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今年は天文学的にはとても重大な火星大接近というイベントがありましたね。最大接近を果たした火星の尊顔を望遠鏡で拝した方もいらっしゃることと思います。ところで、火星探査機マーズエクスプレスから着陸船であるビーグル2号がクリスマスの日に火星表面に着陸したことは皆さんご存知でしょうか?ビーグル2号という名前はあの「種の起源」を著したチャールズ・ダーウィンの航海で使われた有名な木造船から命名されました。新たな生命の存在に思いを馳せた科学者の熱い希望がこの名前からも伝わってまいります。SFでも「宇宙船ビーグル号」という名前が既に使われていましたね。ところが、です。最新の情報によると母船から切り離され着陸したはずのビーグル2号から信号が返ってこない事態が発生しているそうです。グリニッジ標準時の2時54分に火星表面にタッチダウンしたはずのビーグル2号の信号を、米国のマーズオデッセイが4時間後にその上空を通過した際に受信することができなかったのです。12月19日に母船から切り離されたビーグル2号はエアロシェルと呼ばれる、本体を火星の大気との摩擦による高熱から守るための巨大な2枚貝状のカプセルに包まれ、しかるべき高度になるとパラシュートを開いて、さらに着陸のショックを和らげるエアバッグを八方に膨らませて火星の大地に降り立った、はずなのですがその生存信号を確認できていないのです。イギリスのプロジェクト主任科学者は、未だビーグル2号のタッチダウン報告を受信できていないのは事実だが、希望がついえたわけではない、と語っています。事実、着陸に成功してもなんらかの原因によりうまく信号を受信できない状態である可能性もあります。発信アンテナがあらぬ方向を向いてしまい、マーズオデッセイがうまく受信できないとか、あるいは予定されていた着陸地点よりも大幅に位置がずれてしまったとか、原因はいくつか考えられます。もし、ビーグル2号になんらかの事故が発生して探査継続不能に陥ったとしても専門家は比較的冷静にこれを受け止める向きが多いようです。なぜならば、もともと過去に火星に探査機を飛ばして成功した確率は、アメリカや旧ソ連などのこれまでの統計をとっても3割ほどなのです。それほど困難なミッションですので失敗も予測される結果のうちだと彼らは思っているようです。もちろん地球からでもビーグル2号の電波や存在を確認する手立てはあります。イギリスの Lovell 電波望遠鏡によりビーグル2号の発する信号を捕捉する試みです。今年から来年にかけて彼らはきっと忙しい日々を送ることでしょう。もし、ビーグル2号が首尾よく生き残っていたら、以前にやはり火星探査に成功したアメリカのバイキングに続き地表を探査し、さらに今回は地下1.5mまで潜って内部のサンプルを採取する予定です。願わくばなんとかビーグル2号が蘇り我々を驚かせるような新発見をもたらしてくれることを望みたいものです。真に第二のビーグル号として人類の見果てぬ夢を叶えてくれることを。吉報を待ちましょう。
2003年12月26日
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本日はクリスマス・イブです。昨日に引き続いてクリスマスがらみの話題でいってみたいと思います。やはりクリスマスと言えばサンタクロース(昨日もやったな)。サンタクロースと言えばトナカイですね。サンタさんにとってはなくてはならない専用移動手段ですから、彼らなしでは世界中の子供たちの期待には応えられないのですが、そのトナカイさんたちが今、危機に瀕している!というニュースを同じくNew Scientistからお届けします。トナカイといえばサンタクロースの本拠地、スカンジナビア地方に多く生息しているのですが、ノルウェー南部でのダムや水力発電所の建設などの人間の経済活動により居住地を奪われ追いやられているようです。このあたりに棲む野生の、また飼育されているトナカイやカリブーといった大型シカ類の絶滅が危惧される状況が進むと、本来の生息地である極北のツンドラやタイガでも種の存続に赤信号が点りかねないと動物保護活動家らが懸念しています。1977年から1987年の10年間のインフラ整備事業の間に、トナカイの生息状況を観察した結果、ダムや送電線あるいは道路といった人間の構築物付近では、周辺およそ4kmにわたって著しくその数を減らしているとの報告があります。夏季におけるこのあたりのトナカイの個体数が以前の36%まで落ち込み、逆に人里離れた地域では個体数が従来の216%に激増しているのです。冬場になるともっと極端になり、人工建造物付近での個体数はわずか8%にまで激減しています。道路やダムなどは人間にとって便利この上ない設備ですが、野生のトナカイにとっては恐ろしげな近づき難い障害物にしかならず、森林全体に偏在していたトナカイ類はずたずたに分断されてしまったのです。