の量の炭素を保有しているのです。そして、植林のために森の土を整備すると有機物の分解などにより、植林されても、10年間は、そこに植えられた植物が吸収する二酸化炭素よりも大量の炭酸ガスを吐き出すのだそうです。つまり、新しく植林された樹木が炭酸ガスの削減に有効となるまでには10年以上の年月が必要とされると言うわけです。すでに生態系として完成している古い森林は、従来は大気と平衡状態となるバランスで炭酸ガスと酸素を供給していると考えられていました。しかし、今回の調査と研究で、若い森林よりもたくさんの炭酸ガスを固定していることがわかってきました。結局、当面もっとも有効な方法は新たに植林をするよりも完成した森林を保護していくことだと専門家は述べています。京都議定書ではこのことが全く考慮されておらず、土壌の問題はさておき森林伐採の禁止に関する方策がとられていないのは甚だ片手落ちであるとの指摘がされています。なにしろ、緊急最重要な問題ですので、世界各国の迅速で柔軟な対応が必要となっています。問題の本質を把握し、修正する必要性を提起するのは科学の力ですが、これを実行するためには政治の力が必要不可欠です。利権などに振り回されず、可及的速やかな対応が急務です。奇しくも京都で行われた世界的合意ですので、日本が率先してこの問題に取り組むことが、先進国の一つとして取るべき道だと信じます。
2002年10月30日
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とうとう楽天広場から日記更新の督促メールをもらってしまいました。最後に日記を書いてから1週間も経ってしまったのですね。なにかとばたばた忙しくなかなか日記に手をつける暇がありませんでした。まあ、暇なのよりは忙しいほうがまだましなのですが、今ひとつ忙しい割には前向きの仕事ができていないのが哀しいですね。以前New Scientistのサイトでちょっと面白いニュースが出ていました。「犬はブリットニーよりバッハがお好き」と言うタイトルなのですが、犬族の動物にいろいろな音楽を聞かせてその反応を見るという実験の紹介でした。これによりますと、音楽のジャンルとしてはクラシック系統の音楽、特にバッハなどが最も犬を静かにさせる効果があり、逆にハードロック、中でもヘヴィメタルなどの音楽は犬の動きが最も激しく、吠え立てる犬も目立ったそうです。方や鎮静系で方や興奮系ということになるでしょうか。犬以外の動物については以前から音楽による生産性の向上という観点で、乳牛の乳の出をよくするなどいわゆる環境音楽として取り上げられていました。犬についての音楽と行動の関連を研究したのは初めての試みだそうです。身近なところでは、救急車などのサイレン音に同調して遠吠えする犬を見かけることもありますよね。仲間の遠吠えに聞こえるのでしょうか?周波数を分析すると面白い事実が発見されるかもしれません。ここでヘヴィメタファンならば、大いに異論があるところだと思いますが、犬が果たして人間のように音楽を聞いているのかどうかは疑わしいという気もしますので、逆に畜生に音楽がわかるものかという解釈にして頂ければ幸いです。どちらかというと音楽のリズムや響きがが攻撃的かそうでないかということではないかと思いますね。そういう意味では人間も動物なのですから自分の気分を高めたり鎮静させたりするのに音楽は重要な意味を持ってくるわけです。気分が沈みがちなときは陽気で元気が出そうな音楽を聴き、興奮気味のときは静かでリズムのゆったりした音楽を聴いたりして、精神の状態を適切に保つようにすることができます。(あくまでも傾向としてですが)これは単純なようですが、意外と大切なことなのではないかという気がします。音楽に限らず、自分自身の環境を自分で選択し常に自分を理想的な状態に導くことは人間にしかできないことだと思うからです。自分の位置や環境を客観的に眺めて、それに合わせて自分の精神状態を調整してやることは、複雑化しストレスフルな現代社会ではますます必要不可欠なことなってくるでしょう。どうかCDラックにはあらゆる分野の音楽を揃えてみてください。そう言えば車を運転しながらカーステレオに合わせて遠吠えしている方もときどき見かけますよね。
2002年10月29日
