全17件 (17件中 1-17件目)
1

30万アクセス記念~いま聴きたいこの1曲(その2) 30万アクセス記念に便乗して、いま聴きたい1曲を動画紹介形式でお送りする企画。第2回目はオルタナ系屈指の名曲、REM(アール・イー・エム)の「マン・オン・ザ・ムーン」を取り上げようと思います。 この曲は、1992年発表の第8作目、『オートマティック・フォー・ザ・ピープル(Automatic For The People)』に収録。この作品は内省的な内容のものでしたが、アルバム売り上げを伸ばし、この曲もシングルとして全米4位を記録しました。筆者の中では、ヴォーカルのマイケル・スタイプは“まっすぐじゃないシンガー”(別に悪い意味ではありません)で、斜に構えつつも声質は野太くしっかりしたシンガーという印象があります。きっとこの微妙なバランスが彼の大きな魅力なのだろうという気がしています。 同じ曲のライヴ映像をもう一つ。米ロック界の大御所、ブルース・スプリングスティーンとの夢の競演の様子です。何かのために(特に政治のために)ロックをするというのはあまり好きではありませんが、こういう組み合わせの実現というのは大歓迎ですね。 【Joshin webはネット通販1位(アフターサービスランキング)/日経ビジネス誌2012】【送料無料】オートマチック・フォー・ザ・ピープル/R.E.M.[CD]【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2012年11月30日
コメント(0)

30万アクセス記念~いま聴きたいこの1曲(その1) 10万アクセス、20万アクセスの時にもやった“いま聴きたい”という企画、なんだか年中行事化しつつあるような気もしますが、30万アクセス記念ということで、しばらくおつきあいください。これまでの記事でその曲もしくはその曲を含むアルバムが取り上げられているものという条件で、洋ロック・ポップスのジャンルから個人的に“いま聴いたい”と思ったものを取り上げていきたいと思います。 第1回は、シンプリー・レッド(Simply Red)の出世曲、「ホールディング・バック・ザ・イヤーズ(Holding Back The Years)」。1985年発表のデビュー作『ピクチャー・ブック』に収録されている曲です。 これを歌っているミック・ハックネルは当時、20歳代半ばだったわけですが、もともとは17歳の時に作った曲だとか。20代半ばというのは決して若いとはいいませんが、もちろん老けているというわけでもありません。それにしても、このデビュー作の時点で十分に円熟したソウルフルな歌声は見事でした。 ついでにビデオ映像をもう一つ。それから20年近い歳月が流れた後、2003年のライヴより。相変わらず、ハックネルは完璧な天才ぶりを発揮しているのでした。 【国内盤】Simply Red/ピクチャー・ブック【スペシャル・エディション】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012年11月29日
コメント(4)

30万アクセスを超えました!今朝方、累計アクセス数が300000に達しました。数の多いことが必ずしもいいとは思いませんが…少しずつ更新し、いろんな方に見ていただいて、その結果のアクセス数、というプロセスを考えると、本当にありがたいことです。ご訪問くださった皆様にあらためて感謝申し上げます。今後とも変わらぬご愛顧をお願いいたします。 下記ランキングに参加してます。 記念に便乗ということで、ぜひ普段クリックなしの方も、ここは一つ、応援よろしくお願いします! ↓ ↓ ↓
2012年11月29日
コメント(0)
![]()
大人向けラテン・ジャズの推奨盤 ラテン・ジャズと言えば、打楽器(パーカッション)の効いたノリのイメージが強いという人も多いかもしれない。でも、それと一線を画してきたのが、このミシェル・カミーロ(Michel Camilo, 日本ではミシェル・カミロと表記される)というピアノ奏者である。そのカミーロ盤の中のお薦めの一つが2002年発売の本作『トリアングロ(Triangulo)』である。余談ながら、この題名(正確にはTriángulo)は“トライアングル”を意味するスペイン語。日本盤では『トライアングロ』という誤ったカタカナに訳されているので、ネット等で検索の際にはご注意を。 さて、カミーロはカリブ海のドミニカ共和国出身。上述のラテンのノリを前面に出すのではなく、知的で技巧あふれるプレイを身上とする。筆者がカミーロを初めて知ったのは、90年代半ばの『ランデヴー』の頃で、ライヴ演奏を見て数日後にはCDを手にしていた。その後も全作くまなくとはいかないものの、気になったアルバムをちょくちょくと買い揃えては、少しずつ楽しんでいる。スペインのフラメンコ・ギター奏者(トマティート)との共作や、ソロ・ピアノ作など他にもお気に入りはあるのだけれど、今回は王道を行くということで、カミーロらしさ全開の本作を取り上げておこうと思った次第である。 何よりもまずミシェル・カミーロのピアノ演奏が冴えわたっている。見事なテクニックと間合いのうまさが長時間聴き続けても飽きないどころか、繰り返し聴きたくなってしまう。“ラテンのノリ”は、全編にわたって感じられるが、これを醸し出しているのは、トリオのメンバーのうち、ミシェル自身に加え、ドラムのオラシオ・エルナンデスによる部分が大きい。このオラシオ・エルナンデスという人は、“エル・ネグロ”の異名で知られるキューバ出身のドラマー。彼は同じキューバ出身の著名ピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバのドラマーとして頭角を現し、1990年からはキューバからアメリカへ移り、幅広い音楽シーンで活躍してきた新世代のドラマー、パーカッショニストである。ミシェル・カミーロのピアノにもラテンの空気はあるのだけれど、このドラマーが引っ張ってラテン風味を出していることは間違いない。 でもって、カミーロ自身の演奏はというと、ラテンの味に正真正銘の技巧の組み合わせ、これに尽きる。ただ、最近感じ始めたことは、このミシェル・カミーロという人はとても冴えているという事実。ファンの方には“今さら気づいたのか!”と怒られそうだが、きっとこの人はとても知的で賢いのだと思う。ラテンっぽさだけでも、技巧派だけでも自分の特色になりきらないことをよくよく理解していて、その組み合わさった形を、ある意味では意図的に出そうとしているのだろうと感じる。 結果、出来上がった音楽は、“ラテンのノリ”だけを求める人や、ただ技術にひたすら感動するマニア(失礼!)を差し置いて、数段上の“大人の音楽”になっている。筆者のおすすめは、淡々と進む演奏の中に知性が見え隠れする1.「ピース・オブ・ケイク」、ラテン・スピリットが散りばめながらもスリリングな演奏に終始した5.