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今から33年前、鹿児島の内之浦町から発射された国産初の人工衛星「おおすみ」がこの3日に、大気圏に再突入し燃え尽きました。 33年前の、この打ち上げ成功で、日本はソビエト、米国、フランスに次ぐ4番目の人工衛星打ち上げ国になったのでした。33年間の長きにわたって地球を周回し続け、日本のロケット工学に多大なる貢献をした「おおすみ」の最期はあまり人の口に上る事も少なかったようですが、関係者にとっては感慨ひとしおだったようです。 むやみにスペースデブリを量産するのは好ましくはありませんが、人間が宇宙にかける情熱は国際競争とは別に、未知の世界に対する憧れと挑戦という肯定的な側面も持っていますので、できれば大量破壊兵器に対する情熱を転化して、宇宙開発へエネルギーを注いでほしいものです。それも国際協力という形で。 ところで、ヨーロッパでは度重なる異常気象が、多くの人命や生産物に被害を与えているようです。山火事、旱魃、洪水・・。アルプスでは高温で峰々の万年雪が溶けて、登山者が被害を受けているようです。 このような現象がきたるべき地球温暖化の序章なのかどうか、科学者も慎重ですが、予測されている気温の上昇による厄災はもっと悲惨な結果をもたらすのは間違いないようです。 いろいろな情報を見ても、事態が好転しているという報告はあまりありません。たとえば、北半球太平洋の南部、つまりハワイあたりの海域では海中の植物である藻類による二酸化炭素の吸収がどんどん落ち込んでいるとのことです。 海中の植物は総量でははるかに地上の植物の効果を上回る炭酸ガス処理能力を持っていますので、これが世界的な傾向になってしまうととても悲観的な状況を招いてしまいます。 先日までアジアの子供たちが、屋久島から横浜まで環境問題について考える船旅をしていましたが、次代を担う子供たちに、しっかりと現状認識と問題意識をもってもらえれば大変嬉しいと思います。 とはいうものの、このような状況になってしまった責任は、私たちを含む大人の責任であることは間違いのないところです。 次世代につけを残すような愚行をこれ以上重ねるわけにもきませんし、科学技術や文明社会の功罪をはっきりと示し、次の時代の目指すべき姿を示唆する努力を続けなければなりません。 人間は、世代を超えて知識を伝承する方法を持ち得たおかげで、ここまでの高度な社会を築いたわけですから、すばらしい思想や過去の過ちの反省も受け継いでいけるはずです。われわれはわれわれの子孫に対して責任をもたなければならないのです。
2003年08月17日
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先日オゾン層に関する日記を書きましたが、オゾンそのものに対する認識が結構人さまざまなので、ちょっと整理してみたいと思います。そもそもオゾンというのは、酸素原子でできているのですが、本来は2つの原子で酸素となるところを3個の原子で1つの分子を作ったものです。通常の酸素分子が紫外線を浴びたり、高エネルギーに晒されると3つの原子で為るオゾン(O3)に変化するのです。酸素原子がひとつ余分にあるので、一つ放出して安定した酸素になりたがり、酸化力が非常に強いという特徴があります。稲妻が空気中で閃くとその周囲にオゾンが発生したりします。名前の由来がギリシャ語で「臭い」を意味する語幹からきていると言われているとおり、オゾンは独特の臭いを発します。オゾン層は成層圏のさらに上、地上30kmあたりの層ですが、ここにはオゾンが数十ppmの濃度で存在しています。数十ppmというと微量のようにも思えますが、われわれが呼吸している低高度の大気中の濃度の数万倍にもなります。このオゾンが紫外線を遮るフィルターの役目を果たしているのですね。地球の黎明期、酸素がほとんどなかったころは、紫外線がもろに地表へ到達し、生き物は水中にしか住めませんでしたが、植物が繁茂するにつれて酸素濃度があがり、結果としてオゾン層が形成されていったと言われています。問題となっているフロンガスは、オゾンと反応してオゾンを消費してしまいますのでオゾン濃度が下がって、オゾンホールの原因となっているのです。ところで、またまたNews Scientistを読んでいて目に入ったニュースなのですが、我が太陽系の母星である太陽の磁場の極性が変化し、集塵機と化す恐れがあるというショッキングな報告がありました。太陽の強力な磁場は、従来は星間物質が太陽系に入り込むのを防いでいました。この磁場の極性が反対に変化しつつあり、その結果星間物質を逆に引き寄せるような効果をもつのではないかということです。これは1990年代に打ち上げられたESA/NASAのユリシーズ計画のDUSTという衛星が継続的に観測していた星間物質の量でも裏付けられているそうです。いきなりそんなことを言われても、その結果どうなるんだという疑問を持たれると思いますが、まず、地球と太陽の間に大量の星間物質が入り込んで太陽光を遮り、氷河期の到来を招くのではないかということです。