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一部の常連さんはご存知ですが、このたび久々に帰郷を果たして参りました。帰郷と言うと巨頭星とお思いかもしれませんが、実は新幹線だと3時間弱という近距離なのです。名物は辛子明太子やとんこつラーメンという九州に良く似た土地柄であります。今回の帰郷の目的は若くして死んだ兄の七回忌という法事に参じるためだったのですが、実質的には一族兄弟の中では最年長となっている私は本来は中心的な役割を果たさねばならない立場なのです。それにもかかわらず、未亡人である兄嫁にすべてを委ね、遠隔地を理由に何もしない私にそのうち先祖から天罰が下るでしょう。お願いだから雷に撃たれるのだけは勘弁して欲しいものです。前回の帰郷が兄の三回忌でしたので4年振りの帰郷になります。この年齢になってくると、4年間などはほんの少し前、自分自身ではさしたる変化も感じないのですが、成長期の子供達、私の場合甥や姪なのですが、の変化には目覚しいものがあります。たまにしか現われない中年の叔父に子供達は何を感じているのでしょう?それでも叔父として接してくれるのは、私の兄弟が一生懸命刷り込みをしてくれているおかげかもしれません。たまに訪れる福岡市も間断なく変化しており、町の様子が一変している場所も少なくありません。私の故郷は福岡市から南へ40kmほどのところで、かなりの田舎なのですが、こちらのほうが変化の度合いは大きく、昔の記憶で道をたどることが困難になってきました。故郷は遠くなりにけり、という心境です。私の兄と母の菩提を弔って頂いているお寺さんの住職が今回の法事には健康上の理由から来てもらうことが叶いませんでした。高齢のためというわけではなく、もともと心臓がお悪いので急な発作が起こるとお休みをされてしまうのですが、このたびは車で出かけようとした矢先に調子が悪くなられたたようで、奥さんがピンチヒッターで出かけてこられました。ゆくゆくは子供さんが後を継がれるようですが、それまでの間リリーフを務める覚悟をされているようです。世代交代は確実に進んでいるのですね。止めようの無い時間と空間の流れの中で、命と命を繋ぐリレーのバトンの担い手として何を考えて何をなすべきか、さらに深い考察を続けていきたいと思います。巨頭星人という地球の食客がなにがしかの役に立てれば嬉しいですからね。ところで最近月やその他の情報を毎日メールで知らせてくれるサービスをうけることにしました。毎日日記を更新するわけではありませんので、毎日お伝えできませんが折りにふれて内容を一部転載いたしますので、何かの参考にして頂ければ幸いです。月齢 :15.654輝面比:99.40%十七夜:立待月旧暦 :09/17*オリオン座流星群が極大
2002年10月21日
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最近は有機無機に関わらずウィルスが猛威をふるっています。コンピューターウィルスのほうは武蔵野唐変木様が日記に取り上げておられますのでそっちを見ていただくとして、私は有機ウィルスである西ナイル熱について少し述べてみたいと思います。名前からもわかりますように、アフリカのナイル川流域や西アジアの風土病であった脳炎が、鳥の媒介により広がりを見せ、フランスやアメリカに広がっています。特にアメリカでは33州2000人がこのウィルスに罹り、そのうち98人が死亡しています(現在はもっと増えていることでしょう)。アメリカ当局もここにきて危機感を募らせているようです。日本も他人事ではなく渡り鳥や、ウィルスに冒された人間の滞在によりウィルスが侵入する可能性は少なくはありません。日本の当局もここにきてようやく対策を講じる必要があることを認識しだしたようです。(遅い!)このウィルスの宿主は鳥であり、日本脳炎と同様に蚊に刺されることによって発病します。他の哺乳類では馬などが感染するようです。さて、無機ワクチンはハッカーの努力により(ハッカーは優秀なコンピューター技術者を指す言葉で、悪事を働く人間のことではありません)比較的短時間で作製することができますが、有機ウィルスの場合はどうでしょうか?現在のところ、黄熱病のワクチンに遺伝子改良を行ったものが有効であると考えられ、イギリスの Acambis 社とそのスポークスウーマンのLyndsay Wrightによりますと、ウィルス源動物に対するテストでは西ナイル熱に対してはかなり有効であるとのことです。2003年の初頭には人間に対する臨床実験段階に入る予定で、実際には、一般に投与できるようになるまでは4年から5年の時がかかりますが、状況的には一刻を争う事態であり、米国の伝染病およびアレルギー研究所は連邦当局の迅速な認可がなされるべきであり1,2年は短縮できるはずだとしています。もし、ワクチンが有効性が確認されれば、高齢者や免疫力の低下している人たちに対して優先的に使用されることになるでしょう。