「アンソニーズ・ブルース」。さらには、曲想は思いっきりラテンなのに3人すべての迫力と技巧の方が際立つという、ある種不思議な仕上がりの9.「デスカルガ・フォー・ティト(・プエンテ)」。ただ雰囲気だけの“ラテン”では物足りないという向きには二重丸、三重丸の推奨盤と言える。[収録曲]1. Piece Of Cake2. La Comparsa3. Mr. C.I.4. Afterthought5. Anthony's Blues6. Con Alma7. Las Dos Lorettas8. Just Like You9. Descarga For Tito (Puente)10. dotcom-bustion[録音・パーソネル]Michel Camilo (p)Anthony Jackson (b)Horacio “El Negro” Hernandez (ds)2001年8月1~6日録音。 Michel Camilo マイケルカミロ / Triangulo 輸入盤 【CD】 ↑ ミシェルが”マイケル”になっちゃってますね…。下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2012年11月28日
コメント(0)
![]()
闘わない、和みのバトル盤 ソニー・スティット(Sonny Stitt)とズート・シムズ(Zoot Sims)は同世代のジャズ・サックス奏者。前者は1924年、東海岸はボストンに生まれ、後者は1925年、カリフォルニアに生まれた。ちなみに、前者は58歳、後者は59歳で共に80年代前半に没していて、生没年ともほぼ同じ期間を生きたジャズメンだった。東海岸と西海岸、いわばアメリカ合衆国の端と端でそれぞれに生まれた二人は、サックス奏者としてのキャリアを積み、やがていくつかの機会に共演するようになる。1965年初頭、ある人物の取り計らいで二人は一緒にシカゴでクラブ演奏を2週間ほどすることになった。その勢いを借りて、そのままシカゴのスタジオに残された吹き込みが、本盤『インター・アクション(Inter-Action)』というわけだ。 アルトとテナーの両方を演奏するソニー・スティットと、アルト奏者のズート・シムズ。ふつうなら自己主張のぶつかり合いを含んだ“バトルもの”(例えば、ズート・シムズが参加した『テナー・コンクレイヴ』みたいな演奏)が予想されるだろう。そんな期待(?)は、1.「マイ・ブルー・へヴン(私の青空)」が始まった瞬間から、ものの見事に裏切られる。とにかく朗らかで和やか。お互いの間合いを計るというよりは、しばしば譲り合いの精神で2人が絡み、入れ替わりながら演奏が進んでいく。 レスター・ヤングの影響が色濃いズート・シムズと、ヤングの影響と同時にチャーリー・パーカー的なスタイルのソニー・スティット。この両者の演奏は噛み合っているようでいて噛み合っていないようでもある微妙な“ちぐはぐさ”(決して悪い意味ではない)がある。実際には連夜の演奏の後で息があっていたのだろうけれど、びしっとはまっていない部分がこの“和み感”に結びついているのだろう。噛み合い過ぎるとどちらもガチの演奏になって堅い盤ができ上がったことだろう。つまるところ、微妙なちぐはぐさがのこっているおかげで、終始リラックスしたこのムードが出せたのだと思う。 収められた6曲はいずれも優劣付けがたいが、上述の1.「マイ・ブルー・へヴン」、3.「カティア」、5.「ルック・ダウン・ザット・ロンサム・ロード」、6.「アイ・ウォント・トゥ・ゴー・ホーム」がお勧め。あと、これらの曲に限らず全編にわたってひそかに活躍しているのがピアノ奏者のジョン・ヤング。正統的にサポートをせず、真っ向から勝負するわけでもなく、あえて焦点をずらして隙間を狙いながら演奏している感じがする。上で述べた“ちぐはぐさ”が本当にちぐはぐな感じに結びついていないのは、実はこのピアノのおかげとも言えるのかもしれない。[収録曲]1. My Blue Heaven2. The Saber3. Katea4. Fools Rush In5. Look Down That Lonesome Road6. I Want To Go Home[パーソネル、録音]Sonny Stitt (ts, as), Zoot Sims (ts), John Young (p), Sam Kidd (b), Phil Thomas (ds)1965年1月25日録音。 【Aポイント+メール便送料無料】ソニー・スティット&ズート・シムズ ソニー・スティット&ズート・シムズ / インター・アクション[CD][初回出荷限定盤]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2012年11月25日
コメント(4)
![]()
80年代バラード路線の頂点作 息の長いバンドは、しばしばその長いキャリアの中で作風も変わっていったりする。メンバーがすっかり入れ替わって方向性が変わってしまう(あるいは別のバンドと化していく)こともままある。フリートウッド・マックやジェファーソン・エアプレーン/スターシップ(参考過去記事(1)・(2))なんかはその好例で、そもそも別バンドという方が適切なくらい、歴史の中で変容していった。 そこまで劇的ではないにせよ、シカゴ(Chicago)もまた大きく作風を変えたバンドの一つである。シカゴは、1982年発表の『シカゴ16』でデビッド・フォスターをプロデューサーに迎え、「素直になれなくて(Hard To Say I’m Sorry)」のシングル・ヒットで、70年代のブラス・ロックというイメージとは異なるバンド像を定着させた。以降、90年代にかけてシカゴはこの路線を高めていった。そんな中、80年代半ばにピーター・セテラの脱退という事態が起こる。歌を聴かせる点にも重点があるバラード路線という状況で、リード・ヴォーカリストの交代は一大事だっただろう。ソロ活動を開始したピーター・セテラに代えて1985年、ジェイソン・シェフが加入する。 この交代が功を奏した結果、本作『シカゴ18』は成功した。新加入のジェイソン・シェフ(当時、若干24才)は大きく見れば前任のセテラに近いタイプのヴォーカリスト。前任者との比較なしで見ても、実によいヴォーカリスト(かつベーシスト、ソングライター)だった。 これを受けてバンド自体も、不安はあったのかもしれないけれど、やる気満々だった。1.「ナイアガラ・フォールス」からして意気込みのある。同じくバンドの意気込みが強く感じられるのは4.「長い夜(25 or 6 to 4)」。言わずもがな、シカゴの第2弾アルバム(『シカゴと23の誓い』、1970年)に収録され、彼らにとって最初のTop 5入りしたシングルヒット曲である。これを大胆にリメイクし、(70年代のファン受けするかどうかはともかく)奥行きのあるサウンドに仕立てた。