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2003年12月23日

「カノン」篠田節子

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テーマ：今日どんな本をよみましたか?(100264)

カテゴリ：読書感想

最初、ホラー？えーっ！とぎくしゃく読み始めたのだったが、引き込まれた。

現在、ほんとに何気ない生活、小学校の音楽教師としてむしろ地道に活力たくましくいきている「瑞穂」。

青春の思い出の人の死、しかも自殺、に遭いガラガラと実生活が崩れていく。
崩れるのではない、青春の時の夢を取り戻していくのだ。

チェロ奏者の「瑞穂」。…私何を隠そうチェロ、好きなのです。ロストポービッチ、堤剛、ヨーヨー・マ。あの低い音が響いてくるのです、心に。

しかし、主題はバイオリン奏者、「香西康臣」のとぎすまされた感性。しかも
「高音のすすり泣くような音とか、低い音で包み込んでくれるような」情緒たっぷりな感性でなく、理論的な計算しつくされた奏者であった。そして、その彼をほんとうに理解したのは誰か。

高校の友人たち、親友の「小田嶋正寛」、マドンナの「岡宏子」、康臣が外国で知り合ったピアニストの「奥山周」が次々登場。

終盤、バッハのＣＤかけまくりで、音につつまれながら読みました。

結末は、やはり篠田さんらしく？女性賛歌でしたね。

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