Acambis ChimeriVax ワクチンは皮膜生成遺伝子を取り除いた黄熱病ウィルスを基本にしており、自己複製に必要な4つの遺伝子構造に対して遺伝的核心を取り去ります。そして、西ナイル熱ウィルスの皮膜生成に必要な遺伝子がこの遺伝子と接合され、ウィルスの増殖を抑えるように働くのです。アメリカ当局筋は現在、献血された血液からウィルスを発見するための大規模なスクリーニング手法を模索しています。9月の初旬にアメリカの疾病予防センターが献血や臓器移植の際に血液からウィルスの感染が起こることを実際に確認したからです。病気の伝染を防ぐためには最優先の課題となっています。以前に紹介したバッキーボールなどのナノテクノロジーと、これら遺伝子レベルでの治療法が難病ウィルスやガン細胞への対策として、今後益々高度化していくことでしょう。閉ざされた地域である種の平衡を保っていたこのようなウィルスが人間の活動に伴い拡散していく様は、かつての梅毒を思い起こさせます。良くも悪くも人間の活動が地球システムに波風を立て続け、ある種の混沌状態に陥っているのが現状の姿であるような気がします。ひょっとしたら人間は平衡状態を攪拌し、さらなる変化と進化をもたらすために存在しているのでしょうか。それにしてもその行き着く先はいったい何なのでしょう?
2002年10月14日
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このほどオーストラリア政府は南極近海の一部を特別保護区に指定する決定を行いました。多くの絶滅危惧種の動物、南極象あざらしなどの生息する海域で、オーストラリア本土から南西4500km、南極より1000km北部のハード島からマクドナルド島までのおそよ650万ヘクタールの領域です。広さで言いますと、スイスの1.5倍にも相当し、保護海域としては世界最大となります。この海域は荒れた海に活火山と厚い氷に閉ざされており、1997年には世界遺産に登録され、同時に保護されるべき地域として認識されています。世界遺産登録時の紹介文では「地球への開かれた窓」ということになっています。特別保護区に指定されたということは殆んどの人間の活動が制限されることであり、商業漁業の禁止、鉱物や石油発掘の禁止、科学研究に対する制限を意味しています。ハード島はこの海域の中心となる島で、ビッグ・ベンという活火山を有したくさんのペンギンやあざらしの生息地です。急峻な海岸線が人類の踏査を阻み、発見されてからの一世紀の間でわずか2度しか上陸に成功していません。このような隔絶された地理条件と天敵の不在から進化の過程を調査するには学者にとっては理想の地であるようです。これに関連して、このほど世界の絶滅危惧種に新たに124種類の動物が追加されました。これで絶滅種と絶滅危惧種に指定された動植物の総数は11167になってしまいました。7種の生物が完全に絶滅または野生種の消滅として認識されています。例えば、マケドニアとギリシャの国境近くにあるドージャン湖に固有に生息していた水棲カタツムリの一種Graecoanatolica macedonicaがその一つです。水位の激しい低下により、カタツムリが生息可能な浅瀬が激減し、定期的にここを訪れて生態を観察していた科学者も近年このカタツムリを発見できなくなったそうです。スペインやポルトガルに生息していたイベリア山猫も絶滅の危機に瀕しています。IUCNはその野生の個体数が10年前から半分に減り、600頭程度になっていると試算しています。個体数の低下は主に農業や工業開発による森林開発であり、この傾向が続けばイベリア山猫は最近2000年の間では最初の絶滅した山猫になると憂慮されています。悪いことばかりでもありません。例えば、1920年にネズミが住み着くようになって絶滅していたと考えられていたロードホー島のナナフシが、むき出しの岩山のボールピラミッドから発見されたそうです。もとより人間が調査できる範囲や頻度にも限界があり、正確なところはわからないかもしれません。絶滅していたと考えられる生物が人知れず命脈を保っている可能性は他にもありそうですね。どっこいおいらは生きてるぜと主張されるとほっとすると同時になんだかその生命力の強靭さを思い知らされます。今は自分達の活動が人間以外の生物の存在を脅かしているとばかり思っていますが、ひょっとしたらそのうち、生物も進化を遂げて人間が住めないような環境に適応し、いつの間にか人間が片隅に追いやられるような環境に変化していくのではないかと心配です。奢るな人間よ。盛者必衰の理を忘れたか、とあざ笑われる日が来ないことを祈るのみですね。