手薄だったギターに関して、スティーヴ・ルカサーやマイケル・ランドウといった大物ギタリストのサポートを加えているのも、不安と同時に意気込みの裏返しでもあったのだろう。 ポップでメロウなラヴ・バラード路線では、5.「スティウ・ラヴ・ミー(Will You Still Love Me?)」と3.「フェイスフル(If She Would Have Been Faithful)」が傑出している。前者は全米3位、後者は17位のシングル・ヒットとなった。さらに、アルバム後半の収録曲で、バラード路線という意味で興味深いのは、8.「ふたりの絆(Nothing’s Gonna Stop Us Now)」と9.「アイ・ビリーヴ」。これらの曲だけ単独で聴くと、ただのバラード路線の曲と思われるかもしれないが、本盤の中では、クレジットされていない小品(「フリー・フライト(Free Flight)」、筆者の手持ちの盤ではTrack 8の中に組み込まれて前奏となっている)が配されている。“ブラス・ロック”と称されていた頃を思い起こさせるブラスの前奏があって、その後にいかにもバラード路線の曲が続く。70年代に積み上げてきたバンドの遺産を否定するのではなく、その上に積み重ねられたバラード路線なのだという意気が伝わってくるというと言い過ぎだろうか。 個人的に何度も繰り返し繰り返し聴いたアルバムという理由もあるが、いま思い返してみれば、80年代シカゴのバラード路線の頂点作といってもいい。他の作品にも代表曲(「素直になれなくて」、「ルック・アウェイ」など)はあるが、アルバムとしての出来を考えた時、これが最高作といってもよいのではないかと思う。[収録曲]1. Niagara Falls2. Forever3. If She Would Have Been Faithful...4. 25 or 6 to 45. Will You Still Love Me? 6. Over and Over7. It's Alright8. Nothin's Gonna Stop Us Now9. I Believe10. One More Day1986年リリース。 【Joshin webはネット通販1位(アフターサービスランキング)/日経ビジネス誌2012】シカゴ18/シカゴ[CD]【返品種別A】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2012年11月23日
コメント(2)

INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。少し間が空きましたが、最近の記事を追加しています。 INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ右欄(フリーページ欄)からお入りください。アーティスト別INDEX~ジャズ編へアーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-L)へ→ 分量が増えてきたので、2つに分けました。つづき(M-Z)はこちらです。アーティスト別INDEX~ラテン系(ロック・ポップス)編へアーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、バナー(1つでもありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓
2012年11月20日
コメント(0)
![]()
過小評価されてきた名盤の一つ ザ・スティルス=ヤング・バンド(The Stills-Young Band)というのは、本アルバムでの即席の名義で、本来はスティーヴン・スティルス(Stephen Stills)のバンドにニール・ヤング(Neil Young)が参加したことによる。この二人には、いろんなストーリーがつきまとう。まず、スティルスが若かりし頃、カナダをツアーしていてニール・ヤングと知り合う。その後、ロサンゼルスの路上(渋滞中の道路の車同士だったという)で再会する。リッチー・フューレイを含めて意気投合した彼らはバッファロー・スプリングフィールドを結成するが2年ほどで解散した。続いてスティルスは、デビッド・クロスビー、グラハム・ナッシュとともに“クロスビー、スティルス&ナッシュ”(CS&N)を結成してそのデビュー作となる名盤『クロスビー、スティルス&ナッシュ』(1969年)を発表し、西海岸ロックの礎を築く。翌年、CS&Nはメンバーを追加するが、その時に加入したのがニール・ヤングであった。グループは“クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング”(CSN&Y)と改名して、これまた名盤の『デジャ・ヴ』を制作する。結局、ヤングが在籍したのは実質1年ほどであった(後には再集合などもあり)。 バッファロー・スプリングフィールドが解散したのも、CSN&Yが長続きしなかったのも、その原因はスティーヴン・スティルスとニール・ヤングの間の確執にあったと言われる。ところが、1976年、その2人のコラボが実現する。スティルスのバンドにヤングが参加して制作されたのが、本盤『太陽への旅路(原題:Long May You Run)』だった。“犬猿の仲”と評されるほど確執があったという両者がコラボレーションした理由はよくわからない。CSN&Yで一緒だったクロスビーとナッシュの二人が一緒に活動していることへの対抗心があったのかもしれない。スティルスいわく、バッファロー・スプリングフィールドではリッチー・フューレイがいて、CSN&Yではクロスビーとナッシュがいたが、二人でやりたかったんだ、みたいなことを言っているけれど、真相はよくわからない。このアルバムの後もツアーをするものの、結局はニールが途中でキャンセルしてしまっている。 ともあれ、作品としてはなぜこれほどまでに過小評価されるのか、筆者としては疑問なアルバムの一つ。ニール・ヤングの作品としては、きれいに収まり過ぎているようにも思えるが、それは裏を返せばスティルス・バンドの完成度というか演奏能力の高さ。他方、スティーヴン・スティルスの作品として見た場合、どこか緊張感が足りないと言われたりもする。この点は、たぶんニール・ヤングのカントリー的な志向のためのように思われる。それを“中途半端”と捉えるのか、それとも各人の路線から横道にそれた“融合”と見るのか。前者の考え方だと評価が下がり、世間ではこっちが主流になっているのかな、と思う。でも、個人的には後者の見方をしている。つまり、ニール・ヤングの作品としてはどこか物足りなく、スティーヴン・スティルスの作品としてもどこか物足りない。でも、別物として考えれば、違ったよさがあるように思う。 おすすめは、表題曲の1.