これによって生物の大量絶滅も懸念されます。科学者の間でもこの話題に関しては議論が白熱しているようです。いずれにしても、星間物質の増大がもたらす影響については未知数な部分も多く、南極の氷を掘り下げて過去の大気の状態がどうであったのかを調査する計画もあります。数十億年に及ぶ地球の過去の歴史を見ても、生物は幾多の困難を経ながらも今日まで生き延び、繁栄を謳歌しているところをみると多少の環境変動にもへこたれない強靭な生命力を持っていると言えそうですが、人間についてもそれが適用できるかどうかは疑問です。太陽系外からの侵略者が地球を狙って戦争を仕掛けてくるなどというのはSFの世界の話かもしれませんが、地球全体の危機ということになると、国境や民族などという見えないバリアーにとらわれている訳にもいかず、もうちょっと地球的な協力体制が築けるかもしれません。さて、災い転じて福と為す、という叡智が人間に残っているかどうか。もちろん、そのような事態にはならないことが一番なのですが。
2003年08月08日
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8月に入って一挙に暑くなってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?今月は天文現象の一大イベントとして、火星の大接近がありますが、数百年に一度の得がたいチャンスです。きっとにわか天文ファンが増えて、天体望遠鏡がバカ売れしたりするのではないかと予想しています。ひょっとしたら光学メーカーの株を買っておけば一儲けできるかもしれませんね。火星の大接近は8月27日が最大接近となるのですが、奇しくも私、巨頭星人の誕生日であります。火星在住のお友達が私の誕生祝に、大接近をプレゼントしてくれたということにしておいてください。当日望遠鏡で火星を覗いたら、私への誕生日祝いのメッセージが点っているかもしれません。さて、今日の話題ですが、紫外線の脅威からわれわれを含めた地球上の生物を護っていてくれたオゾン層の破壊が少し緩やかになってきたという、やや嬉しいニュースです。News Scientistの報じるところによると、30年前に初めて観測されて以来、悪化し続けていたオゾン層の破壊が初めて減少傾向に転じたと、ハンツビルのアラバマ大学の研究者などによって確認されたそうです。オゾン層破壊の元凶となっていたのが、冷媒やスプレーに使用されていたフロンガスであることは周知の事実となりましたが、このことが初めて発見されたのは1974年のことでした。それから1987年のモントリオール議定書によってこれらの化学物質の使用が禁止されるまでに十年以上の歳月を要しました。対策を施してからそれが実効となるまでには、地球の大気システムはあまりにも悠長で、いわばオーバーランという形でオゾン層の破壊は進んでいたのです。科学者たちの予想によると、今後20年くらいかかってようやく1980年以前のレベルまで回復するとのことです。これから破壊の進行がゆるやかになり、やがて破壊は止まり、次にオゾン層の復活というシナリオになっています。いずれにしてもあと数十年はかかる計算です。今回報告されたオゾン層の回復傾向はとても喜ばしいニュースではあるのですが、これが単純に人間がフロンガスの使用を抑えてきた結果だとするのは早計です。皮肉なことにオゾン層の回復には、もうひとつの危機である地球温暖化が寄与していることがわかってきました。というのは、温暖化ガスによる平均気温の増加は、地表面に近い低高度の大気における現象であり、逆に高高度の大気は冷却化に向かうのです。その結果、成層圏レベルの大気の温度が下がり、このことがこの層の化学反応を鈍化させ、オゾン層の破壊にブレーキがかかっているというのです。オゾン層が回復するのはいいことなのですが、過度にオゾン層が形成されるのも実は好ましくないのです。これらの研究に関わった科学者は言います。「われわれはオゾン層の破壊を心配するあまり、過度のオゾン層が何をもたらすか予想していなかった。地球も生物もある程度の紫外線は必要としているのだ」サーモスタットによる温度調節では、温度があるレベルを超えると加熱を抑える動作に入り、再び下がりすぎると加熱を再開します。当然、目標の値から上がったり下がったりする動きが生じ、これをハンチングなどと呼びますが、高度な調節が要求される場合はハンチングを抑えるために傾向を予想し、先取りした管理を行わなければなりません。人間の科学技術が進めば進むほど、自然界や自然の摂理に与える影響は大きくなり、これを予想し調整する能力も要求されるのです。しかも事がハンチングによるオーバーシュートだけで済めばよいのですが、いったん道を逸れると取り返しのつかない事態もありえます。まさしく大量破壊兵器や、行き過ぎた遺伝子操作などあまりにも危険な両刃の剣がわれわれの生存を脅かしかねない現状です。開発にかけたエネルギー以上にそれを管理する技術や能力が要求されているのではないでしょうか。
2003年08月05日
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