2002年10月13日
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なんと今年は二人もの日本人が同時にノーベル賞を受賞するという快挙がありました。武蔵野唐変木様も触れておられましたが、このような業績は個人が単独で達成できるものではなく、多くの人たちの努力の結果に他ならないということを認識しておく必要があります。もちろん受賞した方々が最も努力をされたことは言うまでもありませんが。前回の日記では月と言う天体の人間やその他の地球上の生物に及ぼす影響を考えてみましたが、どなたかが指摘されたように交通事故などの発生率とも関連が深そうですね。そして地殻に影響を与えると言う意味では地震の間接的な原因になる可能性もあるようです。今日は太陽電池に関してちょっとSFチックな話題を見つけましたので、紹介いたします。アメリカのヒューストン大学の研究者たちが太陽電池についていろいろな可能性を検討している中で公式な場で発表した、なかなかユニークで興味をそそる内容です。面白いと思ったのは、月を大きな太陽電池パネルにしようというアイディアです。月に自律型のロボットを送り込み、表面を溶かしてガラス状にし、その上に太陽電池のセルを敷き詰めると雄大な太陽電池が出来上がるという寸法です。あまり効率は良くありませんが、なにしろ面積がでかいですからその電気生成能力の貧弱さを補って余りあります。このアイディアは月の表土の組成を研究して、太陽電池を作るための成分があるかどうかを研究した科学者の提案です。これで電気を生産すれば月面基地やコロニーへの電源供給が可能になるばかりでなく、地球にその電気を送信することもできるかもしれません。また、太陽電池の効率の向上を研究している科学者は、ナノテクノロジーにより作成した薄膜を加えることによって、現在の太陽電池の最大効率28%を35%以上まで上げることができると述べています。しかもこの手法でできた太陽電池は、極めて耐光性、耐放射線性に優れ格段に長持ちするそうです。このことは実は通信用衛星の経済性や効率に大きく寄与する可能性があるかもしれません。通常通信衛星として地球を周回している人工衛星は、おおむね24000kmの静止衛星軌道上を飛行しており、電波の減衰や遅延など、通信のための条件としてはあまりよくありません。最も通信衛星に適した高度はヴァン・アレン帯域なのです。ところが、ヴァン・アレン帯における大きな問題点として、そのあたりの放射線強度が静止衛星軌道上と比べると100倍ほども強いのです。耐放射線性が向上した太陽電池を使うことができれば、ヴァン・アレン帯に近い軌道に通信衛星を置くことができ、第一、高度が低いところまで打ち上げるほうがロケットの費用には断然有利なのですね。さらに次なる可能性として、光熱電子をそのまま電気に変化することができれば効率100%の夢のエネルギー源が得られます。もしこれが可能になれば、遠方宇宙へ旅行する際に原子力などを熱源としてそのまま電気を得ることが出来、ほぼ無尽蔵の電気エネルギー源が実現されます。これに近い技術をHUでは完成しつつあるそうです。やはりナノテクノロジーにより分子構造を変え、従来では無駄になっていた赤外域の光を効率よく電気に変換できて、今あるどの太陽電池よりも高効率を達成できると、HUの科学者は主張しています。つまり、可視光以外でも、熱線を使用できることになります。そしてもう一つ。これを自動車の動力源に使えばガソリンを使用しつつ、極めて低公害のクリーンなエンジンが可能になるというのです。つまり、従来の爆発型内燃機関では、ガソリンを効率よく燃やすことができず、結果として多くの不完全燃焼ガスを発生していましたが、発電に必要な温度さえ得られればいいわけですから、ガソリンをきれいに完璧に燃焼させることに重点を置けばいいのです。とまあ、いろいろなアイディアが述べられていますが、実用となるまでにはいずれも数年の時を要するでしょう。太陽は私達の時間レベルで言えばほとんど無尽蔵のエネルギー源ですので、これらの技術が確立できればエネルギー問題は半永久的に解決することになるでしょう。しかも熱を変換するわけですから、温暖化には有効に働くかもしれませんね。ただ、ちょっと気になったのは最後のほうに、熱源電気変換の自動車や飛行機があれば、熱の発生を抑えるので赤外線検知器にかかりにくく、軍事用にはいいであろうと述べてあったことです。やはり軍事産業は、科学の大きなパトロンのひとつであり、アピールしておく必要があるのでしょうか?