「太陽への旅路」、3.「ミッドナイト・オン・ザ・ベイ」、5.「オーシャン・ガール」、6.「レット・イット・シャイン」といったあたりの、ゆったりとしたリラックス感のあるところ。スティルスの曲(2.、4.、7.)の中では、4.「黒いサンゴ」が特にいい。また、9.「ガーディアン・エンジェル」の演奏は、二人のコラボならではで聴き逃せない本盤のハイライト。[収録曲]1. Long May You Run2. Make Love to You3. Midnight on the Bay4. Black Coral5. Ocean Girl6. Let It Shine7. 12/8 Blues (All The Same)8. Fontainebleau9. Guardian Angel1976年リリース。 【Joshin webはネット通販1位(アフターサービスランキング)/日経ビジネス誌2012】【送料無料】太陽への旅路/スティルス・ヤング・バンド[CD]【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2012年11月19日
コメント(0)
![]()
80年代、ポップセンスが光る好盤 エレクトリック・ライト・オーケストラ(Electric Light Orchestra, 略してE.L.O.)は、1970年代初頭にデビューし、当初はストリングスを取り入れた実験的なサウンドを志向していた。70年代後半になると、ジェフ・リン中心のポップ・サウンドの方向性に傾き、『オーロラの救世主』(1976年)、『アウト・オブ・ザ・ブルー』(1977年)、『ディスカバリー』(1979年)など多くのヒットを出した。 その後もサントラ盤の『ザナドゥ』(1980年)や『タイム』(1981年)などをヒットさせるが、実質的にジェフ・リンの独壇場となり、バンドとしての活動はぎくしゃくし、停滞する。ジェフ・リン自身も嫌気がさしたようで、E.L.O.としての活動に区切りをつけたのが本作『バランス・オブ・パワー(Balance of Power)』(1986年)となった。ちなみに、その後はメンバーの間で“異なるE.L.O.というバンド”(オリジナルメンバーで、本盤でもドラムとパーカッションを担当しているべヴ・べヴァンを中心とするELO Part.2、21世紀に入ってジェフ・リンが復活させたE.L.O.)が存在し、ディスコグラフィー的にはややこしい事態となっている。 さて、話を『バランス・オブ・パワー』に戻すと、このアルバムは“消化試合”みたいにみなされることが多い。全英9位、全米49位とさして大きなヒットにならなかったものの、作品内容としては、筆者は結構いいと思うし、愛着もある一枚なのだけれど、世間的には人気がないらしい。でもその不人気の理由はなんなのか。内容的にはジェフ・リンのポップ全開という意味では、なかなかいい盤だと思う。 よく言われるように、ジェフ・リンは“ビートルズの申し子”である。良くも悪くもビートルズ的キャッチーでポップな、それも優れた楽曲を書く。しかも本番が制作されリリースされたのは、80年代まっただ中の、ある意味ではそういうポップさが受けやすかった時期。70年代からE.L.O.を聴いていた人には、シンセ多用のこのポップさに我慢ならぬという人もいたかもしれないが、すでに四半世紀以上たった今からすると、シングル受けしそうな曲、ラジオから流れてくるのにぴったりなポップ・チューンのオンパレードだと思う。 冒頭の1.「ヘヴン・オンリー・ノウズ」、2.「SO・シリアス」(80年代だから仕方ないとはいえ、なんてダサい邦題のつけ方!)からしてポップさ満開。同様の曲調としては、4.「シークレット・ライヴス」、10.「センド・イット」あたりがお気に入りだが、なんといってもベストは1枚目のシングルとなった8.「コーリング・アメリカ」。これらアップテンポの曲と少し違ったところでは、3.「哀しみの地平線(ゲティング・トゥ・ザ・ポイント)」と9.「エンドレス・ライズ」が、比較的ゆったりとした曲調ながらポップ・センス抜群でよくできている。E.L.O.の歩みを考えながら聴くと抵抗感がある人もいるかもしれないが、本盤単独で作品としてみれば、実に極上のポップなアルバムだと思う。[収録曲]1. Heaven Only Knows2. So Serious3. Getting to the Point4. Secret Lives5. Is It Alright6. Sorrow About to Fall7. Without Someone8. Calling America9. Endless Lies10. Send It1986年リリース。 【中古】洋楽CD エレクトリック・ライト・オーケストラ / バランス・オブ・パワー【10P9Nov12】[fs01gm]【画】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2012年11月17日
コメント(2)
![]()
サウンドの確立を告げるサヴォイ・ブラウンの代表盤 キム・シモンズ率いるサヴォイ・ブラウン(Savoy Brown)は、60年代後半のデビューから現在までコンスタントに音楽活動を続けているバンド。個人的には決して熱心なファンとは言えず、その全容を知るわけでもない。というのも、筆者がこれまで主に聴いた盤は初期に集中しており、その点では偏った聴き方をしている。とはいえ、本盤『ゲッティング・トゥ・ザ・ポイント(Getting To The Point)』が、活動初期の代表盤であることは衆目の一致するところであろう。 当初のバンド名(デビュー作発表時の“サヴォイ・ブラウン・ブルース・バンド”)から“ブルース・バンド”が抜け落ち、“サヴォイ・ブラウン”というよりシンプルな名称で出直したバンド第二作。実はバンドのメンバーもファースト・アルバム(『シェイク・ダウン』)からはごっそり入れ替わってしまっている。メンバー変更の中でも大きいのは、ボーカルのクリス・ユールデン(Chris Youlden)が加わったことである。“あんたはホントに白人かい?”、“その声がイギリス人?”と言いたくなるような、黒人的ヴォーカル。短期間だとはいえ、1970年までこのバンドの声となる。他には後(1971年)にフォガットを結成することになるロンサム・デイヴ(デイヴ・ペヴァレット、ギター)とロジャー・アール(ドラムス)が参加している。バンド全体としてみれば、メンバー総入れ替えの効果としていちばん顕著なのは、全体的に演奏の精度が急激に上がっている点である。 “演奏の精度”というと無条件によいことのように考える人もいるかもしれないが、一般論としては必ずしもそうとは限らないないように思う。ジャンルにもよるけれど、ブルースということからすると、隅々まで楽譜として完成されているような演奏になってしまった場合、退屈にもなり得る。