1960年代には6万頭を数えていたトナカイの群れも、現在では3万頭になり、この調子で減りつづけると2020年には1万5千頭にまで落ち込み、種の存続が危ぶまれる事態になると専門家は警鐘を発しています。一方で過疎となり、一方で過密化していくと、過密状態におけるトナカイの繁殖率が通常の3分の1に落ち込み、個体数は雪崩式に下降線を辿るであろうと予測されています。さらにこのような現象は、ロシアやアラスカ、グリーンランドなどの地域に棲むトナカイの将来を示唆していると考えられます。これらの国々もまた国家の経済復興を旗印にこのような地域のインフラ整備に乗り出すことは明白だからです。ノルウェー政府はこの対策に国立公園を拡充し、人工建造物の過度な建設を制限して野生動物の活動範囲が連続的になるように誘導しようと計画していますが、不法な住居の建設をどこまで監視できるか疑問視する向きもあるようです。ところで過密、過疎というとトナカイの話だけではなく、人間の社会でもますます顕著になってきています。経済効率優先で物事を進めると当然このようになってしまうのでしょうが、当の人間に与えるストレスや災害発生時のダメージは途方もないリスクを抱え込む結果になってしまいます。そういう意味では人間の自己家畜化はどんどん進んでいき、生物としての基本的な行動にも重大な影響を与えてしまいそうで怖いですね。実は宇宙から観察にきている異星人の絶滅危惧種のリストの筆頭に入っているのは人類かも知れません。あー、クリスマスだというのにあまり明るい話題が提供できません。読んでしまったらとりあえず、正月明けまでは忘れ去って、しばらくは楽しいときを過ごしていただきますよう。
2003年12月24日
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唐突ですがクリスマスですねー。21世紀に入って3回目のクリスマスですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?なにかクリスマスにちなんだ話題を提供しようと思っていたのですが、あちこち探っていてもあまりいい話には巡り合いませんでした。クリスマスと言えば、サンタクロース。サンタクロースと言えば、私が子供の頃はサンタさんは煙突から入ってくるもんだと信じられていましたが、煙突の中は煤だらけでサンタさんも大変だなあと子供心に心配したものです。ところでその煤が、地球の温暖化に関して温室化ガスよりもっと深刻な悪影響を与えているようだと、New Scientistのサイトに報じられていました。煤と言えば大別すると2種類ありまして、不完全燃焼により燃え残った炭素そのものと、炭素が他の分子と化合して出来た2次化合物となります。これがどのように温暖化に寄与しているかというと、上空に巻き上げられた煤の粒子は雨や雪に混ざり、再び地表に帰ってきます。雨は山や川に注ぎ、比較的早いサイクルで海に流れ込んだり、地表に降り積もることになり、影響もさほどは大きくなりませんが、これが雪になると深刻です。雪に混ざったこれらの粒子は、雪の光線反射率を下げてしまうのです。研究者の試算では、極北に降る雪の場合はその反射率を約1.5%低下させてしまうそうです。その結果、雪の表面温度から計算されるよりも多くの量の雪が溶けて水になってしまうのです。いったん、雪や氷河が溶け出すとさらに多くの熱を吸収し、水になってしまうと90%の熱量を吸収してさらなる雪解けをを加速させてしまうのです。話題になっていた南極の棚氷の崩壊などはもろにこの効果によるものだったのかも知れませんね。このことは長い間見過ごされていたようで、科学者は早急な対策が必要であると訴えています。幸いなことに、煤の排出は炭酸ガスなどと比べると制御が容易で、比較的短時間で効果の出る対策が施せそうだと言われていますが、かといって炭酸ガスなどの温暖化ガスの削減が緩和されるわけではなく、こちらも更なる努力が必要です。煤を出している原因は車や、石化燃料を焚いているところには必ず発生しているのですが、いま世界を見回すと、どこでやら非生産的な燃焼やら爆発が頻発している地域がありますね。言わずもがなですが、殺人や破壊という非生産的な活動に加えてこのような有害な物質をせっせと発生させているのはたぶん先進国ではないのでしょう。少なくとも世界をリードする国がこのような馬鹿げた真似をするはずはありませんものね。世界の危機よりも自国の利益が優先するような国は3流国というしかありません。あまり面白い話題を提供することができませんでしたが、皆様が平和で楽しいクリスマスを過ごせますよう。
2003年12月23日
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