2002年10月10日
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最近の武蔵野唐変木様の日記の中で、満身創痍であるご自身の体調がいろいろなことに影響を受けやすい状態であることに関連して、月の満ち欠けと体調の相関関係について問題提起をされていましたので、興味を持ち調べてみました。もともと地球上での生命の発生は海からであり、実際我々の体の70%は水分ですし、その成分は海水とほぼ等しいという事実は皆さんもご存知のことと思います。月の現在の状態は地球から38万kmの彼方にあり、約27日で地球を公転していますが、地球上から見る月の満ち欠けでの周期は約29日です。これだけの距離ですから、その質量が地球表面におよぼす重力の影響は莫大なもので、地球表面では重力の10のマイナス7乗倍にもなります。太陽と地球と月が直線に並び、潮汐力が最大となる大潮のときは海水面が2mほども上昇します。実は地殻もこの影響を受けていて、大陸の真上に月がある場合は最大約10cmほども隆起するそうです。これだけの強い重力が働くわけですから、生物のリズムや調子になんらかの影響を及ぼしても不思議ではありませんね。これについてはっきりとその因果関係を分析した研究はないようですが、経験則や海洋生物の行動などから有意な関連性が指摘されています。次はその例です。(1)珊瑚やトウゴロイワシは満月か新月の晩(満潮)にのみ産卵する。(2)牡蠣は満月の晩に殻を開く。(3)カタツムリは満月になると決まって東に進む。植物でも関係があるようで、御所柿は満月には渋くて食べられないが、新月になると甘くなるなど不可思議な現象が指摘されています。人間の場合も精神的な影響を受けるということが、欧米の「Lunatic」という言葉に表れていますね。これについては株式市場と月齢の関係を調べた調査がありましたが、人間の噂や風評により変動を受ける株価から人間一般の精神的状態を関連付けようとしたものです。これによると、満月、新月、下弦、上弦の時期に株価が乱高下する傾向がありそうだということですが、はっきりとした関連があるのかどうか今のところよくわかりません。これに関連してもうひとつ、楽天仲間のこあぴさんの疑問であったサーカディアンリズムという、人間の基本的な生活リズムが24時間ではなく、25時間であることの疑問に対して、あるいはその答えになりそうな話がありましたので、紹介します。太陽暦による一日はご存知のように、ほぼ24時間です。太陽が南中(最も高度が高くなる位置です)した位置から次に南中するまでの時間が24時間というわけですが、月の場合、月自身が移動していますので、月を基準にした1日は24.8時間になるのです。地球上の生命に与える影響の強さから考えても、この事実は人間の生体リズムが25時間であることの有力な原因かもしれません。我々は、太陽という巨大な主星と月と言う衛星、この2つの天体に大きな影響を受けながら何億年と言う歳月をかけて進化してきた結果です。いわば太陽系という銀河系辺境に偶然出来たバランスの中で必然的に生じて宇宙の法則の中でなにがしかの役目を担って生かされているのです。内なる声に耳を傾ければなにか我々の目指している道が見えるかもしれません。
2002年10月08日
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私はあまりアクセス数というものは気にしていない人間なのですが、ようやく巨頭星への訪問者が10000アクセスを超えました。これもひとえに懲りもせず、私のほら話(一部ですよ、一部)にいつも付き合ってくださる皆様のおかげであると深く感謝をしております。本日の日記を借りまして厚く御礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。何も特別なことはできませんが、掲示板に好きなことを書き散らしていただければ幸いです。ところで、私がいつも日記のネタを探しに行く科学技術系ニュース某サイトで妙な記事を発見しました。題して「世界で一番面白いジョークはこれだ」というものです。なんでこんな記事が科学技術系ニュースサイトにあるのかよくわかりませんが、(よっぽどネタがなかったのか?)その中に日本人に対する偏見とも思える一文があったのでむかっ腹をたてつつ、紹介させていただきます。この1年間、世界で最も面白いジョークをオンライン上で探す調査が終わったそうです。実に70カ国、40000人の参加で200万件ほどもあったそうです。この馬鹿な(!)試みを行ったのはイギリスのRichard Wisemanという心理学者とその一味で、名づけて笑いの研究調査だそうです。