もっとわかりやすい例としては、ジャズの場合にも同じようなことが言え、譜面に定められた予定調和の演奏など、よっぽど特殊な場合を除き、そもそもジャズとしての面白みを損なうことになりかねない。結局のところ、変に精度が高すぎて、その結果、計算しつくされているように聴こえてしまったならば、逆にその演奏の魅力が半減してしまうという現象すら起こり得る。 けれどもこのアルバムはそうはなっていない。本盤がそうならなかったのは、この後にもサヴォイ・ブラウンの特徴として続いていく“緩さ”や“気だるさ”が、高い演奏の質とほどよくマッチしたからだろうと感じる。ブルースのカバーを多く収録し、ある種“勢い”で聴かせていたファーストに比べると、本盤の方は、出だしの1.「フラッド・イン・ヒューストン」からして、何ともまったりした雰囲気がより支配的になっている。 そして、そのトーンを決定づけているのは、やはり中心人物であるキム・シモンズ(Kim Simmonds)のギターだろう。この人のギターは、同じ3大ブルース・ブルース・バンドの一角とされた同時期のフリートウッド・マックのギター(ピーター・グリーン)などに比べ、鋭さや切れでは劣る気がしないでもない。けれども、全編を通してのまったりとした雰囲気は他にまねのできないものだ。このギターは、メンバー変更によって入れ替わった安定感十分のリズム・セクション(つまりは上述の演奏の精度)と組み合わされることでいちばんその本領が発揮されていると思う。例えば、4.「ジ・インクレディブル・グノーム・ミーツ・ジャックスマン」のギター・ソロ、表題曲7.「ゲッティング・トゥ・ザ・ポイント」のインプロビゼーション全開のギター演奏の展開などはその例だろう。 最後になったが、今もって本盤のジャケットの趣味は個人的にあまりよく理解できない。このイメージだけでアルバムを手に取ることから遠ざかっている人もいるでは、と心配になってしまう。キム・シモンズが丸い眼鏡をかけてそのレンズには黒人の顔が入っているというものだが、シモンズ自身によると、“我々は白人だが、黒人と同じように物事を見ている”ことを示したかったらしい。60年代末という時代背景を考えれば、それはそれで理解できるのだけれど、う~ん、やっぱり変にインパクトあり過ぎ。“ちょっとこれでも聴いてみたら?”と差し出されたCDのジャケットがこれだったら、普通の人はやっぱり躊躇するだろう。無論、躊躇して聴かないというのはもったいない内容のアルバムなのだけれど。[収録曲]1. Flood In Houston2. Stay With Me Baby3. Honey Bee4. The Incredible Gnome Meets Juxman5. Give Me A Penny6. Mr. Downchild7. Getting To The Point8. Big City Lights9. You Need Love10. Walking By Myself11. Taste And Try, Before You Buy12. Someday People1968年リリース。 Savoy Brown / Shake Down / Getting To The Point 輸入盤 【CD】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012年11月14日
コメント(0)

仕上がり完璧なシングル・ヒット曲 アメリカ(America)は、ロンドンで結成され、1971年にデビューした3人組のコーラス/フォークロック・グループ。ロンドンで結成されたのに、なぜ故に“アメリカ”かという感じだが、実は、メンバー3人はいずれもロンドンに住むアメリカ人であり、離れた故郷ゆえにこのようなベタな名前に落ち着いたということなのだろうか。余談ながら、アメリカ人というのは「故郷」への愛着より「祖国」への愛着を表に出すことが多いせいか、生まれた土地に固執する日本人と違ってその辺の感情が理解しづらいこともある。けれども、彼らは“遠い故郷”に愛着を示しているといったあたりが、日本人の心をくすぐるということでもあるのかもしれない。 さて、彼らの有名曲としては、デビュー時のヒット曲「名前のない馬」がよく知られている。これと並んでよく挙げられるのが、1975年のヒット曲、「金色の髪の少女(Sister Golden Hair)」である。5枚目のアルバム『ハート(Hearts)』に収められ、シングルとして全米1位を獲得した(なお、彼らのキャリア上、全米1位に輝いたのは、「名前のない馬」とこの曲の2曲のみ)。 このバンドはよく“CSN&Yの弟分”とか、あるいはその模倣であるとか言われたりするが、このシングル曲の出来から判断する限りでは、“弟分”や“模倣”のレベルをはるかに超越できていた。内容的には女性になかなか告白できない青年の“青臭い気持ち”を歌にのせたものだが、曲の構成に“青臭さ”は微塵も感じられない。アコギとスライド・ギターで静かに始まり、アメリカの持ち味である哀愁を漂わせながらもリズムに乗って疾走していくという曲調。途中でいったんトーンダウンした後、エンディングに向けてコーラスが盛り上がる疾走感も実によくできている。 いまの時代、この手のシンプルでアコギやコーラス中心のサウンドが受けないのは承知の上ではあるが、70年代の“流行り”の一言で片づけるには、あまりに惜しい、忘れ得ぬ名曲の一つだと思う。 というわけで、まずは原曲、続いて当時のライヴ演奏をどうぞ。“昔の雰囲気”はぷんぷんしますが、捨ててしまうには惜しい、素朴ではあるけれども、何ともよくできた曲の展開ではないでしょうか。 [収録アルバム]America / Hearts (1975年)その他、America's Greatest Hits: History(アメリカの歴史)(1975年)など各種ベスト盤にも所収。 下記ランキングに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2012年11月12日
コメント(2)
![]()