この研究で国民性の違いによるユーモア感覚の違いが明らかになったということです。(そんなものは最初から分かっていそうなものですが)まず、イギリス、アイルランド、オーストラリアやニュージーランドといった国々では、言葉遊びの類が好まれるそうです。アメリカやカナダでは、誰か間抜けに見える人間を扱ったギャグが面白いと思うようです。全般的に言うと、ドイツ人が一番たくさんのジョークを寄せてくれたらしいのですが、特にこれといった好みの傾向が見受けられなかったらしいです。ここでちょっと憤慨する話ですが、言葉にからんだ冗談は世界的に共通なのだけど唯一日本だけはこの手のジョークを見つけるのがはなはだ難しかったと述べています。笑いのポイントは国民性や地域で差がでてくるのは当然だとは思いますが、日本人がユーモア感覚が鈍いというのは納得し難い話です。私なども日常的に冗談を言って仲間を笑わせるのが大好きですし、私のサイトを訪れてくれる常連さんたちは真面目なレスよりはむしろジョークのほうが多いように思います。この報告をした研究者は偏見があるのではないかという気がしますね。それでは、この報告で一番多くの人たちに支持されたジョークを紹介してみたいと思います。 ----- * ---- * -----ニュージャージーの二人組の猟師の一人が山の中で転落してしまった。落ちた猟師は息をしていず、白目をむいていた。もう一人の猟師は慌てて携帯電話で救急センターに電話をかけ、喘ぎながら係員に言った。「連れが死んじまったよ!どうすりゃいいんだ?」係員は平静な声でなだめるように言った。「あわてないで。大丈夫です。まずお連れさんが本当に死んでるかどうか確かめてください」沈黙があった後、銃声が聞こえた。そして男が電話口に戻って言った。「うん、大丈夫だあ。それから?」 ----- * ---- * -----どうですか? 笑えましたか?あなたの世界的なユーモア感覚がこれで分かるかもしれませんよ。と、ここまで書いてはたと気がついたのですが、第一線の研究者がこんな調査を真面目(?)にやって、しかも権威ある(?)最新科学ニュースのサイトで堂々と取り上げるのはなかなかのものです。日本であれば一流の心理学者ならアカデミックな題材としてこんなことはしないだろうし、一流雑誌は掲載することもないでしょう。ある種の遊びの精神とか幅広い取り上げ方は見習うものがありそうですね。
2002年10月04日
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さて、前回の日記では土星の衛星での生命の可能性についての記事を紹介しましたが、内惑星(地球よりも太陽に近い惑星をこう呼びます)についてはどうでしょうか?内惑星といっても水星と金星の2つしかないのですが、より太陽に近い水星はまさしく灼熱の星であり、生命を維持するには有機物がその結合を維持できないほどに温度が高すぎて、甚だ希望が薄いようです。というわけで金星の話になりますが、ご存知のように金星は二酸化炭素が大気の主成分であり、地表面は数百度の高温です。一見生命体は生存不可能のようにも思えますが、実はその余地があるのです。それは地表面から50kmほどの高度、そう、聳え立つ巨峰の中にいくぶんかいごこちの良さそうな高地があるのです。このあたりは大体気温70℃、気圧はおおむね1気圧であり、人間にとってはかなり過酷ですが、条件的には微生物の類の下等な生物が活躍するには十分です。金星の雲はかなりの酸性を帯びているのですが、この高度では火星大気の中でも最も水滴が豊富に存在すると考えられています。専門家も宇宙生物学的見地において、金星が生物にとって不毛の地ではないと述べています。エル・パソのテキサス大学のSchulze-Makuchとその同僚Louis Irwinはこれまでの金星観測機などのデータから、金星大気の組成に関して注目すべき点を見出しました。通常であれば太陽による大量の放射熱により大気中には大量の一酸化炭素が生じるはずなのですが、まるで何かがそれを除去しているかのように微量なのです。そして彼らは大気成分に硫化水素と亜硫酸ガス(2酸化硫黄)が含まれているのを発見しました。この2つのガスはよく反応するので結果的にどちらも消滅するはずですから、何かがこの2つのガスを供給していなければなりません。さらに不思議なことは、大気の中に硫化カルボニルが存在することでした。このガスは無機的な反応で生成することが非常に考え難い物質なのです。ということは、明らかにどこかで有機的な反応が起こっているとしか思えません。前出のSchulze- Makuchは「なにか我々の知らない仕組の非生物的な反応により、硫化水素や硫化カルボニルが発生している可能性もある。それにしても、どちらのガスもなにか反応を促進する触媒が必要だ」と語っています。