ブームのおかげで奥深い盤が残った プリテンダーズ(Pretenders, The Pretendersとも)は、姐御クリッシー・ハインド率いるイギリスのロック・グループ。プリテンダーズのアルバムの中でも特に“奥深さ”という点で傑出しているのが、1995年のロンドンで収録のライヴ盤『アイル・オブ・ヴュー(Isle of View)』である。 1989年にMTVが仕掛けた“アンプラグド(Unplugged)”なる企画は、文字どおり“プラグを抜いた”演奏、つまりはアコースティック演奏によるライヴ企画だった。これが瞬く間にブームとなり、90年代、“猫も杓子もアコースティック”みたいな状況になった。その結果、アコースティック・ライヴという形態がある程度定着したとはいえ、一時の流行りみたいな雰囲気だった部分も否めない。いまいちな盤も多く出たけれど、おかげで好盤もいくつも残されることになった。そうした好盤、それも実に“奥深い”盤の一つがプリテンダーズのこのアルバムで、しかもこうしたブームのおかげで初のライヴ盤を出したことに感謝したくなる、そんな一枚である。 クリッシー・ハインドという人は、艶めかしいがいやらし過ぎず、ロッカーだが雑ではない。何が言いたいかというと、アコースティックでのライヴは、演奏者や歌い手の実力がどちらかというと素直に反映される。普段のノリのある演奏と曲ではあまり目立たないクリッシーの艶っぽさと繊細さがアコースティックという場で浮き彫りになっている。プリテンダーズは元々定評のあるとはいえ、あらためてその繊細さに驚かされる。 とか何とか言って、筆者も90年代当時は、既存の曲をアコースティックで聴くことばかりに集中していて、“あの名曲がアコースティックで美しく変身”みたいに思っていた節がある。ブームが過ぎ、いつしかこのアルバムをもう少し冷静に違う角度で聴くようになって、“やっぱりクリッシーは凄い!”という真価に本当の意味で気付くようになったという次第である。 収録曲を見ての通り、9. 「2000マイルズ」や10. 「ヒム・トゥ・ハー」のような、そもそもアコースティック向きの曲に加えて、4. 「チェイン・ギャング」や5. 「愛しのキッズ」といった元は軽快だった曲もアコースティック向きのアレンジで披露されている。バックにはバイオリン、チェロ、ビオラから成る弦楽四重奏(ザ・デューク・カルテットという名称らしい)が入っている。個人的な好みで何曲か挙げておくとすれば、クリッシーのヴォーカルが文句なしにカッコいい1. 「センス・オブ・パーパス」、繊細さが抜群の2.「チル・ファクター」、アコースティック演奏のお手本といってもよさそうな11.「涙のラバーズ」、歌のうまさが光るキンクス・ナンバーの13.「アイ・ゴー・トゥ・スリープ」。あと、ありがちだけれど、初期の名曲を歌いあげる5. 「愛しのキッズ」、9.「2000マイルズ」、10.「ヒム・トゥ・ハー」もやはり外せない。 とまあ、聴くに値する曲ばかりで、プリテンダーズをあまり知らないというひとにもぜひお勧めの好盤。ちなみに、余談ながら、クレジット上は14曲だが、実際のCDではなぜか最後に後奏(?)みたいなのがTrack 15に入っている。[収録曲]1. Sense of Purpose2. Chill Factor3. Private Life4. Back on the Chain Gang5. Kid6. I Hurt You7. Criminal8. Brass in Pocket9. 2000 Miles10. Hymn to Her11. Lovers of Today12. Phone Call13. I Go to Sleep14. Revolution1995年リリース。 【送料無料】【輸入盤】 Isle Of View [ Pretenders ] 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012年11月10日
コメント(0)
![]()
老いてなお先へ… 70歳のコーエン作品 レナード・コーエンは1934年生まれ。シンガーとしてのデビューは1968年だった(ちなみに、それ以前からも詩人として活動していた)ので、音楽キャリアとしては“遅咲き”なわけだが、少しずつリリースを重ね、本作がスタジオ盤としては11枚目。リリースが2004年10月だから、ちょうどコーエンが70歳になった頃に出たアルバムということになる。 ますますドスが効いたコーエンのヴォーカルがまず耳につく。そのヴォーカルは、2.「ビコーズ・オブ」、5.「モーニング・グローリー」、11.「トゥ・ア・ティーチャー」あたりに顕著なように、“歌っている”というよりは“つぶやいている”ようだ。7.「ヴィラネル・フォー・アワ・タイム」なんかはもはや音楽をバックにした詩の朗読と化している。 だからといって全編重苦しいかというと、そういう訳でもない。その主たる理由は、曲によってプロデュースを共演者に任せてしまっている点にあるように思う。特にシャロン・ロビンソンがいい味を出している。彼女はこのアルバムの時点で既に25年ほどコーエンとのコラボ歴を持っていて、1.「ゴー・ノー・モア・ア・ロービング」や8.「ゼア・フォー・ユー」の、コーエンの静かなヴォーカルを生かしながらも、曲として優しいトーンを保っているのはお見事。 同じように、女性ヴォーカルが入っているという点では、4.「アンダートウ」、10.「ナイチンゲール」が耳につく。これらはアンジャニ・トーマスというハワイ出身のアーティストで、彼女も1980年代からコーエンのサポートをしてきた人物である。シャロンに比べアンジャニの方はよりメロウなアレンジで、暗いコーエンのアルバムにも彼女の参加で明るさがうまく入り、調和している感じがする。 なお、そのアンジャニがプロデュースした曲の中には、6.「オン・ザット・デイ」というのもある。この沈んだトーンの短い曲(2分余り)は、2001年のニューヨークのテロ(「9・11」)を歌ったものということだが、筆者には含みのある詞がいまだに謎。 ともあれ、70歳にもなって、普通の人なら過去の遺産を再生することしかできないだろうに、この人はすごい。詩人として捜索を続け、ヴォーカルの“生々しさ”という点では、前作(『テン・ニュー・ソングズ』)の先を行っている。創作意欲の強さゆえになせるわざだろうか。日本では“万年マイナー・アーティスト”みたいに扱われてしまっているが、欧米では本盤は相応のセールスも挙げた。出身国のカナダではアルバム・チャート5位まで上昇し、米国でもコーエンの作品としては69年の『ソングス・フロム・ア・ルーム(ひとり、部屋に歌う)』につぐチャート成績を残したという。あと、余談ながら、ジャケットおよび歌詞カードの各所に配されている絵(線画)もコーエン自身の作品。老いてもなお衰えぬ創作意欲はこういうところにも出ているということか。[収録曲]1. Go No More A-Roving2. Because Of3. The Letters4. Undertow5. Morning Glory6. On That Day7. Villanelle for Our Time8. There for You9. Dear Heather10. Nightingale11. To a Teacher12. The FaithLive Track: Tennessee Waltz2004年リリース。 【送料無料】ディア・ヘザー [ レナード・コーエン ] 下記ランキングに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2012年11月09日
コメント(0)

80年代末、久々の本領発揮盤 1970年代に女性ポップ・シンガーとして広い人気と名声を博したリンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)。80年代に入り、彼女は新たなチャレンジを試みる。ジャズ・スタンダード曲への挑戦(三部作)、メキシカン・スタンダード(スペイン語曲)のアルバムの発表、さらには、エミルー・ハリスにドリー・パートンというカントリーの大物との共演盤といった新しいことに取り組んだ。そういう時期を経て、7年ぶりにポップ畑への回帰となったのが、この『クライ・ライク・ア・レインストーム(Cry Like A Rainstorm-Howl Like A Wind)』というアルバムだった。 ジャケットにも“フューチャリング・アーロン・ネヴィル”と記されているように、ザ・ネヴィル・ブラザーズのアーロン・ネヴィルが複数曲(3.、4.、5.、11.)で参加し、リンダとのデュエットを聴かせている。うち、5.「ドント・ノウ・マッチ」は全米2位(アダルト・コンテンポラリー・チャートでは1位)の大ヒットとなったが、売れたのも納得の見事な歌唱と曲展開。この曲がすべてでは決してないが、このヒット曲がアルバム全体の質の高さをよく象徴しているようにすら思う。 上で書いたような他ジャンルの挑戦後ということもあるのだろうけれど、年齢的にも40歳代前半となったリンダの貫録(もちろんいい意味で)がアルバム全体に滲み出ている。オーケストラ(ザ・スカイウォーカー交響楽団)や合唱隊(オークランド・インターフェイス・ゴスペル合唱団)を組みこんでいるのは、それまでの新たなチャレンジから得た成果の一端だろう。以前からのリンダのファンは、ポップ/ロック系に戻ってくることを待ち望む人も多かっただろうが、7年も待った甲斐があった作品に仕上がっている。他ジャンルをやったことがマイナスにはならず、明らかにプラスに作用し、ヴォーカリストとして一回りも二回りも大きくなっている。 ちなみに4曲共演のアーロン・ネヴィルという人選に疑問を示す向きがあるけれど、筆者は案外これは意図的で、しかも結果としてよかったんじゃないかと思っていたりもする(11.は少々ご愛嬌という気もするけれど…)。リンダ・ロンシュタットの艶やかで伸びのある(しかも貫録のついてきた)ヴォーカルと、しっかりした男性ヴォーカルを並べたら、さぞかし重たいアルバムになっただろう。そうではなく、なよっとした(ファンの方、失礼!)高音域のアーロン・ネヴィルを持ってくることで、結果的にはリンダ・ロンシュタットのヴォーカルがより強調される。つまるところ、対等な共演といった感じよりも、あくまでリンダが主でアーロンはサポートだったと考えれば、この人選も納得がいくように思う。 捨て曲ほとんどなしの好盤だが、敢えてそのリンダの歌声という基準で外せないベスト3を挙げるならば、表題曲の2.「クライ・ライク・ア・レインストーム」、6.「アディオス」、12.「グッドバイ・マイ・フレンド」。とくにこの辺りの曲を聴いていると、声質、技術、情感の表現の三点のトータルとそのバランスにおいて、リンダ・ロンシュタットを超えるヴォーカルは他に存在しないんじゃないかとすら思わされる。[収録曲]1. Still Within the Sound of My Voice2. Cry Like a Rainstorm3. All My Life4. I Need You5. Don't Know Much6. Adios7. Trouble Again8. I Keep it Hid9. So Right, So Wrong10. Shattered11. When Something Is Wrong with My Baby12. Goodbye My Friend1989年リリース。 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012年11月06日
コメント(0)

INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここ最近の記事を追加しています。お気に入りのアルバムやアーティストを探しながらお楽しみいただければ幸いです。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ右欄(フリーページ欄)からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編へ アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-L)へ → 分量が増えてきたので、2つに分けました。つづき(M-Z)はこちらです。 アーティスト別INDEX~ラテン系(ロック・ポップス)編へ アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー(1つでもありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓ ↓
2012年11月04日
コメント(0)
![]()
ジャズ史上最高にこってりした「枯葉」を聴け ブッカー・アーヴィン(Booker Ervin)というサックス奏者は実にこってりしている。吹きまくる(ハード・ブロウイング、フリー・ブロウイング)と言うと、ふつうはジョニー・グリフィン(例えば『ア・ブロウイング・セッション』)みたいに勢いのいいのを思い浮かべるに違いない。けれども、同じテナー・サックスでもブッカー・アーヴィンのそれはだいぶと違っている。熱くてハードには変わりないのだが、よく言えば、泥臭くブルージーな感覚のいっぱいの、アクが強く癖になるサウンド。しかし、というか、それゆえに、そのこってりさをくどく感じる人もいて、悪く言えば“吹き散らかしている”などという印象を持つ人もいる。 筆者はと言えば、以前(過去記事『ザ・ソング・ブック』参照)にも述べたように、このこってりしたくどさこそが、彼のよさであり、ジャズ的な意味というよりも元来の意味でのブルースと相通ずる部分に他ならないと思っている。そうした“くどい盤”としてなかなか気に入っている1枚が本盤『クッキン(Cookin’)』である。 この『クッキン』は、ブッカー・アーヴィンが1960年にサヴォイ・レーベルに吹き込んだ盤である。そろって有名曲の3.「ユー・ドン・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」と6.「枯葉」が“料理”されているが、残る4曲はアーヴィンのオリジナル曲である。オリジナル曲・スタンダード曲とも全編を通して、彼らしさがよく出ている一枚だと思う。 