そして地球では、微生物がその触媒の役目を果たしているのです。彼は、金星大気の中に住んでいる生物が、二酸化硫黄と一酸化炭素、そして水素を反応させ硫化水素と硫化カルボニルを発生させているのだと推測しました。これと同じことが地球の黎明期に地球の微生物によって達成されていたとも考えられています。彼はこの微生物が太陽光の紫外線をエネルギー源にしてしているのではないかと考えました。金星の表面の紫外線分布に、一部に不思議な暗い斑点が見られることがこのことの証拠であるとして、オーストリアで開かれた最近の学会で発表しています。ある学説が発表されると、それに異議を唱える学者が現われるのは世の常で、フランスの分子生物物理学者の一人は単なる水滴だけでは生物は発生しないのではないかと懐疑的な見方をしています。いずれにしても、この説を証明するに十分な証拠が得られているわけではないので、2005年に予定されている新たな金星探査衛星の活躍を待たなければなりません。2010年には金星から大気のサンプルを持ち帰ってくれることでしょう。はるかにかすんで見えるまだ見ぬ大地を旅する前に、その地についてあれこれ想いを巡らし、想像をたくましくするのはなんとも楽しいことではありませんか。人間はそういう面ではまさしく「知の旅人」と言えるかもしれませんね。
2002年10月02日
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太陽系を含む地球外での生命の存在については、知的生命体であるかどうかを問わず、科学者たちの強い興味の対象でした。太陽系内については、どの惑星も生命の存在の可能性を論ずるには苛酷な環境で、それほど有望視されてはいなかったのですが、このほどガリレオ宇宙探査機が土星の衛星のひとつに、かなり地球の海に類似した海洋がありそうだとの観測結果を送ってきました。ガリレオはこの数年間、土星の多数の衛星の間を通過していました。アメリカ、ツゥースコンのアリゾナ大学のリチャード・グリーンバーグ博士とそのチームは、この飛翔の間にガリレオが撮影した画像を解析した結果、次に述べる興味深い結論に達しました。土星の衛星のひとつであるエウロパの海は地球の氷の海と類似していて、地球南極のヴォストーク湖よりはむしろ北極海に近いというのです。南極大陸にあるヴォストーク湖は地球上では最もよく知られている淡水湖であり、少なくとも3000万年以上前の姿を保ち、太陽系の他の惑星上の氷で覆われた海洋のモデルと考えられています。この湖には未発見の古代の生命体がいるのではないかと考えた学者もいましたが、現在では最も原始的な有機体さえ存在しないものとされています。エウロパの表面は、地球の北極を取り囲む最も小さな海洋である北極海により近いようです。北極海は氷がひび割れたり解けたりしながら、外気と熱にさらされています。アリゾナ大の研究グループは、エウロパも同様に潮汐力や熱対流そして裂け目を通じた固体表面と内部の海洋の関係を持っているとしています。北極海を調査している科学者の一人は、この結果についてその意義をいち早く認めています。生命にとって熱的な平衡は最も不利な状態ですが、その点、エウロパでは表面を覆う氷と内側の海が比較的短時間の間に、その大気と動的な相互関係をもっているので、生命の存在と進化の可能性を高めているであろうと推測されています。そしてもう一つ生命の存在の可能性について、土星の別の衛星、イオの存在が注目されています。それはイオが活火山の衛星であり、その火山活動が硫黄分の補給に関与している可能性があることです。つまり、イオから放たれた硫黄性のガスが拡散して、エウロパに取り込まれた確率が高いのです。従来はエウロパの表面を覆う氷は相当に厚くて、大気中の成分が内部にまで浸透するとは考えられていなかったのですが、今回の発見により、見直す必要がでてきました。地球の生命誕生に関しても論議されている学説の一つに、隕石などによる生命の元となり得る有機物の搬入がありますが、エウロパでも同じ現象が起きたと考えるのは不自然ではありませんし、形態の如何に関わらずある種の微生物の存在は科学的にも根拠がありそうです。地球はたまたま、最初の生命体の萌芽から更なる進化に適した条件が形成されてきた稀有な星ですが、他の惑星や衛星において、その環境が今後どのように変化し、生命体が発展するかは、簡単には予測し難いことです。我々の想像力を超えた生命の発達の可能性もあるのです。人間の根源的な問いのひとつである「我々はどこからきて、どこにいこうとしているか」を解く鍵が見つかれば面白いですね。
2002年10月01日
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