1.「ディー・ダ・ドゥー」や4.「夕闇にまぎれて」なんかは特にそうだと思うのだけれど、曲の出だしの演奏は必ずしも“濃そうな感じ”はしない。けれども、彼のテナーは、ソロが始まるとはじけるように張り切りだす。気がつくと次から次へとこってり粘りのあるフレーズが積み重ねられ、“こってり感”いっぱいの世界へ引きずり込まれてしまっている。テンポの遅い3.「ユー・ドン・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」と5.「ウェル・ウェル」においても、その特徴はしっかり発揮されている。3.ではいきなり冒頭から、長尺の5.では3分ほど引っ張ってから、いずれも濃いサックスが本領発揮になる。ここまでべったりしていると、さすがに好みに差が出るかもしれないが(苦笑)。 いずれにせよ、本盤でぜひお試しいただきたいのは、超有名曲の6.「枯葉」。よく知られた曲だけれども、実に個性がよく出た演奏に仕上がっている。本盤の聴きどころはこの曲と言ってしまってもいいように思える。これほど“こってり”した「枯葉」は他ではまず耳にすることができない。あんまり濃いと疲れると言われるかもしれないが、この「枯葉」に関しては、リチャード・ウィリアムスのトランペットに曲前半のソロがあることで、ブッカー・アーヴィンの“濃さ”をいい具合に中和している。そして、ホレス・パーランのピアノが絶好調のノリでサポートし、リズム・セクションの勢いもいい。唯一、難点を挙げるとすれば、フェードアウトでなければ、といったところだろうか。ともあれ、この後、1960年代前半から半ばにかけてブッカー・アーヴィンはこのスタイルをベースとした“濃い”作品群をプレスティッジから順次発表していくことになる。[収録曲]1. Dee Da Do2. Mr. Wiggles3. You Don’t Know What Love Is4. Down In The Dumps5. Well, Well6. Autumn LeavesBooker Ervin (ts)Richard Williams (tp)Horace Parlan (p)George Tucker (b)Danny Richmond (ds)1960年11月26日録音。 【Joshin webはネット通販1位(アフターサービスランキング)/日経ビジネス誌2012】クッキン/ブッカー・アーヴィン[CD]【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。皆さんの応援が励みになります。 お時間のある方、応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2012年11月03日
コメント(2)

眠い盤? いやいや、ブルース・フィーリングの本領発揮盤! ケニー・バレル(Kenny Burrell)は、1950年代後半から60年代にかけて、ブルーノートやプレスティッジといったレーベルに主要盤を多く残した。本盤『ラウンド・ミッドナイト(’Round Midnight)』は、言ってみれば、“既に名声の確立した名ギタリスト”が70年代初頭に吹き込んだものである。 この盤は、愛着を感じて彼の最高作とすら考える人もいれば、駄盤扱いする人もいるという、複雑な1枚である。いや、個々の好みだからどうにもならないと言ってしまえばそれまでなのだが、悪評が生まれる原因も分からないではない。本盤には“がむしゃらさ”がないのである。ブルーノートの初期の盤などを聴けば、どこかしら一生懸命もしくは精一杯な感じが演奏からも感じ取ることができる。しかし、このアルバムにいたっては、良くも悪くも余裕が感じられる。つまり、“完璧すぎる”もしくは“出来上がり過ぎている”のである。それゆえ、“聴いてて眠くなる”みたいな評も聴こえてくることになるのだろう。 では、その余裕が本盤を退屈にしているのだろうか。筆者はそうではないと思う。1.「欲望という名の電車」がその典型であると感じる。本当に睡魔に襲われてる時にこの曲を聴くと、確かに眠ってしまうかもしれない(そのことは特に否定しないし、それは、劇的なインパクトのある演奏というわけではないためとも言える)。けれども、そうではなくて、ちゃんと耳が“起きている”状態の時に聴けば、なんと精緻でさらりと流れるようでありながら、ブルース・フィーリングの強い演奏だろうか。ある意味、ケニー・バレルの全キャリアの中で、その本領が見事に発揮された演奏の一つと言っていいと思う。 他に本盤の聴きどころとしては、表題曲の3.「ラウンド・ミッドナイト」。マイルス・デイヴィスをはじめとしてこの曲を名演に仕上げたジャズ・ミュージシャンは多く存在するわけだけれど、ジャズ・ギタリストの演奏としてはこれがベストかと思うほどの名演。なお、本盤の中ではこの曲のみピアノとドラムスが他の曲とは違うメンバーで演奏されている。 もう一つ本盤の意外な(?)聴きどころになっているのは、アルバム最後を飾る7.「ブルース・イン・ザ・ナイト」。この曲はバックなしの、平たく言えば“ギター・ソロ演奏”である。売出し中の頃のケニー・バレルなら、この余裕と貫録はあり得なかったろうと思う。ギター1本でじっくりまったり演ることに、何の引け目も感じていない。そんな雰囲気がこの演奏には満ち溢れている。 とまあ、ここまで述べてきてお気付きのように、緊張感やスリリングな雰囲気で聴かせる盤ではない。落ち着き払った、もっと言ってしまえば余裕たっぷりのブルージーなケニー・バレルの演奏についていける場合には名盤となる、そんな1枚といった具合。逆に、組み合わせの妙や、スタジオで何が飛び出すかわからない部分に“ジャズらしさ”を求める人には、もっと初期のバレル盤の方がいいのかな、とも正直なところ思う。とか言っても、筆者が本盤を気に入っていることに変わりはないけれど(笑)。[収録曲]1. Streetcar Named Desire2. Make Someone Happy3. ’Round Midnight4. I Think It's Going to Rain Today5. Since I Fell for You6. I'm Gonna Laugh You Right out of My Life7. Blues in the Night[パーソネル、録音]Kenny Burrell (g)Richard Wyands (p)Joe Sample (p, 3.のみ)Reggie Johnson (b)Lennie Mcbrowne (ds)Paul Humphrey (ds, 3.のみ) 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012年11月01日
コメント(0)
全17件 (17件中 1-17件目)
1
![]()

